JP2680327B2 - 歯車駆動機構 - Google Patents

歯車駆動機構

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JP2680327B2
JP2680327B2 JP63051194A JP5119488A JP2680327B2 JP 2680327 B2 JP2680327 B2 JP 2680327B2 JP 63051194 A JP63051194 A JP 63051194A JP 5119488 A JP5119488 A JP 5119488A JP 2680327 B2 JP2680327 B2 JP 2680327B2
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勇二 池戸
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は一対の被駆動歯車を互いに反対方向に又は選
択的に駆動する歯車駆動機構に関する。
背景技術 第35図に示す如く、互いに噛合していない一対の被駆
動歯車201及び202があって、両者を同時に反対方向に回
転せしめたりあるときはいずれか一方のみを回転させた
い場合、各々の被駆動歯車に対して個別に駆動源203,20
4を設けることが行なわれていた。このように夫々の被
駆動歯車に対して駆動源を有する歯車駆動機構はコスト
の高いものであった。
発明の概要 本発明は上記した点に鑑みてなされたものであって、
その目的とするところはコストの安い歯車駆動機構を提
供することである。
本発明による歯車駆動機構は、一対の被駆動歯車を互
いに反対方向に又はそのうちのいずれか一方を選択的に
駆動せしめる歯車駆動機構であって、前記一対の被駆動
歯車に挾まれて噛合し得る駆動歯車と、前記駆動歯車を
回転せしめる駆動源と、前記被駆動歯車の各々に形成さ
れ前記駆動歯車と非噛合状態を形成する欠歯部と、前記
被駆動歯車の一方が所定位置に達したときに前記駆動歯
車と非噛合状態にある他方を前記駆動歯車との噛合位置
に起動せしめる起動手段とを有することを特徴としてい
る。
実施例 以下、本発明の実施例としての歯車駆動機構を含むデ
ィスクプレーヤを添付図面を参照しつつ説明する。
第1図ないし第3図に示すように、プレーヤハウジン
グ2の前面部すなわちフロントパネル3には、演奏さる
べきディスク5及び6を担持する上方トレイ8及び下方
トレイ9が該プレーヤハウジング外に突出し得るよう
に、左右方向に伸長する長方形のディスク供給口3aが設
けられている。但し、矢印Y方向が前方であり、矢印X
方向が左方である。また、矢印Zは上方を示す。なお、
ディスク5は例えば、直径が約12cmのコンパクトディス
クであり、ディスク6は直径が約8cmのものである。両
トレイ8及び9は後述するターンテーブルのディスク担
持面に対して垂直な方向、すなわち上下方向(矢印Z方
向及びその反対方向)において並置されており、各ディ
スク5及び6が嵌挿さるべき大小2つずつの円形凹部8
a,8b,9a,9bが同心的に形成されている。ディスク供給口
3aの近傍には該ディスク供給口を閉塞するための上下一
対のドア10及び11が揺動自在に設けられており、各トレ
イ8及び9の突出収納動作に同期して開閉する。また、
フロントパネル3上には当該フロントローディングディ
スクプレーヤの操作をなすためのスイッチ群13が設けら
れている。
第4図及び第5図にも示す如く、プレーヤハウジング
2内には例えば鋼板からなる案内部材としての縦シャー
シ15が設けられている。また、第4図に示すように、こ
の縦シャーシ15は横シャーシ16上に固定されている。
第2図及び第4図に示すように、横シャーシ16上には
ターンテーブル17が設けられている。また、第2図に示
すように、横シャーシ16上には対物レンズ19を含む光学
式ピックアップを担持したキャリッジ20がターンテーブ
ル17上に載置されたディスクの記録面に沿うべく移動自
在に設けられており、更に、該キャリッジを移動せしめ
るキャリッジ駆動手段(図示せず)が設けられている。
次いで、上方トレイ8及び下方トレイ9をプレーヤハ
ウジング2に対する突出位置及び収納位置並びに演奏位
置に案内し且つ移動せしめる案内駆動手段について説明
する。なお、上方トレイ8及び下方トレイ9は夫々略同
形状に形成され、その詳細を第6図(a)及び(b)に
示す。
第2図ないし第4図に示すように、縦シャーシ15の左
側面には上方プレート23及び下方プレート24が設けられ
ており、上方トレイ8及び下方トレイ9は夫々右側端部
にて該両プレートの一方ずつによりターンテーブル17の
ディスク担持面17a(第4図)と平行な方向、この場
合、前後方向(矢印Y方向及びその反対方向)において
移動自在に支えられている。上方プレート23及び下方プ
レート24の詳細は第7図(a),(b)及び第8図
(a),(b)に示す。詳しくは、上方プレート23及び
下方プレート24にはその伸長方向に沿って長孔23a,24a
が形成されており、上方トレイ8及び下方トレイ9の右
側端部に一対ずつ突設されたピン8d,9dが該各長孔に摺
動自在に係合しているのである。
第2図ないし第4図、並びに第7図,第8図に示すよ
うに、上方プレート23及び下方プレート24の右側面には
前後方向(矢印Y方向及びその反対方向)において離間
する一対ずつのピン23b,24bが突設されており、該各ピ
ンは縦シャーシ15に形成されたクランク形状の前後一対
ずつの上方ガイド孔26及び下方ガイド孔27に摺動自在に
嵌挿せしめられている。即ち、夫々、該上方ガイド孔26
及び下方ガイド孔27に沿って上方プレート23及び下方プ
レート24が移動するようになされているのである。上方
ガイド孔26及び下方ガイド孔27は全体として、ターンテ
ーブル17(第4図に図示)の回転中心軸方向に平行な面
内において該回転中心軸と直交する面に沿って、すなわ
ちこの場合、前後方向(矢印Y方向及びその反対方向)
に伸長している。詳しくは、上方ガイド孔26及び下方ガ
イド孔27は、最深部すなわちその後端部において、ター
ンテーブル17(第4図)のディスク担持面に直交する面
に沿って下方に伸びる第1垂下部26a,27aを各々有し、
また、該最深部よりも浅い位置において該第1垂下部と
平行に伸びる第2垂下部26b,27bを有している。これら
第1垂下部26a,27aと第2垂下部26b,27bとの間は前後方
向(矢印Y方向及びその反対方向)において伸長する第
1平坦部26c,27cとなっている。また、第2垂下部26b,2
7bに連続してディスク供給口3aに近づく方向すなわち前
方に伸びるトレイ突出用第2平坦部26d,27dを有してい
る。
第2図ないし第4図に示す如く、上記した上方プレー
ト23及び下方プレート24と共に縦シャーシ15を挾むよう
に矩形板状の被駆動歯車としての上方ラック29及び下方
ラック30が配置されている。なお、第9図(a)ないし
(c)に上方ラック29の詳細を示し、第10図(a)ない
し(c)に下方ラック30の詳細を示す。上方ラック29及
び下方ラック30は夫々、前後方向(矢印Y方向及びその
反対方向)において往復動自在に縦シャーシ15の受け部
15aに取り付けられている。前述した上方プレート23及
び下方プレート24の外側面に突設されたピン23b,24b
は、縦シャーシ15に形成された上方ガイド孔26及び下方
ガイド孔27を通じて、上方ラック29及び下方ラック30の
左側面に形成された山形状カム溝29a,30aに摺動自在に
係合している。第9図(c),第10図(c),第11図及
び第12図に示す如く、山形状カム溝29a,30aは互いに連
続した一対の斜状部29b,29c,30b,30cからなる。該各斜
状部は、縦シャーシ15に形成された上方ガイド孔26及び
下方ガイド孔27の各第1垂下部26a,27a,第2垂下部26b,
27bに対して所定角度傾斜している。即ち、上方ラック2
9及び下方ラック30が前後(矢印Y方向及びその反対方
向)に移動することにより前述の上方プレート23及び下
方プレート24が上方ガイド孔26、下方ガイド孔27に夫々
沿って移動するように各山形状カム溝29a,30aが形成さ
れているのである。
第11図及び第12図に示す如く、下方ラック30には、山
形状カム溝30aを形成する両斜状部30b,30cの連続部近傍
に、揺動部材32が仮想中心軸32aを中心として揺動自在
に取り付けられている。揺動部材32の自由端部に尖頭部
32bが形成されており、上記の両斜状部30b,30cの連続部
内に該尖頭部32bが突出し得る。また、揺動部材32に復
元力を付与するばね部材32cが設けられている。縦シャ
ーシ15にはこの揺動部材32が摺接する直線状のカム部材
33が上方ラック30の移動方向に沿ってすなわち前後方向
(矢印Y方向及びその反対方向)に伸長して設けられて
いる。第12図に示す如く、この直線状カム部材33は切欠
部33aを有し、上方ラック30の移動に応じて揺動部材32
を揺動せしめる揺動部材駆動手段として作用する。この
直線状カム部材33と、ばね部材32cを含む揺動部材32と
によって、下方プレート24のピン24bを下方ラック30の
移動に伴って山形状カム溝30aの一対の斜状部30b,30cの
いずれか一方に択一的に案内する案内手段が構成されて
いる。すなわち、かかる案内手段を設けずに山形状カム
溝30aのみにてピン24bを下方ガイド孔27に沿って移動さ
せようとすると、例えば下方ラック30の前方(矢印Y方
向)への移動時に、山形状カム溝30aの一方の斜状部30b
の作用によって下方ガイド孔27の第1垂下部27a内を上
昇せしめられたピン24bが、これに続いて第1平坦部27c
に移行せずに他方の斜状部30cの作用によって再び第1
垂下部27aに沿って逆に下降してしまう。上記の案内手
段は、下方ラック30の移動に伴ってピン24bのかかる逆
行を防止するものであり、これにより、例えば下方ラッ
ク30の前方への移動時には、ピン24bは山形状カム溝30
の一方の斜状部30bの作用によって下方ガイド孔27の第
1垂下部27aに沿って上昇せられ、上昇完了時に揺動部
材32により逆行を阻止される。この状態でピン24bは下
方ガイド孔27の第1平坦部27cに沿って前方に水平移動
し、次いで、山形状カム溝30の他方の斜状部30cの作用
により第2垂下部27b内を下降する。この後、ピン24bは
トレイ突出用第2平坦部27d内を水平移動する。揺動部
材32を含むかかる案内手段は下方ラック30にだけでな
く、上方ラック29にも同様に設けられている。第3図に
示す如く、上方ラック29及び下方ラック30は駆動歯車と
しての単一のピニオン35に互いに反対方向に移動可能に
噛合し得る。ピニオン35は複数の歯車などを組み合せて
なる減速機構36を介してモータ37により回転せしめられ
る。第9図(a)及び第10図(a)に示す如く、上方ラ
ック29及び下方ラック30の各前端部には欠歯部29e,30e
が形成されている。第9図(a),(b)、第10図
(a),(b)に示すように、上方ラック29及び下方ラ
ック30の右側面には該各ラックの略全長に亘ってカム溝
29f及び30fが形成されている。第3図に示すように、こ
れら両カム溝29f及び30fに常時係合するカムフォロワ40
が設けられており、且つ、縦シャーシ15に対して固設さ
れたサブシャーシ41に上下方向(矢印Z方向及びその反
対方向)において移動自在に取り付けられている。第13
図(a)及び(b)にこのカムフォロア40の詳細を示
す。カムフォロア40は上下一対のピン40a,40bを有し、
該各ピンが各カム溝29f,30fに摺接している。こののカ
ムフォロア40とこれが摺接した上記各カム溝29f,30fと
により、上方ラック29及び下方ラック30のいずれか一方
が所定位置に達したときに他方をピニオン35との噛合位
置に起動せしめる起動手段が構成されている。すなわ
ち、例えば下方ラック30がその欠歯部によりピニオン35
に対して噛合状態にないとき、ピニオン35と噛合状態に
ある上方ラック29が所定距離だけ移動すると、上記のカ
ム溝29f,30fとカムフォロア40との作用によって下方ラ
ック30が所定距離前進(矢印Y方向)せしめられ、これ
によって下方ラック30がピニオン35と噛合して下方ラッ
ク30の移動が上方ラック29の移動方向とは反対方向に開
始されるのである。なお、上方ラック29が欠歯部29eに
よってピニオン35と噛合状態にないときにも同様であ
り、また、逆に、上方ラック29あるいは下方ラック30の
いずれか一方を他方の移動に応じてピニオン35と非噛合
状態とすることを行なう。
かかる構成の故、一対設けられた被駆動歯車としての
上方ラック29及び下方ラック30を、該両ラックに対して
夫々個別の駆動源を設けることなく単一のモータ37によ
って互いに反対方向に又は選択的に駆動することができ
るのである。
第2図及び第4図に示すように、上方トレイ8及び下
方トレイ9の各右側端部を前後方向(矢印Y方向及びそ
の反対方向)において移動自在に支持した上方プレート
23及び下方プレート24の各下面には各々、歯車43及び44
が設けられている。第2図及び第5図に示すように、縦
シャーシ5の左側面にラック部45,46及び47が設けられ
ており、歯車43,44は夫々上方プレート23及び下方プレ
ート24の上下動に応じてこの各ラック部のいずれかに噛
合する。また、上方プレート23及び下方プレート24の上
下動時に各歯車43,44をして該各ラック部間を移行せし
めるための移行ラック部49,50が形成されている。第2
図,第4図及び第6図(b)に示すように、上方トレイ
8及び下方トレイ9の下面にはプレーヤハウジング2に
対する突出収納方向すなわち前後方向(矢印Y方向及び
その反対方向)において伸長するラック部8f及び9fが夫
々形成されており、上記の各歯車43,44はこれらのラッ
ク部8f,9fにも噛合している。
上記した歯車43,44と、ラック部45,46,47,8f,9fと、
移行ラック部49及び50とによって、上方プレート23及び
下方プレート24の移動に応じて上方トレイ8及び下方ト
レイ9を該各プレートに対して該各プレートの移動速度
の2倍の速度にて移動せしめる倍速機構が構成されてい
る。
上記した倍速機構と、ピニオン35と、モータ37及び減
速機構36を含み該ピニオンを回転せしめる駆動源と、上
方ラック29及び下方ラック30と、上方プレート23及び下
方プレート24と、これらに関連する周辺小部材とによっ
て、上方トレイ8及び下方トレイ9を夫々縦シャーシ15
の上方ガイド孔26及び下方ガイド孔27に沿って移動せし
める駆動手段が構成されている。
上述のように、上方トレイ8及び下方トレイ9はその
各右側端部を上方プレート23、下方プレート24を介して
支えられて案内される。一方、第2図及び第4図に示す
如く、これら上方トレイ8及び下方トレイ9の各左側端
部は可動担持部材53によって前後方向(矢印Y方向及び
その反対方向)において移動自在に支えられている。こ
の可動担持部材53は横シャーシ16上に固設された案内部
材54によって上下方向(矢印Z方向及びその反対方向)
において移動自在に取り付けられている。第14図(a)
ないし(c)に可動担持部材53の詳細を示し、第15図
(a)及び(b)に案内部材54の詳細を示す。第4図、
第14図(a)ないし(c)に示す如く、可動担持部材53
の右側面には上方トレイ8及び下方トレイ9の各左側端
部が摺動自在に嵌合する直線状ガイド溝53a,53bが形成
されている。また、可動担持部材53の左側面には3つの
ピン53cが突設され、案内部材54に上下方向(矢印Z方
向及びその反対方向)において伸長して形成された3本
のガイド孔54a,54b,54cに該各ピンが各々摺動自在に嵌
合することにより、可動担持部材53が上下動し得る。
第2図及び第3図に示すように、縦シャーシ15と上記
の案内部材54との間に連動部材56が配置されており、且
つ、支持ピン56aによってターンテーブル17のディスク
担持面に対して直角な面内において揺動自在に縦シャー
シ15及び案内部材54に取り付けられている。第16図
(a)及び(b)に連動部材56の詳細を示す。連動部材
56の自由端部左右にはピン56b,56cが突設されており、
右側のピン56bが下方プレート24に前後方向(矢印Y方
向及びその反対方向)に伸長して形成された長孔24dに
摺動自在に嵌合している。また、左側のピン56cは上述
した可動担持部材53に形成された長孔53dに嵌挿せしめ
られている。すなわち、下方プレート24がその支持した
下方トレイ9と共に上下動するのに伴って、連動手段た
る連動部材56を介して可動担持部材53がこれに摺接する
ピン56cと共に上下動するようになされているのであ
る。なお、当該実施例においては、上方トレイ8及び下
方トレイ9の各左側端部を移動自在に担持する担持部材
が可動担持部材53とピン56cとから成る。また、可動担
持部材53を省きピン56cを上方トレイ8及び下方トレイ
9用に一対設けてこの両ピン56cにより該各トレイの夫
々を直接担持してもよい。また、更に、ピン56cを上記
の連動部材56に一体に形成してもよい。かかる構成とす
れば、可動担持部材53の案内をなす案内部材54は不要と
なりこれを削減し得る。
この連動手段と、可動担持部材53及びピン56cから成
る担持部材と、案内部材53と、他の案内部材たる縦シャ
ーシ15と、該縦シャーシの上方ガイド孔26及び下方ガイ
ド孔27に沿って上方トレイ8及び下方トレイ9を夫々移
動せしめる前述の駆動手段とによって、上方トレイ8及
び下方トレイ9の各々をプレーヤハウジング2に対する
突出位置及び収納位置並びに演奏位置に案内し且つ移動
せしめる案内駆動手段が構成されている。この案内駆動
手段は、上方トレイ8及び下方トレイ9のうちいずれか
一方が該演奏位置にあるときに他のトレイを該収納位置
と突出位置のいずれかに位置せしめる。また、該案内駆
動手段と、上方トレイ8及び下方トレイ9とにより、演
奏されるべきディスクを担持してこれをプレーヤハウジ
ング2内のターンテーブル17上に搬送するディスク搬送
機構が構成されている。
ここで、縦シャーシ15に形成された上方ガイド孔26及
び下方ガイド孔27について詳述する。
前述した如く、上方ガイド孔26及び下方ガイド孔27
は、第1垂下部26a,27aと第2垂下部26b,27bの2つずつ
の垂下部を有している。すなわち。例えば、上方ガイド
8が上方ガイド孔26の第1垂下部26a、該第1垂下部に
連続する第1平坦部26c及び第2垂下部26bに順次沿うこ
とによりターンテーブル17を回避しつつ移動するとき、
他方の下方トレイ9がこれに連動して下方ガイド孔27の
第2垂下部27b、該第2垂下部に連続する第1平坦部27c
及び第1垂下部27aに順次沿ってターンテーブル17を回
避しながら移動する構成となっているのである。このよ
うに、2枚設けられたトレイ8及び9の一方の上下動に
伴って他方も上下動する構成の故、両トレイの少なくと
も一部どうしをターンテーブル17のディスク担持面に平
行な面内において互いにオーバラップさせても両者は移
動時に互いに干渉することはなく、両者をオーバラップ
せしめることにより該面内におけるプレーヤの大型化が
最小限に抑えられているのである。
また、第5図から明らかな如く、上方ガイド孔26の第
1垂下部26aの下端は第2垂下部26bの下端よりも下方に
あり、下方ガイド孔27の第1垂下部27aの下端は第2垂
下部27bの下端よりも上方にある。かかる構成とするこ
とにより、2つのトレイ8及び9のディスク供給口3a
(第1図、第2図及び第5図に図示)近傍における上下
方向(矢印Z方向及びその反対方向)の位置調整がなさ
れ、該両トレイは適当な離間距離を以てプレーヤハウジ
ング2に対して夫々突出及び収納される。
次いで、上記したディスク搬送機構により搬送されて
ターンテーブル17上に載置されたディスクをクランプす
るディスククランプ機構について説明する。
第2図及び第3図に示すように、前述した連動部材56
の上方には平板状の支持部材58が配置されており、連動
部材56と同様に支持ピン58aを介してターンテーブル17
のディスク担持面に対して直角な面内において揺動自在
に縦シャーシ15及び案内部材54に取り付けられている。
第17図(a)及び(b)にこの支持部材58の詳細を示
す。第4図及び第17図(a),(b)に示す如く、支持
部材58の自由端部には、ターンテーブル17上に載置され
たディスクを該ターンテーブルに向けて押圧するための
円盤状の押圧部材59が回転自在に取り付けられている。
ディスク押圧力は、この押圧部材59に設けられたマグネ
ット59aとターンテーブル17に固設された磁性部材(図
示せず)とが吸着することにより得られる。支持部材58
の自由端部の左側部には一対のローラ58b,58cが設けら
れており、これら両ローラは前述した上方プレート23
(第2図,第3図,第4図及び第7図に図示)の上縁に
形成された係合面23e,23f(第7図(b)に図示)に係
合し得る。すなわち、この上方プレート23がその担持し
た上方トレイ8と共に上下動するときに一対のローラ58
b,58cを適宜押すことによって支持部材58が揺動するの
である。後述するが、支持部材58との係合部材としての
上方プレート23は、その上下移動経路のうちの第1区間
内にて支持部材58の先端近傍のローラ58bに係合し、該
第1区間とは異なる第2区間にてこのローラ58bと揺動
中心軸である支持ピン58aとの間の他のローラ58cに係合
する。
第3図に示す如く、縦シャーシ15の側方に配置された
サブシャーシ41上には上方ラック29及び下方ラック30の
位置を検知し以て上方トレイ8及び下方トレイ9の位置
検出をなすための3つの検知スイッチ61,62及び63が前
後方向において並設されている。中央の検知スイッチ62
は、上方ラック29及び下方ラック30間に設けられたカム
フォロア40の下端部がこれに当接することにより作動す
る。また、このカムフォロア40の前後に他の2つのカム
フォロア65及び66が配置されており、カムフォロア40と
共に上下方向において往復動自在にサブシャーシ41に取
り付けられている。第18図(a)及び(b)にカムフォ
ロア65の詳細を示し、第19図(a)及び(b)に他のカ
ムフォロア66の詳細を示す。検知スイッチ62を前後に挾
む2つの検知スイッチ61及び63はこれらカムフォロア6
5,66の下端部が夫々当接することによって作動する。な
お、第18図及び第19図に示す如く、カムフォロア65,66
の左側面にはピン65a,66aが夫々突設されており、上方
ラック29及び下方ラック30に夫々形成されたカム溝29g,
30gに各々摺動自在に係合している。これにより、各カ
ムフォロア65,66は上方ラック29及び下方ラック30の移
動に応じて適宜上下動する。
次に、上記した構成のフロントローディングディスク
プレーヤの動作を第20図ないし第33図をも参照しつつ簡
単に説明する。
第1図ないし第3図に示す如く、上方トレイ8をプレ
ーヤハウジング2外に突出させ、該上方トレイ上に例え
ばコンパクトディスク5(第1図及び第4図に図示)を
載置する。なお、上方トレイ8の突出動作は以下に述べ
る収納動作の全く逆の過程を辿ってなされるので詳述は
しない。
コンパクトディスク5を上方トレイ8上に載置した
ら、スイッチ群13(第1図に図示)に含まれるローディ
ングボタンを押す。すると、モータ37(第3図参照)が
回転し、これによりピニオン35が回転せられ、上方ラッ
ク29が第20図及び第21図に示す如く後方(矢印Y方向の
反対方向)に移動せられる。これによって上方トレイ8
は第22図及び第23図に示す如く前述の倍速機構の作用に
よって上方ラック29の移動速度の2倍の速度にてプレー
ヤハウジング2内に収納せしめられる。第20図に示す状
態のとき、下方ラック30はその欠歯部30によりピニオン
35と非噛合状態にあり、従って下方トレイ9は演奏位置
に静止している。また、上方ラック29が第21図に示す位
置に至ると、カムフォロア40が作動し、これにより下方
ラック30が所定距離だけ前方(矢印Y方向)に移動せら
れてピニオン35と噛合する。
この後、ピニオン35は更に回転を続け、上方ラック29
及び下方ラック30は第24図ないし第27図に示す如く移動
する。この各ラックの移動により第28図ないし第32図に
示す如く上方プレート23及び下方プレート24は夫々上方
ガイド孔26及び下方ガイド孔27の各垂下部及び平坦部に
順次沿ってターンテーブル17などを回避しつつ移動し、
第32図及び第33図に示すように上方トレイ8は演奏位置
に、また下方トレイ9は収納位置に位置決めされる。ま
た、上方トレイ8上のコンパクトディスク5はターンテ
ーブル17上に載置され、且つクランプされ演奏に供され
る。但し、第28図及び第29図には上方トレイ8及び下方
トレイ9の位置は示していない。
ディスククランプ動作について説明する。
上記の如き上方ラック29の移動に伴い、該上方ラック
にピン23bにて係合した上方プレート23が上方ガイド孔2
6に沿って移動する。第23図に示す如く、上方プレート2
3の上方への移動の初動時に係合部材たる該上方プレー
トはディスククランプ機構の主要部材である支持部材58
の先端部近傍に配置されたローラ58bに係合してこれを
上方に押す。これにより充分なるクランプ解除力が得ら
れ、マグネット59a(第17図(b)に図示)の磁力によ
りターンテーブル17に吸着していた押圧部材59は容易に
ターンテーブルから離脱する。この後、第28図ないし第
30図に示す如く、上方プレート23は上記のローラ58bの
前方すなわち支持部材28の揺動中心軸に近い部分に配置
されたローラ58cに係合してこれを上方に押す。従っ
て、支持部材58は急速に上方に揺動する。かくして、タ
ーンテーブル17上に既に載置されていたディスクのクラ
ンプは解除され、該ディスクは前述の上方トレイ8及び
下方トレイ9の動きに伴って該下方トレイ上に担持され
て返送される。
第32図及び第33図に示すように、上記までの動作によ
り上方トレイ8が演奏位置に、また、下方トレイ9が収
納位置に至ったのであるが、この後は、下方トレイ9を
イジェクトせしめるためのイジェクトボタンを押すこと
により下方トレイ9はプレーヤハウジング2外に突出
し、該下方トレイ上のディスクを新たなものと交換する
ことが出来る。なお、このとき、上方トレイ8は演奏位
置に静止しており、該上方トレイによりターンテーブル
17上に搬送されたコンパクトディスクの演奏をそのまま
続けることができる。
第23図及び第32に示すように、夫々上記収納位置に位
置する上方トレイ8及び下方トレイ9上のディスクを検
知する検知手段としてのフォトセンサ71が設けられてい
る。上方トレイ8及び下方トレイ9が演奏位置にある場
合には光学式ピックアップによるフォーカシングがなさ
れることにより該演奏位置にある該各トレイ上のディス
クの有無を知ることが出来、また、該各トレイがプレー
ヤハウジング2外に突出しているときには該各トレイ上
のディスクの有無は目視により確認される。従って、上
記のフォトセンサ71を1つ設けるだけで演奏位置、収納
位置及び突出位置にある各トレイ上のディスクの有無を
全て確認することが出来る。
尚当該実施例においては、上方プレート23及び下方プ
レート24にピン23b,24bを突設して上方ラック29、下方
ラック30の各山形状カム溝29a,30aの作用により該各ピ
ンを上方ガイド孔26及び下方ガイド孔27に沿って移動せ
しめる構成とし、更に、該各ガイド孔が含む各垂下部に
おける該ピンの逆行防止を揺動部材32(第11図及び第12
図参照)によりなしている。かかる構成に限らず、第34
図に示す構成とすることによってもピン23b,24bの逆行
を防ぐことが出来る。
即ち、上方ガイド孔26が含む第1及び第2垂下部26a,
26bとこれらに連続する第1平坦部26cとの間に該各垂下
部及び第1平坦部に対して傾斜した傾斜部26fを形成
し、また、下方ガイド孔27が含む第1及び第2垂下部27
a,27bとこれらに連続する第1平坦部27cとの間に該各垂
下部及び第1平坦部に対して傾斜した傾斜部27fを形成
する。かかる傾斜部26f及び27fを設けたことによって、
ピン23b,24bは上記の垂下部を逆行することなく平坦部
に円滑に移行する。また、更に、同図に示す如く、各ピ
ン23b,24bに夫々摺動自在に外嵌する又部を有する一対
の揺動部材72及び73を設けてこれを前述した揺動部材32
の代わりに用いてもよい。
発明の効果 以上述べたように、本発明の歯車駆動機構において
は、一対の被駆動歯車に挾まれて噛合し得る駆動歯車
と、駆動歯車を回転せしめる駆動源と、被駆動歯車の各
々に形成され駆動歯車と非噛合状態を形成する欠歯部
と、被駆動歯車の一方が所定位置に達したときに駆動歯
車と非噛合状態にある他方を駆動歯車との噛合位置に起
動せしめる起動手段とを有している。
すなわち、単一の駆動源により、一対の被駆動歯車
(ラック)のいずれか一方のみでなく、両者を互いに反
対方向に同時に駆動することが可能である。
従って、このような歯車駆動機構をディスクプレーヤ
のトレイ搬送手段等に採用すれば、簡略構造にして低コ
スト化が図れるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るフロントローディングディスクプ
レーヤの全体斜視図、第2図は第1図に示したフロント
ローディングディスクプレーヤの内部構造の平面図、第
3図ないし第5図は第2図に関する各々III−III矢視
図、IV−IV矢視図及びV−V矢視図、第6図(a)及び
(b)は各々トレイの平面図及び底面図、第7図ないし
第19図は第2図ないし第5図に示した内部構造の構成部
品の詳細図、第20図ないし第33図は第1図ないし第19図
に示したフロントローディングディスクプレーヤの動作
を説明するための図、第34図は該フロントローディング
ディスクプレーヤの一部の変形例を示す図、第35図は従
来例を示す図である。 主要部分の符号の説明 2……プレーヤハウジング 3a……ディスク供給口 5,6……ディスク 8……上方トレイ、9……下方トレイ 15……縦シャーシ(案内部材) 17……ターンテーブル 20……キャリッジ、23……上方プレート 24……下方プレート 26……上方ガイド 26a,27a……第1垂下部 26b,27b……第2垂下部 26c,27c……第1平坦部 26d,27d……トレイ突出用第2平坦部 27……下方ガイド(被駆動歯車) 29……上方ラック 29a,30a……山形状カム溝 29b,29c,30b,30c……斜状部 29e,30e……欠歯部 30……下方ラック(被駆動歯車) 32……揺動部材、33……カム部材 35……ピニオン(駆動歯車) 37……モータ 40,65,66……カムフォロワ 53……可動担持部材 54……案内部材、56……連動部材 58……支持部材、59……押圧部材 59a……マグネット 61,62,63……検知スイッチ 71……フォトセンサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の被駆動歯車を互いに反対方向に又は
    そのうちのいずれか一方を選択的に駆動せしめる歯車駆
    動機構であって、 前記一対の被駆動歯車に挾まれて噛合し得る駆動歯車
    と、前記駆動歯車を回転せしめる駆動源と、前記被駆動
    歯車の各々に形成され前記駆動歯車と非噛合状態を形成
    する欠歯部と、前記被駆動歯車の一方が所定位置に達し
    たときに前記駆動歯車と非噛合状態にある他方を前記駆
    動歯車との噛合位置に起動せしめる起動手段とを有する
    ことを特徴とする歯車駆動機構。
  2. 【請求項2】前記起動手段は前記被駆動歯車の移動に各
    々応動する一対のカムと、前記カム双方に常時係合する
    カムフォロワとからなることを特徴とする請求項1記載
    の歯車駆動機構。
  3. 【請求項3】前記一対の被駆動歯車の少なくとも一方は
    ラックであることを特徴とする請求項1又は2記載の歯
    車駆動機構。
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