JP2674818B2 - 耐硫酸粒界腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐硫酸粒界腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼

Info

Publication number
JP2674818B2
JP2674818B2 JP785089A JP785089A JP2674818B2 JP 2674818 B2 JP2674818 B2 JP 2674818B2 JP 785089 A JP785089 A JP 785089A JP 785089 A JP785089 A JP 785089A JP 2674818 B2 JP2674818 B2 JP 2674818B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
sulfuric acid
ferritic stainless
less
intergranular corrosion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP785089A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02190450A (ja
Inventor
征三郎 阿部
雅光 槌永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=11677100&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2674818(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP785089A priority Critical patent/JP2674818B2/ja
Publication of JPH02190450A publication Critical patent/JPH02190450A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2674818B2 publication Critical patent/JP2674818B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、フェライト系ステンレス鋼の熱間圧延後の
冷却途中あるいは焼鈍中とその冷却中において、生成し
た鋼中不純物リンの粒界偏析が、続く硫酸酸洗工程後に
粒界腐食を発生しないフェライト系ステンレス鋼に関す
るものである。
(従来の技術) 一般にフェライト系ステンレス鋼は、熱間圧延ままあ
るいは焼鈍を行ったのち、メカニカル・デスケーリング
と硫酸酸洗を組み合せた脱スケール法が行われている。
酸洗処理されたフェライト系ステンレス鋼は、表面に付
着したスケールや熱延鋼帯の持つ疵が取除かれ、綺麗な
表面に清浄化される。
しかしながら、熱間圧延を終えた高温度のフェライト
系ステンレス鋼板をコイル状に巻きとって700℃以上か
ら冷却する途中まで、また熱延コイルをコイルのままで
800℃のボックス焼鈍した場合に、硫酸酸洗で鋼表面の
結晶粒界が特に溶解され、粒界ミクログループと称され
る粒界腐食溝を発生し、続く工程の冷延焼鈍後の最終製
品表面にキラキラ疵(ゴールドダスト)を発生する原因
として、その表面品質を著しく損なう問題があった。
このような問題は、熱間圧延後の冷却過程あるいはボ
ックス焼鈍時とその冷却過程において、鋼中不純物元素
であるリンの粒界偏析に起因するものであり、特開昭61
−199036号公報では「熱間圧延後あるいは熱間圧延−焼
鈍後の冷却を830℃から400℃まで30分以内で行うこと」
さらに特開昭62−174349号公報では「鋼中でリンと相互
作用の強いZr,Ti,Nb,Mo,Y,La,Ce等の元素少量を添加す
る」などの防止策も明らかにされている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記の鋼とは別に鋼中リンの粒界偏析を防
止した新しい鋼成分組成のフェライト系ステンレス鋼を
提供することを目的に、多くの種類の成分組成の鋼につ
いて検討した結果、鋼中に少量のCa及びMgの1種または
2種を添加させることにより、耐硫酸粒界腐食性に優れ
たフェライト系ステンレス鋼が得られることを知見し
た。
(課題を解決するための手段) 本発明はこの知見に基づいて構成したもので、その要
旨はC;0.12(重量)%以下、Si;1.00%以下、Mn;1.00%
以下、P;0.040%以下、S;0.030%以下、Cr;14〜20%、N
i;0.75%以下、Cu;0.005〜0.20%及び、Ca;0.0003〜0.0
050%、Mg;0.0003〜0.0050%の1種または2種を含有し
て、残部が実質的にFeからなることを特徴とする耐硫酸
粒界腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼である。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明
する。
Pは、熱間圧延の途中、あるいは、ボックス焼鈍時と
その冷却過程でP固溶度の低下にともない粒界に濃縮
し、粒界偏析を生成して耐硫酸粒界腐食性を劣化せしめ
る有害元素であり、低いほど望ましいが、製鋼時の経済
性を考えて0.040%以下とする。
Ca及びMgについては第1図に、80℃〜沸騰の25%硫酸
溶液中における粒界腐食発生状況を示し、また第2図
に、粒界偏析リン量のオージェ電子分光分析法による分
析結果を示す。
試料鋼の化学組成は、C:0.019〜0.11wt%、Si:0.16〜
0.91wt%、Mn:0.10〜0.94wt%、S:0.13〜0.029wt%、C
r:14〜20wt%、Ni:0.05〜0.71wt%、Cu:0.02〜0.18wt
%、Fe:残である。
即ち、Ca,Mgの含有量の増加にともない粒界腐食はな
くなり、粒界偏析リン量も著しく低下できる効果を示す
が、0.0003%未満の少ない含有量では、その効果が不安
定であり、また0.0050%を超える過剰な含有量ではステ
ンレスの重要な性質である耐食性を劣化しはじめるので
0.0050%以下とした。
したがって、本発明においてはCa及びMgは0.0003〜0.
0050%で、1種または2種を複合で添加することができ
る。
Cは、耐孔食性や耐食性の点から低い方がよいが、製
造性を考慮して上限を0.12%とした。
Siは、脱酸作用をもった有用な成分であるが、1.00%
を超えて含有させると加工性が劣化して、熱間圧延での
表面疵を多発するようになることから1.00%以下とし
た。
Mnは、機械的強度維持及び脱酸に有効に寄与するが、
1.00%を超えると靭性劣化の不利を招き、やはり熱間圧
延での表面疵を多発するようになるので、1.00%以下と
する必要がある。
Sは、耐食性向上のためできるだけ低い方が望ましく
0.030%以下とする。
Crは、耐食性及び耐酸化性を向上させるステンレス鋼
としての重要な元素であるが、そのためには少なくとも
14%が必要であり、一方、20%を超えると靭性の劣化を
招くので14〜20%の範囲に限定した。
Niは、すぐれた耐食性、耐酸性を付与する作用があ
り、耐孔食性ならびに耐隙間腐食性を向上させる作用も
ある。ただし、0.75%を超えて添加することは経済性を
損なうので0.75%以下とした。
Cuは、耐食性向上及び機械的強度向上のために有用な
元素であるが、0.005%未満では所望の効果が得られ
ず、一方、0.20%を超えると熱間加工性低下の点で好ま
しくないので、0.005〜0.20%の範囲に限定した。
上記の様な成分組成のフェライト系ステンレス鋼は、
転炉、電気炉などの溶製炉で溶製されたのち造塊・分塊
あるいは連続鋳造を経て、熱間圧延して酸洗処理さらに
は冷間圧延して焼鈍など通常のフェライト系ステンレス
鋼の製造工程と製造条件で、各種の形状に製造される。
(実 施 例) フェライト系ステンレス鋼を代表するSUS430につい
て、熱さ3mmに熱間圧延し705〜750℃で巻きとったコイ
ル、あるいは810〜850℃で焼鈍したコイルの90℃の25%
硫酸溶液中90sec浸漬における粒界腐食深さと、粒界偏
析リン量を本発明鋼と比較鋼について測定した結果を第
1表に示す。
リンを約0.03wt%程度含有してもCaを0.0003wt%以上
に制限するか、Mg含有量0.0003wt%以上に制限し、Ca・
Mgを添加した本発明は粒界腐食性を示さず粒界における
リンの偏析も認められない。
さらに、この熱間圧延した鋼板を引き続き冷間圧延さ
らには光輝焼鈍を行なった最終製品表面で、ゴールドダ
ストを発生しない良好な製品表面が得られた。
(発明の効果) 本発明によれば、熱間圧延コイルの熱間圧延後の冷却
中、あるいは焼鈍中ならびにその冷却過程におけるリン
の粒界偏析に起因する硫酸デスケール酸洗時の粒界腐食
の発生を防止して、その後の冷間圧延表面の極めてすぐ
れた最終製品の製造を可能としたものであり、この工業
的意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、0.02〜0.040wt%の不純物リンを含有するス
テンレス鋼の粒界腐食発生のCa含有量とMg含有量との依
存性を示す図表、第2図は、上記成分のステンレス鋼の
オージェ電子分光分析による粒界偏析リン量のCa含有量
とMg含有量との依存性を示す図表である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C;0.12(重量)%以下、 Si;1.00%以下、 Mn;1.00%以下、 P;0.040%以下、 S;0.030%以下、 Cr;14〜20%、 Ni;0.75%以下、 Cu;0.005〜0.20% 及び、 Ca;0.0003〜0.0050%、 Mg;0.0003〜0.0050%の1種または2種、残部が実質的
    にFeからなることを特徴とする耐硫酸粒界腐食性に優れ
    たフェライト系ステンレス鋼。
JP785089A 1989-01-18 1989-01-18 耐硫酸粒界腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼 Expired - Lifetime JP2674818B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP785089A JP2674818B2 (ja) 1989-01-18 1989-01-18 耐硫酸粒界腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP785089A JP2674818B2 (ja) 1989-01-18 1989-01-18 耐硫酸粒界腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02190450A JPH02190450A (ja) 1990-07-26
JP2674818B2 true JP2674818B2 (ja) 1997-11-12

Family

ID=11677100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP785089A Expired - Lifetime JP2674818B2 (ja) 1989-01-18 1989-01-18 耐硫酸粒界腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2674818B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02190450A (ja) 1990-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3574806B2 (ja) 硫酸に対する優れた耐食性を有する冷間圧延鋼板
JP5664826B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板
KR101598742B1 (ko) 내스케일 박리성이 우수한 페라이트계 스테인리스 강판 및 그 제조 방법
EP0130220B1 (en) Corrosion-resistant alloy
JP5709571B2 (ja) 耐酸化性と高温強度に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP6194956B2 (ja) 優れた耐酸化性、良好な高温強度、及び良好な加工性を有するフェライト系ステンレス鋼
JP4105962B2 (ja) 空気予熱器伝熱エレメント用の耐硫酸露点腐食鋼冷延鋼板およびその製造方法
JP5989162B2 (ja) 耐酸化性と高温強度に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP3247244B2 (ja) 耐食性と加工性に優れたFe−Cr−Ni系合金
JP6314806B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板
JP2674818B2 (ja) 耐硫酸粒界腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP2001271148A (ja) 耐高温酸化性に優れた高Al鋼板
JP5709570B2 (ja) 耐酸化性と高温強度に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP2006233251A (ja) 高純度フェライト系ステンレス鋼の製造方法およびその製品
JP6539794B1 (ja) Ni基合金及びNi基合金板
JP3477113B2 (ja) 深絞り成形後の耐二次加工脆性に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板
KR870000703B1 (ko) 내식성 합금 강판의 제조법
JP4167166B2 (ja) 靭性に優れた高Al含有フェライト系ステンレス鋼熱間圧延鋼帯及びその製造方法
JP6146400B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板
JP2000178694A (ja) 表面性状と加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼およびその製造方法
JP3608636B2 (ja) 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP4193227B2 (ja) Fe−Cr−Si鋼板およびその製造方法
JPH06100941A (ja) 高マンガン非磁性鋼帯の製造方法
JP2801837B2 (ja) 耐食性に優れたFe−Cr合金
JPH05179357A (ja) フェライトステンレス冷延鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070718

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 12