JP2682856B2

JP2682856B2 - 育苗箱処理施設

Info

Publication number: JP2682856B2
Application number: JP32462588A
Authority: JP
Inventors: 弘藤本; 烈藤岡; 久仁雄川上; 進山本
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1988-12-21
Filing date: 1988-12-21
Publication date: 1997-11-26
Anticipated expiration: 2012-11-26
Also published as: JPH02171120A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、田植機での植付作業において用いられてい
るマット状苗を作る育苗箱の育苗箱処理施設に関する。

〔従来の技術〕

前述のような育苗箱処理施設の一例が、特開昭63−71
025号公報に開示されている。この育苗箱処理施設で
は、播種の終了した育苗箱（前記公報の第１図中の１）
が、搬送装置（前記公報の第１図中の５）により搬送さ
れ、エレベータ式の上下搬送装置（前記公報の第１図中
の10）の所定位置に送り込まれて、育苗箱が上下搬送装
置により上下方向の複数段に支持されながら順次上方に
持ち上げられていく。

育苗箱を積み重ね支持可能な支持台（前記公報の第１
図中の13）が、上下搬送装置の側部に備えられており、
上下搬送装置の上端部において、上下複数個の育苗箱
（前記公報の第１図では２個の育苗箱）が、移し換え装
置（前記公報の第１図中の11）により押し出されて支持
台に積み重ねられる。

以上のように上下搬送装置から支持台に上下複数個の
育苗箱を移し換えることにより、上下搬送装置から支持
台への育苗箱の押し出し速度をあまり速いものにしなく
ても、上下搬送装置から支持台への移し換えの処理個数
を多くすることができる。この場合、上下搬送装置から
支持台への育苗箱の押し出し速度があまり速くないの
で、移し換え時の育苗箱内での土の偏り等の弊害を伴う
ことがない。

〔発明が解決しようとする課題〕

育苗箱処理施設において、前述のように上下搬送装置
から支持台への移し換えの処理個数を多くすることがで
きる場合、育苗箱処理施設の全体の処理能力を上げるた
めには、上下搬送装置の上手側である搬送装置の搬送速
度を速くして、上下搬送装置の搬送速度を速くする必要
がある。

しかし、搬送装置の搬送速度を速くすると、これに伴
い育苗箱を搬送装置から上下搬送装置の所定位置に素早
く送り込まねばならなくなる。従って、育苗箱を搬送装
置の搬送作用で所定位置に送り込むにせよ、プッシャー
等の別の装置で所定位置に送り込むにせよ、上下搬送装
置に高速で送り込まれてきた育苗箱を、ストッパー等に
より上下搬送装置の所定位置で急停止させてしまう状態
となる。このような状態になれば、育苗箱内での土の偏
り等の弊害を伴うおそれがある。

本発明は、上下搬送装置から上下複数個の育苗箱を支
持台に移し換えるように構成した育苗箱処理施設におい
て、搬送装置の搬送速度を速くしても土の偏り等を伴う
ことなく、育苗箱を上下搬送装置に送り込むことができ
るように構成することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の特徴は育苗箱処理施設を、次のように構成す
ることにある。

播種後の育苗箱を搬送する搬送装置と、搬送装置の終
端側に配置される上下複数段の分岐搬送路と、搬送装置
により搬送されてくる育苗箱を上下複数段の分岐搬送路
に振り分けていく振り分け装置と、育苗箱を上下方向の複数段に支持して上方又は下方に
送る上下搬送装置とを備えて、上下複数段の分岐搬送路
の各々から育苗箱が上下搬送装置に送り込まれるように
構成すると共に、上下搬送装置の上端部又は下端部において、上下搬送
装置に支持される上下複数個の育苗箱を、上下搬送装置
の側部に配置される支持台側に押し出して、支持台に積
み重ねる移し換え装置を備えてある。

〔作用〕

本発明の構成において例えば第１図に示すように上下
２段の分岐搬送路（12），（13）を備えたとすれば、振
り分け装置（14）により下側の分岐搬送路（12）に育苗
箱（1a）が送られると、振り分け装置（14）により次の
育苗箱（1b）は上側の分岐搬送路（13）に送られると言
う状態になる。従って、一つの育苗箱（1a），（1b）と
後方の育苗箱（1c）との間隔（第１図の間隔（L₁）参
照）が、搬送装置（５）の育苗箱（１）の間隔（L₂）よ
りも広いものとなる。

以上のように、上下複数段の分岐搬送路の各々におい
て、間隔が広げられた状態で育苗箱が上下搬送装置の直
前位置に達するので、搬送装置の搬送速度を速くして
も、次の育苗箱が分岐搬送路の各々に直前位置に達する
まで、ある程度の時間を確保できる。これにより、上下
搬送装置の直前位置に達した育苗箱を、分岐搬送路から
上下搬送装置に比較的ゆっくりとした速度（土が動かな
い程度の速度）で送り込むことができる。

〔発明の効果〕

以上のように、上下搬送装置から上下複数個の育苗箱
を支持台に移し換えるように構成した育苗箱処理施設に
おいて、搬送装置の搬送速度を速くしても土の偏り等を
伴うことなく、育苗箱を上下搬送装置に送り込むことが
きるようになって、育苗箱処理装置の全体の処理能力を
向上させることができた。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第５図に示すように、積み重ね状態にある空の育苗箱
（１）を送るフィードコンベア（２）、フィードコンベ
ア（２）からの育苗箱（１）を吊り下げた状態で作業レ
ベルまで下降させるエレベータ（３）、積み重ねられて
いる育苗箱（１）を一つずつ取り出して搬送装置（５）
に送り出す育苗箱供給装置（４）等により育苗箱供給系
が構成されている。搬送装置（５）で搬送される育苗箱
（１）に床土を供給する床土供給部（６）、床土に水を
散布する潅水部（７）、床土に種子を蒔く播種部
（８）、及び播種後の育苗箱（１）に対して覆土を行う
覆土部（９）等により播種装置（11）が構成されてい
る。床土供給部（６）及び覆土部（９）に揚送コンベア
（19）、中間コンベア（20）及び正逆転コンベア（21）
を介して土が供給される。

搬送装置（５）により搬送される播種後の育苗箱
（１）は、搬送装置（５）から上下搬送装置（10）に送
り込まれるのであり、次に育苗箱（１）の上下搬送装置
（10）への送り込みの構成について説明する。第１図に
示すように搬送装置（５）の終端の下側に、第１分岐搬
送装置（12）（分岐搬送路に相当）が配置され、上側に
第２分岐搬送装置（13）（分岐搬送路に相当）が配置さ
れている。

第１及び第２分岐搬送装置（12），（13）の手前に、
搬送装置（５）の育苗箱（１）を第２分岐搬送装置（1
3）に持ち上げるリフト装置（14）（振り分け装置に相
当）が備えられている。第1,2,3図に示すように、チェ
ーン（図示せず）に複数の支持アーム（22a）を備え
て、チェーンを搬送装置（５）から見て上方に回転駆動
するリフトコンベア（22）が、搬送装置（５）の左右に
配置されており、上方の縦軸芯（P₁）周りに回転駆動さ
れるテーパーコーン（23a）を備えた送り装置（23）が
配置されて、リフト装置（14）が構成されている。

以上の構造により、カウンター（24）が奇数個目の育
苗箱（1b）を検出すると、停止していた左右のリフトコ
ンベア（22）が作動して、支持アーム（22a）により育
苗箱（1b）を上方に持ち上げていく。育苗箱（1b）が回
転しているテーパーコーン（23a）に触れると、リフト
コンベア（22）が停止しテーパーコーン（23a）の回転
力によって、育苗箱（1b）が第２分岐搬送装置（13）に
送り込まれていく。このように、奇数個目の育苗箱
（１）がカウンター（24）により検出されると前述のよ
うな操作が繰り返されて、奇数個目の育苗箱（１）が第
２分岐搬送装置（13）に送り込まれ、偶数個目の育苗箱
（１）が第１分岐搬送装置（12）に送り込まれていく。

第１分岐搬送装置（12）の搬送速度よりも第２分岐搬
送装置（13）の搬送速度を高速に設定してあり、第１図
に示すように第１分岐搬送装置（12）に送られた育苗箱
（1a）の次の育苗箱（1b）（第２分岐搬送装置（13）に
送られるもの）が、第１分岐搬送装置（12）の育苗箱
（1a）に追い付いていき、後述する上下搬送装置（10）
の直前位置において、第１分岐搬送装置（12）の育苗箱
（1a）と第２分岐搬送装置（13）の育苗箱（1b）が上下
に並ぶ。

第２分岐搬送装置（13）に対して第１図に示すよう
に、チェーン等の無端回動帯（図示せず）に一対のアー
ム（15a）が固定されたような送り込み装置（15）が備
えられており、送り込み装置（15）の送り込み速度が第
１分岐搬送装置（12）の搬送速度と同一に設定してあ
る。これにより、上下に並んだ育苗箱（1a），（1b）
が、送り込み装置（15）及び第１分岐搬送装置（12）に
より一緒に上下搬送装置（10）に送り込まれていく。

次に上下搬送装置（10）について説明する。第４図及
び第１図に示すように、上下一対のスプロケット（10
b）に巻回されたチェーン等の無端回動帯（10c）に、多
数の支持片（10a）が取り付けられており、無端回動帯
（10c）が第１分岐コンベア（12）の左右に配置されて
いる。これにより、第１分岐搬送装置（12）から送り込
まれてくる育苗箱（１）が、ストッパー（10d）により
支持片（10a）の所定位置で止められ、第２分岐搬送装
置（13）から送り込まれてくる育苗箱（１）が、上下搬
送装置（10）で落下して下の育苗箱（１）に積み重ねら
れる。このように上下搬送装置（10）において上下２個
に積み重ねられた育苗箱（１）が、上下搬送装置（10）
により上方に送られていく。上下搬送装置（10）の前後
に一対のガイド（10e）が備えられており、積み重ねら
れた育苗箱（１）の前後方向のズレを無くすようにして
いる。

上下搬送装置（10）の上端部において、第１図に示す
ように上下２個の育苗箱（１）が、移し換え装置（16）
により出芽台（17）に移し換えられる。移し換え装置
（16）はチェーン等の無端回動帯（図示せず）に、３組
のアーム（16a）が固定された構造をしている。支持台
（17）はエレベータ（18）に載せられており、育苗箱
（１）が支持台（17）に積み重ねられる度にエレベータ
（18）が下降していく。以上のように所定個数の育苗箱
（１）が支持台（17）に積み重ねられると、支持台（1
7）が出芽室（図示せず）に運ばれていく。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
ために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の
構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る育苗箱処理施設の実施例を示し、第
１図は搬送装置、第１及び第２分岐搬送装置、上下搬送
装置付近の側面図、第２図はリフト装置付近の正面図、
第３図はリフト装置付近の平面図、第４図は上下搬送装
置の正面図、第５図は育苗箱処理施設の全体側面図であ
る。（１）……育苗箱、（５）……搬送装置、（10）……上
下搬送装置、（12），（13）……分岐搬送路、（14）……振り分け装
置、（16）……移し換え装置、（17）……支持台。

フロントページの続き (72)発明者山本進大阪府堺市石津北町64番地久保田鉄工株式会社堺製造所内 (56)参考文献特開昭61−114923（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−199730（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−71025（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】播種後の育苗箱（１）を搬送する搬送装置
（５）と、前記搬送装置（５）の終端側に配置される上
下複数段の分岐搬送路（12），（13）と、前記搬送装置（５）により搬送されてくる育苗箱（１）
を、前記上下複数段の分岐搬送路（12），（13）に振り
分けていく振り分け装置（14）と、育苗箱（１）を上下方向の複数段に支持して上方又は下
方に送る上下搬送装置（10）とを備えて、前記上下複数
段の分岐搬送路（12），（13）の各々から育苗箱（１）
が前記上下搬送装置（10）に送り込まれるように構成す
ると共に、前記上下搬送装置（10）の上端部又は下端部において、
前記上下搬送装置（10）に支持される上下複数個の育苗
箱（１）を、前記上下搬送装置（10）の側部に配置され
る支持台（17）側に押し出して、前記支持台（17）に積
み重ねる移し換え装置（16）を備えてある育苗箱処理施
設。