JP2680547B2 - 寝 具 - Google Patents

寝 具

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JP2680547B2
JP2680547B2 JP6198372A JP19837294A JP2680547B2 JP 2680547 B2 JP2680547 B2 JP 2680547B2 JP 6198372 A JP6198372 A JP 6198372A JP 19837294 A JP19837294 A JP 19837294A JP 2680547 B2 JP2680547 B2 JP 2680547B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は遠赤外線放射体を具備す
る寝具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の寝具として種々の構成が知
られているが、代表的なものとして例えば、特開昭61-2
17112 号公報のものがある。上記公報のものは、体温と
ほぼ等しい温度において波長のピークが8〜14μの電磁
波を放射する遠赤外線放射体を内蔵した寝具であり、寝
具の一例として敷布団と枕を開示している。そして、上
記特開昭61-217112 号公報のものを含めて、従来の遠赤
外線放射体を内蔵する寝具は、全て、非熱効果領域波長
の遠赤外線照射による身体への温熱効果、即ち血行促
進、筋肉の疲れや疲労の回復、神経痛や筋肉痛の軽減、
内蔵機能の活発化等の利用を目的とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、寝具、特に布団
等においては睡眠中に発汗水分を十分に吸収し、身体の
乾燥状態を保ち、熟睡が確保され、更に、睡眠環境外気
の湿度調整が期待され、湿気を帯びない通気性の高い性
能が求められる。上記従来の遠赤外線利用の寝具には遠
赤外線放射体をこのような寝具本来の性能向上のために
利用する配慮がされていない。
【0004】本発明は従来技術が有する上記問題点に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは内蔵する
遠赤外線放射体による非熱効果領域波長の遠赤外線照射
に伴う身体への温熱効果を有するのは勿論、更に上記遠
赤外線放射体を利用して寝具の素材性能を高めることに
より、湿気を帯びず、通気性が良くて暖かい、質の高い
寝具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の寝具では、天然繊維からなる詰め物を天然繊
維製の側地で包被してなる寝具に、9.5 〜10.5μmを頂
点とし、4〜25μmの間を常温下で黒体放射に極めて近
似したパターンで遠赤外線を分布放射し、且つ吸水、吸
湿性を有する複数の遠赤外線放射体を、相互に離間せし
めて内蔵するものである。
【0006】上記遠赤外線放射体は陶土、活性炭、水、
酸化チタン、を混練して成形し、乾燥した後に焼成温度
を900 〜1200℃位の間で上昇下降せしめながら、還元雰
囲気中で繰返し焼成して得る陶器である。そして上記陶
器は詰め物内に埋設される状態で配設するようになす。
【0007】寝具の詰め物を構成する天然繊維は羊毛が
最適である。寝具が布団又は座布団の場合には、遠赤外
線放射体を大小2種類以上用意して、布団の使用状態に
おいて少なくとも布団上に存在する人体の中心部位が位
置する部分には大きい方の遠赤外線放射体を配置するの
が望ましい。遠赤外線放射体は天然繊維からなる通気性
を有する薄い中芯に固定しておくのがよい。
【0008】また、寝具が毛布などの場合には全体的ま
たは部分的に2層以上になる部分を設け、その層間に上
記遠赤外線放射体を内蔵させるようにする。尚、本発明
において寝具とは、敷き布団、掛け布団、ベッドパッ
ド、毛布、枕等睡眠のための道具以外に座布団も包含す
るものとする。
【0009】
【作用】以上のように構成した寝具にあっては、内蔵す
る遠赤外線放射体が放射する非熱効果領域波長の遠赤外
線がその温熱効果により、身体の生理機能を活発化させ
ると共に代謝機能を促進する。そしてこれと平行して、
寝具に詰められた羊毛等の詰め物の撥水性水分を内蔵し
ている遠赤外線放射体が吸収し、羊毛等の吸湿性能を高
め、これにより羊毛等の湿潤熱を高めて寝具としての保
温性能を高め、同時に遠赤外線の蒸散乾燥機能が作用
し、湿気の吸収と発散の呼吸作用、即ち通気性を豊かに
する。
【0010】
【実施例】以下、図に基づいて本発明の実施の一例を説
明する。図1は寝具Aの一例として敷き布団A1を示して
おり、布団A1は羊毛等の詰め物1を布帛などの側地2で
くるんだ従来周知の構造形態を有しており、その内部に
は複数の遠赤外線放射体3を内蔵している。
【0011】該遠赤外線放射体3は円板状に形成されて
詰め物1に埋設する状態に配設されており、図示実施例
では通気性のある薄い中芯4に固定されて配設されてい
る。即ち、図1に示すように遠赤外線放射体3は中芯4
に固定されて詰め物1の上に載置され、更にその上面を
詰め物1で覆って、詰め物1の厚さ方向のほぼ中間に埋
め込み固定されている。このように遠赤外線放射体3を
詰め物1内に埋め込む状態に配置することにより、布団
A1の使用に際して遠赤外線放射体3の異物感を緩和する
事ができるばかりでなく、後述する遠赤外線放射体3に
よる詰め物1の撥水性水分の吸収、蒸散乾燥の効率を良
くすることができる。
【0012】尚、上記中芯4は縫着などの適当な固定手
段5により詰め物1または側地2に固定される。また、
中芯4は図1に示すように布団A1のほぼ全幅に亘って設
けてもよいが、遠赤外線放射体3の配置に応じて例えば
複数の帯状に設けてもよい。遠赤外線放射体3の中芯4
への固定は図2に示すように接着剤6で中芯4へ接着固
定するのが簡単であるが、他の任意の方法で行うことが
できる。例えば、図示してはいないが中芯4にポケット
を形成して、そのポケットに遠赤外線放射体3を収める
事により、遠赤外線放射体3の位置が移動しないように
固定してもよい。更には、中芯4を用いなくても、布団
A1をキルティングして多数の升目に区画し、所要の区画
内に夫々一つずつ遠赤外線放射体3を詰め物1に埋め込
んで収めるようになせば、遠赤外線放射体3をほとんど
移動しないように固定することが可能である。
【0013】上記遠赤外線放射体3の配列は任意である
が、布団A1に人が寝た状態において、身体の位置に対応
するように少なくとも布団A1の中央部縦方向に数列に亘
って配置するのが適当である。また、図3及び図4に示
すように、遠赤外線放射体3を直径10cmの円板と直径6.
4cm の円板とするなど、大小2種類を用意して、布団A1
に人が寝た状態において胴部分に対応する箇所には大形
の陶器3aを配置し、それ以外の箇所には小形の陶器3bを
配置して、胴部への遠赤外線の放射量を多くするように
なしてもよい。上記遠赤外線放射体3は大小3種類以上
を用意し、配置場所に応じて大きさを適当に変えるよう
になすことも勿論任意である。このように配置場所によ
り遠赤外線放射体3の大きさを変えることにより、遠赤
外線放射体3による放射エネルギーが一律化せず、人体
の所要箇所、例えば胴分と他の部分とで遠赤外線放射体
3の放射エネルギー面で変化をもたせることができるた
め、エネルギーの効率的な照射が達成される。遠赤外線
放射体3の斯る配列は図7に示すように座布団A2にも適
用することができるが、寝具AがベッドパッドA3や薄手
の掛け布団、毛布A4等のように薄いものである場合に
は、図5及び図6に示すように小さな遠赤外線放射体3b
のみを用いて、それを寝具Aの全体に亘って散在せしめ
るようにするのが望ましい。このようにすることによ
り、使用時における遠赤外線放射体3による異物感が軽
減でき、快適に使用することが可能となる。尚、このよ
うに一律に小形の遠赤外線放射体3bのみを用いるもので
あってもて、その配置密度を変えることにより、大小の
遠赤外線放射体3a、3bを組合わせるものと同様の効果を
期待することができる。
【0014】尚、毛布A4の場合は、図8に示すように毛
布A4を二重仕立てに構成し、1層目aと2層目bの間に
遠赤外線放射体3を内蔵させる事ができる。この場合
も、前述した布団の場合と同様、中芯4を間に入れて、
遠赤外線放射体3をこの中芯4に固定するようにすれば
よいが、他の適当な固定手段で固定することも勿論任意
である。また、毛布A4も全体を二重構造にする必要は必
ずしもなく、少なくとも遠赤外線放射体3を配置する部
分が二重構造になっていればよい。
【0015】本発明の寝具Aは以上のような構造、形態
を備えるものであるが、上記遠赤外線放射体3が9.5 〜
10.5μmを頂点として、水や有機物の多原子分子の振動
領域である4〜25μmの間を常温下で黒体放射に極めて
接近したパターンで遠赤外線を分布放射するものであ
り、且つ多孔質で吸水、吸湿性を有することを特徴とす
る。
【0016】遠赤外線放射体3は斯る条件を備えるもの
であれば、特に制限はなないが、この実施例では特公平
4-45479 号公報に記載されている陶器を前述のように直
径10cm、6.4cm 程度の大きさの円板状に形成して用いて
いる。従って以下の説明においては遠赤外線放射体を遠
赤外線放射陶器又は単に陶器と言い換えて説明する。
【0017】上記公報の陶器は陶土、活性炭、水、酸化
チタン、を混練して成形し、乾燥した後に焼成温度を90
0 〜1200℃位の間で上昇下降せしめながら、還元雰囲気
中で繰返し焼成して得たものであり、ウイーンの変位則
u=ν3 f(ν/T)及びブランク定数h=(E/ν)
に基づく30℃における放射エネルギーの測定値が、10〜
11μmを頂点として、4〜25μmの間を常温下で黒体放
射に極めて接近したパターンで分布放射する。そして、
この陶器は活性炭の多孔質がそのまま保存された多孔質
構造であり、吸水性を有する。また、この陶器の物理特
性は、吸水率17.2%、吸湿率0.8 %、比重2.81、比熱0.
213(40℃) であり、アンモニアに対しての吸着性を有す
る。
【0018】尚、上記のように遠赤外線放射陶器3をあ
る程度の大きさを有する板状に形成して用いることは、
粉体、流体、微小片体として用いる場合に比べ、熱容量
が大きい、蓄熱性が高い、温められるとレベルの高い放
射エネルギーが長時間持続する等の利点がある。
【0019】一方、遠赤外線の上記波長帯域は水及び有
機物の多原子分子の共振励起領域といわれ、それらの分
子がその物質に固有な遠赤外線波長を吸収する領域であ
る。従って常温において上記陶器3が放射する遠赤外線
の波長帯域は水及び有機物の多原子分子の共振励起領域
にあたり、この波長の電磁波の吸収により水や有機物の
多原子分子は共鳴、振動励起作用を起こし、活性化す
る。水及び有機物の振動励起領域は非熱効果領域であ
り、本発明において上記遠赤外線放射陶器3は常温化で
の非熱効果領域を実現するものである。
【0020】以下、非熱効果領域波長の生体への作用に
ついて説明する。生態は遠赤外線の吸収体であり、放射
体である。また人体が放射する波長は9,4 μm前後の波
長であり、それは生体の欲しがるスペクトルであるとい
われている。
【0021】遠赤外線が人体に照射されると、熱エネル
ギーに変換され、この変換された熱エネルギーはその周
辺組織の温度を上昇させる。人体組織の温度が適度に上
昇したとき得られる感覚を温熱感覚というが、この温熱
感覚を生じさせる放射照度は赤外線波長により異なり、
波長の長い遠赤外線(比熱効果領域)の方が近赤外線に
比し、低い放射照度で高い温熱感覚を生じさせる。
【0022】有機化合物の遠赤外線の吸収スペクトルは
6〜12μmである。生態にとって有機化合物の主たるも
のは蛋白質であり、生態の管理とは水と蛋白質の管理に
集約できるが、水の吸収波長は3μmと6〜11μmであ
りこの両者の合致する波長域(非熱効果領域)が生命を
育んできた育成波長領域といわれている。
【0023】人体への遠赤外線の吸収は皮膚を通して浸
透し、体表面の筋肉層、血管、リンパ管、神経等、細胞
にむらなく温熱効果作用を及ぼし、振動的分子運動の共
鳴作用を起こし、細胞組織へのマイクロマッサージと細
胞内化学物質の活性化に作用する。この結果、生体反応
として体内部から暖め、毛細血管、微細動静脈の拡張、
全身の血流循環の活性化、つまり代謝の強化、体液循環
障害の除去と組織再生力を高める。また血液に対する働
きかけとしては水分子の共鳴振動により分子運動に電気
的共振を起こし、自己発熱現象を起こして低温部分の温
度を上昇させる。この自己発熱は比較的低温部の腰部、
下肢部分の温度を体の中心温度まで上昇させ、その結果
抹消血管に血液が早く送られるようになる。
【0024】また、自己発汗作用を活発にし、代謝活動
を促進させる。発汗作用の促進はエクリン腺(体温調
節)とアポクリ腺(脂質老廃物排出)共に汗腺機能を高
め、皮膚と皮膚組織の洗浄をなし、人体の恒常性の維持
能力を高める。更に発汗作用の促進は老廃物の皮膚面よ
りの体外排泄を促進し、体内老廃物排泄のための臓器負
担を軽減する。
【0025】而して、本発明は前記遠赤外線放射陶器3
を寝具Aに内蔵させたことにより、遠赤外線の非熱効果
領域波長による身体への効用を日常生活の中において実
現し、生体への健康の誘導と増進を図ることができる。
【0026】以上のように、本発明においては遠赤外線
放射陶器3が非熱効果領域波長の遠赤外線を放出するも
のであることは極めて重要な点であるが、同時に遠赤外
線放射陶器3が多孔質で吸水、吸湿性を有する陶器から
なることも非常に重要なことである。この遠赤外線放射
陶器3が吸水、吸湿性を有することの重要性については
後述する説明において明らかになるであろう。
【0027】一方、寝具Aの側地2は動物繊維、植物繊
維等の有機物天然繊維であれば、どのような繊維を用い
ることも可能ではあるが、詰め物1としては下記の理由
により羊毛が最適である。羊毛は天然繊維として優れた
特徴を持つ有機化合物であり、クリンプにより優れた弾
力性と嵩高さ性を作り、含気率を高め(含気率60%)、
保温性能を高めている。
【0028】また、羊毛の熱伝導率は0.9cal/cm,sec と
低いにも拘らず、比熱が小さく接触するとすぐ温度が上
がる。従って、体温ですぐ暖まり、しかも熱は保持され
て逃げない。つまり、接触温感に優れ、保温性が極めて
高い。
【0029】羊毛は吸湿性が大きく、2O℃で湿度65% の
とき、吸湿率15〜16% とあらゆる繊維中で抜群に高い吸
湿率を有する。また、羊毛には本体部分と表皮部分に機
能区分があり、この組み合わせにより外気の変化に伴い
湿気を吸収したり、繊維内部の湿気を放散したりする呼
吸作用のメカニズムを有し、それにより優れた通気性を
発揮する。
【0030】羊毛は水溶性の汚れに強い特徴がある。こ
れは羊毛繊維の表皮部における水を撥く性質(撥水性)
によるものである。羊毛繊維の表皮は鱗状のスケールで
あり、その表面はエピキューティクルという薄い膜で覆
われており、これが水を撥く性質を持つ。この撥水性が
羊毛繊維を水溶性の汚れから守る。その内側のエンドキ
ューティクル、エキソキューティクルは親水性の膜でエ
ピキューティクルの細い孔を通過した湿気、気化した水
分を羊毛本体であるコルテックス(皮質部)に伝える。
また、羊毛は水分含有率が高いため静電気の発生も少な
く、塵、埃の付着による汚れも少ない。このように羊毛
は吸湿性が高いと同時に撥水性が強いという矛盾した性
質を併有する。
【0031】そして、天然繊維としてこのように優れた
特性を持つ羊毛は、有機化合物に非熱効果機能を発揮
し、且つ吸水、吸湿性を有する上記遠赤外線放射陶器を
組合わせることにより、羊毛の持つ上記各機能が更に優
れた性能に高められる。以下にこれを説明する。
【0032】前記遠赤外線放射陶器3は吸水性を有し、
本実施例で使用する特公平4-45479号公報の陶器の場
合、前述の通り吸水率は17.2%、比重が2.81であるか
ら、陶器容積1cm3 の吸水比はは0.49となる。今、寝
具が図4に示したシングルサイズの布団A1の場合につい
て説明すると、この布団A1には大小11枚の上記遠赤外線
放射陶器3が組み込まれており、その陶器3の内訳は大
形の陶器3a5枚、小形の陶器3b6枚となっている。ここ
で大形の陶器片を125g、小形の陶器片を35g とした場
合、この布団A1の陶器3はその重量合計835gの17.2%が
吸水量となるので、陶器3全体として143.6gの吸水能力
を持つことになる。従って、この陶器3は上記吸水能力
により羊毛の撥水性水分を吸収する作用を果たし、その
結果羊毛の吸湿機能を高めることになると共にその通気
性をも高めていく。人体は睡眠中に約200cc の汗をかく
といわれる。この汗の吸湿と発散は常に身体の乾燥状態
を保つことになり、熟睡を確保する上で極めて重要であ
る。
【0033】また、理想的な寝具としては、この汗の吸
湿のほかに睡眠中の環境確保に寝具A自体が周囲外気の
適当な湿度調整を行うことが望ましい。羊毛は15〜16%
の吸湿率を持つが、前述のように上記陶器3も0.8 %の
吸湿率を持つ。これは陶器容積1cm3 当たり2.2 %であ
る。そしてこれが羊毛の吸湿率に付加される。前記図4
の布団A1において全陶器3の持つ吸湿水分量は6.7g(83
5g×0.8 )となるが、この吸湿水分量の持つ意味を検証
してみる。温度と飽和蒸気密度の関係は例えば10℃で9.
4g/ m3 、15℃で12.8g/m3 、20℃で17.3g/m3 、30℃
で30.4g/m3 、40℃で51.2g/m3 である。従って、これ
は羊毛自体の人体の発汗水分の吸収もさることながら、
上記陶器3による布団A1の吸湿水分は睡眠環境の外気の
湿度調節に有効に作用するものであるといえる。更に上
記陶器3の放射する遠赤外線は乾燥機能をもつ。これは
遠赤外線の放射を受けるとその振動で水分子が均一に蒸
散する作用である。この作用が環境外気の湿度調整に同
時に機能する。
【0034】吸湿のとき、気化した水分が液化するが、
羊毛はその際の発熱量(湿潤熱)が大きく、羊毛の湿潤
熱、即ち吸湿発生熱量は27.0cal/g である。前述のよう
にこの陶器3には吸水、吸湿性があり、羊毛との組合わ
せにより羊毛の撥水性分を吸収して羊毛の吸湿性を高め
るが、羊毛の持つ湿潤熱の機能効率を羊毛単体がなす作
用のそれに比べて一層高めることになる。吸湿による発
生熱量が大きいと、大気の温度が低くなったときに優れ
た保温性を発揮するが、更に、陶器3の放射する遠赤外
線は羊毛の水分に自己発熱現象を起こし、その保温性能
を一層高めていくことになる。
【0035】また、上記陶器3は羊毛の発する湿潤熱を
遠赤外線放射の入力エネルギーの一部として受け入れ、
非熱効果領域の波長の放射(輻射)として機能するが、
その際熱伝達において伝導や対流の場合には熱の移動量
が双方の物体の温度差の関数であるのに対し、輻射の場
合は絶対温度の4乗の差になるので、湿潤熱の微妙な変
化は輻射量(放射エネルギー)に大きな影響を及ぼすこ
とになる。
【0036】発汗はエクリン腺(体温調節)とアポクリ
腺(脂質等、老廃物排出)があるが、本実施例の寝具A
における陶器3には前述せるようにアンモニア吸着によ
る消臭作用があり、アポクリ腺発汗にかかわる臭気面で
この陶器3の持つ消臭機能が作用する。また陶器3の放
射する遠赤外線の乾燥機能も共にこれに作用するので、
遠赤外線放射で水分子は均一に蒸散し、その蒸散による
乾燥で油脂、バクテリアの分解蒸散と臭気除去が平行し
て進捗する。このことは、睡眠中に体臭の除去、消臭作
用が極めて効果的に行われることを意味する。
【0037】また前述のように羊毛は含気率が高く、熱
伝導率が低いため、その保温性は通常でも極めて高い。
一方、上記陶器は比重が2.81、比熱は0.213 で、陶器3
の熱容量は0.6 であり、これは水の熱容量の60%であ
る。従って、羊毛に組み込まれた陶器3は冷え難く、そ
のため寝具Aの保温性は長時間保たれると共に遠赤外線
放射がそのレベルでその間持続されることになる。この
ことは遠赤外線放射による蒸散乾燥がその間持続してい
ることを意味しており、その間に外気温に合わせての湿
気放散が継続して行われる。これは空気中の温度差と湿
度とにより生じる分圧現象であり、それがその間行われ
るのである。通気性、即ち吸湿、放出の呼吸作用が極め
て豊かに行われることになり、これによりこの寝具Aは
日常生活で湿気を帯び難い、健康上極めて優れた寝具A
になる。
【0038】以上の説明において言及した、水分子振
動、有機物への影響、発熱量、吸湿量、蒸散乾燥機能、
布団の保温等々は遠赤外線放射体の放射エネルギー量に
大きく関わるが、本発明では4〜25μmの間を常温下で
黒体放射に極めて近似したパターンで遠赤外線を分布放
射する遠赤外線放射体を使用するため、エネルギー放射
分布が黒体放射から離れたものに比べて放射エネルギー
量が大きく、特に微温度で差が大きくなり(放射エネル
ギーは絶対温度の4乗に比例する)、遠赤外線利用寝具
としての性能、品質が大幅に向上する。
【0039】(発明の効果)本発明は上記のように構成
したので以下の効果を奏する。内蔵した遠赤外線放射体
が生体に有益な作用を及ぼす非熱効果領域の遠赤外線を
常温で放射するので、遠赤外線の非熱効果領域波長によ
る身体への効用を日常生活の中において実現し、生体へ
の健康の誘導と増進を図ることができるのは勿論、詰め
物の天然繊維を活性化し、その天然繊維の素材としての
質を高めることができる。これは寝具の詰め物が羊毛の
場合に顕著である。
【0040】上記遠赤外線放射体が吸水、吸湿性を有す
るので、寝具の詰め物が特に羊毛の場合において羊毛の
撥水性水分を陶器が吸収し、羊毛の吸湿性能を高めると
共に陶器の持つ吸湿性がそれに付加されることになり、
それにより羊毛の湿潤熱を高め、布団としての保温性を
高めることができ、しかも陶器の放射する遠赤外線によ
る羊毛水分の自己発熱現象により上記保温性能を一層向
上させることができる。
【0041】遠赤外線放射体が吸湿性を有し、その吸湿
率が羊毛の吸湿率に付加されるので、発汗水分を十分に
吸収して、常に身体の乾燥状態を保つことができる。し
かも遠赤外線による蒸散乾燥機能が平行して作用するた
め、睡眠環境外気の湿度調整を十分に期待することがで
きる。従って、熟睡が確保される。
【0042】吸水、吸湿性を有する遠赤外線放射体と羊
毛との組合わせにより、羊毛の撥水性分を陶器が吸収し
て羊毛の吸湿性を高め、また羊毛の持つ湿潤熱の機能効
率を向上させることができる。そしてこの吸湿性と湿潤
熱の向上は優れた保温性能の維持の場となり、それによ
り内蔵する遠赤外線放射体の遠赤外線放射を持続させ、
それに伴って蒸散乾燥も持続し、これらの一体性が寝具
における湿気の吸収と発散の呼吸作用、即ち通気性を極
めて豊かなものにすることができる。即ち、寝具自体、
湿気を帯びない特性をもつことになる。
【0043】遠赤外線放射体が特に陶土、活性炭、水、
酸化チタン、を混練して成形し、乾燥した後に焼成温度
を900 〜1200℃位の間で上昇下降せしめながら、還元雰
囲気中で繰返し焼成して得られる陶器であるときには、
発汗などによる臭気を陶器が吸収し、更に遠赤外線の機
能である蒸散乾燥が、油脂、バクテリアを分解蒸散させ
るので、睡眠中に臭気除去、消臭作用を効果的に行うこ
とができる。
【0044】以上の各効果が有機的に結合し、且つ相乗
して生体の生理機能を活発化させると共に代謝機能を促
進し、熟睡を誘い、健康の保持と増進が期待される。特
に、湿気の多い我が国においては、睡眠中に汗を十分に
吸収し、身体の乾燥状態を保ち、熟睡が確保され、更に
睡眠環境外気の湿度調整が可能で、日常生活においても
湿気を帯びない通気性の高い寝具が求められるが、これ
らの条件を克服した本発明の寝具は、特に湿度の影響が
あるとされるリューマチ、神経痛、高血圧など長期疾患
に多くの効果を発揮するものと期待される。即ち、本発
明は非熱効果領域波長の遠赤外線照射を伴い、更に湿気
を呼ばず、通気性も高く、暖かくて、熟睡を誘い、健康
への誘導と増進を期待することができる優れた品質の布
団を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の寝具の一実施例としての布団を一部切
欠して示す斜視図である。
【図2】要部の拡大断面図。
【図3】ダブルサイズの布団における遠赤外線放射体の
配列の一例を示す説明図。
【図4】シングルサイズの布団における遠赤外線放射体
の配列の一例を示す説明図。
【図5】ダブルサイズのべッドパッドにおける遠赤外線
放射体の配列の一例を示す説明図。
【図6】シングルサイズ毛布における遠赤外線放射体の
配列の一例を示す説明図。
【図7】座布団における遠赤外線放射体の配列の一例を
示す説明図。
【図8】毛布における遠赤外線放射体の内蔵状態を示す
断面図。
【符号の説明】
A(A1,A2,A3,A4):寝具 1:詰め物(羊毛) 2:側地 3:遠赤外線放射体
(遠赤外線放射陶器) 4:中芯

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然繊維からなる詰め物を天然繊維製の側
    地で包被してなる寝具であって、9.5 〜10.5μmを頂点
    とし、4〜25μmの間を常温下で黒体放射に極めて近似
    したパターンで遠赤外線を分布放射し、且つ吸水、吸湿
    性を有する複数の遠赤外線放射体を相互に離間せしめて
    内蔵したことを特徴とする寝具。
  2. 【請求項2】詰め物を構成する天然繊維が羊毛であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の寝具。
  3. 【請求項3】遠赤外線放射体が詰め物内に埋設される状
    態で配設されていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の寝具。
  4. 【請求項4】寝具が布団又は座布団であって、遠赤外線
    放射体が大小2種類以上の大きさのものを含み、布団の
    使用状態において少なくとも布団上に存在する人体の中
    心部位が位置する部分には大きい方の遠赤外線放射体が
    配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載の寝具。
  5. 【請求項5】天然繊維により全体又は一部が2層以上に
    構成され、層間には9.5 〜10.5μmを頂点とし、4〜25
    μmの間を常温下で黒体放射に極めて近似したパターン
    で遠赤外線を分布放射し、且つ吸水、吸湿性を有する複
    数の遠赤外線放射体を相互に離間せしめて内蔵したこと
    を特徴とする寝具。
  6. 【請求項6】天然繊維が羊毛であることを特徴とする請
    求項5記載の寝具。
  7. 【請求項7】遠赤外線放射体が天然繊維からなる通気性
    を有する薄い中芯に固定されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれかに記載の寝具。
  8. 【請求項8】遠赤外線放射体が陶土、活性炭、水、酸化
    チタン、を混練して成形し、乾燥した後に焼成温度を90
    0 〜1200℃位の間で上昇下降せしめながら、還元雰囲気
    中で繰返し焼成して得られる陶器であることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の寝具。
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