JP2687252B2 - ハロゲン化銀乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は銀塩とハロゲン化物塩(以後X-塩と記す)の
反応により、写真感光材料用のハロゲン化銀(以後,AgX
と記す)乳剤の結晶粒子を再現性よく小量から大量まで
自由に製造することの出来る方法に関する。
〔従来の技術〕
最近のハロゲン化銀乳剤の製造方法及び装置として
は、 「銀塩とX-塩水溶液を分散媒の存在下に連続的にダブ
ルジェット法で導入し、かつ、AgX粒子の形成が起って
いる間に反応室からAgX乳剤を連続的に取り出す」こと
を特徴とするAgX乳剤の連続製造装置,および「複数の
連続的に結合されたカスケード式反応装置において,1つ
の反応室から連続的に取りだしたAgX乳剤を第2の反応
室の供給原料として用いる」ことを特徴とするAgX乳剤
の連続製造装置。
〔ヴイ・エル・ゼリックマン アンド エス・エム・
レヴィ “メイキング アンド コーティング ホトグ
ラフィック エマルジョンズ".フォカール プレス,ロ
ンドン (V.L.Zelikman and S.M.Levi,“Making and C
oating Photographic Emulsions")P.228(Focal Press
London)(1964),米国特許3,773,516号,同4,046,57
6号各明細書、有賀研一,日本写真学会誌,30巻,99(196
7年)参照〕 「筒型もしくはパイプ中にAgX乳剤を連続的に流し,
かつ,途中に多くの銀塩とX-塩水溶液の添加口を設け
た」ことを特徴とする連続製造装置〔米国特許3,655,16
6号,同3,827,888号各明細書,西ドイツ特許出願公開明
細書(OLS)2,755,166号明細書参照〕等がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、の方法及び装置は核形成を連続的に
行いながらAgX乳剤を連続的に抜きとる為,抜きとられ
たAgX粒子は該反応容器中の滞留時間が互いに異なる粒
子からなっているので、粒子サイズ分布の広いAgX乳剤
となるし、又サイズ分布が時間と共に変化する。粒子の
平均滞留時間を短くしてやると、サイズ分布は定常とな
るが,平均粒径が小さくなるという欠点を有する。例え
ば米国特許3,801,326号明細書にその例を見ることがで
きる。
又、の方法及び装置は一個所における乳剤の滞留時
間が短いので、粒子を大きくする為には非常に長いパイ
プラインを必要とする。乳剤の流速を遅くし、該滞留時
間を長くすると、攪拌により隣接液との混合が促進さ
れ、粒子サイズ分布が広くなる。また密封系における攪
拌機や添加系は、該パイプとの接合部に液もれ防止対策
を施さなければならず、トラブルが多い装置となる。そ
の他、装置形態が研究用小量装置と異なる為、それとの
装置定数対応がとれない。パイプ長が一定の為、処方時
間の異なる種々の処方に対する適応性がない。攪拌混合
性能が悪い等の問題点を有している。
又最も原始的な問題として、通常研究用の小容量の反
応容器からなる反応装置(以後,小量装置とよぶ。通
常,1〜5l容積を有する)で性能の優れたAgX乳剤を開発
できた場合,該乳剤の商品化の為には該乳剤の大量製造
化(通常600l以上の反応容器での製造)を行なう必要が
ある。
この場合,次のような問題点がある。
同一の製造手順書に従って該小量装置で製造したAgX
乳剤と、大容量の反応装置(以後,大量装置とよぶ)で
製造したAgX乳剤の性能が全く一致することはむしろ稀
である。その為に大量製造の場合には、該製造手順書の
一部を修正して両者の性能を一致させたりすることが多
い。この仕事は多くの経費と時間を要する。特に平行双
晶面を有する平板状乳剤粒子の製造においてこの問題が
大きい。
バッチ方式で一度に大量の乳剤を製造する場合,販売
量の少ない品種の場合は乳剤の過剰生産になり,乳剤の
一部を廃却しなければならない。それは感光材料には使
用期限の問題があり,在庫は許されない為である。従っ
て販売量の少ない品種の場合にも,販売量の多い品種の
場合も,販売品種に応じて必要な量だけ乳剤を製造でき
ることが望まれている。
通常,写真感光材料ハロゲン化銀乳剤の大量製造をバ
ッチ方式で行う場合は、1つの大容器で核形成から結晶
成長反応までを長時間かけて行い、しかも一度に大量の
乳剤が出来る。しかし、一度に大量の乳剤を塗布できな
い場合には、大部分の乳剤は小分けされ冷蔵庫で保存さ
れる。その為に余分な作業が増え、かつ冷蔵庫経費が増
えコスト高になる。また、該乳剤を塗布する度にそれを
溶解する工程も必要になる。このように作業が複雑にな
るので、長時間間隔で大量のAgX乳剤が製造されてくる
よりも、短時間間隔で必要量の乳剤が製造されてくる製
造方法および製造装置が望まれている。
本発明の目的は上記の諸問題を解消し、粒子サイズ分
布が狭く、平均粒径も任意に大きくすることが出来、研
究用反応装置の製造条件を大きな条件変更をすることな
く再現性よく安定に大量生産することが出来、必要に応
じて小量生産にも対応出来るハロゲン化銀乳剤の製造方
法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明の上記目的は、 (1)親水性コロイド分散媒を含有する反応溶液中に銀
塩溶液とハロゲン塩溶液を液中添加して、ハロゲン化銀
乳剤粒子を製造する方法において、該粒子形成反応が、
該反応溶液を、直列に配置した容器容量が20l以上で2
つ以上のバッチ式中型反応装置中を一定方向に通過させ
ることによって行われ、各反応装置の反応容器内の反応
溶液が実質的に混じり合うことなく、かつ、該2つ以上
配置した反応装置で連続して粒子形成反応を行わせるこ
とを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
(2)該直列に配置したバッチ式中型反応装置の数が3
〜8であり、かつ、該装置間が反応溶液の移液手段で直
列に接続されており、該移液が重力または移液用ポンプ
を利用して行われ、該移液による残液による反応溶液の
混合量が移液量の10%以下であることを特徴とする請求
項(1)記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
(3)該粒子形成反応の該形成→熟成→結晶成長工程の
順に、各反応容器の容量が大きくなり、該移液が終わっ
た反応装置の反応容器を洗浄する工程を有し、かつ、該
銀塩溶液とハロゲン塩溶液の液中添加が、1添加溶液あ
たり孔数が4以上の多孔体を通して添加されることを特
徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
(4)該中型反応装置の反応容器が開閉弁付送液口を有
し、かつ、各反応装置が最終の反応装置より逆のぼって
順に、反応容器内の反応済反応溶液を次の容器に送液し
た後、その反応容器の開閉弁を閉にして、次に隣接する
上流側の反応容器の開閉弁を開にして上流側の反応容器
内の反応溶液を受液し、しかる後一定時間反応装置の稼
働を行うことを繰り返すシステム制御装置を有すること
を特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤の製造方
法。
(5)該粒子形成後に脱塩工程、化学増感工程、写真用
添加剤の添加工程を有し、これらの工程が互いに直列に
連結されたバッチ式装置で行われ、かつ、該粒子形成工
程、乳剤の塗布工程と連動させ、該粒子形成工程から塗
布工程まで連動させ、乳剤の冷蔵庫保存工程が省かれた
ことを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤の製
造方法。
(6)該結晶成長過程の溶質イオンの供給方法が、あら
かじめ調製した0.1μmφ以下のサイズで双晶面が2枚
以上の多重双晶粒子を実質的に含まない超微粒子乳剤
(AgCl,AgBr,AgIおよび・またはそれらの2種以上の混
晶)を供給する方法であり、生成する該ハロゲン化銀乳
剤粒子が平行双晶面を有する平板状乳剤粒子であること
を特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤の製造方
法。
によって達成される。
3−1 発明の基本的考え方 1.研究用小量装置と本発明で用いる製造装置が互いに該
装置定数の点で対応がとれていること。
即ち、研究用小量装置と本発明で用いる製造装置が形
態的に全く異なった場合,両装置で同一特性のAgX乳剤
粒子が調整される補償は全くなくなる。また、両装置で
異なる特性のAgX乳剤粒子が得られた場合も、両装置の
装置の形態が異なると、その違いの原因を解析しがた
い。従って,研究用小量装置と本発明で用いる製造装置
は形態的にも、サイズ的にもできるだけ近くすることを
考えた。該研究用小量装置の場合、種々の実験条件で小
量のAgX乳剤を調製し,その特性を調べる為,必然的に
小容量の反応容器中でいわゆるバッチ方式でAgX乳剤が
調製される。従って本発明で用いる製造装置も必然的に
該バッチシステムを取り入れた形態とした。
2.種々の乳剤処方に対応できること。
AgX乳剤は、まだこれからも更に続いて改良され、該
製造処方は変化している。また、製造装置の場合は小サ
イズから大サイズ粒子までの種々の製品の乳剤が製造で
きることが要求される。従って本発明で用いる製造装置
はそれらの要請に答えられる融通性に富んだ形体にする
ことを考えた。
3.反応溶液の均一混合性が良く,装置は小型であるこ
と。
平行双晶面を有する平板状乳剤粒子を製造する場合、
該核形成時に該反応溶液中の種々の過飽和因子を不均一
性を少なくして高精度で制御する必要がある。その詳細
に関しては特願昭63−315741号、同63−223739号,及び
特開昭63−92942号各明細書,公報の記載を参考にする
ことができる。また、結晶成長時にも該成長の過飽和度
が該反応溶液中で均一に制御された方がより単分散性の
よい乳剤粒子が得られる。また混晶成長の場合にも、該
反応溶液組成が均一に制御された方が、成長層のハロゲ
ン組成比をより意図通りに制御できて好ましい。これら
は一般的に大容器内の大量の反応溶液内よりも、小容器
内の小量の反応溶液内の方がその循環頻度が高い為、よ
り均一に制御できる。従って、この点から容器容量は小
型であることが好ましい。また、その方が研究用小量装
置との対応がよくとれるという点でも好ましい。また、
コスト的にも2000l容量の反応装置を1基作るよりも,40
0l容量の反応装置を5基作る方が低コストである。従っ
てコスト的にも大型装置よりも小型装置の方が好まし
い。
本発明の最大目的は,特に核形成用容器容量をできる
だけ小さくすることにある。それはAgX粒子形成におい
て核形成工程が特に重要な為である。
4.本発明で用いる各装置はできるだけ機能分離化され単
純であること。
装置が単純であると,異常が生じた時の解析が簡単で
ある。装置を単純化する為には該装置を機能分離化すれ
ばよい。即ち,1つの装置で核形成も熟成も成長も行なう
より,核形成なら核形成専用にする。そうすることによ
って、核形成という観点1本に絞って,その装置を高性
能化できるからである。
5.得られる乳剤粒子の粒子サイズ分布が狭いこと。
通常,乳剤粒子の粒子サイズ分布が狭いと,硬調であ
り,また,重層効果が効果的になり,好ましい。従って
単分散性の良い乳剤粒子が得られることは必須条件であ
る。そのためには、各乳剤粒子の反応容器中の滞留時間
が等しいことが必要である。
6.AgX乳剤は必要量のみ連続的に製造されること。
3−2 本発明で用いる装置の説明 上記1〜6の考え方に基いて、AgX乳剤連続製造装置
として,研究用小量装置に形態的にできるだけ近い2基
以上のバッチ式中型反応装置(以後,中型装置と記す)
が直列的に接続された装置を発明した。具体例として第
1〜3図の装置もしくはそれらの2つ以上を組み合わせ
た装置を挙げることができる。第1図の場合を代表例と
して該操作手順を説明する。該AgX乳剤の調製時間をt
とする。反応装置Aの反応容器2Aに反応溶液を入れ、t/
3時間,粒子形成反応を行なう。その後,該溶液を2B
器に移した後、2Aに新しい反応溶液を入れ,2Aと2Bでそ
れぞれt/3時間の粒子形成反応を行なう。次に2Bの溶液
を2C容器に移した後2Aの溶液を2Bに移し,それが済んだ
後に2Aに新しい反応溶液を入れ,それぞれt/3時間の粒
子形成反応を行なう。あとはこの操作をくり返す。な
お,この各工程で,例えば2B溶液を2Cへ移した後2A溶液
を2Bへ移した時点で2Bの粒子形成反応を開始すればよ
く、2Aにも反応溶液がセットされるまで該反応の開始を
持つ必要がないことはいうまでもない。また,必要に応
じて各移液操作後,該反応容器を洗浄する工程を入れる
ことができる。
特にn≦6の時はシャワー水による洗浄工程を1〜2
回,入れることが好ましい。該シャワー水の温度は30〜
70℃が好ましく、35〜60℃がより好ましい。
なお、該A,B,Cの反応容器の位置は、重力による迅速
な移液が達成されるに必要な落差の最小値であることが
より好ましい。
本発明における複数段の反応装置としてnの値(直列
的に接続された該中型装置の数)は2以上,好ましくは
2〜8より好ましくは3〜7であり、更に好ましくは3
〜4である。nの数を増すと製造効率が増すという利点
がある。例えば100lの容器を3基を直列に連結した場合
と、10基を直列に連結した場合とを比較する。120分間
のAgX乳剤調製処方で移液時間を、それぞれ1分間とす
る。また、最終段を乳剤収量を80lとすると、前者の場
合は約42分毎に80lの乳剤が調製されて出てくるが,後
者の場合は14分毎に80lの乳剤が調製されて出てくる。
本発明で用いる装置はこれを利用して(乳剤製造量/
時間)を変えずに、反応容器を小型化すること、特に核
形成用反応装置の容器を小型化することを意図してい
る。その他、nの数を増すと、各移液後の洗浄工程が不
要になるという利点が生じる。その理由は次の通りであ
る。nが大きいと、各反応容器内における粒子形成時間
は短くなり、1つ手前の反応装置の乳剤粒子との粒子サ
イズ差が小さくなる。従って、移液時の残液により、隣
接容器の乳剤が少し混入した場合、それが該乳剤の粒子
サイズ分布に与える影響は小さくなる。従って該洗浄工
程を省くことができるのである。しかし、nの数を8以
上にするとその設備経費が増え、かつ全体の装置の大き
さが大きくなりすぎる。また、(移液時間/反応時間)
が増し、該反応温度が高温の場合は、移液中のオストワ
ルド熟成の寄与が増してくる。従って、この観点からも
n≦8が好ましい。
本発明で用いる装置は小粒子乳剤から大粒子乳剤まで
(即ち、短時間処方から長時間処方まで),あらゆる種
類の乳剤の製造に用いることができる。具体的には、長
時間処方の場合は該時間に応じて使用する中型装置数を
増すこと、およびまたは各中型装置における平均滞留時
間を長くすればよい。短時間処方の場合は、その逆にす
ればよい。即ち、処方に応じて該中型装置数nおよびま
たは平均滞留時間を少なくすればよい。
また、該オストワルド熟成の寄与を小さくするという
観点や、無駄な製造時間をなくするという観点から、該
移液時間をできる限り短くすることが望ましい。その為
に各装置の接液部は水に対して(接触角>90°)の材質
のもの(例えばテフロン、もしくはステンレス鋼をテフ
ロンで表面コートしたもの)が好ましい。それは該溶液
と器壁との相互作用が小さい為、移液後の残留溶液量を
少なくし、かつ、迅速に移液できる為である。その他、
送液パイプの内径をできるだけ大きくし、長さを短くす
ると該送液時間が短かくなる。しかし、送液パイプの内
径を大きくすると移液時に該パイプ内での残液量が増え
るので、それとの兼ね合いで決められる。該移動液時間
は2分以内が好ましく、60秒以内が更に好ましい。
本発明で用いる各反応容器内の反応溶液が実質的に混
ざり合うことなくということは、該残液量が移液量の10
%以下が好ましく,より好ましくは3%以下であること
をいう。
本発明の実施態様を図を用いて説明すると、第1〜3
図において各反応容器2Aに設けられた次の反応容器2B
の送液口9は該反応容器2Aの最低部に開閉弁を附属させ
て設けることが好ましい。それは移液後の残液量を少な
くする為に有効な為である。
各中型反応装置、特に核形成反応装置は研究用小量装
置と形態的に同じ装置であることが好ましい。反応装置
Aとしては、銀塩水溶液(Ag+)とX-塩(X-)水溶液は
添加後,迅速に該反応溶液5中に均一混合化されること
が好ましい。その為にそれらの添加溶液Ag+,X-はそれ
ぞれ添加管3,4によって直接に該反応溶液5中に液中添
加(即ち、直接液面下添加)され、それぞれの添加口6,
7近辺に設置された攪拌羽根8によって激しく攪拌され
る型のものが好ましい。また該添加を多孔体を通して添
加することは更に好ましい。
特に大量装置では銀塩とハロゲン化物塩の水溶液の添
加流束は太くなり、添加口近辺の溶質の濃度の不均一性
がより大きくなる。これがAgX乳剤製造をスケールアッ
プした時に生じる性能差の一因になっている。該溶液の
添加を多孔体を通して添加すると、該不均一性が大きく
改良される。ここで多孔体とは1添加溶液あたり4個以
上,好ましくは10個以上,より好ましくは102〜1015
の孔を有し、かつ該孔径が2mmφ以下、好ましくは0.5mm
φ〜100Åより好ましくは0.1mmφ〜0.1μmφの孔を有
するものである。特に中空管型多孔膜は該支持具が簡単
であり、使い易さの点で特に好ましい。
その詳細に関しては特願平2−78534号明細書の記載
を参考にすることができる。
また、本発明においては大量装置で結晶成長させる時
に供給する溶質イオンの供給方法としては、あらかじめ
調製した0.1μmφ以下のサイズの超微粒子乳剤(Agcl,
AgBr,AgIおよび/またはそれらの2種以上の混晶)を供
給する方法が特に好ましい。該超微粒子は主に、大量の
乳剤中に均一に混合された後に徐々に溶解し、また、そ
の平衡溶解以上の溶質の不均一分布を生じない。従って
大量装置での種晶の均一な結晶成長を可能にする。該超
微粒子は多重双晶粒子(1つのAgX粒子中に双晶面を2
枚以上含む粒子)や螺旋転移粒子を実質的に含まない無
欠陥粒子であることが好ましい。ここで実質的とは該欠
陥粒子数の割合が5%以下、好ましくは1%以下を指
す。該超微粒子の調製法の詳細に関しては特開平1−18
3417号,特願平2−142635号各公報の記載を参考にする
ことができる。
これらの手法は、特に本発明で好ましく用いることが
できる。即ち、平行双晶面を有する平板状乳剤粒子、特
に特開昭63−151618号や特開平2−838号の公報に記載
の平行2重双晶平板状乳剤粒子の製造や、特開平2−14
6033号公報記載の実質的に無双晶な乳剤粒子の製造に好
ましく用いることができる。
これらの添加系や攪拌機及び反応容器、邪魔板、攪拌
羽根に関しては、リサーチ ディスクロージャー(Rese
rch Disclosure)、166巻、item16662(1978年2月)、
特願平2−78534号、米国特許3,897,935号、同3,790,38
6号、同3,415,650号、同3,692,283号、同4,289,783号、
同3,785,777号、特開昭57−92524号、同60−117834号各
明細書,公報等の記載を参考にすることができる。
第1図は一般にカスケード(Cascade)型と呼ばれる
本発明で用いる装置の一実施例の側面断面図であり、各
反応容器2の底のバルブ9を開けると、重力により該容
器溶液は次の容器へ移液される。
第2図はステップ(Step)型と呼ばれる本発明で用い
る一実施例の装置であり、(a)は該装置の側面断面図
を表し、(b)は平面図を表す。この装置の場合、送液
パイプ10がなくなり、傾斜のついた上下可動の容器側壁
13や容器底部がその役割を兼ねている。この型の装置は
送液パイプ10中への残液がなくなり、切換えバルブ11、
廃水用パイプ12も必要がなくなり、かつ、迅速に次の装
置へ送液できるという利点を有する。移液は各上下可動
の容器側壁13を上げ下げすることにより、もしくは横方
向に出し入れすることにより行う方式でもよく、該容器
側壁13の下部に開閉バルブを設けておく方式でもよい。
第1,2図の装置は自然ヘッドを利用した方式である。
この方式では単に弁の開閉のみで迅速に移液できる為
に低コストであり、かつ、残液量が少ないという利点を
有する。
第3図は各中型装置を互いにほぼ水平の位置に置き、
移液はポンプ14を用いて行う方式である。各装置は
(a)に示すように独立した装置でもよく、(b)に示
すように、一体化した装置でもよく、それぞれの目的に
応じて選択することができる。(その他の記号は第1,2
図と共通である。
ここで用いる移液用ポンプ14とは、外部から動力の供
給を受けて低水位にある液体を高水位に移動させる機械
のことを指し、詳細は化学工学協会編、化学装置便覧、
第17,18章、丸善(1989年)の記載を参考にすることが
出来る。
本発明で用いる装置の場合はAgX乳剤に圧力かぶり等
の悪影響を与えることなく移液できるポンプが好まし
い。この点で第4図に示すようなダイヤフラムポンプ
(a)や真空吸引型(b)、往復ポンプ(c)が好まし
い。いずれも移液パイプ内を減圧にして乳剤を吸い上
げ、次に、逆止弁15,16と連動させて該乳剤をを隣りの
中型容器に移液するものである。第4図にその具体例を
挙げる。
(a)〜(c)図の15,16はそれぞれ吸引用および吐
出用の逆止弁である。(a)図はダイヤフラムポンプの
一例であり、蛇腹型ダイヤフラム17を上げると吸液容器
18の内部が減圧となり、反応液が吸引用逆止弁15を通し
て吸液容器18に吸い上げられ、蛇腹型ダイヤフラム17を
下げると吸液容器18内の反応液は吐出用逆止弁16を通し
て移液される。ガード19は吸入液の飛び散りを防止する
ガードである。(b)図は真空吸引型の例であり、バル
ブ20を真空系21側に切りかえると吸液容器18内が減圧と
なり、反応液が吸引用逆止弁15を通して吸液容器18内に
吸引される。吸引量が吸液容器18のある水準を越えると
吸引が停止し、バルブ20が大気圧もしくは加圧系22側に
切り換わり、吸液容器18内の反応液が吐出用逆止弁16を
通って移液される。吸引時間幅の調節により、該吸引液
量を調節することができる。(c)図は往復ポンプ例で
あり、ピストン23を上げるとシリンダー24の内部が減圧
となり、反応液が吸引用逆止弁15を通ってシリンダー24
内に吸い上げられる。次にピストン23を下げるとシリン
ダー24内の反応液が吐出用逆止弁16を通して移液され
る。25は空気洩れ防止用パッキングである。
(a)〜(c)では、いずれもAgX乳剤とポンプの可
動部は直接接触しない為、こすられ、摩耗を受けること
はない。各パイプの長さや太さ、各逆止弁の位置、その
他の装置形状は移液速度をできるだけ速くし、残液量を
できるだけ少なくするように決められる。その他、必要
に応じて各ポンプに乳剤の代りに洗浄水を通すことによ
り各ポンプを洗浄することができる。
(a)と(c)の場合、蛇腹型ダイヤフラム17やピス
トン23の動きによる吸液容器18又はシリンダー24内の変
化する体積V1と、変化しない体積V2と吸引時の内圧P2
の関係はP1・V1=P2・(V1+V2)の関係で与えられる。
ここでP1は吸引前の圧である。従ってV1/V2比を変える
ことにより、吸引速度を選ぶことができる。
その他、本発明で用いる装置にはコントロールド・ダ
ブル・ジェット(C.D.J)制御系を設けることができ
る。これに関してはF.Claes and R.Berendsen Phot.Kor
r.101巻、37(1965年)の記載を参考にすることができ
る。
通常、AgX粒子形成で最も重要な過程は核形成過程で
あり、どのような核が形成されるかにより、最終的に得
られるAgX乳剤の性能が大きく左右される。従って核形
成条件はできるだけ研究用小量装置と同一条件で行な
い、同一の核を作ることが好ましい。その為に、次の手
法を用いて該反応容器を更に小型化することができる。
第5図のA1〜A3に示すように核形成用の反応装置を2
基以上、好ましくは2〜5基設置する。この場合、第5
図のA1,A2,A3で核形成し、核形成が終るとそれぞれを
Bに移液し、Bで次の熟成もしくは結晶成長反応を行な
うのである。
他の態様として、第5図のA1,A2,A3で核を形成し、
核形成が終るとそれぞれをBに移液する。これをl回く
り返した後,Bの溶液をCへ移し、Cで熟成もしくは結晶
成長を行うのである。この場合、核形成用の反応装置A
を1基以上、好ましくは2〜5基設置する。またBにお
ける保存中の核の変化を防止する為に、Bの温度を低温
(10〜40℃)にしておくことが好ましい。この場合、該
核形成用小型装置Aの容量規定は第1表に示した。(第
1表は次頁に示す。) 通常,核形成は銀塩とX-塩水溶液をC.D.J.添加ではな
く、精密定流量ポンプで計算量を添加することが好まし
い。核形成初期の銀電位はX-塩過剰溶液中ではプラス側
に変動する為、銀電位制御をすると逆に制御pAg値が不
正確になる為である。
これらおよびその他の核形成条件の詳細に関しては特
願昭63−315741号,同63−223739号、特願平1−90089
号各明細書の記載を参考にすることができる。
その他、第1〜3図のように中型装置が直列に1列に
連結された態様の場合、各装置間の反応時間をほぼ等し
くなるように設計しなければならな い。(第1表参照) 該時間が異なると、各装置における乳剤の滞在時間
を、その内、最も長い滞在時間に合わせなければなら
ず、無駄な待ち時間を生ずる。これを緩和する為に第5
図のD2,D3に示すようにD1と同一容量の分岐反応装置
D2,D3を適宜設けることができる。
該分岐反応装置を1つ設けると、該ステップにおける
反応時間を約2倍に伸ばすことができる。
該分岐反応装置数は1つの反応工程に対し1〜5基が
好ましく、1〜3基がよりこのましい。5基以上になる
と反応装置全体が大きくなりすぎ、コストアップする為
である。具体例で示すと、結晶成長のある期間を、連続
的にハロゲン組成を変化させながら、ある関数に従って
休止なしに加速添加法で成長させたい場合、また、結晶
成長のある期間のみ、温度をT1℃で成長させ、他の期間
はT2℃で成長させたい場合などである。また、ある装置
が故障した時にも、それに対する分岐反応装置を用いる
と、装置全体を止めなくてよいという利点を有する。な
お、分岐反応装置は処方に応じて移動できることが好ま
しい。例えば第5図のD2を移動し、C2としても使えるこ
とが好ましい。本発明で用いる各装置は小型であるか
ら、そのような移動も可能である。この場合、第1,3,4
図の各連結パイプは簡単に着脱できるカップリング型連
結パイプがより好ましい。これらのパイプや逆止弁、パ
イプ連結の詳細に関しては化学工学協会編、化学装置便
覧、第13章、丸善(1989)の記載を参考にすることがで
きる。
核形成装置の場合、従来の製造装置は通常一つの反応
容器で核形成反応から結晶成長まで行なう。その為、結
晶成長時の該溶液量の増加を予測して核形成時の反応溶
液量は該容器容量の1/3以下に抑えることが多い。この
場合、激しく攪拌すると、該反応溶液が泡だらけとな
り、逆に攪拌効率が悪くなる。しかし、本発明に用いる
装置の場合該スペースを空けておく必要がなく、反応液
量を増して用いることができる為、より激しく攪拌混合
することができ、より均一な核形成ができる。また、1
回の反応で、より多くの核が形成される。好ましい反応
溶液量は該中型容器容量の30〜90%、より好ましくは50
〜90%である。従って、本発明で用いる装置では、核形
成→熟成→結晶成長工程の順に、該反応溶液量の増加に
応じて、各反応容器の容量が大きくなる。
また、添加系は核形成時の添加系だけでよい為、種々
のハロゲン組成や濃度の添加系を設置する必要がなく、
かつ、添加系容量も小さくてよい為、単純で小型化でき
る。また計量溶液の数や量も少ない。
このことは結晶成長装置に対してもいえる。
その他、製造期間中、各中型装置の温度を上げ下げす
る必要がなく、核形成装置は常に核形成温度に保ってお
けばよい。従って省エネルギーになり、かつ、温度制御
性がよい。また、核形成過程が切り離されている為、安
定核数を制御する必要もなくなる。例えば正常晶AgX粒
子形成の場合、従来法では核形成に続いて熟成を行な
い、安定核の数を減少させることがあるが、本発明で用
いる装置の場合、核形成の反応容器容量を小さくして該
安定核数を減少させることができる為、そのような熟成
操作を省くことができるという利点もある。
本発明のAgX乳剤の製造装置における連結製造とは、連
続ホームランのように、ある事象が相継いで行なわれる
現象を指す。即ち、AgX乳剤がある時間間隔である量が
繰り返し製造されてくる現象を指す。
本発明でいう研究用小量装置,製造用大量装置,中型
装置(第1ステップの中型装置,第2〜最終ステップの
中型装置の反応容器の容量規定は第1表に示した。
3−3 脱塩・濃縮過程 このようにしてある時間間隔で、繰り返し製造されて
くる乳剤は次の方式で脱塩濃縮される。
生産量の大きい場合は脱塩用の大量タンクに次々と注
入され、ある一定量に達すると、従来法通りに、脱塩さ
れる。次に製造されてくる乳剤は、別の脱塩用大量タン
クに入れられる。これを交互にくり返す。
生産量が中量の場合脱塩用の中型容器に移液され、脱
塩され、次の工程に移液される。従って、脱塩濃縮され
た乳剤がある時間間隔で、中量単位で製造されてくる。
具体的な脱塩法として、次の方法を用いることができ
る。(1)乳剤沈降剤を加え、沈降・水洗する方法、
(2)乳剤を冷却・固化し、冷水で水洗する方法、
(3)限外濾過膜を用いて脱塩する方法、(4)電気透
析法による脱塩法、(5)遠心分離器や液体サイクロン
を用いた脱塩法、(6)上記(1)〜(5)の内二つ以
上の方法の併用による脱塩法。
(1)の方法を大量容器で行なう場合、小量容器で行
う場合に比べて、通常、その沈降時間が長くなる。それ
は、該表面近くの乳剤が、該容器の底部にまで沈降する
距離が長くなる為である。該沈降時間が長くなると、該
沈降過程中にAgX乳剤の性能が変化することがあり、ま
た製造時間が長くなる為に好ましくない。上記の中量
容器で行なう場合は問題は小さいが、小量容器に比べる
と、沈降時間は少し長くなる。該沈降時間は短ければ短
い程好ましい。これは、該容器の深さを浅くすることに
より達成される。原理的には、小量装置の水深と同じ水
深にすれば、該沈降時間も同じになる。この場合、深さ
を浅くすることにより、減少した容器容量は該容器の水
平面方向の面積を大きくしたり、およびまたはその浅い
容器を積層した形態にすることにより補うことができ
る。好ましい水深としては100〜10cm、より好ましくは6
0〜20cmである。この沈降水洗過程に対して、第5図のD
2,D3に示すような分岐装置を設けることができる。そ
れば乳剤の種類等により、その沈降時間に任意性があり
それに対処できる為である。
(2)の方法は乳剤を冷却・固化し、サイコロ状,う
どん状もしくはソーメン状に細分化して冷水中で水洗
し、脱塩する法補である。通常、核細分乳剤の表面/体
積を大きくする程、脱塩速度は速くなる。
(3)の方法として、AgX粒子の直径より小さい孔径
の多孔膜を用いて (a)「乳剤側に圧をかけ、乳剤から水溶液を除去し、
かつ乳剤に水を加える」ことをくり返し、脱塩する方
法, (b)中空系多孔膜のような細い中空管中に乳剤を通過
させ、主に塩の濃度拡散を利用して脱塩する方法、 (c)該(a)と(b)の併用法を用いることができ
る。
(a)の方法では脱塩と乳剤の濃縮が行なわれるが、
(b)の方法では濃縮は殆ど行なわれない。その場合に
は必要に応じて真空脱気脱水等により濃縮する工程を付
け加えればよい。通常、濃縮された乳剤が、多孔膜表面
上に堆積すると、それに続く脱水が防げられる。従って
多孔膜面に対して平行方向に圧をかけ、乳剤を該方向へ
流すことにより、該濃縮乳剤を除去しるつ、脱水する方
式が一般に用いられる。該多孔膜が目詰まりを起こした
場合、多孔膜を交換し、ゼラチン層を酵素分解、酸もし
くはアルカリによる加水分解で分解し、洗浄除去すれば
よい。AgX粒子はハイポ,AgX溶剤で溶解し、洗浄除去す
ればよい。
(4)の方法に関しては有賀研一、日本写真学会誌、
第31巻、9(1968)、日本化学会編、化学便覧、応用化
学編II,16・6節、丸善(1986年)の記載を参考にする
ことができる。
(5)の方法の一例を第6図に示す。この場合、容器
とAgX乳剤は該容器の中心の回転軸26によって回転す
る。仕切板27によって乳剤の回転効率を上げ(乳剤と該
容器が一体となって回転する為)ている。また2枚以上
のテフロン製網28を備え、細分散しやすいようにしてい
る。即ち、洗濯器の脱水器のような態様で回転し、遠心
力によりAgX乳剤と水を分離する。分離された水は、前
述の第4図の型式のポンプで解除される。次に水を加
え、テフロン製網28を振動させて再分散し、この操作を
くり返して脱塩する。
この方法は最も短時間で、低コストで脱塩,濃縮でき
る方法であり、処理時間が一定している為、本発明のよ
うなシステム制御系に好ましく用いることができる。
(1)の方法は乳剤のpHをゼラチンの等電点以下(通
常,pH3.8〜4.5)に下げなければならないが、(2)〜
(5)の方は、そのような制約がないというメリットを
有する。その他、(2)に方法は乳剤の濃縮が行われな
い為、必要に応じて真空脱気脱水や限外濾過法等による
濃縮過程を付け加える必要がある。上記(1)〜(5)
の詳細に関しては、(G.F.Duffin “Photographic Emul
sion Chemistry"Focal Press,London,1966)、特公昭43
−27725号公報、米国特許4,334,012号,同4,336,328
号,同3,326,641号,同3,881,934号,同3,396,027号,
英国特許1,543,322号各明細書,特開昭62−113137号公
報,リサーチ ディスクロージャー(Reserch Disclosu
re,)102巻,item 10208(1972年10月)、同131巻,item
13122(1975年3月),同176巻,item 17643(1978年12
月),有賀研一,日本写真学会誌,31巻,9(1968年),
日本化学会編,化学便覧,応用化学編II,16・6節,丸
善(1986年)の記載を参考にすることができる。多孔膜
に関しては特願平1−76678号明細書の記載を参考にす
ることができる。
3−4 化学増感工程 AgX乳剤の改良研究においては、AgX乳剤の化学増感工
程は通常,バッチ式反応装置で行なわれる。従って新た
に開発されたAgX乳剤を工場で製造する場合、該化学熟
成過程でも、できるだけ研究用化学熟成条件に近い状態
で行なわれることが好ましい。それ故、本発明の装置の
場合も、前記の脱塩・濃縮工程から送りだされてくるAg
X乳剤は、バッチ式反応装置で化学増感されることが好
ましい。この場合、取扱う量に応じて次の3つの工程を
用いることができる。
(1)大量容器で脱塩・濃縮され、送り出されてきた乳
剤を、化学増感用大量容器で化学増感する。
(2)中量容器で脱塩・濃縮され、送り出されてきた乳
剤を次々と大量容器に入れ、ある一定量に達すると昇温
し、化学増感する。
(3)中量容器で脱塩・濃縮され、送り出されてきた乳
剤を、化学増感用中量容器に入れ、化学増感する。
(3)の方式の場合は全ての問題がすべて改善される
為、最も好ましい。
化学増感は乳剤の種類や温度により異なるが、通常、
化学増感剤を添加した後、10〜70分間程度行なわれる。
該化学熟成時間が長い場合、該時間の長さに応じて、化
学熟成工程を2段以上に分割することもできるし、第5
図の如く、分岐反応装置を設けることもできる。
化学増感剤溶液の添加方法としては、直接にAgX乳剤
中に添加(即ち、直接・液面下添加)し、添加口近辺に
設置された攪拌羽根で迅速に攪拌されることが好まし
い。また、該添加を多孔体を通して添加することは更に
好ましい。これらの添加系や攪拌機に関しては前述の反
応容器に関する文献を参考にすることができる。すなわ
ち、AgX粒子形成の場合と同じ形態の反応装置を好まし
く用いることができる。
その他、化学増感修飾剤(増感色素,かぶり防止剤,
増感色素−かぶり防止剤連結化合物の1種以上)をAgX
粒子に吸着させた状態で化学増感し、化学増感核の形成
場所や数/cm2を制御することができる。該化学増感修
飾剤は化学増感工程の終了の3分前以前のいかなる時期
にも添加することができる。
この化学増感法を用いると、化学熟成時間を短時間化
(通常3〜15分間)することができる為に特に好まし
い。これに関しては特願昭63−315741号,同63−223739
号,特願平1−90089号の記載を参考にすることができ
る。
3−5 写真用添加剤の添加工程 ここで写真用添加剤とは分光増感色素,かぶり防止
剤,色像形成剤,界面活性剤,硬膜剤等であり、後述の
記載や文献を参考にすることができる。この場合,該添
加剤を水溶液添加する場合の添加・攪拌混合装置として
は前述のAgX粒子形成装置や化学増感装置と同じ形態の
中型装置を用いることができる。なお、前述の水洗工
程,化学増感工程および該写真用添加剤の添加工程に用
いられる中型装置と大量装置の容量規定は第1表にまと
めて示した。色像形成剤のように油溶液の形態で添加す
る場合、即ち乳化分散添加については特開昭63−296035
号公報,特願平1−76678号および後述の文献の記載を
参考にすることができる。
3−6 AgX乳剤製造工程 本発明においては、脱塩,化学増感,写真用添加剤の
添加,の工程は、取り扱う量に応じて,次の3つの態様
をとりうる。
(1)脱塩(大量)→化学増感(大量)→添加剤の添加
(大量)→塗布 (2)脱塩(中量)→化学増感(大量)→添加剤の添加
(大量)→塗布 (3)脱塩(中量)→化学増感(中量)→添加剤の添加
(中量)→塗布 但し、該工程において、AgX粒子形成後で塗布前まで
のいずれかの工程の後に、冷蔵庫保存工程を入れること
もできる。また、脱塩工程と化学増感工程順を逆にする
こともできる。また、各工程は互いに直列に連結された
別の容器で行なわれることが好ましい。
本発明の写真感光材料の製造において、最も好ましい
態様は、上記の工程がすべて中量容器で連続的に行なわ
れ、かつ、その連続的に製造された乳剤が、連続的に塗
布される態様である。即ち、冷蔵庫保存工程なしに連続
自動的に全工程が行なわれる態様である。レントゲン写
真フィルムのように、一つの支持体上に1〜2種類のAg
X乳剤を塗布する場合、1〜2系統のAgX乳剤製造系統と
塗布工程の連動であり、この場合は経済的に連動させる
ことができる。即ち、全自動無人連続製造化が可能であ
る。しかし、カラーネガ写真フィルムのように、1つの
支持体の上に7〜10種類のAgX乳剤を同時塗布する場
合、AgX乳剤製造と塗布工程を連動させる為には、7〜1
0系統のAgX乳剤製造系統を設けなければならず、逆に不
経済になる。また、その上、例えば1つの該系統が故障
を起こすと、それにより全体の製造が停止し、損害が大
きくなることがある。このような場合には該7〜10種類
の乳剤が揃ってから塗布する方が好ましい。この場合、
適宜、冷蔵庫保存を用いることができる。その他、3−
4の(1),(2)項のように大量の乳剤が送り出され
てくる場合は、該乳剤を小分けして冷蔵庫保存すること
が好ましい。
3−7 本発明で用いる装置に関するその他の付帯事項 本発明におけるシステム制御装置とは、各移液弁の開
閉,攪拌の開始,停止,溶液の計量および添加の開始・
停止,C.D.J制御の開始,停止等の制御を装置全体にわた
って、予め定められた順序と時間スケジュールに従っ
て、逐次組織的に調節する制御装置をいう。制御装置と
しては、一般的なものを使用することができ、詳細に関
しては沢井善三郎監修,シーケンス自動制御便覧,オー
ム社(1971)の記載を参考にすることが出来る。
前述の各中型装置には通常温度制御装置が設けられ
る。通常、AgX乳剤製造時の温度は15〜90℃であり、か
つ水の熱容量が大きいこともあり、熱交換媒体として水
が用いられる。例えば、反応容器の外表面にジャケット
をつけてそこへ熱媒体を流して温度制御をする。その
他,反応溶液内にパイプを入れ、該パイプ内に熱交換媒
体を循環させる方法も併用することができる。その他、
電気抵抗加熱、ホットプレート加熱、赤外線(熱線)加
熱、渦電流加熱を用いて、容器外壁側から、およびまた
は溶液内側から加熱することができる。その他、該温度
調節に関しては日本化学会編,実験ガイドブック,3・2
・3〜3・2・4節,丸善(1984年),日本化学会編,
新実験化学講座1(基本操作I,2・2節,丸善(1975
年)、化学工学協会編,化学装置便覧,14章,丸善(198
9年)の記載を参考にすることができる。該温度制御や
前述のC.D.J制御等のP.I.D制御系に関しては化学工学協
会編,化学装置便覧,第21章,丸善(1989年)の記載を
参考にすることができる。
銀塩やX-塩水溶液の添加系としては、空気や窒素ガス
加圧でオリフィスやメッシュ,ニードルバルブを通して
添加する添加系,第4図の(a)や(c)に例示される
ダイヤフラムポンプやプランジャーポンプによる添加
系,その他は特開昭62−182623号公報,特願昭63−2284
2号明細書に記載の方式や,化学工学協会編,化学工学
便覧,5・6・5節,丸善(1988年),化学装置百科辞
典,1章,化学工業社(1976年)の記載を参考にすること
ができる。原理的には特開昭62−182623号公報記載の如
く、アナログ系に比べて、デジタル流量制御系の方が精
度が高い。また、前記のダイヤフラムポンプやプランジ
ャーポンプの場合、そのピストン動作が即溶液の添加、
溶液の計量動作となり、簡便化される為好ましい。
AgX乳剤が接する部分の材料としては通常,AgX乳剤に
悪影響を及ぼさない材質のものが好ましく、通常,ステ
ンレス(SUS316,316L,,329J),硬質ガラスの他,ポリ
エチレン,ポリプロピレン,テフロン等の高分子材料が
用いられる。その他,それらの複合材料(例えばステン
レス鋼にテフロンコートしたもの)が用いられる。
逆止弁の場合も、ボール球リフト型弁の球や、スウィ
ング型弁のスウィングの材質として、テフロン,ポリエ
チレン等が用いられる。弁の開閉時に、該開閉部の乳剤
に大きな衝撃を与えないように、滑らかなポンプ動作を
することが好ましい。
本発明で用いる装置はAgX乳剤粒子の製造以外に,該A
gX乳剤粒子形成反応と同タイプの一般の化学反応用の装
置としても使用することができる。従来、知られている
化学反応装置は(1)回分式,(2)半回分式,(3)
連続式(a管式,b槽式,c多段槽式)に分類されるもので
ある。これに関しては化学工業協会編,化学工学便覧,
第23章,丸善(1988年)の記載を参考にすることができ
る。これによると本発明の操作方式(連続多段回分式)
の装置は知られていない。
3−8 本発明で用いる装置によるAgX乳剤製造のその
他の条件 本発明で用いる装置を用いてAgX乳剤を製造する場合
に用いられる分散媒としてはAgX乳剤に通常用いられる
ものを用いることができ、ゼラチンをはじめ、種々の親
水性コロイドを用いることができる。通常はゼラチンが
好ましく、ゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチンの
他、酸処理ゼラチン、フタル化ゼラチンの如き誘導体ゼ
ラチン、低分子量ゼラチン(分子量2000〜10万、酵素分
解ゼラチン、酸・アルカリによる加水分解ゼラチン)メ
チオニン含率が50μモル/g以下のゼラチン(特開昭62−
157024号公報の記載を参考にすることができる)を用い
ることもできるし、それらの2種以上の混合物を用いる
こともできる。誘導体ゼラチンとしてはゼラチンと酸ハ
ライド、酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、ア
ルカンサルトン類、ビニルスルホンアミド類、マレイン
イミド化合物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ
化合物類等の種々の化合物を反応させて得られるものが
用いられる。その他、ゼラチンと他の高分子とのグラフ
トポリマー、チオエーテルポリマー、アルプミン、ガゼ
イン等の蛋白質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類の如
きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、でん粉誘導体
などの糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
ルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾー
ル等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高
分子物質を単独もしくは混合系で用いることができる。
これらの詳細に関しては後述の文献の記載を参考にす
ることができる。
該AgX粒子の核形成時に過飽和度を調節する為に、ま
た熟成過程で熟成を促進する為に、また結晶成長過程で
成長を促進する為に、また化学増感時に化学増感を効果
的にならしめる為にハロゲン下銀溶剤を用いることがで
きる。
しばしば用いられるハロゲン化銀乳剤としては、チオ
シアン酸塩,アンモニア、チオエーテル、チオ尿素類な
どを上げることが出来る。これについては後述の文献の
記載を参考にすることができる。
本発明で用いる装置によるAgX乳剤の製造時に粒子形
成から塗布時までに添加することのできる添加剤に特に
制限はない。添加することのできる添加剤はAgX溶剤
(熟成促進剤ともいう)、AgX粒子へのドープ剤〔第8
族貴金属化合物、その他の金属化合物(金、鉄、鉛、カ
ドミウム等)、カルコゲン化合物、SCN化物等〕、分散
媒、かぶり防止剤、安定剤、増感色素(青、緑、赤、赤
外、パンクロ、オルソ用等)、強色増感剤、化学増感剤
(イオウ、セレン、テルル、金および第8族貴金属化合
物、リン化合物の単独およびその組み合わせ添加による
化学増感剤で最も好ましくは金、イオウ、セレン化合物
の組み合わせからなる化学増感剤、塩化第1スズ、二酸
化チオウレア、ポリアミンおよびアミンボラン系化合物
等の還元増感剤)、かぶらせ剤(ヒドラジン系化合物等
の有機かぶらせ剤、無機かぶらせ剤)、界面活性剤(消
泡剤等)、乳剤沈降剤、可溶性銀塩(AgSCN、リン酸
銀、酢酸銀等)、乳剤沈降剤、潜像安定剤、圧力減感防
止剤、増粘剤、硬膜剤、現像剤(ハイドロキノン系化合
物等)、現像変性剤等であり、具体的な化合物および使
用方法等については、下記文献の記載を参考にすること
ができる。
その他、該AgX乳剤は下記文献に記載された既知技
術、既知化合物とのあらゆる組み合わせ構成を用いるこ
とができる。
Reserch Disclosure Vol.176(item 17643)(Decemb
erp 1978),Vol,184(item 18431)(August,1979),Vo
l,216(item 21728)(May,1982)、日化協月報1984年,
12月号,P.18〜27、日本写真学会誌,49巻,7(1986年)、
同52巻,144〜166(1989年)、特開昭58−113926〜11392
8、同59−90842、同59−142539、同62−253159、同62−
99751、同63−151618、同62−6251、同62−115035、同6
3−305343、同62−269958、同61−112142、同62−26653
8、同63−220238、同63−78465、特開平1−131541、同
1−297649、同2−146033、特願昭63−315741、同62−
208241、同63−311518、特公昭59−43727、米国特許4,7
05,744、同4,707,436、T.H.James,The Theory of The P
hotographic Process,Fourth Edition,Macmillan,New Y
ork,1977、V.L.Zelikman et al.Making and Coating Ph
oto−graphic Emulsion (The Focal Press,1964)、P.
Glafkides,Chimieet Physiques Photogra−phiques,Fif
th Edition、Edition de l'Usi−ne Nouvelle,Paris,19
87、同Second Edition,Paul Montel,Paris,1957、K.R.H
oilister,Journal of Image.Sci.31,148〜156(198
7)。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
比較例−1 第1図の小型装置と同形態で、容器容量が4lの研究用
小量装置を用いて、平行双晶面を有する平板状AgX乳剤
粒子を調製した。まず該反応容器にゼラチン水溶液(H2
O 1,平均分子量(M)2万のゼラチン7g,pH6.0,KB
r4.5g)を添加し、温度を30℃に保った。攪拌しながら
ダブルジェット法でAgNO3水溶液(100ml中に32gのAgNO3
とM=2万のゼラチンを0.7g,HNO3(IN)0.2mlを有す
る)とKBr水溶液(100ml中に23.2gのKBrとM=2万のゼ
ラチンを0.7g有する)を同時にそれぞれ25ml/分で27.5m
lだけ添加した。1分後にゼラチン水溶液197ml(脱イオ
ン化アルカリ処理ゼラチン32gを含む。pH6.5)を添加
し、1分間均一に混合した後、10分間かかって75℃に昇
温した。昇温後15分間の熟成をした後、AgNO3水溶液(1
5重量%)27mlを3分間かけて添加した。次にNH3溶液
(25重量%)10mlとNH4NO3水溶液(50重量%)10mlの混
合液を添加し、21分間の熟成をした。次に3NのHNO3溶液
を加え、pH5.5にし、更にKBr(10重量%)水溶液を10ml
添加した。次にAgNO3(15重量%)水溶液とKBr水溶液
(11重量%)を用いて、銀電位−20mV(vs.飽和カロメ
ル電極)で8ml/分で10分間のC.D.J.添加した。
AgNO3溶液のみ更に添加し、銀電位+5mVにした。次に
AgNO3(15重量%)溶液とX-塩溶液(654ml中にKBr,56g
とKI,9gを含む)を用いて銀電位5mVでC.D.J.添加した。
最初4ml/分,流量加速0.37ml/分で43分間の直線的流量
加速法で添加した。次に該乳剤にKBr水溶液(15重量
%)を添加し、銀電位を−50mVにし、AgNO3水溶液(15
重量%)とKBr水溶液(11重量%)を用いて20ml/分で8
分間,該電位でC.D.J.添加した。該乳剤をその後,3分間
攪拌した後,沈降剤を加え、温度を30℃にした。従って
該AgX乳剤製造工程はAgX核形成開始から沈降剤の添加ま
で、120分を要して0.735モルの平板状AgX乳剤粒子を水
洗工程に送り込んだことになる。
該乳剤に硝酸を加えPH4.1にし,攪拌を止め、乳剤を
沈降させた。上澄み液を除去し、水を2800ml加え、攪拌
し,乳剤を水洗し、攪拌を止め、再び乳剤を沈降させ
た。これを更にもう一回行なった後、温度を40℃に上
げ、ゼラチン水溶液(H2O700ml,骨ゼラチン70g)を添加
し,再分散させ、収量1.1とした。
得られた六角平板乳剤粒子のレプリカの透過型電子顕
微鏡写真像(TEM像)より求めた特性は第1表の通りで
あった。
次に該AgX乳剤を55℃に昇温した後5,5'−ジクロル−
9−エチル−3,3'−bis(3−スルホプロピル)−オキ
サカルボシアニンNa塩を飽和吸着量の83%添加し、10分
後にチオ硫酸ナトリウム水溶液を1.1×10-5mol/molAgX
だけ添加し、続けてKSCNを3×10-4mol/molAgXだけ添加
した。2分後に塩化金酸水溶液を8×10-6mol/molAgXだ
け添加し、15分間熟成した。
次に該乳剤の温度を40℃にし、かぶり防止剤(TAI
(4−ヒドロキシ−6−メチル1,3,3a,7−テトラアザイ
ンデン)〕を7×10-3mol/molAgXだけ添加した。10分後
にゼラチン水溶液(10重量%)250mlと塗布助剤(ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の1重量%液を26
ml、増粘剤〔ポリ(4−スルホスチレン)ナトリウム
塩〕の2重量%液を26ml,硬膜剤を加え、ゼラチン保護
層とともに、三酢酸セルロース透明ベース上に銀2g/m2
で塗布し、乾燥させた。この場合、AgX乳剤粒子形成、
水洗、化学増感、添加剤の添加の各工程は、同一の中量
容器で行なった。
比較例−2 比較例−1と同形態で容器容量が960lの大量装置を用
いて比較例−1の各工程をその250倍量で製造した。得
られた乳剤粒子のレプリカのTEM像を観察した結果を第
1表に示した。該粒子サイズ分布が広がり、六角平板粒
子比率が大きく減少したことを示している。反応容液の
セットから沈降剤の添加まで、約135分を要して、約184
モルの平板状AgX乳剤が得られた。温度を30℃から75℃
に昇温する為に、10分間,余計に要した為である。該乳
剤を大量容器を用いて、その後、比較例−1と同じ処理
をし、ゼラチン保護層とともに、三酢酸セルロース透明
ベース上に銀2g/m2で塗布し、乾燥させた。
実施例−1 第1図に示す態様の本発明で用いる装置で核形成第1
段階を分岐型装置で繰返し3回行い、比較例−1のAgX
乳剤製造処方の大量連続製造を行なった。第2表に示す
如く、その核形成用に容器容量20lの装置2基(A1
A2)を用い、核形成第2段階としてBの装置(容器容量
150l)を用い熟成と結晶成長用にC〜Fの装置(容器容
量は、C,Dが150l,Eが180l、F,Gが250l)を用いた。核形
成は比較例−1の12倍量スケールで行ない、熟成・結晶
成長過程は72倍量スケールで行なった。添加溶液濃度は
いずれも比較例−1と同じである。反応容液の移液とシ
ャワー洗浄はいずれも1分間以内で行なった。
A1,A2,Bの容器温度は常に30℃に保たれ、C〜Fの容
器温度は75℃に保たれた。各工程の繰り返し周期は31分
間である。各スイッチ切りかえ時間を7秒間とした。
まず、20lの中型容器2基を用い,各々、比較例−1
の処方の12倍量の大きさで核形成を行なった。即ち、該
容器に30℃のゼラチン水溶液(H2O,12l,M=2万のゼラ
チン84g,pH6.0,KBr54g)を20秒間で入れ、30℃に保ちな
がら4分30秒間攪拌した。次にAgNO3水溶液とKBr水溶液
を同時に300ml/分で330mlをダブルジェット添加した。
1分後に該反応溶液をBへ移液した。Bには予めゼラチ
ン溶液14,184mlが入れてあり、攪拌されている。移液し
た後、A1とA2の容器をシャワー水で洗浄廃水(1分間)
した。全所要時間は8分56秒間であった。これをそれぞ
れ3回くり返し、Bの容器に比較例−1の72倍量の核
(反応溶液量は90.144l)を蓄えた。この操作は31分毎
にくり返し行なった。Bの溶液をCに移液した後、Bに
ゼラチン水溶液14,184mlを30秒間で添加し、次の操作の
為に待機した。Cにおいては、該移液後、22分間攪拌し
た後、 AgNO3水溶液1,944mlを3分間かけて添加した。1分後に
該反応溶液をDへ移液した。Cの容器を1分間,シャワ
ー水で洗浄・廃水した後、次の操作の為に待機した。
Dでは該移液後、30秒間攪拌した後、NH4NO3,720mlと
NH3水溶液720mlの混合溶液を30秒間かけて、直接に該混
合容器内に液面下添加した。その後、21分間熟成した
後,3NのHNO3水溶液2,520mlを30秒間かけて該混合容器内
に液面下添加し、pH6.5にした。30秒後にKBr水溶液720m
lを30秒間かけて該混合容器内に添加した。2分間攪拌
した後、該反応溶液をEへ移液した。次にDの容器を1
分間,シャワー水で洗浄・排水した後,次の操作の為に
待機した。Eでは移液後、30秒間攪拌した後、AgNO3
溶液とKBr水溶液を用いて、銀電位−20mVで576ml/分で1
0分間のC.D.J.添加をした。AgNO3液のみ更に添加し、+
5mVにした。30秒間攪拌した後、次にAgNO3水溶液とX-
水溶液を用いて銀電位5mVでC.D.J.添加した。最初288ml
/分,流量加速26.64ml/分で13分間,C.D.J.添加した。添
加後、1分間攪拌した後、該反応溶液をFへ移液した。
次にEの容器を1分間,シャワー水で洗浄・排水した
後、次の操作の為に待機した。Fの容器では30秒間攪拌
した後、AgNO3水溶液とX-塩水溶液を最初632.32ml/分,
流量加速 26.64ml/分で26分間のC.D.J.添加(銀電位5mV)した。3
0秒間攪拌した後、該反応溶液をGへ移液した。次にF
の容器を1分間,シャワー水で洗浄.排水した後、次の
操作の為に待機した。Gの容器では30秒間攪拌した後、
AgNO3水溶液とX-塩水溶液を最初1,326.96ml/分,流量加
速26.64ml/分で4分間,C.D.J.添加した。添加後30秒間
攪拌した後、KBr水溶液を添加し、銀電位を−50mVにし
た。30秒後に、AgNO3液とKBr液を用い、1,440ml/分で8
分間,C.D.J.添加(−50mV)した。添加後、3分間攪拌
した後、該反応溶液を水洗用容器へ移液し、Gの容器を
1分間,シャワー水で洗浄・排水した後,次の操作の為
に待機した。この場合、31分毎に52.92モルの平板状AgX
乳剤粒子が生成(211.67モル/124分)しており,比較例
−2よりも高生産性で、かつ、中型装置で、高性能のAg
X粒子を製造できたことを示しており(第4表参照)、
本発明の効果を示している。
水洗工程の容器は、深さ50cmで容積300lの平底円筒型
容器(半径約44cm)であり、温度は30℃に保たれてい
る。移液後30秒間攪拌した後、沈降剤を添加し、10分後
に硝酸を加え、pH4.1にした。5分後に攪拌を止め、乳
剤を約13分間で沈降させた。上澄み液を第4図の(b)
の吸引ポンプで吸液し、除去した。次に水200lを加え、
5分間攪拌した後、攪拌を止め、乳剤を約13分間で沈降
させた。これをもう一回くり返した後、温度を40℃に上
げ、ゼラチン水溶液を添加し10分間で再分散させ、収量
79.2lとした。該乳剤を化学熟成用容器に移液し、シャ
ワー水で洗浄・排水し、次の操作の為に待機した。この
工程の総時間は80分間であった。この時点で採取した乳
剤粒子のレプリカのTEM像より求めた特性は第1表の通
りであり、研究用小量装置による結果とよく対応してい
た。
これは特に、核形成用容器容量を(20l/960l)=1/48
に小さくした結果が大きく寄与している。該水洗用容器
は第5図のDに示すように、分岐型で、3基が設置され
ている。各装置は93分周期で操作した。
化学熟成用容器は120lの容量であり2基が分岐型で設
置されており、温度は55℃に設定されている。移液後、
10分間攪拌した後、比較例−1の72倍量で同じ化学増感
を施し、次の写真用添加剤の添加工程用容器へ移液し
た。各装置は62分周期で操作した。
該容器は120lの容器であり,温度は40℃に保たれてい
る。移液後、10分間攪拌した後、比較例−1の72倍量
で、同じ添加剤を添加し、塗布工程へ移液した。
塗布工程ではゼラチン保護層とともに、三酢酸セルロ
ース透明ベース上に銀2g/m2で塗布し、乾燥させた。
実施例−2 第1図の態様の第3表のような装置を用いて比較例−
1のAgX乳剤製造処方の大量連続製造を行なった。2A
して180l,2Bとして250l,2Cとして320lの反応容器を用い
た。また、AgNO3液とX-塩液の添加はいずれも特願平2
−188243号の実施例項記載の中空管多孔膜添加系(テフ
ロンチューブに0.15mmφの穴を1添加系あたり1個/2.5
mm2の割合で8000個有する)を用いた。
各ステップとも、比較例−1の85倍量のスケールで行
なった。添加溶液濃度はいずれも比較例−1と同じであ
る。反応溶液の移液とシャワー洗浄はいずれも1分間以
内で行なった。各工程のくり返し周期は50分間である。
まず2Aの容器に、30℃のゼラチン水溶液(H2O85l,平均
分子量M=2万のゼラチン595g,PH6.0,KBr382.5g)を30
秒以内で入れ、30℃に保ちながら4分30秒間,攪拌し
た。次に比較例−1の85倍量で核形成し、ゼラチン溶液
を添加し、75℃に昇温した。約15分で昇温した。75℃に
昇温後、15分間の熟成をした後、AgNO3水溶液を添加し
た。更に2分間攪拌した後、攪拌を止め、2Aの溶液を2B
に移液した。移液後、バルブ11を切りかえ、2Aの容器を
温水シャワーで洗浄し、排液した。バルブを閉じ、反応
容器温度を30℃に下げ、次の操作の為に待機した。全所
要時間が待機時間を含めて50分間であった。
一方、2Bは常に75℃に保たれており、移液された反応
溶液は攪拌され、1分後にNH4NO3液とNH3液を添加し、2
1分間熟成した。次にHNO3(3N)液を加えPH5.5にし、更
にKBr液を添加した。次にAgNO3液とKBr液を用いて、銀
電位−20mVで10分間のC.D.J添加をした。次にAgNO3溶液
とX-塩溶液を用いて銀電位5mVで10分間のC.D.J.添加を
した。最初340ml/分,流量加速31.45ml/分であった。添
加後、1分間攪拌した後、該反応液を2Cへ移液した。次
に2Bの容器を1分間、温水シャワーで洗浄し、排水した
後、次の操作の為に待機した。全所要時間は待機時間を
含めて50分間であった。
2Cは常に75℃に保たれており、移液された反応溶液は
攪拌され、1分後に該AgNO3溶液とX-塩溶液を該C.D.J.
添加した。最初654.5ml/分,流量加速31.45ml/分で33分
間添加した。次にKBr液を添加し、銀電位を−50mVに
し、AgNO3液とKBr液を用いて、銀電位を−50mVで、8分
間のC.D.J.添加をした。添加後、2分間攪拌した後、該
反応溶液を冷却用容器2Dへ移液した。2C容器を温水シャ
ワーで1分間洗浄し、排水し、次の操作の為に待機し
た。全所要時間は待機時間を含めて50分間であった。
該2Dは常に35℃に保たれており、該乳剤が38℃以下に
下った時点で該乳剤を第6図の水洗用容器2Eに移液し
た。2Eは360lの容量(深さ50cm,半径約50cm)であり、
該装置で乳剤を遠心分離し、分離水を第4図(b)型の
ポンプでくみだした。次に水洗水を230l添加し、テフロ
ン製網28を振動させ、該分離乳剤を再分散させ、再び該
乳剤を遠心分離した。次にゼラチン水溶液を加え、乳剤
を細分散させ、該乳剤を化学熟成用容器2Fへ移液した。
乳剤の収量は93.5lであった。該2D,2E工程の全所要時
間は50分間であった。この時点で採取した乳剤粒子のレ
プリカのTEM像より求めた特性は第4表の通りであっ
た。比較例−2に比べて、小量装置結果に近い結果であ
った。これは核形成時の反応容器容量が比較例−2の96
0lから、180lに、小さくなったこと、および多孔膜添加
系の効果の為である。
2Fは常に55℃に保たれており、容器容量は150lであ
る。移液後、10分間攪拌した後、比較例−1の85倍量で
添加溶液を添加し、化学増感を施した。次に該温度を40
℃に下げ、かぶり防止剤,ゼラチン水溶液,塗布助剤,
増粘剤,硬膜剤を添加し、塗布工程へ移液した。該操作
を50分周期で行なった。
塗布工程ではゼラチン保護層とともに、三酢酸セルロ
ース透明ベース上に銀2g/m2で塗布し、乾燥させた。
比較例−1と−2、および実施例−1と2の試料に対
して、5400°Kのタングステン光源に419nmの干渉フィ
ルターをかけて1/10秒間の青光によるウエッジ露光をし
た。次に下記現像液D−1で現像(20℃,4分間)し、定
着液F−1で定着した後、水洗,乾燥した。
(現像液D−1) 1−フエニル−3−ピラゾリドン 0.5g ハイドロキノン 20.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 2.0g 亜硫酸カリウム 60.0g ホウ酸 4.0g 炭酸カリウム 20.0g 臭化ナトリウム 5.0g ジエチレングリコール 30.0g 水を加えて1とする。(PHは10.0に調整する。) (現像液F−11) チオ硫酸アンモニウム 200.0g 亜硫酸ナトリウム(無水) 20.0g ホウ酸 8.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1g 硫酸アルミニウム 15.0g 硫酸 2.0g 氷酢酸 22.0g 水を加えて1とする。(PHは4.2に調整する。) センシトメトリーの結果を第4表に示した。実施例−
1の結果は、性能的にも比較例−1の結果とよく対応し
ていることを示している。
〔発明の効果〕 以上説明してきたように本発明のハロゲン化銀乳剤の
製造方法によれば次のような効果が期待できる。
即ち、 (1)研究用小量装置で開発した改良乳剤と同一性能の
乳剤をすぐに工場規模段階で製造化することができる。
特に核形成用の反応容器容量を小さくできる為、平板粒
子比率の高い単分散平板状乳剤粒子を製造する場合に特
に効果が大きい。
(2)各乳剤粒子の各反応容器における平均滞留時間が
揃っており、従って単分散性の良い乳剤粒子が得られ
る。
(3)各乳剤粒子の平均粒径も任意の大きさに作ること
が出来る。
(4)該連続時間の調節により、小量品種乳剤は小量生
産することができ、不要な過剰生産をなくすることがで
きる。
(5)上記のような乳剤を再現性よく、連続的に、所要
量に応じて製造できるという利点を有する。
従って、水洗工程、化学増感工程、添加剤添加工程、
塗布工程と連動させた場合、AgX粒子形成工程から塗布
工程までを一貫して全自動連続製造することができ、乳
剤の冷蔵庫保存および該乳剤の再溶解工程を省くことが
できるので、製造コストを低減させることが出来る。
(6)各装置すべてが単機能化して作られ、かつ小型で
あるため、制御性能を向上させ、自動化が容易であり、
高精度の設備とすることが出来る。
(7)各装置すべてが単機能化して作られ、且つ小型で
あり、設備の稼動率が高いので、装置全体として設備コ
ストを安くすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明のAgX乳剤の製造方法を実現する装
置の1実施例の断面図、第4図は第3図の移液用ポンプ
の具体的代表例の断面図で(a)はダイヤフラム型、
(b)は真空吸引型、(c)は往復ポンプ型、第5図は
本発明で用いる分岐型反応装置を有する場合の各バッチ
式反応装置の配列例、第6図は遠心分離型水洗・脱塩装
置の一例であり、(a)は平面図,(b)は側面図を示
す。 A,B,C・・・……装置 2A,2B,2C・・・……反応容器 3……Ag+添加管 4……X-添加管 5……反応溶液、6……Ag+添加口 7……X-添加口、8……攪拌羽根 9……開閉弁付送液口 10……送液パイプ、11……切換バルブ 12……癈水用パイプ、13……容器側壁 14……循環用ポンプ、15……吸引用逆止弁 16……吐出用逆止弁 17……蛇腹型ダイヤフラム 18……吸液容器、19……ガード 20……切換弁、21……真空系 22……加圧系、23……ピストン 24……シリンダー 25……空気漏れ防止用パッキング 26……回転軸、27……仕切り板 28……テフロン製網 29……分離された水 30……分離された乳剤

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性コロイド分散媒を含有する反応溶液
    中に銀塩溶液とハロゲン塩溶液を液中添加して、ハロゲ
    ン化銀乳剤粒子を製造する方法において、該粒子形成反
    応が、該反応溶液を、直列に配置した容器容量が20l以
    上で2つ以上のバッチ式中型反応装置中を一定方向に通
    過させることによって行われ、各反応装置の反応容器内
    の反応溶液が実質的に混じり合うことなく、かつ、該2
    つ以上配置した反応装置で連続して粒子形成反応を行わ
    せることを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  2. 【請求項2】該直列に配置したバッチ式中型反応装置の
    数が3〜8であり、かつ、該装置間が反応溶液の移液手
    段で直列に接続されており、該移液が重力または移液用
    ポンプを利用して行われ、該移液による残液による反応
    溶液の混合量が移液量の10%以下であることを特徴とす
    る請求項(1)記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  3. 【請求項3】該粒子形成反応の核形成→熟成→結晶成長
    工程の順に、各反応容器の容量が大きくなり、該移液が
    終わった反応装置の反応容器を洗浄する工程を有し、か
    つ、該銀塩溶液とハロゲン塩溶液の液中添加が、1添加
    溶液あたり孔数が4以上の多孔体を通して添加されるこ
    とを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤の製造
    方法。
  4. 【請求項4】該中型反応装置の反応容器が開閉弁付送液
    口を有し、かつ、各反応装置が最終の反応装置より逆の
    ぼって順に、反応容器内の反応済反応溶液を次の容器に
    送液した後、その反応容器の開閉弁を閉にして、次に隣
    接する上流側の反応容器の開閉弁を開にして上流側の反
    応容器内の反応溶液を受液し、しかる後一定時間反応装
    置の稼働を行うことを繰り返すシステム制御装置を有す
    ることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】該粒子形成後に脱塩工程、化学増感工程、
    写真用添加剤の添加工程を有し、これらの工程が互いに
    直列に連結されたバッチ式装置で行われ、かつ、該粒子
    形成工程、乳剤の塗布工程と連動させ、該粒子形成工程
    から塗布工程まで連動させ、乳剤の冷蔵庫保存工程が省
    かれたことを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳
    剤の製造方法。
  6. 【請求項6】該結晶成長過程の溶質イオンの供給方法
    が、あらかじめ調製した0.1μmφ以下のサイズで双晶
    面が2枚以上の多重双晶粒子を実質的に含まない超微粒
    子乳剤(AgCl,AgBr,AgIおよび/またはそれらの2種以
    上の混晶)を供給する方法であり、生成する該ハロゲン
    化銀乳剤粒子が平行双晶面を有する平板状乳剤粒子であ
    ることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤の
    製造方法。
JP2266615A 1989-10-05 1990-10-05 ハロゲン化銀乳剤の製造方法 Expired - Fee Related JP2687252B2 (ja)

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JP25886289 1989-10-05
JP1-258862 1989-10-05
DE4105649A DE4105649A1 (de) 1989-10-05 1991-02-22 Verfahren zur herstellung einer silberhalogenidemulsion sowie vorrichtung dafuer

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