JP2682243B2 - ラジアル走査式超音波検査装置 - Google Patents

ラジアル走査式超音波検査装置

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JP2682243B2
JP2682243B2 JP3027666A JP2766691A JP2682243B2 JP 2682243 B2 JP2682243 B2 JP 2682243B2 JP 3027666 A JP3027666 A JP 3027666A JP 2766691 A JP2766691 A JP 2766691A JP 2682243 B2 JP2682243 B2 JP 2682243B2
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俊積 田中
雅明 石黒
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富士写真光機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、経内視鏡的に体腔内等
に挿入される超音波プローブを有するラジアル走査式超
音波検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波検査装置として、近年、先端に超
音波振動子を設けた超音波プローブを内視鏡における鉗
子等の処置具を挿通するために設けられているチャンネ
ル部を介して体内に挿入して、体内壁から超音波の送受
信を行うようにしたものが開発されている。そして、こ
の種の超音波プローブにおける超音波の走査方式として
は、超音波プローブをチャンネル部から抜き差しする方
向に変位させながら走査させるリニア走査タイプのもの
や、超音波振動子を回転駆動することによるラジアル走
査タイプのものも用いられている。
【0003】経内視鏡的に挿入される超音波プローブを
備えた超音波検査装置におけるラジアル走査タイプのも
のにあっては、その走査機構としては、モータ等からな
る回転駆動手段と、回転角度を検出する回転角検出手段
とから構成される。この種の超音波プローブは内視鏡の
チャンネル部に挿通されるという関係から、その超音波
プローブは、少なくとも先端に装着される超音波振動子
を含めて、チャンネル部内に挿通される部分は極く細径
なものとしなければならない。このために、超音波振動
子を回転駆動するための機構は超音波振動子の近傍位置
には設けることはできず、少なくともチャンネル部の外
部位置に設け、この回転駆動手段と超音波振動子との間
を回転伝達手段を介して接続しなければならない。この
回転伝達手段としては、通常、2重乃至それ以上の多重
コイルばねからなる回転伝達ケーブルを用い、この回転
伝達ケーブルを可撓性スリーブ内に挿通させるようにし
ている。例えば2重のコイルばねを用いる場合には、内
側のコイルばねの巻回方向と外側のコイルばねの巻回方
向とを反対方向となし、これを所定の方向に捩じ回す
と、内側のコイルばねが拡径し、外側のコイルばねが縮
径することになって両コイルばねが密着した状態とな
り、これによって回転トルクの伝達が行われる。またコ
イルばねを3重に巻回して、その中間のコイルばねを内
側及び外側のコイルばねと反対方向に巻回すれば、両方
向に回転の伝達が行われる。そして、超音波送受信用の
信号ケーブルはこの多重コイルばねの内部に挿通させる
ように構成している。
【0004】ここで、前述したラジアル走査式超音波検
査装置において、超音波観測装置に超音波画像を表示す
るためには、超音波振動子による超音波の受信信号と共
に、この超音波振動子の回転角度位置に関する情報も取
得しなければならない。以上のことから、超音波振動子
の回転伝達手段には、この超音波振動子を回転駆動する
ための回転駆動手段としてのモータと、その回転角度位
置を検出するための手段、例えばエンコーダとを設ける
必要がある。従来技術のものにあっては、このモータと
エンコーダとをユニット化して超音波観測装置に装着す
るか、またはこのユニットを内視鏡のチャンネル部にお
ける処置具等の挿入口に着脱可能に装着するように構成
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したユ
ニットを内視鏡のチャンネル部の挿入口に設けるように
すると、このユニットはモータとエンコーダとを内蔵し
た比較的重量のある部材であることから、内視鏡の操作
部本体が重量化することになり、この操作部本体を把持
して操作する術者等の操作者にとって大きな負担とな
る。また、モータは振動を発生させるものであることか
ら、その作動中は内視鏡に振動が伝わり、本体操作部を
把持する手に振動が伝達して煩わしいだけでなく、内視
鏡の観察にも支障を来たすおそれがある。特に電子内視
鏡にあっては、電気的なノイズが発生するという不都合
も生じる。これに対して、超音波観測装置側にユニット
を設けるようにすれば、前述した欠点はないが、エンコ
ーダが超音波振動子から極めて離れることになり、この
超音波振動子の回転角度を正確に検出することができな
いという欠点がある。
【0006】本発明は叙上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、内視鏡の重量軽減と
振動防止とを図り、かつ超音波振動子の回転角度を正確
に検出することができるようにしたラジアル走査式超音
波検査装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、回転伝達ケーブルを介して超音波振
動子を回転駆動する回転駆動手段と、この超音波振動子
の回転角度を検出する回転角検出手段とからなる走査機
構を備え、超音波プローブを内視鏡に装着したときに、
回転駆動手段可撓性コードの途中における内視鏡の本
体操作部に荷重がかからない位置または超音波観測装置
内に設置し、回転角検出手段内視鏡のチャンネル部の
処置具等の挿入口またはその近傍位置に配設する構成と
したことをその特徴とするものである。
【0008】
【作用】ところで、従来技術においては、走査機構とし
てのモータとエンコーダとを一体的にユニット化してい
たのが問題であり、その機能上、モータはあくまでも回
転伝達手段として、超音波振動子に接続した回転伝達ケ
ーブルを回転駆動するための手段であり、また回転角検
出手段は超音波振動子の回転角度を検出することによっ
て、超音波振動子の走査位置を検出するものであり、両
者は必ずしも一体的に設ける必要はなく、それぞれ別々
の位置に配設することができるものである。モータは多
少超音波振動子から離れた位置に設置されていても、回
転伝達ケーブルさえ十分な回転伝達能力を持ったもので
あれば、多少の遅れはあるものの、回転の伝達には支障
を来たすことはない。従って、このモータは固定的に設
置されている超音波観測装置内または超音波観測装置の
壁面等に固定可能な位置、若しくは可撓性コードの途中
であっても、床面,机上その他の固定的に設けられてい
る部材に設置可能な位置、やハンガに吊下する等、内視
鏡の本体操作部以外の部位に支持可能な状態に設けるよ
うにするのが、重量の軽減及び振動の伝達防止等の観点
から好ましい。
【0009】一方、回転角検出手段としてのエンコーダ
等はモータより軽量であり、また振動も発生することは
ない。しかも、回転伝達ケーブルは内視鏡のチャンネル
部内においては、このチャンネル内壁に規制されて、振
れや旋回等を起こすおそれはなく、このために当該の部
分では超音波振動子の回転と回転伝達ケーブルとの回転
はほぼ正確に一致する。ところが、チャンネル部の外に
おいては、完全に自由状態となっているから、振れや旋
回,捩れ等が生じるおそれがある。また、操作中におい
て、内視鏡の本体操作部を動かしたとき等のような外部
的要因もあることから、超音波振動子の回転と超音波プ
ローブの超音波観測装置への接続部における位置とで
は、必ずしも回転位相の整合性が取れる訳ではない。特
に、モータを超音波観測装置内またたその壁面に固定し
て設けた場合において、この超音波観測装置と患者との
間の距離に融通性を持たせるために、超音波プローブを
ある程度長くすると、前述した回転位相の整合性の欠如
するおそれが極めて高くなる。以上の観点から、回転角
検出手段はチャンネル部に装着するか、またはチャンネ
ル部に極めて近い位置に設けるようにする。これによっ
て、超音波振動子の回転角度をほぼ正確に検出すること
ができるようになり、超音波観測装置において、良好な
超音波画像を表示することができるようになる。
【0010】ここで、超音波振動子と回転角検出手段と
の回転位相の整合性をさらに正確にするためには、自由
状態となっているチャンネル部の導入部から超音波観測
装置までの部分において生じる回転むらを吸収させて、
少なくともチャンネル部内側にはこの回転むらが伝達す
るのを防止するためのフライホールを回転角検出手段を
収納するハウジングに設ければよい。
【0011】而して、この回転角検出手段を収納したハ
ウジングをチャンネル部の挿入口に着脱可能に装着する
ように構成すれば、その安定を図ることができる。ま
た、この導入部から多少離れた位置に設けるようにすれ
ば、チャンネル部の長さの差を吸収することができ、ま
た内視鏡の挿入部の先端部の位置と超音波検査を行う位
置との相対的位置関係を自由に設定することができるよ
うになる。
【0012】さらに、回転角検出手段を収納するハウジ
ングをチャンネル部の挿入口に装着する場合にあって
は、内視鏡における他の部材と干渉させたり、また操作
者の邪魔にならないようにこのハウジングから回転伝達
ケーブルを導出させなければならない。このためには、
チャンネル部内に挿通される部位の方向性とチャンネル
部外に位置する部分の方向性とを変える必要があること
もある。このような場合には、回転伝達ケーブルをこの
ハウジングの部分を境として2つのケーブル部に分け
て、両ケーブル部を歯車伝達手段によって連動可能に接
続するように構成すればよい。そして、この場合におい
ては、回転角検出手段は超音波振動子に連結する側のケ
ーブル部に接続するように構成する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず、図1に本発明による超音波検査装置
の一例を内視鏡と共に示す。図中において、1は超音波
プローブ、2は超音波観測装置、3は内視鏡をそれぞれ
示す。超音波プローブ1は軟性構造のコード10の先端に
回転部材11を設け、この回転部材11に超音波振動子12を
装着してなるものである。そして、コード10は、図2に
示したように、可撓性のあるチューブ13内に多重の(本
実施例においては相互に反対方向に巻回した2重の)コ
イルばね等からなる回転伝達ケーブル14が挿通されてい
る。この回転伝達ケーブル14の先端部には回転部材11に
連結されており、その基端部を軸回りに回転させると、
この回転部材11がこれに追従回転することになる。ま
た、回転伝達ケーブル14内には超音波振動子12に接続し
た信号ケーブル15が挿通されており、この信号ケーブル
15の他端にはロータリ型信号伝達コネクタ16に接続され
て、信号ケーブル15が超音波観測装置2側の回転不能な
ケーブル部との間で相対的に回転可能に接続されるよう
になっている。ここで、このロータリ型信号伝達コネク
タ16はブラシや導電性を有する液体接点を介して回転側
電極と固定側電極との間を接続するように構成したもの
である。
【0014】この超音波プローブ1は内視鏡3に設けら
れている鉗子等の処置具を挿通させるためのチャンネル
部30に挿通されて、その挿入部3aの先端から回転部材11
を所定長さ分だけ導出させて、この回転部材11を回転駆
動する間に体内壁から超音波の送受信を行うようになっ
ており、この超音波の受信信号は信号ケーブル15から超
音波観測装置2の信号処理部2aに伝送して、所定の信号
処理を行った上で、モニタ部2bに超音波画像を表示する
ことができるようになっている。
【0015】従って、ラジアル走査を行わせて、超音波
受信信号を取得し、これを超音波観測装置2のモニタ部
2bに表示するためには、走査機構を備えることが必要
である。この走査機構としては、まず超音波振動子12
が装着されている回転部材11を回転駆動しなければな
らない。また、この超音波振動子12の回転角度位置を
検出する必要もある。このために、回転駆動手段として
のモータ40と、回転角検出手段としてのエンコーダ5
0とが設けられる。ここで、モータ40は超音波観測装
置2内に設けられている。即ち、回転伝達ケーブル14
は超音波観測装置2内にまで延在せしめられており、こ
の回転伝達ケーブル14の端部近傍位置には、プーリ1
7が取り付けられ、またモータ40の出力軸40aにも
プーリ41が取り付けられて、これら両プーリ17,4
1間にはタイミングベルトからなる伝達ベルト42が巻
回して設けられている。
【0016】これに対して、エンコーダ50は、ハウジン
グ51内に収納されており、このハウジング51は内視鏡3
の本体操作部3bに設けたチャンネル部30の挿入口30aに
着脱可能に固定されるようになっている。そして、ハウ
ジング51内には、回転伝達ケーブル14が挿通されてお
り、チューブ13はこのハウジング51内の部分においては
欠落した状態となって、回転伝達ケーブル14が露出した
状態となっている。そして、この回転伝達ケーブル14の
露出部分にはプーリ18が取り付けられており、またエン
コーダ51の入力軸51aにもプーリ52が取り付けられて、
両プーリ18,52間にはタイミングベルトからなる伝達ベ
ルト53が巻回して設けられている。さらに、このエンコ
ーダ50からの信号ケーブルは超音波プローブ1と共に、
またはこれとは別個に超音波観測装置2に接続される。
【0017】本実施例は前述のように構成されるもので
あって、次にその作動について説明する。まず、内視鏡
2を患者の体内等に挿入して、診断,検査乃至治療を行
うべき部位にまで導く。そこで、この内視鏡により得ら
れる観察対象部の物体像を、接眼部を備えた光学式の内
視鏡では接眼部に接眼させることにより、また電子内視
鏡の場合にはディスプレイ装置を目視することによっ
て、観察を行う。そして、この観察に基づいて超音波検
査を行うべき部位を特定し、内視鏡の挿入部3aの先端部
分をこの部位近傍に位置させる。この状態で、超音波プ
ローブ1を内視鏡3の本体操作部2bに設けた鉗子その他
の処置具を挿入する挿入口30aからチャンネル部30内に
挿入して、挿入部3aの先端部から所定長さ導出させて、
超音波検査を行うべき部位に位置決めする。
【0018】そこで、超音波観測装置2側に設けられて
いるモータ40を作動させる。これによって回転伝達ケー
ブル14を介して回転力が回転部材11にまで伝達されて、
超音波振動子12を装着した回転部材11が回転駆動せしめ
られる。この間に、信号ケーブル15を介して駆動信号を
超音波振動子12に伝送することによって、超音波パルス
が体腔壁から体内に向けて入射され、また体内における
組織断層部からの反射エコーが受信されて、超音波のラ
ジアル走査が行われる。このようにして取得した超音波
受信信号は回転伝達ケーブル14内に挿通した信号ケーブ
ル15を介して超音波観測装置2に伝送される。そして、
超音波画像をモニタ部2bに表示するには、この超音波受
信信号と共に超音波振動子12の回転角度位置に関する情
報も必要となる。この角度位置信号はエンコーダ50によ
り取得されるもので、このエンコーダ50からの信号は信
号ケーブル54によって超音波観測装置2に伝送される。
これによって、ラジアル走査による超音波検査を超音波
画像として表示するのに必要な超音波受信信号と超音波
振動子12の回転角度に関する情報とが取得されて、これ
らの信号を信号処理部2aで信号処理して、モニタ部2bに
表示することができる。
【0019】而して、モータ40は超音波観測装置2側に
配設されていることから、内視鏡3の本体操作部3bに余
分な重量物が装着されなくなり、この結果本体操作部3b
が軽量となり、それを手で把持して操作する術者等の操
作者に対する負担の軽減が図られると共に、モータ40の
作動による振動が本体操作部3bに生じることはない。従
って、本体操作部3bの操作性が良好になる。また、特に
電子内視鏡にあっては、映像信号のケーブルが本体操作
部3b内に挿通されているが、この映像信号用ケーブルに
ノイズが混入したりする不都合も生じるおそれはない。
【0020】一方、超音波振動子12は回転伝達ケーブル
14を介して遠隔操作によって回転駆動せしめられるもの
であるから、その回転角度を正確に検出するためには、
エンコーダ50はこの超音波振動子12に可及的に近い位置
に配設されていなければならない。ところが、エンコー
ダ50を回転部材11に直接装着したり、またコード10のう
ちのチャンネル部30内に位置する部分に装着したりする
ことは、スペースの関係から不可能である。従って、最
も超音波振動子12に近い位置で、それを装着することが
できるのはチャンネル部30から出た直後の位置であり、
エンコーダ50を収容するハウジング51はチャンネル部30
の挿入口30aに装着されている。従って、超音波振動子
12の回転角度位置の検出精度が良好となる。而して、回
転伝達ケーブル14は内視鏡3のチャンネル部30内におい
ては、その内壁に規制されて、振れや旋回等を起こすお
それはなく、このために当該の部分では超音波振動子12
の回転と回転伝達ケーブル14との回転はほぼ正確に一致
するので、挿入口30aにエンコーダ50を配設することに
よって、超音波振動子12の回転角度の検出精度が極めて
良好となる。しかも、このエンコーダ50はモータ40と比
較して極めて軽量なもので、しかもその作動中において
振動等が発生するおそれはないことから、エンコーダ50
を本体操作部3bに装着しても、格別内視鏡の操作性が悪
くなることはない。
【0021】ところで、超音波プローブ1における挿入
部剤10のチャンネル部30の外においては、何らの規制も
なく完全に自由状態となっているから、振れや旋回,捩
れ,曲げ等が生じるおそれがある。また、操作中におい
て、内視鏡3の本体操作部3bを動かしたとき等のように
外部的要因もあり、モータ40が定格状態で作動している
間においても回転伝達ケーブル14における回転伝達にむ
らが発生するおそれがある。この回転むらがチャンネル
部30内に位置する部分、即ちエンコーダ40が装着されて
いる部分から先に影響を与えるのを防止するには、図3
に示したように、ハウジング51内における回転伝達ケー
ブル14にフライホイール55を設け、エンコーダ40の回転
伝達ケーブル14への接続位置をこのフライホイール55の
装着位置より先端側、言い換えれば超音波振動子12への
接続部側に配設するように構成すればよい。フライホイ
ール55によってそれより基端側、即ちモータ40への接続
側部分に回転伝達むらが生じても、このフライホイール
55に回転伝達むらが吸収されるので、さらに超音波振動
子12の回転検出精度が向上する。
【0022】また、内視鏡3における挿入部3aの長さは
必ずしも一定のものではなく、個々の内視鏡によっては
多少の長短がある。そこで、このような挿入部の長さに
違いがある場合にも超音波プローブ1を共用させること
ができるようにするには、図4に示したように、エンコ
ーダ50を収容するハウジング51をチャンネル部30の挿入
口30aに固定するのではなく、このハウジング51から先
端側の長さを挿入部の長さの差を見込んで十分に挿入部
の先端から所望量突出させることができる寸法に設定し
ておけばよい。ただし、この場合にはハウジング51は挿
入口30aに固定することはできないが、この挿入口30a
に極めて近い位置に置かれることになるから、エンコー
ダ50による超音波振動子12の回転角度検出精度に格別大
きな影響を与えることはない。
【0023】さらに、エンコーダを収容するハウジング
をチャンネル部30の挿入口30aに装着する場合におい
て、このハウジングから超音波観測装置2に接続される
コード10の部分をチャンネル部30の軸線から延長する方
向に引き出したのでは本体操作部3bを把持して内視鏡3
の操作を行うに当って支障を来すおそれがある場合もあ
る。このような場合には、図5に示したように、ハウジ
ング60内においてコードを2つに分割して、モータ40が
接続されている駆動側コード10aと超音波振動子12側の
従動側コード10bとから構成し、駆動側コード10aを構
成する回転伝達ケーブル14aと従動側コード10bを構成
する回転伝達ケーブル14bとをそれぞれ笠歯車61,62に
連結し、この両笠歯車61,62を噛合させるように構成す
る。これによって、従動側コード10bの軸線と駆動側コ
ード10aの軸線との間に所望の角度を持たせることがで
きる。そして、この場合には、エンコーダ63の入力軸に
取り付けたプーリ64と、従動側コード10bの回転伝達ケ
ーブル14bに設けたプーリ65との間に伝達ベルト66を巻
回して設ける。また、回転伝達ケーブル14b内に挿通さ
れている信号ケーブル67は笠歯車62の軸線方向に引き出
して、ハウジング60に取り付けたロータリ型信号伝達コ
ネクタ68に接続するように構成すればよい。
【0024】なお、前述した実施例においては、モータ
40は超音波観測装置2内に設けるようにしたものを示し
たが、このモータを装着したモータユニット 100を、図
1に一点鎖線で示したように、超音波観測装置2の壁面
に取り付けるようにようにしてもよく、また同図に二点
鎖線で示したように、モータユニット 200をコード10の
途中位置であっても、床面や机上,ハンガ等のように、
超音波プローブ1を内視鏡3に装着したときに、その荷
重が内視鏡3の本体操作部3bにかからない位置に設けら
れておればよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ラジア
ル超音波走査を行う際に必要な走査機構として、回転駆
動手段と回転角検出手段とを一体的に設けるのではな
く、回転伝達ケーブルを回転駆動する回転駆動手段を、
超音波プローブを内視鏡に接続したときに、その荷重が
内視鏡の本体操作部にかからない位置に設け、超音波振
動子の回転角度を検出するための回転角検出手段を内視
鏡のチャンネル部の処置具等の挿入口またはその近傍位
置に配設する構成としたので、超音波プローブを内視鏡
に接続したときに、内視鏡の本体操作部の重量増加を極
めて少なくすることができ、かつその本体操作部におけ
る振動の発生を防止することができるようになる等、内
視鏡の操作性を損なうことがなく、しかも回転角検出手
段を回転駆動手段より超音波振動子に近い位置に設け
て、この超音波振動子の回転角度を検出しているから、
超音波振動子の回転角度に関する正確な情報を取得する
ことができるようになり、超音波検査の精度が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す超音波検査装置と
内視鏡との外観図である。
【図2】超音波プローブの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示すエンコーダを収容
させたハウジングの断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す超音波プローブの
作動説明図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示すエンコーダを収容
させたハウジングの断面図である。
【符号の説明】
1 超音波プローブ 2 超音波観測装置 3 内視鏡 3b 本体操作部 10,10a,10b コード 11 回転部材 12 超音波振動子 14,14a,14b 回転伝達ケーブル 30 チャンネル部 30a 挿入口 40 モータ 50,63 エンコーダ 51,60 ハウジング 55 フライホイール 61,62 笠歯車 100,200 モータユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−156738(JP,A) 特開 平2−131755(JP,A) 特開 昭58−188425(JP,A) 特開 昭56−60547(JP,A) 実開 昭59−46505(JP,U) 実開 平2−30309(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転伝達ケーブルを備えた可撓性コード
    の先端に超音波振動子を回転可能に設けた超音波プロー
    ブを、内視鏡の処置具等を挿通させるためのチャンネル
    部内に挿通可能としたラジアル走査式超音波検査装置に
    おいて、前記回転伝達ケーブルを介して超音波振動子を
    回転駆動する回転駆動手段と、この超音波振動子の回転
    角度を検出する回転角検出手段とからなる走査機構を備
    え、超音波プローブを内視鏡に装着したときに、前記回
    転駆動手段前記可撓性コードの途中における内視鏡の
    本体操作部に荷重がかからない位置または超音波観測装
    置内に設置し、前記回転角検出手段前記内視鏡のチャ
    ンネル部の処置具等の挿入口またはその近傍位置に配設
    する構成としたことを特徴とするラジアル走査式超音波
    検査装置。
  2. 【請求項2】 前記回転伝達ケーブルにおける前記回転
    角検出手段の装着位置近傍にこの回転伝達ケーブルと共
    に回転するフライホイールを設ける構成としたことを特
    徴とする請求項1記載のラジアル走査式超音波検査装
    置。
  3. 【請求項3】 前記回転角検出手段を収容するハウジン
    グを前記内視鏡のチャンネル部の挿入口に着脱可能に固
    定することができる構成としたことを特徴とする請求項
    1記載のラジアル走査式超音波検査装置。
  4. 【請求項4】 前記回転角検出手段を収容するハウジン
    グ内には、前記回転伝達ケーブルをモータに接続した駆
    動側ケーブル部と前記超音波振動子が接続されている従
    動側ケーブル部に分割して、この両ケーブル部を歯車伝
    達手段で連動可能に連結し、かつ前記回転角検出手段を
    従動側ケーブル部に接続する構成としたことを特徴とす
    る請求項3記載のラジアル走査式超音波検査装置。
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