JP4105249B2 - α2プラスミンインヒビターの製造方法 - Google Patents

α2プラスミンインヒビターの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本願発明は、α2プラスミンインヒビター(以下、α2PIと称することがある)の製造方法に関する。より詳細には、α2PIを含有する血漿または血漿画分から、夾雑蛋白質含量が低減されたα2PIを極めて簡便に大量生産し得る製造方法及びウイルス感染の危険性に対してより安全性の高い製剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
α2PIは諸井と青木により単離精製されたセリンプロテアーゼ阻害活性を有する分子量67,000の糖蛋白質で、プラスミンを阻害することにより生理的な線溶の阻止因子として働く(Moroi M and Aoki N, J.Biol.Chem.,159,p.5956-5965(1976))。
先天的なα2PI欠損患者では、生体内でα2PIが欠損すると血管損傷部位に生じた血栓の溶解作用に対する抵抗性が失われ、損傷血管が修復前に血栓が溶解し再出血することになる。後天的にも、重篤な肝臓疾患やDIC(DisseminatedIntravascular Coagulation Syndrome:播種性血管内凝固症候群)あるいは血栓溶解療法に伴って、α2PIが低下し出血を起こし易くなる(出血傾向)ことが知られている。このような出血に対してα2PIを補充すると血栓症を誘発することなく効果的に出血を防止できることが報告されており(Weitz J.I. et al.,J.Clin.Invest.,91,p.1343-1350(1993))、α2PI濃縮製剤の臨床応用が期待されている。
【0003】
従来のα2PIの精製法では実験室スケールの調製には適していても非常に多くの精製ステップを踏むため煩雑で且つかなりの時間を費やし、これを工業スケールでの調製に応用するには再現性や収率等に関して多くの問題点を含んでいた。例えば、世界で最初にα2PIの単離に成功した諸井、青木らが実施した方法は、血漿からリジンセファロース、硫安分画、プラスミノーゲンセファロース、最後にハイドロキシアパタイトといった多くのクロマトグラフィーを組み合わせたもので非常に煩雑で時間のかかる方法であった(Moroi M and Aoki N, J.Biol.Chem.,159,p.5956-5965(1976))。さらに、上記のクロマトグラフィーにDEAEセファデックス、コンカナバリンA等のクロマトグラフィーあるいは分子ふるい(ゲル濾過)クロマトグラフィーを組み合わせた方法も報告されているが(Wiman B.,Methods in Enzymology 80,p.395-407(1981)、)なお同様の問題を含むものであった。
上記以外にも、α2PIに対するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を使用したイムノアフィニティーを利用した精製法が報告されているが(Sumi Y et al., J.Biochem.,102,p.1033-1041(1989))、これらイムノアフィニティー精製の欠点として、目的物質吸着後の溶出の際の好適な方法を見出し難く、α2PIにダメージを与える可能性が否定できない。また、α2PIは血中に高濃度で存在するため、治療薬として必要な量をイムノアフィニティーカラムで精製しようとするとゲル容量の増大が予想され多大な困難が生じることが危惧される。
【0004】
また、本願発明のα2PIの原材料となるヒト血漿もしくは血漿画分については、例えば肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)等の血液を媒介として感染するウイルス混在の危険性は、スクリーニング技術の進歩によりその可能性が激減したとは言え完全には否定できず、α2PI製剤のこれら夾雑ウイルスの不活性化工程についても対策を構じる必要があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上述の問題点に鑑みα2PIを分離取得する方法について鋭意研究し種々の方法を検討した結果、血漿から得られたα2PI含有画分の溶液を物質の疎水性の違いにより分離する疎水クロマトグラフィーを用いてα2PIの精製を試みたところ、高純度のα2PIを吸着溶出画分に良好に分離することができる知見を得、これを基に新規な調製方法をもたらす本願発明を完成するに至った。当該調製方法を適用した場合、従来の方法に比べて極めて簡便に且つ効率的にα2PIを工業的規模で調製することができる。
さらに、製剤の感染性夾雑ウイルスの不活性化を目的として、調製したα2PI溶液に各種熱安定化剤を添加してこれを凍結乾燥し乾燥加熱処理を施した場合、α2PIの性状に顕著な変化を生じることなくウイルス不活化処理が可能であるとの知見を得、安全なα2PI製剤を供し得る本願発明を達成した。
【0006】
本願発明は、血漿もしくはα2PIを含有する血漿画分からα2PIを分離調製する方法、及び感染性夾雑ウイルスの不活化処理が施された安全なα2PI製剤を提供する方法に関する。本願発明の方法の主な利点は、α2PIの血漿またはα2PIを含有する血漿画分からの分離精製に適用し得る方法の簡便さである。本願発明の出発原材料は、Cohnのエタノール分画法により得られる画分またはα2PIを含む濃縮物、中でもコーンのエタノール分画のフラクションIの上清が好ましく、他の蛋白質が最初に分取されたこれらの画分の再生物を包含する。以下の記述においては便宜上、フラクションIの上清を出発原材料例として例示して説明するが、これは本願発明を限定するものではない。
【0007】
本願発明においては、好ましい態様として先ず前述のフラクションI中に含有されるプラスミノーゲンを除去する。この目的のために、例えば、フラクションIの上清を必要とあらば適当な緩衝液に溶解し、プラスミノーゲンに親和性を有するリジンをリガンドとするリジンセファロースカラムに通過させ、プラスミノーゲンを吸着・除去し、素通り画分としてα2PI含有溶液を得る。かくして得られるプラスミノーゲン除去後溶液に対して、プラスミノーゲンとα2PIとの親和性を利用したアフィニティークロマトグラフィー(プラスミノーゲンセファロースカラム)もしくはプラスミノーゲンとα2PIの結合部位であるプラスミノーゲンのリジンバインディングサイトI(LBSI)を調製し担体と結合させたアフィニティークロマトグラフィー(LBSIセファロースカラム)の工程を行なう。この際、平衡化は25mMクエン酸バッファー(pH7.5)で行ない、溶出にはそのバッファーに10mMのεアミノカプロン酸を添加した緩衝液が好適な例となる。
【0008】
前記溶出画分を用いて次の工程に進む。
前記溶出画分を、蛋白質の疎水性の違いにより分離する疎水クロマトグラフィーに供する。疎水クロマトグラフィーのリガンドとしてはブチル、オクチル、フェニル、エーテル等の各種疎水基が使用可能であり、α2PIを含有する前記溶出画分をリガンドと接触させる。この工程では種々の条件を採用することができ、上記リガンドとの接触はバッチ法または連続クロマト法で実施することができる。最適な態様としては、前記疎水性リガンドを結合した各種担体をクロマトグラフィーのカラムに充填し、試料を通液後、吸着した所望のα2PIを溶出させる。なお、疎水性リガンドを結合した各種担体は、ブチルトヨパール(東ソー社)、フェニルセファロース(ファルマシア社)等の商品名で市販されており、これらを簡便に利用することができる。
【0009】
一般に、疎水性リガンド結合担体を0.5〜3.0Mの塩化ナトリウムを含有するpH6.5〜8.0のベースバッファー中で平衡化する。次に、疎水性リガンド結合担体を担体1容量に対して溶液約5〜500容量の割合で、α2PIを含む前記溶液と接触させ、担体に吸着させる。通液後、疎水性リガンド結合担体を前記ベースバッファーで洗浄する。この際の洗浄溶液の量は一般に疎水性リガンド結合担体の容量当り約3〜10容量である。
α2PIは、ベースバッファー中の塩化ナトリウム濃度を減少させたグラジエント溶出、場合によってはステップワイズ法を用いた溶出によって好適に分取される。
【0010】
α2PIを含有する溶液の前記疎水性リガンド結合担体からの溶出に引続き、さらに、例えばDEAEセファデックス、QAEセファデックス等のアニオン交換媒体(陰イオン交換樹脂)との接触によって免疫グロブリンGが主体である夾雑蛋白質を除去する工程を実施することが推奨される。例えば、QセファロースFF(ファルマシア社)カラムを使用した場合、塩化ナトリウムの濃度を増加させたグラジエント溶出、場合によってはステップワイズ法を用いた溶出によって、樹脂に吸着していたα2PIのみを好適に分離することができる。上述の、従来にない簡便な方法によりα2PIの夾雑蛋白との分離が可能となり最終的に90%以上の純度のα2PIを得ることができる。
【0011】
α2PI濃縮物は、治療、診断または他の用途のために製薬学的調合剤に処方することができる。静脈内投与のための調合剤に対しては、組成物を、通常、生理学的に適合し得る物質例えば塩化ナトリウム、グリシン等を含み且つ生理学的条件に適合し得る緩衝されたpHを有する水溶液中に溶解する。また、長期安定性の確保の観点から、最終的剤型として凍結乾燥製剤の形態を採ることも考慮され得る。なお、静脈内に投与される組成物のガイドラインは政府の規則、例えば「生物学的製剤基準」によって確立されている。
【0012】
α2PI濃縮製剤は、肝炎ウイルス、HIV等の夾雑ウイルス非感染性であることが要求される。この点においては、該製剤は夾雑ウイルス感染の危険性を減ずるために、例えば、低温加熱処理殺菌により、即ちα2PI濃縮製剤を夾雑ウイルス非感染性にするのに十分な時間と温度に、例えば24時間またはそれ以上、好適には96時間以上の期間、60℃またはそれ以上の温度で加熱することによって処理することができる。この熱処理期間中のα2PIを安定化するために、各種熱安定化剤、例えば、ヒトアルブミン、クエン酸イオン源、炭水化物及びアミノ酸等が単独であるいは組み合わされて添加され混在させられる。該加熱処理はα2PI含有溶液に対してまたはα2PI含有溶液を凍結乾燥処理したものの何れにに対しても施すことができるが、その効果の観点から、凍結乾燥製剤に対する処理が好ましい態様である。
【0013】
かくして、本願発明により、血漿もしくはα2PIを含有する血漿画分から工業的スケールでα2PIを簡便に分離調製する方法、並びに感染性夾雑ウイルスの不活化処理が施された安全なα2PI製剤を提供することが可能となった。
以下に、調製例及び実施例を挙げて本願発明を具体的に説明するが、本願発明は何等これらに限定されるものではない。
【0014】
【実施例】
実施例の記述に先立ち、本願発明において実施されたα2PI量の検定方法について概説する。
プラスミンに対する発色基質を用いることによりα2PIのプラスミン阻害能力を評価した。プラスミンによるペプチドS-2251(H-Val-Leu-Lys-pNA)の加水分解は405nmの吸収を増加させる。この増加を室温において連続的に測定し単位時間当りの加水分解量を算出する。α2PIの有無における吸収の直線的変化を時間と共に比較する。次いで、プラスミンおよびα2PIが1:1の化学量論的に反応する事実とプラスミンの既知量に基づき、阻害剤としてのα2PIの量を評価した(Wiman B, Method in Enzymology, 80,p.395-407)。
【0015】
調製例
(コーンのフラクションI上清からの調製)
血漿プールからコーンの分画法に従いフラクションIを調製し、その上清からα2PIを精製した。先ず、そのフラクションIの上清を25mMクエン酸バッファー(pH7.5)で平衡化したリジンセファロースカラムに通液し、素通りさせてプラスミノーゲンを吸着・除去した。次に、その素通り画分に対してプラスミノーゲンとα2PIとの親和性を利用したアフィニティクロマトグラフィー(LBSIセファロースカラム)の工程を行なった。平衡化は25mMクエン酸バッファー(pH7.5)で行ない、溶出にはそのバッファーに10mMのεアミノカプロン酸を添加したものを用いた。かくして得られたα2PI含有溶液を次の疎水クロマトグラフィーの工程に供した。
【0016】
実施例
コーンのフラクションIをリジンセファロース及びLBSIセファロースを用いて精製を行なった後のα2PI溶液(調製例1で得られた溶液)に、終濃度2.5Mの塩化ナトリウムを添加して通液サンプルとし、ブチルトヨパール(東ソー社)を用いた疎水クロマトグラフィーを実施した。
ベースバッファーは0.05Mトリス/2.5M塩化ナトリウムバッファー(pH7.5)とし、当該緩衝液で平衡化したブチルトヨパールゲルに前記サンプルを通液し、前記ベースバッファーで充分に洗浄した。その後、0.05Mトリス/1.5M塩化ナトリウムバッファー(pH7.5)で吸着成分の溶出を行ない、さらに、0.05Mトリスバッファー(pH7.5)によって溶出した。なお、ゲルの再生は6Mの尿素を用いて行なった。
今回のクロマトパターンと各ピークのSDS-PAGEのパターンを図1及び図2に示した。図中、画分Aは素通り画分、画分Bは1.5M塩化ナトリウム含有溶液溶出画分、画分Cは塩化ナトリウム非含有溶液溶出画分及び画分Dはゲル再生用溶液溶出画分である。
SDS-PAGEの成績から、素通り画分にはIgGが、1.5M塩化ナトリウム画分にはα2PIが、塩化ナトリウム非含有画分には分解を受けたフィブリノーゲンが主として存在することが確認された。また、段階的溶出(ステップワイズ)ではなく、2.5〜0M塩化ナトリウムグラジエント溶出で展開しても、同様のクロマトパターンが得られた。
【0017】
実施例
(QセファロースFFを用いたα2PIの精製)
実施例1の疎水クロマトゲルを用いたクロマトグラフィーにより得られたα2PI溶液を50mMトリス/75mM塩化ナトリウムバッファー(pH8.0)で透析し、同バッファーで平衡化したQセファロースFFカラム(ファルマシア社)に通液した。充分洗浄した後、50mMトリス/150mM塩化ナトリウムバッファー(pH8.0)で、所望のα2PIを溶出した。かくして得られたα2PI標品のSDS-PAGEの成績を図3に示す。
また、10LのコーンのフラクションI上清からLBSIセファロースでのアフィニティークロマトグラフィー(ステップ1)、ブチルトヨパールを用いた疎水クロマトグラフィー(ステップ2)、及びQセファロースFFでの陰イオン交換クロマトグラフィー(ステップ3)の各々のクロマトグラフィーによりα2PIを精製した際の成績を表1にまとめる。
【0018】
【表1】
Figure 0004105249
【0019】
本願発明の好適な実施態様である前述のステップ1からステップ3の各工程を実施することにより、不純物を殆ど含まない(図3参照のこと)α2PIを30%以上の収率で得ることができた。
【0020】
実施例
(フェニルセファロースを用いたα2PIの精製)
ブチルトヨパールの代わりにフェニルセファロース(ファルマシア社)を用いて精製を試みた。平衡化には50mMトリス/2M塩化ナトリウムバッファー(pH7.5)を用い、α2PIを含む溶液に終濃度2Mの塩化ナトリウムを添加してカラムに通液した。
溶出は2〜0M塩化ナトリウムグラジエントにより行なった。その結果は、実施例1のブチルトヨパールを用いた場合と同様の溶出パターンを示した。溶出部分に非常に非活性の高い部分が分離回収され、分離にはブチルトヨパールのみでなくその他の疎水性のゲルが使用可能であることが示された。
【0021】
実施例
(凍結乾燥加熱によるウイルス不活化効果)
実施例2で得られたα2PI溶液を蛋白質濃度が1%になるように限外濾過で濃縮した。20mMクエン酸ナトリウム/0.1M塩化ナトリウム/2.5%グリシンバッファー(pH7.5)で透析後、α2PIを種々の濃度で凍結乾燥し、その後感染性夾雑ウイルス不活化を目的とする65℃96時間もしくは144時間の加熱処理を行なった。成績を表2に示す。
【0022】
【表2】
Figure 0004105249
【0023】
本願発明のα2PI製剤は、65℃96時間の条件での加熱処理後においても95%以上のα2PI活性を保持しており失活の程度はごく僅かであった。また、HPLC等の分析から加熱処理前後でα2PIの性状には顕著な差は認められなかった。
【0024】
同時にHCV(C型肝炎ウイルス)のモデルウイルスであるBVDV(牛ウイルス性下痢症ウイルス)の培養液を、前出の凍結乾燥前の組成のα2PI溶液に1/10容量スパイク後、凍結乾燥して65℃144時間までの加熱を行なった。経時的にバイアルを抜取り、溶解して該溶液を段階希釈しこれらを感受性細胞である例えばBT細胞に接種してプラーク形成に基づく50%感染終末点(TCID50)法によってウイルス不活化を評価した。結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
Figure 0004105249
【0026】
HCVのモデルウイルスであるBVDVは、凍結乾燥から24時間以上の加熱工程全体で105(TCID50/ml)以上の不活化が達成されることが確認され、本願発明の調製方法によって調製されたα2PI標品はC型肝炎ウイルス等夾雑ウイルスに対する安全性が高いことが結論される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 血漿画分を出発原料とし、LBSIセファロースカラムにより部分精製したα2PI含有溶液を、疎水クロマトグラフィー(ブチルトヨパールカラム)に通液した場合のクロマトグラムを示す図である。
【図2】 α2PI含有溶液を疎水クロマトグラフィー(ブチルトヨパールカラム)に通液して得られる各種ピークのSDS-PAGEによる解析結果を示す電気泳動図(図面代用写真)である。
【図3】 α2PI含有溶液を疎水クロマトグラフィー(ブチルトヨパールカラム)に通液して得られるα2PI含有溶出画分を、さらに陰イオン交換クロマトグラフィー(QセファロースFFカラム)に通液して得られた画分のSDS-PAGEによる解析結果を示す電気泳動図(図面代用写真)である。

Claims (5)

  1. 血漿蛋白溶液からαプラスミンインヒビター(以下、αPIと称することがある)を分離回収する工程において、下記の(a)ないし(c)の一連の工程を含むことを特徴とするαPIの製造方法。
    (a)αPIを含有するコーンのエタノール分画法のフラクションIを出発材料とし、この上清をリジンセファロースを担体とするクロマトグラフィーに通液して、αPIを含有する血漿蛋白溶液からプラスミノーゲンを除去する工程。
    (b)さらに、上記( a )の工程を経た血漿蛋白溶液をプラスミノーゲンとの結合を利用したアフィニティクロマトグラフィーに供し、αPIを精製する工程。
    (c)さらに、疎水性リガンドを有する担体に上記(a)および(b)の工程を経たαPIを含有する溶液を展開し、αPIをゲルに吸着させ、これを溶出する工程。
  2. 前記工程(c)のαPIのゲルへの吸着・溶出過程において、αPIを含有する血漿蛋白溶液に終濃度0.5〜3.0Mの塩化ナトリウムを添加し、疎水性リガンドを有する担体と結合させた後、塩化ナトリウム濃度を徐々にもしくはステップワイズで低下させることにより、疎水性リガンドに結合したαPIを溶出・回収する工程を含む請求項1記載のαPIの製造方法。
  3. 分離精製後のαPIを含有する溶液に、熱安定化剤を添加し調製した該溶液を凍結乾燥後、感染性夾雑ウイルスの不活化を目的とする凍結乾燥加熱工程をさらに含む請求項1または2記載のαPIの製造方法。
  4. 熱安定化剤が、ヒトアルブミン、クエン酸イオン源、炭水化物及びアミノ酸より選択される請求項3記載のαPIの製造方法。
  5. 凍結乾燥加熱工程が、60℃またはそれ以上の温度で、24時間またはそれ以上の期間加熱する条件で実施される請求項3記載のαPIの製造方法。
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