JP2677072B2 - 二次電池の充電回路 - Google Patents

二次電池の充電回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二次電池の充電回路に関
し、特に深い充放電および過剰な充電を排除し、二次電
池のサイクル寿命と信頼性を高めた二次電池の充電回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のリチウム電池やニッケルカドミニ
ウム電池などの二次電池に対する充電と運用内容につい
ては、図4および図5に示す方法がある。図4は充電回
路を示し、図5は二次電池1と電子回路31の使用状態
を示す。
【0003】二次電池は、充放電の繰返し回数、充放電
の大小の程度を示す充放電の深さや充電電流の大きさに
よって寿命が定まり、鉛蓄電池のような大型でメンテナ
ンス可能なものや、充電の都度二次電池を着脱するもの
を除き、用途は一般に限定されている。
【0004】従って、メンテナンス可能なものを除き、
充電回路と、二次電池およびその使用回路は互いに分離
する方法がとられていた。
【0005】また、充電回路は図4に示すように過充電
による二次電池1の影響を緩和するため、充電によって
二次電池1の電圧が規定電圧に達したとき満充電検出回
路21によりこれを検出し、遅延回路22で一定時間遅
延させて二次電池1を十分に充電させた後、インバータ
23の出力でトランジスタ24をオフとして充電を停止
する。つまり、遅延時間により十分に充電させるととも
に過充電を防止している。また、抵抗R1により充電電
流の抑制をしている。尚、図4において、抵抗R21,
R22は電圧設定用である。
【0006】一方、電子機器の電源障害に対応したバッ
クアップ用として用いるときは、図6に示す如く大容量
のコンデンサ33を電源回路2,ダイオードD1〜D3
とともに用いる方法が一般にとられている。
【0007】この方法は、図3(b)のコンデンサ放電
特性で表わされるように、コンデンサ33の放電による
端子間の電圧低下が著しく、一般に負荷電流の小さいメ
モリ回路32等に用いられ、かつ短時間のバックアップ
用である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この従来の二次電池の
充電回路では、過充電に対する保護が不十分であり、従
って二次電池の寿命をさらに延し、その信頼性を高める
には充放電電流の極小化らなびに深い充放電の抑止が必
要である。
【0009】この為、過充電抑止とともに、二次電池の
充電開始電圧の最適化を図るための二次電池の電圧測定
を行ない、その電圧の設定を負荷の電子回路側の電圧に
近づけることによって充電回数の逓減を図り、また二次
電池の充電電流を抑制するため定電流回路を設けること
が必要となる。さらに、二次電池の障害を検出する機能
も必要となる。
【0010】さらに、電源回路のバックアップ用として
二次電池を用いる場合は、従来のコンデンサの使用にお
ける電圧効果に対処できるように上述した諸施策を施し
た二次電池とその充電回路が必要となるといったさまざ
まな問題点がある。
【0011】本発明の目的は上述した欠点を除去し、二
次電池に対する深い充放電と過充電を抑止し、また二次
電池の障害検出を可能とするとともに、コンデンサによ
る電圧効果の問題を大幅に改善したバックアップ用二次
電池を運用しうる二次電池の充電回路を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の二次電池の充電
回路は、二次電池の充電開始電圧を検出し、所定の定電
流による充電を施す充電手段と、前記充電手段によって
昇圧した二次電池の端子電圧が所定の満充電レベルに達
した場合にこれを検出し、過充電抑圧のために設定した
所定の時間経過後に前記充電手段による充電を停止させ
る充電停止手段と、前記充電手段による充電開始後、所
定の時間経過するも二次電池の端子電圧が前記所定の満
充電レベルに達しない場合に二次電池の異常と判定して
充電を停止させる異常判定手段と、二次電池が所定の定
電圧まで低下したときにこれを検出し、前記充電手段に
よって即時充電を行なうとともに、前記異常判定手段に
よる二次電池の異常判定ならびに充電の停止を併せ実行
する電圧低下監視手段とを備えて構成される。
【0013】また本発明の二次電池の充電回路は、負荷
の電子回路ならびに前記充電回路に共通な電源回路を設
け、前記充電回路と前記二次電池を前記電源回路と前記
負荷の電子回路間に前記電源回路の出力と並行に接続
し、供給電源を含む前記電源回路に障害を有するときに
は前記電子回路に前記二次電池をバックアップ用電源と
して電源を供給するものとして運用する構成を有する。
【0014】さらに、本発明の二次電池の充電回路は、
前記充電回路と前記電源回路を含む電源側と、前記二次
電池と前記電子回路を含む負荷側とに着脱自由に分離構
成して運用する構成を有する。
【0015】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0016】図1は、本発明の第一の実施例の回路図で
ある。
【0017】図1に示す実施例は、二次電池を負荷に対
するバックアップ用電源として運用する場合の充電回路
を例とし、二次電池1と、電源回路2と、負荷とする電
子回路3と、本発明に直接かかわる充電回路4のほか、
電源回路2と電子回路3とを結合し電源供給路を形成す
るダイオードD1,D2を備えてなる。
【0018】充電回路4は、二次電池1の満充電状態を
検出する満充電検出回路5,二次電池1の充電開始電圧
を検出する充電開始電圧検出回路6,二次電池1の電圧
低下状態を検出する電圧低下検出回路7,過充電を抑止
する時間制限を付与するための#1遅延回路8,二次電
池1の障害時の充電時間抑制のための時間設定を行なう
#2遅延回路11,電源回路2とともに二次電池に対す
る定電流源を形成するドライブ用増幅器18およびトラ
ンジスタ19,#1遅延回路8の動作設定用のRSフリ
ップフロップ10,ORゲート15,NORゲート1
4,#2遅延回路11の動作を制御するRSフリップフ
ロップ12,RSフリップフロップ10,12を制御す
るANDゲート13,ドライブ用増幅器18のゲート制
御入力回路としてのインバータ17およびORゲート1
6のほか、電圧設定用の抵抗R1〜R7を備えて成る。
【0019】これら各構成部品中、充電開始電圧検出回
路6と、ANDゲート13,NORゲート14,#1遅
延回路8,ORゲート16,インバータ17,ドライブ
用増幅器18,トランジスタ19,抵抗R5,R6,R
7および電源回路2が充電手段を構成する。
【0020】また、満充電検出回路5,RSフリップフ
ロップ10,ORゲート15,#1遅延回路8,ORゲ
ート16,インバータ17が充電停止手段を構成する。
【0021】また、電圧低下検出回路7,ANDゲート
13,ORゲート15,NORゲート14,#1遅延回
路8,ORゲート16,インバータ17,ドライブ用増
幅器18およびトランジスタ19が電圧低下監視手段を
構成する。
【0022】また、電圧低下検出回路7,ANDゲート
13,RSフリップフロップ10,12,#2遅延回路
11,ORゲート16,インバータ17,ドライブ用増
幅器18およびトランジスタ19が異常判定手段を構成
する。
【0023】次に、図1の第1の実施例の動作について
説明する。図1に示す第1の実施例は、前述した如く、
二次電池をバックアップ用電源として用いた場合の充電
回路を例としている。また、図3(a),(b)はそれ
ぞれ、二次電池の充電特性(a)および放電特性(b)
の一例を示し、図3中の点A,B,Cは二次電池1の電
圧値の検出点である。なお、図3(b)にはコンデンサ
の放電特性を併記して示している。
【0024】リチウムやニッケルカドミウム電池のよう
な二次電池は、電気エネルギーを化学エネルギーに変換
し貯蔵する方法で、充放電の際に電解質から発生するガ
スや熱が発生し、そのはたらきによって充放電を繰り返
すうちに充放電容量が低下し二次電池の寿命となる。
【0025】つまり、急激な充放電や、過充電や、過放
電での放置は二次電池の寿命を縮める原因となる。
【0026】このため、二次電池1はできるだけ小さな
充電電流が充電し、かつ二次電池1の電圧が低下する前
に充電するように制御されることが望ましい。
【0027】図1の充電回路4は、二次電池1の電圧が
図3(b)に示す点B以下の電圧であることを検出する
こと、つまり二次電池1が電源を供給する電子回路3の
稼働に十分な電圧の下限範囲としての設定値4.3Vを
示す点Bを充電開始電圧検出回路6で検出する。ここで
4.3Vは、(4.8V−10%×4.8V)による概
似値として示される値である。
【0028】次に、RSフリップフロップ10をリセッ
トするとともに、#1遅延回路8をリセットして、OR
ゲート16,イバータ17を介して充電用ゲート機能と
して存在するトランジスタ19のドライブ用増幅器18
のゲート(G)をオンとしてドライブ用増幅器18の出
力を可動状態にする。
【0029】ドライブ用増幅器18の出力によりトラン
ジスタ19をオンとし、電源回路2の出力する充電電流
を抵抗R5を介しトランジスタ19経由で二次電池1に
供給して充電を行う。この充電電流は、抵抗R5の出力
をドライブ用増幅器18の負帰還入力とし、ドライブ用
増幅器18の出力でトランジスタ19のベース電流を制
御することにより、トランジスタ19に流れるコレクタ
電流、すなわち二次電池1の充電電流を定電流に制御す
る。
【0030】この定電流制御により、充電開始時におい
て電源回路2の出力電圧と二次電池1の電位差で生じる
充電電流の突入電流を抑制でき、緩やかな充電が行わ
れ、二次電池1に与へるストレスの大幅な軽減が図れ
る。
【0031】充電により二次電池1の電圧が昇圧し、満
充電検出回路5によってその電圧が図3(a)に示す点
Aの4.5Vに達すると二次電池1が充電され、二次電
池1の容量を満しつつあることを点Aの電圧の検出によ
り判断する。
【0032】この検出でRSフリップフロップ10がセ
ットされ、ORゲート15を介して#1遅延回路86の
遅延動作を開始する。この遅延動作による遅延時間によ
り、二次電池1が十分に充電されて容量を満すととも
に、一方で二次電池1が過放電になることを防いでい
る。
【0033】#1遅延回路8の設定遅延時間に達する
と、#1遅延回路8はORゲート16およびインバータ
17を介してドライブ用増幅器18のゲートをオフと制
御し、ドライブ用増幅器18の出力をオフとする。ドラ
イブ用増幅器18の出力オフにより、ゲート機能のトラ
ンジスタ19はオフとなり、二次電池1の充電は停止さ
れ充電が完了する。
【0034】さて、充電開始電圧検出回路6で、図3
(b)の点Bの電圧を検出し、#1遅延回路8をリセッ
トし、二次電池1の充電を開始するに際して、さらにR
Sフリップフロップ12をセットした後#2遅延回路1
1を動作させ、この遅延時間内に二次電池1の障害など
で二次電池1の電圧が図3(a)の点Aに昇圧しない場
合は二次電池1の異常と判断し、ドライブ用増幅器18
のゲートを閉じることによりトランジスタ19をオフと
して充電を停止し、図示しない警報を出力する。
【0035】また同様に、二次電池1の障害の監視機能
として、電圧低下検出回路7により二次電池1の電圧の
低下を検出している。
【0036】電圧低下検出回路7の検出によって、即時
充電を開始するとともに、一方では時間内に昇圧しない
場合は前述と同様に二次電池1が障害であると判断し、
ゲート機能のトランジスタ19をオフに制御し、二次電
池1の充電を停止する。
【0037】このようにして、二次電池1の運用状態を
改善しサイクル寿命と信頼性を高めることができる。
【0038】なお、図1においては、電源回路2の出力
に並列に二次電池1とその充電回路4を設置し、負荷側
の電子回路3へ電源を供給することによって、電源回路
2を含めた電源障害に対応し、バックアップ用電源とし
て二次電池1を用いることができる。
【0039】図2は、本発明の第2の実施例を示すブロ
ック図である。
【0040】図2は、電源回路2と充電回路4とを含む
電源側35と、二次電池1と負荷とする電子回路3とを
含む負荷側36を備え、電源側35と負荷側36はプラ
グ,レセプタクルにより互いに分離可能な構成とし、か
つ負荷側36は携帯用電子機器としての構成を有する。
図2(a)は電源側35の負荷側36が一体化した状
態,また図2(b)は電源側35と負荷側36を分離し
た状態を示す。このような構成とすることにより、電源
側35と負荷側36の接続時は、電子回路3は必要とす
る電源を電源回路2から受け、二次電池1は充電回路4
により充電される。
【0041】また、負荷側36を携帯用電子機器として
用いるときには、図2(b)の如く電子回路3は二次電
池1から電源を受けて動作する。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、二次電池
の過充電や過放電を防止する方法を高じ、充電電流を定
電流制御することによって二次電池の寿命と信頼性を著
しく高めることができる効果を有する。
【0043】また本発明の充電回路を有した二次電池を
電子機器に内蔵することによって、主供給電源の障害時
のバックアップ用として長時間の使用に耐えうることが
出来、電子機器の信頼性を高める効果を有する。
【0044】さらに、携帯用電子機器用として、電子機
器の携帯時には、本発明の充電回路を備えた電源回路を
切り離して二次電池を電源として使用し、電子機器と電
源回路の接続時にあっては電子機器が電源回路から電源
の供給を受けて使用することができるとともに、これと
並行して二次電池に本発明の充電回路によって充電を施
すことができ、使用者をして二次電池の充電作業から開
放することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図2】本発明の第二の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図3】図1の二次電池1の充放電特性の一例を示す図
である。
【図4】従来の充電回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】従来の電子回路の第一の電源例を示す図であ
る。
【図6】従来の電子回路の第二の電源例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 二次電池 2 電源回路 3 電子回路 4 充電回路 5 満充電検出回路 6 充電開始電圧検出回路 7 電圧低下検出回路 8 #1遅延回路 9 #2遅延回路 10,12 RSフリップフロップ 13 ANDゲート 14 NORゲート 15,16 ORゲート 17 インバータ 18 ドライブ用増幅器 19 トランジスタ 21 満充電検出回路 22 遅延回路 23 インバータ 24 トランジスタ 31 電子回路 32 メモリ回路 35 電子側 36 負荷側
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−91627(JP,A) 特開 平3−145933(JP,A) 特開 昭54−91733(JP,A) 特開 昭61−218326(JP,A) 実開 平2−114349(JP,U) 実開 昭54−169725(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次電池の充電開始電圧を検出し、所定
    の定電流による充電を施す充電手段と、前記充電手段に
    よって昇圧した二次電池の端子電圧が所定の満充電レベ
    ルに達した場合にこれを検出し、過充電抑圧のために設
    定した所定の時間経過後に前記充電手段による充電を停
    止させる充電停止手段と、前記充電手段による充電開始
    後、所定の時間経過するも二次電池の端子電圧が前記所
    定の満充電レベルに達しない場合に二次電池の異常と判
    定して充電を停止させる異常判定手段と、二次電池が所
    定の定電圧まで低下したときにこれを検出し、前記充電
    手段によって即時充電を行なうとともに、前記異常判定
    手段による二次電池の異常判定ならびに充電の停止を併
    せ実行する電圧低下監視手段とを備えて成ることを特徴
    とする二次電池の充電回路。
  2. 【請求項2】 負荷の電子回路ならびに前記充電回路に
    共通な電源回路を設け、前記充電回路と前記二次電池を
    前記電源回路と前記負荷の電子回路間に前記電源回路の
    出力と並行に接続し、供給電源を含む前記電源回路に障
    害を有するときには前記電子回路に前記二次電池をバッ
    クアップ用電源として電源を供給するものとして運用す
    ることを特徴とする請求項1記載の二次電池の充電回
    路。
  3. 【請求項3】 前記充電回路と前記電源回路を含む電源
    側と、前記二次電池と前記電子回路を含む負荷側とに着
    脱自由に分離構成して運用することを特徴とする請求項
    1記載の二次電池の充電回路。
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