JP2685138B2 - 樹脂組成物および該組成物を用いた樹脂封止型電子装置 - Google Patents

樹脂組成物および該組成物を用いた樹脂封止型電子装置

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JP2685138B2 JP1156443A JP15644389A JP2685138B2 JP 2685138 B2 JP2685138 B2 JP 2685138B2 JP 1156443 A JP1156443 A JP 1156443A JP 15644389 A JP15644389 A JP 15644389A JP 2685138 B2 JP2685138 B2 JP 2685138B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、球形無機充填材入り樹脂組成物および該樹
脂組成物により封止した電子装置、特に樹脂封止型半導
体装置に関する。
[従来の技術] エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂を用いて封止した樹脂封
止型電子装置は、大量生産に適していることから、IC、
LSI等の半導体装置に広く利用されている。特に、半導
体素子,封止用樹脂材料およびその製造技術等のの進歩
により、製品の信頼性が著しく向上して、最近では半導
体製品の八割以上が樹脂封止型になっている。
半導体素子は、集積度が年々向上し、それに伴ってチ
ップサイズの大型化、配線の微細化並びに多層化が進ん
でいる。一方、パッケージは実装の高密度化のため小型
化の方向にあり、パッケージの形状も従来のDIP(Dual
Inline Package)で代表されるピン挿入型から、QFP(Q
uad Flat Package),SOP(Small Outline J−bended Pa
ckage),PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)等の表
面実装型パッケージに移行してきている。
こうした半導体チップの集積度の向上やパッケージ形
状の変化に伴い、チップはますます微細になり、封止樹
脂層は著しく薄肉化している。また、パッケージも実装
時にこれまでよりも高温(例えば200℃)に曝されるよ
うになって、構成している半導体チップ、フレーム、封
止樹脂等の熱膨張係数の差によって生ずる熱応力によ
り、チップやチップ表面に形成されているパッシベーシ
ョン膜、あるいは封止樹脂にクラックが発生したり、チ
ップの配線の切断、短絡、位置ずれ等を生じ、半導体装
置の信頼性の低下が問題となっている。
こうした各構成材料の熱膨張係数の差によって生ずる
熱応力に基づくトラブルの解消は、封止樹脂の熱膨張係
数を小さくすることによって、大幅に低減することがで
きる。
一般に、封止用樹脂には熱膨張係数の低減を目的とし
て、樹脂よりも熱膨張係数が小さい無機充填材(以下単
に充填材と云う)が配合されている。
熱膨張係数を小さくするためには、充填材の配合量を
多くすればよいが、配合量を増やすと樹脂組成物の粘度
が上昇するために流動性が低下し、封止作業が困難にな
るという問題がある。その対策として、特定の粘度分布
を有する無機質充填材を用い、樹脂組成物の粘度上昇を
あまり起こさずに充填材の配合量を増やす方法が提案さ
れている(特公昭50−18520号,同51−20541号)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、樹脂封止型半導体装置に最も広く用いられて
いるフェノール硬化型エポキシ樹脂は、粘度が高いため
に充填材の配合量をあまり増やすことができなかった。
その理由は、こうした用途に用いられている充填材に
は、原石を機械的に粉砕した角ばった形状の充填材が使
用されているために、最密充填率が低いことにある。
一般に充填材粒子の形状を球形にすれば、該充填材を
配合した樹脂組成物は、流動性の低下が比較的少ないこ
とが知られている。
そして、最近、特開昭59−597375号、同52−149348号
に開示されているように、溶融シリカのような各種の無
機質充填材を工業的に球形化する方法が開発された。
しかし、こうした球形の充填材を用いた樹脂成形品の
機械的特性は予想外に低く、面実装時のはんだリフロー
によりパッケージの耐クラック性が低下するという問題
が生じた。
その対策として、カップリング剤による充填材の表面
処理が有効であることが分かった。しかし、従来の方法
で充填材の表面を処理すると、充填材が凝集して樹脂組
成物の流動性が著しく低下し、球形充填材を用いたメリ
ットが得られないことが分かった。
本発明の目的は、こうした充填材による樹脂の流動性
を改善した封止用樹脂組成物および該樹脂組成物を用い
た熱膨張係数が小さく、かつ耐クラック性の優れた樹脂
封止型電子装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決する本発明の要旨は下記のとおりであ
る。
シラン系カップリング剤、該溶剤および球形無機充填
材を含むスラリーを、前記溶剤の沸点以上に加熱,減圧
された雰囲気中に噴射することにより前記シラン系カッ
プリング剤が被覆された球形無機充填材を少なくとも70
重量%配合したことを特徴とする樹脂組成物にある。
また、前記シラン系カップリング剤を被覆し、120℃
以上で加熱処理された球形無機充填材を少なくとも70重
量%配合した上記樹脂組成物にある。
さらにまた、上記樹脂組成物を用いて電子部品を一体
に成形した樹脂封止型電子装置にある。
本発明が用いるカップリング剤処理方法は、一般に行
なわれていたインテグラルブレンド法(カップリング剤
および樹脂素材を一度に配合するブレンド法)ではブレ
ンドできなかったマトリックス樹脂との反応性が高い官
能基(アミノ基等)を持つカップリング剤でも、処理後
に樹脂とブレンドするので該樹脂に対する硬化促進作用
の影響が少ない。従ってどのようなカップリン剤でも適
用することができる。
本発明の樹脂組成物に用いるカップリンッグ剤として
は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(3.4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリ
メトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシ
シラン、ビス〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕
アミン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N,N−ジメチルアミノフェニルトリエトキ
シシラン、1−トリメトキシシリル−2,1−(p−アミ
ノメチル)フェニルエタン、1−トリメトキシシリル−
2,1−(m−アミノメチル)フェニルエタン、N−メチ
ルアミノプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシシ
リルプロピルジエチレントリアミン、p−アミノフェニ
ルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエト
キシシラン等がある。
特に、アミノシラン系カップリング剤は、球形溶融シ
リカとマトリックス樹脂間の接着力向上に、優れた効果
がある。
また、前記カップリング剤は、単独で用いた場合より
も二種類以上を併用した場合に著しい効果を示すことが
ある。
前記カップリング剤の配合量は、充填材100重量部に
対し0.1〜3重量部が好ましい。0.1重量部未満では充填
材とマトリックス樹脂間の強固な結合が十分得られず、
また、3重量部より多く配合してもそれ以上の効果は得
られない。
前記、カップリング剤の溶媒としては、有機溶剤、水
または水を含む有機溶媒等、カップリング剤の種類,目
的に応じて選択することができる。
また、カップリング剤処理後、120℃以上で加熱処理
することが好ましい。120℃より低い温度では十分強固
な結合が得られないばかりか、カップリング剤の種類に
よっては、充填材表面から離脱してマトリックス樹脂の
硬化性に影響を与えるものがある。上記の加熱温度の上
限は、カップリング剤が揮発、分解等を起こさない温度
であれば特に限定されないが、300℃以下が好ましい。
前記球形の無機質充填剤の素材としては、シリカ、ア
ルミナ、水酸化アルミナ、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸
カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、マ
イカ、タルク、クレー等がある。これらのうち溶融でき
るものは微粉末化した後、融点以上に加熱した炉中に噴
射し、溶融させることによって得られる。特に、原石を
粉砕した角状のシリカ、あるいは人工的に合成したシリ
カの微粉末を溶融して得た球形シリカが好ましい。ま
た、溶融困難なものは、微粉末化した後メカノケミカル
的手法によりバインダを加えて球形化することによって
得られる。
このような充填材の粒径は、95重量%以上が0.5〜100
μmが望ましい。
0.5μm未満の充填材が多くなると、配合量が多い場
合に樹脂組成物の粘度が急激に上昇し、100μmを超え
る充填材が多くなると、半導体素子等を封止した際に、
充填材によるボンデイングワイヤの変形や切断等が発生
し易くなる。
封止樹脂の熱膨張係数を充分小さくするためには、充
填材は樹脂組成物全体に対し70重量%以上配合すること
が必要である。充填材をこのように多量に配合しても樹
脂組成物の粘度の上昇をなるべく少なくするためには、
使用する充填材が取りうる最大充填率をできるだけ大き
くなるようにすることが必要である。そのためには粒度
分布の広い充填材を用いることが重要である。
次に、マトリックス樹脂としては、現在エポキシ樹脂
が樹脂封止型半導体装置に広く用いられている。該エポ
キシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂等がある。
なお、該樹脂の硬化剤としては、フェノールノボラッ
ク樹脂、酸無水物、ポリアミン、硬化促進剤としてイミ
ダゾール、アミン、オルガノホスフィンなどが用いられ
る。
前記の樹脂組成物には、必要に応じて可撓化剤、着色
剤、難燃剤、離形剤などを配合して用いることができ
る。特に可撓化剤は、充填材の増量により生じる成形品
の弾性率の上昇を小さくする効果がある。例えば、特開
昭58−69244号,同57−56954号,同58−47013号公報あ
るいはIEEE トランザクションズ オン ザ コンポネ
ンツ ハイブリッド アンド マヌファクチュアリング
テクノロジィ CHMT−8巻,No.4,第486〜489頁,1985
年12月(IEEE Transactions on Components,Hybrids,an
d ManufacturingTechnology,vol CHMT−8,No.4,p486〜4
89,Dec.,1985)および第6回アニュマル プロシーディ
ング オブ ザ インターナショナル エレクトロニク
ス パッケイジング コンフェランス,第294〜312頁,1
986年(6th Annual Proceeding of the Iuternational
Electronics Packaging Conference,p294−312,1986)
等に開示されているように、封止樹脂中にシリコーンゴ
ムやポリブタジエンゴムのようなゴム成分を配合し、マ
トリックス樹脂とゴム成分とで、いわゆる海島構造とし
て硬化物の弾性率を小さくする方法が知られている。
特に、分子量1,000〜200,000のポリジメチルシリコー
ンまたはその誘導体は、成形材料の弾性率上昇を抑える
効果だけではなく、撥水性向上効果を有するので、封止
品の耐湿性の向上にも有効である。
本発明の封止材料は、従来の封止材料と全く同様の方
法で作成することができ、封止作業も同様に行うことが
できる。
各素材は、予め70〜100℃に加熱された二軸ロールや
押出し機で混練することができる。また、トランスファ
成形機を用いて金型温度160〜200℃,成形圧力30〜100k
gf/cm2,硬化時間1〜3分で封止成形を行うことができ
る。
[作用] 前記球形充填材(溶融シリカ)の粒子同志の凝集が起
こりにくいのは、充填材粒子の全面に均一に吸着された
カップリング剤が、互いに粒子を反発させる効果がある
ためと考えられる。
上記充填材が均一に分散された本発明の樹脂組成物
の、成形後の破断面を調べてみると、破壊が起こってい
るのは球形充填材とマトリックス樹脂の界面ではなく、
マトリックス樹脂の凝集破壊によって起こっている。こ
れは、前記充填材と樹脂との接着力が極めて優れている
ことを証明するものである。
また、該樹脂組成物による成形品の、引張り強さ,曲
げ強さ,破断時の伸び率が向上するのは、表面処理され
た球形充填材とマトリックス樹脂との濡れ性がよいた
め、界面に微小ボイド等の欠陥の発生が少なくなり、応
力集中が少なくなったものと考える。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例 1] 本発明の樹脂組成物に用いる充填材を第2図に示すよ
うな処理装置により作成した。
平均粒径約17μmの球形溶融シリカ800g、カップリン
グ剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン10
g、イソプロピルアルコール400gと、水10gからなる混合
溶剤とでスラリーを作成した。
これを第2図のスラリータンク1に入れ、スラリーポ
ンプ2によって、ヒータ3で120℃に加熱された乾燥管
4内に噴射し、球形溶融シリカの表面にカップリング剤
を処理した。なお、前記乾燥管4内は減圧ポンプ7によ
り予め100torr以下に減圧されている。
乾燥管4内で処理された球形溶融シリカは、捕集筒5
で捕集される。また、乾燥管4内で加熱されて揮発した
溶剤は、コンデンサー6で冷却し溶剤回収タンク8に回
収される。
カップリング剤処理された球形溶融シリカ10は、捕集
筒5の底部に設けたコック9から取り出し、次いで、20
0℃で1時間加熱処理を行なった後、室温まで冷却し
た。これによって、粒子凝集のない球形溶融シリカ粉末
が得られた。
上記によりカップリング剤で表面処理された球形溶融
シリカの走査型電子顕微鏡(SEM)による粒子構造を第
3図に示す。比較のためカップリング剤処理を施さない
球形溶融シリカのSEMによる粒子構造を第4図に示す。
第3図から明らかなように、得られた球形溶融シリカ
は、粒子相互の凝集がなく分散していることが分かる。
これに比べて処理していない第4図のものは粒子同士が
凝集してい。
前記の球形溶融シリカとマトリックス樹脂等の素材と
を、第1表に示す割合で配合し、約80℃に加熱した二軸
ロールで約10分間混練し、冷却後約2〜3mmφのチップ
とし、本発明の樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物について、高化式フローテスターを用
い、180℃における最低溶融粘度ηおよび流動性を、EMM
I−1−66に準じ、金型温度180℃、成形圧力70kgf/c
m2、成形時間90秒でスパイラルフローSFを測定した。
また金型温度180℃、成形圧力70kgf/cm2、成形時間90
秒で5.2mm×13mm×100mm試験片を成形し、180℃,6時間
のアフタキュアを行った後、25℃と250℃における曲げ
強さを測定した。
結果を第2表に示す。
次に、前記樹脂組成物を用い第1図に示すような樹脂
封止型半導体装置を作成した。
6mm×6mmのシリコンチップ71から成るメモリー素子が
チップ支持体72に固着され、外部リード73とメモリー素
子の電極パッド77とはボンディングワイヤ74で接続され
ている。上記メモリー素子の表面にはポリイミド保護層
76を設けた。
これを前記樹脂組成物を用いて180℃,成形圧力70kgf
/cm2、成形時間90秒でトランスファ成形しパッケージ78
を形成した。なお、アフタキュアは180℃,6時間行なっ
た。
上記半導体装置を、65℃/95%RHで所定時間吸湿させ
た後、215℃,90秒のベーパーリフローを行ないパッケー
ジのクラック試験を、40個の半導体装置について行っ
た。クラックの判定は、目視によって行なった。
結果を第2表に示す。
[実施例 2〜4] カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、またはγ−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ンをそれぞれ用いて、実施例1と同様の処理、試験を行
った。
[実施例 5] カップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキ
シシランを用い、処理後の加熱温度を300℃で行った他
は実施例1と同様の処理、試験を行った。
[実施例 6] カップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキ
シシランを用い、カップリング剤処理後の加熱処理を行
なわず、他は実施例1と同様の処理、試験を行った。
[比較例 1および2] カップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、またはγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランをインテグラルブレンドで配合して樹脂組成物
をそれぞれ作成し、実施例1と同様の試験を行った。
[比較例 3] 実施例1で用いた球形溶融シリカ、カップリング剤、
溶剤からなるスラリーを、減圧加熱された乾燥管内に噴
射することなく、単に減圧加熱だけ行なって溶剤を乾燥
除去し、次いで120℃で加熱処理を行なう方法で、球形
溶融シリカ粒子の表面にカップリング剤処理を行なっ
た。
上記球形溶融シリカの走査型電子顕微鏡(SEM)によ
る粒子構造を第4図に示す。
第4図から明らかなように、溶融シリカ粒子同士が凝
集していることが分かる。また、この凝集した粒子は、
乳鉢およびらいかい機によって分離を試みたが、第3図
の充填材のように分離することはできなかった。
また、上記溶融シリカを用いて実施例1と同様に樹脂
組成物を作成し、試験を行った。
前記実施例2〜6および比較例1〜3の樹脂組成物の
溶融粘度η,スパイラルフローSF,曲げ強度および該樹
脂組成物を用いた樹脂封止型半導体装置のパッケージの
クラック発生状況を第2表にそれぞれ示す。
第2表から明らかなように、実施例の樹脂組成物は、
比較例のものよりも流動性(溶融粘度,スパイラルフロ
ー)および硬化後の高温の曲げ強度が優れている。
また、上記実施例の樹脂組成物により封止した半導体
装置のパッケージの耐クラック性が優れている。
[発明の効果] 本発明によれば、球形充填材の表面処理時における凝
集が起こりにくいと云う効果により、球形充填材を用い
た樹脂組成物の成形性を向上させるとともに、充填材と
マトリックス樹脂との接着性を向上し、成形品の高温強
度を向上させる効果がある。
また、該樹脂組成物を用いた樹脂封止型半導体装置の
耐クラック性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の樹脂封止型半導体装置の構造を示す断
面斜視図、第2図は本発明が用いる球形充填材のカップ
リング剤処理装置の系統図、第3図は実施例で用いた球
形充填材の走査型電子顕微鏡(SEM)による粒子構造の
写真、第4図は比較例で用いた球形充填材の走査型電子
顕微鏡(SEM)による粒子構造の写真である。 1……スラリータンク、2……スラリーポンプ、3……
ヒータ、4……乾燥筒、5……捕集筒、6……コンデン
サ、7……減圧ポンプ、8……溶剤回収タンク、9……
コック、10……球形熔融シリカ、71……シリコンチッ
プ、72……チップ支持体、73……外部リード、74……ボ
ンディングワイヤ、76……ポリイミド保護層、77……電
極パッド、78……パッケージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 州志 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 瀬川 正則 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 堀江 修 茨城県結城市大字鹿窪1772番1号 日立 化成工業株式会社南結城工場内 (56)参考文献 特開 昭64−11122(JP,A) 特開 昭63−230729(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シラン系カップリング剤、該溶剤および球
    形無機充填材を含むスラリーを、前記溶剤の沸点以上に
    加熱,減圧された雰囲気中に噴射することにより前記シ
    ラン系カップリング剤が被覆された球形無機充填材を少
    なくとも70重量%配合したことを特徴とする樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】シラン系カップリング剤、溶剤および球形
    無機充填材を含むスラリーを、前記溶剤の沸点以上に加
    熱,減圧された雰囲気中に噴射することにより前記シラ
    ン系カップリング剤を被覆し、120℃以上で加熱処理さ
    れた球形無機充填材を少なくとも70重量%配合したこと
    を特徴とする樹脂組成物。
  3. 【請求項3】電子部品が樹脂組成物で一体に封止された
    樹脂封止型電子装置において、 前記電子部品が、シラン系カップリング剤、該溶剤およ
    び球形無機充填材を含むスラリーを、前記溶剤の沸点以
    上に加熱,減圧された雰囲気中に噴射することにより前
    記シラン系カップリング剤が被覆された球形無機充填材
    を少なくとも70重量%配合した樹脂組成物で封止されて
    いることを特徴とする樹脂封止型電子装置。
  4. 【請求項4】半導体素子が樹脂組成物で一体に封止され
    た樹脂封止型半導体装置において、前記半導体素子が、
    シラン系カップリング剤、該溶剤および球形無機充填材
    を含むスラリーを、前記溶剤の沸点以上に加熱,減圧さ
    れた雰囲気中に噴射することにより前記シラン系カップ
    リング剤が被覆された球形無機充填材を少なくとも70重
    量%以上配合した樹脂組成物で封止されていることを特
    徴とする樹脂封止型半導体装置。
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