JP2677934B2 - 圧延機の圧下装置におけるロールバランス方法 - Google Patents

圧延機の圧下装置におけるロールバランス方法

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JP2677934B2 JP4232371A JP23237192A JP2677934B2 JP 2677934 B2 JP2677934 B2 JP 2677934B2 JP 4232371 A JP4232371 A JP 4232371A JP 23237192 A JP23237192 A JP 23237192A JP 2677934 B2 JP2677934 B2 JP 2677934B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延機の圧下装置に係
り、特にロールチョックアセンブリーの重量に関係なく
ロールオーバーバランス力を一定に維持できるようにし
たロールバランス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延機の圧下装置には、チョックを含む
ロールアセンブリーを圧下スクリューに追従させるため
のロールバランス装置を備える。このロールバランス装
置には数種類のものがあるが、その中でも油圧式のもの
が広く利用されている。
【0003】油圧式のロールバランス装置の典型的な構
造は、圧下スクリューにより支持されたロールアセンブ
リーのチョックを吊り下げるバランスビームを圧延機の
ハウジングの上端に設けたバランスシリンダに連接する
というものである。そして、圧下スクリューに対してロ
ールアセンブリーを追従させるためには、ロールバラン
スシリンダにはロールアセンブリー重量以上のバランス
力を持たせる必要がある。
【0004】バランスシリンダによるロールバランスで
は、そのロールオーバーバランス力は一定ではない。こ
れは、バランスシリンダの引き力は一定であるが、使用
するロールサイズの違いにより、ロールチョックアセン
ブリーの重量に差を生じるためである。このため、従来
の圧下駆動装置では、ロールオーバーバランス力の最大
値に対応させて圧下モータの容量を設計しているので、
ロール径が大きくてロールチョックアセンブリー重量も
大きい場合には、圧下モータの容量に無駄を生じる。特
に、ロールチョックアセンブリーの重量の差が大きいタ
イプの圧延機の場合では、この無駄が大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解消
するため、たとえばバランスシリンダにかける作動油の
圧力を調整することが考えられる。しかしながら、バラ
ンス用作動油の供給源として一般に利用されているアキ
ュムレータ設備において、油圧源の作動油圧をロールの
組み替え毎に調整することは、アキュムレータの構造面
からみて困難である。
【0006】また、アキュムレータとバランスシリンダ
との間の油圧回路に減圧弁を設けることによって、作動
油の油圧を調整することはできる。しかし、たとえば作
動油としては鉱物油は採用できず、たとえばソリブル油
等の不燃性の作動油とする必要がある場合では、腐食等
の問題があって、減圧弁を使うことは実用的に無理であ
る。
【0007】本発明において解決すべき課題は、ロール
チョックアセンブリーの重量が変わってもバランス力を
一定に保てるようにし、圧下装置の圧下モータの容量を
最適化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧下装置によ
って移動するロールチョックアセンブリーに対して、流
体シリンダによってバランス力を持たせるロールバラン
方法において、前記圧下装置による圧下方向と逆向き
に前記流体シリンダのピストンを移動させる作動油の供
給系を該流体シリンダに接続し、圧下方向に前記ピスト
ンを移動させる気体の供給系を前記流体シリンダに接続
し、同一の圧延機の中で、使用するロールチョックアセ
ンブリーの重量が最大のものに対応させて、予め前記流
体シリンダへの作動油の供給により圧下方向とは逆の方
向の引き力を設定し、前記最大重量より小さい重量のロ
ールチョックアセンブリーを使用するときは、前記最大
重量と小さい重量との重量差に相当する圧下方向の空気
圧を、前記流体シリンダへの気体の加圧・供給により作
用させ、種々のロールチョックアセンブリーの重量の変
化に追従してバランス力を一定値に設定・保持可能とす
ることを特徴とする。
【0009】
【作用】流体シリンダのピストンを圧下方向に作動させ
る流体を気体としておけば、供給する気体を加圧する装
置を備えることによって、ピストンに与える圧力を自由
に変更できる。たとえば、圧延機に組み込むロールチョ
ックアセンブリーの中で最大重量に対応してロールバラ
ンス力を設定するが、これよりも重量が小さい各種のア
センブリーの操作では最大重量のものとこのアセンブリ
ーの重量の差に相当する気体圧をピストンに作用させる
ようにすれば、常に一定のバランス力を持たせることが
できる。したがって、ロールチョックアセンブリーの重
量に関係なく、バランス力を均一化できる。
【0010】このように、作動油側の油圧を変更しなく
とも、操作が簡単な気体側の圧力を変えるだけの設備で
済み、既設の圧延機にも簡単に安価に設置することが可
能となる。
【0011】
【実施例】図1は本発明のロールバランス装置の概要を
示す図である。
【0012】図において、ロール1とその両端を支持す
るロールチョック2a,2bに対してバランスビーム3
が連結されている。ロールチョック2a,2bはバラン
スビーム3により吊り上げられ、図示しない圧下装置の
圧下スクリューの先端に圧接した状態で昇降させる点
は、従来の圧延機の圧下系と同様である。また、バラン
スビーム3を昇降動作させるためのバランスシリンダ4
は、従来の油圧式のものと同様にピストン4aとロッド
4bとを備え、ロッド4bをバランスビーム3に連接し
ている。
【0013】バランスシリンダ4には、作動油及び空気
を作動流体として駆動するための作動流体の供給系を接
続する。すなわち、ピストン4aを境として、その下側
のチャンバには作動油を蓄圧した作動油アキュムレータ
5を接続し、上側のチャンバには空気タンク6を接続す
る。また、空気タンク6の系には、空気を加圧してこの
空気タンク6の中に蓄圧するためのコンプレッサ等を備
えた空気加圧装置7を設ける。
【0014】ここで、一つの圧延機では、圧延材に応じ
て幾種類かの径が異なるロールを用いることが多い。そ
して、ロールの交換の際には、そのロールチョックも含
めたアセンブリーの全体をハウジングに着脱する。した
がって、圧延機にとっては、或る最大重量のロールチョ
ックアセンブリーが在ることになる。
【0015】これに対し、従来ではこの最大重量のロー
ルチョックアセンブリーに対応して、油圧のバランスシ
リンダ容量を決定し、同一のバランス力で最小重量のロ
ールチョックアセンブリーを昇降させる圧下モータの容
量を決定していた。このため、従来技術の項で述べたよ
うに、重量が大きいロールチョックアセンブリーでは、
この圧下モータの容量では大き過ぎるという傾向にあっ
た。
【0016】本発明のロールバランス装置では、圧延機
に新たに組み込もうとするロールチョックアセンブリー
の重量に対し、最大重量のものとの差に相当する空気圧
によってピストン4aを下に押す方向に付勢する。すな
わち、空気加圧装置7によって空気タンク6内の空気を
予め蓄圧しておき、ロールチョックアセンブリーの組み
込み後に作動油アキュムレータ5によってバランスシリ
ンダ4のピストン4aを空気圧とバランスさせる。
【0017】このような操作を行うことによって、作動
油アキュムレータ5からの作動油の油圧を調整する必要
がなく、その作動油の圧力は圧延機に組み込むロールチ
ョックアセンブリーの最大重量のものに対応させるだけ
でよい。そして、ロールチョックアセンブリーの重量差
に応じて、空気タンク6内に蓄圧する空気の圧力を変更
するだけでバランスシリンダ4による適切なロールオー
バーバランス力を得ることができる。
【0018】また、ロールチョックアセンブリーの重量
が変わっても、バランスシリンダ4のピストン4aに作
用する空気圧は、アキュムレータ5による作動油の圧力
に対応する。このため、バランスシリンダ4によるロー
ルオーバーバランス力は均一に設定することができる。
したがって、従来のように、ロールオーバーバランス力
がロールチョックアセンブリーの重量に応じて変化して
いたのに対し、このロールオーバーバランス力を変動す
ることなく均一に保つことができる。
【0019】このように、使用するロールチョックアセ
ンブリーの中で最大重量のものに対応させて、予めバラ
ンスシリンダ4の引き力を決め、重量の小さいロールチ
ョックアセンブリーを使用するときには、最大重量のも
のとこの重量の小さいものとの重量差に相当してバラン
スシリンダ4のピストン4aに引き力と反対側に空気圧
を作用させる。このため、使用するロールチョックアセ
ンブリーの重量に関係なくロールバランスを常に一定に
保つことができる。そして、空気圧を適正に調整しさえ
すれば、ロールバランス力も調整可能であり、ロールチ
ョックアセンブリーの重量によらず、圧下スクリューの
先端部への作用力を必要最小限とすることもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明では、バランスシリンダへの空気
の作動圧を設定する系を備えるだけで、ロールチョック
アセンブリーのバランス力を設定でき、油圧系を改変す
る必要がないので既設の圧延機にも簡単に設備できる。
また、アセンブリーの重量に応じて空気圧をそれぞれ変
更する操作を行えば、アセンブリーの重量に関係なくバ
ランス力を一定に設定でき、これに見合う圧下モータの
容量を選定することによって、経済面での不利を解消で
きる。そして、小径ロールの組込み時のバランス力の過
大による圧下装置のナットの早期摩耗も防ぐことがで
き、メンテナンス性の向上も図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧下装置におけるロールバランス装置
の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 ロール 2a,2b ロールチョック 3 バランスビーム 4 バランスシリンダ 5 作動油アキュムレータ 6 空気タンク 7 空気加圧装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧下装置によって移動するロールチョッ
    クアセンブリーに対して、流体シリンダによってバラン
    ス力を持たせるロールバランス方法において、 前記圧下装置による圧下方向と逆向きに前記流体シリン
    ダのピストンを移動させる作動油の供給系を該流体シリ
    ンダに接続し、 圧下方向に前記ピストンを移動させる気体の供給系を前
    記流体シリンダに接続し、同一の圧延機の中で、使用するロールチョックアセンブ
    リーの重量が最大のものに対応させて、予め前記流体シ
    リンダへの作動油の供給により圧下方向とは逆の方向の
    引き力を設定し、 前記最大重量より小さい重量のロールチョックアセンブ
    リーを使用するときは、前記最大重量と小さい重量との
    重量差に相当する圧下方向の空気圧を、前記流体シリン
    ダへの気体の加圧・供給により作用させ、種々のロール
    チョックアセンブリーの重量の変化に追従してバランス
    力を一定値に設定・保持可能とすることを特徴とする
    延機の圧下装置におけるロールバランス方法
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