JP2008063466A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】離型剤の滲み出しによる外観不良がなく、連続成形性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填材を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して400〜1,200質量部、(D)硬化促進剤を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜5質量部、及び(E)多孔質無機微粒子に離型剤化合物を内包または担持したカプセル型離型剤を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜10質量部を含むエポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、離型剤の滲み出しによる外観不良がなく、連続成形性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置に関する。
近年、ダイオード、トランジスター、IC、LSI、超LSI等の半導体装置は樹脂封止型であるものが主流となっており、その封止用樹脂としては、成形性、接着性、電気特性、機械特性、耐湿性等に優れていることからエポキシ樹脂が一般的に採用されている。
最近、これらの半導体装置は集積度が益々大きくなり、それに応じてチップ寸法も大きくなりつつある。その一方で、電子機器の小型化、軽量化等の要求に応じて、パッケージ外形寸法は小さいものとなっている。更に、基板上の部品の高密度化、基板の薄型化等を図るために、半導体装置の回路基板への取り付け方法としては、半導体装置の表面実装が採用されるようになってきた。
しかしながら、半導体装置の表面実装方法として、半導体装置全体を半田槽に浸漬するか、又は半田が溶融し得る高温の処理区域を通過させる方法が一般的であるが、その際の熱衝撃により封止樹脂層にクラックが発生したり、封止樹脂層とリードフレーム、チップ等との界面に剥離が生じたりする場合がある。半導体装置の封止樹脂層が吸湿している状態で前記処理を行うと、前記熱衝撃によるクラック又は剥離は更に顕著なものとなる。しかし、実際の作業工程においては封止樹脂層の吸湿を避けることは困難であるため、実装後のエポキシ樹脂封止半導体装置の信頼性が大きく損なわれる場合がある。
上記問題に対しては、封止樹脂層の吸湿度を下げることが有効であり、前記吸湿度の低減を図るために、多量の無機質充填剤を添加する手段が広く採用されている。
一方で、半導体装置の生産効率を向上させるためには、封止用樹脂には良好な成形性が要求される。一般に半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、金型からの離型性の向上を目的として、天然カルナバワックス、脂肪酸エステル等のエステル類、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類等が離型剤として配合されている。
無機質充填剤が高充填化されたエポキシ樹脂組成物は、成形時の収縮率が小さくなっており、金型からの離型が困難であるので、離型剤の添加量を多くする、あるいは金型表面に滲み出てきやすい溶融粘度の低い離型剤を用いる等の手段を採用することが必要となる。その結果、連続成形時には、にじみ出た離型剤成分が金型表面に付着、汚れとなり、金型からのスムーズな離型を妨げる原因となることがある。
離型剤として 酸価の高い化合物、若しくはケン化価の高い化合物は極性が高いため、比較的エポキシ樹脂との相溶性がよい為、金型表面に移行しにくく、離型性に劣る。一方、酸価の低い化合物、若しくはケン化価の低い化合物は極性が低くなるため、樹脂との相溶性が低く、金型表面に滲みやすい。その結果、離型性は優れるがパッケージ表面の滲み、とりわけゲート口付近のゲートステイン、あるいは内部の半導体素子の形が浮き出て見えるフローマーク等顕著に現れる。また離型剤の多くは滴点(融点)が110℃未満であり、エポキシ樹脂組成物を溶融混合する際の温度より低い為、混練時に離型剤をエポキシ樹脂中に均一に分散することも困難である。さらに高温下重量減少の大きい化合物、例えば175℃で24時間放置した場合の重量減少が3%以上の離型剤は揮発成分が金型に付着し、離型性を損なう場合がある。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
特開平5−131486号公報 特開平6−256471号公報 特開平7−316401号公報 特開平8−157695号公報 特開2001−214031号公報 特開2003−212957号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、離型剤の滲み出しによる外観不良がなく、連続成形性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、多孔質無機微粒子に特定の離型剤化合物を内包または担持したカプセル型離型剤を使用することにより、離型剤の滲み出しによる外観不良がなく、しかも離型剤としての効果を有効に発揮することを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填材を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して400〜1,200質量部、(D)硬化促進剤を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜5質量部、及び(E)多孔質無機微粒子に離型剤化合物を内包または担持したカプセル型離型剤を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜10質量部を含むエポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供するものである。
さらには、(E)成分のカプセル型離型剤が、平均粒径3〜10μm、比表面積600〜1000m/gの多孔質無機微粒子に滴点110℃未満、酸価30未満、ケン化価150未満及び175℃で24時間放置した場合の質量減少率が3%未満の離型剤化合物を、30〜70質量%の割合で内包または担持したものであることを特徴とする前記に記載のエポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体装置の封止に際して、離型剤の滲み出しによる外観不良がなく、連続成形性に優れ、表面実装用パッケージ封止樹脂部が吸湿した状態であっても半田時の耐クラック性に優れた硬化物を与えるものである。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
[(A)エポキシ樹脂]
本発明組成物の主剤であるエポキシ樹脂としては、特に制限されず、公知のものを全て使用することができる。例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記エポキシ樹脂は、加水分解性塩素含有量が1,000ppm以下、特に500ppm以下であるものが好ましく、また、ナトリウム及びカリウム含有量が各々10ppm以下であるものが好ましい。前記加水分解性塩素及びアルカリ金属の含有量が多いと、樹脂封止後の半導体装置を長時間高温高湿下に放置した場合に、塩素イオン及び/又はアルカリ金属イオンが遊離して、半導体装置の性能に悪影響を及ぼし、信頼性を損ねるおそれが高くなる。
[(B)硬化剤]
(B)成分はエポキシ樹脂の硬化剤であって、これも、特に制限されず、公知のものを全て使用することができる。中でも、フェノール樹脂が好ましく、具体的にはフェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記硬化剤は、(A)成分のエポキシ樹脂の場合と同様の理由から、ナトリウム及びカリウム含有量が各々10ppm以下であるものが好ましい。
(A)成分と(B)成分との配合割合については特に制限されず、従来より一般的に採用されている条件とすればよいが、(A)成分中に含まれるエポキシ基1モルに対して、(B)成分の硬化剤中に含まれるフェノール性水酸基のモル比が、通常、0.5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲とすることが好ましい。
[(C)無機質充填剤]
(C)成分の無機質充填剤としては、エポキシ樹脂組成物に通常に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、タルク、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
この無機質充填剤の平均粒径、形状及び無機質充填剤の配合量は、特に制限されるものではない。
樹脂硬化物の耐クラック性を高めるためには、好ましくは平均粒径5〜30μm、より好ましくは7〜20μmの球状の溶融シリカを、樹脂組成物の成形性を損なわない範囲で可能な限り多量に配合させることが好ましい。なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。前記配合量としては、例えば、上記(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して、400〜1,200質量部、特に600〜1,100質量部とすることが好ましい。
なお、無機質充填剤は、樹脂との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類;イミダゾール化合物とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応物等のシランカップリング剤を用いることが好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
[(D)硬化促進剤]
また、本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるため、公知の硬化促進剤を用いることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものであれば特に制限はなく、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(p−ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスフィン・テトラ(p−メチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物等のリン系化合物;トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の第三アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
硬化促進剤の配合量は有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、特に0.5〜2質量部とすることが好ましい。
[(E)成分]
(E)成分は、多孔質無機微粒子に特定の離型剤化合物を内包または担持したカプセル型離型剤である。多孔質無機微粒子中に内包、担持される離型剤化合物としては、通常一般にエポキシ樹脂成型用離型剤として公知の化合物であれば特に限定されない。例えばカルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、モンタン酸、モンタン酸と飽和アルコール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−エタノール、エチレングリコール、グリセリン等とのエステル化合物であるモンタンワックス;ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、等が挙げられこれら1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。成形性の面から滴点が110℃未満、好ましくは90℃未満であることが必要である。また、熱安定性の点から滴点は70℃以上であることが望ましい。酸価が30未満、好ましくは28未満であることが金型離型性、連続成形性の面で好ましく、また、酸価は5以上が外観上の不良を防止する点から必要である。
さらに、担持される離型剤化合物のケン化価は150未満、好ましくは145未満であり、50以上であることが 金型離型性、連続成形性の点で好ましい。及び175℃で24時間放置した場合の質量減少率が3%未満である離型剤成分を使用することが連続成形性の点で好ましい。
離型剤成分を内包または担持する多孔質無機微粒子としては、二酸化珪素、珪酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、ゼオライトなどが挙げられる。平均粒径は組成物の流動性を損なわず、且つ組成物中に均一に分布できる範囲が望ましく、3〜10μm、更に望ましくは5〜8μmが望ましい。比表面積は離型成分を細孔内に内包または担持させる目的から、600〜1000m/gさらには600〜800m/gが好ましい。
本発明の多孔質無機微粒子に離型材成分を内包または担持した化合物の製造方法としては特に限定されないが 離型剤の有機溶剤の溶液に、多孔質微粒子を減圧下で浸漬することにより、内包物質が速やかに吸着され、次いで溶媒を除去することにより得ることができる。
本発明によるE成分を使用することにより、従来の直接離型剤を添加する方法に比べ、溶融混練時にエポキシ樹脂組成物中に均一に分散させることが出来る。また成形時は離型性を損なうことがなく成形物を得ることが可能である。さらに均一に分散し、かつナノ〜サブミクロンオーダーの細孔から滲み出すため、離型成分が局在化することもなく、外観上の不良も抑制できる。
離型剤と多孔質無機微粒子の比率は、多孔質無機充填剤の比表面積によるので特に限定しないが、離型剤の質量割合で30〜70%が適当である。
(E)成分の配合比率としては(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部、更に好ましくは1〜5質量部。離型剤の配合量として、A)及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.3〜3.5質量部であることが望ましい。
[他の配合成分]
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲において、上記(A)〜(E)成分に加えて他の成分を配合しても差し支えない。例えば、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、モリブデン酸亜鉛担持タルク、モリブデン酸亜鉛担持酸化亜鉛等のモリブデン化合物、ホスファゼン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛等の難燃剤;シリコーン化合物、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤;カーボンブラック等の着色剤;ハイドロタルサイト等のハロゲンイオントラップ剤等の添加剤を配合することができる。
また、本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるため、硬化促進剤を用いることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものであれば特に制限はなく、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物などのリン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7などの第3級アミン化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用することができる。
硬化促進剤の配合量は有効量であるが、上記リン系化合物、第3級アミン化合物、イミダゾール化合物等のエポキシ樹脂と硬化剤(フェノール樹脂)との硬化反応促進用の硬化促進剤は、(A)、(B)成分の総量100質量部に対し、0.1〜5質量部、特に0.5〜2質量部とすることが好ましい。
[エポキシ樹脂組成物の調製等]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、上記(A)〜(E)成分及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー、ボールミル等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等を用いて、溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料として得ることができる。
なお、組成物をミキサー等によって十分均一に混合するに際して、保存安定性をよくする為に、或いはウエッターとしてシランカップリング剤等で予め表面処理等を行うことが好ましい。
ここで、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。ここで、表面処理に用いるシランカップリング剤量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止用として有効に利用できる。封止方法としては、例えば、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化・成形に際しては、例えば、150〜180℃で30〜180秒間処理し、後硬化(ポストキュア)を150〜180℃で2〜16時間の条件で行うことが望ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、離型剤の滲み出しによる外観不良がなく、連続成形性に優れ、表面実装用パッケージ封止樹脂部が吸湿した状態であっても半田時の耐クラック性に優れた硬化物を与えることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、下記実施例及び比較例で使用した成分は、以下の通りである。また、後記実施例、表等には、各成分については、下記に付記した記号を使用した。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂a:ビフェニル含有アラルキル型エポキシ樹脂(商品名:NC−3000、日本化薬(株)製、エポキシ当量=272)
Figure 2008063466

エポキシ樹脂b:o−クレゾール型エポキシ樹脂(商品名:EOCN―1020―55、日本化薬(株)製、エポキシ当量=200)
Figure 2008063466
(B)硬化剤
硬化剤a:ビフェニル含有アラルキル型フェノール樹脂(商品名:MEH−7851SS、明和化成(株)製、フェノール性水酸基当量=199)
Figure 2008063466

硬化剤b:フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(商品名:MEH―7800SS、明和化成(株)製、フェノール性水酸基当量=175)
Figure 2008063466
(C)無機質充填剤:球状溶融シリカ((株)龍森製、平均粒径=15μm)
(D)硬化促進剤:トリフェニルホスフィン(北興化学工業(株)製)
(E)カプセル型離型剤
(e−1)平均粒径平均粒径5.2μm、比表面積800m/gの多孔質シリカ微粒子50質量%に、酸価7.4、ケン化価84.3、融点86℃、175℃で24時間の重量減少が0.8%のカルナバワックス(TOWAX1P−2;東亜化成株式会社製)50質量%を内包、担持させた離型剤。
(e−2)平均粒径平均粒径8.8μm、比表面積600m/gの多孔質シリカ微粒子50質量%に、酸価12、ケン化価140、融点80℃、175℃で24時間の重量減少が2.9%の変性モンタン酸ワックスNC―133(クラリアントジャパン株式会社製)50質量%を内包、担持させた離型剤。
(e−3)平均粒径8.8μm、比表面積155m/gの多孔質シリカ微粒子50質量%に、(e−2)で使用したと同じ変性モンタン酸ワックス50質量%を内包、担持させた離型剤。
その他の離型剤成分
カルナバワックス:TOWAX 1P−2(東亜化成株式会社製)
変性モンタン酸ワックス:NC−133(クラリアントジャパン株式会社製)
モンタン酸ワックス:酸価140、ケン化価165、融点84℃、175℃で24時間の重量減少が16.1%のモンタン酸ワックスWAX―S(クラリアントジャパン株式会社製)
その他の成分
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業(株)製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業(株)製)
[実施例1〜6、比較例1〜5]
表1に示した配合組成及び配合量で、各成分を加熱2本ロールミルを用いて80℃で5分間、均一に溶融混合し、冷却、粉砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。得られた各組成物につき、下記の通りにして性能を測定又は評価した。その結果を表2に示す。
(i)離型性
温度175℃、成形圧力70MPa、成形時間60秒の条件でQFPパッケージ(14×20×1.4mm、6キャビティー)を成形した。脱型時に必要な力をイジェクトピンに取付けた圧力センサーにて測定した。40Kg未満のものを合格とした。
(ii)ゲート部ワックス滲み観察
温度175℃、成形圧力70MPa、成形時間60秒の条件でTSOPパッケージ(18×10×1.1mm、16キャビティー)を成形した。ゲート部のワックス滲みを目視で確認した。
OK:滲みなし
NG:滲みが見られる
(iii)連続成形性
各組成物を用いて、温度:175℃、成形圧力:70MPa、及び成形時間:45秒の条件でQFP(Quad Flat Package)(14mm×20mm×2.7mm、5キャビティー)を連続成形機により成形した。パッケージが金型に貼り付く、もしくはカルが金型に貼り付く等の不良が発生するまでのショット数を調べた。
[実施例1〜5、比較例1〜3]
表1に示す成分を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。これらの組成物につき、下記の(i)〜(iii)の諸特性を測定した。結果を表1に示した。
Figure 2008063466

Claims (4)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填材を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して400〜1,200質量部、(D)硬化促進剤を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜5質量部、及び(E)多孔質無機微粒子に離型剤化合物を内包または担持したカプセル型離型剤を(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜10質量部を含むエポキシ樹脂組成物。
  2. (E)成分のカプセル型離型剤が、多孔質無機微粒子に滴点110℃未満、酸価30未満、ケン化価150未満及び175℃で24時間放置した場合の質量減少率が3%未満の離型剤化合物を、30〜70質量%の割合で内包または担持したものであることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 多孔質無機微粒子が平均粒径3〜10μm、比表面積600〜1000m/gの二酸化珪素、珪酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、ゼオライトから選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
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