JP2686453B2 - 光アイソレータ - Google Patents

光アイソレータ

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JP2686453B2
JP2686453B2 JP1251570A JP25157089A JP2686453B2 JP 2686453 B2 JP2686453 B2 JP 2686453B2 JP 1251570 A JP1251570 A JP 1251570A JP 25157089 A JP25157089 A JP 25157089A JP 2686453 B2 JP2686453 B2 JP 2686453B2
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聡明 渡辺
俊彦 流王
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信越化学工業 株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、光源から発した光が光学系の端面で反射し
光源に戻るのを防止するための光アイソレータに関する
ものである。
【従来の技術】
光源からの光を光学系を介して伝達しようとすると、
光学系の端面で反射した光が光源に戻ってくる。例えば
光ファイバによる信号伝送で、レーザー光源から発した
光はレンズを介してファイバ端面に投影され、その多く
は伝送光としてファイバ内部に入ってゆくが、レンズや
ファイバの端面で表面反射をしてレーザー光源まで戻っ
てその端面で再度表面反射し、ノイズとなってしまう。 このようなノイズを消去するため、光アイソレータが
使用されている。光アイソレータは、第1図に示すよう
に、偏光子1、ファラデー回転子3および検光子2をこ
の順に並べたものである。偏光子1は矢印z方向に偏光
方向を持っている。ファラデー回転子3は磁界S→N中
に置かれており、透過する光の偏光面を入射側から視て
時計方向(図示の出射側から視ると反時計方向)に45゜
回転させる。検光子2は、偏光子1に対し偏光方向が上
記の45゜回転した矢印z→y方向になっている。 光源からの光Oは、矢印Oz方向に偏光面を持つ偏光だ
けが偏光子1を通過し、ファラデー回転子3で偏光面が
45゜回転して検光子2の偏光方向z→yに合致するた
め、検光子2を透過する。その透過光O(偏光面Oz→
y)のうち、多くは次の光学系、例えば光ファイバ(不
図示)に入射するが、一部は光ファイバの端面で表面反
射する。その反射光R(偏光面Rz→y)が上記とは逆向
に検光子2を透過し、ファラデー回転子3で偏光面が反
時計方向に45゜回転する。そのため反射光は、偏光面Ry
が偏光子1と直交するので透過することがない。したが
って反射光Rがノイズになることを防止できる。 このような光アイソレータでは、偏光子や検光子がそ
の偏光方向と直交する偏光面を有する光を消す性能、す
なわち消光性能が充分に高いことが求められる一方で、
偏光方向と同方向の偏光面を有する光の透過率の損失が
少ないこと、すなわち挿入損失が充分に低いことが要求
されている。 一方、第1図に示すように光アイソレータの光学端面
を、光源からの光軸と垂直に配置すると、入射光が偏光
子、ファラデー回転子、検光子の表面で反射して光源に
戻り、ノイズとなってしまう。このノイズを防ぐには、
光学端面を光源からの光軸に対して傾けて配置すること
で、表面反射光を光路外に外すことが有効である。例え
ば特開昭64−20522号公報には、偏光子、ファラデー回
転子、検光子を個別に傾け、偏光子、ファラデー回転
子、検光子の表面反射光が光源に戻らないようにした光
アイソレータが開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし同公報に開示された構成の光アイソレータで
は、消光性能および挿入損失ともに不充分である。 従来、偏光子および検光子に用いられていた偏光ビー
ムスプリッタPBSは、消光比が30〜50dBであり、視野角
が小さいために傾斜角度をあまり大きくできない。天然
の複屈折性結晶(例えば方解石)を用いた偏光プリズム
は、視野角が広いものの、結晶内における特性のならつ
きが大きく、光路長が短いローションタイプで消光比が
50dB程度であった。消光比が60dB程度以上を得るために
は、光路長が長くなり、光アイソレータの高性能化と小
型化を両立させることが困難であった。 本発明は、このような点を改善し、消光性能および挿
入損失が優れた光アイソレータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明を適用した光アイソ
レータを、図面により説明する。 本発明の第1発明の光アイソレータは、第1図に示す
ように、偏光子1、光の進行方向の磁界S→N中に置か
れたファラデー回転子3、および検光子2を順に並べた
もので、偏光子1または/および検光子2としてルチル
セナルモンプリズムを用いることを特徴としている。 本発明の第2発明の光アイソレータは、同じく第1図
に示すように、偏光子1、光の進行方向の磁界S→N中
に置かれたファラデー回転子3、および検光子2を順に
並べたもので、偏光子1または/および検光子2として
ルチルセナルモンプリズムを用いる。例えば偏光子1に
ルチルセナルモンプリズムを用いた場合、偏光子1の持
つ光軸cと偏光方向Zに直交する方向yとにより形成さ
れる面を基準直交面c−y(第3図参照)として偏光子
1を基準直交面c−yが保たれる方向に角度θy=0.1
〜16゜傾斜させる。偏光方向zと光源から光学系に至る
光軸cとにより形成される面を基準面c−z(第3図参
照)としたとき、基準面c−zが保たれる方向に0.1〜1
0゜傾斜させる。 尚、上記のように偏光子1を傾斜させる場合は、ファ
ラデー回転子3を同時に傾斜させてもよい。 本発明の第3発明の光アイソレータは、第2図に示す
ように、偏光子1、ファラデー回転子3、および検光子
2と、偏光子2(検光子2と共通)、ファラデー回転子
5、および検光子4の組み合わせが複数の多段型になて
いる。偏光子1または/および検光子2と、偏光子2ま
たは/および検光子4としてルチルセナルモンプリズム
を用いる。さらにルチルセナルモンプリズムを用いた偏
光子または/および検光子を第2発明のように傾斜させ
てもよい。
【作用】
ルチルセナルモンプリズムは、視野角が大きいために
傾斜角度を大きくできる。結晶内における特性のばらつ
きが少ない。そのため、上記のように偏光子または/お
よび検光子としてルチルセナルモンプリズムを用いて光
アイソレータを構成したことにより、消光性能を向上さ
せることができる。特に光アイソレータの素子を角度を
大きく傾斜させることができるため、各光学素子表面で
起こる表面反射成分は光軸から外れ、光源に戻ることが
なくなるから、光源のノイズを減らすことができる。傾
斜角度を上記の角度範囲内にしたことにより、光アイソ
レータとしての消光性能が充分に高く、挿入損失が充分
に低いまま表面反射成分が光源に戻ることを防止でき
る。
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により詳細に説明する。 第1図に示すように本発明の光アイソレータは、偏光
子1、磁界S→N中に置かれたファラデー回転子3、お
よび検光子2を順に並べたもので、例えば半導体レーザ
ーと光ファイバの中間に配置されている。 偏光子1にルチルセナルモンプリズムを用いる。ルチ
ルセナルモンプリズムは、ルチル結晶の光学軸方位の異
なる2個のプリズム1a、1bを接合してある。偏光子1と
検光子2の光入射面および光出射面には夫々反射防止の
薄膜コーティングが施されている。また上下面および両
側面は迷光を吸収するために黒塗りがされている。 ファラデー回転子3は、GGG(ガドリニウム、ガリウ
ム、ガーネット)単結晶の一部をGa、Mg、Zrで置換した
厚さ500μmの基板に、ガーネット(BiGdTb)(FeG
a)5O12単結晶を液相エキピタルシャルで400μmの厚さ
に着けてから380μmの厚さまでに研磨したものであ
る。光入射面および光出射面には夫々反射防止膜、上下
面および両側面には黒塗りが施されている。 この光アイソレータで、偏光子1及び検光子2に挿入
損失が0.03dBで消光比が60dBのルチルセナルモンプリズ
ム、ファラデー回転子3に挿入損失が0.03dBで消光比が
47dBの磁気光学素子を用い、偏光子1、ファラデー回転
子3、および検光子2を全く傾けないで構成した場合、
挿入損失が0.09dBで消光比が45dBであった。ファラデー
回転子3の大きさを3mm□にした光アイソレータでは8mm
φ×8mmの大きさにすることができた。 第1図に示した光アイソレータを、偏光子1の持つ偏
光方向zと光軸cとにより形成される面を基準面c−z
(第3図参照)としたとき、偏光子1およびファラデー
回転子3を基準面c−zが保たれる方向に角度θz=0.
1〜10゜傾斜させる。また光軸cと偏光方向zに直交す
る方向yとにより形成される面を基準直交面c−y(第
3図参照)として、基準直交面c−yが保たれる方向に
角度θy=0.1〜16゜傾斜させた。挿入損失および消光
性能にさしたる劣化がなく、表面反射によるノイズを軽
減できた。 同じく第1図に示した光アイソレータで、偏光子1と
ファラデー回転子3だけを、前記と同じ角度だけ傾斜さ
せたが、挿入損失および消光性能にさしたる劣化がな
く、表面反射によるノイズを軽減できた。 多段型の光アイソレータは、第2図に示すように、偏
光子1、偏光子1(検光子)2および偏光子(検光子)
4に挿入損失が0.03dBで消光比が60dBのルチルセナルモ
ンプリズム、ファラデー回転子3及びファラデー回転子
5に挿入損失が0.03dBで消光比が夫々43dBおよび45dBの
磁気光学素子を用い、光アイソレータを全く傾けないで
構成した場合、挿入損失が0.15dBで消光比が60dBであっ
た。ファラデー回転子3および5の大きさを3mm□にし
た光アイソレータでは8mmφ×12mmの大きさにすること
ができた。 同じく第2図に示す多段型の光アイソレータで、偏光
子(検光子)2を挿入損失が0.03dBで消光比が60dBのル
チルセナルモンプリズムを用いた場合、偏光子1および
偏光子(検光子)2に挿入損失が0.03dBで消光比が60dB
のルチルセナルモンプリズムを用いた場合も同様な結果
であった。 同じく第2図に示す多段型の光アイソレータで、各素
子を前記の角度だけ傾けたが、挿入損失および消光性能
にさしたる劣化がなく、表面反射によるノイズを軽減で
きた。 なお角度θyは0.1〜16゜の範囲、角度θzは0.1〜10
゜の範囲が好ましいという根拠は、上記によって得られ
たルチルセナルモンプリズムの偏光子1(または検光子
2)につき挿入損失の入射角依存性および消光性能の入
射角依存性を測定することにより決定された。 測定にあたって、入射光角度をθyにするには、第4
図に示すように、光路Oを固定のままにしておき、偏光
子1の持つ偏光方向zに直交する方向yと光軸cとによ
り形成される面を基準直交面c−y(第3図参照)とし
たとき、偏光子1を基準直交面c−yが保たれる方向に
角度θyだけ傾斜させてゆく。また入射角度θzにする
には、光軸cと偏光方向zとにより形成される面を基準
面c−zとしたとき、偏光子1を基準面c−zが保たれ
る方向に角度θzだけ傾斜させてゆく。プリズム1aの側
から光を入射させた場合(光路O1)と、プリズム1bの側
から光を入射させた場合(光路O2)の両方について、挿
入損失および消光性能の変化を調べた。 第5図には偏光子であるルチルセナルモンプリズムに
ついての入射角度θyまたはθzに対する挿入損失の変
化を示してある。 第6図には同じくルチルセナルモンプリズムについて
の入射角度θyまたはθzに対する消光性能の変化を示
してある。 第5図に示した挿入損失と第6図に示した消光比性能
から、ルチルセナルモンプリズムを偏光子および検光子
として光アイソレータに用いる場合、表面反射成分を除
去するため偏光子および検光子を傾けるには、従来のよ
うに単に偏光子等を傾けるだけではなく、傾ける方向お
よびその方向によって規制されるべき角度の限界が必要
なことがわかる。挿入損失と消光性能の関係から、角度
θy方向への傾けは0.1〜16゜、角度θz方向への傾け
は0.1〜10゜程度の範囲内であれば挿入損失と消光性能
の劣化は殆どない。 なお、第5図と第6図に示した結果から、接合された
プリズム結晶光学軸方位の違いにより、光の入射方向で
挿入損失、消光比が異なることがわかる。このプリズム
をアイソレータに用いる場合、消光比が大きくなる方向
と逆の方向から入射させ(光路O1を採る)、反射光が入
射する(光路O2を採る)方向の消光比を高くするように
することが好ましいことがわかる。
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明の光アイソレータ
は、ルチルセナルモンプリズムを用いることで高性能
化、小型化をじつげんできた。また光学素子を傾斜させ
たことにより、表面反射成分が光源に戻ることがなくな
るから、消光性能を高く保ち光源のノイズを減らすこと
ができる。傾斜方向を特定し、その角度を制限したこと
により、挿入損失が充分に低いまま消光性能を高く保つ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は光アイソレータの実施例を示す斜視図、第2図
は光りアイソレータの別な実施例の概略図、第3図は光
アイソレータの傾きを説明する図、第4図は偏光子を示
す斜視図、第5図は光アイソレータの挿入損失を示す
図、第6図は光アイソレータの消光比性能を示す図であ
る。 1、2、4……偏光子 3、5……ファラデー回転子 1a、1b……ルチル結晶プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−81927(JP,A) 実開 平1−139213(JP,U) 「化学大辞典5」 (昭51−9−10) 共立出版株式会社 P.366

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と光学系の中間に配置され、偏光子、
    光の進行方向の磁界中に置かれたファラデー回転子、お
    よび検光子からなる光アイソレータにおいて、偏光子ま
    たは/および検光子がルチル結晶の光学方位の異なる2
    個のプリズム板を接合したルチルセナルモンプリズムで
    あることを特徴とする光アイソレータ。
  2. 【請求項2】前記ルチルセナルモンプリズムの持つ偏光
    方向と前記光源から前記光学系に至る光軸とにより形成
    される面を基準面、該光軸と該偏光方向に直交する面と
    により形成される面を基準直交面とし、前記ルチルセナ
    ルモンプリズムを、該基準面が保たれる方向に0.1〜10
    ゜傾斜させ、さらに該基準直交面が保たれる方向に0.1
    〜16゜傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載の光
    アイソレータ。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の光アイソ
    レータが多段型であることを特徴とする光アイソレー
    タ。
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JPH01139213U (ja) * 1988-03-16 1989-09-22

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