JP2672668B2 - 燃料装荷異常診断システム - Google Patents

燃料装荷異常診断システム

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、原子力発電所において、燃料取替作業時
に、燃料装荷が正常に行われたか否かを自動的に診断す
る燃料装荷異常診断システムに関する。
(従来の技術) 原子力発電所においては、毎年定期的に実施される定
期検査に際して、燃料の取替作業が行われる。
この燃料取替作業は、専用の燃料取替機を用いて行わ
れており、また装荷状態の異常は、燃料の装荷高さが一
定の範囲を逸脱した時のみに、目視および経験により検
出されていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、燃料取替機で取扱われる機器すなわち
燃料またはブレードガイドは、それぞれ固有の寸法を有
しており、この固有の寸法を考慮しない限り、各機器の
装荷異常を十分に精度よく検出することはできない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
は燃料取替作業における燃料装荷時の異常を正確に検出
できる異常診断システムを提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の燃料装荷異常診断システムは、原子力発電所
の燃料取替作業に際し、燃料取替機で取扱う燃料の固有
の高さ情報を計算によって求めておき、前記燃料取替機
が前記燃料またはブレードガイドを炉心に装荷したとき
に得られる装荷高さ情報を、燃料の場合は計算によって
求められた固有の高さ情報と、ブレードガイドの場合は
予め決められた固有の高さ情報と異常診断装置にて比較
し、それらの差が許容値内であるか否かに基づいて燃料
装荷状態を診断することを特徴とする。
(作用) 本発明の異常診断システムによれば、燃料取替機から
の高さ情報と各燃料およびブレードガイドの固有値に基
づいて異常の有無を判定するので、装荷異常が発生した
場合には、これを直ちに、しかも正確に判定できる。
(実施例) 次に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は、燃料取替機1を燃料取替床2上に位置さ
せ、燃料取替機1にマスト3を介して吊下げた燃料4
を、原子炉圧力容器5内の炉心6に装荷しようとしてい
る状態を示している。
計算機室7内には燃料取替機用計算機8と異常診断装
置9が設置されており、これらの間は信号ケーブル10に
よって連結されている。
燃料4を炉心6に装荷した場合、装架高さ情報が燃料
取替機1から燃料取替機用計算機8に伝わり、さらに燃
料取替機用計算機8から燃料4の装荷高さ情報が、その
燃料番号および装荷座標データとともに異常診断装置9
に伝送され、異常診断が行われる。
第2図は、異常診断の方法を例示している。
燃料取替機用計算機に、ブレードガイドまたは燃料番
号と燃料座標データが入力される(ステップS1)と、ブ
レードガイドのときは予め設定されている固有値(高さ
寸法)が出力され、燃料番号および燃料座標データのと
きはプリセットされている装荷座標の燃料の燃焼度(S
o)に基づいて燃料の固有値(論理高さ)が算出される
(ステップS2)。
また、ステップS3にてブレードガイドまたは燃料の装
荷高さ情報が入力されると、異常診断装置は、この情報
と前記ブレードガイドまたは燃料の固有値とを比較し、
それらの差が許容値内であるか否かを判定する(ステッ
プS4)。
この判定は燃料取扱い手順に沿って順次、作業が完了
するまで(ステップS5)行われ、その間、異常と判定し
た場合には異常メッセージ(ステップS6)が発せられ、
炉内点検や手直し(ステップS7)が行われる。なお、第
2図中、鎖線内が異常診断方法のフローである。
前述した、燃料の固有値(理論高さ)の算出は次のよ
うにして行われる。
燃料は、原子炉の運転により燃焼度が進むにつれ、そ
の長さが伸びることが知られている。従って、燃料の燃
焼度が判っていると、第3図の燃焼伸長曲線f(x)に
基づいて、その燃焼度から燃焼の計算上の高さ、つまり
固有値を求めることができる。なお、第3図中、ZF0と
βfは新燃料の高さと許容範囲、ZFXとβzは照射燃料
の高さと許容範囲を示す。
一方、ブレードガイドは燃料取替時に仮に使用される
ものであり、第3図に示すように、原子炉の運転とは無
関係に、製造寸法により、その固有値ZDBが決まってい
る。また、その許容範囲αは計測系を含め予め採取され
た測定値により設定されている。
以上のことから燃料またはブレードガイドについて、
それぞれの固有値(理論高さ)及びその許容範囲を決定
することができる。
このようにして燃料取替え時に、燃料取替え手順に従
って、順次、燃料またはブレードガイドを取扱ってゆく
段階で、燃料が正規の状態に装荷されたか否かをタイム
リーに、しかも正確に診断できる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の燃料装荷異常診断シス
テムによれば、燃料装荷異常が短時間に正確に診断で
き、異常があった場合には、早期に対処でき、定期検査
工程の遅延防止が可能となるという優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す全体構成図、第2図は異
常診断方法を示すフローチャート、第3図は異常診断に
必要な設定値を決定する方法を説明するグラフである。 1……燃料取替機 2……燃料取替床 3……マスト 4……燃料 5……原子炉圧力容器 6……炉心 7……計算機室 8……燃料取替機用計算機 9……異常診断装置 10……信号ケーブル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子力発電所の燃料取替作業に際し、燃料
    取替機で取扱う燃料の固有の高さ情報を計算によって求
    めておき、前記燃料取替機が前記燃料またはブレードガ
    イドを炉心に装荷したときに得られる装荷高さ情報を、
    燃料の場合は前記計算によって求められた固有の高さ情
    報と、ブレードガイドの場合は予め決められた固有の高
    さ情報と異常診断装置にて比較し、それらの差が許容値
    内であるか否かに基づいて燃料装荷状態を診断すること
    を特徴とする燃料装荷異常診断システム。
JP1224863A 1989-08-30 1989-08-30 燃料装荷異常診断システム Expired - Fee Related JP2672668B2 (ja)

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