JP2682691B2 - 高強度鋼板の製造法 - Google Patents

高強度鋼板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鋳造ままあるいは鋳造後の軽圧下圧延で、
優れた強度・延性バランスを有する鋼板の製造方法に関
するものである。
[従来の技術] 鋼板の製造技術においては製造コストの低減のため工
程の簡略化や直行化が強く指向されてきている。製品の
厚みに近い鋳片に鋳造する技術もこの傾向の一つの表れ
と言える。
しかしながら鋳造ままの鋼材のオーステナイト粒径は
通常数mmであり、従来の熱間圧延工程によって達成し得
る粒径と比較して非常に粗大であるため、変態後のフェ
ライト組織も粗くなる傾向がある。これはフェライト粒
の優先生成サイトが通常オーステナイト粒界であること
に起因している。このような粗大組織は一般に強度・延
性バランスや疲労強度などの機械的性質を劣化し、高強
度鋼板が必要とする強度や他の特性を満足しない。
このような冶金組織学的な問題点に対し、最近鋼中に
微細分散する酸化物などを有効利用してオーステナイト
粒界だげてはなく粒内からもフェライト変態をおこさせ
ることにより極めて微細な組織が得られる技術が開発さ
れている。このような現象を鋼板の製造方法に適用した
例としては、特開昭61−213322号公報に開示されている
Ti系酸化物をその核としたものがあり、鋼中酸化物の粒
子径や分散量について検討されている。
しかし前述の公報は主に厚板製造を念頭に、その製造
条件及び必要とされる機械的特性が調査されており、こ
のような粒内変態組織が鋳造厚みを数mmとした場合にで
きるかどうか、また延性や疲労強度などの他の特性を満
足しているかどうかについてはふれられていない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は鋳造まま、もしくはオーステナイト温度域で
の軽圧下圧延のみで強度・延性バランスの優れた高強度
鋼板の製造法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の基本となる原理は上記に示した粒内変態であ
り、その核として変態前に存在する析出物を有効利用す
ることにある。このためその製造技術においては、これ
らの析出挙動をいかに制御するかが重要であり、前述の
特開昭61−213322号公報では鋼中の酸化物に注目し、お
もに凝固時の論度制御について詳しく開示されていた。
しかしながらこれらの酸化物はフェライトの変態核と
して直接働くものではないこと、つまりむしろ凝固後引
続き析出するMnSやTiNなどのオーステナイト中で析出す
る析出物がこの現象の中核であることが最近の研究の結
果明らかになってきた。よってこの種の現象において
は、オーステナイト中、すなわち900℃から1400℃の温
度範囲の制御がより重要であり、合わせてこれらの低温
域で析出する元素の組成についても明確にしていくこと
が製造上重要と言える。
かかる現象を踏まえ、本発明は鋳造板厚1〜10mmの鋼
より粒内変態により微細なウイッドマンシュテッテンフ
ェライト組織を形成せしめて、鋳造まま、もしくは軽圧
下圧延のみで強度・延性バランスの優れた高強度鋼板の
製造を可能にするものであり、上記のような製造時のオ
ーステナイト域の冷却速度、酸化物以外の析出物の生成
条件、凝固時のオーステナイト粒径を考慮した臨界圧延
条件を制御することを特徴とする。
以下に本発明について詳細に説明する。
まず本発明鋼の成分の限定理由について述べる。
Cは鋼材の強度を高めるため必要不可欠な元素である
が過剰の添加は溶接性を劣化させるため0.2%以下とし
た。また特に限定はしないがCの下限については従来工
程でウイッドマンシュテッテンフェライト組織が得られ
る0.02%以上とすることが望ましい。
Siはやはり鋼材の強度を高めるため必要不可欠な元素
であるが、過剰の添加は鋼材の延性を劣化させることか
ら2.0%以下とした。
Mnも鋼材の強度を高めるが、製鋼工程における組成制
御のコストが低く抑えられる範囲で、本発明において
は、2.0%以下と限定する。またその下限については特
に限定はしないが、Mnが本発明において重要なMnSの構
成元素であり、後述する鋼中Mn濃度の局部的な差が明瞭
に現れるよう0.1%以上とすることが望ましい。
Tiは鋼中に不可避的元素として含まれるOと結合し、
TiOもしくはTi2O3のとしてフェライト変態の核に寄与す
ること、他方、Nと結合しTiNとして鋼中のNを固着す
ることにより後述するBを固溶状態でオーステナイト粒
界に偏析させる効果があり、本発明鋼において最も重要
な元素である。このためその下限としては上記の効果が
現れる0.002%とし、その上限については過剰な添加がT
iCの析出を促し析出硬化によって延性の劣化を招くこと
のないよう0.05%とする。
Bは微量の添加でオーステナイト粒界に偏析し、粒界
から生成するフェライトを制御することで相対的に粒内
変態を促す効果があり、またBNやFe23(C.B)といっ
た析出物として直接的に寄与する効果も考えられ、本発
明に不可欠な元素である。そこでこの下限については従
来材で偏析効果の現れる0.0003%とする。また上限につ
いては多すぎると変態時に熱間割れを生じる可能性があ
り、また延性の劣化が著しくなることから0.01%以上と
する。
Sは本発明において重要な役割を果たすMnSの構成元
素である。しかし過剰の添加は熱間割れの原因となるこ
と、また下限については脱硫コストの上昇等の問題から
0.002%から0.05%と限定する。
Nは鋼中の不可避的成分の一つであるが、本発明鋼に
おいてはTiNを形成するための構成元素として重要であ
る。しかし0.01%以上の添加は延性の劣化を招くことか
らこれを限定する。
次に製造方法について述べる。
本発明においては、以上述べたような成分の鋼を鋳造
厚み1〜10mmで鋳造後、凝固からAr3点温度までの間を
平均冷速5℃/s以上30℃/s以下の冷却速度で冷却しなけ
ればならない。
これはオーステナイト中で析出してくるMnS等の析出
物を非平衡状態、つまり析出の成長途上の状態にして、
これらの析出物とオーステナイトとの界面近傍で析出物
構成元素の濃度勾配を形成させるためである。これによ
り析出物の回りでフェライト生成傾向が顕著になり、粒
内変態を促進することができる。このような濃度勾配は
析出が起こらないほどの急冷では形成されず、また徐冷
やγ域での長時間保定を行うと平衡量まで析出が進行し
てしまい形成された勾配が消失してしまうため、上記の
ような最適冷速の範囲が必要となる。
さらにこの温度域で鋼板の表面形状などの要素を考慮
して圧延を施す場合、その総歪量は対数歪で1.0以下に
しなければならない。
なぜならば、本発明のような粒内変態現象にとって、
粒界から生成するフェライトの形成は組織の粗大化、不
均一化につながるため、そのサイトとなる粒界面積はで
きるだけ少ないことが望ましいためである。このような
立場では、加工によって再結晶が進行しオーステナイト
粒径が小さくなることは不利であるし、また未再結晶域
での加工は粒界に歪を蓄積させ、粒界の変態に対する活
性化を促すことになるためやはり好ましくない。
上記のような粒界からのフェライト生成を回避するた
めの臨界のオーステナイト粒径はおよそ200μmであ
り、凝固時に形成される初期粒径から考えて、総歪量で
1.0以下ならばほぼこの条件を満足し得る。
また変態時の冷却速度については、あまり遅いと粒界
で生成したフェライトが成長し、組織が粗大化するた
め、900℃から600℃までを急冷し、従来この温度範囲で
生成する粒界生成フェライトの変態を抑制し、変態の過
冷度が十分高くなった600℃近傍より粒内変態を起こさ
せることが必要である。これらのことから本発明におい
ては900℃から600℃の温度範囲についてその冷速10℃/s
以上と限定する。
また600℃以下の温度制御については特に限定しない
が最終的な組織が微細なウイッドマンシュテッテンフェ
ライトとなるように、粗大なベイナイトやマルテンサイ
ト組織が形成されることのないよう100℃/s以下とする
ことが望ましい。
[実 施 例] 第1表に真空溶解にて製造した供試鋼の化学成分を示
す。
第2表には製造条件、及び得られた組織とその強度、
延性の値を示す。比較材中に示した下線の値は本発明条
件から外れているものを示している。
本発明法で製造した鋼1〜5はいずれも微細なウイッ
ドマンシュテッテンフェライト組織からなっており、そ
の強度レベルは成分により大きく変化しているが、強度
・延性バランスで見るとすべて1700以上の値を示しいる
ことがわかる。これは従来工程である厚スラブから多段
圧延を行って得られる熱延鋼板の値とほぼ同等であり、
これにより薄肉CCプロセスにおいても本発明法によれば
従来材と同等の鋼板が製造できることがわかる。
一方、比較材である鋼6は変態域の冷速が遅いため粗
大なオーステナイト粒界から変態したフェライトが成長
してしまい、全体に粗大フェライト組織となったため強
度が下がっている。
また鋼7は加工時の歪量が大きかったため、オーステ
ナイト組織が不均一化し、その結果得られた組織も混粒
を呈している。このため強度・延性バランスが著しく低
い。
さらに鋼8は鋳造厚みが大きくそのオーステナイト域
の冷速が遅かった例である。この鋼ではフェライトの核
となるべき鋼中析出物近傍の過飽和度が減少しており、
これらの核生成能力が低下していたため、やはり組織は
粗大化している。鋼9と10は本発明において不可欠な元
素であるTiとBがそれぞれ無添加のため、やはりオース
テナイト粒内の変態が進行せず、組織が不均一化し、特
に延性の点で劣っている。
このように本発明法から外れた条件では、その強度・
延性バランスは1600以下といった従来材よりもかなり劣
るものとなっている。
[発明の効果] 以上述べたように本発明法によれば、従来粗大フェラ
イト組織が主体であると考えられていた鋳造厚みが薄
く、軽圧下しかできない薄肉CCプロセスにおいても、微
細な組織を得ることができ、これにより従来工程材と同
等の強度・延性バランスを有する高強度鋼板を製造する
ことが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/14 C22C 38/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で C:0.20%以下 Si:2.0%以下 Mn:2.0%以下 Ti:0.002〜0.05% B:0.0003〜0.010% S:0.002〜0.05% N:0.01%以下 を基本成分とし、残部鉄および不可避的成分からなる溶
    鋼を鋳造厚み1〜10mmで鋳造凝固せしめて、凝固からAr
    3点温度までの平均冷速を5〜30℃/sとし、鋳造ままも
    しくはAr3点温度以上で1パスもしくは多パスにて総歪
    量を対数歪で1.0以下の軽圧下圧延を行った後、900℃か
    ら600℃までの平均冷速を10℃/s以上で冷却することを
    特徴とする、微細なウイッドマンシュテッテンフェライ
    ト組織よりなる高強度鋼板の製造法。
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