JP2676896B2 - ロータの製造方法 - Google Patents

ロータの製造方法

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JP2676896B2
JP2676896B2 JP7319389A JP7319389A JP2676896B2 JP 2676896 B2 JP2676896 B2 JP 2676896B2 JP 7319389 A JP7319389 A JP 7319389A JP 7319389 A JP7319389 A JP 7319389A JP 2676896 B2 JP2676896 B2 JP 2676896B2
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敏邦 草野
俊郎 川上
真 岡林
正己 石井
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Aisin Seiki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、ロータの製造方法に関するもので、例え
ば、自動車用ターボチヤージヤのコンプレツサロータの
製造方法として用いられる。
(従来の技術) 従来、自動車用ターボチヤージヤのコンプレツサロー
タの製造方法としては、このロータブレードが三次元的
な湾曲を呈しているといつた複雑な形状のため、石コウ
型や砂型を用いて鋳造されていた。
しかし、この製造方法は複雑であるため、工数がかか
るといつた不具合があつた。そこで、特公昭62−26852
号公報に開示された従来技術が提案された。
この従来技術は、ロータブレードが湾曲せず直立した
状態の簡易に鋳造可能な形状でコンプレツサロータを鋳
造する。この後に、直立状態のロータブレードをプレス
することにより、所望の形状に引張り曲げ加工して修正
する。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記従来技術の製造方法では、ロータブレー
ドの修正プレス型の形状により、修正しようとするロー
タブレードの両隣のロータブレードが修正プレス型と干
渉することがある。従つて、ロータシユラウドに多数枚
のロータブレードを形成することができず、ロータブレ
ードの枚数が制限される。よつて、所望の性能を有する
コンプレツサロータの製造が困難になる場合がみられ
た。
そこで本発明では、所望の性能を有するコンプレツサ
ロータを容易に製造する製造方法の発明をその技術的課
題とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上述した技術的課題を解決するために講じた本発明の
第1の技術的手段は、シユラウドは位置決め用スリツト
を有し、ブレードの突起部を位置決め用スリツトに挿入
して前記ブレードと接合したことである。
更に、上述した技術的課題を解決するために講じた本
発明の第2の技術的手段は、前述した第1の技術的手段
に加えて、ブレードはロウ材を両面にクラツドされたブ
レージングシートからプレス成形され、ロウ材を溶融せ
しめてシユラウドに接合したことである。
更に、上述した技術的課題を解決するために講じた本
発明の第3の技術的手段は、前述した第1の技術的手段
に加えて、ブレードはプレス成形され、シユラウドと前
記ブレードとの接合部に配置されたロウ材を溶融せしめ
てシユラウドに接合したことである。
(作用) 前述した本発明の第1、第2及び、第3及び第4の技
術的手段によれば、所望の性能を有するコンプレツサロ
ータを容易に製造することが可能となつた。
(実施例) 以下、本発明の技術的手段を具体化した好適な実施例
について、添付図面に基づき説明する。
第1図は、本発明第1実施例のロータの製造方法を適
用した、自動車用ターボチヤージヤのコンプレツサロー
タ10の斜視図を示す。第2図は、第1図におけるシユラ
ウド11の断面図を示す。第3図は、第1図におけるブレ
ード12の断面図を示す。
シユラウド11は冷鍛加工により製造され、その斜面11
a上には、ブレード12挿入位置決め用のスリツト11bが、
ブレード12の枚数分の複数個形成されている。勿論、シ
ユラウド11は冷鍛加工のほか、切削加工などによつて製
造されてもよい。
一方、ブレード12は、アルミロウ材を両面にクラツド
されたアルミブレージングシート材からプレス成形さ
れ、シユラウド11への挿入用突起部12aが形成されてい
る。
従つて、ブレード12の突起部12aをシユラウド11のス
リツト11bに挿入する。この後、全体を加熱することに
より、ブレード12にクラツドされたアルミロウ材を溶解
せしめて、ブレード12をシユラウド11にアルミロウ付け
し、コンプレツサロータ10が製造される。
ここで、上記方法による具体的な実験例を詳述する。
アルミ合金A7N01を冷鍛加工して成るシユラウド11の
スリツト11bに、A4047−A7N01−A4047の三層から成るア
ルミブレージングシートによつてプレス成形されたブレ
ード12の突起部12aを挿入する。この後、塩化物フラツ
クスをシユラウド11とブレード12との接合部に塗布し、
200℃で塩化物フラツクスを乾燥させる。引き続き、580
〜590℃まで加熱して、ブレード12のロウ材(A4047)を
溶融させてシユラウド11とブレード12とを接合する。そ
の後、450℃に加熱し、水冷の溶体化処理をし、引き続
き120℃で24時間の時効熱処理を行ない、コンプレツサ
ロータ10を得た。このコンプレツサロータ10を、25万rp
mで高速回転させてオーバースピン試験を行なつたとこ
ろ、シユラウド11とブレード12との接合部が破損するこ
となく、実用上十分なものであつた。
第4図は、本発明第2実施例のコンプレツサロータ20
のシユラウド11とブレード13及びロウ材14の配置状態を
示す。
第2実施例では、ブレード13についてのみ第1実施例
と相違し、シユラウド11については第1実施例と同一で
あるため、第1実施例と同一の番号符号を付すことによ
つて説明を省略する。
ブレード13は、アルミ材からプレス成形され、シユラ
ウド11への挿入用突起部13aが形成されている。
従つて、ブレード13の突起部13aをシユラウド11のス
リツト11bに挿入する。この後、アルミロウ材14をシユ
ラウド11とブレード13との接合部に位置し、全体を加熱
することによりアルミロウ材を溶融せしめて、ブレード
13をシユラウド11にアルミロウ付けし、コンプレツサロ
ータ20が製造される。
ここで、上記方法による具体的な実験例を詳述する。
アルミ合金A7N01を冷鍛加工して成るシユラウド11の
スリツト11bに、A7N01から成るアルミ材によつてプレス
成形されたブレード13の突起部13aを挿入する。この
後、A4047のアルミロウ材を第4図に示す様に配置し、
塩化物フラツクスをシユラウド11とブレード12との接合
部に塗布し、200℃で塩化物フラツクスを乾燥させる。
引き続き、580〜590℃まで加熱して、ブレード12のロウ
材(A4047)を溶融させてシユラウド11とブレード12と
を接合する。その後、450℃に加熱し、水冷の溶体化処
理をし、引き続き120℃で24時間の時効熱処理を行な
い、コンプレツサロータ10を得た。このコンプレツサロ
ータ10を、25万rpmで高速回転させてオーバースピン試
験を行なつたところ、シユラウド11とブレード12との接
合部が破損することなく、実用上十分なものであつた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、従来の様な石コウ型や砂型を用いて
鋳造する方法に比べ、製造工程が簡素化され、生産性が
向上するなかりでなく、コストが大幅に低減され大量生
産に適した製造方法となる。
また、特公昭62−26852号公報に開示された従来技術
のようなブレードを後からプレスで修正する方法に比
べ、ブレードを単体でプレス成形するため、多数枚のブ
レードを配設することができ、また、ブレードをいかな
る形状にも形成できる。
更には、シユラウドに位置決め用スリツトを設け、こ
のスリツト内にブレードの突起部を挿入することによ
り、正確な位置にブレードを配設することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明第1実施例のロータの製造方法を適用
した、自動車用ターボチヤージヤのコンプレツサロータ
の斜視図を示す。第2図は、第1図におけるシユラウド
の断面図を示す。第3図は、第1図におけるブレードの
断面図を示す。第4図は、本発明第2実施例のコンプレ
ツサロータのシユラウドとブレード及びロウ材の配置状
態を示す。 10,20……コンプレツサロータ、 11……シユラウド、 11b……位置決め用スリツト、 12,13……ブレード、 12a,13a……突起部、 14……ロウ材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−42480(JP,A) 特開 昭61−42478(JP,A) 特公 昭62−26852(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータをシユラウドとブレードとに分割し
    て夫々形成し、該シユラウドと該ブレードとをロウ付け
    によつて一体的に該ロータを形成するロータの製造方法
    において、前記シユラウドは位置決め用スリツトを有
    し、前記ブレードの突起部を該位置決め用スリツトに挿
    入して前記ブレードと接合するロータの製造方法。
  2. 【請求項2】前記ブレードは、ロウ材を両面にクラツド
    されたブレージングシートからプレス成形され、該ロウ
    材を溶融せしめて前記シユラウドに接合することを特徴
    とする、請求項(1)記載のロータの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ブレードはプレス成形され、前記シユ
    ラウドと前記ブレードとの接合部に配置されたロウ材を
    溶融せしめて前記シユラウドに接合することを特徴とす
    る、請求項(1)記載のロータの製造方法。
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