JP2673212B2 - 地盤内壁体 - Google Patents

地盤内壁体

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JP2673212B2 JP63258591A JP25859188A JP2673212B2 JP 2673212 B2 JP2673212 B2 JP 2673212B2 JP 63258591 A JP63258591 A JP 63258591A JP 25859188 A JP25859188 A JP 25859188A JP 2673212 B2 JP2673212 B2 JP 2673212B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、列車走行あるいは道路交通等によって発
生する振動が、地盤を伝播して周辺に振動問題を引き起
こすのを防止するために構築される地盤内壁体に関す
る。
「従来の技術」 従来この種の地盤内壁体としては、地盤Gに溝を形成
した後、第8図に示すように、地盤中Gにコンクリート
製の地中連続壁1を構築したもの、また、第9図に示す
ように、地盤G中に発泡スチロール版2のみを埋設する
ことにより壁体構造したもの、第10図に示すように、地
盤G内に発泡スチロール版2aと該発泡スチロール版2aの
両側にジベル筋3によって接続されたコンクリート壁1
a,1aとを埋設することにより壁体構造としたもの等が知
られている。
「発明が解決しようとする課題」 ところが、上記従来の地盤内壁体にあっては、次に挙
げるような課題があった。
コンクリート製の地中連続壁の場合には、壁体内部
での振動の減衰率が小さいため、該壁体を透過する振動
量が多い。
発泡スチロールのみを埋設した壁体構造の場合に
は、コンクリート壁に比べて大きな振動の減衰効果を得
ることができるが、地下水位が生じた際に浮き上がって
しまう恐れがある。
発泡スチロールをコンクリート壁によって両側から
挾んだ壁体の場合には、発泡スチロールのみを用いた壁
体の場合に比べて、減衰率が低減する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、従
来のものがもつ課題を解決する地盤内壁体を提供するこ
とを目的としている。
「課題を解決するための手段」 この発明では、上記課題を解決するために、地盤内に
有孔塩化ビニル管等のように内部に空洞が形成されかつ
側面に多数の孔が形成された有孔筒状部材を束状に連ね
て壁体を形成するようにしている。また、地盤内にアス
ファルト版と発泡スチロール版とを交互にかつ層状に重
ね合わせて壁体を形成するようにしてもよい。
「作用」 地盤中を伝わる振動が、空洞が形成されかつ不連続体
によって形成された壁体の内部を通過することにより大
きく減衰され、透過した振動が小さくなる。また、有孔
筒状部材の側面に形成されている多数の孔を通して地下
水が壁体内の空洞に侵入することができるため、地下水
位によって壁体が浮き上がることがない。
同様に、地盤中を伝わる振動が、発泡スチロール版と
アスファルト版とが交互に重ね合わされた壁体の内部を
通過する際に大きく減衰され、透過した振動が小さくな
る。また、内部発泡スチロールはアスファルトによって
固定されているため地下水位によって浮き上がるような
ことがない。
「実施例」 以下、この発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。第1図ないし第4図は、本発明の地盤内壁体の実施
例示すものである。
まず、第4図を用いて、本実施例の地盤内壁体が設置
される場所の概要について説明する。図中符号Gは地盤
であり、該地盤G内には杭10,10,・・が打設され、該杭
10,10,・・の上部にはピアー(支持壁)11が構築され、
該ピアー11の上部にはバラスト12、杭木13、レール14が
敷設され、その上部を列車15が走行するようになってい
る。そして、このようにピアー11上を列車15が走行する
場合には、大きな振動が発生し、この振動がピアー11の
基礎部分から地盤G内を伝わって周辺に伝わる。そのた
め、該ピアー11より所定の距離だけ離れた地盤G中に
は、上記列車15が走行する際に発生する振動の伝播を防
止するための、地盤内壁体16が構築されたものとなって
いる。
そして、第1図は上記地盤内壁体16の第1実施例を示
すものであり、該地盤内壁体16は同形状に形成された筒
状部材、即ち有孔塩化ビニル管17,17,・・・を所定の本
数束ねて、地盤内に鉛直に立設させると共に、上記ピア
ー11の側部に沿って延在するように整列させることによ
り壁体16aとし、該壁体16aの周囲には各有孔塩化ビニル
管17の側面に形成された孔17a,17a,・・の目詰まりを防
止するための砕石18が地盤Gとの間に敷設された構造と
なっている。
第2図は上記地盤内壁体16の第2実施例を示すもので
あり、該地盤内壁体16は上記第1実施例と同様に形成さ
れた筒状部材、即ち有孔塩化ビニル管17,17,・・を所定
の本数束ねて水平方向に配置して地上まで積み重ねると
ともに、ピアー11の側部に沿って延在するように配設す
ることにより壁体16aとし、該壁体16aの周囲には、上記
有孔塩化ビニル管17の側面に形成された孔17a,17a,・・
・の目詰まりを防止するための砕石18が、地盤Gとの間
に敷設されたものである。
第3図は上記地盤内壁体16の第3実施例を示すもので
あり、該地盤内壁体16は地盤G中に、所定の面積に形成
されたアスファルト版19と発泡スチロール版20と交互に
層状に重ね合わせると共に、ジベル筋21によって接続す
ることにより壁体16aを形成し、これをピアー11の側部
に沿って延在するように整列させたものである。
つぎに、上記のように構成された、本実施例の地盤内
壁体の施工方法に付いて、第5図ないし第7図を用い
て、その作用と共に説明する。
まず、第5図を用いて、上記第1実施例の地盤内壁体
について説明すると、第5図a)に示すように、上記ピ
アー11から所定の距離離間させた地盤G内にピアー11の
延在する方向に沿って断面が逆台形状の溝Mを掘削す
る。
つぎに、第5図(b)に示すように、溝Mの底部に砕
石18を敷設するとともに、地上において、有孔塩化ビニ
ル管17,17,・・を不織布22で所定の本数束ねて直方体状
に形成した後、該有孔塩化ビニル管17,17・・・をクレ
ーン(図示せず)等により上記溝M内の砕石18の上部に
鉛直方向に立設させる。さらに、上記直方体状に形成さ
れた有孔塩化ビニル管を、溝Mの延在する方向に沿って
すき間なく整列させて壁体16aを構築した後、第5図
(c)に示すように、上記整列させた塩化ビニル管17の
周りを砕石18と土砂23によって埋め戻す。
なお、第2実施例に示す地盤内壁体16の場合にも、上
記第1実施例の場合と略同様にして構築する。
したがって、この実施例の地盤内壁体にあっては、地
盤中を伝わる振動が、第7図に示すように、空洞が形成
された不連続体、即ち有孔塩化ビニル管17によって形成
された壁体の内部を通過する際に大きく減衰されること
となり、該壁体16aを透過した振動が小さくなる。ま
た、地下水Wが壁体を構成する有孔塩化ビニル管7の側
面に形成された孔17aから管内に侵入することができる
ため、地下水位によって地盤内壁体16が浮き上がること
がない。
なお、地盤内壁体の有孔塩化ビニル管の形状や、束に
する本数等は設置される情況に応じて、適宜設計変更す
ることができるのは勿論である。また、上記実施例で
は、筒状部材に有孔塩化ビニル管を用いたが、これに限
られることなく、振動の減衰率の大きな有孔筒状部材を
束ねて壁体としたものであればよい。
つぎに、第6図を用いて、第3実施例の地盤内壁体16
について説明する。
まず、第6図(a)に示すように、ピアー11から所定
距離離間された地盤G内に上記ピアー11の延在する方向
に沿って逆台形状の溝Mを形成すると共に、地上におい
て、所定の面積に形状されたアスファルト版19と発泡ス
チロール版20とを交互にかつ層状に重ね合わせると共に
ジベル筋21によって接続することにより壁体16aを形成
した後、第6図(b)に示すように、該壁体16aをクレ
ーン等を使用して上記溝Mの内部に建て込む。さらに、
上記壁体を溝Mに沿って、すき間なく連続的に接続した
後、第6図(c)に示すように、土砂23によって埋め戻
す。
このように、第3実施例に示す地盤内壁体にあって
は、地盤中を伝わる振動が、発泡スチロール20とアスフ
ァルト版19とが交互に重ね合わされた壁体16aの内部を
通過する際に大きく減衰されることとなり、透過した振
動が小さくなる。また、内部の発泡スチロール20はジベ
ル筋21を介してアスファルト19によって固定されている
ため地下水位によって浮き上がるようなことがない。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明の地盤内壁体は、地盤
内に有孔塩化ビニル管等のように内部に空洞が形成され
かつ側面に多数の孔が形成された有孔筒状部材を束状に
連ねて壁体を形成したものであるので、地盤中を伝わる
振動が、筒状部材の内部を通過することにより大きく減
衰され、該壁体を透過した振動が小さくなる。また、有
孔筒状部材の側面に形成されている多数の孔を通して地
下水が壁体内の空洞に侵入することができるため、地下
水位によって壁体が浮き上がることがない。また、地盤
内にアスファルト版と発泡スチロール版とを交互にかつ
層状に重ね合わせて壁体を形成した場合にも、地盤中を
伝わる振動が壁体の内部を通過する際に、従来のコンク
リート壁を用いた場合に比べて大きく減衰されることと
なり壁体を透過した振動が小さくなる。また、内部発泡
スチロールはアスファルトによって固定されているため
地下水位によって浮き上がるようなことがないという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の地盤内壁体の実施例を示
すものであり、第1図は地盤内壁体の第1実施例を示し
一部断面をした斜視図、第2図は地盤内壁体の第2実施
例を示し一部断面をした斜視図、第3図は地盤内壁体の
第3実施例を示し一部分を断面した斜視図、第4図は地
盤内壁体の設置された場所の概要を示す側断面図、第5
図(a),(b),(c)は第1,第2実施例の地盤内壁
体を構築する方法を説明するための説明図、第6図
(a),(b),(c)は第3実施例の地盤内壁体を構
築する方法を説明するための説明図、第7図は地盤内壁
体の作用を説明するための説明図、第8図ないし第10図
は従来の技術を示す図であり、第8図はコンクリート製
の地盤内壁体の斜視図、第9図は発泡スチロール製の地
盤内壁体の斜視図、第10図は発泡スチロールとコンクリ
ートとを層状に重ねて製作された地盤内壁体の斜視図で
ある。 G……地盤、16……地盤内壁体、16a……壁体、17……
有孔塩化ビニル管(有孔筒状部材)、17a……孔、19…
…アスファルト、20……発泡スチロール、21……ジベル
筋。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤内に有孔塩化ビニル管等のように内部
    に空洞が形成されかつ側面に多数の孔が形成された有孔
    筒状部材を束状に連ねて壁体を形成したことを特徴とす
    る地盤内壁体。
  2. 【請求項2】地盤内にアスファルト版と発泡スチロール
    版とを交互にかつ層状に重ね合わせて壁体を形成したこ
    とを特徴とする地盤内壁体。
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