JP2681406C - - Google Patents

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JP2681406C
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株式会社ミドリ十字
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ウイルス夾雑の可能性のある蛋白質含有組成物から実質的にウイル
スが不活化された蛋白質含有組成物を製造する方法に関する。 〔従来技術〕 人血液由来の蛋白質含有組成物には、ウイルス、たとえば肝炎ウイルスやAI
DSウイルスなどが混入してくる可能性がある。 これらのウイルス伝播を防ぐために蛋白質含有液状組成物を加熱する方法が知
られている(特開昭55−145615号公報、特開昭56−139422号公
報、特開昭56−106594号公報)。 また、蛋白質含有乾燥組成物を加熱する方法も知られている(特表昭58−5
00548号公報、特開昭58−213721号公報)。 さらに、蛋白質含有組成物をトリアルキルホスフェートと接触せしめてウイル
スを除去する方法も知られている(特開昭60−51116号公報)。 しかし、加熱処理では熱に強いウイルスが残存する可能性があり、トリアルキ
ルホスフェート処理では非エンベロープウイルスが残存する可能性がある。 また、トリアルキルホスフェート処理中に蛋白質の活性が低下する問題があっ
た。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は蛋白質の活性を殆ど失うことなく効率よく夾雑ウイルスを不活化し、
医薬品としてより安全な蛋白質含有組成物を製造する方法を提供しようとするも
のである。 〔課題を解決するための手段〕 本発明はこれら課題を解決するために以下の方法を提供する。 (1) ウイルス夾雑の可能性のある蛋白質含有組成物からウイルスの不活化され
た蛋白質含有組成物を製造する方法であって、次の工程を含むことを特徴とする
方法。 (a) 液状の蛋白質含有組成物をトリアルキルホスフェートおよび界面活性剤と
接触させ、該蛋白質含有組成物からトリアルキルホスフェートおよび界面活性剤
を除去する、その後、 (b) 該蛋白質含有組成物を凍結乾燥し、乾燥状の該蛋白質含有組成物を加熱処
理する。 (2) ウイルス夾雑の可能性のある液状の蛋白質含有組成物をプロテアーゼ阻害
剤の存在下でトリアルキルホスフェートと接触させることを特徴とする前記(1)
のウイルスの不活化された蛋白質含有組成物を製造する方法。 これら発明により、蛋白質の活性を失うことなく効率的にウイルスの不活化さ
れた蛋白質含有組成物が製造される。 本発明の方法が適用される蛋白質は特に限定されるものではなく、血漿由来蛋
白質、他の組織由来蛋白質、遺伝子組み換えや組織培養によって得られた蛋白質
などが挙げられる。蛋白質としては、たとえばプラスミノーゲン、血液凝固第V
因子、血液凝固第VII因子、血液凝固第VIII因子、血液凝固第IX因子、
第X因子、血液凝固第XIII因子、アンチトロンビンIII、ハプトグロビン
、トロンビン、プロトロンビン、免疫グロブリン、フィブリノゲン、フィブロネ クチン、アルブミン、ヘモグロビン、インターフェロン、プラスミノーゲン活性
化因子などが挙げられる。蛋白質含有液状組成物は、上記の如き蛋白質を含有す
るものであれば、特に制限されない。 本発明の方法が適用される蛋白質含有液状組成物には特に制限はなく、たとえ
ば血漿または組織抽出液、血漿または組織抽出液を各種分画法により処理して得
た画分からなる溶液、遺伝子組換え宿主または組織の培養により得られる培養液
、市販の蛋白質製剤(液状のもの)または溶液としたものなどが挙げられる。 また、本発明のトリアルキルホスフェートとの接触時の蛋白質含有液状組成物
の精製度は特に限定されるものではなく、任意の精製度のものに適用可能であり
、従ってトリアルキルホスフェートとの接触は蛋白質の分離、精製のいずれの段
階に適用してもよい。 本発明の製造方法においては、トリアルキルホスフェート処理を先に行い、ト
リアルキルホスフェートおよび界面活性剤を除去した後、乾燥加熱処理を行う。 本発明で使用されるトリアルキルホスフェートは特に限定されないが、好適に
はトリ−(n−ブチル)ホスフェート、トリ−(tert−ブチル)ホスフエー
ト、トリ−(n−ヘキシル)ホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホス
フェート、トリ−(n−デシル)ホスフェートなどが挙げられる。特に好ましい
トリアルキルホスフェートはトリ−(n−ブチル)ホスフェート(以下TNBP
と言う)である。なお、2種以上の異なるトリアルキルホスフェートの混合物も
使用することができる。 本発明に使用されるトリアルキルホスフェートは、0.01〜10(w/v)
%の範囲の量、好ましくは約0.1〜3(w/v)%の範囲の量において使用さ
れる。 トリアルキルホスフェートは界面活性剤と組み合わせて使用する。この界面活
性剤は、トリアルキルホスフェートが蛋白質含有液状組成物と接触する前、同時
、または後の任意の段階に添加することができる。界面活性剤の機能は、蛋白質
含有組成物中のウイルスとトリアルキルホスフェートとの接触を強化することで
ある。 界面活性剤としては、脂肪酸のポリオキシエチレン誘導体、ソルビトール無水 物の部分エステル、たとえばポリソルベート80(商品名:トゥイーン80など
)、ポリソルベート20(商品名:トゥイーン20など)および非イオン性油浴
水洗剤、たとえばオキシエチル化アルキルフェノール(商品名:トリトンX10
0など)が挙げられる。さらに、デオキシコール酸ナトリウム、およびスルホベ
タインとして周知の合成ツブイッテルイオン洗剤であるZwittergent
s、たとえばN−ドデシル−N,N−ジメチル−2−アンモニオ−1−エタンス
ルホネート、およびその同族体、または非イオン性洗浄、たとえばオクチル−β
,D−グルコピラノシドなどが挙げられる。 界面活性剤を使用する場合、その量は臨界的ではなく、たとえば約0.001
%〜約10%、好ましくは約0.01%〜3%の範囲で使用することができる。 トリアルキルホスフェート処理は、エンベロープコートウイルス、たとえばB
型肝炎ウイルス、nonAnonB型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(H
IV)、ベシキュラーストマティティスウイルス(Vesicular Sto
matitis Virus)、シンドビスウイルス(Sindbis Vir
us)等の不活化に特に有用である。また、さらに乾燥状態で充分な時間加熱処
理することにより、熱に強いウイルスも不活化し得る。 本発明のトリアルキルホスフェートによる蛋白質含有組成物の処理は、−5℃
〜70℃、好ましくは0℃〜60℃の温度で、好適には30分以上、より好適に
は1〜30時間、さらに好適には3〜10時間行う。 トリアルキルホスフェート処理は、蛋白質の活性低下を防ぐために、プロテア
ーゼ阻害剤の存在下で行うのが好ましい。 プロテアーゼ阻害剤としては、実質的にプロテアーゼの活性を阻害する物質で
あれば特に限定されない。たとえば、ε−アミノカプロン酸(EACA)、リジ
ン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸、アプロチニンなどの蛋白質などが例示さ
れる。 普通、トリアルキルホスフェート処理後、トリアルキルホスフェートは除去さ
れる。界面活性剤や安定化剤を用いたときはそれらも除去される。除去はいずれ
の方法によってもよいが、たとえばアフィニティークロマトグラフィーで蛋白を
吸着する方法、蛋白を沈澱により回収する方法などが挙げられる。また、公知の 加熱処理を行うこともできる。 乾燥組成物(乾燥状の蛋白質含有組成物)の加熱処理はトリアルキルホスフェ
ート処理後に行う。トリアルキルホスフェート処理後に行う場合、乾燥組成物は
トリアルキルホスフェートなどを除去した後、蛋白質を回収、公知の方法で凍結
乾燥して得られる。 乾燥組成物の加熱処理は、通常30℃〜100℃、好ましくは55℃〜75℃
において、通常3〜200時間、好ましくは10〜100時間実施される。また
、蛋白質を熱から保護するため、安定化剤の存在下で行ってもよい。安定化剤と
しては、たとえば、糖、糖アルコール、アミノ酸などが挙げられる。 尚、乾燥組成物は実質的に水分を含まないものであり、通常、その水分含量が
3%以下、好適には1%以下が望ましい。 〔発明の作用および効果〕 本発明の製造方法によれば、蛋白質の活性を損失することなく、効率的にウイ
ルスが不活化された蛋白質含有組成物が製造される。 なお、トリアルキルホスフェート処理はエンベロープを持たないウイルスには
不活化効果が弱い。ところが、本発明によれば乾燥状の蛋白質含有組成物を加熱
処理に付す工程があるので、かかるウイルスも当該工程を経ることによって有意
に不活化することができる。 また、25℃〜30℃でのトリアルキルホスフェート処理ではその温度で長く
置くことにより溶液中に混在するプロテアーゼによる蛋白質の分解が促進される
可能性があるが、プロテアーゼ阻害剤の存在下で処理することより蛋白質の活性
低下を抑制することができる。 よって、本発明の製造方法は医薬品としてより安全な蛋白質含有組成物の工業
的製法としてきわめて好ましい方法を提供するものであり、ウイルスの不活化さ
れた蛋白質製剤を製造するのに特に有用である。 〔実施例〕 実施例1 血液凝固第VIII因子含有組成物の製造方法 クリオプレシピテートを20mMトリス塩酸緩衝液で溶解し、水酸化アルミニ ウムゲルを1%v/v添加し、脱プロトロンビン溶液を得る。この溶液にTNB
P(トリ−(n−ブチル)ホスフェート〕を0.3%w/v、Tween 80
を1%w/vになるように添加し、30℃で6時間ウイルス不活化処理をする。
そして、グリシンを2Mになるように添加し、遠心してフィブリノゲンを沈澱し
て除去し、得られた上清に、塩化ナトリウムを1.5Mになるように添加し、第
VIII因子を沈澱として回収する。回収した第VIII因子を20mMトリス
塩酸緩衝液に溶解し、再度グリシン分画、塩化ナトリウム分画を行い、残存して
いるTNBP、Tween 80を除去する。こうして得られた第VIII因子
の沈澱は、所定の濃度になるように溶解しバイアルに小分され、凍結乾燥される
。凍結乾燥された第VIII因子製剤は60℃、72時間以上の乾燥加熱処理を
行い、ウイルスに対し安全な製剤を製造する。 実施例2 血液凝固第IX因子含有組成物の製造方法 プラズマにDEAE−セファデックスを投入し、第IX因子をゲルに吸着させ
る。そして、0.15M塩化ナトリウムを含む緩衝液でよく洗浄した後、0.5
M塩化ナトリウムを含む緩衝液で第IX因子を溶出させる。この溶出液にTNB
Pを0.3%w/v、Tween 80を1%になるように添加し、30℃、6
時間以上のウイルス不活化処理をする。ウイルス不活化処理をされた第IX因子
溶液は再度DEAE−セファデックスを投入し、第IX因子を吸着させ、洗浄す
ることによりTNBP、Tween 80を洗液に除去することができる。また
DEAE−セファデックスの代わりに、第IX因子に対するモノクローナル抗体
を結合させたゲルに第IX因子を結合させ、同様に処理することができる。そし
て、ゲルより第IX因子を溶出させた後、所定のイオン強度、力価に調製され、
小分され、凍結乾燥されて、第IX因子製剤を得る。そして、さらに膜のないウ
イルスを不活化するために60℃、72時間以上の乾燥加熱が行われ、より安全
な製剤を製造する。 実施例3 トロンビン含有組成物の製造方法 コーンのFr.II+IIIペーストまたはFr.IIIペーストを0.15 M塩化ナトリウム溶液で溶解した後、トロンボプラスチン(胎盤抽出液)を添加
して、プロトロンビンをトロンビンに変換する。そしてSP−セファデックスで
トロンビンを吸着し、0.15M塩化ナトリウム溶液でよく洗浄した後、0.5
M塩化ナトリウムを含む緩衝液でトロンビンを溶出する。この溶出液にTNBP
を0.3%w/v、Tween 80を1%w/v添加し、30℃、6時間以上
のウイルス不活化処理を行う。ウイルス不活化処理後トロンビンを再度SP−セ
ファデックスまたはヘパリン−ゲルに吸着させ、よく洗浄して、TNBP、Tw
een 80を除去した後、ゲルよりトロンビンを溶出する。こうして得られた
トロンビンは、イオン強度、力価を調整し、小分けされ、凍結乾燥した後、60
℃、72時間以上の乾燥加熱処理を行う。 実施例4 フィブリノゲン含有組成物の製造方法 コーンのFr.Iペーストまたはクリオプレシピテートを生理食塩液で溶解し
、TNBPを0.3%w/v、Tween 80を1%w/vになるように添加
し、30℃、6時間以上のウイルス不活化処理を行う。そして、グリシン−塩化
ナトリウム分画またはエタノール分画にて、フィブリノゲンを沈澱させる。得ら
れたフィブリノゲンの沈澱は、生理食塩液に溶解した後、再度グリシン−塩化ナ
トリウム分画またはエタノール分画を行い、フィブリノゲンを沈澱して回収する
。この分画操作は2〜5回行われ、TNBP、Tween 80は上清に除去さ
れる。こうして得られたフィブリノゲンの沈澱を所定の濃度に溶解し、小分、凍
結乾燥した後、60℃、72時間以上の乾燥加熱処理が行われる。 実施例5 血液凝固第VIII因子含有組成物の製造方法 正常ヒト・血漿を凍結融解して得られたクリオプレシピテートを出発材料に、
これを20mMトリス−10mMクエン酸緩衝液(pH7.0)で5倍抽出溶解
し、水酸化アルミニウムゲルをクリオプレシピテート投入重量の1/10容量を
添加して30分間攪拌した。その後ベントナイトを6g/lの割合で添加して1
時間攪拌後4000rpm30分間遠心分離し、上清を得、続いてウイルス不活
化のための界面活性剤処理(0.3%トリ−n−ブチルホスフェイト、1%Tw een 80の濃度になるように添加後、30℃、6時間攪拌)を行い、これを
グリシン分画に供した。グリシン分画の条件は、この溶液にグリシンを150g
/lの割合で添加して30℃、1時間攪拌後遠心分離(4000rpm、30分
間、30℃)して上清を得、この上清に塩化ナトリウムを添加(87g/l)後
1時間攪拌して第VIII因子画分を塩析させ遠心沈澱(4000rpm、30
分間、30℃)を得た。 その後、塩析沈澱を20mMトリス緩衝液(pH7.0)に溶解し、280n
m吸光度を25〜30に調整した後ゲル濾過カラムの注入検体とした。カラムの
充填剤はファルマシア製のSephacryl S−400 HRを使用し、検
体はカラムベッド容量の5〜7%の注入量でカラムより排出された第VIII因
子活性画分を分取した。その条件は、次の通りである: 注入サンプル:塩析沈澱溶解液 カラム:Sephacryl S−400HR 溶媒:20mM Tris(HCL),10mM CaCl2, 1M NaCl buffer,pH7.0 その結果、血液凝固第VIII因子はカラムボイド画分に観察され、夾雑蛋白
が高度に分離されていた。その後、所定のイオン強度、力価に調整され、小分さ
れ、凍結乾燥されて、第VIII因子製剤を得る。 そして、さらに60℃、72時間以上の乾燥加熱が行われ、より安全な製剤を
製造する。 〔実験例〕 実験例1 ウイルス不活化効果 血液凝固第VIII因子含有組成物、血液凝固第IX因子含有組成物、トロン
ビン含有組成物およびフィブリノゲン含有組成物中のウイルスの不活化効果を検
討した。 (実験方法) 第VIII因子ではクリオプレシピテートの溶解液、第IX因子ではDEAE
−セファデックス溶出液、トロンビンではSP−セファデックス溶出液、フィブ リノゲンではFr.Iペースト溶解液と各製剤の製造工程サンプルに、TNBP
を0.3%w/v、Tween 80を1%w/vになるように添加し、エンベ
ロープのあるウイルスとしてVSV、シンドビスウイルス(sindbis v
irus)、エンベロープのないウイルスとしてエコーウイルス(Echo v
irus)をモニターウイルスとして106〜107個/ml添加し、30℃で加
温して経時的にサンプリングし、残存しているウイルスを第1表の方法により測
定した。その結果は第2〜4表に示す通りであり、いずれの製剤においてもVS
V、シンドビスウイルスは30℃、1時間の処理で検出限界以下まで不活化され
た。一方、膜のないウィルスであるエコーウィルスは30℃、60時間後もほと
んど不活化されなかった。 実験例2 蛋白質の安定性 第VIII因子ではクリオペーストの抽出液にTNBPを0.3%w/v、T
ween 80を1%w/v添加し、30℃で加温し、経時的にサンプリングし
て第VIII因子活性を測定したが、24時間後の残存活性が80%である(第
1図参照)ことより、30℃、6時間ではほとんど第VIII因子活性のロスが
ないと判断し、安定化剤のスクリーニングはしなかった。また、乾燥加熱時の安
定性も60℃、72時間後で95%以上の活性を保持しており、あえて安定化剤
のスクリーニングはしなかった。 第IX因子ではDEAE溶出液にTNBPを0.3%w/v、Tween 8
0を1%w/v添加し、30℃で加温して経時的にサンプリングして第IX因子
活性を測定したが、24時間後の残存活性が76%で若干の活性低下が認められ
たが、30℃、6時間ではほとんど問題にする低下でもないことより、安定化剤
の添加はしなかった。(第2図参照)。 また乾燥加熱時の安定性も60℃、72時間後で95%以上の活性を保持して
おり、あえて安定化剤のスクリーニングはしなかった。 トロンビンではSP−セファデックス溶出液にTNBPを0.3%w/v、T
ween 80を1%w/v添加し、30℃で加温して経時的にサンプリングし
、トロンビン活性を測定したが、30時間後の活性ロスが大きく、30℃、6時
間後でも90%の活性維持が難しいと判断し、安定化剤のスクリーニングを行っ
た。その結果、EACA(ε−アミノカプロン酸)とアルギニンの添加により、
トロンビンの活性低下を防ぐことができ、特にEACAでは2%以上の添加で3
0℃、30時間後も90%以上の活性を維持できた(第3図および第4図参照)
。 フィブリノゲンはFr.Iペーストの溶解液にTNBPを0.3%w/v、T
ween 80を1%w/v添加し、30℃で加温して、経時的にサンプリング
し、フィブリノゲン凝固活性を測定した。その結果、30℃、24時間後では、
全く凝固活性を認めないことが判明し、安定化剤のスクリーニングを行った。そ
の結果、アプロチニンとEACAに安定化効果のあることが判明した。EACA を5%以上添加することにより30℃、24時間後も90%の凝固活性を維持で
きた(第5図参照)。
【図面の簡単な説明】 第1図は、血液凝固第VIII因子の活性残存率に及ぼす界面活性剤処理の影 界面活性剤添加時の場合を各々示す。 第2図は血液凝固第IX因子の活性残存率に及ぼす界面活性剤処理の影響を経 性剤添加時の場合を各々示す。 第3図は、トロンビンの界面活性剤処理時の活性残存率に及ぼすEACAの添 の場合を各々示す。 第4図は、トロンビンの界面活性剤処理時の活性残存率に及ぼすアルギニンの ン8%添加時の場合を各々示す。 第5図は、フィブリノゲンの界面活性剤処理時の活性残存率に及ぼすEACA
の添加効果を経時的に見たものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ウイルス夾雑の可能性のある蛋白質含有組成物からウイルスの不
    活化された蛋白質含有組成物を製造する方法であって、次の工程を含むことを特
    徴とする方法。 (a) 液状の蛋白質含有組成物をトリアルキルホスフェートおよび界面活性剤と
    接触させ、該蛋白質含有組成物からトリアルキルホスフェートおよび界面活性剤
    を除去する、その後、 (b) 該蛋白質含有組成物を凍結乾燥し、乾燥状の該蛋白質含有組成物を加熱処
    理する。 【請求項2】 ウイルス夾雑の可能性のある液状の蛋白質含有組成物をプロテア
    ーゼ阻害剤の存在下でトリアルキルホスフェートと接触させることを特徴とする
    請求項1記載のウイルスの不活化された蛋白質含有組成物を製造する方法。

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