JP2685151B2 - 被覆構造材料 - Google Patents
被覆構造材料Info
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- JP2685151B2 JP2685151B2 JP63280275A JP28027588A JP2685151B2 JP 2685151 B2 JP2685151 B2 JP 2685151B2 JP 63280275 A JP63280275 A JP 63280275A JP 28027588 A JP28027588 A JP 28027588A JP 2685151 B2 JP2685151 B2 JP 2685151B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、航空機や宇宙往還機の機体外壁部に用いる
構造材料に関するものである。
構造材料に関するものである。
[従来の技術] カーボン繊維を主原料としたカーボン/カーボン複合
材料、カーボン/セラミックス複合材料は1000℃以上の
高温強度が優れていることから、航空機や宇宙往還機の
機体外壁への応用が最近注目されているが、上記材料は
いずれもカーボンを主原料としているので、高温域での
耐酸化性に乏しい。そのため、耐酸化性向上のために化
学的蒸着方法(CVD)によりSiCやSi3N4等の優れて耐酸
化性を有するセラミックス層を1300〜1800℃の高温で被
覆している。ところが、被覆後、室温まで冷却する時基
材の主原料であるカーボン繊維の熱膨脹係数(ほとんど
0)と被覆層の熱膨脹係数(SiC3〜5k-1、Si3N4:2〜3k
-1)の差により、被覆層に大きな引張応力が生じ、熱亀
裂が発生し、この亀裂を通して内部の基材が酸化され、
耐酸化性は著しく低下する。この現象は被覆温度が高い
ほど顕著である。このため、これを酸化する手段とし
て、基材と被覆層間に中間層として比較的低温(950〜1
050℃)で、熱亀裂の少ないTiC、TiN、Ti(C,N)をCVD
法により被覆しておき、酸化が内部基材まで進行しない
ような方法が取られている。
材料、カーボン/セラミックス複合材料は1000℃以上の
高温強度が優れていることから、航空機や宇宙往還機の
機体外壁への応用が最近注目されているが、上記材料は
いずれもカーボンを主原料としているので、高温域での
耐酸化性に乏しい。そのため、耐酸化性向上のために化
学的蒸着方法(CVD)によりSiCやSi3N4等の優れて耐酸
化性を有するセラミックス層を1300〜1800℃の高温で被
覆している。ところが、被覆後、室温まで冷却する時基
材の主原料であるカーボン繊維の熱膨脹係数(ほとんど
0)と被覆層の熱膨脹係数(SiC3〜5k-1、Si3N4:2〜3k
-1)の差により、被覆層に大きな引張応力が生じ、熱亀
裂が発生し、この亀裂を通して内部の基材が酸化され、
耐酸化性は著しく低下する。この現象は被覆温度が高い
ほど顕著である。このため、これを酸化する手段とし
て、基材と被覆層間に中間層として比較的低温(950〜1
050℃)で、熱亀裂の少ないTiC、TiN、Ti(C,N)をCVD
法により被覆しておき、酸化が内部基材まで進行しない
ような方法が取られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、CVD法で被覆したTiCやTiNにも依然と
して引張応力が生じているため、強度が小さく、外層の
SiCやSi3N4に生じる熱亀裂が中間層を通って進行し、満
足できる耐酸化性は得られていない。したがって本発明
は引張応力を存在しない強靭な中間層を設けることによ
って、良好な耐酸化性を有する被覆構造材料を得るもの
である。
して引張応力が生じているため、強度が小さく、外層の
SiCやSi3N4に生じる熱亀裂が中間層を通って進行し、満
足できる耐酸化性は得られていない。したがって本発明
は引張応力を存在しない強靭な中間層を設けることによ
って、良好な耐酸化性を有する被覆構造材料を得るもの
である。
中間層として被覆するTiC、Ti(C、N)層に、圧縮
応力を導入する方法としては、プラズマCVD法やイオン
プレーティング法などがあるが、これらの方法で得た被
覆層にはすでに大きな圧縮応力が存在しており、該被覆
材料を外層のSiCまたはSi3N4の被覆に必要な温度である
1200−1800℃に昇温するときに、被覆層にはさらに圧縮
応力が加わることにより、被覆層が破壊され、剥離す
る。
応力を導入する方法としては、プラズマCVD法やイオン
プレーティング法などがあるが、これらの方法で得た被
覆層にはすでに大きな圧縮応力が存在しており、該被覆
材料を外層のSiCまたはSi3N4の被覆に必要な温度である
1200−1800℃に昇温するときに、被覆層にはさらに圧縮
応力が加わることにより、被覆層が破壊され、剥離す
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、カーボン繊維を主体としたカーボン/カー
ボン複合材料、カーボン/セラミックス複合材料を基材
とし、TiCまたはTi(C・N)を中間層として被覆し、
外層としてSiCまたはSi3N4の少くとも一種以上を被覆し
た被覆構造材料において、中間層をTiまたはTiとTi(CX
N1-X)の複合相を被覆した後、1000〜1500℃の温度範囲
で少くとも10分以上保持した後、化学蒸着法により1200
〜1800℃の温度範囲でSiCまたはSi3N4の少くとも一種以
上を被覆してなる被覆構造材料である。
ボン複合材料、カーボン/セラミックス複合材料を基材
とし、TiCまたはTi(C・N)を中間層として被覆し、
外層としてSiCまたはSi3N4の少くとも一種以上を被覆し
た被覆構造材料において、中間層をTiまたはTiとTi(CX
N1-X)の複合相を被覆した後、1000〜1500℃の温度範囲
で少くとも10分以上保持した後、化学蒸着法により1200
〜1800℃の温度範囲でSiCまたはSi3N4の少くとも一種以
上を被覆してなる被覆構造材料である。
本発明において、予め中間層として被覆したTiまたは
TiとTiCの複合相、TiとTiNの複合層、TiとTi(C,N)の
複合相を予め1000〜1500℃で熱処理すると、基板から中
間層に向ってカーボンが拡散し、被覆層はそれぞれTiC,
Ti(C,N)となり、化学蒸着時にも剥離しない、かつ大
きな圧縮応力を有する中間層が得られる。被膜の圧縮応
力値は予め被覆する中間層の組成を制御することにより
制御することができる。すなわち、TiとTiCの組成比、T
iとTiNの組成比、TiとTi(C,N)の組成比を制御する。
TiとTiCの複合相、TiとTiNの複合層、TiとTi(C,N)の
複合相を予め1000〜1500℃で熱処理すると、基板から中
間層に向ってカーボンが拡散し、被覆層はそれぞれTiC,
Ti(C,N)となり、化学蒸着時にも剥離しない、かつ大
きな圧縮応力を有する中間層が得られる。被膜の圧縮応
力値は予め被覆する中間層の組成を制御することにより
制御することができる。すなわち、TiとTiCの組成比、T
iとTiNの組成比、TiとTi(C,N)の組成比を制御する。
予め被覆する中間層はカーボンの拡散しやすいTiまた
はTiとTiCの複合相が望ましい。
はTiとTiCの複合相が望ましい。
また、その熱処理は1000℃未満または10分未満では効
果がなく、1500℃を越えるとTi相に変質が生じるため好
ましくない。
果がなく、1500℃を越えるとTi相に変質が生じるため好
ましくない。
さらに、基板からのカーボンの拡散が十分でないと、
中間相にTi相が残存し、Ti相が著しく酸化されるので好
ましくない。
中間相にTi相が残存し、Ti相が著しく酸化されるので好
ましくない。
[作 用] 本発明では、外層のSiCやSi3N4に生じた熱亀裂の進行
を強靭な中間層で防止することにより、優れた耐酸化性
を発揮する。
を強靭な中間層で防止することにより、優れた耐酸化性
を発揮する。
[実施例] 実施例1 C/Cコンポジットを基材として、イオンプレーティン
グ法によりTiまたはTiCの複合相を50〜60μm被覆した
後、1350℃で1時間熱処理した。その後、化学蒸着法に
より1500℃でSiCを180〜200μmで被覆した。
グ法によりTiまたはTiCの複合相を50〜60μm被覆した
後、1350℃で1時間熱処理した。その後、化学蒸着法に
より1500℃でSiCを180〜200μmで被覆した。
得られた試料については1400℃で1時間大気中にさら
し、加熱前後の重量減少値を測定した。
し、加熱前後の重量減少値を測定した。
(耐酸化試験) また、熱処理前の中間層TiCの残留応力をX線回折に
より測定した。なお、イオンプレーティング法で被覆し
たTiまたはTiとTiCの複合相の組成についてはEPMAで分
析した。
より測定した。なお、イオンプレーティング法で被覆し
たTiまたはTiとTiCの複合相の組成についてはEPMAで分
析した。
比較として、中間層TiCをCVD法で50μmの厚さで被覆
し、その上にSiCを190μm被覆したものを作製し、同様
の測定を行った。
し、その上にSiCを190μm被覆したものを作製し、同様
の測定を行った。
結果を表1に示す。
実施例2 カーボン繊維とSiCセラミックスの複合材料であるC/
セラミックス複合材料を基材として、イオンプレーティ
ング法によりTiを30〜40μm被覆した後、800〜1400℃
で0.1〜2時間真空で熱処理後、さらにCVD法によりSi3N
4を100〜200μm被覆した。
セラミックス複合材料を基材として、イオンプレーティ
ング法によりTiを30〜40μm被覆した後、800〜1400℃
で0.1〜2時間真空で熱処理後、さらにCVD法によりSi3N
4を100〜200μm被覆した。
得られた試料についてX線回折による生成相同定を行
い、1600℃で2時間大気中にさらし、この前後の重量減
少を測定した。
い、1600℃で2時間大気中にさらし、この前後の重量減
少を測定した。
なお、比較例の一部として、CVD法により中間層TiCを
35μm被覆後、CVD法によりSi3N4を110μm被覆したも
のも作製し評価した。
35μm被覆後、CVD法によりSi3N4を110μm被覆したも
のも作製し評価した。
結果を表2に示す。
[発明の効果] 本発明材料は、高温で優れた耐酸化性を有する高温高
強度材料であり、航空機や宇宙往還機の機体外壁部に適
用して有用である。
強度材料であり、航空機や宇宙往還機の機体外壁部に適
用して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 16/32 C23C 16/32 16/34 16/34 16/36 16/36 28/04 28/04
Claims (3)
- 【請求項1】カーボン繊維を主体としたカーボン/カー
ボン複合材料、カーボン/セラミックス複合材料を基材
とし、TiCまたはTi(C・N)を中間層として被覆し、
外層としてSiCまたはSi3N4の少くとも一種以上を被覆し
た被覆構造材料において、中間層をTiまたはTiとTi(CX
N1-X)の複合相を被覆した後、1000〜1500℃の温度範囲
で少くとも10分以上保持した後、化学蒸着法により1200
〜1800℃の温度範囲でSiCまたはSi3N4の少くとも一種以
上を被覆してなることを特徴とする被覆構造材料。 - 【請求項2】中間層中に存在する残留応力が圧縮応力で
ある請求項(1)記載の被覆構造材料。 - 【請求項3】中間層の複合相の被覆方法が物理蒸着法で
ある請求項(1)記載の被覆構造材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63280275A JP2685151B2 (ja) | 1988-11-08 | 1988-11-08 | 被覆構造材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63280275A JP2685151B2 (ja) | 1988-11-08 | 1988-11-08 | 被覆構造材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02129366A JPH02129366A (ja) | 1990-05-17 |
JP2685151B2 true JP2685151B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=17622720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63280275A Expired - Lifetime JP2685151B2 (ja) | 1988-11-08 | 1988-11-08 | 被覆構造材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2685151B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20130022658A1 (en) * | 2011-07-23 | 2013-01-24 | Synos Technology, Inc. | Depositing material with antimicrobial properties on permeable substrate using atomic layer deposition |
CN113387724B (zh) * | 2021-06-10 | 2022-09-02 | 西北工业大学 | 一种碳/碳复合材料表面耐高温长寿命复合涂层及制备方法 |
-
1988
- 1988-11-08 JP JP63280275A patent/JP2685151B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02129366A (ja) | 1990-05-17 |
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