JP2679249B2 - 予圧可変式軸受装置 - Google Patents

予圧可変式軸受装置

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2202/00Solid materials defined by their properties
    • F16C2202/30Electric properties; Magnetic properties
    • F16C2202/36Piezoelectric

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、工作機械の主軸等における軸受の予圧を可
変とした予圧可変式軸受装置の改良に関する。
〔従来の技術〕
従来の予圧可変式スピンドル装置としては、例えば特
開昭61−127922号公報(第1従来例)、実開昭62−8530
2号公報(第2従来例)等に掲示されたものがある。こ
れらの従来例のものは、回転軸を支承するころがり軸受
の外輪または内輪に軸方向から作用して予圧を与える予
圧手段として、圧電素子を用いている。その圧電素子に
電圧を印加して素子の軸方向の長さを変化させ、軸受に
対する予圧の大きさの調整する。例えば高速運転の際
は、回転軸の熱膨張の影響で軸受予圧の大きさが変化す
るが、予め圧電素子の長さと印加電圧との間の関係を求
めておき、回転軸の温度膨張に対応させて圧電素子の長
さを変えるように電圧を印加することにより、高速回転
時の予圧変動を防止し適正予圧を得るようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記各従来例にあっては、圧電素子の
押圧力が直接に軸受の外輪または内輪の端面に負荷され
る構造であり、圧電素子に均一な作動特性を得ることが
困難であるため、圧電素子の印加電圧を変化させたと
き、軸受にかかる荷重が周方向で不均一になるという問
題点があった。
又、複数個の圧電素子を円周方向に等分に配して組付
ける場合、それぞれの圧電素子に同電圧を印加しても各
圧電素子の伸びは完全に同値とはならない。それゆえ、
軸受にかかる予圧の大きさが周方向で不均一になるとい
う問題が生じる。
また、各圧電素子の特性に合わせた電圧を個々に供給
することは制御が複雑となる。
そこで本発明は、上記従来の問題点を着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、簡単な制御で
圧電素子の印加電圧を変化させたときに軸受にかかる荷
重が急変することがなく、又、軸受にかかる予圧の大き
さが不均一にならないようにした予圧可変式軸受装置を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の予圧可変式軸受装
置は、ハウジングと、該ハウジングに嵌合され且つ回転
軸を支承する転がり軸受と、該転がり軸受に向かって先
細に傾斜した外面を前記ハウジングのテーパ面に摺接さ
せるとともに前記転がり軸受の内外輪いずれかの端面に
当接するテーパ間座環と、該テーパ間座環を前記転がり
軸受に向かって押圧し前記転がり軸受に予圧を付与する
複数の圧電素子とを備えている。
〔作用〕
圧電素子に印加する電圧を調整して、軸受の外輪又は
内輪の端面に負荷する横方向の押圧力を調整する。その
とき、圧電素子と軸受間の押圧力は、両者間に介挿され
ハウジングに摺接されているテーパ間座環を介して作用
する。テーパ間座環はハウジングの斜面と隙間なく接し
ているので、これに部分荷重が加わってもテーパ間座環
はほぼ平行に若干の弾性変形を伴って押し込まれる。し
たがって、軸受にかかる予圧荷重が部分的に急変した
り、その予圧の大きさが不均一になることが防止され
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図とともに説明する。
第1図は、本発明の一実施例鋭の予圧可変式軸受を組
み込んだ工作機械の主軸受装置の縦断側面図である。ハ
ウジング1に組み込まれた2組の並列組合わせアンギュ
ラ玉軸受2,3で回転軸である主軸4を支承している。組
合わせアンギュラ玉軸受2は、短い間座5を介して並列
に配された2個1組のアンギュラ玉軸受6,7でなる。同
様に組合わせアンギュラ玉軸受3は、短い間座5を介し
て並列に配された2個一組のアンギュラ玉軸受9,10でな
る。反対方向のスラスト荷重をそれぞれ分担する両並列
組合わせアンギュラ玉軸受2,3は、長い間座11を介して
軸方向に所定の間隔を保っている。
一番奥に位置する玉軸受6の内輪6Nの端面は主軸4は
外径段部4Aに当接されている。一番手前に位置する玉軸
受10の内輪10Nの端面は、主軸4のねじ4Bに螺合したナ
ット12により、スペーサ13を介して押圧されている。か
くして各玉軸受6,7,9,10の内輪が、軸方向に位置決めし
て固定されている。
一番手前の玉軸受10の外輪10Gの正面は、ハウジング
1の一端面にボルトB1で固着された押さえ板14に当接し
ている。一方、一番奥の玉軸受6の外輪6Gの正面は環状
のスペーサ15の端面に当接している。このスペーサ15は
主軸4の外径より大きな内径を有しており、その外径面
はハウジング1の他端面に当接させたドーナツ板形状の
テーパ間座受け部材20の内径面20Aに軸方向可動に嵌合
されている。
テーパ間座受け部材20の内径面20Aに隣接する内径面
は、玉軸受6に向かって次第に僅かに小径になるように
形成した斜面20Bになっている。又、テーパ間座受け部
材20の反軸受側の座間20Cに開口するシリンダ穴21が複
数個、円周等分に配設され、この各シリンダ穴21内にそ
れぞれピストン22が軸方向摺動自在に嵌合されている。
23はピストン22の作動油圧の供給路を示すものである。
このように形成されたテーパ間座受け部材20の中心孔
にテーパ間座環25が嵌合している。テーパ間座環25は、
主軸4の外径より大きな寸法の内径を有してラジアル隙
間Cを介し軸方向移動可能に挿通された筒状胴部26と、
その一端側で外径方向に突設されたフランジ部27とでな
り、胴部26の外径面28は軸受6に向かって先細に傾斜し
た斜面になっている。この斜面状の外径面28が前記テー
パ間座受け部材20の斜面20Bに嵌合されて摺接してい
る。フランジ部27の軸受側の面は前記ピストン22で反軸
受方向に押圧されるようになっている。一方、フランジ
部27の反軸受側の面には、複数個の圧電素子片30が円周
等分に配分して当接させてある。
これらの圧電素子30は、リード線31を介して負荷され
る印加電圧に応じてその軸方向の長さを制御できるもの
である。例えば、長さ方向に分極され、その分極方向に
印加する電圧を高くすると長さが増大する縦効果素子タ
イプのものである。そして各圧電素子30は、素子保持孔
32を設けたドーナツ板状保持板33により軸方向に変位可
能に保持されている。
その圧電素子保持板33は、前記テーパ間座受け部材20
と、同じくドーナツ板形状を有する蓋部材35との間に挟
持されており、それら3枚のドーナツ板がボルトB2で一
体的に固着されて予圧調製ユニットを構成している。こ
の予圧調整ユニットは、長ボルトB3によりハウジング1
の端面に固着されている。
次に作用を述べる。
主軸4は、重切削時は低速回転とされ、小径の穴加工
のような軽切削時は高速回転とされる。低速回転にあっ
ては、重切削に耐えうる高剛性が要求され、その場合の
各軸受6,7,9,10の予圧は、所定の間座を用いてナット12
の締めつけにより与えられている。又、圧電素子30の印
加電圧と素子変位との関係を予め実験的に求めておく。
低速回転状態では、圧電素子30に電圧は印加されな
い。軽切削に移ると、主軸4の回転は高速回転に切り換
えられる、そのとき、回転数が図外の検出器で検知さ
れ、その信号に基づく図示しない制御装置からの指令で
圧電素子30に所定の電圧が印加される。すると圧電素子
30が電圧に応じて軸方向に伸長する。この伸長力はテー
パ間座環25を軸方向に動かす。このときハウジング側の
斜面20Bによりテーパ間座環25は拘束され、径が小さく
なるように弾性変形を伴ってスペーサ15を介して軸受6
の外輪6Gを押圧し、ナット12で各軸受6,7,9,10に与えら
れている予圧力と拮抗して、予圧を低減させる。その場
合、各圧電素子30には同じ大きさの電圧を印加するが、
圧電素子30の伸び量は、印加電圧の大きさが同じであっ
ても同一にならない。
したがって、各圧電素子30の軸方向の長さ変化が微量
に異なる。しかし、本実施例では、圧電素子30の伸長力
はテーパ間座環25を介して伝達される。テーパ間座環25
はテーパ間座受け部材20の斜面20Bに案内されつつ先に
述べたように径方向に弾性変形を伴って移動するように
なっているから、各圧電素子30の伸びがばらついても、
テーパ間座環25は真っ直ぐに軸沿いに軸受方向に進行し
て、軸受6の外輪6Gの端面には全面にほぼ均一な力がか
けられることになる。又、圧電素子30へ急激に電圧を印
加しても、圧電素子による荷重変化の急変はテーパ間座
環25の径方向弾性変位で緩和されるから、軸受予圧が急
変するおそれはない。
主軸4は回転数の増大に伴う温度の上昇により熱膨張
する。主軸径の熱膨張で、各軸受6,7,9,10の予圧は実質
的に増大する方向に変動する。そこで、主軸4が低速回
転から高速回転に切り換えられた後もその温度を検出し
て、圧電素子30への印加電圧を温度上昇に応じて制御す
れば、熱膨張による予圧増大分を補償することができ
る。
主軸4の回転を再び低速回転に戻す場合や停止させる
場合には、圧電素子30への電圧印加を遮断すると共に、
油圧の供給路23に図外の油圧源から油圧を供給し、ピス
トン22を押し上げてテーパ間座環25を元の位置へ復帰さ
せる。
しかし主軸等の温度上昇が高い場合には、電圧を零ま
で下げずある小さな電圧とし、軸受に過大な予圧が生じ
ないようにする。
なお、上記実施例は、テーパ間座環25と圧電素子30を
主軸4の端部に設けたものを説明したが、これに限ら
ず、中央の軸受7,9の中間、すなわちハウジング1内の
間座11の部分に設けてもよい。この場合、重切削の低速
回転時に圧電素子に電圧を印加し、伸長させて各軸受6,
7,9,10に高予圧を与える。一方、高速運転時は、圧電素
子の電圧を切るか又は低減させて、低予圧に調整する。
このようにすれば、高予圧を圧電素子30への印加電圧の
調整で制御するので制御し易い。又、重切削時でも、切
削開始前は低予圧状態にして主軸4を軽く回転させ、切
削中のみ電圧を印加して高予圧とする制御を行えば、主
軸4および各軸受6,7,9,10が長寿命になる利点がある。
又、第1図におけるテーパ間座環25の戻し機構につい
ては、シリンダ穴21とピストン22をいずれも環状に形成
してもよい。
なお、テーパ間座環25を元の位置へ復帰させるため、
油圧ピストン22を設けたものを説明したが、ピストンの
代わりに復帰ばねを使用してもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、圧電素子の伸
びによる押圧力でテーパ間座環はハウジングのテーパ面
に案内されつつ径方向の弾性変形により圧縮されつつ移
動する。このとき、テーパ間座環はハウジングのテーパ
面に隙間なく接していて、このテーパ面に強制的に案内
されるから、各圧電素子の伸びのばらつきにより周方向
における荷重が部分的に相違しても、テーパ間座環は真
っ直ぐに軸沿いに軸受方向に進行して、軸受の外輪又は
内輪の端面には全面にほぼ均一な力がかけられることに
なり、軸受予圧をほぼ均一に調整し得る。また、圧電素
子へ急激に電圧を印加しても、圧電素子による荷重変化
の急変はテーパ間座環の径方向弾性変形で緩和されるか
ら、軸受予圧が急変するおそれはない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の縦断面図である。 1はハウジング、4は主軸、6,7,9,10はころがり軸受、
20はテーパ間座受け部材、20Bはハウジング側に設けた
斜面、25はテーパ間座環、28は外径面(斜面)、30は圧
電素子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングと、該ハウジングに嵌合され且
    つ回転軸を支承する転がり軸受と、該転がり軸受に向か
    って先細に傾斜した外面を前記ハウジングのテーパ面に
    摺接させるとともに前記転がり軸受の内外輪いずれかの
    端面に当接するテーパ間座環と、該テーパ間座環を前記
    転がり軸受に向かって押圧し前記転がり軸受に予圧を付
    与する複数の圧電素子とを備えたことを特徴とする予圧
    可変式軸受装置。
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