JP2676859B2 - 複合材とその製造方法 - Google Patents

複合材とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吸音特性、断熱特性の優れた複合材に関す
るものであり、更に詳細には自動車、建築物等の内装
材、構造物の表面材等に適する複合材とその製造方法に
関するものである。
〔従来の技術〕
近年の自動車工業の技術の発展及び競争の激化は、そ
の内装材に対しても、商品性能の向上、高級感化、製
造、加工工程の合理化、又、取付、組立て工程の合理化
等に絶え間ない改善の要求をなすに至っている。
即ち、自動車等の内装材、特にヘッドライニングにお
いて、従来極めて多く用いられていたPVCレザーの所謂
ワイヤ釣天井は原料費が安いが、PVCレザー独特のベタ
ツキや吸音特性、断熱特性に劣ること並びに取付け、組
立て工程に手数がかかること等、欠陥が多く、軽くて風
合、美観に優れ、吸音特性、断熱特性の優秀なヘッドラ
イニングの出現が期待されるに至っている。
一方、反毛品に樹脂を含浸させた所謂レジンフェルト
やダンボール紙を基材とし、その上面に起毛ニットや不
織布等を張り合わせたヘッドライニングも公知である
が、これらは製造、加工工程の工数が多いこと、前者に
おいては充分な軽量化が行えないこと、後者においては
成形性、賦形性、降雨時等の湿潤時の形態保持性に難点
がある等問題があり、コスト競合力のある一体成形自動
車内装材を与えるには至っていない。
また、建築物の内装材、構造物の表面材等は、その製
造にシート成形工程と繊維層等の支持部材の成形工程と
の二工程を要し、更に表面模様等のエンボス加工の熱圧
縮成形工程が別工程となり、加工に時間と経費がかかる
という欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はこれらの問題点を解消するものであり、製
造、加工工程が合理化され、又、取付け、組立て工程が
合理化されたコスト競争力に優れ、かつ皮革外観ととも
に繊維調をも保持した、風合、美観に優れ、吸音特性、
断熱特性の優秀な複合材、特に自動車等の内装材、ヘッ
ドライニング(天井材)、建築物の内装材、構造物の表
面材に適する複合材とその製造方法を提供するものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記課題を解決するために、合成長繊維ウェ
ブ層と、複合繊維ウェブ層又は複合短繊維と合成短繊維
とからなる混紡ウエブ層とを交絡一体化した表面部材
と、不織ウェブに合成樹脂初期縮合物を含浸又は散布し
乾燥させた補強部材とを一体成型して構成した複合材、
及び合成長繊維ウエブ層と、複合繊維ウェブ層又は複合
短繊維と合成短繊維とからなる混紡ウェブ層とを交絡一
体化した表面部材と、不織ウェブに合成樹脂初期縮合物
を含浸又は散布乾燥させた補強部材とを接着材層を介し
て一体成形して構成した複合材、及び合成長繊維ウェブ
層の上面に、複合繊維ウェブ層又は複合短繊維と合成短
繊維とからなる混紡ウエブ層を積層し、ニードルパンチ
ング又はウォータージェット交絡法により交絡し一体化
した不織布層からなる表面部材を形成し、ついで該表面
部材の下面に、不織ウェブに合成樹脂初期縮合物を含浸
又は散布乾燥させた補強部材を、接着材層を介して又は
介さずに積層して加熱圧縮成形したことを特徴とする複
合材の製造方法に構成するものである。
ここでウォータージェット交絡法とは、例えばNonwov
ens world No.2.p.62〜68(March 1988)にも紹介さ
れている第1図に示すように、高圧水噴出装置(11)か
ら高圧細噴出流を不織ウェブ(W)に噴射し、ウェブ構
成繊維を交絡させ、吸引ボックス(12)より噴出水流を
吸引し、ついで乾燥機(13)でウェブを乾燥し、巻取機
で巻きとる方法である。
本発明において、好適には、第2図に示すように、長
繊維からなる合成繊維であって、好ましくは100g/m2
2,000g/m2の合成長繊維ウェブ層(1)の上面に、該合
成繊維構成成分ポリマーより30℃以上低い融点を有する
ポリマーと、該合成樹脂構成成分ポリマーより30℃以上
高い融点を有するポリマーよりなる複合繊維ウェブ層
(2)あるいは複合短繊維とその構成成分の低融点成分
より30℃以上高い融点を有する合成短繊維との100/0〜2
0/80の混紡率を有する混紡ウェブ層(3)のいずれか
の、好ましくは40g/m2〜200g/m2のウェブ層を積層し、
第3図に示すように、合成長繊維ウエブ層(1)と、複
合繊維ウェブ層(2)又は混紡ウェブ層(3)とをニー
ドルパンチング又はウォータージェット交絡法により交
絡し一体化された不織布層(4)の下面に、第4図に示
すように、好ましくは150g/m2〜1000g/m2の不織ウェブ
にフェノールフォルマリン樹脂、尿素フォルマリン樹
脂、メラミンフォルマリン樹脂あるいはエポキシ樹脂等
の初期縮合物を樹脂含有率で20〜100%含浸又は散布付
与させて乾燥させた、所謂プレプレグ品(5)を積層し
た構造体、あるいは不織布層(4)とプレプレグ品
(5)間の接着を強固にするために、第5図に示すよう
に不織布層(4)の中の合成長繊維ウェブ層(1)の合
成繊維構成成分ポリマーより50℃以上低い融点を有する
ホットメルト接着材フィルム(6)を介在積層させる
か、または第6図に示すように、前記不織布層(4)中
の合成長繊維ウェブ層(1)の下面に、該合成樹脂構成
成分ポリマーより50℃以上低い融点を有するポリマー
と、この低融点繊維より50℃以上高い融点を有するポリ
マーよりなる複合繊維ウェブ層(7)、あるいは第7図
に示すように、不織布層(4)の該合成繊維より50℃以
上低い融点を有する合成繊維よりなるウェブ層(8)を
積層し、第8図に示すように、前記不織布層(4)とと
もにニードルパンチにより一体化した不織布層(9)の
下面に、フェノールフォルマリン樹脂、尿素フォルマリ
ン樹脂、メラミンフォルマリン樹脂或はエポキシ樹脂等
の初期縮合物を樹脂含有率で20〜100%含浸又は散布付
与させて乾燥させた、所謂プレブレグ品(5)を積層し
た構造体は、きわめて圧縮成形性がよく、所謂深絞りに
も対応可能であり、また熱圧縮成形を行うことによりこ
れら不織ウェブに、フェノールフォルマリン樹脂、尿素
フォルマリン樹脂、メラミンフォルマリン樹脂あるいは
エポキシ樹脂等の初期縮合物を含浸又は散布付与させて
乾燥させた、所謂プレプレグ品が硬化するため、充分な
硬度、剛性と形態保持性が確保される。
更に合成長繊維ウェブ層(1)の上面に、複合繊維ウ
ェブ層(2)あるいは複合短繊維と該複合短繊維の低融
点成分より30℃以上高い融点を有する合成短繊維との10
0/0〜20/80の混紡率を有する混紡ウェブ層(3)を積層
配置せしめ、ニードルパンチング又はウォータージェッ
ト交絡法により一体化した不織布層(4)を構成させる
が、この表層の複合繊維ウェブ層(2)又は混紡ウェブ
層(3)は、熱圧縮成型により、複合短繊維の低融点成
分が軟化流動し構成組織の接着緻密化が行われ、繊維調
を保持しながらも強靭な皮革のスキン層に相当する被膜
を形成し、複合繊維を形成する素材ポリマーの選定と、
圧縮成形金型の表面形状の選定により任意の風合、性状
及び形状の天然皮革様の複合材に仕上げることが出来
る。
即ち、より具体的に説明すると、複合繊維ウェブ層
(2)、混紡ウェブ層(3)の構成素材並びに熱圧縮成
形条件を選定すること、又、熱圧縮成形用金型のエンボ
ス模様を選定する事により、複合材の表面状態、風合を
より繊維調にも天然皮革調にも調整でき、また複合繊維
ウェブ層(2)、混紡ウェブ層(3)の構成繊維の色調
を選定することにより、容易に複合材に要求される、色
調に対応することができ、例えば自動車工業、住宅産業
等において要求される、Just in timeの即応体制への適
合性も高い内装材等の複合材を高効率、高生産性で生産
することが出来るのである。
そして本発明の方法によれば、従来の一体成形内装材
の製造、加工工程と異なり、従来法のように形態保持用
ベース基材を先ず成形してから、その上に表皮材を貼り
付けるような方法を取らず、1ショットで圧縮成形を行
うため、加工工程が少なくコスト競合力に優れるのは勿
論のこと、加工工数が少ないため、納期、在庫滞留時間
等においても理想的状況を約束する。
本発明の組織構成体は、緻密な圧縮状態にある皮革の
スキン層に該当する複合繊維ウェブ層(2)又は混紡ウ
ェブ層(3)を最上層とし、ついで圧密された合成長繊
維ウェブ層(1)、最下層に合成繊維よりなる不織ウェ
ブに、フェノールフォルマリン樹脂、尿素フォルマリン
樹脂、メラミンンフォルマリン樹脂或はエポキシ樹脂の
初期縮合物を含浸させて乾燥させた、所謂プレプレグ品
(5)の硬化層よりも構成されるので、曲げ剛性、引張
り強力等、力学性能に優れ、背後空気層を適切に選定し
続ければ、きわめて優秀な吸音特性と断熱特性を有す
る。
本発明の合成長繊維ウェブ層(1)は、所謂スパンボ
ンド法により製造供給することがより好ましいが、他の
長繊維不織布製造法によることも何等差し支えない。
そしてその構成繊維は、汎用のポリエステル(ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等)及びそのコーポリマー、ポリアマイド(ナイロン66
等)及びそのコーポリマー、ポリプロピレン等が好適で
あるが、汎用合成繊維であればいずれでもよい。
次いで複合繊維ウエブ層(2)、混紡ウェブ層(3)
を構成する複合繊維は、例えば短繊維不織布のサーマル
ボンドプロセス用として市販される複合繊維でもよく、
例えばシースコアータイプ(鞘/芯型)ポリエチレン/
ポリプロピレン、ナイロン6/ナイロン66、ポリブチレン
テレフタレート/ポリエチレンテレフタレート等でもよ
いが、上記例で芯部がナイロン6のとき、鞘部は各種コ
ーポリアマイドの複合繊維が、又、芯部がポリエチレン
テレフタレートのとき、鞘部が各種コーポリエステルの
複合繊維が適用されるのは当然のことである。
又サイドバイサイドタイプの複合繊維も使用可能であ
ることは当然である。
そして複合繊維ウエブ層(2)は所謂スパンボンド法
により製造することも可能である。
複合繊維の素材選定は、製品の外観、風合及び熱圧縮
条件に基づいて行われる。
即ち、ソフトな風合を望むときはナイロン系が望まし
く、熱圧縮成形の条件が厳しいときは、ポリエステル
系、あるいはナイロン系の複合繊維で鞘部のコーポリマ
ーも比較的融点の高いものを選定すればよい。
混紡ウェブ層(3)における複合繊維と該複合繊維よ
り30℃以上融点の高い合成繊維との混紡比率の選定は製
品の表皮層に要求する、風合、繊密性等より選定すれば
よい。
ついで熱圧縮成形における圧密の程度の設定は、得ら
れる複合材が所定の形状に成形され最高の吸音特性、断
熱特性、剛性を発揮しうるように、熱圧縮成形の温度、
圧力、圧縮時間等の諸条件を選定して決定すればよい
が、成形品の見掛け密度設定の支配的要因は熱圧縮成形
金型のスペーサ設定にある。
一般に不織布層(4)の見掛け密度は0.2〜0.6g/cm3
の範囲が好ましく、実施条件に応じて実験結果より選定
される。
なお、ニードルパンチング又はウォータージェット交
絡法により一体化される合成長繊維ウェブ層(1)と複
合繊維ウェブ層(2)又は混紡ウェブ層(3)よりなる
不織布層(4)の下面に積層する所謂プレプレグ品
(5)に代えて、反毛フェルトにフェノールフォルマリ
ン樹脂、尿素フォルマリン樹脂、メラミン樹脂又はエポ
キシ樹脂の初期縮合物を樹脂含有率で20〜100%噴霧散
布させ付加したもの又は含浸させて乾燥させた、所謂レ
ジンフェルトを用いてもよい。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
〔実施例 1〕 鞘成分(sheath)がTPA/IPA=55/45よりなり130℃の
融点を有するコーポリエステル25%と、PETよりなる芯
成分(core)75%にて構成される、淡グレーにpigment
で原着された偏芯sheath−core typeのカット長45mm,3d
enierの捲縮発現性複合繊維25部と、同じくカット長45m
m,3denierの淡グレーにpigmentで原着されたPET短繊維7
5部を混合し、定法どおりの不織ウエブ製造法により、
製造した目付け100g/m2の混紡ウエブ層(3)と、周知
の(例.特公昭53−32424号公報)スパンボンドプロセ
スにより製造された4denierのPETフィラメントよりなる
250g/m2のランダムループ組織のスパンボンドウェブ層
(1)を積層し、オルガン社製のニードルFPD−1−40S
を用いニードリング深さ12mm,ニードリング密度180N/cm
2でニードリングを行い不織布層(4)を得た。
一方、300g/m2のランダムループ組織のスパンボンド
不織ウェブにPriofen AK−10(大日本インキ製造phenol
−formaline resin初期縮合物52%溶液)をmethanolに
て希釈しスパンボンド不織ウェブに固形分付着量がプレ
プレグ製品に対して40%になるように含浸し乾燥して所
謂プレプレグ品(5)を得た。
不織布層(4)とプレプレグ品(5)を積層し、皮革
様パターンが彫刻され、180℃に加熱昇温された複合材
成形用金型に、混紡ウェブ層(3)が金型の彫刻を施し
た面側に来るように置き、クリアランス3mm,温度180℃
で30secプレス成型することにより、設定した成形型に
忠実な形状を有する成形物を得た。
得られた製品は不織布層(4)とプレプレグ品(5)
間に接着剤を介在させていないが両層間の接着は充分に
高く容易に剥離しない。
得られた製品の代表的物性は下記のとおりであり、き
わめて成形能に富み、深い成形物も高い忠実性をもち成
形できる。
表面テーパー摩耗: 5級 耐光性(変褪色)フェードメータ83℃×200hr.: 4〜5
級 曲げ剛性率(JIS−K−7203): 11.9Kg/mm2 吸音特性: 第9図参照 保温断熱性(JIS−L−1096): 61% また、従来のニードルパンチングに代り、ウォーター
ジェット交絡法によりウェブ層を交絡することができ
る。例えば、実施例において、FPD−1−40Sのニードル
を用いたニードリング深さ12mm,ニードリング密度180/c
m2に相当する交絡を、第1図に示すような装置を用い、
ウェブ層を100メッシュの金鋼に載せ、0.1mmのオリフィ
スを1mmピッチに配した高圧水噴出装置(11)で高圧細
噴出流を上面から噴射し、ついで下面から噴射するよう
に配置し、ノズル背圧1500psiで噴射させ、20m/分の加
工速度で交絡処理を行うことにより高い生産性を得た。
[実施例 2] 実施例1において、表皮層を形成する混紡ウェブ層
(3)の組成と、構成組織、保温断熱性、吸音特性、成
形性能等の多くを分担する基体となるランダムループ組
織のスパンボンドウェブ層(1)の目付けを変更し、製
品の剛性その他機械的性能、賦形性等を支配するプレプ
レグ品を実施例1と同一にして不織布層(4)の性状、
目付けの効果を検討した例が下記の結果である。
[実施例 3] 実施例1の例において、不織布層(4)を実施例1ど
おりに固定し、プレプレグ品製造のための基体となるス
パンボンドウェブの目付けを変更し、スパンボンドウェ
ブに含浸せしめる重縮合性樹脂の種類並びに樹脂付着量
(プレプレグ品内に占める樹脂成分含有率)を変え、そ
の効果を検討した結果が下記の結果である。
[実施例 4] 実施例1の例において、不織布層(4)は実施例1と
同一の物を用いてプレプレグ品(5)の代りに市販の所
謂レジンフェルト、即ち、天然繊維製品、合成繊維製
品、ガラス繊維等の反毛フエルトにフェノールフォルマ
リン樹脂初期縮合物のパウダーを混入付与するか、或は
該初期縮合物溶液をスプレーし、乾燥したフエルトの1K
g/m2品を積層し皮革様パターンが彫刻され、180℃に加
熱昇温された複合材成形用金型に、混紡ウェブ層(3)
が金型の彫刻を施した面側に来るように置き、クリアラ
ンス3.5mm,温度180℃で30secプレス成形することによ
り、設定した成形型に忠実な形状を有する成形物を得
た。
得られた製品は不織布層(4)とレジンフェルト間に
接着剤を介在させていないが、両層間の接着は充分に高
く容易に剥離しない。
得られた製品の代表的物性は下記の通りでありきわめ
て成形能に富み、深い成形物も高い忠実性をもち成形で
きる。
表面テーパー摩耗(JIS−1096): 5級 耐光性(変褪色)フェードメーター80℃×200hr.: 4〜5級 曲げ剛性率(JIS−K−7203): 7.9Kg/mm2 保温断熱性(JIS−L−1096): 67% [実施例 5] 実施例1の例において、不織布層(4)とプレプレグ
品(5)間の接着強力をより一層強固にする目的で不織
布層(4)を形成するスパンボンド不織ウェブ(1)の
下側に、鞘成分(sheath)がTPA/IPA:55/45よりなり130
℃の融点を有するコーポリエステル25%と、PETよりな
る芯成分(core)75%にて構成される、偏芯sheath−co
re t−ypeのカット長45mm,3denierの捲縮発現性複合繊
維よりなる40g/m2の複合繊維ウェブ層(7)を置き、オ
ルガン社製のニードルFPD−1−40Sを用いニードリング
深さ12mm、ニードリング密度180N/cm2でニードリングを
行い不織布層(9)を得た。
かくして得られた不織布層(9)を複合繊維ウェブ層
(7)を下側にし、その下部にプレプレグ品(5)を置
いて積層し、皮革様パターンが彫刻され、180℃に加熱
昇温された複合材成形用金型に、混紡ウェブ層(3)が
金型の彫刻を施した面側に来るように置き、クリアラン
ス3mm,温度180℃で30secプレス成形することにより、設
定した成形型に忠実な形状を有する成形物を得た。
得られた製品は不織布層(9)とプレプレグ品(5)
の熱硬化物間の接着がきわめて強固になっており、最早
不織布層の脆性破壊なしでは剥離不可能な状態となって
いた。
製品物性は実施例1と同一であった。
[実施例 6] 実施例5における複合繊維ウェブ層(7)の代りにet
hylene/vinyl acetate copolymer(85/15)よりなる厚
さ40μのフィルム(市販品)を用いた成形加工製品も実
施例5と同様な結果を示した。
〔発明の効果〕
本発明は下記のように構成したから、合成長繊維ウェ
ブ層(1)と、複合繊維ウェブ層(2)又は混紡ウェブ
層(3)よりなる不織布層(4)と合成繊維よりなる不
織ウェブに、フェノールフォルマリン樹脂、尿素フォル
マリン樹脂、メラミンフォルマリン樹脂或はエポキシ樹
脂の初期縮合物を含浸させて乾燥させた、所謂プレプレ
グ品の積層体又は反毛不織ウェブに合成樹脂を含浸乾燥
又は散布させた所謂レンジフェルト積層体はニードルパ
ンチング又はウォータージェット交絡法による交絡が唯
一の変形抵抗要素であり、且つウェブ層(1)は合成繊
維の長繊維よりなるため、短繊維よりなるウェブ層のよ
うに、変形時に繊維のす抜けによる変形歪の集中が生ぜ
ず、長繊維の交絡によりウェブ層が形成されるため、変
形とともに応力が適度に増大し変形歪の分散、均等化が
行われ、また変形許容量が大きいため均等な所望の成形
を容易に行うことができる。
そして複合繊維ウェブ層(2)または混紡ウェブ層
(3)は、この熱圧縮成形時に金型に接し圧密を受ける
ため、複合繊維の低融点成分が軟化流動し緻密な表皮層
を形成するが、この際金型面の表面状態を忠実に転写で
きるため、この成形時に同時に任意の表面形状を付与で
きて、従来のようにEm−bossingにより皮革様形状を与
えたシートを貼り付けるような別工程を要せず、きわめ
て合理的に高忠実度の皮革様成型体が一段加工で製造す
ることができる。
このようにして得られる成型体は、それ自体でも優れ
た吸音特性、断熱特性を有するものであるが、その取付
における背後空気層の選定によっては更にその効力を倍
加することが可能である。
即ち、本発明により得られる複合材は、好適には見掛
け密度0.2〜0.6g/cm3の多孔質材料であり、しかも密度
勾配を有する材料であるため、極めて吸音特性に優れた
ものであるが、その効力を最高に発揮させるためには、
その材質、構成形態、見掛け密度に応じて背後空気層と
の組み合わせに対し固有の吸音特性(吸音率〜周波数Re
lationship)が存在するためこの関係を実験的に確認し
て、使用する環境条件における発生音の所望の周波数領
域の騒音を最も効果的に吸音しうる条件を選定すること
により、従来にない高効率、ハイレベルの吸音効果を発
揮させることができる。
断熱特性においても同様である。即ち、合成繊維不織
布層からなる表面部材と合成繊維不織ウェブに熱硬化性
合成樹脂を含浸乾燥させた補強部材とからなるので、特
に背後空気層を保たしめて装着することによりプレプレ
グ層と天井間又は壁面間に形成される空気層も断熱層と
して挙動し、室内空間の温度上昇を防止することができ
る。
上記のように、本発明は、自動車等の内装材、天井材
に使用できるのみならず、建築物の内装材、構造物の表
面材料にも広く適用できるものであり、特許請求の範囲
に記載された構成の範囲で用途の変更、構成の改変、変
更が可能であることは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、第1図はウォータージ
ェット交絡装置の概略図、第2図は本発明の複合材を製
造する第1段階における第1実施例の積層構成を示す断
面説明図、第3図は第2図における複合材を製造する第
2段階の第1実施例の不織布を示す断面説明図、第4図
は本発明の複合材の第1実施例の構成を示す断面説明
図、第5図は本発明の複合材の第2実施例の構成を示す
断面説明図、第6図は本発明の第3実施例における複合
材を製造する第5図の接着剤に代る第2実施例の積層構
成を示す断面説明図、第7図は本発明の複合材を製造す
る第5図における更に他の実施例の積層構成を示す断面
説明図、第8図は本発明の複合材の第3実施例の構成を
示す断面説明図、第9図は本発明の複合材の吸音特性図
である。 1:合成長繊維ウェブ層、2:複合繊維ウェブ層 3:混紡ウェブ層、4:不織布層 5:プレプレグ品、6:ホットメルト接着剤フィルム、7:複
合繊維ウェブ層 8:合成繊維ウェブ層、9:不織布層 11:高圧水噴出装置、12:吸引ボックス 13:乾燥機、14:巻取機

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成長繊維ウェブ層と、複合繊維ウェブ層
    又は複合短繊維と合成短繊維とからなる混紡ウェブ層と
    を交絡し一体化した表面部材と、不織ウェブに合成樹脂
    初期縮合物を含浸又は散布付与し乾燥させた補強部材と
    を一体成形して構成したことを特徴とする複合材。
  2. 【請求項2】合成長繊維ウェブ層と、複合繊維ウェブ層
    又は複合短繊維と合成短繊維とからなる混紡ウェブ層と
    を交絡し一体化した表面部材と、不織ウェブに合成樹脂
    初期縮合物を含浸又は散布付与し乾燥させた補強部材と
    を接着材層を介して一体成形して構成したことを特徴と
    する複合材。
  3. 【請求項3】合成長繊維ウェブ層の上面に、複合繊維ウ
    ェブ層又は複合短繊維と合成短繊維とからなる混紡ウェ
    ブ層を積層し、ニードルパンチング又はウォータージェ
    ット交絡法により交絡し一体化した不織布層からなる表
    面部材を形成し、該表面部材の下面に、不織ウェブに合
    成樹脂初期縮合物を含浸又は散布付与し乾燥させた補強
    部材を積層して加熱圧縮成形したことを特徴とする複合
    材の製造方法。
  4. 【請求項4】合成長繊維ウェブ層の上面に、複合繊維ウ
    ェブ層又は複合短繊維と合成短繊維とからなる混紡ウェ
    ブ層を積層し、ニードルパンチング又ウォータージェッ
    ト交絡法により交絡し一体化した不織布層からなる表面
    部材を形成し、該表面部材の下面に、接着材を接着し、
    ついで該接着材に、不織ウェブに合成樹脂初期縮合物を
    含浸又は散布付与し乾燥させた補強部材を積層して加熱
    圧縮成形したことを特徴とする複合材の製造方法。
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