JP2679563B2 - トレーなどの取付バー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願は、高さ方向に多数の係止孔
を隔設した取付支柱を左右に配して机の天板の後部に立
設した仕切り用乃至目隠し用のパネル部材の前面に、前
記係止孔に左右端部を係止して水平状に横架され、その
前面に、トレーや書類立てなどを装着する取付バーに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、高さ方向に多数の係止孔を隔設し
た取付支柱を左右に配して机の天板の後縁部に立設した
仕切り用乃至目隠し用のパネル部材の前面に、前記係止
孔に左右端部を係止して水平状に横架されその前面に、
トレーや書類立てなどを装着する取付バーは、前面に長
手方向に延びる樋状の係合溝を、後面の左右位置に取付
部材を、夫々有した長さが前記取付支柱の間隔に相当す
るバー本体と、基部の側縁にＬ字状に屈曲し、その後縁
にフックを有した金属製の取付部材とから成り、バー本
体の左右位置の取付部に前記取付部片の基部を夫々を取
付け、この取付部材のフックを前記取付支柱の係止孔に
係止してパネル板の前面に沿って取付バーを水平状態に
横架し、使用に際してはトレーや書類立ての後面に設け
た係合突部を前記係合溝に横動自在に係合して取付バー
の前面にトレーや書類立てを装着する構成のものであっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが上記した従来
の取付バーによれば、該取付バーに装着したトレーや書
類立て及びそれらに載置した書類などの荷重によって、
経時的に取付バー及び係止部材が変形して取付バーが前
傾し、そのため、トレーや書類立てなどの載置面が下向
きに傾斜してその面上に載置した書類などがずれ落ちる
などの不都合があった。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】そこで本願は、上記し
た従来のものの不都合を改善するため、前面にトレーな
どの取付けを可能とした係合部を有し、かつ、左右側端
部にパネル部材の取付支柱に支持されてパネル前面に横
架されるトレーなどの取付バーの後面下部位置に前後方
向に伸縮自在で、かつ、パネル前面との当接面を有した
調整機構を備えたものであり、調整機構は少なくとも左
右端部の後面下部位置に設けてある。具体的には、取付
バーが、前面上部にトレーなどの後面に設けた係止突部
と係合可能な係合溝を有した長尺なバー本体と、該バー
本体の左右端部の後面に取付けられる基板の一側縁に後
方に延びると共に、後縁に取付支柱に設けた係止孔と係
止するフックを設けた左右一対の取付部材とから成り、
また調整機構が、バー本体の後面に固設されたナット
と、前面にナットに螺合するネジ軸を突設し、後面にパ
ネル面との当接面を有すると共に、前記ネジ軸をナット
に螺合した状態で一部が取付バーの下面から突出する大
きさの円盤状の操作つまみとから成る。さらにトレーに
載置された書類の分類名などをその直下で表示できるよ
う、取付バーが、その下部に用紙の抑止機構を有して成
り、また、取付支柱のピッチと取付部材のピッチとが相
違する場合でも容易に使用できるように、バー本体と取
付部材の基板とを、バー本体の長手方向において制限さ
れた範囲で位置調整可能に取付けて成る。

【０００５】

【作用】しかして、パネル部材の前面部に２本の取付支
柱に跨って上記構成の取付バーを取付ける場合には、ま
ず、左右の取付部材を、取付支柱に夫々係止してパネル
部材の前面に取付バーを装着する。次いで、調整機構を
操作して、その当接面をパネル部材の前面に圧接し、こ
れによりバー本体の前面を垂直状に或は稍々上向きに傾
斜するようにバー本体の傾きを調整する。この調整はパ
ネル板の前面にバー本体を装着した状態で、取付バーの
下面から突出する操作つまみを回動することによって行
うことができる。また、取付バーは、その下部に用紙の
抑止機構を有して成るので、例えばパネル板の前面上部
に装着したトレーに載置した書類の分類名を表示した用
紙を当該トレーの直下の抑止機構に抑止して掲示するこ
とができる。さらにまた、バー本体と取付部材の基板と
を、バー本体の長手方向において制限された範囲で位置
調整可能に取付けて成るので、左右の取付部材の間隔
と、二本の取付支柱の間隔とに誤差を有するときには、
取付部材と、バー本体とを長手方向において制限された
範囲内において相対移動して前記間隔の誤差を調整する
ものである。

【０００６】

【実施例】以下、図面と共に本願の実施例を詳述する
と、図１は天板１０１にパネル部材Ａを備えた机１０２
の前記パネル部材Ａに本願取付バーＢを取付け、この取
付バーＢにトレー１０３や書類立て１０４を装着する使
用状態における分解斜視図を示しており、前記パネル部
材Ａは、従来と同様に天板１０１の後部左右位置に立設
され、かつ、前面長さ方向に多数の係止孔１０５を隔設
した角筒状の取付支柱１０６，１０６の間にパネル板１
０７を介装すると共に、このパネル板１０７の外側面と
取付支柱１０６，１０６の外側面を覆う端部カバー１０
８，１０８との間に前記係止孔１０５が露出した隙間１
０９を形成する。

【０００７】図２は、本願取付バーＢの縦断面図を示し
ており、該取付バーＢは、前面上部に樋状の係合溝１を
長手方向に有すると共に、後面左右端部に横長の取付孔
２を配設したバー本体３と、バー本体３の左右側面を閉
じる端部材４，４と、前記横長の取付孔２の位置で長手
方向に移動可能に取り付けられ、かつ、前記取付支柱１
０６の係止孔１０５に係止する上下のフック５ａ，５ｂ
を有した金属板から成る取付部材６，６と、調整機構３
４とで構成されている。

【０００８】前記バー本体３は、前記パネル板１０７の
横幅にほゞ等しい長さを有した横長の垂直な主板７ａの
上縁に、前方に延びその前縁部が下方に屈曲した水平の
上片７ｂを有すると共に、前記主板７ａの左右端部の上
部に前記取付孔２を構成する上部横長孔８ａを、下部に
横方向に延びる広幅の下部横長孔８ｂを夫々配設し、さ
らに、中間部に通孔８ｃを設けた金属板から成る後部片
８と、中間部に前方に突出するコ字状の突条部９ａを有
して垂直な上部片１０ａと下部片１０ｂとが前記後部片
８の前面中央部に重合すると共に、上部片１０ａに前記
後部片８の上部横長孔８ａと共に、前記取付孔２を構成
する摺動孔９ｂを備えた金属板から成る中部片１０と、
中間部が前記中部片１０の突条部９ａの前面に重合する
と共に、上縁に突条部９ａの上面と重合するように後向
きに折曲し、その後縁から前記上部片１０ａと所要の間
隔をおいて、垂直に延びて前記上部横長孔８ａと対向す
る位置にネジ回しなどの操作具の挿通を許容する横長の
操作孔１１を有した仕切板１２ａを、また、下端部に後
向きに傾斜する傾斜板１３ａを延設した合成樹脂から成
る前部片１３と、

【０００９】前記傾斜板１３ａの後面と対向して垂直状
に延びる受片１４ａの上縁に前方に屈曲して先端が前記
傾斜板１３ａの上縁部後面に当接する閉片１４ｂを一体
に設けると共に、前記受片１４ａの下縁を後方に屈曲し
てその後縁部上面に前記後部片８の主板７ａの下縁部を
嵌合する上面で開口した嵌合孔１４ｃを有した底片１４
ｄを設けて前記傾斜板１３ａと受片１４ａとの間に横方
向に延び、かつ、その長さ方向で複数に分断された丸パ
イプ状の抑止杆１５ａを介装して成る用紙ｐの抑止機構
１５を構成する合成樹脂から成る底部片１６とで構成し
てあり、前記上片７ｂの前縁と前部片１３の突条部９ａ
の上面と重合する重合部と仕切板１２ａとによって前面
で開口する係止溝１が形成されると共に、前記前部片１
３の仕切板１２ａの前面には化粧用の凹凸面１７を有
し、さらに、仕切板１２ａの上部後面には先端が上部片
１０ａの上部前面に当接する水平な突片１２ｂと上方に
突出する係止突条１８とが設けてあり、また前記底部片
１６の底片１４ｂの中央部下面には、前記抑止杆１５ａ
の上動を規制する突条１４ｅが設けてある。

【００１０】前記中部片１０の上部片１０ａと、突条部
９ａの後部及び前部片１３の仕切板１２ａと、突片１２
ｂとで囲まれた縦断面縦長方形状の案内孔１９には、前
記操作孔１１を開閉するシャッター部材２０が、横方向
に摺動自在に介装されており、このシャッター部材２０
は縦断面が後向きコ字状に形成された横長の合成樹脂片
から成り、その前面に横方向に延びる化粧用の凹凸面２
１が形成され、これが該シャッター部材２０により操作
孔１１を閉じた状態で前記前部片１３の突片１２ｂの前
面に設けた化粧用の凹凸面１７と合致する。

【００１１】前記バー本体３の左右端部を閉じる左右一
対の端部材４，４は、左右対称に構成されている。即ち
図１，２で示すように、前面下部を前記傾斜板１３ａに
適合するように後ろ向きに傾斜した縦長の側板２３の内
面上部に、前記後部片８の上片７ｂの下面に重合すると
共に、中間部下面に前記前部片１３の係止突条１８を嵌
合する下向きの係止溝片２４ａを設けた冠状の上部嵌合
片２４を、内面中間部に前記中部片１０の突条部９ａの
内部に嵌合する縦断面が前向きコ字状の下部嵌合片２５
を夫々一体に突出して成り、前記下部嵌合片２５の縦片
２５ａを、前記後部片８の主板７ａに、その後面より螺
着するネジ片２６により締結することにより、バー本体
３の左右側面に端部材４，４が装着される。

【００１２】前記取付部材６は、方形状の基板２７と、
その一側縁より後方に直角状に延びる支板２８とで構成
され、基板２７には、その上部に、前記取付孔２と適合
する通孔２９ａを有し、この通孔２９ａの後面にナット
３０が固設してあり、また、基板２７の下部に前記上部
横長孔８ａと適合する通孔２９ｂを有し、この通孔２９
ｂの前面にナット３１が固設してあり、さらに、基板２
７の中間部には、前記ネジ片２６の頭部２６ａが介入す
る横長の介入孔３２が開設してある。

【００１３】前記支板２８には、その後縁上、下部に前
記取付支柱１０６の係止孔１０５と選択的に係止する上
下幅の異なる一対のフック５ａ，５ｂが一体に設けてあ
り、この取付部材６は基板２７をバー本体３の左右端部
後面に重合して、前記操作孔１１より係止ネジ２２を前
記上部のナット３０に螺合して緊締することにより止着
される。前記バー本体３の後面下部には、バー本体３に
加わる荷重を支持すると共に、バー本体３の傾きを調整
する調整機構３４が装備されている。この調整機構３４
はバー本体３が長尺である場合には、バー本体３の長手
方向の三カ所に、その長さが比較的短い場合には、左右
位置の二カ所に夫々設けられる。この調整機構３４は、
後面に当接面３５ａを有した円盤状の操作つまみ３５の
前面中央に前記下部のナット３１に螺合するネジ軸３５
ｂを突設して成り、前記操作つまみ３５は、ネジ軸３５
ｂをナット３１に螺合したときその一部がバー本体３の
下面より突出する大きさを有している。

【００１４】しかして、パネル部材Ａの前面部に２本の
取付支柱１０６，１０６に跨って上記構成の取付バーＢ
を取付ける場合には、まず、左右の取付部材６，６’の
支板２８を、パネル板１０７の両側部に位置する隙間１
０９に夫々挿入して、上下幅の大きい上部のフック５ａ
を対応する係止孔１０５に介入したのち、バー本体３全
体を上方に押し上げながら上下幅の小さい下部のフック
５ｂを対応する係止孔１０５に介入することにより各フ
ック５ａ，５ｂを対応する各係止孔１０５に夫々係止し
てパネル部材Ａの前面に取付バーＢを横架する。

【００１５】この場合、左右のフック５ａ，５ｂのピッ
チｓと、二本の取付支柱１０６の取付孔１０５のピッチ
とに誤差を有するときには、シャッター部材２０を、操
作孔１１より介入した指乃至工具などにより、側方に摺
動して、前部片１３の操作孔１１を開被し、この状態
で、係止ネジ２２を緩めて取付部材６の基板２７と、バ
ー本体３の後部片８とを取付孔２の範囲内において左右
方向に相対移動して前記ピッチの誤差を調整するもので
ある。次いで、操作つまみ３５を回動して、その当接面
３５ａを図６で示すようにパネル板１０７の前面に圧接
し、これによりパネル板１０７の前面を垂直状態に或は
稍々上向き状態に傾斜するようにバー本体３の傾きを調
整する。

【００１６】このようにして、パネル板１０７の前面に
バー本体３を装着した状態で、天板１０１の前部位置に
用紙ｐを掲示する場合には、抑止杆１５ａと底部片１６
の受板１４ａとの間に用紙ｐを挿入する。すると、用紙
ｐの上端部により抑止杆１５ａは押し上げられながら、
前方に僅かに移動して、用紙ｐの上縁部の介入を許容し
たのち、抑止杆１５ａが自重により下降して、図６で示
すように用紙ｐの上端部が抑止杆１５ａと受板１４ａと
の間で挟持されて用紙ｐは垂下する。また、用紙ｐを取
り外す場合には、用紙ｐを下方に引くか指で抑止杆１５
ａを押し上げて、抑止杆１５ａを浮き上がらせることに
より、用紙ｐを抜脱するものである。

【００１７】また上記において、前記係合溝１にはトレ
ー１０３や書類立て１０４の背面に設けた係合突部１１
０が図１で示すように、横動自在に係合され、このトレ
ー１０３や書類立て１０４に書類などを水平状に或は垂
直状に載置する。そのためバー本体３の前面には、かな
りの重量が作用するので経時的にバー本体３の変形など
によりバー本体３が前傾してトレー１０３や書類立て１
０４の載置面が前下がりに傾斜して載置面上の書類など
がずれ落ちる惧れがある。このような場合には、パネル
板１０７の前面にバー本体３を装着した状態で、バー本
体３の下方位置で操作つまみ３５を回動操作して、バー
本体３の傾きを修正するものである。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本願によれば、後面下部に
取付バーの傾むきを調整する調整機構を備えて成るの
で、取付バーの前面に装着するトレーなどの重量とそれ
に載置した書類などの荷重を充分に支持することができ
るばかりでなく、経時的な変形により取付バーの前面が
前向きに傾いた場合でもその向きが調整できてトレーや
書類立てなどを常に最適な取付状態で使用することがで
きると共に、請求項４記載の構成によれば、製作上の誤
差や使用形式によって取付支柱のピッチと取付部材のピ
ッチとが相違する場合に有効であり、特に請求項５記載
の構成によれば取付バーの前面から位置調整ができるの
で使用にきわめて便利であり、また請求項６の記載によ
れば、操作つまみの操作が容易に行うことができて、さ
らにまた請求項７記載の構成によれば、上部にトレーを
装着しこれを対応して抑止機構により用紙を抑止するこ
とができるから、トレーに載置された書類の分類名称な
どをその直下の用紙に記載して見出し機能を発揮させる
ことができるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】使用状態を示す分解斜視図

【図２】Ａ−Ａ線断面図

【図３】一部を切欠した正面図

【図４】一部を切欠した背面図

【図５】一部を切欠した平面図。

【図６】使用状態を示す参考図

【図７】他の実施例を示す一部を切欠した背面図

【図８】他の実施例を示す一部を切欠した平面図

【符号の説明】

１ 係止溝 ２ 取付孔 ３ バー本体 ５ フック ６ 取付部材 １２ａ 仕切板 １１ 操作孔 １３ａ 傾斜板 １４ａ 受片 １５ 係止機構 １５ａ 抑止杆 １９ 案内孔 ２０ シャッター部材 ２７ 基板 ２９ａ 通孔 ３０ ナット ３１ ナット ３４ 調整機構 ３５ 操作つまみ ３５ａ 当接面 ３５ｂ ネジ軸 １０３ トレー １０５ 係止孔 １０６ 取付支柱 １１０ 係止突部 Ａ パネル部材 Ｂ 取付バー ｐ メモ用紙

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面にトレーなどの取付けを可能とした
   係合部を有し、かつ、左右側端部にパネル部材の取付支
   柱に支持されてパネル前面に横架されるトレーなどの取
   付バーであって、その後面下部位置に前後方向に伸縮自
   在で、かつ、パネル前面との当接面を有した調整機構を
   備えたことを特徴とするトレーなどの取付バー。
2. 【請求項２】 取付バーが、少なくとも左右端部の後面
   下部位置に調整機構を夫々有して成る請求項１記載のト
   レーなどの取付バー。
3. 【請求項３】 取付バーが、前面上部にトレーなどの後
   面に設けた係止突部と係合可能な係合溝を有した長尺な
   バー本体と、該バー本体の左右端部の後面に取付けられ
   る基板の一側縁に後方に延びると共に、後縁に取付支柱
   に設けた係止孔と係止するフックを設けた左右一対の取
   付部材とから成る請求項１記載のトレーなどの取付バ
   ー。
4. 【請求項４】 バー本体と取付部材の基板とを、バー本
   体の長手方向において制限された範囲で位置調整可能に
   取付けて成る請求項３記載のトレーなどの取付バー。
5. 【請求項５】 バー本体が、その上部に、係合溝と案内
   孔とを前後方向で仕切ると共に、端部位置に横長の操作
   孔を設けた垂直な仕切板を有し、かつ、前記案内孔内
   に、前記操作孔を開閉するシャッター部材を横動可能に
   介装すると共に、前記操作孔と対向する後面部に横長の
   取付孔を形成し、また、取付部材はその基部上部に通孔
   と、その後面位置に止着されたナットとを設けて成り、
   前記案内孔を介して係合溝から挿入した係止ネジを、取
   付孔及び通孔を介してナットに螺合することによりバー
   本体の後面に取付部材に取り付けて成る請求項３記載の
   トレーなどの取付バー。
6. 【請求項６】 調整機構が、バー本体の後面に固設され
   たナットと、前面にナットに螺合するネジ軸を突設し、
   後面にパネル面との当接面を有すると共に、前記ネジ軸
   をナットに螺合した状態で一部が取付バーの下面から突
   出する大きさの円盤状の操作つまみとから成る請求項
   ３，４または５記載のトレなどの取付バー。
7. 【請求項７】 取付バーが、その下部に用紙の抑止機構
   を有して成る請求項１，２，３，４，５または６記載の
   トレーなどの取付バー。
8. 【請求項８】 抑止機構が下向き後方に傾斜する傾斜板
   と、その傾斜板の後面と対向する垂直な受片と、前記傾
   斜板と受片との間に遊動可能に介装された丸パイプ状の
   抑止杆とから成る請求項７記載のトレなどの取付バー。
9. 【請求項９】 抑止杆が、長手方向において複数に分断
   されて成る請求項８記載のトレーなどの取付バー。