JP2687245B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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Description
してるる可撓性支持体(以下、ウエブという)に、磁性
液、表面保護液等の塗布液を塗布する磁気記録媒体の製
造方法に関するものである。
塗布液を塗布する塗布方法として、ロール型塗布方法、
ビード型塗布方法、カーテン型塗布方法、エクストルー
ジョン型塗布方法等が知られている。これら何れの塗布
方法においても、塗布液が塗布される塗布部分の巾は前
記ウエブの有限巾より狭く塗布され、通常、前記ウエブ
の幅方向の両側の縁部に数mm乃至十数mmの非塗布部を残
している。
号、同58−109162号、同58−18069号、同58−18070号、
同60−78664号公報、特願昭59−94657号、同61−230173
号、特公昭49−1459号公報等に開示されているエクスト
ルージョン型塗布装置の様に、塗布ヘッドが連続的に走
行している前記ウエブに押し付けられながら塗布液を塗
布する場合、テンションがかかった前記ウエブはその縁
部がヘッド側に反りかえるように折れ曲がり、塗布ヘッ
ドと接触していた。
られて粉末状の削れカスを発生し、主に飛散する削れカ
スが再生信号を欠落させる要因を伴った。又、塗布ヘッ
ドの接触部分等に堆積した削れカスが、前記ウエブと塗
布ヘッドとの距離を変化させることにより、前記縁部で
の塗布液の膜厚を不均一にしたり、塗布できなくなる場
合があった。
同51−140703号52−84242号、同54−8646号公報、特公
昭48−11336号、同60−53674号公報等に開示されている
ドクターバーやスムーザーでも生じることが知られてい
る。
昭61−257268号、特開平1−102736号公報に開示される
ように、前記ウエブに塗布液を塗布する前に、該ウエブ
の縁部に存在する塗布液の非塗布部分に予め溶剤を塗り
つけて潤滑することで、前記塗布ヘッドとの間を液体潤
滑する方法が提案されている。
−201996号、特開平1−102735号公報等に開示されるよ
うに、前記縁部と対応する塗布ヘッド等の部分を、前記
ウエブからの距離を離すべく切り欠いた方法が提案され
ていた。
来の溶剤をプレコートする液体潤滑による塗布方法で
は、この溶剤に塗布液が溶け出す可能性があるために、
塗布量並びに範囲が制約され極少量の溶剤をウエブ縁部
に塗布することの困難さに加え、ウエブの走行に伴うバ
タツキ、蛇行等の外乱により、常に塗布液との境界を一
定にして塗布することが難しかった。この結果、塗布液
が溶剤と混じり合って滲み出す問題があった。又、この
滲み出しにより、例えば磁気記録媒体の製造工程におい
て、ウエブを走行させている搬送ロールに磁性塗布液が
付着して、該磁性塗布液の汚れによってウェブ自身が汚
染されたり、又、その後の表面処理工程におけるカレン
ダーロールをも汚してカレンダー処理に悪影響及ぼし、
磁気記録特性を低下させるといった問題を生じていた。
布液の端部から離れた部分では効果があるが、塗布液の
端部では切り欠の縁部により同様に削れカスが発生し付
着してしまう。更に、塗布ヘッドにより塗布された塗布
層の端部と、該塗布ヘッドの下流側に配置されるドクタ
ーバーやスムーザーとの切り欠き位置は、前記ウエブの
蛇行により常に一致させることが極めて難しい。これに
加えて、ウエブが例えば30μ以下の薄手で剛性が特に低
い場合、該ウエブの撓みも生じやすく且つ大きいため、
塗布ヘッド等がその端部に切り欠が形成されていても、
該切り欠の作用が効果的に発揮できない問題があった。
系との接触、特に、カレンダー処理等においても支持体
の削れが発生し、この削れ物が不所望な事態、例えば磁
気記録媒体にあってはドロップアウトを発生する原因と
なっていた。
る課題を解消し、撓み易い薄手のウエブに対しても塗布
ヘッドやその他搬送系の接触部材さらにはカレンダー処
理におけるロール等との接触による削りカスの発生がな
く、塗布時においては塗布厚を均一にして表面性の良い
塗膜を形成すると共に、塗布液の滲み出しがなくて塗布
ムラ等の欠点を生じない磁気記録媒体の製造方法を提供
することにある。
する可撓性支持体の幅方向の縁部を残して該可撓性支持
体表面に塗布ヘッドのスロット先端を押し付けながら塗
布液を塗布する磁気記録媒体の製造方法において、前記
可撓性支持体の少なくとも前記縁部に対応する部分に予
め高分子膜ないしカーボン分散液あるいは脂肪酸系潤滑
剤もしくはフッソ系潤滑剤の何れかを塗布して乾燥した
被膜を形成した後に、前記塗布液を塗布することを特徴
とする磁気記録媒体の製造方法、或いは前記可撓性支持
体の少なくとも前記縁部に予め電子線或は紫外線の照射
により硬化するモノマー液を塗布し、該電子線或は紫外
線を照射して乾燥した被膜を形成した後に、前記塗布液
を塗布することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法に
より達成される。
とも端部に、高分子膜ないしカーボン分散液あるいは脂
肪酸系潤滑剤もしくはフッソ系潤滑剤の何れかを塗布し
て乾燥した被膜又は電子線或は紫外線の照射により硬化
するモノマー液を塗布し、該電子線或は紫外線を照射し
て乾燥した被膜を形成した可撓性支持体を用いること、
或は前記被膜が形成された前記可撓性支持体に磁性分散
液を塗布し、該磁性分散液の乾燥中に該磁性分散液から
蒸発した潤滑剤を前記可撓性支持体両面の非磁性層領域
に層状に付着させることを特徴とする磁気記録媒体の製
造方法によっても達成することができる。
いて説明する。
製造設備の概略構成図である。
れ、適宜設置されたテンションロール3を介して適当な
テンションに保たれ状態で下塗層用の塗布部4へ送ら
れ、下塗層5が前記ウエブ1の縁部9(第2図参照)を
残して塗布される。
し、本実施態様のように後工程で塗布される塗布液の非
塗布部を残して塗布しても良い。
明の特長である端部処理ゾーン6へ送られ、更に下塗層
乾燥ゾーン7へ送られて前記下塗層5を乾燥させた後、
テンションロール8を経て磁性分散液塗布工程へ送出さ
れる。
の斜視図を示す。
ウエブ1の両側の縁部9(磁性分散液が塗布されない部
分)にそれぞれ対応して配置された塗布液パン12内に本
構造のリバースロール11を備えた構成である。したがっ
て、前記リバースロール11が回転することにより、前記
塗布液パン12内に供給或は溜められた種々の皮膜処理液
13を前記ウエブ1の縁部9に塗布することができる。
のメチルケトン溶液、ポリウレタン(分子量5万):ポ
リイソシアネート=4:1のメチルケトン溶液、カーボン
ブラック分散液とメチルエチルケトンとの混合溶液等を
挙げることができる。また、前記皮膜処理液13は脂肪酸
系潤滑剤(例えばステアリン酸ブチル)あるいはフッソ
系潤滑剤〔例えばメガファックF177(大日本インキ化学
(株)製)〕を用いることができる。そして、これらの
前記皮膜処理液13は塗布後に適宜乾燥して皮膜が形成さ
れる。第1図に示した装置においては前記下塗層乾燥ゾ
ーン7において下塗層と一緒に乾燥することができる。
ポキシアクリル)溶液又はEB硬化塗料(例えばアクリル
酸エステル、アクリルアミド)溶液を用いることもで
き、この場合には塗布後に紫外線又は電子線を夫々照射
することにより、比較的速く乾燥固化した皮膜が形成さ
れる。
れる前記ウエブ1として一般的なポリエチレンテレフタ
レートフィルム(PETベース)であるが、前記ウェブ1
においては、該磁気記録媒体が磁気記録再生装置にかけ
られて走行する際に、記録再生装置のガイドポール等の
接触部における接触抵抗を軽減し、テープ走行の安定化
を図るようにウエブ裏面に極僅かな凹凸を付けるために
フィラーが添加されていることに起因して、塗布ヘッド
等に付着した削れカスは、このフィラー(CaCO3,TiO2)
を主成分としている。
皮膜が形成されていると、該皮膜は摺動性が良く耐久性
にも優れているので、例えば磁性分散液を塗布するエク
ストルージョン型の塗布ヘッドと前記縁部9との接触が
避けられ、また、スムーザーと前記縁部9との不要の接
触が避けられ、該縁部9における削れカスの発生が効果
的に防止され、フィラーの脱落も回避されドロップアウ
トを低減することができる。又、前記皮膜は潤滑性が高
いので前記縁部9の摩擦抵抗が従来よりも小さくなり、
ウェブ走行性の向上をも図ることができる。
うに前記下塗層用の塗布部4の後に位置させる必要はな
く、前記下塗層用の塗布部4の前であっも何ら差し支え
なく、また、被膜は第1図に示す塗布工程以前のウェブ
製造工程において形成してもよい。また、前記被膜がUV
硬化塗料又はEB硬化塗料により構成されるときは、前記
乾燥ゾーン7の後でもよく、特に、EB硬化塗料の場合は
磁性分散液を塗布する直前で電子線を照射するようにで
きる。
理したが、本発明は前記ウェブ全幅を上記方法により被
膜処理を施してもよく、また、ウェブ片面に限らず両面
を処理してもよい。
工程において被膜を形成する方法に限るものではなく、
前記ウェブを製造する時点において被膜処理を施すこと
も当然できる。このようにウェブ製造時において前記被
膜を形成しておくことにより、ウェブ製造後の搬送その
他の取扱により該ウェブの損傷が回避される。従って、
このようにして製造されたウェブは磁気記録媒体に限ら
ず、例えばウェブ上に写真感光液を塗布する場合にも適
用できることは勿論である。
終了後において、前記ウェブ1に潤滑剤を含有した磁性
分散液を塗布し、該磁性分散液の乾燥中、すなわち、乾
燥室内において該磁性分散液から蒸発した潤滑剤を浮遊
させておき、その潤滑剤の一部を前記ウェブ両面の非磁
性層領域に層状に付着させることにより、磁性層形成後
のウェブ処理工程における搬送ロール、特にカレンダロ
ールによる削れをさらに効果的に防止することができ
る。
磁性分散液がウエブに塗布される前に、該分散液が塗布
されない前記ウエブの端部に磁性分散液の塗布時には既
に乾燥した被膜を形成するので、磁性分散液を塗布する
例えばエクストルージョン型の塗布ヘッドと前記端部と
の接触が避けられ、磁性分散液の滲み出しもなく、ま
た、スムーザーと前記端部との不要の接触が避けられ、
前記端部における削れカスの発生が効果的に防止され、
ウェブ中に存在するフィラーの脱落も回避されドロップ
アウトを低減することができる。又、前記被膜は潤滑性
が高いので前記端部の摩擦抵抗が従来よりも小さくな
り、ウェブ走行性の向上をも図ることができ極めて良好
な塗布並びにスムージングを長期にわたって保証するこ
とができる。
いてウェブ両面の少なくとも端部に潤滑作用や表面硬化
作用のある被膜処理が形成されたウェブは、その被膜の
潤滑作用や表面硬化作用により、ウェブ製造後の搬送そ
の他の取扱や塗布工程におけるウェブ走行時の案内部材
等による該ウェブの損傷が回避される。
散液を塗布し、該磁性分散液の乾燥中に乾燥室内におい
て該磁性分散液から蒸発した潤滑剤を浮遊させておき、
その潤滑剤の一部を前記ウェブ両面の非磁性層領域に層
状に付着させることにより、この付着した潤滑剤の潤滑
作用を生じさせることができるので、その後のウェブ処
理工程における搬送ロール、特にカレンダロールによる
削れをさらに効果的に防止することができる。
にする。
非塗布部に、第1図及び第2図に示す装置を用いて、塩
化酢酸ビニル(メチルケトン溶液に1%を含む)を、 塗布量:1cc/m2(乾膜として0.01μm厚), 塗布量:5cc/m2(乾膜として0.05μm厚), 塗布量:10cc/m2(乾膜として0.1μm厚)となるように
塗布量を変えて塗布した。
非塗布部に、第1図及び第2図に示す装置を用いて、ポ
リウレタン(分子量5万):ポリイソシアネート=4:1
のメタルケトン溶液1%を、塗布量5cc/m2塗布した。
非塗布部に、第1図及び第2図に示す装置を用いて、第
1表に示すカーボンブラック分散液とメチルエチルケト
ンを重量比1:1で混合して、塗布量5cc/m2塗布した。
(株)製) 25重量部 ・ポリエステル樹脂(コロネートL、日本ポリウレタン
(株)製) 20重量部 ・シクロヘキサノン 400重量部 ・メチルエチルケトン 250重量部 ・トルエン 250重量部 実施例4 下記の磁性分散液の塗布に先立って、該磁性分散液の
非塗布部に、第2図に示す装置を用いて、UV硬化塗料
(エポキシアクリル)溶液又はEB硬化塗料(アクリル酸
エステル)溶液を塗布した後、紫外線又は電子線を夫々
照射し、硬化乾燥して膜厚を0.1μm形成した。
非塗布部に、第1図及び第2図に示す装置を用いて、脂
肪酸系潤滑剤としてステアリン酸ブチル(メチルケチル
溶液に0.1%含む)と、フッソ系潤滑剤としてメガファ
ック177(大日本インキ(株)製のものでメチルケチル
溶液に0.1%含む)とにつにて夫々、塗布量5cc/m2塗布
した。
各実施例において共通な処理工程として、磁性分散液の
塗布及びスムージングを行った。
Hcが6000e及び8000eの2種類の磁性分散液C1,C2が塗布
される。その際、前記磁性分散液の塗布及びスムージン
グは、特開昭63−88080号及び特開昭54−8646号公報に
記載のエクトルージョン型塗布ヘッド及びスムーザーに
より行った。
ド100は、第3図に図示する如く、2種類の磁性分散液C
1,C2を同時に塗布することができるもので、前記2種類
の磁性分散液C1,C2を吐出するスロット101,102が2つの
ドクターエッジ104,105と1つのバックエッジ106によっ
て形成されている。又、前記2つのドクターエッジ104,
105と1つのバックエッジ106のエッジ面は、第4図は図
示するように、夫々曲率半径R1:6mm,R2:8mm、傾斜角
θ1:15゜,θ2:7゜,θ3:2゜に設けられて、上層を3
μ,下層を1μの厚さに塗布した。
るスムーザー200で、該スムーザー200は前記上層(C1)
が1μ塗布された後、且つ該上層が未乾,未固化の状態
でスムージングする。
m,巾500mmのポリエチレンテレフタレート支持体を用
い、塗布速度及びスムージング速度:200m/分,分散液塗
布巾:480mm(両端非塗布部巾:各10mm)として、磁性分
散液を長さ8600mに亘って塗布した。
について、塗布後及びスムージング後における前記非塗
布部の削れ状況を観察した。又、非塗布部が未処理の場
合を比較例として、塗布後及びスムージング後における
ウエブの削れ状態を、第3表及び第4表に示す。下記各
表から判るように本発明の各実施例と比較例とでは大き
な差が表れている。
構成図、第2図は第1図の端部処理ゾーンの構成を説明
する斜視図、第3図は本発明の実施例に適用される塗布
ヘッドの斜視図、第4図は第3図におけるB−B線に沿
って垂直に切断した断面図、第5図は本発明の実施例に
適用されるスムーザーの斜視図である。 1……ウエブ、4……下塗層用の塗布部、5……下塗
層、6……端部処理ゾーン、7……下塗層乾燥ゾーン、
9……縁部、10……塗布装置、11……リバース、12……
塗布液パン、13……被覆処理液。
Claims (4)
- 【請求項1】連続的に走行する可撓性支持体の幅方向の
縁部を残して該可撓性支持体表面に塗布ヘッドのスロッ
ト先端を押し付けながら塗布液を塗布する磁気記録媒体
の製造方法において、前記可撓性支持体の少なくとも前
記縁部に対応する部分に予め高分子膜ないしカーボン分
散液あるいは脂肪酸系潤滑剤もしくはフッソ系潤滑剤の
何れかを塗布して乾燥した被膜を形成した後に、前記塗
布液を塗布することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
法。 - 【請求項2】連続的に走行する可撓性支持体の幅方向の
縁部を残して該可撓性支持体表面に塗布ヘッドのスロッ
ト先端を押し付けながら塗布液を塗布する磁気記録媒体
の製造方法において、前記可撓性支持体の少なくとも前
記縁部に予め電子線或は紫外線の照射により硬化するモ
ノマー液を塗布し、該電子線或は紫外線を照射して乾燥
した被膜を形成した後に、前記塗布液を塗布することを
特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項3】支持体両面の少なくとも端部に、高分子膜
ないしカーボン分散液あるいは脂肪酸系潤滑剤もしくは
フッソ系潤滑剤の何れかを塗布して乾燥した被膜又は電
子線或は紫外線の照射により硬化するモノマー液を塗布
し、該電子線或は紫外線を照射して乾燥した被膜を形成
した可撓性支持体。 - 【請求項4】請求項3に記載の前記可撓性支持体に磁性
分散液を塗布し、該磁性分散液の乾燥中に該磁性分散液
から蒸発した潤滑剤を前記可撓性支持体両面の非磁性層
領域に層状に付着させることを特徴とする磁気記録媒体
の製造方法。
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