JP2672373B2 - コピー用複合構造体 - Google Patents

コピー用複合構造体

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JP2672373B2 JP1178867A JP17886789A JP2672373B2 JP 2672373 B2 JP2672373 B2 JP 2672373B2 JP 1178867 A JP1178867 A JP 1178867A JP 17886789 A JP17886789 A JP 17886789A JP 2672373 B2 JP2672373 B2 JP 2672373B2
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    • G03G2215/00362Apparatus for electrophotographic processes relating to the copy medium handling
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コピー(複写)用複合構造体に関する。
さらに詳しくは、繊維布帛(クロス)に鮮明な画像を
安定的にかつ容易にコピーすることを実現するコピー用
複合構造体(以下、単に複合構造体と呼ぶ)に関するも
のである。
[従来の技術] 織編物などの布帛類に、文字、絵、写真などを複写す
ることは、既に提案されているところである。
例えば、特公昭57−59547号公報においては、布帛類
の非印捺面と転写用電極の間に表面平滑状シートを間挿
してトナー画像を布帛類へ直接転写印捺する方法、特公
昭58−36771号公報においては、昇華性染料を用いて、
紙に転写した後、転写面を布帛類に重ねて染料の昇華温
度以上に加熱して、昇華染料を布帛類に再転写する方
法、特開昭52−23939号公報では、キャリヤーシートと
布帛類に静電気を印加して、キャリヤーシートと布帛類
とを密着化させ印捺転写する方法、特開昭51−103433号
公報では、静電荷像用トナーを改良し、布帛類に良好に
染着できるようにしたもの、さらに実開昭60−128354号
公報、実開昭61−85465号公報では、複写しようとする
布の供給状態について検討をされた考案が提案されてい
る。
しかしながら、かかる提案は、いずれも転写方法の工
夫やあるいは着色剤に関するもの、あるいは布帛類への
後処理に関するものであり、被複写体である布帛構造そ
のもの自体を一般的に用いられてきている紙やフィルム
への複写と同様に、鮮明な画像と、複写処理の安定性を
兼ね備えるべく改良しようと試みたものではなかった、
したがって、このような従来技術では、非常に繁雑な工
程が必要とされたり、布帛類へのコピーにおいて最も問
題となるトナーの布帛類への転写効率に自ずと限界が生
じたりするので、得られる画像が不鮮明であったり、十
分な画像濃度が得られないなどの問題があった。被複写
体として現在最も多く用いられている紙、フィルム類と
は、明らかに得られる画像に差があること、更に、実際
に複写処理を行う場合において、布帛の走行性などに問
題を生じ、いまだかつて実用化に至っていないのが現状
である。
また、電子写真用画像転写材料として木綿布を用いる
ことが特開昭53−56033号公報で知られているが、木綿
は短繊維状であるため、布帛表面に毛羽が多数突出する
ほか、繊度が太いため、布帛表面は密度が粗く、凹凸の
激しいものとなり、このような布帛では着色材の転写効
率が不良となり、実用的な画像濃度が得られなかった
り、鮮明な画像が得られなくなるという問題を有する。
また、これら毛羽が多数突出する布帛においては、こす
られたときに、突出毛羽が移動するため、画像がぼける
という致命的な欠点を有する。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述したような従来技術の問題点に
鑑み、布帛に、従来被複写体として用いられている紙、
フィルム類と同等の複写性能と複写処理性を付与するこ
とにより、容易にしかも安定的にコピークロスを得るこ
とができる複合構造体(換言すれば印画布)を提供せん
とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上述した目的を達成するために、鋭意検討
した結果、極細合成繊維フィラメント(以下単に極細繊
維という)から構成された緻密でかつ平滑な面を被複写
層とし、かつ、形態固定のため、紙および/またはフィ
ルムと接着剤層を介して複合一体化させるか、あういは
糊剤を塗布および/または含浸させて複合構造体を形成
することにより、はじめて鮮明な画像を布帛に安定的か
つ容易にコピーすることができることを見出し本発明に
至った。
すなわち、本発明の複合構造体は、第1層が1デニー
ル〜0.00001デニールの極細合成繊維フィラメントの、
繊維間隔が緻密な布帛層からなり、第2層が接着剤層か
らなり、第3層がフィルムおよび/または紙からなるこ
とを特徴とするものである。
また、本発明の複合構造体は1デニール〜0.00001デ
ニールの極細合成繊維フィラメントの、繊維間隔が緻密
な布帛層に接着剤が含浸および/または塗布されて一体
化されていることを特徴とするものである。
あるいはまた、1デニール〜0.00001デニールの極細
合成繊維フィラメントに低融点熱接着繊維が交編織およ
び/または混合によって一体化された、繊維間隔が緻密
な布帛であることを特徴とするものである。
本発明において極細合成繊維フィラメントとは、長繊
維糸のことをいい、木綿や羊毛などの短繊維、あるいは
合成繊維のステープルファイバー(短繊維)とは区別さ
れる。
[作用] 以下、本発明の複合構造体について、さらに詳しく説
明する。
本発明の複合構造体において、極細繊維布帛層は被複
写部に当たる。したがって、該層を形成する布帛の構造
は複写性能に大きな影響を及ぼすことになる。
該層を形成する極細繊維において、1デニール以下の
極細繊維を製造する方法は、特に限定されるものではな
く、従来から知られている各種の極細繊維の製造技術な
どをそのまま使用することができる。すなわち、たとえ
ば、一般に、海島型複合繊維と言われる高分子相互配列
体繊維による方法で作ってもよく、また、その島成分が
さらに海島型複合繊維と言われる高分子相互配列体繊維
になっているものから作ってもよい。この場合の海成分
は、溶剤や分解剤で分離してもよいし、A、B2成分から
なる剥離型の分割繊維のように分離してもよい。また、
直接紡糸する方法において、紡糸条件を極細繊維を紡糸
する条件に設定して作ってもよいし、また、あるいは、
A、B2成分からなる剥離型の分割繊維を使用することに
より、1デニール以下の繊維となす方法等を使用しても
よい。
このような、1〜0.00001デニールの極細繊維を製造
する方法は幾つかの方法が知られており、例えば、「化
学と工業、第36巻第521〜523頁(1983年、日本化学会発
行)にも説明されている通りであり、本発明ではそれの
方法のうち適宜のものを使用できるものである。
尚、本発明でいう1〜0.00001デニールの極細繊維に
おいて、その断面形状は円形に限られたものではなく、
三角、四角、楕円、あるいは多角形などのうちいずれの
形状であってもかまわない。むしろ、偏平率の大きな楕
円形状のものや矩形状断面形状のものなどは、同一単糸
繊度で比較した場合、表面層が大きくなり、かかる繊維
からなる布帛層は、より緻密性、平滑性が向上するの
で、より好ましい形状といえる。
また、本発明でいう極細布帛層とは、上記方法などに
より得られる極細繊維使いの繊維層からなるものであれ
ばよく、該繊維層は、織編物や不織布のいずれから構成
されたものであってもよい。
織編物となす方法は、従来のいかなる方法によっても
よい。組織も織物であるならば、平織り、斜文織、朱子
織、これらの二重織りあるいは変化組織であってもよ
く、また、編物であるならば、ヨコ編、タテ編など全て
の編(広義)などが含まれ得る。また、不織布において
は、一般的なスパンボンド法あるいはフラッシュ紡糸
法、メルトブロー法などによって得られるもののいずれ
を使用してもよい。
本発明の複合構造体の布帛層を織編物によって構成さ
せる場合、タテ糸、ヨコ糸の構成糸本数及び密度は、本
発明の初期の効果を得る上において重要な要素を占め
る。すなわち、タテ糸、ヨコ糸の構成糸本数の積が5,00
0,000本/cm2以上であることが好ましく、また、タテ
糸、ヨコ糸の織、編密度の積が1,000本/cm2以上である
ことが好ましく、かかる数値を満足しない場合には、着
色剤の織編物への転写効率が不良となる傾向にあり、実
用的な画像濃度が得られなかったり、図柄の境界が不鮮
明となり鮮明な画像が得られなくなる傾向にある。
同様に、不織布においても、非常に緻密でかつなるべ
く平坦な表面構造であることが好ましい。具体的には、
必ずしも限定されるものではないが、本発明者らの知見
によれば、見掛け密度で0.15g/cm3以上のものが好まし
く、たとえば、スパンボンド不織布にカレンダー加工を
施したものや、ウォータージェットパンチを施したもの
は好適に使用することができるものである。なお、極端
なエンボス加工を施された表面凹凸の激しいものは、一
般的には本発明には適さないと言えるが、ただし、その
ような表面凹凸を生かした商品展開が特に歓迎されるよ
うな分野では、該表面凹凸の激しい不織布を使用しても
むろん差支えない。
なお、見掛け密度とは、次式によって表される値であ
る。
これらの理由を、織物を例にとりながらさらに詳しく
説明する。
本発明の複合構造体において、被複写部にあたる布帛
層に極細繊維を使用することにより、緻密でかつ特異な
フラット状構造を呈し得ることができ、一般的によく用
いられる紙(コピー用紙)に近い、非常にフラットな状
態となるのである。
すなわち、1〜0.00001デニールの極細繊維、より好
ましくは0.2〜0.00001デニールの繊維を主体として用い
て製布することにより、繊維間隔が非常に緻密となり、
ほぼ隙間のみられない断面構造となる。本発明におい
て、極細繊維を使用することは必須であるが、本発明の
目的を阻害しない範囲において他の上記繊度以外の繊度
を有する繊維を使用することを妨げないものであり、上
記『主体として』との言葉も、上記阻害しない範囲内を
意味するものである。本発明において、さらに、繊維布
表面に適宜な外圧処理(例えばプレス処理など)を加え
ることにより、より一層各極細単繊維の配列がフラット
化されて緻密となり、繊維布表面構造がフラットな細密
充填構造となり、着色剤が有効に転写される表面状態に
なるのである。
したがって、該布帛層を被複写部に使用することによ
り、着色剤の転写される有効面積が非常に多く、紙(複
写紙)に近い実用的な画像濃度及び境界の明瞭な図柄を
得ることができるのである。
ここで本発明でいう、コピー(あるいは複写)とは、
実質的に固体状の粉末を用いてシート体にした着色シー
ト体など、被複写体上に画像(原画像)を印刷または転
写させるか、または、原画像を他物体に移し移すこと以
外に、コンピューターからのデータ画像や文字データを
被複写体上に印刷するなどの電子複写のことも含めて言
うものであり、また、該電子複写とは、電子写真方式、
感熱転写方式、昇華転写方式などの各種の電子的に印刷
する印刷方式全てを含むものである。
また、上述のように織編物または不織布の緻密性を高
めるために、たとえば、熱収縮の高い糸を用いて製布
後、ニードルパンチ処理あるいはウォータジェットパン
チ処理等を加えることにより、構造をより緻密化させる
ことも有効な手段である。もちろん、ベンジルアルコー
ル、石炭酸、塩化メチレン等の薬剤処理により、極細布
帛層を緻密化させてもかまわない。
さらに、製布後、該繊維布帛の上または上下から加圧
プレス処理を施すことも、前述したようにより一層表面
をフラットな状態となし得るので好ましい。加圧プレス
処理は、たとえばアイロンを用いた処理であってもよ
く、あるいはカレンダーロール装置を用いた処理などで
あってもよい。また、プレス処理を有効に行うために
は、繊維布に使用されている素材の融点以下の温度で、
加熱処理するのもより好ましい。たとえば、素材がポリ
エステル繊維であるならば、200℃以下の温度で処理す
ることが好ましい。
また、該プレス処理は、繊維布を後述するフィルムま
たは紙などと積層し一体化するのと同時に行うのも工程
が簡略化できるので好ましい方法である。ただし、この
とき注意しなければならないことは、コピー後、該フィ
ルムまたは紙を繊維布から剥離しなければならないの
で、該フィルムまたは紙などと該繊維布を接着するのに
用いる接着剤の通常の接着剤使用条件(温度、圧力)よ
りは弱い条件で接着処理を行うことが肝要な点である。
さて、繊維布を被複写体として用いる場合、得られる
画像の鮮明性、濃度の他に、いかにシワの発生や変形を
抑制し安定した状態で複写機などに供給することができ
るかの点も重要である。かかる点については、本発明の
ごとく、繊維布とフィルム類および/または紙類とを積
層一体化して複写機などに供給し、複写後の適宜の時点
で分離すればよい。
すなわち、本発明の複合構造体の一対要件として、第
3層を形成するフィルム類および/または紙類と、第1
層の複写性能に優れた極細繊維布帛層とを接着剤を介し
て複合一体化することにより、複写処理時の安定化を図
ろうとするものである。
積層されるフィルムまたは紙などは、その厚さは6μ
m〜400μm程度、また、繊維布の厚さの1/40〜3倍程
度の厚さのものを使用するのがよい。フィルムとして
は、特に限定はないが、ポリエステル系のものやポリプ
ロピレン系のものなどの比較的硬めのものを使用するこ
とが望ましい。一般的に言うと、電子複写機にかけるこ
とのできる紙やフィルムは大概のものが使用できるし、
また、その紙やフィルムの単体では強度的な問題などか
ら複写機にかけることのできないようなものであって
も、繊維布と複合一体化すれば電子複写機にかけ得る強
度や可撓性を有するようになるものも使用することがで
きる。
これら第1層と、第3層を積層一体化させるために、
接着剤層を第2層に設ける。
接着剤層をもうけて、積層一体化させるには、種々の
方法が考えられる。
例えば表面に、熱接着性樹脂がラミネートされたフィ
ルムを用い、該接着樹脂の通常の完全接着処理温度より
も30〜50℃低い温度で、加熱圧着処理を行えばよい。通
常の完全接着処理温度近辺もしくはそれ以上の温度で接
着処理を行うと、複写後において繊維布と該フィルム、
紙との分離が困難となるので、好ましくない。
フィルムにラミネートをされる接着剤(接着樹脂)と
しては、たとえば、ポリエステル2軸延伸フィルムを用
いた場合、共重合ポリエステルとポリエチレンとが適宜
の割合いでブレンドされたものが一般的である。
加熱圧着処理条件において、温度は、接着樹脂の組成
により異なるが、前述したごとく、各々樹脂の完全接着
処理温度よりも低い条件で行うことが肝要である。たと
えば、前記樹脂組成からなる接着剤のラミネートされた
フィルムを用いる場合、完全接着処理温度は、一般に16
0〜180℃であるから、これよりも30〜50℃低い温度、す
なわち110〜130℃程度が適正な処理温度の範囲となる。
処理圧力は、繊維布の表面をフラット化することにも関
係するが、おおよそ60kg/cm2以下の圧力であるのが好ま
しい。あまり高圧力で処理すると、繊維布が目ズレ現
象、表面のテカリ現象、風合の粗硬化が懸念されるので
好ましくない。
このような方法とは別に、次のような方法を用いても
よい。
その一つは、紙および/またはフィルム上に接着剤を
塗布し、加圧接着により繊維布と一体化してもよい。
かかる方法において接着剤としては、アクリル系また
はPVA系からなる水溶性糊剤を代表的に用いることがで
きる。こうして本発明の複合構造体を得た後、コピー処
理し、接着剤の溶出処理によりフィルムおよび/または
紙と、該繊維布を分離させて用いても何らかまわない
し、また、他の布帛などと複合化させてもよい。
また、他の対応要件としては、極細繊維を用いて繊維
布を製布する際に、低融点接着繊維を混繊しておき、製
布後、低融点接着繊維よりも低い温度で、紙および/ま
たはフィルムと加圧接着する方法である。低融点接着繊
維としては、ナイロン6,66,610,12が適宜の割合で共重
合されたもの、あるいは、ポリブチレンテレフタレート
と、イソフタル酸の共重合品が一般的である。低融点繊
維の混織比率は、繊維布全重量に対し50重量%以下、好
ましくは30重量%以下がより好ましい。50重量%を越え
るものになると繊維布の風合が粗硬となったり、表面の
フラットな繊維布が得られなかったり、接着力が過大と
なり、コピー後、繊維布を剥がすのが困難となる。
また、複写布の使用目的(例えば、ワッペン、ゼッケ
ンなど)によって次のような作用を有する接着剤、接着
方法を選定するのが好ましい。
すなわち、接着剤層を介して布帛と紙類および/また
はフィルム類の本発明の構造体に複写処理した後、布帛
と紙類および/またはフィルム類を剥離させたとき、布
帛側に接着剤の大半が残っていることである。このこと
により、複写された布帛は、簡単な処理(例えばアイロ
ン処理)により容易に他の物体と一体化できる。
このような作用を有する接着剤、接着方法は、前述の
実施例の配合割合、処理条件の選定により容易に可能と
なる。
さらにまた、複写処理時の安定化を図る方法として、
これらフィルム類、紙類を接着剤層を介して積層させる
方法とは別の対応要件として、極細繊維布帛層に前述の
接着剤を布帛全体に含浸するか、あるいは布帛の複写部
とは反対側の面に塗布し、その後乾燥することにより、
布帛の複写処理性を安定化させた複合構造体とする方法
である。かかる場合、該構造体を用いて複写処理を行な
った場合、かかる接着剤を除去せずそのまま用いてもか
まわないが、かかる接着剤は除去するのがより好まし
い。例えば水溶性糊剤を用いた場合は、処理後温水に浸
して水溶性糊剤の除去を行うことができ、特に好まし
い。
さらにまた、他の対応要件として、極細繊維布帛中に
適宜の割合で前述低融点熱接着糸を混合しておき、熱プ
レス処理により布帛を複写処理が安定的に行える程度に
処理可能な複合構造体とする方法もある。
かかる場合、表面においては極細繊維層が主体となっ
て、裏面に該低融点熱接着糸が多く配置された構造とす
るのが好ましい。
本発明は、複合構造体の複写部に構成繊維の繊度を充
分に小さくし、しかも高密度で緻密な繊維布を用いるこ
とにより、被複写体として従来多用されている紙類と同
様に、高濃度でしかも型際の鮮明な画像が直接得られる
のに大きな効果を持ち、さらに繊維布の複写処理安定性
(シワの発生防止や、処理詰り防止など)を付与し、ま
た接着剤の種類及び接着方法の選定により利用方法が拡
大し、生活文化、衣料文化に大きな影響をもたらす複合
構造体(印画布)が得られることは言うまでもない。
本発明の複合構造体の主要部を形成する布帛層は、さ
らに複写前または後において、シリコーン系あるいはフ
ッ素系などの撥水撥油処理、染色仕上げ処理、コーティ
ングや貼り合わせ処理、含浸処理、縫製加工、極細繊維
を生かした吸水や親水加工処理などを、それぞれ単独ま
たは組合わせて行ってももちろんよい。特に、より鮮明
性を増すためのプラズマ処理などによる親水加工や、高
発色性を得るための低屈折率を樹脂付与や表面凹凸化処
理などは好ましく適用される。
[実施例] 以下に本発明を実施例にて詳細に説明するが、これら
の実施例によって、本発明が特別に制約、限定されるも
のではない。むしろ次の応用や展開をもたらすものであ
る。
実施例1、比較例1、2 高分子相互配列体繊維であって海成分としてポリスチ
レン、島成分としてポリエチレンテレフタレートからな
り、島/海比90/10で、トータルデニール50デニール、
9フィラメント、島成分本数が70本からなるフィラメン
トヤーンをタテ糸、ヨコ糸とし、生機密度のタテ、ヨコ
が各々57本/cm、43本/cmのタフタを得た。
このものを180℃で乾熱セット後、トリクロールエチ
レンで海成分を除去した後乾燥し、単糸繊度0.07デニー
ルの極細繊維織物を得た。このときの密度はタテ、ヨコ
各々61本/cm、45本/cmであった。したがって、タネ、ヨ
コ密度の積が2、745本/cm2であり、構成糸本数の積が
1,089,490,500本/cm2であった。
一方、ポリエステル2軸延伸フィルム(厚さ:70μ
m)の片面上に、接着剤として低融点共重合ポリエステ
ル(融点112℃)80重量%とポリスチレン20重量部との
ブレンド物を240℃にて20μm厚みに溶融押出しし、ラ
ミネートして、熱接着性フィルムを準備した。
次に、上記織物をこのフィルムの接着剤ラミネート面
に115℃のカレンダーロールを用いて熱プレス処理(プ
レス圧3kg/cm2)を施し、織物とフィルムを接着剤層を
介して積層一体化した。(なお、参考までに、織物とフ
ィルムを完全接着させるためには、160℃以上の温度が
必要であった。) さらに、比較例1用として、タテ糸が50デニール、18
フィラメント(単糸繊度2.8デニール)、ヨコ糸が75デ
ニール36フィラメント(単糸繊度2.1デニール)、仕上
げ密度がタテ43本/cm、ヨコ32本/cmのポリエチレンテレ
フタレートからなるフイラメント織物(タフタ)を準備
した。
該織物のタテ、ヨコ密度の積は1,376本/cm2であり、
構成糸本数の積は891,648本/cm2であった。
さらに、比較例2用として前述実施例で用いたのと同
様の極細繊維織物において、フィルムとの一体化前の状
態の織物をも準備した。
こうして得られた3点の被複写体において、織物とフ
ィルムの積層体においては織物面を被コピー面とし、原
画像としてカラーポスター写真を用いカラーコピー機
(富士ゼロックス(株)製EC−10型)にて全て同条件で
複写を行った。なお、積層体は、複写後簡単な手もみ作
用により、フィルムと織物を分離した。
これら3点の被複写体の複写処理性、複写性能を第1
表に示す。
第1表より明らかなごとく、本発明の複合構造体(実
施例1)は、複写機で処理するとき、通常の紙、フィル
ム類の処理と同様、シワ、詰りなどの発生もなく安定し
た処理性が得られ、しかも、原画と同等の濃色性、型際
の鮮明な画像が得られたのに対し、比較例1は複写処理
性は問題がなかったが、得られた画像濃度が非常に薄
く、不鮮明であった。また、比較例2においては、クタ
クタ、タラタラの状態で、とても処理できるものではな
かった。
実施例2 実施例1で得られた極細繊維織物を用い、織物の裏面
に水溶性ポリビニルアルコール糊剤の16%水溶液をグラ
ビアコーターにて均一に塗布し、80℃で乾燥した。
次いで、実施例1と同条件で織物の、糊剤の塗布面と
は反対の面上にカラーポスター写真を複写した後、80℃
の熱水中に静置しつつ、織物から糊剤を除き、乾燥し
た。
これら一連の作業で、複写処理性、複写性能などにお
いて特に問題は見られず、また、得られた画像は鮮明な
ものであった。
実施例3 タテ糸に50デニール、24フィラメントのポリエステル
フィラメント糸、表ヨコ糸に245デニール、40フィラメ
ントの海島型合成繊維(海成分:ポリスチレン、島成
分:ポリエチレンテレフタレート、島/海比率=78/2
2、島成分本数:36本(単繊維繊度=0.13デニール)、の
フィラメント糸を用い、裏ヨコ糸に50デニール、24フィ
ラメントのポリエステルフィラメント糸と、50デニー
ル、10フィラメントの低融点共重合ナイロンフィラメン
ト糸(融点130℃)を1本交互に配列し、仕上げ密度が
タテ糸54本/cm、ヨコ糸64本/cmからなる表組織が5枚朱
子で裏組織が2/3ツイルのヨコ二重織物を得た。しかる
後、該織物を乾熱セットした後、トリクロルエチレンで
海成分を除去し、表面が0.13デニールの極細繊維から構
成され、かつ、裏面が低融点接着繊維が配設された複合
構造の布帛を得た。なお、共重合ナイロンフィラメント
糸は、低融点接着繊維の役目を果たすものであり、該繊
維は、布帛全重量に対して6.9重量%の混織比率であっ
た。
該織物の、タテ、ヨコ糸の織密度積は1,296本/cm2
あり、構成糸本数の積は60,424,704本/cm2であった。
次いで、該織物を、100℃に加熱されたカレンダーロ
ールを用いて手で強く押さえながら織物の裏面とフィル
ムとを熱圧着した。
さらに、織物面に実施例1と同条件でカラーポスター
写真を複写した後、手で織物とフィルムとを剥離した。
これら一連の作業において、複写処理性、複写性能と
も良好であった。
実施例4 実施例3で得た、表組織が5枚朱子で、裏組織が2/3
ツイルのヨコ二重織物を乾熱セットした後、トリクロル
エチレンで海成分を除去した後、乾燥し、表面が単繊維
繊度0.13デニールからなる極細繊維で、裏面が低融点接
着繊維が配設された構成の布帛を、テフロンコートされ
た加熱ロールにて110℃の温度でプレス処理を施した。
かかるプレス処理を施すことにより、該布帛は形態が安
定し腰のあるものとなり、実施例1と同条件でカラー写
真を複写したところ、複写処理性、複写性能とも良好で
あった。
[発明の効果] 以上述べた通りの本発明によれば、以下に列記するよ
うな優れた作用、効果を奏する新規な電子複写用複合構
造体を得ることができる。
(1) 紙、フィルム類の同様、直接複写が可能で、し
かも複写性の非常に良好な繊維布帛を表層に有するコピ
ー用複合構造体である。
(2) 製造方法が容易であり、しかも直接複写が可能
な構造体であるので、コスト低減効果が大である。
(3) 紙、フィルム類と同様、シワを発生することな
く、また、処理詰りのないコピー用複合構造体である。
(4) 画像濃度、図柄、文字などの境界が明瞭で型際
のしっかりした画像を得ることのできるコピー用複合構
造体である。
(5) 複合構造体の第2層を形成する接着剤の種類、
接着条件を変更することにより多種多様の用途展開が可
能である。
かかる本発明の複合構造体を用いれば、該構造体の繊
維クロス面に、種々の絵、文字、写真などをコピーする
ことができ、そうして得られる繊維布帛(コピークロ
ス)は、例えば、ワッペン、ハンカチ、地図、旗、ポス
ター、ちらし、雑誌、辞書、手芸布、などの身の回り
品、Tシャツ、ポロシャツなどのスポーツウェア、ブラ
ウス、カッターシャツ、スーツ、ワンピースなどのフォ
ーマルなウェア、さらにはレインコート、アノラック、
ヤッケなどの雨具用布帛、その他カーテン、壁装材など
の室内外の装飾材や、また記録材としても有効に使用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−56033(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1層が1デニール〜0.00001デニールの
    極細合成繊維フィラメントの、繊維間隔が緻密な布帛層
    からなり、第2層が接着剤層からなり、第3層がフィル
    ムおよび/または紙からなることを特徴とするコピー用
    複合構造体。
  2. 【請求項2】1デニール〜0.00001デニールの極細合成
    繊維フィラメントの、繊維間隔が緻密な布帛層に接着剤
    が含浸および/または塗布されて一体化されていること
    を特徴とするコピー用複合構造体。
  3. 【請求項3】1デニール〜0.00001デニールの極細合成
    繊維フィラメントに低融点熱接着繊維が交編織および/
    または混合によって一体化された、繊維間隔が緻密な布
    帛であることを特徴とするコピー用複合構造体。
  4. 【請求項4】表面が、1デニール〜0.00001デニールの
    極細合成繊維フィラメントから構成され、かつ裏面が低
    融点熱接着繊維で構成されて一体化された、繊維間隔が
    緻密な布帛であることを特徴とするコピー用複合構造
    体。
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