JP2675290B2 - 自動制御式照明光学系を備えた顕微鏡 - Google Patents

自動制御式照明光学系を備えた顕微鏡

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JP2675290B2
JP2675290B2 JP8011632A JP1163296A JP2675290B2 JP 2675290 B2 JP2675290 B2 JP 2675290B2 JP 8011632 A JP8011632 A JP 8011632A JP 1163296 A JP1163296 A JP 1163296A JP 2675290 B2 JP2675290 B2 JP 2675290B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動制御式照明光
学系を備えた顕微鏡に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に顕微鏡の光学的性能を決定する最
大要因は対物レンズ自体の光学的性能であるが、この対
物レンズに入射する照明光が適切でないと、対物レンズ
の性能が十分に活され得ない。従って、高性能顕微鏡の
場合、照明光学系のコンデンサーレンズの切換や開口絞
り、視野絞りの調整等によって、対物レンズの変換に伴
って照明光を適性に補正することが必要である。 【0003】ここでコンデンサーレンズの切換は、照野
と開口数の両方を満たさなければならないので極低倍か
ら高倍までの照明をするためにステップ切換やズーム式
切換により行われる。また開口絞りは、開きすぎると物
体像のコントラストが低下し、絞りすぎると解像力が低
下するが、一般的には対物レンズの瞳よりやや絞り込ん
だ程度が最良とされており、写真撮影時には観察時より
少し絞り込んだ方が良い結果が得られる。 【0004】さらに視野絞りは、絞り込んだ方が中心の
コントラストが向上するので、視野がケラレない程度に
できるだけ絞り込まれる。視野の明るさも使用される対
物レンズの倍率や照明光学系により大きく変化してしま
うので、光源電圧の調整やNDフィルターの挿入によっ
て調光が行われなければならない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】かくして使用する顕微
鏡の性能を活用するためには、上記のような複雑で且つ
面倒な操作が対物レンズの変換の度に必要になるととも
に、対物レンズの切換え後に照明光学系の切換え作業及
び調整作業が行われるために、その作業に時間を要し効
率的に試料観察が行えなくなる問題が生ずる。尚、先行
技術としては特公昭55−44923号公報よる「ケー
レル装置を使用した透過型光学顕微鏡照明装置」がある
が、これは対物レンズの変換と照明レンズ系の連動のみ
を行うものであり、顕微鏡全体の操作の簡略化には殆ど
貢献しない。 【0006】本発明は、以上の点に鑑み、対物レンズの
倍率変換や光路切換に伴う一連の複雑な操作を必要とす
る顕微鏡に対して、少なくとも複数のコンデンサーレン
ズを含む照明光学系要素の切換えを自動化して操作性を
簡略化し、且つ照明光学系の切換え操作時間を短縮でき
る自動制御式照明光学系を備えた顕微鏡を提供すること
を目的とする。本願発明は、上記目的を達成するために
次のような手段を講じた。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の自動制御式照明
光学系を備えた顕微鏡は、複数の対物レンズを装着可能
な取付穴を有し、該取付穴に装着された一対物レンズを
光路中に選択挿入せしめるレボルバーと、前記レボルバ
ーに装着された複数の対物レンズの倍率及び種別を前記
レボルバーの各取付穴に対応させて設定変更する対物レ
ンズデータ入力部と、該対物レンズデータ入力部からの
入力データに基づいて前記取付穴に対応させて前記レボ
ルバーに装着された対物レンズの諸元データを記憶する
と共に、前記対物レンズデータ入力部により設定可能な
対物レンズに関する諸元データベースが記憶される記憶
部と、前記光路中に選択挿入された対物レンズの前記取
付穴の位置を検出する検出手段と、照明光学系に含まれ
る複数のコンデンサーレンズを切換制御する電動制御手
段と、前記検出手段の検出信号に基づいて前記記憶部よ
り前記光路中に選択挿入された対物レンズに対応する諸
元データと諸元データベースを読み出す中央処理装置
と、該中央処理装置により前記記憶部から読み出された
諸元データに基づいて前記電動制御手段に出力すべき信
号を演算する演算装置とを備え、該演算結果に基づいて
前記光路中に挿入選択された対物レンズに対して観察条
件が適正になるように前記電動制御手段を制御し、最適
な前記コンデンサーレンズを前記光路中に挿入すること
を特徴とする。 【0008】本発明は、以上のような手段を講じたこと
により次のような作用を奏する。所望する対物レンズを
選択すると同時に、選択された対物レンズの諸元データ
と諸元データベースに基づいてコンデンサーレンズを含
む照明光学系要素による観察条件が自動的に制御され
る。 【0009】 【発明の実施の形態】以下図面に基づき本発明の概略に
ついて説明する。 【0010】図1は本発明の基礎となる顕微鏡の光学系
を示しており、1は例えばハロゲンランプの如き光源、
2はコレクターレンズ、3は光源1の色温度を変えずに
調光するためのNDフィルター、4は視野絞り、5は開
口絞り、6は光路中に選択的に挿入され得る複数のユニ
ット6a,6b,6cから成るコンデンサーレンズ、7
はステージ、8は各々レボルバー9に取り付けられたユ
ニット8a,8bから成る対物レンズである。 【0011】ここで選択された対物レンズ8a,8bの
倍率により、コンデンサーレンズ6a,6b,6cが選
択され、光路に挿入された対物レンズ及びコンデンサー
レンズに基づき視野絞り4及び開口絞り5の絞り径が調
製される。 【0012】10は光路中に挿脱可能に配置された観察
プリズムで挿入状態において接眼レンズを介して観察が
行われ得、退避状態では反射プリズム11、撮影レンズ
12、ハーフミラー13、反射ミラー14を通り再び接
眼レンズを介して観察が行われ、同時に写真撮影が行わ
れるようになっている。ここで、撮影レンズ12は光路
中に選択的に挿入可能な複数のユニット12a,12b
から成る。 【0013】次に図2には図1の光学系を有する顕微鏡
の制御システムのブロック図が示されている。16はレ
ボルバー制御部で、レボルバーの穴位置を検出するこ
と、または対物レンズ外側の表示を直接読み取る等の方
法により光路中に挿入されている対物レンズのデータを
読み出す。対物レンズのデータとしては倍率の他に例え
ば同倍率で開口数の異なる対物レンズが使用される場合
(アクロマートとアポクロマートとがあるような場合)
には開口数も含まれる得る。 【0014】17はCPU、19は演算装置、20はコ
ンデンサーレンズ制御部、21は開口絞り制御部、22
は観察プリズム制御部、23は視野絞り制御部、24は
撮影レンズ制御部である。このように構成された光学系
と制御システムを有する顕微鏡について次に制御システ
ムの動作について説明する。 【0015】先ず、レボルバー制御部16により光路中
に挿入された対物レンズ8aのデータが読み出され、そ
の信号がCPU17に入力される。CPU17におい
て、入力されたデータ信号により、記憶装置18から予
め入力されている対物レンズの倍率及び開口数が読み出
され、演算装置19に入力される。ここで各制御部1
6,20,21,22,23,24に出力すべき信号の
演算が行われる。例えば照明倍率の切換えについては、
挿入されている対物レンズの倍率によってコンデンサー
レンズ6a,6b,6cのうちのどれが光路中に挿入さ
れるべきかが決定されて、コンデンサーレンズ制御部2
0に信号が出力され、選択された最適なコンデンサー6
a,6bまたは6cが光路中に挿入される。開口絞りの
大きさは、対物レンズの開口数とコンデンサーレンズの
焦点距離の関数であるから演算装置19内で計算され
て、開口絞り制御部21に信号が出力され、最適値に調
整されるが、絞り込み係数は一般には対物レンズの瞳の
70〜80%が適当とされ、さらに写真撮影時は観察時
よりもやや絞り込んだ方が良い像が得られるため、観察
プリズム制御部22から光路が観察状態にあるか写真撮
影状態にあるかの信号がCPU17に入力されているこ
とにより、絞り込み係数が補正され得る。 【0016】視野絞りの大きさは、対物レンズの倍率と
コンデンサーレンズによる絞り像の投影倍率の関数であ
るから同様に計算されて、視野絞り制御部23に信号が
出力され、視野絞り制御部23の信号が出力され、最適
値に調整されるが、観察の場合には観察プリズム10が
挿入位置にあることを検知して、即ち観察プリズム制御
部22からの信号に基づいて接眼レンズの視野にほぼ外
接する大きさに調整され、また写真撮影の場合には撮影
レンズ制御部24で挿入されている撮影レンズの倍率を
検知してCPU17に信号が入力されることにより、光
路中に挿入された撮影レンズの視野にほぼ外接する大き
さに調整される。 【0017】尚、NDフィルター3の制御は公知の方法
で演算装置19からの出力信号に基づいて行われる。ま
た、開口絞り5及び視野絞り4の絞り込み係数は標本の
状態に応じて変更した方が良い場合もあるため手動操作
も可能になっている。この場合、絞りの大きさを変更す
ると、そのときの絞り込み係数が記憶された対物レンズ
の倍率を変えた際にも同じ絞り込み係数に絞りの大きさ
が調整され得る。 【0018】さらに明るさについても、観察者の好みや
標本の状態に応じて変更され得るように、手動操作可能
になっている。かくして制御システムの動作は完了する
が、倍率変換の終了後にこれらの動作が行われると明る
さや像の過度状態が観察者に不快感を与えることになる
ので、コンデンサーレンズの切換え、絞りの調整及びN
Dフィルターの駆動はレボルバーの回転動作中に完全に
実施されるようになっている。 【0019】以上が本発明の概略であるが、次に本発明
の一実施例を図面に基づき詳しく説明する。図3は本発
明による顕微鏡の制御装置50を示しており、51はC
PU、52はバッテリー53により電源遮断時にバック
アップされるRAM、54はプログラムメモリとしてR
OM、55は演算精度及び時間短縮のために使用される
演算器、56は制御装置50のコントロールを外部から
行なう外部制御装置57のためのインターフェース、5
8は写真撮影装置59のためのインターフェース、60
は光路切換やレボルバー等のすべての駆動部とCPU5
1とのデータ及び信号の受渡しを行なうI/Oポート、
61は自動焦点合せのための一次元イメージセンサを使
用した撮像素子、62は撮像素子61の駆動回路、63
はA/D変換器、64は操作スイッチ及び表示器を含む
操作パネルで、対物レンズに関するデータの入出力信
号、各駆動部への切換信号等をインターフェース65を
介してI/Oポート60に入出力する。66は撮影レン
ズ67を切換えるための駆動部、68は観察系と写真撮
影系に光路を切換えるビームスプリッタ69の駆動部
で、同時に光路が何れであるかを検出し得る。70はレ
ボルバー71を回転させる対物レンズ切換駆動部で、同
時にレボルバーの位置を検出し得る。72はステージ7
3は上下動させる焦準ステージ駆動部、74はコンデン
サーレンズ75を対物レンズの倍率に応じて切換える切
換駆動部、76は開口絞り77の絞り径を制御する制御
駆動部、78は視野絞り79の絞り径を制御する制御駆
動部、80は調光のための使用するNDフィルターユニ
ット81を切換駆動する切換駆動部、82は光源83の
調光回路、84は自動焦点合せのために使用される瞳分
割用チョッパ85のための駆動部である。 【0020】図4は操作パネル64の一例を示してお
り、86は操作パネル、87は対物レンズの倍率及び種
別(SPLAN,SPLAN APO,DPLAN等)
を入力するためのスイッチ、88は対物レンズの倍率表
示器、89は対物レンズの種別表示器、90は光路を観
察系、写真撮影光学系等に切換えるためのスイッチ、9
1は使用状態に切換えられている光路の種別を示す表示
器、92,93は各視野絞り79、開口絞り77を手動
により適当な絞り径に調整するためのスイッチ、94は
調光用のNDフィルター81を切換えるためのスイッ
チ、95は撮影レンズ67の倍率切換スイッチ、96は
撮影レンズの倍率表示器、97は焦準ステージ駆動のた
めのスイッチ、98はレボルバー起動スイッチ、99は
自動焦点合せ起動スイッチである。 【0021】本実施例は以上のように構成されており、
最初に対物レンズのデータセット及び対物レンズのデー
タセット及びそれに関連する動作について説明する。こ
こで一例としてレボルバー71の光路上に対物レンズS
PLAN10Xが切換挿入されている場合について説明
すれば、操作パネル86上においてスイッチ87により
倍率10X、種別SPLANを選択しセット入力する
と、この情報はインターフェース65及びI/Oポート
60を介してCPU51に入力される。CPU51はレ
ボルバー71の光路上の対物レンズ位置を対物レンズ切
換駆動部70により読みだし、そのレボルバー位置と操
作パネル86からの情報とにより対物データテーブル1
00(図5)を作成しRAM52に記憶させる。この対
物データテーブル100は、レボルバー位置データに対
応して対物レンズの倍率及び種別を含み、図5の場合6
ケ所のレボルバー位置に関して対物データテーブル10
0が作成されるようになっている。そしてCPU51は
常に対物データテーブル100をモニターとして次の演
算及び制御を行なう。即ち、CPU51は対物データテ
ーブル100により図6のテーブルからコンデンサーレ
ンズ75の倍率を決定してコンデンサーレンズ切換駆動
部74へ切換データを出力し、適正なコンデンサーレン
ズへの切換が行われる。ここでコンデンサーレンズ70
は対物レンズの倍率によって三段階に切換えられる。 【0022】その後、さらに最良の観察条件を設定する
ために、対物データテーブル100から視野絞り79、
開口絞り77の絞り径が決定されるが、先ず視野絞り7
9の絞り79の絞り径の求め方を説明する。視野絞りの
絞り径d1 は次式により演算される。 【0023】 【0024】ここで、FNO.(視野数)は図7のテー
ブルに示されているように光路が観察系(Bi)である
かまたは写真撮影系(FK)光路における撮影レンズ6
7の倍率により決まり、FS投影倍率は前記の図6のテ
ーブルに示されているようにコンデンサーレンズ75の
倍率により決まる。また、K1 は視野に対する比率で、
K1 =1ならば(1) 式で演算された値d1 は視野外接の
絞り径を与えるが、本実施例では対物レンズのデータセ
ット時及び電源投入時はK1 =1として視野絞り79の
絞り径d1 が決定されるようになっており、従って光路
が観察系であっても写真撮影系であっても視野絞りは常
に(1) 式により視野外接の絞り径d1 に設定されること
になる。 【0025】次に開口絞り77の絞り径d2 は次式によ
り演算される。 d1 =NA×2×f×K2 ………(2) ここでNAは図6のテーブルに示したように対物レンズ
の倍率及び種別により決まる開口値、fは同様に図6の
テーブルから求められるコンデンサーレンズ75の焦点
距離である。またK2 は瞳径に対する比率で、K2 =1
ならば(2) 式から得られた値d2 は瞳径の100%の絞
り径を与えるが、本実施例では対物レンズのデータセッ
ト時及び電源投入時はK2 =0.8として開口絞り77
の絞り径d2 が観察時に最適とされている対物レンズの
瞳径80%に初期設定されるようになっている。尚、図
6及び図7のテーブルはROM54に記憶されている。 【0026】ここで対物レンズがSPLAN10Xで光
路が観察系である場合、自動設定される絞り径d1,d2
は以下のように演算される。図6及び図7のテーブルよ
りFON.=28,FS投影倍率=0.133が得ら
れ、またK1 =1とすれば(1)式より 【0027】 【0028】となり、同様にして図6のテーブルからN
A=0.3,f=12が得られ、またK2 =0.8とす
れば(2) 式から、 d2 =0.3×2×12×0.8=5.8(mm) が求められる。以上の演算はCPU51及び演算器55
によって行われ、その演算結果により視野絞り制御駆動
部78及び開口絞り制御駆動部76を介して視野絞り7
9及び開口絞り77が前記絞り径d1 ,d2 に設定され
る。 【0029】図8は照野絞り79または開口絞り77の
制御を示すブロック図であり、110はD/A変換器、
111,112はアンプ、113はモータ駆動回路、1
14はモータ、115はギヤを介してモータ114によ
り開閉される絞り機構、116は絞り機構115の位置
をギヤにより検出するポテンションメータである。前述
のように演算された絞り径はデジタル変換されるが、こ
こで8ビットのデジタル変換を行なう場合に絞り径の範
囲を0〜34mmとすると、分解能は0.13mm/ビット
となる。絞り径のデジタル変換は、次式により行われ
る。 【0030】D/Aデータ=視野絞り径×7.5 【0031】 【0032】ここで、(3) 式中7.5は、デジタルデー
タに変換するための定数である。8ビットにデジタル変
換されたデータはCPU51からI/Oポート60を介
してD/A変換器110に入力され、ここでアナログ信
号に変換されアンプ111により増幅されてモータ駆動
回路113によってモータ114を駆動する。従って、
絞り機構115が開閉され得るが、その位置がポテンシ
ョンメータ116により常にモニターされアンプ112
を介してアンプ111にフィードバックされているの
で、所定の絞り径に制御される。 【0033】次に、対物レンズデータセット時の観察に
対して最適な明るさにするための自動設定の動作につい
て説明する。観察光の像面における照度Lは次のように
表される。 L=LA×ND×AS×Ob×Bi (lx) …………(4) ここでNDは例えば図9に示されているような複数枚
(ここでは4枚)のNDフィルターND0,ND1,DN3
の組合わせにより透過率を変更するようにしたNDフィ
ルターユニット120(実開昭57−34645号)に
よって与えられる光量比で、各NDフィルターがモータ
121により駆動されるカム122によりレバー123
を介して光路に挿脱されることにより図10に示すよう
に11段階に制御され、図9ではND0 及びND2 が光
路中に挿入されており図10より光路比ND=1/16
が与えられている。 【0034】ASは開口絞り77の明るさ比で、瞳径の
80%を標準値とすると明るさ比ASは0.82 =0.
64となる。Biは図11に示されているようにBi1
00%の光路を1としたときの光量比、Obは図12で
示されているように対物レンズの倍率及び種別から参照
する光量比であり、対物レンズSPLAN10×を基準
として1にとっている。LAは対物レンズSPLAN1
0×、光量比N=1、Bi100%の光路における像面
照度であり、本実施例ではLA=189lxを定数とし
て使用する。この状態で像面照度Lを常に0.5〜1l
xの範囲に維持するには、 L=0.5×√2×2±1/2 =0.707×2±1/2 (lx) なる目標値により(4) 式から L=189×0.64×ND×Ob×Bi =0.707×2±1/2 従って、 【0035】 【0036】が得られ、NDフィルターの光量比の目標
値が与えられる。ところで、NDフィルターユニット1
20は4枚のNDフィルターの組合わせで構成されてい
るので、(5) 式によるとNDの目標値は21/4 の分解能
で与えられなけばならない。そこで(5) 式において2
1/4 を底aとする対数をとると、 logaND=−30−logaOb−logaBi…………(6) となる。 【0037】従って、実祭のNDフィルターの組合わせ
を求めるには、図12のテーブルから対物レンズに対応
してlogaObを求め、また図11のテーブルからl
ogaBiを求め(5) 式よりlogaNDが得られる。
かくして、このlogaNDに対応して図13に示され
ているテーブルに基づき光量比NDが得られ、この光量
比NDを与えるようなNDフィルターの制御が図10に
従ってNDフィルター切換駆動部80により行われる。
尚、図10乃至図13のテーブルは必要に応じて読み出
されるデータとしてROM54に記憶されている。 【0038】ここで、対物レンズSPLAN10×,B
i20%の光路の場合には図11及び図12よりlog
aBi=−9,logaOb=0となり(6) 式から logaND=−30−0−(−9)=−21 が得られ、図13のテーブルよりND=1/32とな
り、図10のテーブルによればND0及びND3が光路
に挿入されれば適正な明るさが得られる。従って、CP
U51はNDフィルター切換駆動部80に信号を出力し
てNDフィルターND0及びND3を光路内に挿入せし
め、観察系の明るさが最適にしかも一定に設定され得
る。 【0039】かくして、対物レンズのデータセット時の
一連の関連動作が行われるが、複数の対物レンズのデー
タセットをする場合、対物レンズについて上記動作が行
われる。また一度セットされた対物レンズのデータは図
5の対物レンズテーブル100としてレボルバー位置と
共にRAM52に記憶され、RAM52はバッテリー5
3により電源遮断時にもバックアップされているので、
最初に一回だけセット操作すればよい。さらに、対物デ
ータテーブル100が記憶されているから、例えばレボ
ルバー71を切換えると、そのレボルバー位置が検出さ
れ、対物データテーブル100により対物レンズの倍率
及び種別が読み出され、CPU51が前述の如く演算
し、またROMに記憶されたテーブルのデータを参照し
て自動的に最適なコンデンサーレンズ75、視野絞り7
9及び開口絞り77の絞り径、NDフィルターユニット
81の組合わせを決定して各駆動部に信号を出力し自動
設定を行なう。 【0040】尚、対物レンズの切換時だけでなく、観察
系(Bi)光路の切換、撮影レンズ67の切換等の場合
にも全く同様に上記自動設定が行われているので、観察
者は顕微鏡の複雑な操作から解放され、且つ操作ミスの
ない検鏡を行なうことができる。以上のようにデータセ
ット及びその関連動作が行われた後に、自動焦点合せの
ための光学系バックグランドデータが入力されるが、こ
れはステージ73の試料面に何も置かない状態で撮像素
子61に投影される像の照明ムラ及び光学系のムラ並び
に撮像素子61に固定的に存在するノイズパターンを自
動焦点合せに対して補正するために行われる。しかも、
この補正データ入力シーケンスはRAM52の対物デー
タテーブル100により最適な投影像データとして入力
するようにNDフィルターユニット81、視野絞り7
9、開口絞り77のデータを設定する。瞳分割用チョッ
パ85により瞳分割された二つの投影像データA,Bは
撮像素子61により図14の如く得られ、このデータが
補正データとして使用される。 【0041】ここで、横(x)軸は撮像素子のビットを
(y)軸は撮像素子の各ビットの出力信号、即ち光量の
補正データを示している。このデータに基づき各ビット
の補正係数を求めると、補正データA,Bに対する補正
係数A´,B´は図15のように表され、該補正係数A
´,B´をRAM52に入力して対物データテーブル1
00と低比させることにより、レボルバー71に接続さ
れる対物レンズの各々についての補正係数を順次RAM
52に記憶させて、自動焦点合せの際に撮像素子61か
らの撮像データが入力されるときには該撮影像データを
補正係数演算して、投影像データの精度が向上せしめら
れる。この補正データ入力シーケンスの後、NDフィル
ター81、視野絞り79、開口絞り77は各々観察に対
して最良の条件を示すように決定された前述の値に設定
される。 【0042】対物レンズのデータセット及びそれに関連
する動作は以上のように行われるが、これを纏めと図1
6のフローチャートに示す通りである。次に、絞り及び
明るさが観察者により手動操作で設定される場合につい
て説明する。視野絞り、開口絞り、明るさ設定のための
NDフィルターは前述の如く対物レンズデータセット時
及び電源投入時には初期値(代表値)に設定される。こ
の場合、視野絞り79は(1) 式においてK1 =1として
視野外接に、開口絞り77は(2) 式においてK2 =0.
8として瞳径の80%に、NDフィルターは(6) 式にお
いて定数を−30として像面での明るさを0.5〜1l
xに、各々設定される。このように初期値の設定が行わ
れた後に、手動操作が行われる。 【0043】先ず、視野絞り79の手動操作による補正
シーケンスを説明すれば、図4の操作パネル86のスイ
ッチ92により信号が入力されると、図3において操作
パネル64からインターフェース65、I/Oポート6
0を介してCPU51に信号が送られる。CPU51は
スイッチ92が押され続けているか否かをモニターしな
がら時間管理しつつデジタルデータをI/Oポート60
を介してD/A変換器110(図8)に出力する。図1
7はスイッチ92のON時間とD/Aデータの出力との
関係を示しており、D/Aデータを時間に対して指数関
数的に変化させることによりスイッチONから数秒間は
高分解能での制御を可能にし、さらにON時間が経過す
ると急速に絞りの開閉を行ない得るという人間の操作に
対応した制御がなされる。 【0044】本実施例では、全閉から全開またはその逆
の絞り駆動の所要時間を約5秒とし、スイッチ92のO
N直後の分解能を1ビット/0.3秒に設定している。
ここで、手動操作による補正係数の求める方を説明すれ
ば、スイッチ92が押されたとき、1.) 予めRAM52
に記憶されているD/Aデータを直接変化させ出力す
る。(変化量は図17に示された時間との関係によ
る。) 2.) (3) 式におけるK1 の値を1.) で変化させたD/A
データから逆算し、得られたK1 をRAM52に記憶さ
せて、これ以後、すべての演算においてこのK1の値を
使用することにより、対物レンズ切換時および光路切換
時には補正された比率を維持しながら絞り径が決定され
る。 【0045】このとき、K1 は次のようにして求められ
る。K1 =1のときの視野絞り79の絞り径(視野外
接)のデータをFULLFS(ビット)とすれば 【0046】 【0047】となり、D/Aデータを1ビット変化させ
たときの係数K1 の変化分をΔK1 とすればΔK1 =1
/FULLFSである。従って、D/Aデータをnビッ
ト変化させたときの係数K1 は次式で与えられる。 【0048】 K1 =K1 +(ΔK1 ×n) …………(7) 但し、nは操作パネル86のスイッチ92の「開」また
は「閉」の選択によりプラスまたはマイナスの値として
CPU51により認識される。かくして、視野絞り79
の手動操作による補正及びその比率の維持が行われ得
る。次に、開口絞り77の手動操作による補正シーケン
スは、視野絞り79の場合と全く同様である。このとき
の補正係数の求め方も基本的には同様である。開口絞り
77の絞り径の分解能を0.1mm/ビット、D/Aデー
タと絞り径の関係を D/Aデータ=開口絞りの絞り径×10 とすれば(2) 式より D/Aデータ=NA×2×f×K2 ×10 ………(8) となり、視野絞りと同様に手動操作による補正係数は次
のようにして求められる。スイッチ93がおされると 1.) 予めRAM52に記憶されているD/Aデータを直
接変化させ出力する。(変化量は図17に示されたと同
様の時間との関係による。) 2.) (8) 式におけるK2 の値を1.) で変化させたD/A
データから逆算し、得られたK2 をRAM52に記憶さ
せて、これ以後すべての演算においてこのK2 の値を使
用することにより、対物レンズ切換時及び光路切換時に
は補正された比率を維持しながら絞り径が決定される。 【0049】このとき、K2 は次の用にして求められ
る。K2 =1のときの開口絞り77の絞り径(瞳径に対
して100%)のデータをFULLAS(ビット)とす
れば、 FULLAS=NA×2×f×10 …………(9) となりD/Aデータを1ビット変化させたときの係数K
2 の変化分をΔK2 とすれば、ΔK2 =1/FULLA
Sである。従って、D/Aデータをnビット変化させた
ときの係数K2 は次式で与えられる。 K2 =K2 +(ΔK2 ×n) …………(10) 但し、nは操作パネル86のスイッチ93の「開」また
は「閉」の選択によりプラスまたはマイナスの値として
CPU51により認識される。ここで、開口絞り77の
手動操作を実際例により説明する。1.) 対物レンズSP
LAN4×でデータセットした場合、図6のテーブルよ
りNA=0.13,f=61.5が読み出され(9) 式よ
り FULLAS=0.13×2×61.5×10=159.9(ビット) となり、(8) 式において初期値K2 =0.8を入れると、 D/Aデータ=159.9×0.8=128(ビット) が得られ、D/A変換器110に出力されると共にRA
M52に記憶される。尚、このとき開口絞り77の絞り
径は12.8mmに設定される。 【0050】この状態から手動操作によりスイッチ93
で5ビット分だけ絞ると、RAM52から前記D/Aデ
ータが読み出される。 D/Aデータ=128−5=123(ビット) なる演算が行われ、この補正されたD/AデータがD/
A変換器110に出力され、開口絞り径が12.3mmに
設定される。また、このときの係数K2 は(10)式から、 K2 =0.8−5/159.9=0.77 と演算され、これがRAM52に記憶される。 【0051】次に、レボルバー71により対物レンズの
切換が行われて光路上に対物レンズSPLAN APO
40×が挿入されると、図6のテーブルよりNA=0.
95,f=6.5が読み出され、またRAM52からK
2 =0.77が読み出されるので、(8) 式より D/Aデータ=0.95×2×6.5×0.77×10
=95(ビット) が得られ、D/A変換器110に出力されると同時にR
AM52に記憶される。かくして、開口絞り77の絞り
径は9.5mmに設定される。 【0052】さらに、調光用のNDフィルターの手動操
作による補正を説明すれば、これは操作パネル86のス
イッチによりCPU51に入力され、同様にしてNDフ
ィルター切換駆動部80によってNDフィルターの切換
が行われる。この場合、手動操作による補正係数は(6)
式において定数(−30)を以下の如く変化させること
により求められる。 1.) 明るくする場合(−30)+4×n 2.) 暗くする場合(−30)−4×n ここでnは図10における光量比のステップ数に相当す
る。 【0053】以上のように視野絞り、開口絞り及びND
フィルターにより調光は手動操作により任意に補正さ
れ、一度補正がおこなわれるとそのときの補正係数が記
憶されるので、その後対物レンズの切換等がおこなわれ
ても常に同じ補正の比率が維持され得る。尚、補正係数
は好ましくは適宜手段により初期値にセットされ得る。
また、対物レンズの他に、光路が観察系か写真撮影系か
を検出して照明光学系を自動的に制御するようにしたこ
とにより、この光路切換による照明光学系の調整操作か
らも解放され得る。 【0054】また、自動制御以外に、マニュアル操作も
可能にしてあることにより、標本の状態や観察者の好み
により絞り径及び明るさが任意に調整され得る。また、
前記手動操作により補正された絞り径及び明るさが対物
レンズの切換、光路の切換等の場合に同じ補正の比率で
自動制御されるようにしたことにより、常に標本の状態
や観察者の好みに適した観察が得られる。 【0055】さらに、手動操作により決定され且つ記憶
された補正係数が適宜な手段により初期値にリセットさ
れるようにしたことにより、再補正を行う場合に操作が
容易になる。 【0056】 【発明の効果】上述の如く発明の実施の形態で説明した
ように本発明による顕微鏡は、対物レンズの倍率と種別
(開口数)とから照明光学系の複数のコンデンサーレン
ズによる観察条件が適正になるように自動的に制御する
ようにしたことにより、対物レンズの切換えの際に必要
なコンデンサーレンズの複雑な調整操作から観察者が解
放され、さらに操作ミス及び操作忘れが防止され得ると
いう効果を有しており、極めて便利である。この場合、
実施形態に示すように、照明光学要素に複数のコンデン
サーレンズを含めることにより、対物レンズの切換えに
伴う上記照明光学系要素による観察条件の調整を完全自
動化することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は顕微鏡の光学系の一例を示す概略図 【図2】図1の顕微鏡のための本発明による制御システ
ムのブロック図 【図3】本発明による顕微鏡の一実施例の制御装置を示
す詳細なブロック図 【図4】図3の制御装置における操作パネルの一例を示
す正面図 【図5】対物データテーブルを示す図表 【図6】対物レンズとコンデンサーレンズの対照を示す
図表 【図7】光路のFNo.(視野数)を示す図表 【図8】絞り制御のブロック図 【図9】NDフィルターユニットの一例を示す図 【図10】NDフィルターの組合わせによる光量比を示
す図表 【図11】光路による光量比Biを示す図表 【図12】対物レンズによる光量比Obを示す図表 【図13】NDフィルターによる光量比NDを示す図表 【図14】撮像素子上の投影像の補正データを示すグラ
フ 【図15】撮像素子上の投影像の補正係数を示すグラフ 【図16】本発明による自動制御のフローチャート 【図17】手動操作の際のスイッチ92,93の出力を
示すグラフ 【符号の説明】 1 光源 2 コレクターレンズ 3 NDフィルター 4 視野絞り 5 開口絞り 6 コンデンサユニット 6a〜6c ユニット 7 ステージ 8a,8b 対物レンズ 9 レボルバー 10 観察プリズム 11 反射プリズム 12 撮影レンズ 12a,12b ユニット 13 ハーフミラー 14 反射ミラー 16 レボルバー制御部 17 CPU 18 記憶装置 19 演算装置 20 コンデンサーレンズ制御部 21 開口絞り制御部 22 観察プリズム制御部 23 視野絞り制御部 24 撮影レンズ制御部 50 制御装置 51 CPU 52 RAM 53 バッテリー 54 ROM 55 演算器 56 インターフェース 57 外部制御装置 58 インターフェース 59 写真撮影装置 60 I/Oポート 61 撮像素子 62 駆動回路 63 A/D変換器 64 操作パネル 65 インターフェース 66 駆動部 67 撮影レンズ 68 駆動部 69 ビームスプリッタ 70 対物レンズ切換駆動部 71 レボルバー 72 焦準ステージ駆動部 73 ステージ 74 切換駆動部 75 コンデンサーレンズ 76 制御駆動部 77 開口絞り 78 制御駆動部 79 視野絞り 80 切換駆動部 81 NDフィルターユニット 82 調光回路 83 光源 84 駆動部 85 瞳分割用チョッパ 86 操作パネル 87 スイッチ 88 倍率表示器 89 種別表示器 90 観察系 91 表示器 92,93 スイッチ 94 スイッチ 95 倍率切換スイッチ 96 倍率表示器 97 スイッチ 98 レボルバー起動スイッチ 99 自動焦点合せ起動スイッチ 100 対物データテーブル 111,112 D/A変換器 113 モータ駆動回路 114 モータ 115 絞り機構 116 ポテンションメータ 121 モータ 122 カム 123 レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−82434(JP,A) 特開 昭54−143244(JP,A) 特開 昭53−16643(JP,A) 実開 昭56−93713(JP,U) 実開 昭56−126608(JP,U) 実開 昭56−128613(JP,U) 特公 平5−16006(JP,B2) 実公 昭48−7053(JP,Y1) 特許2607835(JP,B2) 特許2608249(JP,B2) 特許2634580(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.複数の対物レンズを装着可能な取付穴を有し、該取
    付穴に装着された一対物レンズを光路中に選択挿入せし
    めるレボルバーと、 前記レボルバーに装着された複数の対物レンズの倍率及
    び種別を前記レボルバーの各取付穴に対応させて設定変
    更する対物レンズデータ入力部と、 該対物レンズデータ入力部からの入力データに基づいて
    前記取付穴に対応させて前記レボルバーに装着された対
    物レンズの諸元データを記憶すると共に、前記対物レン
    ズデータ入力部により設定可能な対物レンズに関する諸
    元データベースが記憶される記憶部と、 前記光路中に選択挿入された対物レンズの前記取付穴の
    位置を検出する検出手段と、 照明光学系に含まれる複数のコンデンサーレンズを切換
    制御する電動制御手段と、 前記検出手段の検出信号に基づいて前記記憶部より前記
    光路中に選択挿入された対物レンズに対応する諸元デー
    タと諸元データベースを読み出す中央処理装置と、 該中央処理装置により前記記憶部から読み出された諸元
    データに基づいて前記電動制御手段に出力すべき信号を
    演算する演算装置とを備え、 該演算結果に基づいて前記光路中に挿入選択された対物
    レンズに対して観察条件が適正になるように前記電動制
    御手段を制御し、最適な前記コンデンサーレンズを前記
    光路中に挿入することを特徴とする自動制御式照明光学
    系を備えた顕微鏡。
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