JP2680297B2 - 内燃エンジンを冷却するための装置 - Google Patents

内燃エンジンを冷却するための装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は、内燃エンジンを冷却するための装置に関す
る。 (発明の背景) 液体循環冷却システム 全世界を通じて現在運転されている容積型内燃エンジ
ンの大部分は、燃焼室の周りの冷却ジャケットと熱交換
器(ラジエータ)とを含む閉回路内を通して水ベースの
冷却剤をポンプで圧送することにより冷却される。空冷
式のエンジンは、その大部分が低馬力エンジンである
か、航空機用エンジンであり、空冷式は、大きな定置型
エンジン及び車輛用エンジンにはあまり適さない。何故
ならば、種々の大気条件及び負荷の下でエンジンの長い
寿命と良好な性能とを保証するに必要とされる相当に安
定した温度を維持することが不可能なためである。 すべての液冷式エンジンは、水又はエチレングリコー
ルのような不凍液の水溶液を用いている。冷却剤として
の水の使用は、世界のほとんどの処で豊富に供給される
天然物質としての存在と、可燃性の欠如と、秀れた熱伝
達特性のような多くの利点を有する。水の利点は、腐食
を生じさせ且つ不純物の沈殿物を残すという水の欠点よ
りはるかに重要であり、その欠点は、いかなる場合に
も、不凍液中に添加剤を加えることによりほとんど克服
される。 最近20年間位にわたり、そして特に近年において、エ
ンジン冷却システムの作動温度に若干の上昇があった。
この温度上昇は、冷却系の圧力を増大させて、より高い
温度のサーモスタットを用いることにより可能になった
もので、エンジンの熱放散率を減少させてエンジン効率
を改善するという効果を達成できる。冷却剤温度を高め
ることは、熱サイクル中の熱放散を減少させて、より多
くの熱出力を用いることにより効率を改善するという理
由だけでなく、燃焼室の壁をより熱く維持することによ
り炎の急冷(消火)を減少させることによっても効率を
改善する。他方において、冷却系内のより高い温度と圧
力は、ホースからの漏洩、継手の漏洩及び破損のような
保守の問題と、エンジンの過熱と、エンジンのノッキン
グと、望ましくない程の高い油温と、窒素酸化物(N
OX)の放出の増大のような運転上の問題を生じさせる。 液体循環式冷却の認知された効果にも拘らず、欠点も
また認識されている。冷却系が遭遇する可能性のあるピ
ーク熱負荷に対応するのに十分な大きさの熱交換器と大
量の冷却剤とを備えることが必要である。さもなけれ
ば、エンジンはオーバヒートし、重大な損傷を受けるこ
とになる。これらの要件は、冷却系の重量及びコストを
増大させる。冷却剤は、冷却ジャケットの頂部から熱交
換器へ循環させられ、冷却ジャケットの下方部分へ戻さ
れる。このことは、シリンダ壁に沿ってかなり急な温度
勾配を生じさせる傾向があり、この温度勾配は、シリン
ダの直径を頂部から底部にわたり変化させる。リングは
膨張したり収縮したりしなければならず、これがリング
及びリングのランドの摩耗の原因になる。シリンダ壁の
下方部分は、その部分に存在する水蒸気の露点以下の温
度にあることがしばしばである。エンジン潤滑油の中に
混入した水蒸気の凝縮水は、油を汚染して酸性物質とス
ラジを形成する。 エチレングリコールとアニリンのような高温冷却液を
ポンプ式液体冷却系に用いた初期の実験報告が技術文献
の中にある(ギプソン、A.H.、“航空エンジンの効
率”、王立航空学協会会報、No.3,1920;フランク、G.
W.、“高温液体冷却”、SAEジャーナル、Vol.25、1929
年10月、pp.329−340;及びウッド、H.、“液体冷却式航
空エンジン”、SAEジャーナル、Vol.39、1936年7月、p
p.267−287参照)。これらの報告では、ヘッド温度が所
望のレベルよりはるかに高くなることや、捩れ及びホッ
トスポットの発生、冷却剤の漏洩等が問題であると指摘
している。 1948年頃の文献では、自動車エンジンの冷却剤の温度
を当時の技術である60℃〜82℃よりも更に高いレベルへ
上昇させることが論じられている。すなわち、加圧され
ていないエチレングリコールを、水の沸点よりも高い温
度で作動する冷却剤として利用しうることを示唆してい
るが、然しそのとき、熱の消散が減少するかも知れない
こと、及び“ホットスポットが平均的エンジンにおいて
も予期されうること”が述べられている。そして、水−
不凍液の溶液を用いる加圧液体冷却系が好ましい旨を示
唆している。現在の技術は、この示唆と一致する。 ベイリーの英国特許第480,461号(1938)は、異常に
高い負荷の下で発生した蒸気を集めて凝縮させ、凝縮液
を貯蔵するためのコンデンサを付加した航空機エンジン
用の加圧循環水冷却系を提案している。弁系統が設けら
れて、エンジンが停止されて冷却するまで、凝縮液の戻
りを防止する。蒸気は、圧送された液体の流れと一緒に
なって冷却ジャケットを出るので、液体から蒸気を分離
するために“ヘッダタンク”を必要とする。冷却ジャケ
ットから出る蒸気の量は冷却液の流量に左右されるの
で、蒸気発生率が冷却液の流量の相当大きい割合になあ
ると、冷却ジャケットのかなりの部分、特に燃料領域及
び排気領域に隣接する部分が蒸気で満たされるようにな
る。 水とエチレングリコールとの50/50溶液からなる冷却
剤を高圧例えば172K Paゲージ圧(25psig)のオーダに
加圧する標準的な液体冷却系であって、104℃で作動す
るサーモスタット弁を備えたシステムを利用する現在の
技術によるガソリン燃料自動車エンジンは、好ましくな
いノッキングを生じることなしに、またエンジンヘッド
の熱応力亀裂なしに、或いは不均一で過大なエンジン温
度を生じるといった他の不利な作用なしに、許容しうる
平均冷却剤温度の上限を達成できる。しかし、実際に
は、数千Kmの運転の後、燃焼室上壁に蓄積されたカーボ
ン付着物が赤熱したホットスポットの場所を作り始める
と、過早点火と異常爆発とを生じ、許容し得ないノッキ
ングをしばしば発生する。 ディーゼルエンジンにおいては、点火は、燃料が燃料
室の中へ噴射されたときに生ずる。従って、ホットスポ
ットによる過早点火は、ガソリン火花点火エンジンにお
けるようには問題とはならない。しかしながら、ディー
ゼルエンジンでの不均一で過大な温度は、在来の液体冷
却システムにより冷却されるエンジンについて典型的な
問題となるのと同様に、構成要素の捩れと破損並びにエ
ンジンエミッションの増大を生じさせる。 蒸気冷却システム 内燃エンジンの初期の時代においては、蒸気冷却(沸
騰冷却又は蒸発冷却ともいわれる)が極めて一般的であ
った。蒸気冷却系においては、冷却剤を冷却ジャケット
で沸騰させ、通常は若干の水分と一緒に気相状態でコン
デンサへ導く。復水した蒸気は、自重又はポンプにより
エンジンへ戻される。蒸気冷却系は、ほぼ1930年頃には
自動車用として使用されなくなった。恐らくその理由
は、サーモスタット制御が液体システムに導入され、こ
の制御が、種々の条件下でかなり安定したエンジン温度
を与えることを可能ならしめたためである。 更に、蒸気冷却システムは、蒸気による過負荷を受
け、圧力リリーフ弁を通る冷却剤の損失が過大であっ
た。 過去50年〜60年にわたり、種々の蒸気冷却システム
が、一般の技術文献と特許文献において提案されてき
た。しかしながら、ボーリング工業に用いるエンジンの
ような定置エンジン用のシステムは例外となり得るが、
それらの提案の何れもいまだかつて商業的成功を収めて
いなかった。それにも拘わらず、蒸気冷却は、多くの利
点を提供するので、蒸気冷却に関する研究が続けられ
た。その主な利点は次の通りである。 (1) 冷却剤を沸騰させて凝縮させるための熱伝達係
数が、冷却液の温度を上昇又は下降させるための係数よ
りも約ひと桁大きい。 (2) 沸騰は、一定の温度(一定の圧力と仮定する)
で生じ、それ故シリンダ壁の行程領域に沿う温度は、ほ
ぼ一定のままであり、そのため、リングが上下するとき
のリング及びリングのランド部の摩耗が減少する。 (3) 温度が均一になるということは、シリンダ壁の
下方部分における温度が全体として高くなることを意味
し、このことが、熱放散、炎の急冷、摩擦の減少により
燃費を改善する。 (4) 蒸気冷却系のための冷却剤の量は、液体冷却系
におけるよりも相当に少なく、これが重量を軽くする。 (5) 低圧蒸気冷却系では、ホースと継手をより軽く
且つ安価に形成でき、液体冷却系におけるよりも漏洩及
び破損が少ない傾向がある。 提案された蒸気冷却系の例は、米国特許第1,658,934
号(1928年、Muir)、第1,630,070号(1927年、Mui
r)、第1,432,518(1922年、Armstrong)、第3,384,304
号(1963年、Barlow)、第3,731,660号(1973年Leffer
t)、第4,367,699号(1983年Evans=本発明の発明
者)、及びYoung F.W.“高温冷却システム”(SAE季刊
会報、Vol.2、No.4、1948年10月)に見出される。 1つの例外はあるが、本発明者が知っているすべての
先行技術の蒸気冷却系では、冷却剤として、水又は大き
い割合の水を含む水−不凍液の溶液を使用してきてお
り、すべての先行技術のシステムは、実際的でないと信
じられる。その理由は、高い大気温と、エンジン高負荷
又は長時間のアイドリングとの下でエンジンに発生する
蒸気の量を、実用サイズのコンデンサで処理することが
できないためである。それ故、蒸気がある程度大気に排
出されることは避けられない。 より重要なことは、大量の蒸気をエンジン内で発生す
るような大気条件及び運転条件であるとき、冷却システ
ムの有効性が著しく低下する。すなわち大量の蒸気が、
エンジン冷却ジャケット内に存在し、エンジンを冷却す
るために役立つ筈の液相冷却剤に取って代わる。蒸気が
一面を覆う現象すなわち蒸気ブランケッティング及び膜
沸騰が、高温領域、特に燃焼室上壁の上と、排気ポート
の回りと、燃焼室と排気口との間の通路を含む導気路の
周りに生ずる。膜沸騰と共に存在する蒸気ブランケッテ
ィングは、金属から冷却剤への熱伝達を著しく減少さ
せ、ホットスポットを成長させ、激しいノッキングが続
いて起る。大量の蒸気が、シリンダブロックの冷却ジャ
ケットからシリンダヘッドの冷却ジャケットに入り、シ
リンダヘッド内で蒸気と共に存在する液体冷却剤の量を
減少させる。エンジンを停止させないと、ダメージを与
えるオーバヒートが生じる。冷却剤の排出が始まるよう
な状況では、エンジンを止めた後でさえも、冷却剤の排
出がしばらく続く。冷却剤の損失は、冷却剤を補給しな
ければエンジンを動かすことができない程大きい。 冷却ジャケットでの膜沸騰は、決して、沸騰液体冷却
系に限らない。エンジン燃焼室内のピークの炎温度は、
約1090℃(2000゜F)であり、典型的な排気ガス温度
は、ディーゼルエンジンでは482℃(900゜F)であり、
ガソリンエンジンでは760℃(1400゜F)である。燃焼室
上壁と排気ポートに隣接する冷却ジャケットの表面温度
は、内部冷却液が冷却剤の飽和温度より相当に低い温度
に維持される液体循環冷却系でさえも、冷却剤の局所的
沸騰を生じさせるのに十分な温度である。どんな液体の
場合でも、熱伝達は十分に良好でなく、上述のような高
温領域から低温度冷却剤領域に至る温度勾配を防ぐこと
はできない。ジャケットの熱い金属壁に最も近い冷却液
は、飽和温度にあり、蒸発される過程にある。 米国特許第4,367,699号(Evans)には、ディーゼルサ
イクルエンジンの気相冷却用の冷却剤として“純粋のエ
チレングリコール”を用いることが提案されている。本
発明者が知る限りにおいては、この特許は、高い飽和温
度と低い水分含有量とを有する冷却剤を蒸気冷却系に使
用するように公衆に提案された最初である。この情報
は、Evansの公告されたE.P.C.出願第41835号の刊行物を
通して1981年12月16日にはじめて公知になった。然しな
がら、非沸騰冷却剤(エンジン内で沸騰しない程高い飽
和温度を有する冷却剤)が提案され、液体循環冷却系を
有するディーゼルエンジンにおいて少なくとも実験的に
用いられただけにすぎない。ディーゼルエンジンは、ガ
ソリンエンジンよりも高い温度で正しく且つ有効に作動
しうることがよく知られている。 このEvans特許は、それに先立つすべての蒸気冷却技
術と同様に、ガソリンエンジンに対しては、従来の普通
の冷却剤温度の近くで沸騰する実質的に水ベースの冷却
剤を推奨しており、その場合に、ガソリン燃料内燃エン
ジンの長い歴史によって得た知識と、水(凍結、沈積
物、腐食から保護するための不凍液と共に)が、ガソリ
ンエンジン用として唯一の受け入れられる冷却剤である
という今日の一般的な慣行とを維持しているものであ
る。 冷却システムでの蒸気の制御 本発明者は、先に1983年11月に国際出願され、本件出
願の優先日より後である1984年5月24日に国際公開され
た“内燃エンジン用の沸騰液体冷却システム”という名
称のPCT特許出願番号US83/01775において、132℃(270
゜F)より高く、一般には相当に高い飽和温度を有する
有機冷却液を用いる沸騰液体冷却系を提案した(国際公
開WO84/01979、特表昭60−500140号)。ここで、“沸騰
液体”という用語は、この技術分野において“蒸気”又
は“沸騰する”又は“蒸発する”とも呼ばれる冷却系に
対しふさわしい用語であると思われる。この場合の飽和
温度についての閾値温度は、シリンダブロックの冷却ジ
ャケット内の冷却剤の温度が通常はその水準以下であ
る、という観察から選択された。この観察に基づけば、
閾値より高い飽和温度の冷却剤物質はブロック内で滅多
に沸騰せず、目立った量の冷却剤蒸気がシリンダブロッ
クの冷却ジャケットからシリンダヘッドの冷却ジャケッ
トに入ることはない。したがって、シリンダヘッドの冷
却ジャケットは、シリンダブロックの冷却ジャケットか
らコンデンサへ蒸気が流入するための導管ではなくな
る。その結果として、シリンダヘッドの冷却ジャケット
内の冷却剤の蒸気は減少し、この蒸気の減少が、シリン
ダヘッドの冷却ジャケット内において、蒸気に対する液
体の比率を増大させる。 高い飽和温度を有する有機冷却剤物質を使用すること
は、冷却ジャケットの内側表面での蒸気ブランケッティ
ングの発生を減少させ、冷却ジャケットから冷却剤への
熱伝達率を向上させるのにも有利である。蒸気ブランケ
ッティングは、表面の温度が、その表面と接触する液体
の飽和温度よりも臨界過熱又は臨界温度差と呼ばれる量
だけ超過するときに生じる。有機液体に対する臨界温度
差は、50℃程度であり、即ち水の臨界温度差の約2倍で
ある。更に、飽和温度が高い程、臨界温度差に達する蓋
然性は小さい。熱い表面から蒸気ブランケッティングを
通して液体へ熱伝達することによる液体の沸騰は、膜沸
騰と言われる。膜沸騰の条件下では、冷却ジャケットの
表面の温度は、冷却剤の飽和温度に近いレベルに制限さ
れず、もっと高くなる。 冷却剤を選択する際、蒸発熱、即ち蒸発される液体1
グラム中に含有される熱量は、蒸発のモル熱、即ち発生
した蒸気の1モル中に含まれる熱領域より重要度が低
い。蒸発のモル熱が高くなる程、与えられた熱量により
発生する蒸気の熱量のモル数が少なくなる。たとえ水
が、いかなる有機液体よりもはるかに大きい蒸発熱を有
するとしても、多くの有機液体は、水の蒸発のモル熱よ
り実質的に高い蒸発のモル熱を示す。 もしも、空気や水又は他の揮発性成分や不純物を全く
含まない高い飽和温度の冷却剤を用いることが可能であ
ると仮定すれば、冷却ジャケット内に存在するガスは、
高温度で完全に凝縮しうる性質の蒸気である。すべての
蒸気が通過しなければならない場所において、冷却ジャ
ケット内の冷却剤の全体としての温度(平均温度)を冷
却剤の飽和温度より低いレベルに維持することにより、
凝縮のため冷却ジャケットの外部の熱交換器へ蒸気を移
動させる必要なしに、冷却ジャケット内のすべての蒸気
を凝縮させることができる。しかし、都合の悪いこと
に、これは実際にありうることではない。水と混和性の
ある冷却剤は、容易に水との溶液となるものであるが、
吸湿性であり、その冷却剤と接触する大気から直接に水
分を吸収する。 所定の溶液中の水の割合は重要でないように見えるか
も知れないけれども、水の効果はたとえ僅かな量でも重
要である。例えば、97重量%のプロピレングリコールの
高濃度水溶液1リットルは、約30グラムの水即ち約1.67
モルの水を含有している。大気圧で蒸発される水の量
は、37.4リットルの体積を占める。水蒸気が別の物質の
蒸気との間で混合物を形成しているときは常に、この混
合相手となる物質の蒸気は、蒸気混合物の温度が冷却系
の圧力における水の飽和温度よりも低い温度に低下する
まで、完全に凝縮させることができない。一般に、水と
は混合しないと考えられている液体でさえも、僅かな量
の水を含有している。0.5%程度に水を含有する液体
は、1リットルで蒸気の6.2リットルを作る潜在力を有
し、この蒸気は水の沸点の温度又はそれ以上の温度では
凝縮しない。冷却剤が新しいときに含有する水の量に加
えて、大気からの吸収により冷却剤へ入る水が加わり、
修理中に不注意により又は緊急状態時に意図的に水が冷
却系に加えられることがある。水が冷却系に入る可能性
のある場合としては、燃焼ガスが冷却ジャケットの中へ
漏洩することが挙げられる。 冷却剤の温度を100℃より十分に高く維持すると、相
当な利益がある。シリンダボアの中の温度を高くして運
転することにより、エンジンから捨てられる熱が少なく
なり、エンジン効率が良くなる。燃料がより完全に燃焼
するので、一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)のエミッ
ションが減少する。ディーゼルエンジンにおいても、シ
リンダボア温度が高くなる程、パティキュレートのエミ
ッションが少なくなる。現在の液体循環冷却系は、非常
に高い冷却系圧力の使用に頼ることによってのみ、これ
らの利益を部分的に実現することができる。 上述の本発明者によるPCT出願の沸騰液体冷却方法
は、冷却剤から熱を取り出すために、ほぼ全面的にコン
デンサに頼っている。コンデンサは、勿論、エンジンの
遭遇する最も過酷な負荷及び大気条件の下で冷却系を通
してエンジンから放出される熱のすべてを処理するため
に十分な熱伝達容量をもたなければならず、このこと
は、コンデンサが最も極端な条件に対処できる寸法にさ
れねばならないことを意味する。平均的条件の下では、
コンデンサのほんの僅かな一部が利用されるだけであ
り、ほとんどの容量が使用されない。上述のPCT出願に
よる冷却系に対するコンデンサは、小型自動車用エンジ
ン例えば1600ccのエンジン用として構成され簡単に据付
けることができる。しかしながら、それよりも大型のエ
ンジンの冷却要件を満たすためにはコンデンサの寸法を
大きくしなければならないので、このコンデンサの寸法
が、大型エンジンに対する設置を非現実的なものにして
しまう。また、上述のPCT出願の冷却系においては、平
均エンジン温度が冷却剤の飽和温度に相当程度まで左右
される傾向がある。現在入手しうる実際の高い飽和温度
の冷却剤にあっては、エンジンの性能を最適化し且つ耐
久性を高めるために、冷却剤の飽和温度より低いレベル
あるいは相当に低いレベルに冷却剤の温度を維持するこ
とが望ましい。 発明の概要 本発明の一目的は、燃焼室の上壁と排気ポートとに隣
接する冷却ジャケットの領域で局部的な沸騰から生じる
蒸気の存在を最小にし、これらの領域でのエンジン冷却
ジャケットの主要部分を常に液体状態の冷却剤で満たさ
れた状態に保つことである。本発明の他の目的は、冷却
システムの熱交換器の寸法を最小にしながら、冷却ジャ
ケットの温度の適切な制御を達成することである。 上述の目的を達成するため、本発明においては、前述
のPCT出願におけると同様に、大気圧下で132℃以上の飽
和温度を有する沸騰可能な液体冷却剤を使用する。この
飽和温度を選択する理由は、現在の最も現実的と考えら
れる高いエンジン作動温度のもとで、冷却剤をシリンダ
ブロックの冷却ジャケットから熱交換器に通し、次いで
該熱交換器からシリンダヘッドの冷却ジャケットに戻す
ような、従来の冷却系では実現的でないと考えられてい
た冷却剤循環方式を採用した場合においても、シリンダ
ブロックの冷却ジャケット内では、冷却剤の温度が通常
は132℃以下であるという発明者の知見に基づく。この
飽和温度の液体冷却剤を使用すると、シリンダブロック
の冷却ジャケット内での冷却剤の沸騰が極めて少なくな
り、シリンダブロックの冷却ジャケットからシリンダヘ
ッドの冷却ジャケットに移動する冷却剤蒸気の量が大幅
に減少する。したがって、シリンダヘッドの冷却ジャケ
ットに滞留する冷却剤蒸気の量が必然的に減少して、シ
リンダーヘッドの冷却ジャケットにおける冷却効率が高
められることになる。 本発明においては、前述のPCT出願に係る発明とは異
なり、液体冷却剤の沸騰による蒸気の発生を極力抑制す
る。本発明は、液体冷却剤を局部的に沸騰する状態で使
用するものではあるが、沸騰した冷却剤蒸気が冷却ジャ
ケット内で凝縮されるようにすること、すなわち冷却ジ
ャケット内での冷却剤蒸気の凝縮を促進することにより
液体冷却剤内に戻し、冷却ジャケット内で凝縮しなかっ
た蒸気及び他のガスに対しては、これら蒸気及びガスを
対流によりコンデンサ手段に移動させるコンデンサ手段
への妨げられない経路を準備する。コンデンサ手段は、
該コンデンサ手段内で凝縮した冷却剤を再び冷却ジャケ
ットに戻すための手段を備える。さらに、熱交換器を通
して液体冷却剤をポンプ圧送により循環させ、液相の冷
却剤から熱を除去する。 本発明においては、熱交換器とポンプとを含む液体冷
却回路が設けられて、燃焼室と排気ポートの壁に隣接す
る場所より高い位置にある冷却ジャケット部分内の冷却
剤温度が、冷却系作動圧力における冷却剤の飽和温度よ
り低い温度に維持される。この温度制御は、液体冷却回
路における冷却剤の循環量を制御するためのサーモスタ
ッドの作動温度を適正に設定することにより達成でき
る。この温度制御により、上述したように、沸騰した冷
却剤蒸気を少なくとも部分的に冷却ジャケット内で凝縮
させることができる。そして、凝縮しなかった冷却剤蒸
気及び他のガスはコンデンサ手段に導かれ、該コンデン
サ手段において冷却剤が凝縮させられて再び冷却ジャケ
ットに戻される。 後述する理由のために、冷却液を冷却ジャケットのボ
ア部分から液体冷却回路に循環させ、それをヘッド部分
へ戻すのが好ましい。さらに、本発明においては、コン
デンサ手段の最も位置の高い領域にあるすべてのガス
を、通気口を通して、コンデンサ手段より冷たい状態に
なり易い場所にある回収コンデンサへ導くように構成す
ることができる。回収コンデンサへ導かれたガス中の凝
縮可能の物質を凝縮して主コンデンサへ戻すこともでき
る。例えば、凝縮液は、回収コンデンサから連続的に重
力で戻るようにするか、又は自重又はサイホン作用によ
り間欠的に戻されるようにすることができる。凝縮液が
通気口に充満されており、回収コンデンサ内の圧力が、
戻されつつある凝縮液のヘッド圧力とコンデンサ手段内
の圧力との和を越えるときには何時でもサイホン作用が
引起こされるが、この条件は熱負荷の減少している期間
と冷却時に生じる。回収コンデンサ内のガスは、常時開
口しているガス抜き孔又は低圧リリーフ弁の何れかを通
して大気へ抜かれるのがよい。別の方法として、コンデ
ンサ手段と回収コンデンサとの間に2方向低圧リリーフ
弁を設けることができる。この場合、コンデンサ手段内
の圧力が回収コンデンサ内の圧力を所定の量だけ超過す
るとき以外は、該コンデンサ手段から回収コンデンサへ
のガスの移送が阻止され、回収コンデンサ内の圧力がコ
ンデンサ手段内の圧力を所定の量だけ超過するとき以外
は、回収コンデンサからコンデンサ手段へのガスの通過
が阻止される。 本発明における他の変形態様によれば、コンデンサ手
段内の最も位置の高い領域にあるすべてのガスは、ガス
がエンジン冷却ジャケットからコンデンサへ入る入口か
ら離れて配置されたガス抜き孔を通して大気中に抜かれ
るようにしてもよく、この場合のガス抜き孔は、コンデ
ンサ手段内の圧力が周囲の圧力を所定の量だけ超えない
限りガスが抜かれないように、圧力リリーフ弁により閉
塞される。 本発明の装置は、次のように、追加の特徴又は変形態
様をもつことができる。 (1) 本発明において用いられる冷却剤は、下記の冷
却剤である。 すなわち、本発明において用いられる冷却剤は、有機
液体であり、水と混和性があるもの、あるいは水と実現
的に混和しないもののいずれを使用することもできる。
水と混和し得る物質の場合には、僅かな量の水、おそら
く10%又はそれ以上の水を含む冷却液でもよいが、しか
し、この冷却装置の特性は、水分含有量を最少に維持す
ることにより高められる。水と混和し得る物質の中で本
発明において使用するのに適した物質としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフ
ルフリルアルコール、ジプロピレングリコール及びその
混合物があるが、他の物質の使用を排除するものではな
い。水と実質的に混和しない物質の場合には、水も不純
物であるが、しかし、水は、通常1%未満の極くわずか
な量を除き、冷却剤物質と共に溶液中に入らない。水
は、極くわずかな量以上の約重量1%を越える量で溶液
中に存在することはない。水と実質的に混和しない物質
の中で本発明において使用するのに適した物質として
は、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイ
ソブチレート、ジブチルイソプロパノールアミン、及び
2−ブチルオクタノールがあるが他の物質の使用を排除
するものではない。 (2) 冷却剤は、冷却ジャケットのボア部分から液体
冷却回路に循環され、ヘッド部分へ戻される。 (3) コンデンサは、凝縮液が重力でコンデンサから
冷却ジャケットへ戻りうるように、冷却ジャケットから
の出口の高さより高い位置に配置される。 (4) 冷却ジャケットから出口を通してコンデンサの
中へ除去され、コンデンサ内で凝縮されないガスを処理
する方法は下記のようにいくつかある。 極端な負荷、周囲の温度又は高度の変化又は緊急状態
下にあるときにのみ作動するように設計された、通常は
開かない圧力リリーフ弁を設け、冷却系全体を閉じた系
とすることができる。もう1つの構成では、装置は、コ
ンデンサ手段に結合された回収コンデンサを、コンデン
サ手段の温度よりかなり低い温度に維持されるように、
該コンデンサ手段から離れて配置する。回収コンデンサ
からのガス抜き孔は、圧力リリーフ弁を含むのがよく、
又は圧力リリーフ弁を、コンデンサ手段と回収コンデン
サとの間に介在させることができる。 本発明の装置は、液体循環系と蒸気循環系とのハイブ
リッドであると考えることができる。液体冷却回路が液
体循環系を構成し、冷却液から熱を奪って冷却液をその
飽和温度より下の温度でエンジン冷却ジャケットへ戻
す。エンジンから奪われた熱の大部分は、液体回路内の
熱交換器により周囲の空気へ伝達される。上述の観点に
おいては、この装置は、従来の液体冷却系に類似してい
る。 燃焼室上壁と排気ポートの周りの熱い領域からの熱伝
達により、エンジン冷却ジャケット内の冷却液は局部的
に蒸気となる。この冷却蒸気のうち、冷却ジャケット内
で凝縮させられない蒸気は、対流によりヘッド冷却ジャ
ケットの最上部領域へ上昇し、出口を通りコンデンサ手
段へ導かれる。蒸気内の凝縮可能の物質は、コンデンサ
内で凝縮され、冷却ジャケットへ戻される。これらの観
点において、本発明は、蒸気冷却システムに類似する。 本発明は、非常に重要な点で、従来の液体循環冷却系
とは異なる。即ち、蒸気と他のガスは、冷却液の中にト
ラップされた状態で液相の冷却剤と共に循環されるので
はなく、冷却ジャケットの最も位置の高い領域から除去
される。従来の液体循環冷却系においては、燃焼室上壁
と排気ポートの周りの熱い領域で発生された蒸気は、冷
却液の循環速度が比較的に低い場所や、冷却液が比較的
高速度で循環する領域の存在のため蒸気が対流により逃
げる機会がほとんどない場所にトラップされる。このよ
うな領域は、蒸気のポケットが形成される場所となり、
このポケットは金属と冷却液との間の有効な熱伝達に対
する障害として作用する。これらは、ホットスポットが
発生してエンジンのノッキングを生じさせうる場所であ
る。高負荷の下では、冷却ジャケット内に発生される蒸
気の量が増大し、相当な量の蒸気が冷却液の中にトラッ
プされて、冷却液と若干の蒸気とを冷却系のオーバフロ
ータンクに排出することになる。このような条件の下で
は、冷却システム内の蒸気の量は次第に蓄積されて、エ
ンジン内に生じた熱を除去する冷却系の能力を現実にそ
れを最も必要とするときに減少させる。現在の技術の液
体循環冷却系内で蒸気を凝縮させるためには、蒸気を冷
却液と同伴させて、通常は実質的に水平の径路に沿って
冷却ジャケットからラジエータへ送らなければならな
い。蒸気の速度は、蒸気を同伴する液体の動きに依存す
る。液体の速度はポンプの速度の函数であり、それ故エ
ンジン速度の函数である。蒸気の発生速度が、液体の移
動速度に対して相当大きい割合であるときには、大量の
蒸気が冷却ジャケットを占めることになる。 本発明は、このような従来の装置とは異なり、冷却ジ
ャケット内の最も高い位置の領域から蒸気の放出を制限
なく行い、従って、冷却ジャケット内と液体冷却回路内
の両方の中にある冷却液に蒸気がトラップされる程度を
最少にする。本発明において要求される液体循環速度
は、従来の液体循環システムにおいて要求される程度よ
りも小さく、蒸気を移送するための要因を考える必要は
ない。本発明の装置は、冷却ジャケット内の全表面から
の蒸気の急速な解放を行い、冷却液の動きと無関係な、
冷却ジャケットの最も位置の高い領域にある出口への対
流による急速な流れを生じさせる。冷却液の循環がない
ときでさえ、ガスは、自由に冷却ジャケットを出る。 冷却剤の水分含有量は、水と混合しうる物質の場合に
は最少にされ、水と混和しない物質の場合には1%未満
に維持されるのが好ましい。冷却剤が水分を全く含有し
得ないという仮定は実現的ではなく、特にそのすべてが
吸湿性である水と混和しうる物質の場合には現実的でな
い。水と混和しうる物質内の水分が、結果物である溶液
のい沸騰範囲を定める。沸騰範囲の最初の沸点は、純粋
の物質の沸点より低いけれども、沸騰が生ずる局部的領
域の温度は、最初の沸点よりもむしろ純粋物質の飽和温
度により制限される。ここで重要な事柄は、水と混合し
うる純粋物質に僅かな量の水を添加することは、最初の
沸点を降下させるけれども、液体の局部的蒸留作用と局
部的浄化とにより、高い熱束の領域における沸騰温度を
認めうる程には降下させない、ということである。 水分を含めることにより生じる広い沸点範囲の欠点
は、ポンプのキャビテーションが生じ易いことである。
飽和温度の近くにある液体は、僅かな圧力低下により容
易に蒸発される。機械的ポンプのキャビテーションと、
ポンプの入力側へ供給する管内の冷却液の蒸発とは、ポ
ンプが飽和温度に近い液体を吸い込むときに生ずる。こ
れらの条件下では、熱交換器を通る冷却液の循環が止ま
り、冷却系は、該冷却系の熱放出のすべてについてコン
デンサ手段に全く頼らなければならなくなる。水の添加
は、冷却剤の泡立ち点の温度を低下させるので、ポンプ
のキャビテーションを防ぐために冷却液が維持されなけ
ればならない温度もまた低下する。実際、冷却ジャケッ
ト内の液体温度が、冷却剤の最初の沸点より約10℃低い
ときにポンプのキャビテーションが防止されるように思
われる。安全の合理的なマージンに対する希望は、液体
温度を冷却剤の最初の沸点より20℃程度低く維持するよ
うに系を設計することである。非加圧システム、例えば
157℃(315゜F)又はそれ以下の冷却剤温度を維持する
プロピレングリコール99%溶液を用いる冷却系では、ポ
ンプのキャビテーションを避けることができるが、プロ
ピレングリコールの95%溶液を利用する冷却系では、非
加圧状態において129℃(264゜F)又はそれ以下に冷却
剤温度を維持しなければならない。低い系内圧力を維持
しながら高い高度にある航空機の冷却系を運転する場合
には、冷却剤の大気圧中での最初の沸点より30℃程度低
く液体温度を維持することが必要になる。 重要な点は、本発明において用いられ冷却剤物質が水
と混和しうるものであるとき、冷却ジャケット内では若
干の蒸気が凝縮しないで残り、シリンダヘッドの冷却ジ
ャケットの全体での冷却剤の温度がその圧力のもとでの
水の沸点より高いときは何時でも、この若干の蒸気は出
口を通してコンデンサへ除去される。冷却ジャケットの
上方部分にある冷却液の温度が低い程、冷却ジャケット
内で凝縮される蒸気の量が多い。それにも拘らず、冷却
ジャケット内の温度が凝縮を完成するため十分に低くな
いので、通常、凝縮しない若干の蒸気がある。従来の水
−グリコールポンプ移送液体冷却系では、この残存する
蒸気は、循環系内にトラップされる。本発明の重要な特
徴は、残存蒸気をコンデンサへ連続的に取除くことであ
り、これによって、冷却ジャケットの上領域の大部分が
確実に液体(液相)状態の冷却剤を収容していることに
なる。蒸気の除去は、金属と冷却剤との間の熱伝達を著
しく高める。もはや、蒸気がトラップされたポケットに
より金属から熱を除去する効率が悪化することはない。
蒸気を熱い表面から除いて冷たい領域へ及びラジエータ
へ導くために高いポンプ移送速度に頼ることはもはや必
要でない。 水と混和しない物質と水とを含む冷却剤の作用は、混
和性物質と水とを含む冷却剤の作用と相違する。水と混
和しない冷却剤の混合物は、水の沸点より僅かに低に温
度で最初に沸騰し、もしも非混和性冷却剤の蒸気圧が水
の蒸気圧よりはるかに小さいならば、蒸気はほとんど全
く水である。従って、水が沸騰除去されてコンデンサへ
導かれる。水が沸騰して除去された後における冷却剤の
沸点は物質の沸点である。エンジンのシリンダヘッドの
冷却ジャケットの熱い領域で形成された物質の蒸気は、
冷却ジャケット内のより冷たい液体の中でほとんど確実
に完全に凝縮する。他方、シリンダヘッド内の冷却剤の
温度が水の沸点より高い値に留まる限り、コンデンサか
らエンジンへ戻る水の凝縮液は、冷却ジャケットに再び
入ると同時に非常に迅速に沸騰する。 最初に、できるだけ少ない水を含む冷却剤で冷却系を
満すのが望ましい。満たした後、低圧力(例えば2psi=
0.14kg/cm2)リリーフ弁を通してコンデンサをパージす
ることにより、冷却系から大部分の水分を追出すること
ができる。その後に冷却系に入る水は別にして、冷却剤
は、エンジンの通常の暖気機運転中に主として蒸気の状
態で系内に存在する僅かな量の残存水分を有する状態で
組成が安定する。 水と混和しない冷却剤物質は、シリンダヘッド冷却ジ
ャケットを出る蒸気をめったに生じさせない。その理由
は、蒸気の凝縮温度が液体の沸点と同じであるためであ
る。冷却液は、絶えず液体冷却回路内を循環させられ、
熱が熱交換器(ラジエータ)内で捨てられて、エンジン
冷却ジャケットの冷却剤の温度を沸点以下に維持する。
それ故、熱い表面上で形成された冷却剤蒸気は、通常、
より冷たい冷却液の中で凝縮される。 以上な運転条件(熱い天候と高負荷)の下では、水と
混和しない冷却剤物質は、冷却ジャケット内で完全に凝
縮しないことがあり、出口を通ってジャケットを出てコ
ンデンサに入り、コンデンサ内で凝縮して凝縮液として
エンジン冷却ジャケットへ戻る。これは、長い坂を登る
とき、又は車両が高負荷で運転した後アイドリング状態
で停止しているときに起ることがある。後者の場合、エ
ンジン駆動のポンプは、アイドリング時に低い循環速度
を与え、冷却液の温度が短時間の間高い値に上昇するの
で、冷却剤の蒸気を完全に凝縮させないことがある。 同様に、エンジンを停止したとき、エンジンは、液体
が循環されない冷却状態に入る。熱い金属が相当多量の
熱を貯え、この熱が冷却剤へ伝達される。しばらくし
て、多分5分位して、冷却剤蒸気が発生し、コンデンサ
の中へ上昇し、凝縮し、そして凝縮液としてエンジンへ
戻る。冷却の間、冷却ジャケットの最も位置の高い領域
からの蒸気の自由な解放は、熱い金属表面の近くに位置
する冷却ジャケットの領域の大部分を冷却液で満された
状態に維持することにより、エンジンの有効な冷却を保
証し、それによって熱亀裂と熱ガスケット破損に通じう
る大きい熱応力を防ぐ。在来の冷却系を備えたエンジン
では、蒸気ポケットの形成と消滅を周期的に生じ、これ
が燃焼室上壁と排気ポートに金属温度の突然で相当大き
い変化を与えるが、本発明の装置は、この問題を防止す
る。 本発明を具体化している装置におけるコンデンサの重
要な機能は、冷たい状態と熱い状態との間で冷却剤の見
掛けの体積の変化に順応することである。これらの変化
は、10%〜15%のオーダである。従来の強制液体冷却系
においては、膨張は、一部は膨張タンクの中への冷却剤
の溢流により、一部はトラップされたガスの圧縮により
調整される。本発明においては、膨張は、 (1) 冷却液のレベルが、蒸気出口導管の中へ上昇
し、そして設計に依存して、コンデンサ下方部分の中へ
上昇すること、及び (2) 蒸気圧が、膨張と冷却と凝縮とにより低く維持
されたコンデンサの中へ冷却液から蒸気を放出するこ
と、 により処理される。 上述の全ての冷却剤物質はディーゼルエンジンにおい
ても使用可能であり、ディーゼルエンジンは高い燃焼室
温度で最も効率よく作動するので、高い沸騰温度の物質
が好ましい。勿論、有効な濾過、高温合成潤滑剤の使用
及び、ことによると油冷却のような、高温度における潤
滑システムの設計に注意を払わなければならない。トラ
ック、バス及び機関車用の高負荷用でディーゼルエンジ
ンは、何れの場合も、複雑な潤滑システムを必要とす
る。 今日までの本発明の開発とテストは、火花点火ガソリ
ンエンジンにおいて使用しうる冷却剤物質の沸点に上限
があることを強く示している。今までのところ、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール及びテトラヒドロ
フルフリルアルコールが、ガソリンエンジン用として適
当であることが確認されている。ジプロピレングリコー
ルと、水と混合しない上述の3つの冷却剤物質とは、少
なくとも現在の知識によれば、火花点火ガソリンエンジ
ンにおいて使用するには余りにも沸点が高すぎる。 水は、本発明において用いられる冷却剤の望ましくな
い成分であると考えられる。水分含有量が大きくなる
程、冷却ジャケットからコンデンサへ移動する蒸気の量
が多くなり、蒸気を処理するために要求されるコンデン
サの容量が大きくなる。水は、エンジンの冷却システム
内で、特にアルミニウムエンジンにおいて、腐食と侵食
と沈積物の原因である。 上述のすべての冷却剤は、−12.7℃(9゜F)の凝固
点を有するエチレングリコールを除き、非常に寒い気候
に対して適当な凝固点を本来的に有する。エチレングリ
コールに僅かな割合の水を加えると液体の凝固点が低下
することは良く知られている。エチレングリコールへの
プロピレングリコールの添加は、水の添加を避けながら
同じ目的を達成するより良い方法である。 本発明の蒸気出口とコンデンサの主な機能は、蒸気が
エンジン冷却ジャケットのヘッド部分の最も位置の高い
領域から合理的にできるだけ自由に出ることを可能と
し、それ故、エンジン冷却ジャケット内と液体冷却回路
内とにある蒸気の含有量を最少にすることである。コン
デンサは、また、上述のように、冷却剤の膨張に順応す
る。コンデンサ内に存在する冷却剤蒸気のうちできるだ
け多くの部分が凝縮されて、冷却系から失われる冷却剤
の損失を最少に維持することが重要である。コンデンサ
は、熱放出を与えるのは勿論であるが、それは僅かな程
度にすぎず、一般に冷却系により放出される全熱量の約
5%にすぎない。 本発明の重要な利点は、過去において可能であったよ
りも一般に高いシリンダボア内の温度水準で内燃エンジ
ンを運転する能力が得られることである。より高い温度
水準のエンジンボアで運転する能力は、燃料経済性につ
いて改善を与える。その理由は、第1に、エンジンから
の熱放散割合が低く、このことが熱サイクル中における
熱のより高効率の利用を意味すること、第2に、急冷の
減少による燃料のより完全な燃焼、第3に、エンジンの
頂部から底部へのより均一な温度分布により摩擦と摩耗
が減少すること、そして第4に、ピストン摺動面が高温
であるが湿度は均一になるため、潤滑が良好になること
である。 本発明のもう1つの利点は、より完全な燃焼を達成
し、異常爆発を減少できることにより、ガソリンエンジ
ンにおける有害排出物すべての減少と、更にディーゼル
エンジンにおけるパティキュレートの減少とを達成でき
ることである。冷却系からのエンジン放出熱が少なくな
り、本発明において用いられる高い沸点温度の冷却剤と
周囲の空気との間の温度差が、水又は水/グリコールと
空気との間の温度差よりもはるかに大きいので、熱交換
器とコンデンサは共に比較的に小さくすることができ
る。 本発明において冷却剤として用いられる高い飽和温度
の有機物質は、冷却ジャケット、コンデンサ、ラジエー
タその他冷却系のいかなる部分にも、腐食や沈積物を生
じさせない。従って、熱交換器とコンデンサとは、比較
的に低コストでアルミニウムから作ることができる。更
に、現在の技術水準の液体循環冷却系においてアルミニ
ウムエンジン内で遭遇する腐食と侵食の問題が除去され
る。 本発明による装置は、大気圧力で、又は大気圧より僅
かに高い圧力、一般に7〜35K Pa(1〜5psi)ゲージ圧
で作動する。それ故、冷却系のすべての構成要素は、現
在の高圧系におけるよりも単純な設計のものでよく、漏
洩と破損の傾向がより少ない。 熱交換器とコンデンサの寸法を小さくでき、熱を除去
するために要求される空気の流量を減少できるので、従
来のポンプ移送液体冷却システムのラジエータが通常お
かれていた車両ノーズの位置以外の場所に、熱交換器と
コンデンサとを配置することが物理的に可能になり、車
両のノーズ形状を空気力学的に形作られた形状とするこ
とが可能になる。熱交換器は、いかなる設計配置にも適
合するような方向に配置することができ、水平に向ける
ことさえできる。コンデンサとラジエータとは、単一の
ユニットに組み合わせることができ、この場合には、コ
ンデンサ部分は、冷却液の液面より上の高さになるよう
に、ラジエータより上に配置する。このユニットは、従
来のラジエータより小さく、必要な空気の流量がより少
ないので、このユニットは、車両のノーズよりも後に配
置することができ、車両をラジエータとコンデンサとを
別々のユニットとした場合と同程度の外形とすることも
できる。 液体冷却回路内の冷却液の循環速度は、従来の冷却シ
ステムにおいて要求される循環速度より小さく、このこ
とは、必要な動力がより少ない簡単な低コストのポンプ
を使用しうることを意味する。 本発明を具体化した冷却系は、現在の技術水準の液体
循環冷却系に対して要求されるラジエータの大きさの1/
3〜1/6の大きさのラジエータを必要とするにすぎない。
必要とされる冷却剤の量は、夫々のラジエータの容積の
間の差に等しい量だけ減少される。ラジエータとコンデ
ンサとの構成にアルミニウムを使用しうることと、配管
系が耐える必要のある圧力が低くてよいこと、の事実と
組み合わせて考えるとき、本発明は、重さとコストの重
要の節約をもたらすことがわかる。 本発明のもう1つの望ましい寄与は、現在の冷却系に
おいて冷却剤をポンプ移送する唯一の実際的方法である
と考えられている方向、すなわち、冷却剤をシリンダブ
ロックの冷却ジャケットからシリンダヘッドの冷却ジャ
ケットに通し、シリンダヘッドの冷却ジャケットからラ
ジエータを経てシリンダブロックの冷却ジャケットに戻
すという循環方向とは逆方向に冷却剤を流すことができ
る点である。特に、冷却剤をシリンダブロックの冷却ジ
ャケットからラジエータを通してシリンダヘッドの冷却
ジャケットに戻すようにポンプ移送することは、現在の
技術水準による冷却系においては有効でないと考えられ
ている。その理由は、現在の冷却系は、系内圧力のもと
での冷却剤の飽和温度に非常に近い冷却剤温度で作動す
るのが常だからである。冷却剤が、シリンダヘッドの冷
却ジャケットからシリンダブロックの冷却ジャケットを
通り出口へ循環されるとき、エンジンでの冷却剤は、シ
リンダボア領域で最も高温になる。水−不凍液冷却剤を
利用する冷却系の場合には、冷却剤は、シリンダボア領
域から出て、沸点に非常に近い温度でポンプに入ること
になる。そのため、ポンプの吸引による圧力低下を生じ
たとき、ポンプにキャビテーションを生じさせ、流れが
著しく減少するか又は全く止まってしまう。従来冷却系
において心配されるこの問題は、本発明において避けら
れる。即ち、冷却剤として、大気圧で132℃以上の飽和
温度を有する液体冷却剤を使用することにより、冷却剤
の温度を冷却液の沸点より十分に低く維持し、ポンプ内
又はポンプから上流の導管内で冷却剤が蒸発するのを防
ぐことにより、上述の問題は避けられる。冷却剤の飽和
温度が高い程、冷却液の温度を飽和温度より十分に低く
保持することがより容易である。本発明者は、現在最も
実現的と考えられる高いエンジン作動温度のもとでシリ
ンダヘッドの冷却ジャケットからシリンダブロックの冷
却ブロックに冷却剤を循環させるようにしても、シリン
ダブロックの冷却ジャケット内における冷却剤の温度は
132℃より低いことを見出した。したがって、本発明に
おいて使用する液体冷却剤は、従来とは逆の方向の冷却
剤の循環を可能にする。 冷却液をシリンダブロックの冷却ジャケットからラジ
エータへ、そして、ラジエータを通し、シリンダヘッド
の冷却ジャケットへ戻すことが可能になると、重要な利
点が引き出される。ラジエータからヘッド部分へ入る冷
却液が冷却された状態にあるため、エンジンからの熱放
出の大部分が行なわれるヘッド内で、冷却剤蒸気を凝縮
させるための最良条件を得ることができる。したがっ
て、本発明の好ましい態様では、冷却剤がシリンダブロ
ックの冷却ジャケットから熱交換器に圧送され、シリン
ダヘッドの冷却ジャケットに戻される構成とする。冷却
剤は、シリンダヘッドの冷却ジャケットの最も高い金属
温度が生じる箇所(燃焼室の上壁及び排気ポートの周
り)で加熱される。加熱された冷却剤は、シリンダヘッ
ドの冷却ジャケットからシリンダブロックの冷却ジャケ
ットに流れる。シリンダブロックの冷却ジャケットに達
した冷却剤は、在来の冷却システムのように熱交換器か
ら入ると仮定したときよりも高温であるので、シリンダ
ブロックから多くの熱を取り除かない。したがって、シ
リンダボアは、在来の冷却系を採用したときよりも高い
温度になる。シリンダ壁がそれほど冷却されないので、
燃料の一層の完全な燃焼を得ることができる。 本発明のより良き理解のために、実施例についての以
下の説明を添付図面と組合せて参照されたい。 (実施例) 第1図は、シリンダボア14を形成したブロック12の底
部にボルト締めされたオイルパン10を有するピストン型
内燃エンジンを示し、クランク軸(図示せず)により支
持された連結ロッド18の制御下でピストン16がシリンダ
ボア14の中を往復運動する。シリンダブロックの冷却ジ
ャケット20が、シリンダ14を形成するスリーブを包囲し
ている。シリンダヘッド22がブロック12にボルト締めさ
れ、ジャケット20の冷却剤通路とエンジンの外部からの
冷却剤通路とから燃焼室をシールするために、ブロック
12とヘッド22との間にヘッドガスケット24が介装されて
いる。シリンダヘッドの冷却ジャケット26がシリンダヘ
ッド22内に形成されている。バルブカバー28がヘッド22
の頂部に取付けられている。簡略化のために、バルブ
と、バルブに関連した構成要素と、吸気ポートと排気ポ
ートとは図示していない。ブロック冷却ジャケット20と
ヘッド冷却ジャケット26とが、ヘッドガスケット24の多
数の孔30を通して連通している。 導管32は、ブロック12の下方部分を通してブロック冷
却ジャケット20に開口するポートから比例サーモスタッ
ト弁34へ通じている。ブロック冷却ジャケット20から出
た冷却剤の温度が比較的低いときは、弁34は、全ての冷
却剤を、ポンプ88の吸込み側に通ずるバイパス管36へ導
く。ポンプ38は、エンジン駆動されるポンプ又は電動ポ
ンプの何れでもよい。別の方法として、ポンプ38を導管
32に配置してもよい。ブロック冷却ジャケット20から循
環される冷却剤が高温であるときは、弁34は、冷却剤の
すべてを導管40を通して熱交換器(ラジエータ)42へ差
し向ける。弁34の低温閾値と高温閾値との間で、弁34
は、バイパス管36とラジエータ42との間で流れを釣合わ
せる。冷却剤は、導管44を通してラジエータ42を離れ、
ポンプ38により導管46を通してヘッド冷却ジャケット26
へ戻される。ブロック冷却ジャケット20の下方部分から
出た冷却剤が所定の高温にあると、自動車用バッテリ50
により電力が供給されるファン48はサーモスタットスイ
ッチ52によりスイッチ・オンされ、それによってラジエ
ータから外気への熱の交換が増大される。 液体冷却回路は、また、要求により、制御弁54と熱交
換器56とを有する車室に熱を供給するための分岐管を有
する。 ラジエータ42は、いくつかの平行なフィン付きの管の
ような任意の適当な構造のものとすることができる。フ
ィン付き管は、比較的に大きい直径のものとするのがよ
く、本発明に従って用いられる冷却剤がアルミニウムを
腐食又は侵食しない限り、アルミニウム製とするのがよ
い。ラジエータ42はガスを貯蔵するものではないので、
ラジエータのいかなる部分も、ヘッド冷却ジャケット26
の最も高い位置よりも上に配置する必要はない。ラジエ
ータ42の配置位置は、設計の選択事項である。すなわ
ち、ラジエータ42は、寸法が小さいので、例えば車両の
前バンパの背後に容易に収めることができる。ラジエー
タ42は水平に搭載することができる。空気をラジエータ
42を通して導かれ、抵抗を減少させるために、車両のノ
ーズを空気力学的に形成してもよく、また閉じてもよ
い。ラジエータ42は、車室用ヒータの熱交換器として二
役を演ずることができ、このためラジエータ42には、ヒ
ータコントローラを介して乗員により選択された通り熱
交換器からの熱気を車室及び/又は外部に導くために配
設されたダクト及びダクト制御バルブが付設される。 本発明による冷却装置は、冷却剤の蒸気をヘッドジャ
ケット26から一掃するのに冷却剤の高い循環速度に頼っ
ていないので、変動する負荷及び大気条件の下でエンジ
ンの温度を所望のレベルに維持するのに液体回路内での
熱放出を制御する方法として幾つか存在する。例えば、
ラジエータ42を通る流量を調節するために導管40又はバ
イパス管36の何れかに配置したサーモスタット絞り弁と
T型継手とで弁34を置き代えることができる。他の方法
は、ラジエータ42へのダクトに設けたサーモスタット制
御ダンパにより、又は、車両の走行により誘導されるが
必要に応じてサーモスタット制御ファンで増圧される空
気の比較的低い循環をラジエータが受けることにより、
ラジエータの熱交換率を制御することである。もう1つ
の可能性は、サーモスタットで制御される可変速度ポン
プの使用である。当業者は、本発明において使用するた
めの適当な液体冷却回路を容易に発明することができ
る。ラジエータ42が小さい寸法であり且つ高い熱交換率
を与えるという事実(蒸気が殆ど無い状態で循環される
高温度冷却剤のため及び熱出力が殆ど必要ないため)
は、従来の冷却システムでの要求により担われていた多
くの設計上の制限をなくする。 燃焼室上壁の上及び排気ポートの回りのようなエンジ
ンヘッド22の熱い領域において、暖機運転中を除くエン
ジンの全ての運転状態の下で冷却剤が幾分蒸発する。冷
却液が、燃焼室上壁と排気ポートの上の場所で冷却剤の
飽和温度よりも低い温度に維持される限り、これらの熱
い面で生成された蒸気の大部分は、ヘッド冷却ジャケッ
ト26の液体の冷却剤の中で凝縮する。ヘッドジャケット
26で凝縮されない蒸気の量は、勿論、発生される蒸気の
量と、ヘッド冷却ジャケット26に存在する冷却液の温度
と、ヘッドジャケット26での蒸気の凝縮特性とに左右さ
れる。もしも冷却剤が水と混和性であり、僅かな量の水
が冷却剤との溶液状態にあるならば、冷却剤の蒸気の大
部分は、冷却剤の飽和温度より低く且つ水の飽和温度よ
り高い温度の冷却液の中で凝縮するが、然しその全部は
凝縮しない。水との混和性の冷却剤は、吸湿性であり、
若干の水を含有するものと仮定されるべきである。 水と混和しない冷却剤は、吸湿性でなく、水蒸気を含
有する外気と接触しても水分を吸収せず、混和性冷却剤
と比較して、非常に“乾燥した”状態に容易に維持され
る。水と混和しない冷却剤にあっては、冷却剤の蒸気
は、通常、ヘッドジャケット26で完全に凝縮される。非
混和性冷却剤と共に存在する水は、水の飽和温度より僅
かに低い温度で早く蒸発する。その結果生ずる水蒸気
は、夫々の蒸気圧の比率に等しいモル比で僅かな量の冷
却剤蒸気と一緒に、ヘッドジャケット26で凝縮せず、蒸
気としてコンデンサ64に入り、部分的に又は完全に凝縮
して凝縮液としてヘッドジャケット26へ戻る。この蒸気
の一部を冷却系から放出されることにより、冷却剤の水
分含有量が減少させることができる。この間に、ほんの
僅かな量の冷却剤物質が排出されることになる。冷却剤
として2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノ
イソブチレートを使用した場合、コンデンサ64に入る蒸
気における水と冷却剤とのモル比は、例えば約450対1
である。 ヘッドジャケット26の冷却液の中で凝縮されない蒸気
は全て、対流によりヘッド冷却ジャケット26の最も高さ
の高い領域へ上昇し、そこからこの蒸気は、ヘッド冷却
ジャケット26の最も高さの高い領域から出口60を通して
除去される。ヘッド冷却ジャケット26は、蒸気がヘッド
冷却ジャケットから出口60を通して容易に除去されるこ
とを合理的に可能な範囲で保証するために、高さの高い
領域への蒸気の移動を容易にするように設計されるのが
よい。 出口60を通してヘッド22から除去された蒸気は、導管
62を通して蒸気コンデンサ64へ導かれる。第1図に示す
実施例において、コンデンサ64からの凝縮液を、戻り導
管(図示せず)又は蒸気をコンデンサ64へ導く同じ導管
62の何れかを通って重力でエンジンへ戻すために、コン
デンサ64は、通常の使用では、エンジンの全方向におい
て、ヘッド冷却ジャケットよりも上に配置されている。
第1図に示すように、凝縮液をエンジン冷却ジャケット
26へ戻す導管は、冷却剤を冷却液回路からエンジンへ戻
すためにも使用できる。変形例として、冷却液を液体冷
却剤回路からエンジンへポンプで戻すための戻り導管
は、凝縮液をエンジン冷却ジャケットへ戻すための戻り
導管と別のものとすることができる。 コンデンサ64の設計は相当に変更しうる。壁と蒸気と
の接触を容易にするために、比較的制限なしに蒸気を移
動させる金属容器を用いると良好な効果が得られる。蒸
気の移動に対する実質的な制限を最少にし、ヘッド冷却
ジャケットに蒸気が戻らないようにし、しかも蒸気が冷
却ジャケットを出ることを妨げられないようにする、と
いう要求に合致させるために、導管62は大きな直径、例
えば自動車エンジンの場合には1.5インチ(38.1mm)と
するのがよい。コンデンサ64は、凝縮液が重力で集水点
へ流れ、そこからエンジン冷却ジャケットへ導きうるよ
うに設計されるべきである。車両において望ましい構成
は、エンジンルームの長手方向に前から後上方に傾斜
し、エンジンフードの下に取付けられる細長いコンデン
サ容器の形態とすることである。コンデンサ64は、例え
ば、エンジンフードの一部分として車両のボディパネル
に設けてもよい。 冷却ジャケットの内で生ずる蒸気凝縮量のいかんに拘
わらず、高温冷却剤内の空気は、この空気が飽和するま
で冷却剤の蒸気を取り込むように作用する。このように
して取り出される蒸気の量は、冷却剤の蒸気圧の函数で
あり、温度が高くなる程、蒸気圧が高くなる。コンデン
サ64の比較的冷たい壁は、沸騰により生じた蒸気を凝縮
させるのに役立つのみでなく、冷却ジャケットの高温表
面から蒸発した蒸気を凝縮させる作用も果たす。 本発明において冷却剤として用いられる高分子有機化
合物の蒸気は、空気より重い。それ故、この蒸気は、先
ず、空気中で下降し、そして空気中へ拡散する前にコン
デンサ64の下方部分に集まる傾向がある。この層状化を
助けるために、導管62からコンデンサ64への入口は、コ
ンデンサの最も位置の低い部分にあるのがよい。コンデ
ンサの壁と蒸気との接触が高められるようにコンデンサ
での蒸気の移動を制御し、また、流入する蒸気がコンデ
ンサの中で高い場所へ直接的に移動するのを最少にする
ために、コンデンサ内にバッフルを設けてもよい。凝縮
が進むにつれて、残存する蒸気中の水蒸気の割合が増大
する。ほとんどが水蒸気となった蒸気は、空気より軽
く、対流によりコンデンサ上方部分へ移動する。 冷却系内の液体の見掛けの体積は、温度と沸騰状態に
応じて変化する。すなわち、液体は膨張を生じ、また凝
縮されい蒸気は、液体を排除して大きい体積を占め、そ
のため液面を上昇させる。第1図に示されているよう
に、冷却系は、冷却ジャケットを常に満たすように、最
初、レベルAまで冷却液で満たされる。冷却系に温度上
昇が生じると、冷却剤の膨張は15%程度となり、冷却剤
の液面は導管62のレベルBまで上昇して、第1図に示す
ようにコンデンサ64の中まで上昇する。コンデンサ64が
通気されていない場合には、液体の見掛け量の増大によ
って系内圧力が高くなる。更に、コンデンサ内の空気が
加熱され、また、凝縮されていない冷却剤又は水蒸気が
増加するので、圧力は更に増大する。これらの要因に基
く大気圧に対して測定したときの圧力増大の程度は、コ
ンデンサ64の容積とコンデンサ内のガス平均温度との函
数である。一定の高度において、圧力増大の程度は、典
型的な冷却系において約7.0K Paである。また、高度の
変化は、密閉冷却系と大気との間の圧力差に影響を及ぼ
す。海面から3000mまで大気圧は31K Pa低下し、また、6
000mまで更に26K Pa圧力低下する。 この冷却系の設計において、圧力の上昇と低下を考慮
に入れなければならない。いくつかの可能性があり、そ
の1つが第1図に示されている。通気管66は、コンデン
サ64の蒸気入口から離れた位置で、コンデンサ64の高い
位置にある領域から延びる。コンデンサ64の蒸気入口で
は、存在するガスが主として空気と水蒸気であり、冷却
剤物質の蒸気の大部分は、上述のように、底部に溜まっ
て容器の壁面上で凝縮する。通気管66の2方圧力リリー
フ弁68は、圧力が所定のレベル、例えば2psi(0.14kg/c
m2)まで上昇するまで、コンデンサ64から通気管66を通
るガスの通過を阻止する。弁68が開くと、ガスは、コン
デンサ64の頂部から回収コンデンサ70の中へ流入する。
回収コンデンサ70は、常時冷やすのに適当な場所に配置
された小型容器である。コンデンサ64の最も適当な場所
はエンジンに非常に接近したところであるので、コンデ
ンサ64は通常熱い冷却液を幾分含むのに対して、回収コ
ンデンサ70の凝縮表面は、通常、コンデンサ64の凝縮面
より相当に低い温度であり、これにより回収コンデンサ
70は、コンデンサ64で凝縮されなかった蒸気を凝縮させ
ることができる。通気管66は、回収コンデンサ70の底部
の近くで開口し、この通気管66の開口は、容器70の凝縮
液で覆われるようになる。開放した通気口72は、該通気
口72における大気静圧に実質的な変動を生じるような空
気の流れが当たらない位置で、容器70の頂部から大気へ
通じている。通気管66により回収コンデンサ70の中へ導
かれた凝縮可能な物質は、凝縮されて集水される。 弁68は、大量の蒸気がエンジン冷却ジャケット内で発
生してコンデンサ64がほぼその最大能力で作動してお
り、コンデンサ容器64内のガスが弁68を開弁させるのに
十分な圧力になるのに十分な熱さである間だけ、ガスが
回収コンデンサ70へ流れることを許容する。コンデンサ
64内のガスが冷えると、直ちに圧力が低下する。そし
て、ガス(大部分が空気と水蒸気)がコンデンサ64を出
て通気口72を通して排出されるので、コンデンサ64(及
び冷却システム)内の圧力は大気圧以下に低下する。通
気管66の中へ移動した回収タンク70の凝縮の圧力ヘッド
と弁圧力との和が、冷却系内の圧力と大気圧との間の圧
力差より小さいと、弁68はその圧力差で開く。冷却系内
の圧力変化に対処するためこの構成では、凝縮可能物質
の全て又はほぼ全てを回収でき、また、エンジンからの
蒸気を処理するコンデンサの容量に到達する状況が頻繁
に生じ、系内の圧力を制限することが望まれ、しかもコ
ンデンサの容量を増大させないことが望まれるときに、
この設計は望ましい。 回収コンデンサ70は、小さくしてバッフルを設けるよ
うに設計するか、又は高い凝縮効率のために大きい表面
積を形成するように金属ワイヤ又は繊維で満たされるの
がよい。通気口72には、ほこりの入らないようにエアフ
ィルタを設けるのがよい。 弁68を有する主な理由は、システムから出入りする空
気の“呼吸”を減少させることである。空気の入れ替り
に伴って冷却系を出る冷却剤蒸気の量は、コンデンサ64
と回収コンデンサ70とが蒸気を凝縮させる能力に左右さ
れる。場合によっては、冷却剤の許容されない損失なし
に、弁68を全て、省くことができる。 回収コンデンサ70を通気させることは、弁68の有無を
問わず、水蒸気が冷却系を出るときに好都合である。系
内の水分の減少は、一層小さなコンデンサ64の利用を可
能とする。冷却剤が水と混和性であれば、水分含有量の
減少により、冷却剤の飽和温度が上昇し、冷却剤の飽和
温度と冷却剤物質の飽和温度との温度差を縮め、ポンプ
38内でのキャビテーションの可能性を減少させる。冷却
剤が水と混和しないのであれば、水分の減少は、水蒸気
の量と、ヘッドジャケット26とコンデンサ64との間を循
環する凝縮液の量とを減少させる。 弁68の比較的高い設定、一般に約70K Pa(10psi)を
選択することにより、異常に高い負荷状態や大きな高度
変化の場合を除き、冷却系は有効に密閉することができ
る。また、通気口は、非常に揮発性の冷却剤の使用によ
り、又はヘッドガスケットでの漏れのような冷却システ
ムの加圧を生じさせることのある構成要素の破損により
開く。より高い圧力で冷却系を作動させるためには、組
立てられたときの系の構成要素が、そのような圧力に耐
えることができるものでなければならない。より高い圧
力で作動するということは、飽和温度がより高いレベル
へ上昇するということである。70K Paの圧力上昇によ
り、冷却剤の飽和温度を約20℃上昇させることができ
る。 第2図に示す装置は、回収コンデンサがない点を除き
第1図に示す装置と同様である。その代りに、コンデン
サ110は、その中に回収コンデンサの機能を組み込むよ
うに、余分の凝縮容量をもつように設計されている。低
圧、例えば両方向に35K Pa(5psi)の開弁圧力を持つ2
方向逆止弁112が、通気管114内に配置され、暖機の間及
び停止中に開いて、空気が冷却系に出入りするように意
図されている。暖機の間、液体の見掛け体積が増大し、
コンデンサの中の空気が熱くなるので、空気は通気管11
4を通って押し出される。システムが、普通の大気条件
下で通常の負荷状態で暖機されると、弁112は、閉弁さ
れて高負荷変化の下あるいは大きい高度変化の後を除き
弁が開くことはない、暖機中以外に弁が開く場合には、
吐出されるガスの大部分は空気である。これに含まれる
僅かな冷却剤蒸気の損失は、たとえ長期間の間でも取る
に足らないものであり、恐らく現在使用中のオーバフロ
ー式タンクの場合の損失よりも少ない。第2図の構成
は、回収コンデンサの省略を可能とするが、コンデンサ
110は、第1図の実施例に対して要求されるコンデンサ6
4より大きくなければならない。第1図及び第2図のコ
ンデンサは、共に、冷却剤の水分含有量を減じることに
より、寸法を小さくすることができる。水と混和しない
冷却剤用に設計された装置は、冷却剤が吸湿性でないの
で、より小さいコンデンサであってもよい。 第2図のシステムの変形例として、エンジンと冷却系
とが暖機完了した状態では、緊急時にリリーフすること
を条件として、高い圧力を保持するように弁112がサー
モスタットで制御されるものがある。この変形例では、
暖機及び停止中に本質的に開放され、走行状態で閉じて
閉システムとなる通気装置を弁112に組み合わせる。こ
の冷却系では、暖機中の温度及び圧力の上昇がピーク荷
重に対応する全体的な温度−圧力の変化から差し引かれ
ることになるので、完全な閉ループ系よりも最大圧力を
低くすることができる。 系内での温度−圧力の変化を処理する方法が異なる点
を除いて、上述の二つの実施例は全く同じに作動する。
冷却液は、冷却ジャケットのシリンダブロック部分から
ラジエータ(又は冷い気候中の暖機及び低負荷状態での
バイパス)を通して連続的に圧送され、冷却剤の飽和温
度よりも低い温度でエンジン冷却ジャケットのヘッド部
分へ戻され、燃焼室上壁の熱い金属表面及び排気ポート
の周りに生じた蒸気の若干の部分は、冷却液の中で凝縮
する。冷却液の中で凝縮されない蒸気は、最も高さの高
い領域から出て、コンデンサへ導かれ、そこで凝縮す
る。凝縮液は冷却ジャケットの中へ戻される。 この冷却系は、液体冷却回路からジャケットへ戻され
た液体の冷却剤の温度が、上述のように比較的高い温度
でエンジンを運転する利益を得るのに十分に高い温度で
あるが、然しヘッド冷却ジャケットで蒸気を凝縮させる
ことができ、且つ、ポンプのキャビテーションを防ぐた
めポンプから上流の液体回路の部分で冷却剤の温度を十
分に低く維持しうるように十分に低い温度であるように
設計すべきである。 図面は、垂直配置のピストン型エンジンを示してい
る。本発明の冷却システムは、勿論、シリンダの軸線を
垂直に対して斜めに向け又は水平に向けて搭載されたエ
ンジンにおいて使用することができる。何れの場合にお
いても、蒸気は冷却ジャケットの最も高さの高い領域に
集まるので、これに対応するように蒸気の出口を配置す
べきである。このシステムは、バンケル型エンジンに対
しても使用しうる。ヘッド冷却ジャケットに関する上述
のすべての説明は、バンケル型エンジンの燃焼部分及び
排気部分の周りのジャケット付き領域に当てはまり、他
方、ブロック冷却ジャケットの説明は、バンケル燃焼室
の行程容積部分の周りのジャケット付き領域に適用され
る。最後に、本発明は、ヘッドのみが冷却されるエンジ
ン、又はシリンダ壁の行程領域を包囲する領域の全部よ
り小さい部分が液体の冷却剤により冷却されるエンジン
において用いることができる。 図面に示す装置においては、コンデンサは、凝縮液が
重力で戻るように、エンジンより上に取付けてあるが、
このことは好ましいことである。それにも拘らず、もし
も必要ならば、冷却液の最も高い液面よりも以下にコン
デンサを配置して、凝縮液を機械的にポンプでエンジン
へ戻すことができる。このような設計では、液面の上昇
に順応するようにシリンダヘッドより上方に蒸気出口導
管を設け、コンデンサ、導管の中の蒸気の流れの制限を
最少にすることに注意を払うべきである。コンデンサ用
として低速且つ低流量のポンプで十分である。 第1図の実施例において、回収コンデンサ70は、コン
デンサ64より低い位置に取付けられ、凝縮液がサイホン
作用でコンデンサ64へ戻るように配置されている。変形
例として、回収コンデンサ70をコンデンサ64より高い位
置に取付け、凝縮液が重力で戻ることができるようにす
ることができる。 本発明の装置において、蒸発と凝縮のサイクルは、エ
ンジン停止後も機能し続ける。液体の冷却剤と接触する
シリンダ内の金属は、冷却剤の飽和温度より高い温度に
あり、金属の温度が冷却剤の飽和温度に達するまで沸騰
が続く。もしも、液体循環ポンプが、エンジンで駆動さ
れるか又はエンジンの停止時に別の方法で止められるな
らば、ヘッドジャケット内の冷却剤の温度は飽和温度ま
で上昇する。液体の冷却剤の中で凝縮される蒸気の量が
少ない程、コンデンサに入る蒸気の量は増大する。冷却
剤の飽和温度よりも高い温度でエンジン内に貯えられた
熱エネルギの量は、エンジンの運転中に冷却剤に与えら
れる熱に比べて大きくないが、エンジンがさめる間、沸
騰により相当な量の蒸気が発生する。コンデンサは、エ
ンジンがさめる間に発生する蒸気並びにエンジンの運転
中の蒸気を凝縮させるために十分な容量をもつ必要があ
る。もしもポンプが、エンジンのさめる間、冷却剤を循
環させることができるのであれば、液体の冷却剤の温度
を、冷却剤の飽和温度より低く維持することができ、エ
ンジンがさめる間、コンデンサに見られる蒸気の量は著
しく減少される。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明を具体化している冷却システムを備え
たエンジンの概略断面図である。 第2図は、本発明のもう1つの実施例の概略図である。 20、26……冷却ジャケット、42……熱交換器、38……ポ
ンプ、26……ヘッド部分、64、110……コンデンサ室、6
0……出口、70……回収コンデンサ、68……圧力リリー
フ弁、66、114……通気管、20……ブロック部分、112…
…出口圧力リリーフ弁装置、入力圧力リリーフ弁装置。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.少なくともエンジンの燃焼室及び排気ポートの壁の
    周りに設けられ、大気圧下で132℃以上の飽和温度を有
    する沸騰可能の液体冷却剤で常時満たされた冷却ジャケ
    ット(20、26)と; 熱交換器(42)と、冷却ジャケットから前記熱交換器を
    通じて再び冷却ジャケットへ前記冷却剤を循環させるた
    めの機械式ポンプ手段(38)とを含み、シリンダヘッド
    に形成される冷却ジャケット(26)の中の燃焼室及び排
    気ポートの前記壁に隣接する場所よりも高い位置にある
    部分内の冷却剤の温度が、冷却系内圧力での冷却剤の飽
    和温度よりも低い温度に維持されるように前記熱交換器
    で熱放出する液体冷却回路と; 燃焼室と排気ポートとに隣接する領域における液体冷却
    剤の局部的な沸騰により生成された蒸気を含むガスのう
    ち、ジャケット内の冷却剤の中に凝縮するものを除く実
    質的にすべてのガスを、実質的に制限されない対流によ
    り冷却ジャケットから連続的に除去し冷却ジャケット
    (20、26)の最も高所の領域から放出できるようにする
    出口(60)と; 前記出口(60)と非制限的に連通され、前記出口を介し
    て前記冷却ジャケットから放出された前記ガスを受け入
    れて、その凝縮可能な成分を凝縮させるためのコンデン
    サ手段と; 凝縮した液を前記コンデンサ手段から前記冷却ジャケッ
    トへ戻すための戻し手段と;を有する内燃エンジンを冷
    却するための装置。 2.前記冷却剤が、本質的に、水と混和することができ
    且つ任意の所定の温度における水の蒸気圧よりも実質的
    に小さい蒸気圧を有する物質からなる、特許請求の範囲
    第1項に記載の装置。 3.前記冷却剤の物質が、エチレングリコール、プロピ
    レングリコール、テトラヒドロフルフリルアルコール及
    びジプロピレン類からなる群から選択されたものである
    特許請求の範囲第2項に記載の装置。 4.冷却剤が、本質的に、水と実質的に混和せず且つ任
    意の所定の温度における水の蒸気圧より実質的に小さい
    蒸気圧を有する物質からなる、特許請求の範囲第1項に
    記載の装置。 5.冷却剤の物質が、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
    ンジオールモノイソブチレート、ジブチルイソプロパノ
    ールアミン、及び2−ブチルオクタノールからなる群か
    ら選択されたものである、特許請求の範囲第4項に記載
    の装置。 6.前記液体冷却回路が、シリンダブロックに形成され
    る前記冷却ジャケット(20)から液体の冷却剤を循環さ
    せて液体の冷却剤をシリンダヘッドに形成される前記冷
    却ジャケット(26)へ戻すようになっている、特許請求
    の範囲第1項に記載の装置。 7.前記コンデンサ手段(64、110)が、冷却ジャケッ
    トからの前記出口の高さよりも高い位置に配置されてお
    り、また、前記戻し手段(62)が、凝縮液を前記コンデ
    ンサ手段から前記冷却ジャケットへ重力によって戻すも
    のである、特許請求の範囲第1項に記載の装置。 8.前記コンデンサ手段が、該コンデンサ手段の最も位
    置の高い領域に配設され且つ該コンデンサ手段の入口か
    ら離れた位置にある通気口(66、114)を有する、特許
    請求の範囲第1項に記載の装置。 9.前記コンデンサ手段が、前記通気口を備えたコンデ
    ンサ室(64)と、回収コンデンサ(70)と、前記コンデ
    ンサ室の通気口と前記回収コンデンサとを連結し且つ前
    記回収コンデンサのほぼ最も高さの低い部分に開口する
    通気管(66)と、を更に有し、 前記回収コンデンサは、その最も位置の高い領域から大
    気に通気(72)され、また、前記コンデンサ室よりも冷
    え易い箇所に配置されており、これにより、前記コンデ
    ンサ室の圧力が前記回収コンデンサ内の圧力を越える
    と、コンデンサ室の最も位置の高い領域に存在するガス
    が、前記回収コンデンサの中へ導かれて、その中で凝縮
    可能なガスを凝縮させ且つ凝縮不能なガスを放出し、ま
    た、前記回収コンデンサ内の圧力が前記コンデンサ室内
    の圧力と前記通気管の凝縮液のヘッド圧力との和を越え
    るときはいつでも、前記回収コンデンサ内に残存する凝
    縮液およびガスが、前記回収コンデンサから前記コンデ
    ンサ室に導かれる、特許請求の範囲第8項に記載の装
    置。 10.前記コンデンサ室と前記回収コンデンサとの間に
    配置され、前記コンデンサ室内の圧力が前記回収コンデ
    ンサ内の圧力を所定の量だけ超過するときを除いて、前
    記コンデンサ室から前記回収コンデンサへのガスの通過
    を阻止する第1圧力リリーフ弁装置(68)と; 前記コンデンサ室と前記回収コンデンサとの間に配置さ
    れ、前記回収コンデンサ内の圧力が、前記コンデンサ室
    内の圧力と通気管内の凝縮液のヘッド圧力との和を所定
    の量だけ超過するときを除いて、前記回収コンデンサか
    ら前記コンデンサ室への凝縮液およびガスの通過を阻止
    する第2圧力リリーフ弁装置(68)と;を更に有する、
    特許請求の範囲第9項に記載の装置。 11.前記通気口(114)に設けられ、前記コンデンサ
    室(110)内の圧力が、大気圧を所定の量だけ超過する
    ときを除いて、前記コンデンサ(110)から大気へのガ
    スの通過を阻止する出口圧力リリーフ弁装置(112)
    と; 前記通気口に設けられ、大気圧が、前記コンデンサ室内
    の圧力を所定の量だけ超過するときを除いて、大気から
    前記コンデンサ室への大気中の空気の通過を阻止する入
    口圧力リリーフ弁装置(112)と;を更に有する特許請
    求の範囲第8項に記載の装置。
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