JP2683487B2 - 中・低炭素フェロマンガンの製造方法及び製造装置 - Google Patents
中・低炭素フェロマンガンの製造方法及び製造装置Info
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- C21C5/30—Regulating or controlling the blowing
- C21C5/35—Blowing from above and through the bath
Description
ガンの製造方法及び製造装置に関する。
して中・低炭素フェロマンガンを製造することが従来か
ら行われている。この高炭素フェロマンガン溶湯を脱炭
する際の脱炭反応を律速する三大因子として、 1.フェロマンガン溶湯の温度 2.フェロマンガン溶湯の攪拌 3.底部羽口より吹込むガス組成 が知られている。
度については、米国特許3305352号に記載されて
おり、これによれば、純酸素上吹き転炉を使用して高炭
素フェロマンガン溶湯の表面に酸素ガスを吹きつけるこ
とにより迅速に脱炭を進行させる条件は、溶湯温度を1
550℃以上に昇温させること、また、中・低炭素濃度
域でMnの酸化を抑制して脱炭を進行させるためには、
溶湯の〔C〕濃度が1.5%以下となる前に、1700
℃以上の溶湯温度としておくことが必要であると記載さ
れている。
の攪拌については、特公昭57−27166号公報に記
載されており、これによれば、二重管の底吹き羽口を有
する転炉では脱炭がきわめて効率よく進行し、純酸素上
吹き転炉(底部に底吹き羽口が無い転炉)のMn歩留り
が79%であるのに比して、二重管の底吹き羽口を有す
る純酸素上吹き転炉のMn歩留りは92%と極めて高く
なり、底吹きによって一層溶湯が強く撹拌され、高い脱
炭反応効率が得られることが記載されている。
ガス組成については、上記した米国特許3305352
号、特公昭57−27166号公報を従来技術とした特
公平3−55538号公報に記載されており、これによ
れば、純酸素上吹き転炉において底部羽口より底吹きガ
スを出す際、底吹きガスのガス組成が重要であるとし
て、底吹きガスとしてアルゴンガス・窒素ガス・炭酸ガ
スを用いることが記載されている。
ロマンガン溶湯を、底吹き羽口を有する純酸素上吹き転
炉で脱炭する際に、底吹き羽口から吹込むガスとして、
アルゴンガス、窒素ガス、炭酸ガス、又はそれらの混合
ガスを工業的規模で使用すると以下の問題を生ずる。
中の〔N〕濃度を高めるという問題がある。通常、高炭
素フェロマンガンには、窒素が300〜400ppm
〔N〕濃度で飽和しているが、脱炭の進行に伴って
〔N〕濃度は増加し、特に〔C〕濃度2.5%以下の中
・低炭素フェロマンガンにおいては、窒素ガスの吹き込
みガス総量に比例して〔N〕濃度が増加し、最終的には
最大値10000ppm程度まで増加するという問題が
ある。
の周辺の耐火物を著しく損傷するという問題がある。こ
の理由は、炭酸ガスが底吹き羽口直上の高温溶湯に接触
することにより、 CO2 (g)→CO(g)+1/2 O2 (g) の解離反応が進行し、遊離したO2 (g)が耐火物を損
傷するからである。この結果、転炉耐火物の寿命が低下
しランニングコストが著しく増加する。
ゴンガス、窒素ガス、炭酸ガスを工業的規模で使用して
中・低炭素フェロマンガンを製造すると、製造された中
・低炭素フェロマンガン中の〔N〕濃度が高く、底吹き
羽口やその周辺の耐火物が損傷するという問題が生じ
る。本発明は、上記事情に鑑み、底吹き羽口及びその周
辺の耐火物の損傷を防止してランニングコストを低くで
きる中・低炭素フェロマンガンの製造方法を提供するこ
とを第1の目的とする。
ガスを工業的規模で使用するためには、大規模なガス発
生設備が必要となり、また、市販のガスを使用する場合
でも大規模な貯蔵・蒸発設備が必要となる。このため、
中・低炭素フェロマンガンの製造コストが高くなるとい
う問題がある。そこで、本発明は、安いコストで中・低
炭素フェロマンガンを製造する中・低炭素フェロマンガ
ンの製造方法及び製造装置を提供することを第2の目的
とする。
るための本発明の中・低炭素フェロマンガンの製造方法
は、上吹きランス及び底吹き羽口を備えた転炉で高炭素
フェロマンガン溶湯を吹錬することにより中・低炭素フ
ェロマンガンを製造する中・低炭素フェロマンガンの製
造方法において、前記上吹きランスから酸素ガスを前記
高炭素フェロマンガン溶湯に吹きつけると共に、前記底
吹き羽口から、COガス濃度が65〜100%、CO2
ガス濃度が0〜25%、N2 ガス濃度が0〜10%の範
囲の組成の混合ガスを、前記酸素ガスの吹きつけ流量の
標準状態換算で100容量部に対して12〜30容量部
の比率で、前記高炭素フェロマンガン溶湯に吹き込むこ
とを特徴とするものである。
中の脱炭効率の低下に応じて増加させ前記高炭素フェロ
マンガン溶湯に吹き込んでも良い。また、前記混合ガス
の流量を、前記高炭素フェロマンガン溶湯の炭素濃度の
低下に応じて増加させ前記高炭素フェロマンガン溶湯に
吹き込んでも良い。この混合ガスの流量は、前記炭素濃
度が2%を越えるときは前記酸素ガスの吹つけ流量の標
準状態換算で100容量部に対し3容量部以下、前記炭
素濃度が2%以下のときは前記酸素ガスの吹つけ流量の
標準状態換算で100容量部に対し15〜30容量部の
比率であることをが好ましい。より好適には、前記炭素
濃度が2%以下1%以上のときは前記酸素ガスの吹つけ
流量の標準状態換算で100容量部に対し15〜20容
量部、前記炭素濃度が1%未満のときは前記酸素ガスの
吹つけ流量の標準状態換算で100容量部に対し20〜
30容量部の比率であることが好ましい。
発明の中・低炭素フェロマンガンの製造装置は、上吹き
ランス及び底吹き羽口を有する転炉を備えた中・低炭素
フェロマンガンの製造装置において、 (1)前記転炉内の燃焼ガスを収集する、前記転炉内に
配置された燃焼ガス収集器 (2)該燃焼ガス収集器から送られてきた燃焼ガスを貯
える、該燃焼ガス収集器に接続された貯蔵タンク (3)該貯蔵タンクから前記底吹き羽口に該貯蔵タンク
内の燃焼ガスを供給する、該貯蔵タンクに接続された供
給器 を備えたことを特徴とするものである。
との間に、燃焼ガスに含まれた塵を除く除塵器を備える
ことが好ましい。また、上記第2の目的を達成するため
の本発明の中・低炭素フェロマンガンの製造方法は、上
記中・低炭素フェロマンガンの製造装置を用いて、吹錬
中に生じた燃焼ガスを収集し、この収集した燃焼ガス
を、底吹き羽口から高炭素フェロマンガン溶湯に吹き込
むガスの全部または一部とすることを特徴とするもので
ある。
では、底吹き羽口から吹き込まれる混合ガスのCOガス
濃度が65〜100%、CO2 ガス濃度が0〜25%、
N2 ガス濃度が0〜10%の範囲で、上吹きランスから
吹きつける酸素ガス流量の標準状態換算で100容量部
に対して12〜30容量部の比率で上記混合ガスを吹き
込んでおり、CO2 ガス濃度を低く抑えているため、底
吹き羽口及びその周辺の耐火物の損傷を防止でき、ラン
ニングコストを低くできる。
込む混合ガスの流量を、吹錬中の脱炭効率の低下や高炭
素フェロマンガン溶湯の炭素濃度の低下に応じて増加さ
せた場合は、少ないガス流量で効率良く脱炭できる。ま
た、混合ガスの流量を、炭素濃度が2%を越えるときは
酸素ガスの吹つけ流量の標準状態換算で100容量部に
対し3容量部以下、炭素濃度が2%以下のときは酸素ガ
スの吹つけ流量の標準状態換算で100容量部に対し1
5〜30容量部の比率にした場合は、一層効率良く脱炭
できる。
きは酸素ガスの吹つけ容量標準状態換算で100容量部
に対し15〜20容量部、炭素濃度が1%未満のときは
酸素ガスの吹つけ流量の標準状態換算で100容量部に
対し20〜30容量部の比率にした場合は、より一層効
率良く脱炭できる。また、本発明の中・低炭素フェロマ
ンガンの製造装置では、転炉内に配置された燃焼ガス収
集器により転炉内の燃焼ガスが収集され、その後貯蔵タ
ンクに貯えられる。この貯蔵タンクに貯えられた燃焼ガ
スが供給器を経由して、再び転炉内に吹き込まれる。こ
のように、転炉内の燃焼ガスを再利用できるため、中・
低炭素フェロマンガンの製造コストを安くできる。
する。先ず、図1を参照して本発明の一実施例の中・低
炭素フェロマンガンの製造装置を説明する。図1は、本
発明の一実施例の中・低炭素フェロマンガンの製造装置
を示す概略構成図である。
は、転炉12を備えて構成されており、この転炉12の
底吹き羽口として、内径4mmのステンレス配管からな
るノズル14が転炉の底部に3ケ所分散配置されてい
る。また、この転炉12内の高炭素フェロマンガン溶湯
16に酸素ガスを吹きつけるための上吹きランス18も
備えられており、ここまでは、従来から知られている転
炉の構造と同じである。
置10には、転炉12内で発生する燃焼ガスを収集し一
旦貯蔵し、ノズル14を経由させて転炉12内に再び吹
き込む燃焼ガス再利用装置20が備えられており、これ
により中・低炭素フェロマンガンの製造コストの低下が
図られている。この燃焼ガス再利用装置20では、転炉
12内で発生した燃焼ガスは燃焼ガス収集器22で収集
された後、ガス濃度分析計24で燃焼ガス中のCOガ
ス、CO 2 ガス、O2 ガス等の各ガス濃度が分析され
る。このガス濃度分析計24で分析されたガス濃度に応
じてガス吸引自動開閉弁26の開閉が行なわれ、ガス濃
度が目標値でないときは、このガス吸引自動開閉弁26
を閉じる。自動開閉弁26を通ってきた燃焼ガスは、除
塵器28で除塵された後、ガス冷却器30で冷却され、
吸引・昇圧ポンプ32により小型貯蔵タンク34に高圧
で貯蔵される。この小型貯蔵タンク34に貯蔵された燃
焼ガスは、供給器36を経由して底吹き羽口のノズル1
4に供給される。尚、開閉弁38を閉じることにより、
ノズル14への燃焼ガスの供給は停止できる。また、所
定成分のガスを貯蔵した予備タンク(図示せず)を小型
貯蔵タンク34に接続させて複数設けてもよく、この場
合は、燃焼ガス収集器22で収集された燃焼ガスの各成
分ガスのガス濃度が目標値を外れていても燃焼ガスを小
型貯蔵タンク34に貯蔵し、予備タンクから必要なガス
を供給することにより燃焼ガスの各成分を目標値にする
ことができる。
再利用装置20で収集する燃焼ガスについて説明する。
転炉内の高炭素フェロマンガン溶湯に酸素ガスを吹き込
みこの高炭素フェロマンガン溶湯16(図1参照)を脱
炭精錬する際に発生する燃焼ガスは、COガスを主成分
とし、N2 ガス、CO2 ガス等を含む混合ガスからな
る。通常、脱炭反応では、C+1/2O2 (g)→CO
(g)となるが、生成されたCO(g)は、転炉内に吹
き込んだ酸素ガスのうちの余剰となった酸素ガスあるい
は転炉炉口部で混入する空気中の酸素と2次燃焼を起こ
し、CO(g)+1/2O2 (g)→CO2 (g)が生
成される。この際、混入した空気中のN2 が燃焼ガスに
含まれる。
燃焼ガスの組成比の推移を示すグラフである。脱炭精錬
は、上吹き酸素ガスの流量を2、5Nm3 /t・mi
n、底吹きガスをArガスとし、3.4Nm3 /tのA
rガスを吹錬全期にわたって均一に吹き込んで行った。
また、転炉炉口上端から400mmの場所において20
A キャスタブル施工パイプで吸引した燃焼ガスを、10
分間隔を目標に捕集し分析した。 図2から明らかなよ
うに、CO≧65%、CO2 ≦25%、N2 ≦10%の
範囲の混合ガス組成を満足する燃焼ガスは、吹錬中期か
ら末期にかけて全吹錬時間の約1/3の時間に生ずるこ
とが判明した。この成分中のN2 ガス濃度、CO2 ガス
濃度は、転炉炉口部での大気混入を遮断することにより
更に低減することができる。このため、転炉炉口部での
大気混入を遮断して上記した組成範囲の燃焼ガスを更に
増加することができる。
は、純酸素上吹きガス流量の標準状態換算で100容量
部に対して最大で30容量部しか使用しない。このた
め、燃焼ガスの吸引・回収量は、図1に示される簡易ガ
ス回収・貯蔵供給システムで十分に対応できる。次に、
上記した中・低炭素フェロマンガンの製造装置10を用
いて、高炭素フェロマンガン溶湯から中・低炭素フェロ
マンガンを製造する方法について説明する。
では、高炭素フェロマンガン溶湯を脱炭精錬するに当
り、従来より脱炭反応効率を高めるために、底吹き羽口
から吹込むガスとして、COガス濃度が65〜100
%、CO2 ガス濃度が0〜25%、N2 ガス濃度が0〜
10%の範囲の組成の混合ガスを使用し、この混合ガス
を、3.4Nm3 /tを標準ガス流量として酸素上吹き
の吹錬全期にわたって一定量吹き込んだ。また、この混
合ガスは、吹錬中期に燃焼ガス再利用装置20で得られ
た上記組成比を満たす混合ガスを使用した。使用した転
炉は5トン規模のものである。
底吹きを行った実施例を、比較例と共に説明する。表1
には、底吹きガスの種類と流量、羽口溶損速度(mm/
ch)、脱炭精錬処理前の溶湯成分(C,Mn)、脱炭
精錬処理後の溶湯成分(C,Mn,〔N〕)、及び底吹
きに関するランニングコストを指標化して示す。
も底吹きの効果によりMn歩留り93〜96%が得られ
たが、CO2 ガスを100%使用した比較例3では、底
部羽口及びその周辺の耐火物の損傷が激しく、他の実施
例、比較例に比べ、羽口溶損速度が3〜7倍増大するの
が判明した。また、N2 ガスを100%使用した比較例
2では、脱炭精錬処理後の〔N〕濃度が約8100pp
mとなり、この〔N〕濃度は他の実施例、比較例に比べ
16〜27倍の高濃度である。またArガスを100%
使用した比較例1では、Arガスのガス単価が高いた
め、比較例2と比較するとランニングコストが高くな
る。実施例1〜4では、羽口溶損速度、脱炭精錬処理後
の〔N〕濃度はいずれも低い値となり、実施例1〜4で
使用したガスは底吹きガスとして有用であることが判明
した。しかし、底吹きガス中のN2 ガスの比率が15%
以上になると、脱炭精錬後の〔N〕濃度が1000pp
mを越える(比較例6)。このため、鋼へのMn添加剤
として用いる中・低炭素フェロマンガンの製造には、脱
炭精錬後の〔N〕濃度が確実に1000ppm以下とな
るように、N2 ガスの配合比率を10%以下にする必要
があることが判明した。また、COガス濃度が100%
のガスのときに羽口溶損速度が極めて低くなり(実施例
4)、中・低炭素フェロマンガンを工業的に製造するた
めには、CO2 ガス濃度が25%以下の底吹きガスを使
用し、実施例4の羽口溶損速度の2倍以下の羽口溶損速
度を確保する必要があることが判明した。
に高炭素フェロマンガンを脱炭精錬して中・低炭素フェ
ロマンガンを製造する際の底吹きガスの成分組成は、C
Oガス濃度が65〜100%、CO2 ガス濃度が0〜2
5%、N2 ガス濃度が0〜10%となる。次に、上記し
た中・低炭素フェロマンガンの製造装置10を用いて高
炭素フェロマンガン溶湯から中・低炭素フェロマンガン
を製造する他の方法について説明する。
する際の、底吹きガス流量、吹錬中の高炭素フェロマン
ガン溶湯の炭素濃度、及び脱炭効率の関係を示すグラフ
である。この中・低炭素フェロマンガンの製造方法で
は、高炭素フェロマンガン溶湯を脱炭精錬するに当り、
吹錬酸素量(積算量)と脱炭効率で炭素濃度を推定し、
底吹きガス流量を変更した。脱炭効率は、(実効脱炭反
応酸素量(Nm3 ))/(吹錬酸素量(Nm3 ))から
求めた。また、底吹きガスは、吹錬中期に燃焼ガス再利
用装置20(図1参照)で得られた混合ガスを使用し、
転炉は5トン規模のものを使用した。
中に転炉内の溶湯の撹拌を強化し、溶湯表面における上
吹酸素ガスと炭素の反応を促進させる目的で吹込まれ
る。しかし、フェロマンガン溶湯の脱炭精錬において
は、図3に示されるように、溶湯炭素濃度が2%より低
くなるまでは上吹酸素による脱炭効率は約100%であ
るため、底吹きガス吹込みによる撹拌効果はほとんど認
められない。従って、溶湯炭素濃度が2%より低くなる
までは、底吹ノズルが閉塞しない程度の底吹きガス流量
であり、具体的には、上吹き酸素ガスの吹つけ流量の標
準状態換算で100容量部に対し3重量部以下の比率
(以下、3/100以下と表示する。)に保持される。
しかしながら溶湯炭素濃度が2%より低くなると、溶湯
表面における上吹き酸素ガスと溶湯中の炭素の接触機会
頻度が減少してくるため、底吹ガス流量の増大(15/
100〜30/100、好ましくは15/100〜20
/100)による攪拌強化で上吹き酸素ガスによる脱炭
効率が改善するのが認められた。また、図3に示される
ように、炭素濃度が1%より低くなると、更に攪拌を強
化することが脱炭効率には有利であり、(15/100
−30/100、好ましくは20/100−30/10
0)の底吹ガス流量とすることで上吹酸素ガスによる脱
炭効率の改善が図られる。また、低炭素濃度(炭素濃度
が2%以下)における底吹ガス流量の増大は、溶湯表面
でのCOガス分圧を低下させ、脱炭反応を促進すること
が確認された。
90%〜1.10%)域における脱炭効率のばらつきを
示す。図4に示されるように、低炭素濃度(0.90%
〜1.10%)域における上吹酸素ガスの脱炭効率は、
底吹ガス流量が少ない程低く、しかも脱炭効率のばらつ
きが大きい。底吹ガス流量が30/100近くにまで増
加すると、脱炭効率は最大になり、しかも脱炭効率のば
らつきが少なくなることが判明した。
素フェロマンガンの製造方法によれば、底吹ガスのCO
2 ガス濃度を低く抑えているため、底吹き羽口及びその
周辺の耐火物の損傷を防止でき、ランニングコストを低
くできる。また、底吹きガスの流量を、吹錬中の脱炭効
率の低下や高炭素フェロマンガン溶湯の炭素濃度の低下
に応じて増加させているため、少ないガス流量で効率良
く脱炭できる。
の製造装置では、貯蔵タンクに貯えられた燃焼ガスが供
給器を経由して、再び転炉内に吹き込まれ、転炉内の燃
焼ガスを再利用できるため、中・低炭素フェロマンガン
の製造コストを安くできる。
の製造装置を示す概略構成図である。
の推移を示すグラフである。
溶湯の炭素濃度の関係を示すグラフである。
ける脱炭効率のばらつきを示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 上吹きランス及び底吹き羽口を備えた転
炉で高炭素フェロマンガン溶湯を吹錬することにより中
・低炭素フェロマンガンを製造する中・低炭素フェロマ
ンガンの製造方法において、 前記上吹きランスから酸素ガスを前記高炭素フェロマン
ガン溶湯に吹きつけると共に、前記底吹き羽口から、C
Oガス濃度が65〜100%、CO2 ガス濃度が0〜2
5%、N2 ガス濃度が0〜10%の範囲の組成の混合ガ
スを、前記酸素ガスの吹きつけ流量の標準状態換算で1
00容量部に対して12〜30容量部の比率で、前記高
炭素フェロマンガン溶湯に吹き込むことを特徴とする中
・低炭素フェロマンガンの製造方法。 - 【請求項2】 上吹きランス及び底吹き羽口を備えた転
炉で高炭素フェロマンガン溶湯を吹錬することにより中
・低炭素フェロマンガンを製造する中・低炭素フェロマ
ンガンの製造方法において、 前記上吹きランスから酸素ガスを前記高炭素フェロマン
ガン溶湯に吹きつけると共に、前記底吹き羽口から、C
Oガス濃度が65〜100%、CO2 ガス濃度が0〜2
5%、N2 ガス濃度が0〜10%の範囲の組成の混合ガ
スを、前記吹錬中の脱炭効率の低下に応じて前記混合ガ
スの流量を増加させ前記高炭素フェロマンガン溶湯に吹
き込むことを特徴とする中・低炭素フェロマンガンの製
造方法。 - 【請求項3】 上吹きランス及び底吹き羽口を備えた転
炉で高炭素フェロマンガン溶湯を吹錬することにより中
・低炭素フェロマンガンを製造する中・低炭素フェロマ
ンガンの製造方法において、 前記上吹きランスから酸素ガスを前記高炭素フェロマン
ガン溶湯に吹きつけると共に、前記底吹き羽口から、C
Oガス濃度が65〜100%、CO2 ガス濃度が0〜2
5%、N2 ガス濃度が0〜10%の範囲の組成の混合ガ
スを、前記高炭素フェロマンガン溶湯の炭素濃度の低下
に応じて前記混合ガスの流量を増加させ前記高炭素フェ
ロマンガン溶湯に吹き込むことを特徴とする中・低炭素
フェロマンガンの製造方法。 - 【請求項4】 前記混合ガスの流量が、前記炭素濃度が
2%を越えるときは前記酸素ガスの吹つけ流量の標準状
態換算で100容量部に対し3容量部以下の比率、前記
炭素濃度が2%以下のときは前記酸素ガスの吹つけ流量
の標準状態換算で100容量部に対し15〜30容量部
の比率であることを特徴とする請求項3記載の中・低炭
素フェロマンガンの製造方法。 - 【請求項5】 前記混合ガスが、前記吹錬中に収集され
た前記吹錬中に生じた燃焼ガスを含むことを特徴とする
請求項1,2,3,又は4記載の中・低炭素フェロマン
ガンの製造方法。 - 【請求項6】 上吹きランス及び底吹き羽口を有する転
炉を備えた中・低炭素フェロマンガンの製造装置におい
て、 前記転炉内の燃焼ガスを収集する、前記転炉内に配置さ
れた燃焼ガス収集器と、 該燃焼ガス収集器から送られてきた燃焼ガスを貯える、
該燃焼ガス収集器に接続された貯蔵タンクと、 該貯蔵タンクから前記底吹き羽口に該貯蔵タンク内の燃
焼ガスを供給する、該貯蔵タンクに接続された供給器を
備えたことを特徴とする中・低炭素フェロマンガンの製
造装置。
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