JP2677207B2 - リード線埋設粉末成形体の製造装置と製造方法 - Google Patents

リード線埋設粉末成形体の製造装置と製造方法

Info

Publication number
JP2677207B2
JP2677207B2 JP24701094A JP24701094A JP2677207B2 JP 2677207 B2 JP2677207 B2 JP 2677207B2 JP 24701094 A JP24701094 A JP 24701094A JP 24701094 A JP24701094 A JP 24701094A JP 2677207 B2 JP2677207 B2 JP 2677207B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead wire
powder
cavity
movable
die
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24701094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0888152A (ja
Inventor
昌弘 ▲高▼橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP24701094A priority Critical patent/JP2677207B2/ja
Publication of JPH0888152A publication Critical patent/JPH0888152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2677207B2 publication Critical patent/JP2677207B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタンタルコンデンサ等の
ように、その一部にリード線を埋設した粉末成形体を製
造するための製造装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンタルコンデンサは、加圧により硬化
される誘電体粉末を用いて形成した素子部にリード線を
接続した構成とされており、その製造方法として本発明
者が知るところでは、図7に示す方法が用いられてい
る。この方法では、図7(a)のように、テーブル31
の貫通穴内に内装したダイ32で粉末成形体のキャビテ
ィCA外周部を画成し、このキャビティCAに対して、
上側と下側からそれぞれ上パンチ33と下パンチ34と
を挿入可能に構成した成形装置を用いる。上パンチ33
にはその軸心に沿ってリード線供給孔33aを穿孔して
上方からリード線Cを挿通させ、かつ上パンチ33の直
上部には上パンチ33と共に移動してリード線Cを挟持
する第1のリード線挟持部35と、この第1のリード線
挟持部35の上部に上パンチとは独立して上下動可能に
リード線Cを挟持する第2のリード線挟持部36とを設
けている。また、下パンチ34はダイ32の下部から挿
入されてキャビティの底面を形成する。
【0003】この成形装置では、上パンチ33は成形前
は上昇位置にあり、上パンチ33のリード線供給孔33
aから成形体を形成するのに必要なリード線Cを第1の
リード線挟持部35で挟持して保持している。また、前
記キャビティCA位置のテーブル31上には内部に成形
粉末、例えばTa等の金属の粉末Aが充填されている筒
状カップ37が移動される
【0004】そして、図7(b)において、筒状カップ
37からキャビティCA内に粉末Aを充填した後、筒状
カップ37を退避させ、しかる上で上パンチ33とリー
ド線Cとを同時に下降させ、上パンチ33の先端をダイ
32の上面に一致させ、かつ第1のリード線挟持部35
の作用によりリード線Cの先端部を粉末A内に挿入す
る。次いで、図7(c)において、更に上パンチ33を
下降させるのと同時に、下パンチ34を上昇させ、キャ
ビティCA内において粉末Aを加圧圧縮して所望の外径
寸法に成形し、リード線Cの先端部を埋設した成形体V
を形成する。
【0005】次に、図7(d)において、第1のリード
線挟持部35はリード線Cを開放し、第2のリード線挟
持部36はリード線Cを挟持した状態で上パンチ33を
上昇させる。次に、上パンチ33とダイ32の間にリー
ド線切断刃38を進入動作させ、リード線Cを所望の長
さに切断する。
【0006】最後に、図7(e)において、リード線切
断刃38を退避させ、続いて第2のリード線挟持部36
でリード線Cを挟持してリード線Cを第1のリード線挟
持部35に対して上昇させ、上パンチ33の先端より突
出されるリード線Cの突出量を成形体の埋設長相当に調
整し、次回の成形に備える。また、下パンチ34が上動
され、成形体Vをダイ32の上面までノックアウトさせ
る。以後公知の方法で成形体を取りだしている。
【0007】また、他の製造方法として実開平4−55
129号公報に記載されているものがある。この方法
は、図8のように、ダイ41により形成されたキャビテ
ィCAに対し、上パンチ42と下パンチ43を備え、か
つ下パンチ43の中央位置にリード線供給孔43aを穿
孔したものである。そして、下パンチ43のリード線供
給孔43aを挿通させたリード線Cの先端をキャビティ
CA内へ進出させ、キャビティCA内に粉末Aを充填し
た後、上パンチ42及び下パンチ43をキャビティCA
内に加圧挿入させることで粉末成形体を成形する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のリー
ド線埋設粉末成形体の製造方法において、図7に示した
第1の製造方法では、図7(b)の工程において、粉末
Aの中にリード線Cを挿入する際に、粉末Aの抵抗がリ
ード線Cの長さ方向に作用するために、リード線供給孔
33aの内でリード線Cが撓むことがある。また、図7
(c)の工程において、リード線Cが下降するのに対
し、下パンチ34の上昇時の加圧力がリード線cの長さ
方向に加えられ、リード線Cが更に撓み易い。また、図
7(d)の工程において、リード線Cは移動されずに上
パンチ33のみ上昇させるが、リード線Cの撓み部分と
リード線供給孔33a壁面との間に摩擦が発生し、リー
ド線Cは上パンチ33と共に持ち上げられ、鎖線で示す
ように、第1のリード線挟持部35と第2のリード線挟
持部36の間の空間部分でリード線Cが座屈し、その分
リード線先端部が上方に引き上げられることになって成
形体Vからリード線Cが抜けてしまうという問題があ
る。
【0009】また、図8に示した第2の製造方法では、
リード線CがキャビティCAに進出させた後に粉末Aが
供給されるため、リード線Cに対する粉末Aの抵抗はな
いが、加圧時においては上パンチ42の圧力がリード線
Cの長さ方向に加わり、下パンチ43内のリード線供給
孔43a内でリード線Cの撓みが発生し、以後成形体の
取り出しの際にリード線供給孔43aとの間に摩擦が発
生し、成形体からリード線Cが抜けてしまうという問題
がある。
【0010】更に、第1及び第2の製造方法のいずれ
も、上パンチ33,42をダイ32,31に挿入させて
加圧成形を行うため、ダイ32,41に対する上パンチ
33,42の位置合わせを誤ると、金型の摩耗が進行
し、図9に示すように、成形体Vの周辺部に金型の隙間
に対応したバリDが発生し、品質を著しく劣化させると
いう問題が生じる。なお、図9におけるT,W,Lは成
形体の奥行き、幅、高さの各寸法である。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、リード線における撓み
やリード線が粉末成形体から脱落される等の不具合を未
然に防止することができるリード線埋設粉末成形体の製
造装置を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、リード線における撓みやリード線が粉末成形体から
脱落される等の不具合を未然に防止することができるリ
ード線埋設粉末成形体の製造方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のリード線埋設粉
末成形体の製造装置は、粉末成形体を形成するための粉
末が充填される溝を設けた固定型と、この溝の一面を構
成するように固定型に対して移動可能に設けられたノッ
クアウトベースと、溝の延長方向と垂直な方向に向けて
ノックアウトベースに穿孔され、埋設されるリード線が
挿通されるリード線供給孔と、溝内で溝の延長方向に移
動され、かつそれぞれがノックアウトベースを挟む位置
に配置される一対の移動型と、固定型上で移動され、移
動位置に応じて前記溝、ノックアウトベース、及び移動
型で画成されるキャビティの上側開口部を覆う蓋部とキ
ャビティに粉末を充填する開口部とを一体に有する移動
板とを備えることを特徴とする。
【0013】また、本発明の他のリード線埋設粉末成形
体の製造装置は、上面が平坦でかつこの上面に対して垂
直に向けて埋設されるリード線が挿通されるリード線供
給孔を穿孔した固定型と、この固定型の上面上でリード
線供給孔を囲むように配置され、固定型の上面上で移動
されることでリード線供給孔の周囲にキャビティを画成
する複数個の移動型と、移動型上で移動され、移動位置
に応じて固定型および移動型で画成されるキャビティの
上側開口部を覆う蓋部とキャビティに粉末を充填する開
口部とを一体に有する移動板とを備えることを特徴とす
る。
【0014】また、本発明のリード線埋設粉末成形体の
製造方法は、固定型と移動型とでキャビティを画成し、
このキャビティ内にリード線の先端部を進出させる工程
と、キャビティ内に粉末成形体を構成するための粉末を
充填する工程と、移動型をリード線の長さ方向と垂直な
方向に移動してキャビティを縮小させながら粉末を圧縮
させる工程と、移動型を復動させ、成形された粉末成形
体をキャビティから取り出す工程とを含むことを特徴と
する。
【0015】
【作用】この製造装置及び製造方法では、キャビティ内
にリード線の先端を進出させておき、その後にキャビテ
ィ内に粉末を充填することで、リード線をキャビティ内
に進出させる際に粉末による抵抗を受けることがなく、
リード線の先端部における変形が防止される。また、粉
末の成形時には、リード線の進出方向とは直角な方向か
ら移動型を加圧移動させるため、リード線においては左
右方向または周辺方向からの加圧力が相殺されることに
なり、リード線での曲げが防止される。更に、キャビテ
ィの開口部は移動板で覆うだけでよく、予め固定型に設
置されている移動型を移動させて加圧成形を行うため、
固定型と移動型との間での位置合わせが不要となり、か
つ両者の位置合わせ精度が高められ成形体にバリが発生
することがない。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1及び図2は本発明のリード線埋設粉末成形装
置の要部の正面断面図と平面図である。これらの図にお
いて、1は固定型であり、その上面には横方向に延長さ
れた案内溝1aが形成され、この案内溝1a内の中心位
置には上下方向に穴3が開設されており、この穴3内に
設けた内フランジ3a上にノックアウトベース2が上下
移動可能に内奏されている。ここで、案内溝1aの幅寸
法T、深さ寸法L、ノックアウトベース2の幅寸法Wは
それぞれ図9に示したような矩形をした粉末成形体の各
辺の長さに設定される。前記ノックアウトベース2はそ
の上面が前記案内溝1aの底面と同一面に位置されてお
り、その中心位置には上下方向に貫通されるリード線供
給孔2aを有し、かつその側面には前記リード線供給孔
2aに連通される切断刃挿通孔2bを有している。この
切断刃挿通孔2bには前記リード線供給孔2aに刃先を
臨ませた一対の切断刃4が内挿されており、かつその反
対端部の一方はバネに弾接され、他方の反対端部は前記
切断刃挿通孔2bに臨んで前記固定型1に水平方向に設
けたプランジャ5に当接されている。
【0017】また、前記ノックアウトベース2の下端に
は前記内フランジ3aを挿通されて先端部に鍔6aを有
する円筒状のバネ受6けが上方向に向けて当接されてお
り、この鍔6aと前記内フランジ3aとの間に圧縮コイ
ルバネ7が弾装され、前記バネ受6けを下方に付勢して
いる。また、前記バネ受け6の下端にはノックアウトロ
ッド8が当接されている。更に、このノックアウトロッ
ドの下方位置には、任意の位置に上下動可能な第1のリ
ード線挟持部9が配置されており、前記リード線供給孔
2a、バネ受け6内を挿通されたリード線Cを例えばソ
レノイド等のアクチュエータで挟持し、または開放動作
可能に構成される。また、この第1のリード線挟持部9
の下方位置には、第2のリード線挟持部10が配置され
ており、前記第1のリード線挟持部9によりリード線C
を引き上げたときにスリップする程度でリード線Cを常
に押さえることができるように圧縮コイルバネ10aで
リード線を挟持し得るように構成される。
【0018】前記固定型1の案内溝1aの長さ方向の両
端部には平板11が被せられ、この平板11で覆われた
案内溝1a内の矩形空間内には、一対の移動型12A,
12Bが案内溝1a内を移動可能に内装される。これら
移動型12A,12Bの内側の先端面12aは前記ノッ
クアウトベース2の両側に位置され、これによりノック
アウトベース2の上面と各移動型12A,12Bの先端
面12aとで粉末成形体を成形するためのキャビティC
Aを画成する。前記各移動型12A,12Bはその下面
に設けた段部12bを前記固定型1の穴3の外縁部に対
向され、この外縁部と段部との間に圧縮コイルバネ13
が介挿されることで、各移動型12A,12Bを外側方
向に付勢する。また、各移動型の外側端面にはそれぞれ
加圧ロッド14が当接され、この加圧ロッド14により
内側方向に向けて加圧移動される。
【0019】更に、画成された前記キャビティCAの一
側で前記固定型1の上面上には、この上面に沿って摺動
可能な移動板15が配置されており、前記キャビティ上
を覆う位置まで移動可能に構成されている。この移動板
15には、その一側部には前記キャビティの開口寸法よ
りも大きい開口部15aを有し、他側部には前記キャビ
ティCAを覆う蓋部15bを有している。
【0020】次に、以上の構成のリード線埋設粉末形成
装置を用いたリード線埋設粉末成形方法を説明する。先
ず、図1に示したように、装置の下方からリード線Cが
真上に向けて供給され、リード線Cの先端がバネ受け6
およびノックアウトベース2のリード線供給孔2aを挿
通された状態にあるものとする。この状態から、図3
(a)において、第1のリード線挟持部9がリード線C
を挟持した状態で上昇し、リード線Cの先端をリード線
供給孔2aより成形体に埋設する量に相当する長さだけ
キャビティCAの内部に進入させる。このとき、リード
線Cは第2のリード線挟持部10に対してはスリップさ
れながら移動される。
【0021】次に、図3(b)において、移動板15の
開口部15a内に成形粉末、例えば、Ta等の金属の粉
末Aを入れておき、しかる上で開口部15aがキャビテ
ィCAの上に位置されるまで移動板15を移動させる。
これにより、開口部15a内の成形粉末Aは自重により
キャビティCA内に落下され、キャビティCA内に充填
される。
【0022】次に、図3(c)において、移動板15を
更に移動させて蓋部15bでキャビティCAの上部を覆
い、キャビティを封止させる。その上で、加圧ロッド1
4を駆動して移動型12A,12Bを左右同時に内側方
向に向けて移動し、粉末Aを所望の寸法まで圧縮させ
る。これにより、キャビティCA内では粉末Aが加圧圧
縮されてリード線埋設粉末成形体Vが形成される。ま
た、これと同時にプランジャ5を駆動して切断刃4を移
動させ、切断刃挿通孔2bの位置でリード線Cを切断す
る。
【0023】次に、図3(d)において、移動型12
A,12Bに対する加圧ロッド14の加圧を解除する
と、各移動型12A,12Bは圧縮コイルバネ13の付
勢力によって各々左右の外側方向に後退される。そし
て、ノックアウトロッド8を上動させてノックアウトベ
ース2を固定型1の上面から突出させることで、成形さ
れた粉末成形体VをキャビティCA上に押し上げてノッ
クアウトが行われる。その後、エアー吸着等の公知の手
段により成形体を取り出すことで成形が完成される。な
お、ノックアウトベース2とノックアウトロッド8は圧
縮コイルバネ7の付勢力によって下方に移動される。
【0024】したがって、この製造装置を用いた製造方
法では、先にキャビティCA内にリード線Cの先端を進
出させておき、その後にキャビティCA内に粉末Aを充
填することで、粉末Aによるリード線Cへの抵抗力が生
じることがなく、リード線Cの先端部における変形が生
じることはない。また、粉末を加圧圧縮する成形時に
は、リード線Cの進出方向とは直角な方向から移動型1
2A,12Bを加圧移動させるため、リード線Cにおい
ては左右方向からの加圧力が相殺されることになり、リ
ード線Cに曲げが生じることはない。更に、キャビティ
CAの開口部は固定型1に予め設置されている平板状の
移動板15で覆い、かつその成形時には移動型15を移
動させるだけであるため、移動板15が固定型1に対し
て位置ずれを生じるようなこともなく、両者間での位置
合わせが不要となり、かつ位置合わせ精度が高められて
成形体にバリが発生することもない。
【0025】図4及び図5(a)は本発明の第2実施例
の正面断面図とそのX−X線矢視図であり、この実施例
において、前記第1実施例と等価な部分には同一符号を
付してある。この第2実施例では、固定型1Aにはノッ
クアウトベースは設けてはおらず、固定型1Aの上面が
後述するキャビティCAの底面を構成する構成とされて
いる。また、固定型1AにはキャビティCAに連通され
るリード線供給孔1Aaが貫通される。固定型1Aの上
には上面直角三角形をした4個の移動型20A〜20D
を互いに直角を形成する長辺と短辺を密着させて平板1
1との間に摺動可能に配設し、各移動型20A〜20D
の直角を成す長辺でリード線供給孔1Aaを中心として
キャビティCAを形成している。また、前記移動型20
A〜20Dはそれぞれ下端部に設けた段部20aにおい
て固定型1Aの外縁部との間に配設した圧縮コイルバネ
13により外側方向に付勢され、かつその外側面にはそ
れぞれ加圧ロッド14A〜14Dが当接されている。
【0026】この第2実施例の製造方法は第6図に示す
通りであり、図6(a)のように、リード線Cの先端部
を第1のリード線挟持部9及び第2のリード線挟持部1
0の作用によりキャビティC内に進出させた後、図6
(b)のように、移動板15をキャビティCA上に移動
させ、粉末AをキャビティCA内に充填する。そして、
図6(c)のように、各移動型20A〜20Dの上面直
角三角形の斜面を加圧ロッド14A〜14Dにより加圧
することで、図5(b)のように、各移動型20A〜2
0Dは直角を成す互いの長辺と短辺が摺動しながら中央
部へ移動し、粉末Aを所望の寸法まで圧縮する。これに
より、成形体の縦横寸法を所定の寸法にまで圧縮し、粉
末の加圧成形が実現される。なお、成形後は、加圧ロッ
ド14A〜14Dを後退させると、移動型20A〜20
Dも圧縮コイルバネ13により開放され、図5(a)の
状態に復帰される。その後、図6(d)のように、ま
た、成形された成形体Vは、リード線Cを上動させるこ
とで、リード線Cと一体にキャビティCA内から固定型
1A上に取り出されることになる。
【0027】この第2実施例においても、先にキャビテ
ィCA内にリード線Cの先端を進出させておき、その後
にキャビティCA内に粉末Aを充填することで、リード
線Cの先端部における変形が生じることはない。また、
粉末Aを加圧圧縮する成形時には、リード線Cの進出方
向とは直角な方向から移動型20A〜20Dを加圧移動
させるため、リード線Cにおいては左右前後方向からの
加圧力がそれぞれ相殺されることになり、リード線Cに
曲げが生じることはない。また、この場合、移動型20
A〜20DによりキャビティCAの四方向から圧縮を行
うため、成形される粉末成形体Vは均一に圧縮されるこ
とになり、粉末の圧縮に方向性がなくなり、成形品質が
向上できるという利点もある。
【0028】更に、第2実施例においても、キャビティ
CAの開口部は平板状の移動板15で覆い、かつその成
形時には固定型1Aに予め内装されている4個の移動型
20A〜20Dを移動させるだけであるため、各移動型
が固定型に対して位置ずれを生じるようなこともなく、
成形型における位置合わせが不要となり、成形体にバリ
が発生することもないことは第1実施例と同じである。
【0029】なお、前記各実施例では、矩形をした粉末
成形体を成形する例を示しているが、特に第1実施例で
は左右の移動型の先端面の形状を半円弧状とすること
で、円柱状の粉末成形体を形成することも可能である。
また、前記実施例では切断刃を駆動するプランジャを独
立して設けているが、移動型を移動させる加圧ロッドを
利用して切断刃を駆動するように構成してもよい。更
に、切断刃を独立して駆動させる構成の場合には、粉末
に対する加圧が完了した後にリード線の切断を行うよう
にしてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、粉末が充
填される溝を設けた固定型に、溝と垂直な方向のリード
線供給孔を穿孔したノックアウトベースと、溝内で移動
される一対の移動型を設けているので、固定型、ノック
アウトベース、移動型で画成されるキャビティ内にリー
ド線の先端を進出させ、その後にキャビティ内に粉末を
充填することで、リード線をキャビティ内に進出させる
際に粉末による抵抗を受けることがなく、リード線の先
端部における変形が防止される。また、粉末の成形時に
は、リード線の進出方向とは直角な方向から移動型を加
圧移動させるため、リード線においては左右方向または
周辺方向からの加圧力が相殺されることになり、リード
線での曲げが防止される。更に、予め固定型に設置され
ている移動型を移動させて加圧成形を行うため、固定型
と移動型との間での位置合わせが不要となり、かつ両者
の位置合わせ精度が高められ成形体にバリが発生するこ
とがないという効果を得ることができる。
【0031】また、本発明は、上面が平坦な固定型に垂
直方向にリード線供給孔を穿孔し、かつこの固定型の上
面上にリード線供給孔を囲むように複数個の移動型を移
動可能に設けているので、固定型と移動型で画成される
キャビティ内にリード線の先端を進出させ、その後にキ
ャビティ内に粉末を充填することで、リード線をキャビ
ティ内に進出させる際に粉末による抵抗を受けることが
なく、また、粉末の成形時には、リード線の進出方向と
は直角な方向から移動型を加圧移動させるため、リード
線においては左右方向または周辺方向からの加圧力が相
殺されることになり、これらによりリード線での曲げが
防止される。更に、予め固定型に設置されている移動型
を移動させて加圧成形を行うため、固定型と移動型との
間での位置合わせが不要となり、かつ両者の位置合わせ
精度が高められ成形体にバリが発生することがない。ま
た、複数個の移動型で囲むようにキャビティを構成する
ことで、成形時には粉末を四周囲方向から圧縮でき、粉
末成形体における圧縮の方向性をなくし、成形体の品質
を向上することができる。
【0032】移動型は平面形状が直角三角形に形成され
た4個の移動型で構成し、各移動型の長辺と短辺を接触
させるように平面配置して正方形の空間を画成し、各移
動型をリード線供給孔に対して直線移動可能に構成する
ことで、正方形をした粉末成形体を四方向から圧縮させ
るため、粉末の圧縮の方向性をなくし、高い品質で成形
することができる。
【0033】本発明の製造方法によれば、固定型と移動
型とでキャビティを画成し、このキャビティ内にリード
線の先端部を進出させる工程と、キャビティ内に粉末成
形体を構成するための粉末を充填する工程と、移動型を
リード線の長さ方向と垂直な方向に移動してキャビティ
を縮小させながら粉末を圧縮させる工程と、移動型を復
動させ、成形された粉末成形体をキャビティから取り出
す工程とを含んでいるので、リード線をキャビティ内に
進出させる際に粉末による抵抗を受けることがなく、ま
たリード線においては左右方向または周辺方向からの加
圧力が相殺されることになり、これらによって成形時に
おけるリード線での曲げが防止できるという効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリード線埋設粉末成形体製造装置の第
1実施例の要部の断面図である。
【図2】図1の要部の平面図である。
【図3】本発明のリード線埋設粉末成形体の製造方法を
工程順に示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の製造装置の第2実施例の要部の断面図
である。
【図5】第2実施例の移動型の平面構成図である。
【図6】第2実施例の製造方法を工程順に示す模式的な
断面図である。
【図7】従来の成形体製造装置の一例を工程順に示す模
式的な断面図である。
【図8】従来の製造装置の他の例を示す一部の断面図で
ある。
【図9】形成されたリード線埋設粉末成形体の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 固定型 1a 案内溝 2 ノックアウトベース 4 切断刃 8 ノックアウトロッド 9 第1のリード線挟持部 10 第2のリード線挟持部 11 平板 12A,12B 移動型 14 加圧ロッド 15 移動板

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末成形体を形成するための粉末が充填
    される溝を設けた固定型と、前記溝の一面を構成するよ
    うに前記固定型に対して移動可能に設けられたノックア
    ウトベースと、前記溝の延長方向と垂直な方向に向けて
    前記ノックアウトベースに穿孔され、埋設されるリード
    線が挿通されるリード線供給孔と、前記溝内で溝の延長
    方向に移動され、かつそれぞれが前記ノックアウトベー
    スを挟む位置に配置される一対の移動型と、前記固定型
    上で移動され、移動位置に応じて前記溝、ノックアウト
    ベース、及び移動型で画成されるキャビティの上側開口
    部を覆う蓋部と前記キャビティに粉末を充填する開口部
    とを一体に有する移動板とを備えることを特徴とするリ
    ード線埋設粉末成形体の製造装置。
  2. 【請求項2】 上面が平坦でかつこの上面に対して垂直
    に向けて埋設されるリード線が挿通されるリード線供給
    孔を穿孔した固定型と、この固定型の上面上で前記リー
    ド線供給孔を囲むように配置され、前記固定型の上面上
    で移動されることで前記リード線供給孔の周囲にキャビ
    ティを画成する複数個の移動型と、前記移動型上で移動
    され、移動位置に応じて前記固定型および移動型で画成
    されるキャビティの上側開口部を覆う蓋部と前記キャビ
    ティに粉末を充填する開口部とを一体に有する移動板と
    を備えることを特徴とするリード線埋設粉末成形体の製
    造装置。
  3. 【請求項3】 移動型は平面形状が直角三角形に形成さ
    れ、それぞれの長辺と短辺を接触させるように平面配置
    して正方形の空間を画成し、この空間の中心位置にリー
    ド線供給孔を配置し、かつ各移動型をリード線供給孔に
    対して直線移動可能に構成してなる請求項2のリード線
    埋設粉末成形体の製造装置。
  4. 【請求項4】 リード線供給孔の延長上にリード線を挟
    持し、かつリード線の先端部を前記キャビティ内に進出
    させるリード線挟持部を備える請求項1ないし3のいず
    れかのリード線埋設粉末成形体の製造装置。
  5. 【請求項5】 固定型と移動型とでキャビティを画成
    し、このキャビティ内にリード線の先端部を進出させる
    工程と、前記キャビティ内に粉末成形体を構成するため
    の粉末を充填する工程と、移動型を前記リード線の長さ
    方向と垂直な方向に移動して前記キャビティを縮小させ
    ながら前記粉末を圧縮させる工程と、前記移動型を復動
    させ、成形された粉末成形体をキャビティから取り出す
    工程とを含むことを特徴とするリード線埋設粉末成形体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 粉末を圧縮させると同時或いはその直後
    にリード線を所望位置で切断する工程を含む請求項5の
    リード線埋設粉末成形体の製造方法。
JP24701094A 1994-09-14 1994-09-14 リード線埋設粉末成形体の製造装置と製造方法 Expired - Fee Related JP2677207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24701094A JP2677207B2 (ja) 1994-09-14 1994-09-14 リード線埋設粉末成形体の製造装置と製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24701094A JP2677207B2 (ja) 1994-09-14 1994-09-14 リード線埋設粉末成形体の製造装置と製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0888152A JPH0888152A (ja) 1996-04-02
JP2677207B2 true JP2677207B2 (ja) 1997-11-17

Family

ID=17157054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24701094A Expired - Fee Related JP2677207B2 (ja) 1994-09-14 1994-09-14 リード線埋設粉末成形体の製造装置と製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2677207B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020037840A (ko) * 2000-11-15 2002-05-23 전형구 전해 캐패시터의 단자 접합부 변색 방지 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0888152A (ja) 1996-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7412766B2 (en) Method of fabricating coil-embedded inductor
US6645426B1 (en) Method and device for manufacturing powder molded body
JP2677207B2 (ja) リード線埋設粉末成形体の製造装置と製造方法
JP3558531B2 (ja) 粉末成形装置
JP7103294B2 (ja) ハット形断面部品の製造装置および製造方法
JP2007222879A (ja) 粉末成形用金型及び粉末成形方法
JP5036064B2 (ja) 偏肉形状部品の圧粉体成形方法および圧粉体成形金型装置
JP3003126B2 (ja) 粉末成形方法
JP3888078B2 (ja) コイル部品の製造方法およびその装置
JPH02273488A (ja) 電気部品およびその製造方法
JP3649368B2 (ja) 圧粉体の成形方法
JPH0832922B2 (ja) ボス付き成形体の粉末成形方法およびその装置
JPH03319Y2 (ja)
JPH05283305A (ja) ワイヤー埋設粉末成型装置
JP3467897B2 (ja) インサートモールド方法およびその装置
JP2000263526A (ja) 役物タイルの成形方法及び成形型
US4527318A (en) Process and device for placing electronic components in a case
JPS5838602Y2 (ja) リ−ド線埋め込み式粉末成形機
JP2004167895A (ja) インサート成形装置、インサート成形品の製造方法、およびモータ用コイルボビンの製造方法
JP4523121B2 (ja) 粉末成形体の製造方法
JP3872138B2 (ja) 粉末成形装置
JP3382203B2 (ja) リード加工金型
JP4282143B2 (ja) 粉末成形体の製造方法及びその装置
JPH0538013Y2 (ja)
JP2002307199A (ja) 粉末の圧縮成形方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees