JP2817062B2 - ハロゲン化銀乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はハロゲン化銀乳剤の製造及びこれらの写真材
料での利用に関する。
<従来の技術及び発明が解決すべき課題> 英国特許第1,520,976号にはハロゲン化銀結晶が双晶
型であるハロゲン化銀乳剤の製造方法が記載されてい
る。この方法は沃化銀種結晶の形成を伴なう。可溶性銀
塩と別のハロゲン化物を沃化銀種結晶に加える。英国特
許第1,570,581号には形成した沃化銀種結晶が切頭両錐
(形の)六方晶系格子晶癖であることが示されている。
可溶性銀塩と他のハロゲン化物塩が沃化銀種結晶の分散
に加えられた時、沃化銀結晶は双晶化ハロゲン化銀結晶
のエピタキシヤル成長の部位として作用する。双晶化ハ
ロゲン化銀の同様な成長は英国特許第1,596,602号に示
されている。
英国特許1,570,581号及第1,596,602号に記載された方
法では、高い沃化物含量の結晶を先ず形成する。高い沃
化物含量、即ち90乃至100モル%の沃化物を有するハロ
ゲン化銀結晶は主として六方晶系格子構造である。六方
晶系格子構造が卓越する沃化銀結晶の製造技術は良く知
られており、そして例えばB.L.Byerler and H.Hirsch:
J.Phot.Sci。第18巻53頁(1970年)に記載されている。
かゝる結晶は六角錐又は六角両錐の形状を有する。これ
らの錐の底面は(0001)型の格子面より成る。六方晶系
格子構造の沃化銀は英国特許第1,570,581号の図2に示
されている。
英国特許第1,570,581号記載の工程(b)の方法で
は、銀塩の水溶液と、アルカリ金属又はアンモニウムの
臭化物又は塩化物(又はその混合物)の水溶液を、主と
して六方晶系格子構造である沃化銀結晶を含有している
分散媒質に加えて、沃化臭(又は沃塩化又は沃塩臭化)
銀を沈降させる。沈降した混合ハロゲン化物結晶は面心
立方構造である。これらの結晶は約65℃の温度で全ハロ
ゲン化物の約40モル%の最高値迄の、溶解中の種結晶か
らの沃化銀を包含している。然しこの工程中では最初に
形成してある沃化銀結晶が溶解して、沃化銀は成長中の
面心立方晶系格子結晶に包含される。電子顕微鏡では、
工程(b)で沃化銀結晶の全体的な周囲の成長が起ら
ず、工程(a)で形成された沃化銀の底面上に形成され
エピタキシヤル成長するハロゲン化物の面心立方晶系格
子型結晶が工程(b)で加わることを示している。エピ
タキシヤル成長は(0001)AgI面と(111)AgBr又はAgCl
面の間で、両者が六方晶系の最密、等イオン格子面であ
るので、起り得る。母体の沃化銀結晶に結合する一方で
成長中のエピタキシヤル結晶は(表面に交叉するいくつ
かの双晶面の平行条線特徴で認められる)高度の双晶化
を示していることが電子顕微鏡で観察されている。分散
媒質中のバブク拡散か結晶接合部を通してのアニオン性
拡散かに依る、成長中の(面心立方晶系)相への沃化物
イオンの連続的供給によつてこの双晶化が促進されると
みられている。
一般に1個の双晶化面心立方晶系結晶は六角錐沃化銀
結晶の単一の底面に形成され、そして2個の双晶が各六
角両錐沃化銀結晶の2個の底面に形成される。英国特許
第1,596,602号の図3は六角錐沃化銀結晶(3a)と六角
両錐結晶(3b)を示している。ハロゲン化銀をさらに
(結晶面に)沈降させ続けて分散媒質中に懸濁している
ハロゲン化銀の全沃化物比率を30−40モル%沃化物に減
少させると、当初に形成された沃化銀結晶の溶解が主と
なつて英国特許第1,596,602号の図4の亜鈴型結晶が認
められる。この図4は六角錐沃化銀結晶上に形成した1
個の双晶化面心立方晶系結晶(4a)と六角両錐沃化銀結
晶の各底面上に形成した双晶化面心立方晶系結晶(4b)
を示している。工程(b)では、双晶化面心立方晶系結
晶のサイズの増加と沃化物結晶のサイズの減少が進む。
この段階は同特許の図5に示されている。実質上2個の
双晶の間の沃化銀結合が切れ(5b)、2個の双晶が離れ
る。沃化銀の残渣ははじめ双晶化面心立方晶系結晶上に
残つているか、実質上溶解するかである。英国特許1,59
6,602号の図3c−5cは平板状沃化銀結晶(3c)、これも
切頭六角両錐、が再結晶化を受ける場合の過程を示して
いる。1個の双晶化面心立方晶系結晶が各底面で形成さ
れる(4c)。再結晶化が完了する工程(b)の終りに向
つて2個の別々の平板状双晶が残る。
英国特許第1,596,602号の図6は再結晶化過程中の図4
bの亜鈴結晶を示す電子顕微鏡像である。
英国特許第1,596,602号に記載の方法では、工程
(b)、以後“再結晶化工程”と称する、での沃化物イ
オンの供給は関係式: 〔Ag+〕〔I-〕=k 但し、〔Ag+〕、〔I-〕は銀と沃素の(稀溶液では濃
度)の活量であり、そしてkは定数である(kは周知の
溶解度積である)、で与えられる平衡濃度を維持する沃
化銀結晶の更なる溶解で与えられる。
先速のように、工程(b)での成長中の結晶への沃化
物の包含は八面体面の形成、及び特に双晶面として知ら
れた積層欠陥の形成を促進する。更に英国特許第1,596,
602号の一態様では平行双晶面を持つ結晶の形成が著る
しく好都合である。この結果は結晶形状を変性し従つて
形成された結晶の多くは図1に示す平板状双晶化型であ
る。結晶の外表面が立方晶系(100)格子面である時に
は双晶面の形成が不可能であり(Berry and Skillman,P
hotographic Science and Engineering 第6巻、159頁
(1962年))、しかし外表面が少なくとも部分的に八面
体(111)格子面を有している時に可能であることが知
られている。従つて再結晶化工程(b)での沃化物の包
含は、沃化物を含有していなくて、立方晶系の外表面が
通常示されている結晶についての条件下でも、双晶形成
促進効果を有している。
工程(b)では沈降によつて溶液相から沃化物イオン
が除かれるにつれて、沃化銀結晶が更に溶解することに
よつて沃化物イオンが迅速に置換(供給)される、そし
て銀溶液及びハロゲン化物溶液の添加速度に従つて沈降
又は再結晶化工程(b)の終りには沃化銀結晶が完全に
溶解する。
英国特許第1,596,602号では図3で沃化銀種結晶が単
一の六角錐か(六角)両錐の形になり得ることが示され
ている。然し英国特許第1,570,581号と第1,596,602号の
両方に記載されている沃化銀種結晶の製造法では、製造
された種結晶の殆んどが両(角)錐晶癖のものであるこ
とが判明している。然し工程(a)で形成された沃化銀
種結晶の晶癖が主として単一角錐型の時に改良された最
終の双晶化ハロゲン化銀乳剤が得られることが今や見出
された。
<発明の構成> 従つて本発明によれば、 (a) pIが1.5より小であり且つ温度が30乃至90℃の
コロイド分散媒質中で、少なくとも90モル%の沃化物を
含有し且つ少なくとも80%が各々主として単一の底面を
有する六方晶系格子構造であるハロゲン化銀結晶を形成
し、 (b) 該ハロゲン化銀結晶を含有する分散媒質中で、
銀塩の水溶液とアルカリ金属又はアンモニウムの臭化物
又は塩化物(又はその混合物)の水溶液を混合して、沃
化物及び添加したハロゲン化物又はハロゲン化物類を含
有する双晶化ハロゲン化銀結晶を形成し、 任意に(c) 分散媒質にハロゲン化銀溶媒を添加し
て双晶化ハロゲン化銀結晶を成長させ、 そして任意に(d) 次にコロイド状分散に更に銀塩
水溶液及び更にアルカリ金属又はアンモニウムのハロゲ
ン化物を加えて双晶化結晶のサイズを増加させ、 そして次に最後に任意に(e) 形成された水溶性塩
類を除去し且つハロゲン化銀結晶を化学増感する、 工程を有することを特徴とするハロゲン化銀結晶が双晶
型であるハロゲン化銀乳剤の製造方法が提供される。
通常、工程(e)でハロゲン化銀結晶は分光増感もさ
れる。
工程(a)で使用される沃化銀結晶の少なくとも80%
は単一の底面を有し、それらは主として単一角錐晶癖で
あるか又は変性された単一角錐晶癖だが単一底面を有す
るものかである。単一角錐沃化銀結晶は、その方法で製
造された種結晶の殆んど大部分が両錐晶癖である英国特
許第1,596,602号以外の、先行技術に記載されている。
単一角錐の沃化銀結晶の製法を記載した刊行文献の例
には: E.Klein:Phot.Sci.Eng.第1巻、52頁(1957年)、H.Wal
liser,J.F.Reber,H.Hediger and P.Junod:J.Phot.Sci.
第27巻、85頁(1979年)、R.L.Daubendiekの1978年Int.
Congr.of Phot.Sci.Rochesterの報文pp140−143があ
る。
これらの文献の沃化銀単一角錐結晶は写真的用途より
も科学的好奇心として示されている。然しかゝる文献に
は単一角錐結晶の集団をつくるのに用い得る条件がはつ
きりと記載されている。
少なくとも90モル%の沃化物を含有し且つ少なくとも
80%が各々主として単一の底面を有する六方晶系格子構
造であるハロゲン化銀種結晶の集団は、コロイド分散媒
質中で1.5より小に制御されたpIと温度を30乃至90℃に
保つて可溶性銀塩とアルカリ金属又はアンモニウムの沃
化物を混合した時に形成されることが見出された。最も
好ましくは温度を35乃至70℃に保つ。最も好ましくはpI
を約1に保つ。
晶癖は完全な幾何学的形状である必要は無く、ほゞ角
錐であればよい、従つて主及び副基礎面の面積の比は少
なくとも4:1であることを理解されたい。例えばいくつ
かの結晶は主基礎面で僅かの成長(“低い半球状生
長”)を有する。従つて用語“単一底面”にはかゝる結
晶も包含する。
工程(a)で製造する沃化銀種結晶のサイズはこの工
程中に添加する銀塩及び沃化物塩の量並びに撹拌速度及
び温度に左右される。然し有用なサイズ範囲は0.05乃至
2μmの平均した平均サイズである。好ましい平均サイ
ズは0.15乃至1.0μmである。工程(a)で使用する銀
溶液及び沃化物溶液の好ましい濃度は1.0乃至5.0Mであ
る。
工程(a)のコロイド分散媒質で必要とされる比較的
高い当初の沃化物イオン過剰濃度を設定するために、分
散媒質に水溶性の銀塩及びアルカリ金属又はアンモニウ
ムの沃化物を加える前に、充分なアルカリ金属沃化物を
分散媒質に加えて約1のpIを与える。
好ましくは工程(a)では水溶性銀塩及びアルカリ金
属又はアンモニウム沃化物は、若干のアルカリ金属沃化
物を含む分散媒質中にダブルジエツト法で注加される。
工程(b)では双晶化ハロゲン化銀結晶が形成され且
つ沃化銀種結晶が次第次第に溶解して沃化銀が成長する
ハロゲン化銀結晶に包含される。好ましくは水性媒質の
温度は35乃至90℃そして最も好ましくは35乃至70℃であ
る。
工程(b)中、pAgは5乃至11及び好ましくは6乃至1
0に保つのが望ましい。
工程(b)で使用する溶液の濃度は好ましくは1.0乃
至5Mである。
工程(b)後、双晶化ハロゲン化銀結晶のモル%沃化
物は好ましくは30乃至40である。工程(b)はすべての
沃化銀種結晶が消費された時に終る。
工程(c)オストワルド熟成工程は任意的工程であ
り、未双晶化ハロゲン化銀結晶を実質的割合でつくり出
す条件が使用された時に好ましくは用いる。この工程中
で、かゝる未双晶化結晶は溶解する。
工程(d)は最終のハロゲン化銀結晶の沃化物モル%
を0.1乃至25%の有用な範囲に低下する更なる成長工程
である。最も好ましくは最終のハロゲン化銀結晶のモル
%沃化物は5乃至20%である。然し結晶のシエルに沃化
物が必要な時は工程(d)で更に沃化物を加える。工程
(d)で用いる温度、pAg及び溶液濃度は工程(b)と
同じである。然し、例えば平板状晶癖を促進するか、又
は双晶化八面体晶癖に好都合のように工程(d)のpAg
を工程(b)と異なるものとして用いることが好ましい
こともある。
工程(c)を行わない時は、工程(b)から間を置か
ずに直接、工程(d)に多くは続ける。
好ましくは工程(b)と工程(d)で可溶性銀塩及び
アルカリ金属又はアンモニウムのハロゲン化物を分散媒
質にダブルジエツト法で加える。最も好ましくはこれら
の溶液の添加速度を制御して、単分散ハロゲン化銀乳剤
を与える、即ち既知の方法で未双晶化結晶の第2の集団
の再核生成を避ける。
本発明の方法を用いると、より単分散のハロゲン化銀
乳剤が製造できることが判明した。これは英国特許第1,
520,976号、第1,570,581号及び第1,596,602号記載の方
法では工程(a)で製造された種結晶の主な晶癖が双錐
型であるためである。工程(b)中に種沃化銀結晶の各
底面上に双晶化ハロゲン化銀結晶がエピタキシヤルに成
長する。単一の種結晶に等しいサイズの結晶は通常生じ
ないことが判明した。従つて工程(b)の終り及び工程
(d)の終りで製造した結晶のサイズの均一性は所望よ
りも低い。双晶の沃化物含量は工程(a)で両錐種結晶
を用いた時よりも結晶の全集団にわたつてより均一であ
る。
工程(a)と(b)とを直線引続いて行なう必要の無
いことを理解されたい。例えば沃化銀コロイド分散を必
要時より前につくつて貯蔵しておいても良い。更に工程
(b)が完了する前に工程(c)を始めることも可能で
ある。かゝる場合には、ハロゲン化物の一部を加えて双
晶化ハロゲン化銀結晶を形成して後に、ハロゲン化銀溶
媒例えばアンモニアを新たなハロゲン化物溶液と共に添
加し得る。極めて小さなハロゲン化銀結晶又は高い沃化
物含量のハロゲン化銀結晶が必要の時は、工程(d)は
不必要となろう。然し後述のように、工程(d)は単分
散双晶化ハロゲン化銀乳剤の製造では特に有用である。
好ましくは工程(a)で純粋な沃化銀結晶を形成する
が、その六方晶系格子型を保つたまゝ沃化銀結晶中に10
モル%以下の他のハロゲン化物(塩化物又は臭化物)を
存在させ得る。従つて用語“沃化銀結晶”が10モル%以
下の他のハロゲン化物を含有する結晶を包含しているこ
とを理解されたい。工程(a)で形成された結晶の一部
分(即ち結晶の重量又は数の10%以下)が主として塩化
銀が臭化銀であり、且つ本発明の方法に著るしい作用を
与えずに面心立方晶系格子型であり得ることを理解され
たい。
本発明の方法は単分散型双晶化ハロゲン化銀乳剤の製
造に特に適している。これを達成する好ましい方法で
は、工程(a)で製造した沃化銀乳剤がそれ自身単分散
型である。かかる乳剤は固定した温度とpAgで保護コロ
イドの撹拌溶液中で銀塩の水溶液とアルカリ金属又はア
ンモニウムの沃化物の水溶液を混合して製造し得る。沃
化銀結晶の最終結晶サイズは好ましくは0.05〜2.0μm
の範囲である。
工程(a)で形成した沃化銀結晶の平均サイズが工程
(b)で形成される双晶化結晶のサイズに影響すること
が見出された。一般に工程(a)で製造した沃化銀結晶
が大きければ大きい程、工程(b)で形成される双晶化
結晶が大きい。(工程(a)で)形成した沃化銀結晶の
サイズ増加の一つの方法は工程(a)を沃化銀溶媒の存
在下で実施することである。沃化銀の溶解度は温度、過
剰な沃化物の量及び分散媒質中の沃化銀溶媒の割合を変
えて容易に調節できる。
最終の双晶化乳剤の結晶サイズ分布は工程(a)で形
成した沃化銀の結晶サイズ分布にも左右されることが明
らかである。
高いコントラスト用途例えばX線フイルムでは工程
(a)の沃化銀が単分散であるのが好ましいが、低コン
トラスト用途例えば白黒カメラフイルム用には工程
(a)で製造した沃化銀の比較的広いサイズ分布でつく
つた本発明による比較的多分散双晶化ハロゲン化銀乳剤
をつくるのがある用途にとつては好ましい。別の方法と
して、工程(b)の前に、異なるサイズの単分散沃化銀
乳剤を混合してかゝる広いサイズ分布をつくることがで
きる。従つて工程(b)、(c)及び(d)で製造する
双晶化ハロゲン化銀結晶のサイズとサイズ分布の制御
は、工程(a)で形成する沃化銀結晶のサイズとサイズ
分布の選択で達成できる。
好ましくは、双晶化結晶が核生成する再結晶化工程
(b)は固定された温度とpAgで、ゼラチン溶液中の沃
化銀の撹拌分散への硝酸銀水溶液、と臭化又は塩化ナト
リウム又はその混合物の水溶液の添加で実施される。他
のアルカリ金属又はアンモニウムの臭化物又は塩化物の
塩も使用できる。好ましくはハロゲン化物溶液中に追加
の沃化物が無いが、然し少量を加える加能性(即ち、こ
の工程で加えるハロゲン化物の10モル%以下が沃化物と
なり得ること)を排除していない。
銀溶液及びハロゲン化物溶液は使用するきまつた温度
での溶解度限度までの濃度となり得る。好ましい範囲は
1.0〜5Mの限度内、最も好ましくは1.0〜2Mの限度内であ
る。これら溶液は沈降容器に添加する直前迄室温で貯蔵
するか、又は昇温した温度、好ましくは30〜70℃の範囲
の温度で保存することができる。
ハロゲン化物溶液の添加速度に必要な調節を行つて、
この段階での硝酸銀溶液の流速を一定に保つのが最も好
ましい。然し前述したように、ハロゲン化銀溶媒を添加
する工程(c)を実施しない方法では、工程(b)の水
溶液の添加速度を調節してこの工程の終りでは、形成さ
れたハロゲン化銀結晶の殆んどを双晶化するのが好まし
い。
単分散乳剤の製造に使用できる最高度の均一性の結晶
集団を工程(b)で製造するために、工程(b)で添加
するハロゲン化銀溶液の添加速度を実験で予め定める必
要があるのが本発明では好ましい。この観点で最適流速
は、ハロゲン化物の性質、水性分散媒質中の沃化銀結晶
数の増加、沃化銀結晶の結晶直径の減少、上で特定した
範囲内のpAg、及び温度によつて変る。例えば沃塩化銀
又は沃塩臭化銀乳剤の製造では沃臭化銀のその相当品よ
りも大きな添加速度が必要である。
再結晶化工程(b)では添加する硝酸銀及びアルカリ
金属又はアンモニウムのハロゲン化物の容積は、この工
程の終りで沃化銀が全ハロゲン化銀の30乃至40モル%を
占めるようにするのが好ましい。適切な流速の目安とし
て、沃化銀の溶解が実質上完了する迄に、硝酸銀の量が
既に添加されている沃化銀の当量の1乃至3倍にその時
になるように流速を調節するのが望ましい。工程(b)
での沃化銀の溶解そして従つて最適の流速を求める一手
段はX線回折である。β−AgIは六方晶系格子を有し、
(<40モル%AgIの)、沃臭化銀は立方晶系格子を有し
ているので、全く異なる回折パターンが2つの相で示さ
れる。銅Kα1照射線を用いる、走査角70と74.5゜の間
の走査はβ−AgIの(300)及び(213)反射、存在する
γ−AgIの(422)反射、及び立方晶系沃臭化銀の相から
の(420)反射又は複数の反射をカバーする。
再結晶化工程(b)中のこれらの反射の相対強度の変
化は追跡可能であり、そして乳剤の平均沃化物含量が30
モル%に下るとβ−AgIからの顕著な(213)反射が消失
することがわかる。沃化銀の溶解が実質上完了したかを
判断する手段は、沃化銀結晶の固有結晶癖は通常の面心
立方晶系格子のハロゲン化銀結晶から沃化銀を区別でき
るので、再結晶中に時間を変えて電子顕微鏡写真をとる
ことである。
各段階後に製造の便宜上、段階(a)、(b)及び
(d)をより細かな段階に分割すること及び乳剤を貯蔵
することができる。また工程(b)での添加速度を変え
た実験的調製時に抽出した乳剤試料の電子顕微鏡写真が
最適流速の別の目安を示すのに用いることが出来ること
が明らかである。本発明のオストワルド熟成段階、工程
(c)を行なう方法の場合には、工程(b)で一定流速
を用いることが好ましく、工程(c)の終りの最後の熟
成した乳剤の電子顕微鏡写真を最大の均一性と形状の双
晶変結晶集団をつくり出す工程(b)の最適添加速度の
選定に用いることができる。熟成工程(c)について選
定した条件に最適の工程(b)での最適流速はこのよう
に予備実験で決定できる。オストワルド熟成段階、工程
(c)を省略した時、試薬溶液の工程(b)での添加速
度をこの工程で形成されたハロゲン変銀結晶が殆んど双
晶型であつて、新たな未双晶化結晶の形成が実質上起ら
ないように制御することが本発明の著るしい特徴であ
る。また添加速度は既存の双晶化結晶集団でのオルトワ
ルド熟成が起らないように選ぶのが好ましい。使用可能
な流量の最適範囲を確かめるのに必要な実験的予備測定
は英国特許第1,469,480号に記載のものに類似してい
る。
工程(b)での著るしく低い添加速度は、オストワル
ド熟成又は種結晶の表面にわたつての不均一な核生成の
ために、工程(a)で形成した沃化銀結晶の不完全な再
結晶化と形成された双晶化結晶の著るしく広がつたサイ
ズ分布を生じよう。工程(b)での著るしく高い添加速
度は特徴的な規則的立方体又は八面体の形状によつて容
易に識別できる未双晶化結晶の実質的再核生成を生じよ
う。この場合、最後の結晶のごく一部が沃化銀の直接的
影響下で形成され、沃化物含量の広い分布を生じ、そし
て最終乳剤のサイズ分布は必然的に二頂型である。この
両作用は最終乳剤の写真コントラストを失わせる。更に
乳剤を効果的に増感するのが困難である。より均一なサ
イズと形の双晶の集団は工程(b)での添加の適切な中
間速度を選ぶと得られ、これは後述の例に示してある。
工程(b)中で沃化銀種結晶が次第に溶解して沃化物
は成長中の双晶に包含される。再結晶化度即ち事実完了
しているか否かに影響するさまざまの因子を既に説明し
た。これらの因子は双晶化結晶中の立方晶系ハロゲン化
銀相の組成にも影響する。特に温度、pAg及び溶液添加
速度が大きな影響力を持つ。高温、高pAg及び小さな添
加速度を用いた極端な例では、熱力学的平衡に達して双
晶化結晶中の沃化物の割合は理論平衡飽和限界例えば70
℃で39モル%に近付く。他の条件下では工程が動力学的
に調節されて、工程(b)でつくつた双晶化結晶の固溶
体相中にはもつと低い割合の沃化物が包含される。
工程(c)中で都合良く早い速度で熟成を起こすため
には、ハロゲン化銀溶媒例えば過剰のハロゲン化物塩又
はアンモニア、又は他のハロゲン化銀錯化剤例えばチオ
シアン酸ナトリウムを加える必要がある。溶媒の相対濃
度は熟成後に見られる晶癖に影響しよう。オストワルド
熟成中の過剰の臭化物及びアンモニアの沃臭化銀結晶の
晶癖に対する作用はMarcocki and Zaleski(Phot.Sci.E
ng.17巻、289頁(1973年))に記載されている;僅かな
臭化物の過剰は八面体晶癖の形成に好都合である。
本発明の工程(c)のオストワルド熟成は最も好まし
くは八面体晶癖に好都合な条件下で実施する。好ましい
ハロゲン化銀溶媒はアンモニアであり、0.1〜1.5M範囲
の最終濃度で加える、そして熟成用の好ましい温度は50
゜〜70℃である。熟成段階用の好ましいpAg値は7〜10
の範囲内である。著しく高い温度、又はハロゲン化物又
はアンモニア濃度は通常、最終のサイズ分布を広くす
る。
工程(b)の終りで得られる結晶が殆んど双晶化した
型であるようにしながら、工程(b)での水溶液の添加
速度を増加するには、通常用いられるナトリウム、カリ
ウム又はアンモニウム塩とははつきり異なるカチオン半
径を有するアルカリ金属ハロゲン化物の少量を工程
(a)及び(b)で使用するのが好ましい。従つて工程
(a)中で用いる最適添加速度は、銀よりも小さなカチ
オン半径を有する、例えばリチウムの、アルカリ金属ハ
ロゲン化物の少量を工程(a)の沃化銀結晶の製造時に
使用するか、又は銀よりも大きいカチオン半径を有す
る、例えばルビジウムの、アルカリ金属ハロゲン化物の
少量を再結晶化工程(b)時に使用するかして、上昇す
ることができる。カチオンサイズはR,A.R.binson and
R.H.Stokes “Electrolyte Sulutions"第2版、Butterw
orths(1959年)第461頁に示されている。少量のこれら
のイオンは沈降時にそれぞれのハロゲン化銀格子中に吸
蔵されて工程(a)で形成された六方晶系格子型結晶の
変換速度を増加すると考えられる。工程(b)中でエピ
タキシヤル成長(又は沃化銀結晶の溶解速度)を増加す
る他の可能な方法は工程(b)を湿潤剤例えばポリアル
ケンオキサイド縮合物又は沃化銀溶媒を存在させて実施
することである。ポリアルケンオキサイドは沃化銀の沃
臭化又は沃塩化銀への変換を、沃化物イオンと錯化する
か又は再結晶化を受ける結晶の表面からゼラチンを置換
するかして促進できると考えられ、一方、工程(b)で
の分散媒質への沃化銀溶媒を一部包含させることは溶解
度の直接増加によつて転化速度を変えることができる。
高濃度のアンモニアは沃臭化銀結晶の立方晶系晶癖の
形成を促進する、それでこの理由から沃臭化銀乳剤につ
いての再結晶化工程(b)を低濃度のアンモニア中で実
施するのが好ましい。逆に沃塩化銀又は塩化銀結晶につ
いては高濃度のアンモニアが八面体晶癖の形成を促進す
る(Berg et.al.Die Grundlagen der Photo graphische
m Prozesse mit Silberhalogeniden 第2巻、640頁)
そして従つて、第1の方法に依る双晶化沃塩化銀乳剤の
製造では再結晶化工程(b)及び熟成工程(c)を0.5
〜1Mの好ましい範囲のアンモニア濃度で一貫して実施す
るのが好ましい。これは好ましくはアルカリ金属又はア
ンモニア塩化物溶液に濃アンモニア溶液を添加して達成
される。然し双晶化沃塩化銀乳剤はアンモニア無しで製
造できる。同様に本発明の範囲内で中間の十四面体晶癖
の双晶化ハロゲン化銀写真乳剤が適切な溶液条件を選択
して製造できる。
本発明の方法は単分散型の双晶化ハロゲン化銀乳剤の
製造に特に適している。本発明のこの観点で工程(d)
が包含され、この工程中で更に銀溶液及びハロゲン化物
溶液が調節されたpAgでダブルジエツト法で添加され
る。この工程中に添加される追加のハロゲン化物は好ま
しくは最終の結晶の沃化物含量が約5〜15モル%、この
量は最も都合良くネガ用の写真材料用の高速乳剤をつく
り出すことが知られている、なるようにする。工程
(d)で添加するハロゲン化物溶液は塩化、臭化、又は
沃化アルカリ金属又はアンモニウム塩の組合わせとなり
得る。沃化物含量は15モル%以下、最も好ましくは10モ
ル%以下に制限するのが好ましい。ハロゲン化物流中の
沃化物の割合は時間と共に変化させて、最終の乳剤結晶
の表面に向つて沃化物レベルをなだらかに減少させてゆ
くようにするか、異なる沃化物含量の2相の間にはつき
りとした界面をつくり出せる条件下で急激な変化を導入
するかする。沃化銀種乳剤から導かれたものに加えての
この内部沃化物の導入は個々の結晶の部分現象を行な
い、像の品質を結果的に向上するのに使用できる。本発
明の方法の工程(d)では、pAgを5.0乃至11.0の範囲
に、そして最も好ましくは6.0乃至10.0の範囲に保つの
が好ましい。温度は広い範囲、例えば35゜乃至90℃、内
で設定できる。これらの値を工程(d)中で変えること
ができるのが本発明の著るしい特徴である。例えばこの
工程の初期段階で温度、pAg及び試薬溶液添加速度を調
節すると、工程(b)又は(c)でつくられた乳剤結晶
の溶解が大巾に防止できる。
更に、高感度の双晶化乳剤は本発明の工程(b)で高
い沃化物含量の双晶化結晶をつくり、次に工程(d)で
これに硝酸銀と臭化ナトリウムを加えて、乳剤粒子のコ
アに沃化物が比較的濃縮されているコア/シエル乳剤を
つくることに依り製造できる。
本発明の工程(d)中でpAgを変えて最終の双晶化乳
剤結晶の晶癖を変性することができる。範囲6乃至9の
固定したpAgを選ぶと、(100)外表面は立方晶系結晶に
導くのに好都合になる。高レベルの沃化物を含有しなが
ら、狭いサイズ分布で立方晶系晶癖を示す結晶をつくり
出すことができるのが本発明の著るしい特徴である。
好ましくは工程(e)を行ない、そしてこの工程中で
乳剤は脱塩及び表面増感される。ハロゲン化銀結晶の製
造中に形成された水溶性塩は、それが形成されて後、即
ち工程(a)後、工程(b)後、及び並びに工程(d)
後に除去できる。
生成した水溶性塩又は本発明の方法で添加した熟成剤
は公知の方法のいずれでも除去できる。かゝる方法はし
ばしばハロゲン化銀とコロイド分散剤を凝集し、次にこ
の凝集物を水性媒体から取出して、水洗して水中に再分
散することである。他の常法の一つは限外過で、乳剤
を加圧下で膜を通透させる。
膜の細孔サイズは水と溶質は滲透させるが、ハロゲン
化銀結晶と殆んどのコロイド分散媒質をとどめるように
する。周知の殆んどの方法は乳剤の濃縮並びに水洗が可
能である。弱い試薬溶液時に3M以下の濃度を有するもの
を使用した時には、これが大切である。前述のとおり、
コア/シエル乳剤が本発明の方法で生成し得る。
本発明の方法の別の段階での水洗と濃縮で更なる利点
が得られる。例えば限外過膜を介して沈降容器中に乳
剤を再循環して、本発明の方法全体を通して水溶性塩を
除去することを特に対象としている。
乳剤成分の混合(ブレンド)は本発明の方法による最
終乳剤の製造のどの段階でも行なえる。これは前述した
ように、コントラスト及び露光ラチチユードの調節のた
めに行なうことができる。好ましい方法では、工程
(e)後、即ち成分を最適に化学増感した後か、分光増
感を行つて後に成分をブレンドする。
ハロゲン化銀結晶は成長のどの段階でも、周知の手段
例えば硫黄又はセレン化合物又は貴金属例えば金、イリ
ジウム、ロジウム、オスミウム、パラジウム又は白金の
塩を用いて、化学増感できる。化学増感は任意的に硫黄
含有熟成例えばチオエーテル又はチオシアン酸化合物を
存在させて実施される。多くは完全成長結晶がこの方法
で増感されて、従つて化学増感した生成物が結晶の表面
上又はこれに隣接して形成され、このように増感された
結晶は露光後、表面現像剤中で現像できるようになる。
このように増感された結晶から成る乳剤はネガ用フイル
ム材料として適している。然し場合によつては直接ポジ
用材料、化学増感生成物を結晶内部に生じさせたもの、
が求められる。多数のかかる化学増感生成物は必要な成
長段階で適切な増感用化合物と結晶を加熱することに依
り、結晶の本体中に包含させることができる。増感用化
合物には非金属例えば硫黄又はセレン、又は金属例えば
金、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、タリウ
ム、オスミウム、銅、鉛、カドミウム、ビスマス等、の
塩が包含される。結晶を還元剤例えば二酸化チオ尿素、
ヒドラジン、ホルムアルデヒド又は塩化第1錫で処理し
て内部還元増感を実施することができる。これらの化合
物は結晶化工程全体の部分に例えば原料溶液中に包含さ
せることによつて、連続的に加えてゆくことも;又は別
に結晶化工程を中断して、部分的に成長した結晶を適切
な試薬で処理し、成長を再開することもできる。かゝる
内部変性結晶はさまざまの方法で使用できる。例えば直
接ポジ用乳剤は次の広義の段階を用いて製造できる:
(i)成長の中間段階で結晶を処理して現像された銀
(photolytic silver)の析出を促進する中心(現像中
心)をつくり出す(イリジウム又はロジウム塩の処理が
特に好ましい)、(ii)成長過程を完了する、(iii)
化学線照射で露光するか又は化学還元して(好ましい方
法では還元剤と銀よりも電気陽性な金属例えば金又はパ
ラジウムの化合物とを組合わせて結晶をかぶらせる)結
晶表面をかぶらせるかゝる乳剤は被覆後、像形成に露光
し表面現像剤で処理すると直接陽像を生じる。必要によ
つては通常の添加剤、例えば速度を増すための可溶性ハ
ロゲン化物、分光範囲を増すための増感又は減感用染
料、電子捕捉剤、青速度増加用化合物等を直接ポジ用乳
剤に加えることができる。
内部を変性した結晶は表面速度に対して内部(速度)
の比を増加させた乳剤を与えるためにも製造できる。多
くの前記した方法が用いられるが、好ましい方法は、
(i)コア乳剤を沈降し、(ii)コア結晶の表面を既知
の方法で硫黄化合物及び/又は金化合物を用いて増感
し、そして次に(iii)コア乳剤の上にハロゲン化銀の
シエルを、既知の方法例えば適切な熟成剤を存在させた
オストワルド熟成、ダブルジエツト成長、又は中性点を
通るpAgサイクル、一つで成長させる。
ある目的に対しては内部/表面感光性関係が内部金/
硫黄増感で得たものと匹敵する乳剤を他の方法、例えば
重金属イオン(金、イリジウム、ロジウム、パラジウム
及び鉛)でドープするか、ハロゲン化物コンバージヨン
法、及びハロゲン化物層化法でつくることができる。こ
のように内部を増感した乳剤の速度はネガ用乳剤に通常
使用されている1種又は2種以上の増感用試薬を添加し
て増すことができる。特に表面感光性ネガ用乳剤に使用
されるタイプの染料でこれらの乳剤を分光増感すること
が可能である。内部像は染料で誘起される減感を受けな
いので、同一サイズの表面感光性乳剤の減感を起こすよ
うな高い表面被覆力の染料をこの場合用いるのが有利で
ある。
内部感光性乳剤は当業者に知られた方法の一つを用い
て現像できる。それらは主として標準型の現像剤に遊離
の沃化物かハロゲン化銀溶媒例えばアルカリチオ硫酸塩
かをある量加える。任意に現像前に表面を酸化剤で漂白
して表面像を除去しても良い。(Sutherns,J.Phot.Sci.
第9巻、217頁(1961年))。
シエルのハロゲン化銀層がうすい(15格子面のオーダ
ー)ならば結晶を表面現像剤で現像でき、かゝる方法は
普通の表面像をつくり出すが表面感光性必剤の多量の染
料添加による減感も避ける乳剤をつくり出す。あるかぶ
り剤(又は核生成剤)例えばある置換ヒドラジン化合物
又はある第4級アンモニウム塩を含む表面現像剤を用い
ると、上記の内部感光性乳剤を用いて直接陽画をつくる
ことができる。この場合、結晶に僅かな表面感光度を導
入することも有利である。内部感光性乳剤は本発明によ
る工程(a)−(d)中のいずれかの段階で結晶成長を
中断して、次に上記のような化学増感剤を加えてつくる
ことができる。かゝる化学増感後、結晶成長が再開され
るので感光中心(現像中心)は各結晶中の内側に埋込ま
れる。かゝる方法は周知であり例えば英国特許第1,027,
146号に記載されている。
本発明の方法は他の公知の方法例えば英国特許第723,
019号及びVanassche et.al.J.Phot.Sci.第22巻、121頁
(1974年)を用いて直接ポジ用乳剤をつくるのに用いる
ことができる。本発明の方法で製造されたハロゲン化銀
乳剤は、還元剤(二酸化チオ尿素、ヒドラジン、錫塩、
他の公知のもの)及び銀よりも電気陽性金属(金及び/
又はパラジウムが好ましい)の化合物の組合わせを用い
てかぶらせる。電子捕捉剤、好ましくは直接陽画法の分
光増感剤でもあるもの、を加えて乳剤を被覆する。露
光、現像後、表面像をつくる。かゝる乳剤に、かぶらせ
た直接ポジ用乳剤に通常使用される1種又は2種以上の
添加剤例えば可溶性ハロゲン化物、増感用染料及び青速
度増加用化合物を包含させることも可能である。表面を
通常の表面現像剤で作用できる様にして薄いハロゲン化
銀層で表面を被覆して大気酸化による表面かぶりを防ぐ
ことも可能である。この型の直接陽画系ではより良い速
度とコントラストを与えるのでこの型の立方晶系結晶が
一般に好ましい。
工程(b)の終りに形成された双晶化結晶がしばしば
種結晶としてのみ用いられる極めて小さな結晶であるこ
とがある。これらの結晶は工程(d)中で使用できるサ
イズに成長させ得る。然し前述のように長くした工程
(b)があれば工程(b)の終りで使用できる結晶をつ
くることが可能である。さらに本発明の方法では工程
(b)を第2工程で行つている水溶液の添加を中断する
こと無く工程(d)に合一できる。然し一般に工程
(b)の終りで形成された双晶化結晶自身は種結晶とし
て使用でき、従つて工程(a)で形成された沃化銀結晶
から溶出した沃化銀は種結晶中に存在し、従つて工程
(b)で更に沃化物を加えない限りは、成長工程(d)
後には結晶のコアに存在する。同様に貴金属が工程
(a)に存在していれば、これらは工程(b)で形成さ
れた双晶化種結晶中に吸蔵され、成長工程(d)後はコ
アの一部として最終結晶中に存在しよう。
最終ハロゲン化銀結晶の性質を変えるために、工程
(b)で添加するハロゲン化物類を変え又は工程(b)
から工程(d)へ使用するハロゲン化物類比率又はハロ
ゲン化物比率を全く変えることが可能である。従つて本
発明の方法の工程(b)又は工程(d)のどの段階で用
いる特定ハロゲン化物又はハロゲン化物類の混合物を調
整して最終結晶中に特定のハロゲン化物比の多重層を得
ることが可能である。
本発明の方法で製造した乳剤が直接ネガ用写真材料に
用いる場合には、再結晶化工程(b)又は(これを行な
う時は)熟成工程(c)後に工程(d)のハロゲン化物
を工程(b)で形成された“コア”双晶化結晶を取巻く
“シエル”中に15モル%以下の沃化物を沈降させるよう
に、そして10モル%以下の塩化物を結晶の最外殻中に沈
降させるようにする。従つて(当初の沃化銀結晶から誘
導されたものに加えて)“内部”沃化物層と“表面”塩
化物層を持つた結晶として沃塩臭化銀乳剤が本発明の方
法で製造できる。本発明の方法で製造した乳剤が直接ポ
ジ用材料又は内部感光性の結晶が望ましい他の用途に用
いる時には、成長工程(d)の最初の段階で沈降するハ
ロゲン化物が主として臭化物であるのが好ましい。本発
明の方法によつて沃塩臭化銀乳剤は“内部”塩化物層と
“表面”臭化物層とを有する結晶で製造できる。かゝる
“コア−シエル”乳剤は周知であり、英国特許第1,027,
146号にも記載されている。
本発明の方法で製造した乳剤は分光増感剤例えばカル
ボシアニン及びメロシアニン染料を乳剤に添加して分光
増感できる。
乳剤は写真用乳剤に通常使用される如何なる添加剤、
例えば湿潤剤例えばポリアルケンオキシド安定化剤例え
ばテトラアザインデン、金属封鎖剤、ハロゲン化銀に常
用される晶癖変性剤例えばアデニン、可塑剤例えば機械
的応力の作用を減らすグリセロールを含有できる。
好ましくは分散媒質はゼラチン又はゼラチンと水溶性
ラテツクス例えばアクリル酸ビニル含有重合体ラテツク
スとの混合物である。最も好ましくは最終乳剤中にかゝ
るラツテクスを存在させる時にはすべての結晶成長が行
つて後に添加する。然し他の水溶性コロイド例えばカゼ
イン、ポリビニルピロリドン又はポリビニルアルコール
を単独又はゼラチンと共に使用できる。
本発明の方法で製造したハロゲン化銀乳剤はスペクト
ルの縁及び赤領域で特に改良された速度/粒度を示す。
従つて本発明の方法で製造したハロゲン化銀乳剤は多く
の種類の写真材料例えばX線フイルム、カメラフイルム
(白黒及びカラーの両方)、印画紙製品に使用され、そ
の用途は多の材料例えば直接陽画材料にも発展できる。
従つて本発明は本発明の方法で製造したハロゲン化銀乳
剤及び少なくとも1のかゝる乳剤を含有する被覆したハ
ロゲル化銀写真材料を包含する。
<実施例> 以下の実施例は本発明を例示するためのものである。
実施例1 平板状双晶化八面体沃臭化銀乳剤の製造 乳剤B−本発明の乳剤 角錐の単一サイズ化沃化銀乳剤の製造(工程a) 不活性ゼラチンの9.6%w/w水溶液の2600gを40℃、400
rpmでステンレス鋼製容器中で撹拌した。消泡剤として
トリ−n−ブチルオルトホスフエートを加えた。沃化カ
リウムの4.7M水溶液の約53cm3を加えてpI=1とした。
硝酸銀の4.7M水溶液と沃化カリウムの4.7M水溶液とを、
約65分かけて1600cm3の硝酸銀溶液が加えられる迄(硝
酸銀溶液についての)速度を約20cm3/minに増加させつ
つ、撹拌ゼラチン中にジエツト法で注入した。次に162
分かけて1084cm3の硝酸銀溶液を加える迄、(硝酸銀溶
液についての)速度を50cm3/minから90cm3/minに増加さ
せつつ、更なる容積のこれらの溶液を加えた。沃化カリ
ウムの流速を調節して乳剤のpIは一貫して1(±0.05)
の値に保つた。温度は40℃に保つた。
収量は約58.5モルの沃化銀であつた。不活性ゼラチン
の27%w/w水溶液の3420gを沃化銀乳剤に加えた。この乳
剤の結晶を図1に示す。それらは(投影面積の測定か
ら)0.32μmの平均結晶直径を有していた。この乳剤を
次に脱塩した。これらの結晶は100%沃化物であり且つ
約95%が単一角錐の形を有していた。
再結晶化(工程b) 6モルの沃化銀を含む工程aで生成させた沃化銀乳剤
の約4235gを65℃、400rpmでステンレス鋼製容器中で撹
拌した。トリ−n−ブチルオルトホスフエートを消泡剤
として加えた。38分かけて0.6モルの硝酸銀を加える
迄、(消酸銀についての)速度を0.012モル/minから0.0
24モル/minに増しつつ硝酸銀の水溶液と臭化ナトリウム
の水溶液を撹拌沃化銀乳剤中にジエツト注入した。不活
性ゼラチンの25%w/w水溶液の720gを加え、8.4モルの硝
酸銀を加える迄に、(硝酸銀についての)速度を0.036
モル/minにして更なる容積の硝酸銀溶液と臭化ナトリウ
ム溶液をジエツト注入した。
上記のゼラチンの403gを加え、5.0モルの硝酸銀を加
える迄、0.072モル/minの(硝酸銀についての)速度で
更なる容積の硝酸銀溶液と臭化ナトリウム溶液をジエツ
ト注入した。臭化物溶液の流速を調節して乳剤のpAgを
一貫して7.65(±0.1)に保ち、温度は65℃に保つた。
乳剤は(容積の測定から)0.6μmの平均結晶サイズを
有していた。生成物は30%沃化銀の総体的含量の20モル
のハロゲン化銀であつた。
更なる成長(工程d) 2.78モルのハロゲン化銀を含む上記の混合沃臭化銀乳
剤の約3576gを65℃、400rpmでステンレス鋼製容器内で
撹拌した。トリ−n−ブチルオルトホスフエートを消泡
剤として加えた。不活性ゼラチンの25%w/w水溶液の148
gを加えた。86分かけて1.85モルの硝酸銀を加える迄、
(硝酸銀についての)速度を0.015モル/minから0.03モ
ル/minに増しつつ硝酸銀の水溶液と臭化ナトリウムの水
溶液を撹拌沃臭化銀乳剤中にジエツト注入した。
上記のゼラチン水溶液の296gを加え、3.69モルの硝酸
銀を53分かけて加える迄、(硝酸銀についての)流速を
0.06モル/minから0.09モル/minに増加しつつ更なる容積
の硝酸銀溶液と臭化ナトリウム溶液をジエツト注入し
た。臭化物溶液の流速を調節して乳剤のpAgを一貫して
9.16(±0.1)に保ち、温度は65℃に保つた。
最終乳剤の結晶を図2に示す。それらは(容積の測定
から)0.75μmの平均直径を有していた。沃化銀の全体
的割合は全ハロゲン化銀の10%であり、生成物は8.32モ
ルのハロゲン化銀であつた。
増感(工程e) 乳剤を脱塩し、ライム化オセインゼラチンの溶液に再
分散した。40℃でこれをpH6.0及びpAg8.2に調節した。
次に52℃である範囲の時間、ある範囲の増感剤量と熟成
した。最適写真感度はハロゲン化銀1モル当り13.33mg
のチオ硫酸ナトリウム5水和物と2.67mgの4塩化金酸ナ
トリウム2水和物を加えた時に見出された。ハロゲン化
銀1モル当り0.41gの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3aテトラアザインデンを用いて乳剤を安定化した。最
適増感乳剤をトリアセテートベースに45mg Ag/dm2で被
覆した。
比較例 平板状双晶化八面体沃臭化銀乳剤の製造 乳剤A 乳剤Aは英国特許第1,596,602号記載の方法に従い、
最終結晶サイズ、沃化物モル%及び再結晶化条件を上で
製造した乳剤Bに類似させてつくつた。
両錐型単一サイズ化沃化銀乳剤の製造(工程a) 不活性ゼラチンの9.0%w/w水溶液の2750gをステンレ
ス鋼製容器中、40℃、1000rpmで撹拌した。トリ−n−
ブチルオルトホスフエートを消泡剤として加えた。沃化
カリウムの4.7M水溶液を充分加えてpI2.3とした。約41
分かけて1600m3の硝酸銀溶液を加える迄、(硝酸銀溶液
についての)速度を約20cm3/minから65cm3/minに増しつ
つ4.7Mの硝酸銀水溶液と4.7Mの沃化カリウム水溶液を撹
拌ゼラチン中に注入した。次に10840cm3の硝酸銀溶液を
加える迄、(硝酸銀溶液についての)速度を100cm3/min
から175cm3/minに増しつつ、更なる容積のこれらの溶液
を加えた。沃化カリウム溶液の流量を調節して乳剤のpI
は一貫して2.3(±0.05)に保ち、温度は40℃に保つ
た。
2.3±0.1にpIを保ちつつ390ml/minで4.7M硝酸銀と4.7
M沃化カリウムの13065mlを加えた。この間に不活性ゼラ
チンの32%w/w水溶液の4875gを加えた。最後にpIを2.3
±1.0に保ちつつ4.7M硝酸銀と4.7M沃化カリウムの26130
mlを加えた。速度は488から585ml/minに増した。この間
に不活性ゼラチンの32%w/w水溶液の6611gを加えた。
これらをすべて添加して後得られた乳剤の収量は243
モルの銀であつた。沃化銀結晶のメジアン直径は(容積
法で)0.61μmであり、95%以上が切頭両錐形の晶癖を
有していた。それらは100%沃化銀であつた。これらの
種を図3に示す。
再結晶化(工程b) 24モルの沃化銀を含む上記沃化銀乳剤の約6120gを65
℃、100rpmでステンレス鋼製容器中で撹拌した。トリ−
n−ブチルオルトホスフエートを消泡剤として加えた。
75分かけて2.4モルの硝酸銀を加える迄、(硝酸銀溶
液についての)速度を0.024モル/minから0.048モル/min
に増しつつ硝酸銀の水溶液と臭化ナトリウムの水溶液を
撹拌沃化銀乳剤中にジエツト注入した。不活性ゼラチン
の35%w/w水溶液の1488gを加え、28.60モルの硝酸銀を
加える迄、(硝酸銀についての)0.153モル/minの初速
度で更なる容積の硝酸銀溶液と臭化ナトリウム溶液をジ
エツト注入した。38%不活性ゼラチン水溶液の1522gを
加えた。26.80モルの硝酸銀を加える迄、0.235モル/min
の(硝酸銀についての)初速度で更なる容積の硝酸銀溶
液と臭化ナトリウム溶液をジエツト注入した。臭化物溶
液の流速を調節して乳剤のpAgは一貫して7.65(±0.1)
に保ち、温度は65℃に保つた。生成物は30%沃化銀の総
体的含量の80モルのハロゲン化銀であつた。沃臭化銀結
晶の平均直径は0.8μmであつた。
更なる成長(工程d) 20モルのハロゲン化銀を含む上の混合沃臭化銀乳剤の
約14400gを65℃、1000rpmでステンレス鋼製容器中で撹
拌した。9.2のpAgで83分かけて13.33モルの硝酸銀を加
える迄、(硝酸銀についての)速度を0.0973モル/minか
ら増加させつつ硝酸銀の水溶液と臭化ナトリウムの水溶
液を撹拌沃臭化銀乳剤中にジエツト注入した。不活性ゼ
ラチンの36%水溶液の747gを加えた。61分かけて26.67
モルの硝酸銀を加える迄、硝酸銀についての速度を0.68
6モル/minから増加させつつ更なる容積の硝酸銀溶液と
臭化ナトリウム溶液をジエツト注入した。臭化物溶液の
流速を調節して乳剤のpAgを一貫して9.2(±0.1)に保
ち、温度は60℃に保つた。
最終乳剤の結晶を図4に示す。それらは(容積の測定
から)0.9μmの平均サイズを有していた。沃化銀の全
体的比率は全ハロゲン化銀の10%であり、生成物は60.0
モルのハロゲン化銀であつた。
この乳剤をハロゲン化銀1モル当り8.88mgのチオ硫酸
ナトリウム5水和物と1.33mgの4塩化金酸ナトリウム2
水和物を用いて乳剤Bと同様に化学増感した。
最適増感乳剤を次にトリアセテートベースに50mg Ag/
dm2で被覆した。
この乳剤を乳剤Aと呼ぶ。
実施例2 乳剤A及びBの被覆試料を連続ウエツジを通して白色
光に0.02秒写真露光し、次の処方(現像剤I)の現像剤
中で20℃で8分現像した。
メートル 2g ハイドロキノン 5g 亜硫酸ナトリウム 100g 硼砂 3g トリポリ燐酸ナトリウム 3.5g 水で 1とする (*Na2B4O7・10H2O) 結果は次の通りである: ここで、速度はかぶりより0.1上の濃度での相対対数
スケール上の写真足元速度である。コントラストはかぶ
りより0.1大きい濃度から1.5対数露光単位の範囲にわた
る、濃度対対数露光のグラフ上の平均傾斜である。粒度
はかぶりより1.0上の濃度での2乗平均平方根粒度であ
る。
上記の写真の結果は、二つの乳剤の速度がほゞ等しい
ので、乳剤Bが低い被覆重量と結晶容積を持つにもかゝ
わらず、本発明の乳剤(乳剤B)が英国特許第1,596,60
2号に従つて製造した乳剤(乳剤A)よりも高い感度を
有していることを示している。更に本発明の乳剤Bは高
いコントラストを示す。粒度はネガとプリントで認めら
れる粗さの対象となる測定である。本発明の乳剤Bはす
ぐれた速度対粒度比を示す。
更に乳剤AとBの被覆材料を連続ウエツジを通して白
色光に0.02秒写真露光し、20℃の次の処方の現像剤(現
像剤II〕で10分完全現像した: メートル 2g ハイドロキノン 8g 亜硫酸ナトリウム、無水 90g 炭酸ナトリウム、無水 45g 臭化カリウム 5g 水で 1にする 結果は次の通りである: ここで効率は比10速度/容積であり、これは異なる結
晶サイズの乳剤の写真効率の比較を可能にする。
これらの結果は本発明の乳剤Bが現像剤II中の完全現
像で速度対結晶容積で示してより高い効率を有している
ことを示している。
実施例3 平板状双晶化八面体沃臭化銀乳剤の製造 乳剤C−本発明の乳剤 角錐形単一サイズ沃化銀乳剤の製造(工程a) 両段階で温度を50℃に保つた以外は実施例1の乳剤B
と同様にして実施した。
結晶は(投影面積の測定から)0.55μmの平均直径を
有していた。
再結晶化(工程b) 3.0モルの沃化銀を含む工程aで生じた沃化銀乳剤の
約19.30gを70℃、400rpmでステンレス鋼製容器中で撹拌
した。トリ−n−ブチルオルトホスフエートを消泡剤と
して加えた。
不活性ゼラチンの25%w/w水溶液の180gを加えた。2.2
5モルの硝酸銀を加える迄、(硝酸銀についての)速度
を0.015モル/minから0.1125モル/minに増しつつ、硝酸
銀の水溶液と臭化ナトリウムの水溶液を撹拌沃化銀乳剤
中にジエツト注入した。25%不活性ゼラチン水溶液の18
4gを加え、15分かけて2.25モルの硝酸銀を加える迄、0.
15モル/minの(硝酸銀についての)速度で更なる容積の
硝酸銀溶液と臭化ナトリウム溶液をジエツト注入した。
臭化物溶液の流速を調節して乳剤のpAgを一貫して9.2
(±0.1)に保ち、温度は70℃に保つた。この乳剤は
(投影面積の測定から)0.70μmの平均結晶サイズを有
していた。生成物は40%沃化銀の全体的含量を持つ7.5
モルのハロゲン化銀であつた。
更なる成長(工程d) 1.5モルのハロゲン化銀を含む上の混合沃臭化銀乳剤
の約1860gを65℃、400rpmでステンレス鋼製容器中で撹
拌した。トリ−n−ブチルオルトホスフエートを消泡剤
として加えた。不活性ゼラチンの25%w/w水溶液の320g
を加えた。2.5モルの硝酸銀を加える迄、21分かけて
(硝酸銀についての)速度を0.1125モル/minから0.12モ
ル/minに増しつつ硝酸銀の水溶液と臭化ナトリウムの水
溶液を撹拌沃臭化銀乳剤中にジエツト注入した。臭化物
溶液の流速を調節して乳剤のpAgを一貫して9.16(±0.
1)に保ち、温度は65℃に保つた。最終乳剤の結晶は
(投影面積から測定して)1.02μm又は(容積の測定か
ら)0.89μmの平均直径を有していた。沃化銀の全体的
比率は全ハロゲン化銀の15%であり、生成物は4.0モル
のハロゲン化銀であつた。
【図面の簡単な説明】
図1は実施例1の工程aで製造した角錐形単一サイズ化
沃化銀結晶の電子顕微鏡写真である。 図2は実施例1の工程dで製造した平板状八面体沃臭化
銀結晶の電子顕微鏡写真である。 図3は比較例の工程aで製造した両錐形単一サイズ化沃
化銀結晶の電子顕微鏡写真である。 図4は比較例の工程dで製造した平板状双晶化八面体沃
臭化銀結晶の電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トレバー ジエームス メターナガン イギリス国チエシヤー ナツツフオード タブレイ クローズ 12 (72)発明者 カレン ニコラ ハーベイ イギリス国チエチヤー ウオーリントン ゴースカバツト アツプルクロース クローズ 97 (56)参考文献 特開 昭54−118823(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/015 G03C 1/035

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) pIが1.5より小であり且つ温度が3
    0乃至90℃のコロイド分散媒質中で、少なくとも90モル
    %の沃化物を含有し且つ少なくとも80%が各々主として
    単一の底面を有する六方晶系格子構造であるハロゲン化
    銀結晶を形成し、 (b) 該ハロゲン化銀結晶を含有する分散媒質中で、
    銀塩の水溶液とアルカリ金属又はアンモニウムの臭化物
    又は塩化物(又はその混合物)の水溶液を混合して、沃
    化物及び添加したハロゲン化物又はハロゲン化物類を含
    有する双晶化ハロゲン化銀結晶を形成し、 任意に(c) 分散媒質にハロゲン化銀溶媒を添加して
    双晶化ハロゲン化銀結晶を成長させ、 そして任意に(d) 次にコロイド状分散に更に銀塩水
    溶液及び更にアルカリ金属又はアンモニウムのハロゲン
    化物を加えて双晶化結晶のサイズを増加させ、 そして次に最後に任意に(e) 形成された水溶性塩類
    を除去し且つハロゲン化銀結晶を化学増感する、 工程を有することを特徴とするハロゲン化銀結晶が双晶
    型であるハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  2. 【請求項2】工程(a)のpIを約1に保つ請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】工程(a)の温度を35乃至70℃に保つ請求
    項2記載の方法。
  4. 【請求項4】工程(a)で形成したハロゲン化銀種結晶
    の平均サイズが0.05乃至2μmである請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】工程(a)で形成した種ハロゲン化銀結晶
    の平均サイズが0.15乃至1.0μmである請求項4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】分散媒質に水溶性銀塩及びアルカリ金属又
    はアンモニウムの沃化物を加える前に、分散媒質に充分
    なアルカリ金属沃化物を加えて約1のpIを与える請求項
    2記載の方法。
  7. 【請求項7】若干のアルカリ金属沃化物を含む分散媒質
    中に、水溶性銀塩とアルカリ金属又はアンモニウムの沃
    化物をダブルジェット法で注入する請求項6記載の方
    法。
  8. 【請求項8】工程(b)で水性媒質の温度が35乃至70℃
    であり且つpAgを6乃至10に保つ請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(b)後の双晶化ハロゲン化銀結晶の
    モル%沃化物含量が30乃至40%である請求項1記載の方
    法。
  10. 【請求項10】工程(b)後のハロゲン化銀結晶のモル
    %沃化物含量が0.1乃至25%である請求項1記載の方
    法。
  11. 【請求項11】工程(d)後のハロゲン化銀結晶のモル
    %沃化物含量が5乃至20%である請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】両工程(b)及び(d)で可溶性銀塩と
    アルカリ金属又はアンモニウムのハロゲン化物を分散媒
    質にダブルジェット法で添加する請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】工程(b)での銀溶液及びハロゲン化物
    溶液の添加速度を実験により予め設定する請求項1記載
    の方法。
  14. 【請求項14】工程(b)をポリアルケンオキサイド湿
    潤剤の存在下で実施する請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】請求項1の方法で製造した写真用ハロゲ
    ン化銀乳剤。
  16. 【請求項16】少なくとも1の感光層に少なくとも1の
    請求項15記載の乳剤を有することを特徴とする写真材
    料。
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