JP2687273C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、サーミスタを利用した温度センサに関し、特に回転している被検知
体に接触させて、その表面温度を計測するための、温度センサに関するものであ
る。 【0002】 複写機等においては、静電潜像を形成した複写紙をトナーによって現像したの ち、定着用ヒートローラによって加熱することによって、トナーを溶着させて画
像を定着する。 【0003】 定着用ヒートローラは、定着作用を安定に行わせるために、常に、その表面温
度が、トナーおよび用紙によって定まる一定温度に制御されていることが望まし
い。そのため、表面温度の測定を行うことが必要であり、この目的のために、サ
ーミスタを利用した温度センサが広く用いられている。 【0004】 このような目的に使用される温度センサは、取り付け位置のずれによる検知温
度の変化が少ないとともに、温度測定誤差が小さいものであることが要求されて
いる。 【0005】 【従来の技術】 従来のように、複写機自体が大型の場合は、トナー定着用ヒートローラも外径
が大きい(例えばφ25)ものが用いられていた。そのためヒートローラの温度
制御に使用される温度センサには、断熱材として十分な大きさを持つスポンジ等
のクッション材ブロックを用いることができた。従って温度検出部の形状は大き
くなるが、ヒートローラとの密着性がよいため、取り付け位置のずれによって検
知温度の誤差が大きくなることはあまりなかった。 【0006】 しかしながら、近年において、機器が小型化されるのに伴って、複写機に使用
される各部品に対しても小型化の要求が強くなり、ヒートローラも、例えばφ1
8のような細形のものが使用されるようになった。そのため、ヒートローラの表
面温度測定用の温度センサも、小型化したものが求められるようになった。 【0007】 図6は、従来の小型化された温度センサを例示したものであって、(a)はサ
ーミスタ取り付け前の板バネ部と樹脂成形部との上面図、(b)は板バネ部の上
面を含む断面図、(c)は全体の組立て図を示し、4はサーミスタ、7は耐熱性
シート、14,15はサーミスタ4の取り付け部と端子部とを構成する板バネ、 16は樹脂成形部、17はサーミスタ4のリード線である。 【0008】 この温度センサは、同図(c)の組立て図に示すように、平行する2枚の板バ
ネ14,15の先端に設けられた切り欠き部に、板バネ14,15を跨いでサー
ミスタ4を収容し、サーミスタ4の2本のリード線17を、それぞれ板バネ14
,15に沿って端子部に接続するとともに、サーミスタ4と板バネ14,15の
面のヒートローラと接触する部分に、耐熱性シート7をはり付けた構造を有して
いる。 【0009】 図6に示された温度センサは、サーミスタの支持に大型のクッション材ブロッ
クを使用しないため、熱容量が小さく応答特性がよいとともに、サーミスタ4が
耐熱性シート7を介してヒートローラに接触するため、耐磨耗性に優れている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】 図6に示されたような、従来の小型化された温度センサは、取り付け位置のず
れによる検知温度の変化が大きいことと、正しく取り付けた場合でも、検知温度
の誤差が大きいという問題がある。 【0011】 図7は、温度センサの特性例を示したものであって、図中、Aは図6に示され
た従来の温度センサにおける取り付け位置ずれと検知温度との関係を示している
。ここで、位置ずれにおける(+)の符号は、ヒートローラと取り付け用の樹脂
成形部とが接近する方向にずれる場合を示し、(−)の符号は、逆に遠ざかる方
向にずれる場合を示したものである。 【0012】 図7は、ヒートローラの温度を160°Cに設定した場合を示し、従来の温度
センサでは、取り付け位置ずれによる検知温度の変化が大きいとともに、正しく
取り付けた場合でも、検知温度の真値からの誤差が大きいことが示されている。 【0013】 本発明は、このような従来技術の課題を解決しようとするものであって、回転 する被検知体の表面温度を計測するための温度センサにおいて、取り付け位置の
ずれによる検知温度の変化を極力少なくするとともに、検知温度がなるべく真値
に近くなるようにすることを目的としている。 【0014】 さらに本発明においては、取り付け位置のずれ自体を極力少なくするような、
温度センサの構造を提案するとともに、温度センサからの接続線の引き出しを、
リード線の直結によらずに、コネクタを用いて脱着可能なようにすることを目的
としている。 【0015】 【課題を解決するための手段】 (1) 板バネ1と2個の端子2とを樹脂成形部3によって相互に絶縁して一体に
成形し、板バネ1の一方の面の先端にクッション材片11を接着して、その上に
サーミスタ4を取り付けるとともに、サーミスタ4とクッション材片11との間
に金属箔13を挿入し、サーミスタ4のリード線17を板バネ1の一方の面には
り付けた絶縁シート6上を這わせて端子2に接続し、さらに上部にサーミスタ4
をセットしたクッション材片11の上から、板バネ1に対して、耐熱性シートを
板バネ1の長手方向に上下に折り返してまき付けてはり付けて温度センサを構成
する。 【0016】 (2)(1)の温度センサにおいて、樹脂成形部3に取り付け用の穴9と、取り付け
位置規正用の突起部10とを設ける。 【0017】 (3)(1)又は(2)の温度センサにおいて、樹脂成形部3にサーミスタのリード線
17を収容するための溝12を設ける。 【0018】 (4)(1)〜(3)のいずれかの温度センサにおいて、端子2を角柱状または円柱状
のピンによって構成して、温度センサをコネクタ接続可能にする。 【0019】 【作用】 (1) 図6に示された従来の温度センサにおいて、位置ずれによる検知温度の変
化が大きい原因は、次のようなものであると考えられる。すなわち図6の温度セ
ンサでは、温度検知用のサーミスタ4が、2枚の板バネ14,15に跨がる形で
取り付けられているとともに、板バネ14,15の下面でヒートローラの面に接
触する構造になっている。 【0020】 そのため、外径が小さくなったヒートローラと板バネ14,15とは、一本の
線で接触することになる。従って、この接触線とサーミスタ4の位置が合致して
いるときはよいが、サーミスタ4の組み込み位置、または温度センサ自体の取り
付け位置が少しでもずれると、この接触線の位置がサーミスタ4から離れた位置
に生じるので、ヒートローラの温度は、金属からなる板バネ14,15による熱
伝導を介してサーミスタ4に検知されることになるため、温度勾配を生じること
を避けられず、正しい位置にある場合と比較して、検知温度が低くなる。 【0021】 また温度センサが正しい位置に取り付けられている場合でも、熱が板バネ14
,15を介して温度の低い端子の方向に逃げ、また板バネ表面からの熱の放散も
あるため、温度センサによる検知温度は真値と比較して低くなる。 【0022】 このような課題を解決するために、本発明においては、例えば図2(a)また
は図3(a)に示すように、板バネ1上に発泡したスポンジ状の断熱性の大きい
クッション材片11を取り付け、このクッション材片11上にサーミスタ4を取
り付けた構造とする。 【0023】 このようにすることによって、クッション材片11の表面がヒートローラの面
に沿って湾曲して密着するので、サーミスタ4または温度センサ自体の取り付け
位置に多少のずれがあっても、サーミスタ4は常にヒートローラの表面に押し当
てられるようになり、従って取り付け位置のずれに基づく検知温度の変化を生じ
ない。 【0024】 またこの場合は、クッション材が熱の不良導体であるため、ヒートローラの熱
が板バネを介して逃げる割合が小さくなり、従ってサーミスタ4において検知さ
れる温度がより真値に近いものとなる。 【0025】 (2) さらに、本発明においては、例えは図4に示すように、アルミニウムや銅
等の熱伝導率の高い金属からなる薄い板材(箔)13を、サーミスタ4とクッシ
ョン材片11との間に挿入することによって、サーミスタ4に対する受熱面積を
拡大して集熱効率を向上させる。 【0026】 このようにすることによって、取り付け位置のずれによる検知温度の変化をよ
り少なくするとともに、集熱効率の向上によって応答性を改善し、かつ、検知温
度をより真値に近づけることができる。 【0027】 (3) 温度センサが小型化されたものであって、その取り付け位置のずれによる
検知温度の変化が大きい場合には、工場の生産ラインで、通常程度の注意力のも
とで温度センサの取り付け作業を行っても、常に正しい位置に温度センサを取り
付けられるようにしておくことが望ましい。 【0028】 本発明においては、図1(d)に示すように、板バネ1と端子2を固定する樹
脂成形部3に、温度センサを複写機等に固定するためのネジを通す取り付け用の
穴9と、温度センサの取り付け方向を規正するための突起部10とを設ける。 【0029】 このようにすることによって、温度センサは、2個の支持点において支持され
るようになるので、取り付け位置を常に正しく保つことができるとともに、この
場合の取り付けは、1本のネジの締めつけのみで済むので、取り付け作業が容易
になる。 【0030】 (4) また温度センサの取り付け位置の正確さが要求される場合には、図1に示
すような基本構造を有する温度センサの場合、図1(c)に示すように、板バネ 1と樹脂成形部3とは、常に一定の位置関係および角度関係を保持するものであ
ることが必要であり、そのためには、板バネ1は、常に正しい平面を保っている
とともに、板面に捻じれ等があってはならない。 【0031】 本発明においては、図1(a)に示すように、樹脂成形部3の板バネ1に対応
する部分にごく小さな穴8が設けられている。穴8は、樹脂成形部3の成形時に
、図示されない金型に設けられた2個のピンによって、板バネ1を抑えて固定し
た状態で樹脂の注入を行う結果生じたものであり、このようにすることによって
、板バネ1を樹脂成形部3に対して、常に正しい位置関係になるように固定する
ことができる。 【0032】 さらに、本発明においては、樹脂成形部3に、2本の細い溝12を設けて、こ
の部分にリード線17を通して端子2に導くように構成されている。 【0033】 これによって、温度センサの組立て時に、サーミスタ4と端子2とを接続する
際に、サーミスタ4のリード線17を傷つけたりすることを防止することができ
る。 【0034】 (5) 本発明においては、図1,図2,図4,図5に示すように、板バネ1とヒ
ートローラとの接触部に、平滑で磨耗の少ない、テープ状の耐熱性シート7Aま
たは7Bが設けられている。また図3に示すように、板バネ1とヒートローラと
の接触部に、同様のテープ状の耐熱性シート7Cを上下に折り返して巻き付けて
はり付けられている。 【0035】 耐熱性シート7A,7B,7Cは、温度センサとヒートローラとを電気的に絶
縁するとともに、温度センサが回転しているヒートローラに一定の圧力で押しつ
けられる際に、温度センサとヒートローラとを磨耗から保護するために設けられ
ているものである。従来のクッション材ブロックをを用いた温度センサにおいて
は、同じ目的に対して、クッション材とサーミスタとを耐熱性のテープを用いて 、ヒートローラの回転方向に対して横方向に1回以上巻回して固定する構造が用
いられていた。 【0036】 これに対して本発明においては、板バネ1の長軸方向に上下2枚の粘着性テー
プからなる耐熱性シート7A,7Bをはり付け、または1枚の粘着性テープから
なる耐熱性シート7Cを板バネ1の長軸方向に折り返して巻き付けてはり付ける
ことによって、ヒートローラの回転に対して安定に耐熱性シートを支持すること
ができるとともに、使用材料を節減することができる。 【0037】 (6) 温度センサの外部との接続には、脱着可能な構造にすることが、組立てま
たは保守の目的上便利である。本発明においては、図5に示すように、端子2と
して角柱状または円柱状のピンを使用し、樹脂成形部3Aの形状を多少長くして
、ピン2を強固に固定できるようにすることによって、コネクタとして使用でき
るようにする。 【0038】 図6に示された従来の温度センサでは、2個の板バネ14,15を樹脂成形部
16によって固定し、板バネ14,15のサーミスタ4と反対側の延長部を端子
として利用していたので、コネクタ接続とすることはできなかったが、本発明の
ようにすることによって、容易にコネクタ接続を実現することができる。 【0039】 【実施例】 図1は、本発明の温度センサの基本形を示している。1はステンレススチール
またはりん青銅等の弾力性を有する金属の薄板からなる板バネを示し、2は板バ
ネ1と分離して設けられた2個の端子である。3は板バネ1と端子2を固定する
樹脂成形部、4は板バネ1の先端に設けられた切り欠き部に収容されたサーミス
タ、5はサーミスタ4のリード線と端子2の接続部、6はサーミスタ4のリード
線と板バネ1の間を絶縁する耐熱性の絶縁シート、7Aは板バネ1の上面に設け
られた耐熱性シート、7Bは板バネ1の下面に設けられた耐熱性シート、8は樹
脂成形時に板バネを抑えるために形成された穴、9は温度センサをネジどめする ための取り付け用の穴、10は温度センサの取り付け方向を規正するための突起
部、12はサーミスタのリード線を通す溝、17はサーミスタ4のリード線であ
る。 【0040】 図1において、(a),(b),(c)はそれぞれ温度センサの組立て前の板
バネ1と、端子2および樹脂成形部3の上面図、板バネ1の面に沿った断面図お
よび図(a)のA−A’における側断面図を示したものであって、板バネ1と端
子2との間にはある間隔を設けて、相互に電気的絶縁が十分保たれるように、樹
脂成形部3によって固定されることが示されている。 【0041】 樹脂成形部3には、温度センサの固定のために使用するネジを挿入するための
取り付け用の穴9と、温度センサの取り付け方向を規正するための突起部10と
が設けられている。この温度センサが取り付けられる装置の側には、ネジ止め用
の穴(タップ加工が施されていることが望ましい)と、突起部10を挿入するた
めの穴とが設けられていて、この2つの穴に合わせた状態で、取り付け穴9を利
用してネジ止めを行うことによって、温度センサの取り付け位置と取り付け方向
とを正しく定めることができるようになっている。 【0042】 また図1において、(d),(e)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の
上面図と側面図とを示している。最初、板バネ1の上面の斜線を施して示す部分
に、耐熱性の薄い絶縁シート6をはり付けたのち、サーミスタ4を板バネ1の先
端の切り欠き部にセットして、樹脂で固定する。この際、樹脂があまり盛り上が
らないように注意する必要がある。 【0043】 次に、サーミスタ4のリード線17を、絶縁シート6上に這わせて樹脂成形部
3の溝12内に導き、接続部5において、リード線17の先端をスポット・ウェ
ルド,かしめまたはハンダ付け等の手段によって端子2に接続する。さらに、サ
ーミスタ4とリード線17とを耐熱性シート7Aで覆って保護する。 【0044】 また、板バネ1の下面には、耐熱性シート7Bをはり付けて保護する。これは
、板バネ1の下面は回転するヒートローラに押し当てられるので、板バネ1やサ
ーミスタ4、またはヒートローラの面が傷ついたり、磨耗したりするのを防止す
るためである。そのため、耐熱性シート7Bには、十分な耐熱性があるとともに
平滑でありかつ耐磨耗性の、例えばポリイミドシート等を使用する。 【0045】 これらの耐熱性シート7A,7B等は、粘着性のテープからなる材料を板バネ
1の長手方向に沿ってはり付けて構成することによって、ヒートローラの回転に
対して安定にシートを支持することができるとともに、使用材料を節減すること
ができる。 【0046】 図1に示された基本形の温度センサは、構造が簡単で製作が容易であるが、板
バネ1が耐熱性シート7Bを介して、回転するヒートローラに接しているととも
に、サーミスタ4が板バネ1に直接取り付けたのと殆ど同様な状態になっている
ので、熱が板バネ1を通じて逃げるため、サーミスタ4による検知温度が低くな
るだけでなく、応答が遅くなる傾向がある。 【0047】 図2は、本発明の実施例(1)を示したものであって、図1の基本形の欠点を
除去するため、サーミスタの取り付け方法に改善を加えたものである。図1にお
けると同じものを同じ番号で示し、7A,7Bはそれぞれ板バネ1の上面と下面
とにはり付けられた耐熱性シート、11はサーミスタ4を取り付けるための発泡
したスポンジ等からなるクッション材片である。 【0048】 図2において、(a),(b)はそれぞれ温度センサの組立て前の板バネ1と
、端子2および樹脂成形部3の上面図と、図(a)のA−A’における側断面図
とを示したものであって、図1の場合と同様に、板バネ1と端子2との間にはあ
る間隔を設けて、相互に電気的絶縁が十分保たれるように、樹脂成形部3によっ
て固定されている。 【0049】 さらに、クッション材片11を、板バネ1の上面の先端部にはり付けるととも
に、板バネ1の上面の斜線を施して示す部分に、耐熱性の薄い絶縁シート6をは
り付ける。 【0050】 図2において、(c),(d)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の上面
図と、拡大した側面図とを示している。最初、クッション材片11の上部にサー
ミスタ4をセットし、その上に、耐熱性シート7Aをはり付けて保護する。また
板バネ1の下面にも、耐熱性シート7Bをはり付けて保護する。 【0051】 板バネ1は、その上面のクッション材片11の部分で、回転するヒートローラ
に押し当てられるので、耐熱性シート7Aによって、サーミスタ4やクッション
材片11、またはヒートローラの面が傷ついたり、磨耗したりするのを防止する
。耐熱性シート7Aには、十分な耐熱性があるとともに平滑でありかつ耐磨耗性
の、例えばポリイミドシート等を使用する。 【0052】 これらの耐熱性シート7A,7B等は、粘着テープからなる材料を板バネ1の
長手方向に沿ってはり付けることによって、ヒートローラの回転に対して安定に
シートを支持することができるとともに、使用材料を節減することができる。 【0053】 図3は、本発明の実施例(2)を示したものであって、図2の実施例と同様で
あるが、サーミスタの取り付け面が、板バネの面とほぼ一致するようにした構造
の場合を示し、図2におけると同じものを同じ番号で示している。 【0054】 図3において、(a),(b)はそれぞれ温度センサの組立て前の板バネ1と
、端子2および樹脂成形部3の上面図および側面図を示したものである。板バネ
1は、先端部がクッション材片11の厚みに相当する高さを折り曲げられており
、この折り曲げ部分にクッション材片11をはり付けたことが示されている。 【0055】 図3において、(c),(d)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の上面 図と、拡大した側面図とを示している。この実施例においては、板バネ1の先端
部を折り曲げてクッション材片11を取り付けるようにしたので、サーミスタ4
の取り付け面と板バネ1の面とがほぼ一致するようになっている。また、クッシ
ョン材片11を含む板バネ1の先端部には、耐熱シート7Cが板バネ1の長手方
向の上下に折り返して巻き付けてはり付けられている。 【0056】 図3の構成においては、サーミスタ4および板バネ1の上下の面を覆って、1
枚の耐熱性シート7Cを板バネ1の長手方向に上下に折り返して巻き付けるよう
にしているので、ヒートローラの回転に対して耐熱性シートを安定させるととも
に、製作工数を減少させることができる。なお、耐熱性シート7Cに代えて、図
2の実施例に示されたように、上下2枚の耐熱性シートを使用してもよいことは
いうまでもない。 【0057】 その他の点は図2の実施例の場合と同様である。図2の構成と図3の構成とは
、適用すべき複写機の構造に応じていずれかを選択することができる。 【0058】 図2または図3に示された実施例においては、板バネ1上にクッション材片1
1を取り付け、このクッション材片11上にサーミスタ4を取り付けた構造とし
たので、クッション材片11の表面がヒートローラの面に沿って湾曲して密着し
、サーミスタ4または温度センサ自体の取り付け位置に多少のずれが生じても、
サーミスタ4は常にヒートローラの表面に押し当てられるようになり、従って検
知温度に変化を生じることがない。 【0059】 またこの場合は、クッション材が熱の不良導体であるため、ヒートローラの熱
が板バネを介して逃げる割合が小さくなり、従ってサーミスタ4において検知さ
れる温度がより真値に近いものとなる。 【0060】 図4は、本発明の実施例(3)を示したものであって、サーミスタに対する集
熱効率を改善した場合を示している。図2におけると同じものを同じ番号で示し 、13はサーミスタ4とクッション材片11との間に挿入された、熱伝導率の大
きい金属であるアルミニウムまたは銅等からなる金属箔である。 【0061】 図4において、(a),(b)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の上面
図と、側面図とを示している。金属箔13は、サーミスタ4に対する受熱面積を
拡大して、集熱効率を向上させる作用を行う。その他の点は図2に示された実施
例と同様である。 【0062】 図4に示された実施例では、サーミスタ4とクッション材片11との間に金属
箔13を挿入したので、取り付け位置のずれによる検知温度の変化をより少なく
するとともに、集熱効率の向上によって応答性を改善し、かつ、検知温度をより
真値に近づけることができるようになる。 【0063】 前述の図7において、Bは図4に示された実施例における、温度センサの取り
付け位置ずれと検知温度との関係を示したものであって、位置ずれにおける(+
)の符号と(−)の符号の意味は、図7のAの場合と同様である。 【0064】 図7において、Aに示す従来の温度センサの特性例と、Bに示す本発明による
温度センサの特性例とを比較すれば明らかなように、本発明によれば、温度セン
サの取り付け位置ずれによる検知温度の変化が少ないとともに、正しく取り付け
た場合における検知温度の真値からの誤差も小さくなる。 【0065】 図5は、本発明の実施例(4)を示したものであって、コネクタによって温度
センサの着脱を容易にした場合を示している。図5は図1に示す基本形に適用し
た場合を示したものであって、図1におけると同じものを同じ番号で示し、3A
は変形された樹脂成形部である。 【0066】 図5において、(a),(b)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の上面
図と、図(a)のA−A’における側断面図とを示している。樹脂成形部3Aは 、図1に示された樹脂成形部3と比較して多少長くなるように形成されており、
角柱形ピンまたは円柱形ピンからなる端子2を樹脂成形時に埋め込むことによっ
て、この温度センサをコネクタ接続によって使用できるように構成されている。
その他の点は、図1に示された基本形と同様である。 【0067】 図5に示された実施例では、温度センサがコネクタ形式に構成されているので
、組立て時または保守時等において、温度センサの接続のために、端子のはんだ
付けやスポットウェルド等の作業を必要とせず、コネクタの着脱のみによって、
容易に取り付け,取り外しを行うことができるので、組み立ての作業性や保守性
を向上させることができる。なお図5の実施例に示されたコネクタ化を、図2〜
図4に示された実施例に対しても適用できることはいうまでもない。 【0068】 なお、図2,図4および図5に示された実施例において、図3の場合と同様に
、耐熱性シート7A,7Bに代えて1枚の耐熱性シートを使用して、板バネ1の
長手方向の上下に折り返して巻き付けてはり付けるようにしてもよく、これによ
ってヒートローラの回転に対して耐熱性シートを安定させるとともに、製作工数
を減少させることができる。 【0069】 【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、複写機等における、回転する被検知体の
表面温度測定に使用される温度センサにおいて、温度検知用のサーミスタを熱の
不良導体であるクッション材片を介して板バネ上に取り付けるようにしたので、
板バネとの間の熱抵抗を大きくすることができるとともに、弾力性を有するクッ
ション材の介在によってサーミスタとヒートローラとの密着性が改善されるので
、温度センサの取り付け位置のずれによる、検知温度の変化が少なくなるととも
に、検知温度の真値からの誤差が小さくなる。さらに金属箔をサーミスタとクッ
ション材との間に挿入して集熱効率を向上させることができ、これによって、上
述の効果をさらに助長することができる。
体に接触させて、その表面温度を計測するための、温度センサに関するものであ
る。 【0002】 複写機等においては、静電潜像を形成した複写紙をトナーによって現像したの ち、定着用ヒートローラによって加熱することによって、トナーを溶着させて画
像を定着する。 【0003】 定着用ヒートローラは、定着作用を安定に行わせるために、常に、その表面温
度が、トナーおよび用紙によって定まる一定温度に制御されていることが望まし
い。そのため、表面温度の測定を行うことが必要であり、この目的のために、サ
ーミスタを利用した温度センサが広く用いられている。 【0004】 このような目的に使用される温度センサは、取り付け位置のずれによる検知温
度の変化が少ないとともに、温度測定誤差が小さいものであることが要求されて
いる。 【0005】 【従来の技術】 従来のように、複写機自体が大型の場合は、トナー定着用ヒートローラも外径
が大きい(例えばφ25)ものが用いられていた。そのためヒートローラの温度
制御に使用される温度センサには、断熱材として十分な大きさを持つスポンジ等
のクッション材ブロックを用いることができた。従って温度検出部の形状は大き
くなるが、ヒートローラとの密着性がよいため、取り付け位置のずれによって検
知温度の誤差が大きくなることはあまりなかった。 【0006】 しかしながら、近年において、機器が小型化されるのに伴って、複写機に使用
される各部品に対しても小型化の要求が強くなり、ヒートローラも、例えばφ1
8のような細形のものが使用されるようになった。そのため、ヒートローラの表
面温度測定用の温度センサも、小型化したものが求められるようになった。 【0007】 図6は、従来の小型化された温度センサを例示したものであって、(a)はサ
ーミスタ取り付け前の板バネ部と樹脂成形部との上面図、(b)は板バネ部の上
面を含む断面図、(c)は全体の組立て図を示し、4はサーミスタ、7は耐熱性
シート、14,15はサーミスタ4の取り付け部と端子部とを構成する板バネ、 16は樹脂成形部、17はサーミスタ4のリード線である。 【0008】 この温度センサは、同図(c)の組立て図に示すように、平行する2枚の板バ
ネ14,15の先端に設けられた切り欠き部に、板バネ14,15を跨いでサー
ミスタ4を収容し、サーミスタ4の2本のリード線17を、それぞれ板バネ14
,15に沿って端子部に接続するとともに、サーミスタ4と板バネ14,15の
面のヒートローラと接触する部分に、耐熱性シート7をはり付けた構造を有して
いる。 【0009】 図6に示された温度センサは、サーミスタの支持に大型のクッション材ブロッ
クを使用しないため、熱容量が小さく応答特性がよいとともに、サーミスタ4が
耐熱性シート7を介してヒートローラに接触するため、耐磨耗性に優れている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】 図6に示されたような、従来の小型化された温度センサは、取り付け位置のず
れによる検知温度の変化が大きいことと、正しく取り付けた場合でも、検知温度
の誤差が大きいという問題がある。 【0011】 図7は、温度センサの特性例を示したものであって、図中、Aは図6に示され
た従来の温度センサにおける取り付け位置ずれと検知温度との関係を示している
。ここで、位置ずれにおける(+)の符号は、ヒートローラと取り付け用の樹脂
成形部とが接近する方向にずれる場合を示し、(−)の符号は、逆に遠ざかる方
向にずれる場合を示したものである。 【0012】 図7は、ヒートローラの温度を160°Cに設定した場合を示し、従来の温度
センサでは、取り付け位置ずれによる検知温度の変化が大きいとともに、正しく
取り付けた場合でも、検知温度の真値からの誤差が大きいことが示されている。 【0013】 本発明は、このような従来技術の課題を解決しようとするものであって、回転 する被検知体の表面温度を計測するための温度センサにおいて、取り付け位置の
ずれによる検知温度の変化を極力少なくするとともに、検知温度がなるべく真値
に近くなるようにすることを目的としている。 【0014】 さらに本発明においては、取り付け位置のずれ自体を極力少なくするような、
温度センサの構造を提案するとともに、温度センサからの接続線の引き出しを、
リード線の直結によらずに、コネクタを用いて脱着可能なようにすることを目的
としている。 【0015】 【課題を解決するための手段】 (1) 板バネ1と2個の端子2とを樹脂成形部3によって相互に絶縁して一体に
成形し、板バネ1の一方の面の先端にクッション材片11を接着して、その上に
サーミスタ4を取り付けるとともに、サーミスタ4とクッション材片11との間
に金属箔13を挿入し、サーミスタ4のリード線17を板バネ1の一方の面には
り付けた絶縁シート6上を這わせて端子2に接続し、さらに上部にサーミスタ4
をセットしたクッション材片11の上から、板バネ1に対して、耐熱性シートを
板バネ1の長手方向に上下に折り返してまき付けてはり付けて温度センサを構成
する。 【0016】 (2)(1)の温度センサにおいて、樹脂成形部3に取り付け用の穴9と、取り付け
位置規正用の突起部10とを設ける。 【0017】 (3)(1)又は(2)の温度センサにおいて、樹脂成形部3にサーミスタのリード線
17を収容するための溝12を設ける。 【0018】 (4)(1)〜(3)のいずれかの温度センサにおいて、端子2を角柱状または円柱状
のピンによって構成して、温度センサをコネクタ接続可能にする。 【0019】 【作用】 (1) 図6に示された従来の温度センサにおいて、位置ずれによる検知温度の変
化が大きい原因は、次のようなものであると考えられる。すなわち図6の温度セ
ンサでは、温度検知用のサーミスタ4が、2枚の板バネ14,15に跨がる形で
取り付けられているとともに、板バネ14,15の下面でヒートローラの面に接
触する構造になっている。 【0020】 そのため、外径が小さくなったヒートローラと板バネ14,15とは、一本の
線で接触することになる。従って、この接触線とサーミスタ4の位置が合致して
いるときはよいが、サーミスタ4の組み込み位置、または温度センサ自体の取り
付け位置が少しでもずれると、この接触線の位置がサーミスタ4から離れた位置
に生じるので、ヒートローラの温度は、金属からなる板バネ14,15による熱
伝導を介してサーミスタ4に検知されることになるため、温度勾配を生じること
を避けられず、正しい位置にある場合と比較して、検知温度が低くなる。 【0021】 また温度センサが正しい位置に取り付けられている場合でも、熱が板バネ14
,15を介して温度の低い端子の方向に逃げ、また板バネ表面からの熱の放散も
あるため、温度センサによる検知温度は真値と比較して低くなる。 【0022】 このような課題を解決するために、本発明においては、例えば図2(a)また
は図3(a)に示すように、板バネ1上に発泡したスポンジ状の断熱性の大きい
クッション材片11を取り付け、このクッション材片11上にサーミスタ4を取
り付けた構造とする。 【0023】 このようにすることによって、クッション材片11の表面がヒートローラの面
に沿って湾曲して密着するので、サーミスタ4または温度センサ自体の取り付け
位置に多少のずれがあっても、サーミスタ4は常にヒートローラの表面に押し当
てられるようになり、従って取り付け位置のずれに基づく検知温度の変化を生じ
ない。 【0024】 またこの場合は、クッション材が熱の不良導体であるため、ヒートローラの熱
が板バネを介して逃げる割合が小さくなり、従ってサーミスタ4において検知さ
れる温度がより真値に近いものとなる。 【0025】 (2) さらに、本発明においては、例えは図4に示すように、アルミニウムや銅
等の熱伝導率の高い金属からなる薄い板材(箔)13を、サーミスタ4とクッシ
ョン材片11との間に挿入することによって、サーミスタ4に対する受熱面積を
拡大して集熱効率を向上させる。 【0026】 このようにすることによって、取り付け位置のずれによる検知温度の変化をよ
り少なくするとともに、集熱効率の向上によって応答性を改善し、かつ、検知温
度をより真値に近づけることができる。 【0027】 (3) 温度センサが小型化されたものであって、その取り付け位置のずれによる
検知温度の変化が大きい場合には、工場の生産ラインで、通常程度の注意力のも
とで温度センサの取り付け作業を行っても、常に正しい位置に温度センサを取り
付けられるようにしておくことが望ましい。 【0028】 本発明においては、図1(d)に示すように、板バネ1と端子2を固定する樹
脂成形部3に、温度センサを複写機等に固定するためのネジを通す取り付け用の
穴9と、温度センサの取り付け方向を規正するための突起部10とを設ける。 【0029】 このようにすることによって、温度センサは、2個の支持点において支持され
るようになるので、取り付け位置を常に正しく保つことができるとともに、この
場合の取り付けは、1本のネジの締めつけのみで済むので、取り付け作業が容易
になる。 【0030】 (4) また温度センサの取り付け位置の正確さが要求される場合には、図1に示
すような基本構造を有する温度センサの場合、図1(c)に示すように、板バネ 1と樹脂成形部3とは、常に一定の位置関係および角度関係を保持するものであ
ることが必要であり、そのためには、板バネ1は、常に正しい平面を保っている
とともに、板面に捻じれ等があってはならない。 【0031】 本発明においては、図1(a)に示すように、樹脂成形部3の板バネ1に対応
する部分にごく小さな穴8が設けられている。穴8は、樹脂成形部3の成形時に
、図示されない金型に設けられた2個のピンによって、板バネ1を抑えて固定し
た状態で樹脂の注入を行う結果生じたものであり、このようにすることによって
、板バネ1を樹脂成形部3に対して、常に正しい位置関係になるように固定する
ことができる。 【0032】 さらに、本発明においては、樹脂成形部3に、2本の細い溝12を設けて、こ
の部分にリード線17を通して端子2に導くように構成されている。 【0033】 これによって、温度センサの組立て時に、サーミスタ4と端子2とを接続する
際に、サーミスタ4のリード線17を傷つけたりすることを防止することができ
る。 【0034】 (5) 本発明においては、図1,図2,図4,図5に示すように、板バネ1とヒ
ートローラとの接触部に、平滑で磨耗の少ない、テープ状の耐熱性シート7Aま
たは7Bが設けられている。また図3に示すように、板バネ1とヒートローラと
の接触部に、同様のテープ状の耐熱性シート7Cを上下に折り返して巻き付けて
はり付けられている。 【0035】 耐熱性シート7A,7B,7Cは、温度センサとヒートローラとを電気的に絶
縁するとともに、温度センサが回転しているヒートローラに一定の圧力で押しつ
けられる際に、温度センサとヒートローラとを磨耗から保護するために設けられ
ているものである。従来のクッション材ブロックをを用いた温度センサにおいて
は、同じ目的に対して、クッション材とサーミスタとを耐熱性のテープを用いて 、ヒートローラの回転方向に対して横方向に1回以上巻回して固定する構造が用
いられていた。 【0036】 これに対して本発明においては、板バネ1の長軸方向に上下2枚の粘着性テー
プからなる耐熱性シート7A,7Bをはり付け、または1枚の粘着性テープから
なる耐熱性シート7Cを板バネ1の長軸方向に折り返して巻き付けてはり付ける
ことによって、ヒートローラの回転に対して安定に耐熱性シートを支持すること
ができるとともに、使用材料を節減することができる。 【0037】 (6) 温度センサの外部との接続には、脱着可能な構造にすることが、組立てま
たは保守の目的上便利である。本発明においては、図5に示すように、端子2と
して角柱状または円柱状のピンを使用し、樹脂成形部3Aの形状を多少長くして
、ピン2を強固に固定できるようにすることによって、コネクタとして使用でき
るようにする。 【0038】 図6に示された従来の温度センサでは、2個の板バネ14,15を樹脂成形部
16によって固定し、板バネ14,15のサーミスタ4と反対側の延長部を端子
として利用していたので、コネクタ接続とすることはできなかったが、本発明の
ようにすることによって、容易にコネクタ接続を実現することができる。 【0039】 【実施例】 図1は、本発明の温度センサの基本形を示している。1はステンレススチール
またはりん青銅等の弾力性を有する金属の薄板からなる板バネを示し、2は板バ
ネ1と分離して設けられた2個の端子である。3は板バネ1と端子2を固定する
樹脂成形部、4は板バネ1の先端に設けられた切り欠き部に収容されたサーミス
タ、5はサーミスタ4のリード線と端子2の接続部、6はサーミスタ4のリード
線と板バネ1の間を絶縁する耐熱性の絶縁シート、7Aは板バネ1の上面に設け
られた耐熱性シート、7Bは板バネ1の下面に設けられた耐熱性シート、8は樹
脂成形時に板バネを抑えるために形成された穴、9は温度センサをネジどめする ための取り付け用の穴、10は温度センサの取り付け方向を規正するための突起
部、12はサーミスタのリード線を通す溝、17はサーミスタ4のリード線であ
る。 【0040】 図1において、(a),(b),(c)はそれぞれ温度センサの組立て前の板
バネ1と、端子2および樹脂成形部3の上面図、板バネ1の面に沿った断面図お
よび図(a)のA−A’における側断面図を示したものであって、板バネ1と端
子2との間にはある間隔を設けて、相互に電気的絶縁が十分保たれるように、樹
脂成形部3によって固定されることが示されている。 【0041】 樹脂成形部3には、温度センサの固定のために使用するネジを挿入するための
取り付け用の穴9と、温度センサの取り付け方向を規正するための突起部10と
が設けられている。この温度センサが取り付けられる装置の側には、ネジ止め用
の穴(タップ加工が施されていることが望ましい)と、突起部10を挿入するた
めの穴とが設けられていて、この2つの穴に合わせた状態で、取り付け穴9を利
用してネジ止めを行うことによって、温度センサの取り付け位置と取り付け方向
とを正しく定めることができるようになっている。 【0042】 また図1において、(d),(e)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の
上面図と側面図とを示している。最初、板バネ1の上面の斜線を施して示す部分
に、耐熱性の薄い絶縁シート6をはり付けたのち、サーミスタ4を板バネ1の先
端の切り欠き部にセットして、樹脂で固定する。この際、樹脂があまり盛り上が
らないように注意する必要がある。 【0043】 次に、サーミスタ4のリード線17を、絶縁シート6上に這わせて樹脂成形部
3の溝12内に導き、接続部5において、リード線17の先端をスポット・ウェ
ルド,かしめまたはハンダ付け等の手段によって端子2に接続する。さらに、サ
ーミスタ4とリード線17とを耐熱性シート7Aで覆って保護する。 【0044】 また、板バネ1の下面には、耐熱性シート7Bをはり付けて保護する。これは
、板バネ1の下面は回転するヒートローラに押し当てられるので、板バネ1やサ
ーミスタ4、またはヒートローラの面が傷ついたり、磨耗したりするのを防止す
るためである。そのため、耐熱性シート7Bには、十分な耐熱性があるとともに
平滑でありかつ耐磨耗性の、例えばポリイミドシート等を使用する。 【0045】 これらの耐熱性シート7A,7B等は、粘着性のテープからなる材料を板バネ
1の長手方向に沿ってはり付けて構成することによって、ヒートローラの回転に
対して安定にシートを支持することができるとともに、使用材料を節減すること
ができる。 【0046】 図1に示された基本形の温度センサは、構造が簡単で製作が容易であるが、板
バネ1が耐熱性シート7Bを介して、回転するヒートローラに接しているととも
に、サーミスタ4が板バネ1に直接取り付けたのと殆ど同様な状態になっている
ので、熱が板バネ1を通じて逃げるため、サーミスタ4による検知温度が低くな
るだけでなく、応答が遅くなる傾向がある。 【0047】 図2は、本発明の実施例(1)を示したものであって、図1の基本形の欠点を
除去するため、サーミスタの取り付け方法に改善を加えたものである。図1にお
けると同じものを同じ番号で示し、7A,7Bはそれぞれ板バネ1の上面と下面
とにはり付けられた耐熱性シート、11はサーミスタ4を取り付けるための発泡
したスポンジ等からなるクッション材片である。 【0048】 図2において、(a),(b)はそれぞれ温度センサの組立て前の板バネ1と
、端子2および樹脂成形部3の上面図と、図(a)のA−A’における側断面図
とを示したものであって、図1の場合と同様に、板バネ1と端子2との間にはあ
る間隔を設けて、相互に電気的絶縁が十分保たれるように、樹脂成形部3によっ
て固定されている。 【0049】 さらに、クッション材片11を、板バネ1の上面の先端部にはり付けるととも
に、板バネ1の上面の斜線を施して示す部分に、耐熱性の薄い絶縁シート6をは
り付ける。 【0050】 図2において、(c),(d)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の上面
図と、拡大した側面図とを示している。最初、クッション材片11の上部にサー
ミスタ4をセットし、その上に、耐熱性シート7Aをはり付けて保護する。また
板バネ1の下面にも、耐熱性シート7Bをはり付けて保護する。 【0051】 板バネ1は、その上面のクッション材片11の部分で、回転するヒートローラ
に押し当てられるので、耐熱性シート7Aによって、サーミスタ4やクッション
材片11、またはヒートローラの面が傷ついたり、磨耗したりするのを防止する
。耐熱性シート7Aには、十分な耐熱性があるとともに平滑でありかつ耐磨耗性
の、例えばポリイミドシート等を使用する。 【0052】 これらの耐熱性シート7A,7B等は、粘着テープからなる材料を板バネ1の
長手方向に沿ってはり付けることによって、ヒートローラの回転に対して安定に
シートを支持することができるとともに、使用材料を節減することができる。 【0053】 図3は、本発明の実施例(2)を示したものであって、図2の実施例と同様で
あるが、サーミスタの取り付け面が、板バネの面とほぼ一致するようにした構造
の場合を示し、図2におけると同じものを同じ番号で示している。 【0054】 図3において、(a),(b)はそれぞれ温度センサの組立て前の板バネ1と
、端子2および樹脂成形部3の上面図および側面図を示したものである。板バネ
1は、先端部がクッション材片11の厚みに相当する高さを折り曲げられており
、この折り曲げ部分にクッション材片11をはり付けたことが示されている。 【0055】 図3において、(c),(d)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の上面 図と、拡大した側面図とを示している。この実施例においては、板バネ1の先端
部を折り曲げてクッション材片11を取り付けるようにしたので、サーミスタ4
の取り付け面と板バネ1の面とがほぼ一致するようになっている。また、クッシ
ョン材片11を含む板バネ1の先端部には、耐熱シート7Cが板バネ1の長手方
向の上下に折り返して巻き付けてはり付けられている。 【0056】 図3の構成においては、サーミスタ4および板バネ1の上下の面を覆って、1
枚の耐熱性シート7Cを板バネ1の長手方向に上下に折り返して巻き付けるよう
にしているので、ヒートローラの回転に対して耐熱性シートを安定させるととも
に、製作工数を減少させることができる。なお、耐熱性シート7Cに代えて、図
2の実施例に示されたように、上下2枚の耐熱性シートを使用してもよいことは
いうまでもない。 【0057】 その他の点は図2の実施例の場合と同様である。図2の構成と図3の構成とは
、適用すべき複写機の構造に応じていずれかを選択することができる。 【0058】 図2または図3に示された実施例においては、板バネ1上にクッション材片1
1を取り付け、このクッション材片11上にサーミスタ4を取り付けた構造とし
たので、クッション材片11の表面がヒートローラの面に沿って湾曲して密着し
、サーミスタ4または温度センサ自体の取り付け位置に多少のずれが生じても、
サーミスタ4は常にヒートローラの表面に押し当てられるようになり、従って検
知温度に変化を生じることがない。 【0059】 またこの場合は、クッション材が熱の不良導体であるため、ヒートローラの熱
が板バネを介して逃げる割合が小さくなり、従ってサーミスタ4において検知さ
れる温度がより真値に近いものとなる。 【0060】 図4は、本発明の実施例(3)を示したものであって、サーミスタに対する集
熱効率を改善した場合を示している。図2におけると同じものを同じ番号で示し 、13はサーミスタ4とクッション材片11との間に挿入された、熱伝導率の大
きい金属であるアルミニウムまたは銅等からなる金属箔である。 【0061】 図4において、(a),(b)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の上面
図と、側面図とを示している。金属箔13は、サーミスタ4に対する受熱面積を
拡大して、集熱効率を向上させる作用を行う。その他の点は図2に示された実施
例と同様である。 【0062】 図4に示された実施例では、サーミスタ4とクッション材片11との間に金属
箔13を挿入したので、取り付け位置のずれによる検知温度の変化をより少なく
するとともに、集熱効率の向上によって応答性を改善し、かつ、検知温度をより
真値に近づけることができるようになる。 【0063】 前述の図7において、Bは図4に示された実施例における、温度センサの取り
付け位置ずれと検知温度との関係を示したものであって、位置ずれにおける(+
)の符号と(−)の符号の意味は、図7のAの場合と同様である。 【0064】 図7において、Aに示す従来の温度センサの特性例と、Bに示す本発明による
温度センサの特性例とを比較すれば明らかなように、本発明によれば、温度セン
サの取り付け位置ずれによる検知温度の変化が少ないとともに、正しく取り付け
た場合における検知温度の真値からの誤差も小さくなる。 【0065】 図5は、本発明の実施例(4)を示したものであって、コネクタによって温度
センサの着脱を容易にした場合を示している。図5は図1に示す基本形に適用し
た場合を示したものであって、図1におけると同じものを同じ番号で示し、3A
は変形された樹脂成形部である。 【0066】 図5において、(a),(b)はそれぞれ温度センサを組み立てた状態の上面
図と、図(a)のA−A’における側断面図とを示している。樹脂成形部3Aは 、図1に示された樹脂成形部3と比較して多少長くなるように形成されており、
角柱形ピンまたは円柱形ピンからなる端子2を樹脂成形時に埋め込むことによっ
て、この温度センサをコネクタ接続によって使用できるように構成されている。
その他の点は、図1に示された基本形と同様である。 【0067】 図5に示された実施例では、温度センサがコネクタ形式に構成されているので
、組立て時または保守時等において、温度センサの接続のために、端子のはんだ
付けやスポットウェルド等の作業を必要とせず、コネクタの着脱のみによって、
容易に取り付け,取り外しを行うことができるので、組み立ての作業性や保守性
を向上させることができる。なお図5の実施例に示されたコネクタ化を、図2〜
図4に示された実施例に対しても適用できることはいうまでもない。 【0068】 なお、図2,図4および図5に示された実施例において、図3の場合と同様に
、耐熱性シート7A,7Bに代えて1枚の耐熱性シートを使用して、板バネ1の
長手方向の上下に折り返して巻き付けてはり付けるようにしてもよく、これによ
ってヒートローラの回転に対して耐熱性シートを安定させるとともに、製作工数
を減少させることができる。 【0069】 【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、複写機等における、回転する被検知体の
表面温度測定に使用される温度センサにおいて、温度検知用のサーミスタを熱の
不良導体であるクッション材片を介して板バネ上に取り付けるようにしたので、
板バネとの間の熱抵抗を大きくすることができるとともに、弾力性を有するクッ
ション材の介在によってサーミスタとヒートローラとの密着性が改善されるので
、温度センサの取り付け位置のずれによる、検知温度の変化が少なくなるととも
に、検知温度の真値からの誤差が小さくなる。さらに金属箔をサーミスタとクッ
ション材との間に挿入して集熱効率を向上させることができ、これによって、上
述の効果をさらに助長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の基本形を示す図である。
【図2】
本発明の実施例(1)を示す図である。
【図3】
本発明の実施例(2)を示す図である。
【図4】
本発明の実施例(3)を示す図である。
【図5】
本発明の実施例(4)を示す図である。
【図6】
従来の小型化された温度センサを例示する図である。
【図7】
温度センサの特性例を示す図である。
【符号の説明】
1 板バネ
2 端子
3 樹脂成形部
4 サーミスタ
6 絶縁シート
7A 耐熱性シート
7B 耐熱性シート
7C 耐熱性シート
9 取り付け穴
10 突起部
11 クッション材片
12 溝
13 金属箔
17 リード線
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 板バネ(1)と2個の端子(2)とを樹脂成形部(3)によっ
て相互に絶縁して一体に成形し、該板バネ(1)の一方の面の先端にクッション
材片(11)を接着して、その上にサーミスタ(4)を取り付けるとともに、該
サーミスタ(4)とクッション材片(11)との間に金属箔(13)を挿入し、
該サーミスタ(4)のリード線(17)を該板バネ(1)の前記一方の面にはり
付けた絶縁シート(6)上を這わせて前記端子(2)に接続し、さらに上部にサ
ーミスタ(4)をセットしたクッション材片(11)の上から、前記板バネ(1
)に対して、耐熱性シートを該板バネ(1)の長手方向に上下に折り返してまき
付けてはり付けてなることを特徴とする温度センサ。 【請求項2】 請求項1に記載の温度センサにおいて、前記樹脂成形部(3)
が取り付け用の穴(9)と、取り付け位置規正用の突起部(10)とを有するこ
とを特徴とする温度センサ。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の温度センサにおいて、前記樹脂成形部
(3)がサーミスタのリード線(17)を収容するための溝(12)を有するこ
とを特徴とする温度センサ。 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の温度センサにおいて、前記
端子(2)を角柱状または円柱状のピンによって形成して、該温度センサをコネ
クタ接続可能にしたことを特徴とする温度センサ。
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