JP2682367B2 - 家具におけるアジャスタ装置 - Google Patents

家具におけるアジャスタ装置

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JP2682367B2 JP5026758A JP2675893A JP2682367B2 JP 2682367 B2 JP2682367 B2 JP 2682367B2 JP 5026758 A JP5026758 A JP 5026758A JP 2675893 A JP2675893 A JP 2675893A JP 2682367 B2 JP2682367 B2 JP 2682367B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビネット等の家具
に適用されるアジャスタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のアジャスタ装置は、アジ
ャスタベースを家具の底面にボルトにより取付け、この
アジャスタベースに床面に接地するアジャスタ本体を上
下位置調整可能に螺着しているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種のア
ジャスタ装置には、家具の移動等に際して大きな倒れ力
が作用する。そのため、一定の強度を確保するために
は、各アジャスタベースを複数本のボルトにより家具底
面に確実に止着しておかなければならない。このような
事情から、従来のアジャスタ装置には、部品点数が多く
なるとともに組付けに多大な工数を要するという問題が
ある。なお、他の装置として、家具の底面に直接ナット
加工を施したり、直接ナットを溶接し、そのナット部分
にアジャスタ本体を螺着するようにしたものもある。し
かしながら、嵩の高い家具の底面に直接細かい加工を施
すことは難しく、製造ラインの複雑化を招くという問題
がある。また、この場合には、家具本体を塗装する際に
塗料がナットのめねじ部にまで侵入し易く、アジャスタ
本体を螺着しにくくなるという不具合もある。
【0004】本発明は、かかる問題点を解消することを
目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る家具におけるアジャスタ装
置は、家具の底部にアジャスタベースを装着し、このア
ジャスタベースに接地部を有するアジャスタ本体を上下
位置調整可能に保持させてなるアジャスタ装置であっ
て、家具の底部に、下方に向けて開口する凹部を設ける
とともに、前記アジャスタベースに前記凹部に旋回不能
に嵌合する嵌合部を設けておき、この嵌合部と前記凹部
との間に部材の弾性変形を利用して係合する抜止用の凹
凸係合部を設け、前記嵌合部の周壁における一対の対面
位置に前記凹部に設けた開口窓の形状に対応する形の枠
部を形成し、倒れ力がアジャスタベースに作用したと
き、前記枠部の外面が前記開口窓の内縁に当接してその
倒れ力を受け止めるようにしていることを特徴としてい
る。
【0006】
【作用】このような構成により、家具の底部に設けた凹
部にアジャスタベースの嵌合部を圧入すると、嵌合部は
凹部に対して旋回不能に嵌合するとともに、かかる嵌合
時に部材の弾性変形を通じて嵌合部と凹部との間に抜止
用の凹凸係合部が形成される。また、嵌合部の周壁の一
対の対面位置には、凹部の開口窓の形状に対応する形の
枠部を形成している。そのため、このものはアジャスタ
ベースを家具の底部にボルト等を用いることなくワンタ
ッチ感覚で装着できるにも拘らず、一旦装着した後は、
アジャスタベースのガタつきや抜出を確実に防止できる
ものとなる。加えて、アジャスタベースに倒れ力が作用
すると、枠部の外面が開口窓の内縁に当接してその倒れ
力を受け止めるので、凹凸係合部にその倒れ力が直接作
用することを防止することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0008】このアジャスタ装置は、図1に示すよう
に、家具であるデスク1の袖部側の底部1aにおける四
隅にアジャスタベース21を装着し、それらのアジャス
タベース21に接地部23aを有するアジャスタ本体2
3を上下位置調整可能に保持させるようにしたものであ
る。袖部は、一対の側板11を所定間隔を隔てて対面配
置し、両側板11の前端側の内面間を上向チャンネル状
の補強桟12を介して連結するとともに、後端側の内面
間を下向チャンネル状の補強桟13を介して連結するこ
とにより構成されている。具体的には、前端側の補強桟
12と側板11との交叉部分には、図2〜図7に示すよ
うに一対のL字金具14aの間を連結板14bを介して
連結した構成からなる補強用ブラケット14が配設して
あり、そのL字金具14aの水平部14a1 を補強桟1
2の折曲部12aの内面に溶接により剛着するととも
に、鉛直部14a2 を側板11の内面に形成した枠体1
1aの内部に挿入して内面に溶接により剛着している。
また、後端側の補強桟13は、図8〜図10に示すよう
に長手方向の両端が側板11の折曲部11bの間に載設
されその部位が溶接により剛着されているとともに、こ
の補強桟13の幅方向の縁部が背板15の折曲片15a
上に載設され、更にその縁部から背板15の内面に沿っ
て延出させた起立片13dが該背板15の内面に溶接に
より剛着されている。
【0009】このようなデスク1に対して、本実施例
は、図1に示すように、デスク底部1aの四隅に下方に
向けて開口する凹部22、24をそれぞれ設けるととも
に、前記アジャスタベース21にそれらの凹部22、2
4に旋回不能に嵌合する嵌合部21aを形成し、それら
嵌合部21aと前記凹部22、24との間に部材の弾性
変形を利用して係合する抜止用の凹凸係合部25、26
をそれぞれ構成するようにしている。具体的には、図4
〜図7に示すように、前記補強用ブラケット14の連結
板14bをプレス成形することにより、該ブラケット1
4に頂部14cと、一対の壁部14dと、一対の折曲蓋
14e、14hとによって囲繞される略正方形状の空間
を形成し、その空間内に前記凹部22を設定している。
そして、頂部14cの中央に後述するアジャスタ本体2
3の軸部23cを挿入するための孔22aを穿設すると
ともに、連結板14bから壁部14dを経て頂部14c
に亘る部分に、側面視および平面視がともに矩形状をな
すような開口窓22bを穿設している。前記凹部22は
補強桟12に設けた切欠部12bを介して下方に開口し
ている。また、図8〜図10に示すように、前記補強桟
13のチャンネル状の凹みをそのまま凹部24として利
用し、その頂部13aの中央にアジャスタ本体23の軸
部23aを挿通するための孔24aを穿設するととも
に、補強桟13の底部13bから壁部13cを経て頂部
13aに亘る部分に、側面視および平面視がともに矩形
状をなすような開口窓24bを穿設している。なお、2
4cは切起し片である。
【0010】一方、アジャスタベース21は、図11〜
図15に示すように、前記各凹部22、24に嵌合する
大きさを有したブロック体状の嵌合部21aと、この嵌
合部21aよりも幅広な鍔部21bとを備えた樹脂一体
成形品であって、成形時に中央部にボス部21cを設
け、そのボス部21cの下半部に埋設ナット部材21d
を被包させている。ボス部21cはリブ21eを介して
嵌合部21aの周壁に支持され、埋設ナット部材21d
はその座金部21d1 において脱落防止が図られてい
る。また、嵌合部21aの周壁における一対の対面位置
には、開口窓22b、24bの形状に対応した平面視コ
字形の枠部21gが形成してあるとともに、その枠部2
1g内に、上端を樹脂ヒンジ部21f1 としその樹脂ヒ
ンジ部21f1 から下方に向かって垂下する弾性折曲部
21fが設けてあり、その弾性折曲部21fの外表面に
「く」字形に屈曲する突出部21f2 を形成している。
前記枠部21gは、アジャスタベース21を凹部22、
24に嵌合させたとき、それらの凹部22、24の開口
窓22b、24bを介して外部に表出するようにしてあ
り、また前記突出部21f2 は、アジャスタベース21
を前記凹部22、24に嵌合させたとき、それらの開口
窓22b、24bの内縁に押圧されてヒンジ部21f1
を支点に内方へ折り畳まれるような寸法関係にしてい
る。また、嵌合部21aが凹部22、24内に完全に収
容されたときに(図2、図3、図8、図9における想像
線参照)、突出部21f2 が開口窓22b、24bに臨
む部位に位置づけられるように設定してある。
【0011】さらに、アジャスタ本体23は、図16に
示すように床面との摩擦係数の大きい樹脂等により作ら
れた接地部23aと、その接地部23aの上方に設けた
六角ナット状のスパナ係合部23bと、そのスパナ係合
部23bから上方に突出する軸部23cとを具備してな
るもので、軸部23cは前記アジャスタベース21の埋
設ナット部材21dに対して螺進退可能に装入され得る
ようにしてある。
【0012】しかして、本アジャスタ装置を取付ける際
には、各凹部22、24に対してアジャスタベース21
の嵌合部21aを圧入あるいは打設する。このとき、嵌
合部21aは弾性折曲部21fを折り畳んだ状態で凹部
22、24内に次第に深く挿入される。そして、突出部
21f2 が開口窓22b、24bに臨む部位に来たとき
(図2、図3、図8、図9における想像線参照)、弾性
折曲部21fに対する凹部22、24からの押付力が消
勢して、該折曲部21fがヒンジ部21f1 を支点にし
て弾性復元動作を行う。そして、突出部21f2 を開口
窓22b、24b内に突出させる。このとき、弾性折曲
部21fと開口窓22b、24bとの間にそれぞれ凹凸
係合部25、26が形成される。しかして、この状態に
おいては、突出部21f2 の下面が連結板14bまたは
切起片24cに当接して、嵌合部21aの凹部22、2
4からの脱落が防止され、しかも該嵌合部21aは凹部
22、24によって旋回不能に保持される。このように
してアジャスタベース21を取り付けた後、アジャスタ
ベース21の埋設ナット部材21dにアジャスタ本体2
3の軸部23cを螺着し、上下位置調整を行いながら適
当な位置まで螺入したら、接地部23aを床面に接地さ
せて作業を完了する。なお、アジャスタ本体23の軸部
23cをアジャスタベース21の埋設ナット部材21d
に予め螺着しておき、その状態でアジャスタベース21
を凹部22、24に装着してもよいのは勿論である。
【0013】以上のようなものであれば、アジャスタベ
ース21を凹部22、24に対してワンタッチ感覚で装
着できることになり、しかも、嵌合部21aは凹部2
2、24内に旋回不能に嵌合保持されるため、アジャス
タベース21の凹部22、24内におけるガタつきや該
凹部22、24からの脱落が確実に防止され、デスク1
の移動等に際して大きな倒れ力が作用しても十分な強度
が発揮されるものとなる。したがって、本実施例のアジ
ャスタ装置を適用すると、従来のように複数のボルトを
用いてデスクの底部にアジャスタベースを取り付ける場
合に比べて、部品点数の低減化と、組付け工数の削減と
を果たす優れた効果が奏される。しかも、アジャスタベ
ース21に倒れ力が作用したとき、枠部21gの外面が
凹部22、24の開口窓22b、24bの内縁に当接し
てその倒れ力を受け止めるので、弾性折曲部21fにそ
の倒れ力を直接作用させないようにして、該弾性折曲部
21fの折れ止め等を効果的に図ることができる。この
ような構成は、4方を壁で囲まれていない後端側の凹部
24において特に有効となる。また、嵩の高い家具の底
部に細かいねじ切り加工や溶接加工を施す必要がなくな
るため、製造ラインの複雑化を招くこともない。しか
も、家具の塗装後にアジャスタ装置を組み付けることが
できるので、ねじ孔に塗装が付着してアジャスタ本体の
螺装に手間がかかるという不具合もなくなる。
【0014】なお、凹部や嵌合部の断面形状等を始めと
して、各部の具体的な構成は図示例に限定されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可
能である。
【0015】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、アジャ
スタ装置を、家具本体側の凹部とこの凹部内に旋回不能
に嵌装されるアジャスタベース側の嵌合部とから構成
し、しかもアジャスタベースに倒れ力が作用したとき、
枠部の外面が凹部の開口窓の内縁に当接してその倒れ力
を受け止めるように構成し、嵌合部を凹部内に嵌装した
ときに両者間に部材の弾性変形を利用して凹凸係合部を
形成するようにしたため、アジャスタベースを家具本体
の底部にボルト等を用いることなくワンタッチ感覚で装
着できるにも拘らず、アジャスタベースのガタつきや脱
落を防止して該アジャスタベースに作用する倒れ力を有
効に支持できるものとなる。したがって、アジャスタと
しての強度を損なうことなく、部品点数を削減し製作や
組付に要する工数を無理なく削減することができるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、アジャスタ装置が適
用されるデスク底部の斜視図。
【図2】同デスクの前端側の底部を拡大して示す図。
【図3】図2におけるIII-III 線断面図。
【図4】同デスクの前端側の補強桟および補強用ブラケ
ットを示す斜視図。
【図5】同ブラケットの正面図。
【図6】図5の平面図。
【図7】図5の右側面図。
【図8】同デスクの後端側の底部を示す図。
【図9】図8におけるIX-IX 線断面図。
【図10】同デスクの後端側の補強桟を示す斜視図。
【図11】同実施例のアジャスタベースを示す斜視図。
【図12】同アジャスタベースの正面図。
【図13】図12の平面図。
【図14】図12におけるXIV-XIV 線断面図。
【図15】図12の底面図。
【図16】同実施例のアジャスタ本体を示す斜視図。
【符号の説明】
1…家具(デスク) 2…アジャスタ装置 21…アジャスタベース 21a…嵌合部21g…枠部 22…凹部22b、24b…開口窓 23…アジャスタ本体 23a…接地部 24…凹部 25、26…凹凸係合部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】家具の底部にアジャスタベースを装着し、
    このアジャスタベースに接地部を有するアジャスタ本体
    を上下位置調整可能に保持させてなるアジャスタ装置で
    あって、 家具の底部に、下方に向けて開口する凹部を設けるとと
    もに、前記アジャスタベースに前記凹部に旋回不能に嵌
    合する嵌合部を設けておき、この嵌合部と前記凹部との
    間に部材の弾性変形を利用して係合する抜止用の凹凸係
    合部を設け、前記嵌合部の周壁における一対の対面位置
    に前記凹部に設けた開口窓の形状に対応する形の枠部を
    形成し、倒れ力がアジャスタベースに作用したとき、前
    記枠部の外面が前記開口窓の内縁に当接してその倒れ力
    を受け止めるようにしていることを特徴とする家具にお
    けるアジャスタ装置。
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