JP2671386B2 - 自動車用受信装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動車用ラジオ受信機等、自動車に搭載
され、各種電波を受信する自動車用受信装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕 第６図は、従来の自動車用受信装置を示すもので、自
動車（１）の車室（２）内のコンソールボツクス（３）
にラジオ放送用の受信装置（ａ）を装着したものであ
り、（4a）は選局スイツチ、（4b）は周波数表示部、
（4c）は音量調節用ダイヤルである。一般に、自動車
（１）の車体（1a）は金属で構成されているため、上記
のような受信装置（４）のアンテナ（図示せず）は、通
常、車体（1a）のフエンダ部（図示せず）やピラー部
（1b）等に設けられ、同軸ケーブル（図示せず）等を介
して受信装置（４）と接続されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来装置においては、受信装置（４）とアンテナ
との距離が長く、雑音の混信を防ぐ等のために、上記の
ように同軸ケーブル等で接続しなければならなかつたた
め、この接続用のケーブルによつて受信感度が低下する
という課題があつた。さらに、受信装置（４）は使用者
の目の高さよりもかなり下方に装着されているため、選
局スイツチ（4a）等を操作しにくいという課題があつ
た。

この発明は上記のような課題を解決するためになされ
たもので、受信感度を向上させ、かつ、操作性も向上さ
せることのできる自動車用受信装置を得ることを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る自動車用受信装置は、自動車の天井を
支える支柱に、アンテナ、同調部、操作部及び表示部を
装着したものである。

〔作 用〕

この発明においては、アンテナと同調部とを支柱に装
着することにより、アンテナと同調部とを接続する接続
線を短かくし、接続線による受信感度の低下を抑制する
とともに、操作部を上記支柱に装着することにより、使
用者の目の高さと操作部の高さが略一致し、操作性が向
上し、さらに表示部を上記支柱に装着することにより、
使用者の目の高さと表示部の高さとが略一致するので、
視認性が向上する。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
１図ないし第５図において、（５）は自動車、（６）は
この自動車（５）の車体、（７）は上記自動車（５）の
天井（８）を支える運転席側前方の支柱、（９）はこの
支柱（７）に装着されるアンテナで、第２図に詳細を示
すように、電波の受信部となる伸縮自在の棒状のポール
（9a）と、このポール（9a）を圧縮して収納した際に上
記支柱（７）との電気的な接触を防ぐための筒状の絶縁
性ケース（9b）と、上記支柱（７）に装着するための装
着部（9c）とによつて構成されており、上記絶縁性ケー
ス（9b）が上記支柱（７）の内部に収納され、上記ポー
ル（9a）は、伸張された際に、車体（６）の外側（車室
の反対側）となるよう装着されている。（10）は上記ア
ンテナ（９）のポール（9a）と接続線（11）で接続さ
れ、上記支柱（７）の車室（12）側に装着された細長い
板状のラジオ放送用受信機本体であり、とくに電子同調
式のAM放送受信用のものを示している。このものは、第
4a図ないし第4c図に外観の詳細を示すように、上記接続
線（11）が接続されるコネクタ（13）と、周波数上昇用
スイッチ（15a）及び周波数下降用スイッチ（15b）等の
操作部への操作に応じて同調部（23）が同調する電波に
関連する情報、即ち同調周波数を数字で表示する周波数
表示部（14）と、選局を希望する周波数を上記周波数表
示部（14）に表示させるための操作部材となる周波数上
昇用スイツチ（15a）及び周波数下降用スイツチ（15b）
と、予め設定された周波数を記憶させておき、直接その
周波数を呼び出すための操作部材となる４つの選局スイ
ツチ（16）と、音量及び音質を調節するとともに電源ス
イツチも兼ねた操作部材となるダイヤル（17）と、第５
図に示す電源（18）及びスピーカ（19）との接続線（2
0）がコネクタ（21a）を介して接続されるコネクタ（21
b）と、支柱（７）に装着するための装着部（22）とを
備えている。さらに、その受信機本体（10）は、第
（５）図の回路構成図に示すように、アンテナ（９）の
ポール（9a）と接続されて電波に同調する同調部（23）
と、この同調部（23）を制御するとともに、同調部（2
3）の出力信号を増幅及び検波等の信号処理をする信号
処理部（24）と、この信号処理部（24）の出力する音声
信号を調整して音量及び音質を変化させる調整部（25）
と、この調整部（25）の出力信号を増幅してスピーカ
（19）を駆動する電力増幅部（26）と、同調部（23）に
同調用指令を与えるスイツチ（15a）（15b）（16）及び
調整部（25）を調節するダイヤル（17）を有する操作部
（27）と、信号処理部（24）の出力信号に応じて同調周
波数を表示する上記周波数表示部（14）とによつて構成
されている。同調部（23）において、（23a）はアンテ
ナ（９）からの受信信号を増幅する増幅回路であり、バ
イパスコンデンサ（23b）と、バイアス用抵抗（23c）
と、FETトランジスタ（23d）と、ゲイン調整用トランジ
スタ（23e）とによつて構成されている。また、（23f）
はバリアブルキャパシタ（図示せず）などで構成され、
受信電波に同調する電子同調回路であり、上記信号処理
部（24）によつて制御されるものである。操作部（27）
の操作部材である。スイツチ（15a）ないし（16）並び
にダイヤル（17）のうち、各スイツチ（15a）ないし（1
6）によつて、同調用指令が信号処理部（24）を経由し
て同調部（23）へ与えられ、所望の周波数が選択され
る。また、ダイヤル（17）によつて、音声及び音質の調
整用指令が調整部（25）へ与えられ、所望の音量及び音
質が設定されるよう構成されている。

〔作 用〕

上記のように構成された実施例においては、アンテナ
（９）によつて受信された電波が同調部（23）に入り、
操作部（27）によつて設定された周波数に同調されて、
この周波数の受信信号のみが信号処理部（24）で増幅さ
れ、さらい検波された後、操作部（27）によつて調整さ
れた音量及び音質に調整部（25）で調整され、さらに電
力増幅部（26）で増幅されてスピーカ（19）が駆動され
るものである。

以上のように、この実施例においては、アンテナ
（９）と受信機本体（10）とを支柱（７）に装着したた
め、アンテナ（９）と同調部（23）とを接続する接続線
（11）を例えば５〜10cm程度に短くすることができ、こ
の接続線（11）として同軸ケーブルを用いた場合にも、
接続線（11）の容量が第６図に示した従来装置に比べ減
少し、これに胃より、本実施例のようなAM放送用受信機
の場合には受信感度が向上するものである。また、接続
線（11）の長さが５〜10cm程度であり、しかも第６図に
示した従来の取付位置であつたコーソールボツクス
（３）に比べ、支柱（７）の位置は、イグニツシヨンノ
イズ等の雑音発生源であるエンジンから離れているた
め、アンテナ（９）と同調部（23）とを単にアース線と
信号線の２本の接続線によつて接続しても、実用上充分
な耐雑音性を有することができる。さらに、アンテナ
（９）と同調部（23）とを一体にして、接続線を廃止す
ることも可能であり、一層、耐雑音性を向上させること
ができるものである。

また、この実施例においては、操作部（27）が支柱
（７）に装着されているために、使用者の目の高さと操
作部（27）の高さが略一致し、使用者にとつて視認性が
よく、操作性が向上するものである。

さらに、この実施例でおいては、周波数表示部（14）
が支柱に装着されているために、使用者の目の高さと周
波数表示部（14）の高さとが略一致し、使用者にとって
視認性が向上する。

また、受信機本体（10）は細長い板状をしており、視
界の妨げが少ないものである。

なお、上記実施例においては、アンテナと受信機本体
とを運転席側前方の支柱に装着して、運転者にとつて使
用し易い構成としたが、これに限らず、例えば助手席側
前方の支柱や、前席と後席の間の支柱、さらには後席後
方の支柱等、搭乗者が容易に手を届かせ得る支柱であれ
ばどの支柱でもよいものである。

また、上記実施例においては、AM放送用受信装置につ
いて説明したが、FM放送用についても、接続線の長さが
短くなる分受信信号の減衰量が少くなり、受信感度が向
上するものである。

さらに、また、放送用電波のみならず、自動車電話
や、一般の無線電話用の電波を受信するものにも適用で
きるのは言うまでもない。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明によれば、アンテナと
同調部と操作部と表示部とを同一の支柱に装着するよう
にしたため、受信感度及び操作性が向上するとともに、
操作者への視認性が向上するという優れた効果を得るこ
とができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は、この発明の一実施例を示すもの
で、第１図は自動車の支柱にアンテナと受信機本体とが
装着された状態を示す斜視図、第２図はアンテナと受信
機本体の外観を示す斜視図、第３図は受信機本体が支柱
に装着された状態を車室内から見た斜視図、第4a図ない
し第4c図は、受信機本体の詳細な外観を示すそれぞれ上
面図、正面図及び下面図、第５図は電気的接続を示すブ
ロツク図である。第６図は、従来の装置を示すもので、
受信機本体がコンソールボツクスに装着された状態を車
室内から見た斜視図である。 図において、（７）は支柱、（９）はアンテナ、（10）
は受信機本体、（23）は同調部、（27）は操作部であ
る。 なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示す
ものである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の天井を支える支柱の車体外側に装
   着され、電波を受信するアンテナ、上記支柱に装着さ
   れ、上記アンテナと接続されて上記電波に同調する同調
   部、上記支柱の車室側に装着され、上記同調部に同調用
   指令を与えるための操作部材を有する操作部、上記支柱
   の車室側に装着され、上記操作部への操作に応じて上記
   同調部が同調させる電波に関連する情報を表示する表示
   部を備えた自動車用受信装置。