JP2670933B2 - ハロゲン化銀写真感光材料処理装置 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料処理装置

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JP2670933B2
JP2670933B2 JP35562591A JP35562591A JP2670933B2 JP 2670933 B2 JP2670933 B2 JP 2670933B2 JP 35562591 A JP35562591 A JP 35562591A JP 35562591 A JP35562591 A JP 35562591A JP 2670933 B2 JP2670933 B2 JP 2670933B2
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秀昭 野村
光一 佐々木
敬 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料を、処理液が通過できる間隙をもって重畳し、該間
隙に処理液を供給して処理するハロゲン化銀写真感光材
料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、露
光後に発色現像、脱銀、水洗、安定等の工程により処理
される。発色現像処理には、発色現像液、脱銀処理には
漂白液、定着液、漂白定着液、水洗には水道水、井戸
水、化学処理又は物理処理した水あるいはイオン交換
水、蒸留水、安定処理には安定液がそれぞれ使用され
る。一方、白黒写真感光材料では発色現像の代わりに白
黒現像、定着、水洗によって処理される。各処理液は通
常20〜50℃に温調され、カラー及び白黒写真感光材
料はこれらの各処理液中に浸漬されて処理される。
【0003】感光材料のこのような処理を商業的に実施
するには、コスト及び人手作業の軽減、公害負荷の低
減、処理装置のコンパクトさ、更には商品価値の向上の
ため、できるだけ少量の処理液で安定かつ優れた処理性
能を得ることが要求される。安定した処理性能を得るた
めには処理液組成は常に一定の範囲内に保たれることが
必須であり、また優れた性能を得るためには十分な量の
処理液にムラなく均一に浸漬される必要がある。
【0004】したがって、カラー写真感光材料の商業的
処理にはカラー現像所におけるように多量の処理液を貯
溜した処理槽を有した自動現像機が使用され、一定量の
カラー感光材料を処理するごとに、処理液の疲労を補正
する補充液を自動的に補充して貯溜処理液の組成が常に
一定の範囲内に収まるように設計されている。このよう
な連続補充システムは、多量のカラー写真感光材料を毎
日一定の範囲内の量処理する場合には極めて良好な結果
を得る。しかし、カラー写真感光材料の処理量に比例し
て補充を供給するシステムであるために、相対的にカラ
ー写真感光材料の処理量が少ない時は現像処理に基づく
液組成成分の消費及び蓄積よりも水分の蒸発による処理
液の濃縮や、処理液組成成分の空気酸化、分解等による
成分変化が上回り、処理面積に基づく補充供給のみでは
一定範囲内の処理液組成を維持できず、したがって安定
かつ優れた処理性能を得ることができない。
【0005】最近は消費者の好みの多様化、即座にカラ
ープリントを得たいという要望、副業としてカラー写真
処理を行いたいなどの要望があり、カラー写真感光材料
の処理では大規模現像所での集中処理からミニラボによ
る分散型の少量処理、更には少量かつ迅速処理に急速に
移行しつつあり、特に後者での閑散処理では上記連続補
充システムの欠点が大きな問題として顕在化しつつあ
る。一方、白黒写真感光材料の処理でも同様な傾向が見
られ、特に小型処理機による補充処理、更には小型迅速
処理機による補充処理時の閑散補充ではカラー処理と同
様に連続補充システムの欠点が問題化しつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記要望に鑑み、本出
願人は特願平2−119254号明細書に記載されてい
るような簡易な感光材料処理方法を提案した。該方法
は、少ない処理液量でも安定した処理性能が得られ、し
かも処理装置が小型になるという利点がある。しかしな
がら、上記方法により感光材料を処理したところ、感光
材料の表面に微細な点状の処理ムラが見られ、これは感
光材料間に処理液を供給した際に発生した気泡の影響で
あることが確認された。感光材料間に処理液を供給する
時に気泡の発生は避けられず、発生した気泡が感光材料
間にそのまま滞留すると、感光材料は全面が均一に処理
液と接触することができず、処理ムラとなってしまう。
このような処理ムラは、特に現像処理において現像遅れ
として顕著に現れる。
【0007】また、上記方法では重畳した感光材料の間
に間隙を形成するために、感光材料又はスペーサーに突
出部を設けている。上記処理によれば、この突出部の背
後に位置する乳剤面にスジ状の処理ムラが見られ、これ
は該突出部の背後で渦流や乱流が生じて処理液が滞留し
ていることによると考えられる。本発明の目的は上記問
題を解決することにあり、気泡や突出部の影響による処
理ムラのないハロゲン化銀写真感光材料処理装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る上
記目的は、下記(1)〜(4)によって達成される。 (1) 支持体上に少くとも一層のハロゲン化銀乳剤層
を有する写真感光材料を、処理液が通過できる間隙をも
って重畳してカプセル内に装填し、該カプセル内に処理
液タンクから処理液を供給して処理する感光材料処理装
置において、前記処理液タンクから前記カプセル内に負
圧を生じさせない液速度で処理液を供給する処理液供給
手段を備えたことを特徴とする感光材料処理装置。
【0009】(2) 支持体上に少くとも一層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、処理液が通過で
きる間隙をもって重畳し、該間隙に処理液を供給して処
理する感光材料処理装置において、処理時の感光材料表
面の接触角CAと前記間隙を通過する処理液の流速uと
が、 u≧α(CA)2 +β (α、βは定数) であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料処理
装置。
【0010】(3) 支持体上に少くとも一層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、処理液が通過で
きる間隙をもって重畳し、該間隙に処理液を往復供給し
て処理する感光材料処理装置において、前記処理液の往
動と復動との間に処理液停止状態を設定する手段を備え
たことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料処理装
置。
【0011】(4) 支持体上に少くとも一層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、処理液が通過で
きるような間隙をもって重畳し、該間隙に処理液を供給
して処理する感光材料処理装置において、前記間隙内に
下方から上方に向けて処理液を供給する手段を備えたこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料処理装置。
【0012】本発明において、処理液が通過できる間隙
を形成するには、感光材料の乳剤面又は支持体面に突出
部を設けてもよいが、突出部を有するスペーサーを感光
材料と重畳してもよい。
【0013】処理液供給手段により処理液タンクからカ
プセルに処理液を供給する際に、負圧を生じさせないよ
うにするには、処理液タンクとカプセルとの間の流路の
一番狭い部分のレイノルズ数Reが10-2≦Re≦10
0、好ましくは10-2≦Re≦50、更に好ましくは1
-1≦Re≦15となるように、給液速度、配管径等を
設定する。このように設定した結果、給液動作に伴いカ
プセル内に気泡が供給されることはなく、感光材料は処
理液と均一に接触することができ、気泡の影響による処
理ムラを防止することができる。
【0014】また、カプセル内でも上記レイノルズ数と
なるような速度で液が移動すれば負圧は生じないので気
泡の発生を防止できるが、カプセル内では液の移動は速
い程好ましい。このような理由でカプセル内で給液速度
より遅い速度で液を移動させると、カプセル内に残留し
ていた空気が気泡となったり、負圧が生じて気泡が発生
するので、気泡による処理ムラが発生する。ところが、
本発明者らの実験によれば、カプセル内における処理時
の感光材料表面の接触角CAと処理液の流速uとの関係
が、u≧α(CA)2 +β (α、βは定数)であれ
ば、気泡が発生しても気泡が感光材料表面に付着しない
ことが判明した。具体的にはu≧0.016(CA)2
−22が好ましく、更に好ましくはu≧0.020(C
A)2 −22である。なお、上式の関係は感光材料の接
触角CAが38°以上のときに特に好ましく、接触角C
Aが38°より小さいときは、流速u>0であればよ
い。後に実施例で説明するように、感光材料の接触角C
A及び処理液の流速uを種々設定して処理を行ったとこ
ろ、表2〜表4及び図11に示す結果が得られた。この
結果から、上式に示す接触角CAと流速uとの関係が帰
納されるに到った。
【0015】感光材料と処理液(例えば現像液)との接
触角CAが50°以下、好ましくは40°以下であるこ
とにより、間隙を設けて重畳した感光材料間に処理液を
導入したときに気泡が発生しても、気泡は感光材料間に
滞留せずに移動して行く。感光材料の接触角CAとして
は特に最初に接触する処理液との接触角が重要であり、
例えば黒白感光材料にあっては黒白現像液との接触角、
カラー感光材料にあってはカラー現像液との接触角が5
0°以下、好ましくは40°以下である。
【0016】感光材料表面の接触角CAと処理液の流速
uとが上記関係であれば、感光材料表面に気泡が付着す
ることはないが、処理液の供給方向によっても気泡の付
着を防止できる。すなわち、処理液をカプセルの下方か
ら上方に向けて供給することにより、気泡は浮力及び処
理液の上昇流の作用で上昇するので、感光材料表面には
付着せず、カプセルから排出される。
【0017】また、前記間隙を形成するために感光材料
自身に突出部が設けられたり、突出部を有するスペーサ
ーが共に重畳されたりするが、液を往復移動させている
だけではこれらの突出部の背後での液の交換効率が良く
なく、スジ状の処理ムラが生じる。これは、処理液が往
復方向にしか移動しないため、突出部の背後では同一液
が滞留していると考えられる。そこで、処理液の往動と
復動との間に一時的に液を停止状態にすることにより、
処理ムラの発生を防止することができる。すなわち、処
理液の往動と復動との間に処理液を搬送しない時期を設
定し、処理液を慣性力のみにより移動させることによ
り、処理液は突出部の背後でも適当に拡散して交換され
る。処理液は一部に滞留せずに良好に交換されるので、
感光材料にスジ状の処理ムラは生じない。
【0018】本発明で、写真感光材料表面または処理用
スペーサ表面と処理液との接触角θは常法により求めら
れる。詳しくは、例えば次のようにして求められる。図
10に示すように、感光材料又はスペーサの表面に処理
液の液滴を載せ、その直後の液滴の底辺の1/2をrと
し、液滴の高さをhとするとtanθ1 がh/rとして
算出でき、接触角θ=2θ1 として求めることができ
る。接触角の測定は市販の測定装置を用いることがで
き、例えば協和界面科学株式会社製のFACE自動接触
角計CA−Z型を用いることができる。
【0019】なお、感光材料又はスペーサ表面に処理液
を滴下してその直後に接触角を測るが、滴下2秒後を直
後と定義し、本発明においてはこのときの接触角が50
°以下、好ましくは40°以下である。また、接触角
は、乾膜後の感光材料又はスペーサを常温常湿(例えば
20℃,55%RH)下で30分間保存後に測定され
る。
【0020】感光材料又はスペーサ表面に処理液を滴下
したとき、一般に時間と共に液滴が広がる(接触角が小
さくなる)傾向にあるが、この傾向が大きい方が好まし
い。例えば、処理液を滴下した2秒後から10秒後の間
に接触角の変化が3°以上であることが好ましく、特に
5°以上であることが好ましい。また、滴下直後の接触
角が50°以上の感光材料又はスペーサであっても、上
記のように時間の経過に伴い接触角が低下するものであ
れば利用することができる。このときの接触角の低下量
は、上記と同様に処理液を滴下した2秒後から10秒後
の間に接触角の変化が3°以上であることが好ましく、
特に5°以上であることが好ましい。
【0021】なお、本発明で感光材料の表面とは感光材
料の乳剤層側の面及び/又はバック側の面を言うが、特
にバック側の面の接触角を低下させることが好ましい。
また、スペーサの表面とは感光材料の乳剤面と対向する
面を言う。また、接触角を測定するときに用いる処理液
は、感光材料が最初に接触する処理液(例えば現像液)
で評価することが好ましい。このことが泡の防止を評価
する点で1つの重要な点である。また、そのとき処理液
は新液であっても、場合によっては使用済であってもよ
いし、また両者の混合液であってもよい。
【0022】本発明において、感光材料又はスペーサの
表面と処理液との接触角を50°以下にするには、また
経時によって接触角を低下させるには、例えば感光材料
又はスペーサの表面にゼラチンなどの水溶性ポリマーか
らなる親水性コロイド層を設けることによって行うこと
ができる。ゼラチンは硬膜剤によって硬膜してもよく、
しなくてもよい。可溶性層を設ける場合には、硬膜しな
い方が好ましい。
【0023】本発明においては、感光材料の支持体のバ
ック面やスペーサの感光材料の乳剤面と対向する側に可
溶性層を設けることが好ましいが、これらの可溶性層に
も前記水溶性ポリマーを用いることができる。
【0024】本発明で上記の目的で用いる水溶性ポリマ
ーはデンプン類、マンナン類、ガラクタンやアルギン酸
ナトリウムなどの海藻類、トラガントゴムやアラビアゴ
ムやデキストランなどの植物粘質物、ゼラチンやカゼイ
ンなどのタンパク質、メチルセルロースやヒドロキシセ
ルロースやカルボキシメチルセルロースなどのセルロー
ス類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミドなどの合成ポリマーなどが含まれる。
この中で特にゼラチンが好ましく用いられる。これらの
水溶性ポリマーはもちろん単独で用いられるが二種以上
のポリマーを混合して使用することも出来る。
【0025】ゼラチンは汎用の石灰処理ゼラチンの他に
酸処理ゼラチンや日本科学写真協会誌(Bull.Soc.Sci.Ph
ot.Japan)No.16, 30頁(1966)に記載されたような酵素処
理ゼラチンを用いてもよく、またこれらの加水分解物も
用いることができる。また、これらのゼラチンをイオン
交換処理し、含まれるイオンの種類や量をコントロール
したゼラチンも好ましく用いられる。例えば、カチオン
交換樹脂を用いてカルシウムイオンをナトリウムイオン
や水素イオンに交換したもの、塩素イオンなどのアニオ
ンをアニオン交換樹脂によって水酸イオンに変換したも
の、またはこれらの組合せ処理をしたものなどが一般的
である。ゼラチンに他の基を結合したいわゆる誘導体化
ゼラチンも好ましく用いられる。誘導体化ゼラチンとし
ては、フタル化ゼラチン、ポリアクリルアミドをグラフ
ト化したゼラチンなどが好ましい。また特開平1−16
6032号に記載のようなゼラチン分解物にアミノ酸ア
ルキルエステルをアミド結合したポリマーも用いる事が
出来る。
【0026】親水性物質の塗布の際に種々の界面活性剤
を用いることも有用な方法である。界面活性剤としては
アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性など何れを
用いることも可能であるが、アニオン性および非イオン
性界面活性剤が好ましく、特にアニオン性界面活性剤が
好ましい。例えば、デリヤギン著「フイルム塗布理論」
(B.M.Deryagin,S.M.Levi:Film Coating Theory:The Foc
al Press,1964)p159〜p164や江田研一著「界面活性剤研
究−2、写真工業への応用」(幸書房、1963年刊)など
に記載の界面活性剤が好ましく用いられる。これらは代
表例であり、市販の界面活性剤を添加することができ
る。市販の界面活性剤はDetergents & Emulsifiers(McC
utcheon's Publication/Annual) に記載されたものが用
いられる。
【0027】上記本発明の処理は、写真感光材料の全処
理工程に逐次的に行ってもよいが、一部の工程のみに適
用し他の工程は従来の処理方法を用いてもよい。本発明
において感光材料を重畳させる際に形成される間隙は、
ハロゲン化銀感光材料の画像面を除く部分、好ましくは
感光材料の縁部に周期的に又はランダムに凸部を設ける
ことにより形成することができる。また、例えば凸部を
設けた非感光性のフィルム(例えばシート状、長尺
状)、凹凸面を持つフィルム(例えばシート状、長尺
状)、感光材料の両縁部を支えて間隙を形成する部材等
のスペーサを用いることができる。
【0028】感光材料はロール状に巻回して重畳しても
よく、平面的に重畳してもよい。本発明においては、ロ
ール状に重畳する方式は現像処理(写真処理)を非常に
コンパクトな容器内で行うことができるなどの点で特に
好ましい。本発明における感光材料間の間隙は、処理液
を安定に供給できる範囲であればよく、好ましくは0.
01〜2mm、更に好ましくは0.05〜2mm、特に
好ましくは0.05〜0.5mmである。なお、間隙は
狭い方が処理する容器をコンパクトにする点などで好ま
しいが、あまり狭くすると逆に、現像処理時のムラなど
の問題が生じ良好な画像を得ることができにくくなる点
で好ましくない。
【0029】間隙を形成するためには、感光材料の片面
の両耳サイドに凸部を設ける第1の方法と感光材料の間
にスペーサを配置する第2の方法とがある。第1の方法
には、圧力、加熱等により感光材料の両耳(両端部)に
エンボスを設ける方法や波型を形成する方法がある。具
体的には和裁で使用するローレットを用いることができ
る。エンボスの形は三角錐、四角錐等の多角錐、円錐、
三角柱等の多角柱、円柱でもよい。サイズは直径(D)
として0.01〜2mm、高さ(H)は0.01〜2m
m、エンボスの間隔(L)は、40cos-1〔(20−
H)/20〕mmよりも小さいものが好ましい(0.0
1≦H(mm)≦2、H/5≦D(mm)≦15Hがよ
り好ましい)。
【0030】波型を形成する方法は、加熱、加圧により
フィルムの両端を波型にすればよい。波の高さはエンボ
スの高さ(H)と同じないし2倍の高さでよい。波の間
隙はエンボスの間隙(L)と同じないし2倍でよい。サ
イズはエンボスの間隔(L)と同じないし2倍でよい。
第2の方法では、両面に凸部を有する(両端のみ)ダミ
ーフィルムと感光材料とを2枚重ねにして渦巻状に巻き
込んで間隙を形成する方法と、感光材料の両端に沿って
間隙を形成しかつ処理液が供給できるようなスペーサを
入れるようにしてもよい。ダミーフィルムの凸部形成方
法は、前述の感光材料に設けた凸部の形成方法と同じで
あり、凸部のサイズは感光材料の前記凸部の2〜4倍で
もよい(ただし両面に凸部がある)。
【0031】本発明において、処理の一工程が終了する
までに間隙容量の少なくとも等量の処理液が置換される
ことが好ましい。間隙容量とは、感光材料の感光面に接
して形成された間隙の容量の総和である。処理の一工程
とは、黒白写真感光材料の処理では、現像工程、定着工
程、停止工程、安定工程、水洗工程等の各工程であり、
カラー写真感光材料の処理では、発色現像工程、定着工
程、漂白工程、漂白定着工程、反転工程、安定工程、水
洗工程等の各工程である。これらの全処理において処理
液が等量以上置換される必要はないが、現像工程を含む
少なくとも一工程は等量以上の処理液が置換されること
が好ましい。
【0032】処理液の置換は等量以上が好ましいが、更
に好ましくは1等量〜100等量、より好ましくは1等
量〜10等量である。ここで、処理液の流れを変化させ
て置換する場合には、1処理工程に対して2回以上変化
させることが好ましく、より好ましくは3〜100回、
特に好ましくは4〜10回変化させる。これにより、一
層安定しかつ均一な写真画像を得ることができる。ここ
で間隙容量は用いる感光材料の巾の他、長さによって変
化するが、例えば35mm巾の24〜36枚どりの感光
材料の場合には、5〜30ml、好ましくは7〜15m
lとすることによって、コンパクトでありながら良好な
現像処理をすることができる。また、処理液量は好まし
くは5〜50ml、より好ましくは10〜30mlを用
いて行なうことができる。
【0033】また、本発明の処理装置においてはコンパ
クトなため処理液の量は少ないので、使い捨てても特に
汚染等の問題を生じない。また、処理液の処理中の経時
変化(劣化)を考慮する必要がないため、処理剤の設計
がやりやすくなる。処理液を置換する場合その方法は特
に限定されないが、例えば長尺の感光材料を渦巻状に巻
き込んだ場合には長手方向に対して実質的に直角方向に
処理液を供給することが、置換効率などの点から好まし
い。ここで、実質的に直角方向とは、±30°以内であ
ることが好ましい。また、シート状などの感光材料の場
合においても、間隙のパス長の短い方向に処理液を移動
させることが処理性(現像ムラの抑制など)の点から好
ましい。
【0034】更に、処理液の置換方向は処理の一工程の
間、一定方向のままであってもよいし、経時的に変化
(例えば逆方向)させてもよい。処理液の置換方向は、
処理の均一性の点から経時的に変化させることが好まし
い。このように狭い間隙に処理液を自由落下などではな
く、供給手段により強制的に供給することにより、少量
の処理液であっても予想外にも良好な写真画像を得るこ
とができた。感光材料を処理液の液流の中に置くことに
より、極めて効率的に処理を行うことができる。これ
は、従来のタンク現像方式では得ることのできなかった
高度な液攪拌が可能となったためと考えられる。本発明
によれば、処理工程において、処理容器に対して充填さ
れた感光材料を実質的に動かすことなく、むしろ少ない
処理液を供給し流動せしめて、効率的に処理することが
できる。本発明によれば、感光材料の感光面に接する間
隙容量の少なくとも2倍の処理液量で現像処理できる効
果がある。ここで、実質的に動かさないとは、手動で容
器を振ったりすることによって内部の感光材料を容器内
で移動させるものではないということである。
【0035】また、上記方法を自動化した装置で実施す
る場合には、処理容器を大きく振動させることによって
主たる液流を作らないほうが好ましい。本発明によれ
ば、フレッシュな処理液を用いて処理を開始し充分に使
い切ることができる。このことは、処理液の効率的使用
つまり処理液量の削減ばかりでなく、処理の安定化、更
に処理液が現像液の場合には以外にも感光材料の高感度
化と画像の微粒子化にも著しく優れた効果をもたらすこ
とが判った。本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層にはハロゲン化銀として臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭
化銀、塩臭化銀および塩化銀のいずれを用いてもよい。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(球状
または球に近似の粒子の場合は粒子直径、立方体粒子の
場合は、稜長を粒子サイズとし、投影面積にもとずく平
均で表わす)は粒子サイズ分布はせまくても広くてもい
ずれでもよい。写真乳剤層中のハロゲン化銀粒子は、立
方体、八面体のような規則的(regular) な結晶形を有す
るものでもよく、また球状、板状などのような変則的(i
rregular) な結晶形をもつもの、あるいはこれらの結晶
形の複合形をもつものでもよい。種々の結晶形の粒子の
混合から成ってもよい。ハロゲン化銀粒子は内部と表層
とが異なる相をもっていても、均一な相から成っていて
もよい。また潜像が主として表面に形成されるような粒
子でもよく、粒子内部に主として形成されるような粒子
であってもよい。
【0036】本発明に用いられる写真乳剤はピー グラ
フキデ(P. Glafkides)著 シミーエ フィジク フォ
トグラフィック(Chimie et Physique Photographique
)〔ポール モンテル(Paul Montel )社刊、1967
年〕、ジー エフ デュフィン(G. F. Duffin)著 フ
ォトグラフィック エマルジョン ケミストリー(Phot
ographic Emulsion Chemistry )〔ザ フォーカル プ
レス(The Focal Press)刊、1966年〕、ヴィ エル
ゼリクマン他(V. L. Zelikman et al)著 メーキング
アンド コーティング フォトグラフィック エマル
ジョン(Making and Coating Photographic Emulsion)
〔ザ フォーカル プレス(The Focal Press )刊、19
64年〕などに記載された方法を用いて調製することがで
きる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等のい
ずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反
応させる形式としては片側混合法、同時混合法、それら
の組合わせなどのいずれを用いてもよい。
【0037】ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過
程において、カドミウム塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリ
ジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、
鉄塩まはたその錯塩などを共存させてもよい。化学増感
のためには、例えば、エイチ フリーザー(H. Friese
r)編 ディーグルンドラーゲンダー フォトグラフィ
ッシェン プロツェッセミト ジルバー−ハロゲニゲン
(Die Grundlagender Photographischen Prozesse mit
Silber−halogeniden )〔アカデミッシェ フェアラー
グスゲゼルシャフト(Akademische Verlagsgesellschaf
t ),1968〕 675〜734 頁に記載の方法を用いることが
できる。すなわち、活性ゼラチンや銀と反応しうる硫黄
を含む化合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メル
カプト化合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感法;
還元性物質(例えば、第一すず塩、アミン類、ヒドラジ
ン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合
物)を用いる還元増感法;貴金属化合物(例えば、金錯
塩のほかPt、Ir、Pdなどの周期率表VIII族の金属
の錯塩)を用いる金属増感法などを単独または組み合わ
せて用いることができる。
【0038】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちアゾール
類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール
類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンゾイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニ
トロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類
(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)な
ど;メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン
類;例えばオキサドリンチオンのようなチオケト化合
物;アザインデン類、例えばトリアザインデン類、テト
ラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,
3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデ
ン類など;ベンゼンチオスルフォン酸、ベンゼンスルフ
ィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド、ベンゼンスルフ
ォン酸アミド等のようなカブリ防止剤または安定剤とし
て知られた、多くの化合物を加えることができる。
【0039】写真乳剤層または他の親水性コロイド層に
用いられるバインダーとしては、ゼラチンを用いるのが
有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いること
ができる。例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分
子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋
白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロ
ース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘
導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部
分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール糖の単一あ
るいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用
いることができる。
【0040】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類、その他によって分光増感されてもよい。用いられ
る色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシア
ニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミ
オキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、シ
アニン色素、メロシアニン色素、および複合メロシアニ
ン色素に属する色素である。これらの色素類には、塩基
性異節環核としてシアニン色素類に通常利用されている
核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリン核、オ
キサブリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾー
ル核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール
核、テトラゾール核、ピリジン核など;これらの核に脂
環式炭化水素環が融合した核;およびこれらの核に芳香
族炭化水素環が融合した核、すなわち、インドレニン
核、ベンズインドレニン核核、インドール核、ベンズオ
キサゾール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾー
ル核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベ
ンズイミダゾール核、キノリン核などが適用できる。こ
れらの核は炭素原子上に置換されていてもよい。
【0041】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核としてピラゾリン
−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾ
リン−2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツ
ール酸核などの5〜6員異節環核を適用することができ
る。これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それら
の組合わせを用いてもよく、増感色素の組合わせは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用を持たない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を
示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強
色増感を示す色素の組合わせおよび強色増感を示す物質
はリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosur
e ) 176巻 17643(1978年12月発行)第23頁IVのJに記
載されている。
【0042】本発明の写真感光材料の写真乳剤層には色
形成カプラー、すなわち発色現像処理において芳香族1
級アミン現像薬主薬(例えば、フェニレンジアミン誘導
体や、アミノフェノール誘導体など)との酸化カップリ
ングによって発色しうる化合物を含んでもよい。例え
ば、マゼンタカプラーとして、5−ピラゾロンカプラ
ー、ピラゾロベンツイミダゾールカプラー、シアノアセ
チルクマロンカプラー、開鎖アシルアセトニトリルカプ
ラー等があり、イエローカプラーとして、アシルアセト
アミドカプラー(例えばベンゾイルアセトアニリド類、
ピバロイルアセトアニリド類)等があり、シアンカプラ
ーとして、ナフトールカプラー、およびフェノールカプ
ラー等がある。これらのカプラーは分子中にバラスト基
とよばれる疎水基を有する非拡散のものが望ましい。カ
プラーは銀イオンに対し4当量性あるいは2当量性のど
ちらでもよい。
【0043】また色補正の効果をもつカラードカプラ
ー、あるいは現像にともなって現像抑制剤を放出するカ
プラー(いわゆるDIRカプラー)であってもよい。ま
たDIRカプラー以外にも、カップリング反応の生成物
が無色であって現像抑制剤を放出する無呈色DIRカッ
プリング化合物を含んでいてもよい。カプラーをハロゲ
ン化銀乳剤層に導入するには公知の方法例えば米国特許
2,322,027号に記載の方法などが用いられる。例えばフ
タール酸アルキルエステル(ジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレートなど)、リン酸エステル(ジフェニル
フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリク
レジルフォスフェート、ジオクチルブチルフォスフェー
ト)、クエン酸エステル(たとえばアセチルクエン酸ト
リブチル)、安息香酸エステル(例えば安息香酸オクチ
ル)、アルキルアミド(例えばジエチルラウリルアミ
ド)、脂肪酸エステル類(例えばジブトキシエチルサク
シネート、ジオクチルアゼレート)、トリメシン酸エス
テル類(例えばトリメシン酸トリブチル)など、または
沸点約30℃ないし 150℃の有機溶媒、例えば酢酸エチ
ル、酢酸ブチルのごとき低級アルキルアセテート、プロ
ピオン酸エチル、2級ブチルアルコール、メチルイソブ
チルケトン、β−エトキシエチルアセテート、メチルセ
ロソルブアセテート等に溶解した後、親水性コロイドに
分散される。上記の高沸点有機溶媒と低沸点有機溶媒と
を混合して用いてもよい。
【0044】本発明の写真感光材料には、写真乳剤層そ
の他の親水性コロイド層に無機または有機の硬膜剤を含
有してもよい。例えばクロム塩(クロム明ばん、酢酸ク
ロムなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオ
キサール、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロー
ル系化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒ
ダントインなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒド
ロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,
5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジ
ン、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノールな
ど)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒ
ドロキシ−1,3,5−トリアジンなど)、ムコハロゲ
ン酸類(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸な
ど)、などを単独または組合わせて用いることができ
る。
【0045】本発明の感光材料の写真乳剤層または他の
親水性コロイド層には塗布助剤、帯電防止、スベリ性改
良、乳化分散、接着防止および写真特性改良(例えば現
像促進、硬調化、増感)など種々の目的で種々の界面活
性剤を含んでもよい。本発明のハロゲン化銀写真乳剤に
は、その他の種々の添加剤が用いられてもよい。添加剤
としては、例えば、増白剤、染料、分光増感剤、減感
剤、硬膜剤、塗布助剤、帯電防止剤、可塑剤、スベリ
剤、マット剤、現像促進剤、オイル、媒染剤、紫外線吸
収剤、退色防止剤、色カブリ防止剤などを用いることが
できる。これらの添加剤について、具体的にはリサーチ
・ディスクロージャー(RESEARCH DISCLISURE ) 176号
第22〜31頁(RD−17643 )(Dec., 1978)などに記載さ
れたものを用いることができる。
【0046】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。本発明の写真感光材
料において写真乳剤層その他の層は写真感光材料に通常
用いられているプラスチックフィルム、紙などの可とう
性支持体または合成の支持体に塗布される。可とう性支
持体として有用なものは、硝酸セルロース、酢酸セルロ
ース、酢酸酪酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート
等の半合成または合成高分子から成るフィルム、バライ
タ層またはα−オレフィンポリマー(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)等を
塗布またはラミネートした紙等である。本発明の写真感
光材料において、写真乳剤層その他の親水性コロイド層
は公知の種々の塗布法により支持体または他の層の上に
塗布できる。塗布には、ディップ塗布法、ローラー塗布
法、カーテン塗布法、押出し塗布法などを用いることが
できる。米国特許 2,681,294号、同 2,761,791号、同
3,526,528号に記載の方法は有利な方法である。
【0047】本発明は支持体上に少なくとも2つの異な
る分光感度を有する多層多色天然色写真材料にも適用で
きる。多層天然色写真材料は、通常支持体上に赤感性乳
剤層、緑感性乳剤層、および青感性乳剤層を各々少なく
とも一つ有する。これらの層の順序は必要に応じて任意
に選べる。赤感性乳剤層にシアン形成カプラーを、緑感
性乳剤層にマゼンタ形成カプラーを、青感性乳剤層にイ
エロー形成カプラーをそれぞれ含むのが通常であるが、
場合により異なる組合わせをとることもできる。
【0048】さらに、本発明に用いられる写真感光材料
としては、種々のカラーおよび黒白感光材料を挙げるこ
とができる。例えば、撮影用カラーネガフィルム(一般
用、映画用等)、カラー反転フィルム(スライド用、映
画用等、またカプラーを含有しない場合もする場合もあ
る)、カラー印画紙、カラーポジフィルム(映画用
等)、カラー反転印画紙、銀色素漂白法を用いるカラー
感光材料、製版用写真感光材料(リスフィルム、スキャ
ナーフィルム等)、X線写真感光材料(直接・間接医療
用、工業用等)、撮影用黒白ネガフィルム、黒白印画
紙、マイクロ用感光材料(COM用、マイクロフィルム
等)等を挙げることができる。中でも撮影用感光材料、
特に撮影用カラー感光材料に本発明の方法は有効であ
る。
【0049】本発明に用いられる感光材料がカラー撮影
用感光材料の場合には、乳剤層を有する側の全親水性コ
ロイド層の膜厚の総和が28μm以下であり、かつ膜膨潤
速度T1/2 が30秒以下が好ましい。膜厚としては好まし
くは25μm以下、T1/2 としては好ましくは20秒以下で
ある膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定し
た膜厚を意味し、膜膨潤速度T1/2 は、当該技術分野に
おいて公知の手法に従って測定することができる。例え
ば、エー・グリーン(A. Green)らによりフォトグラフ
ィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Phot
og. Sci.Eng.),19巻、2号、 124〜129 頁に記載の型
のスエロメーター(膨潤計)を使用することで測定で
き、T1/2 は発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に
到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、この 1/2
の膜厚に到達するまでの時間と定義する。
【0050】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は 150〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さ
きに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨
潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。本発明の感
光材料の写真処理には、公知の方法のいずれをも用いる
ことができるし処理液には公知のものを用いることがで
きる。また、処理温度は通常、18℃から50℃の間に選ば
れるが、18℃より低い温度または50℃をこえる温度とし
てもよい。目的に応じ、銀画像を形成する現像処理(黒
白写真処理)、或いは、色素像を形成すべき現像処理か
ら成るカラー写真処理のいずれをも適用することができ
る。本発明の方法はこれらの処理の工程すべてに用いて
もよいし、1または2以上の工程に用いてもよい。
【0051】黒白現像液には、ジヒドロキシベンゼン類
(例えばハイドロキノン)、3−ピラゾリドン類(例え
ば1−フェニル−3−ピラゾリドン)、アミノフェノー
ル類(例えばN−メチル−p−アミノフェノール)等の
公知の現像主薬を単独或いは組合わせて用いることがで
きる。本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液
は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主
成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬
としては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、
p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、
その代表例として3−メチル−4−アミノ−N,N−ジ
エチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル
−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4
−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミド
エチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル
−N−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸
塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩が挙げら
れる。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用するこ
ともできる。
【0052】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物塩、
沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類
もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤またはカ
ブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要に応
じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミ
ン、亜硫酸塩ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド
類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン酸類、
トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ〔2,
2,2〕オクタン)類の如き各種保恒剤、エチレングリ
コール、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベン
ジルアルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモ
ニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプ
ラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイドライドの
ようなカブラセ剤、1−フェニル−3−ピラゾリドンの
ような補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン
酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホス
ホノカルボン酸に代表されるような各種キレート剤、例
えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、エトリロ−N,N,
N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,
N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸、エチレン
ジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれ
らの塩を代表例として上げることができる。
【0053】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類また
はN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフェ
ノール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み
合わせて用いることができる。これらの発色現像液及び
黒白現像液のpHは9〜12であることが一般的である。こ
の他L. F. A.メイソン著「フォトグラフィック・プロセ
シン・ケミストリー」、フォーカル・プレス刊(1966
年)の 266〜229 頁、米国特許 2,193,015号、同 2,59
2,364号、特開昭48−64933 号などに記載のものを用い
てもよい。
【0054】現像液はその他、アルカリ金属の亜硫酸
塩、炭酸塩、ホウ酸塩、およびリン酸塩の如きpH緩衝
剤、臭化物、沃化物、および有機カブリ防止剤の如き現
像抑制剤ないし、カブリ防止剤などを含むことができ
る。また必要に応じて、硬水軟化剤、ヒドロキシルアミ
ンの如き保恒剤、ベンジルアルコール、ジエチレングリ
コールの如き有機溶剤、ポリエチレングリコール、四級
アンモニウム塩、アミン類の如き現像促進剤、色素形成
カプラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイドライ
ドの如きかぶらせ剤、1−フェニル−3−ピラゾリドン
の如き補助現像薬、粘性付与剤、米国特許 4,083,723号
に記載のポリカルボン酸系キレート剤、西独公開(OL
S) 2,622,950号に記載の酸化防止剤などを含んでもよ
い。
【0055】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III) 、コバルト
(III) 、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合
物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。
代表的漂白剤としてはフェリシアン化物;重クロム酸
塩;鉄(III) もしくはコバルト(III) の有機錯塩、例え
ばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢
酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類も
しくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩;過硫酸
塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニトロベンゼン類など
を用いることができる。これらのうちエチレンジアミン
四酢酸鉄(III) 錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸
鉄(III) 錯塩及び過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防止の
観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(II
I) 錯塩は漂白液においても、漂白定着液においても特
に有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III)
錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常 5.5〜8
であるが、処理の迅速化のために、さらに低いpHで処理
することもできる。
【0056】漂白液、漂白定着液およびそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第 3,893,858号、西独特許第 1,290,812
号、特開昭53−95,630号、リサーチ・ディスクロージャ
ーNo.17,129 号(1978年7月)などに記載のメルカプト
基またはジスルフィド結合を有する化合物;特開昭50−
140,129 号に記載の如きチアゾリジン誘導体;米国特許
第 3,706,561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58−1
6,235号に記載の沃化物塩;西独特許第 2,748,430号に
記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45−8836号
記載のポリアミン化合物;臭化物イオン等が使用でき
る。なかでもメルカプト基またはジスルフィド基を有す
る化合物が促進効果が大きい観点で好ましく、特に米国
特許第 3,893,858号、西独特許第 1,290,812号、特開昭
53−95,630号に記載の化合物が好ましい。更に、米国特
許第 4,552,834号に記載の化合物も好ましい。これらの
漂白促進剤は感光材料中に添加してもよい。撮影用のカ
ラー感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤
は特に有効である。定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシ
アン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の
沃化物塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用
が一般的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範
に使用できる。漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸
塩、重亜硫酸塩、スルフィン酸類あるいはカルボニル重
亜硫酸付加物が好ましい。
【0057】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、ジャーナルオブ ザ ソサエティ オブ モー
ション ピクチャー アンド テレビジョンエンジニア
ズ(Journal of the Society of Motion Picture and T
elevisionEngineers )第64巻、248 〜253 頁(1955年
5月号)に記載の方法で、求めることができる。
【0058】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した
浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明
のカラー感光材料の処理において、このような問題の解
決策として、特開昭62−288,838 号に記載のカルシウム
イオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を極めて
有効に用いることができる。また、特開昭57−8,542 号
に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール
類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌
剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴
剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴
技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」に記載
の殺菌剤を用いることもできる。
【0059】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗水
温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し
得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは
25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発
明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって
処理することもできる。このような安定化処理において
は、特開昭57−8,543 号、同58−14,834号、同60−220,
345 号に記載の公知の方法はすべて用いることができ
る。また、前記水洗処理に続いて、更に安定化処理する
場合もあり、その例として、撮影用カラー感光材料の最
終浴として使用される、ホルマリンと界面活性剤を含有
する安定浴を挙げることができる。この安定浴にも各種
キレート剤や防黴剤を加えることもできる。
【0060】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。本発明のハロゲン化銀カラー感光材料
には処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内
蔵しても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種
プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第
3,342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第 3,3
42,599号、リサーチ・ディスクロージャー14,850号及び
同15,159号記載のシッフ塩基型化合物、同13,924号記載
のアルドール化合物、米国特許第 3,719,492号記載の金
属塩錯体、特開昭53−135,628 号記載のウレタン系化合
物を挙げることができる。本発明のハロゲン化銀カラー
感光材料は、必要に応じて、発色現像を促進する目的
で、各種の1−フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵し
ても良い。典型的な化合物と特開昭56−64,339号、同57
−144,547 号、および同58−115,438 号等記載されてい
る。本発明における各種処理液は10℃〜50℃において使
用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、
より高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆
により低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を
達成することができる。
【0061】
【実施態様】以下、添付図面を参照して本発明の一実施
態様を説明する。ただし本発明は本実施態様のみに限定
されない。図1は本発明の第1の実施態様である携帯用
のカラーフィルム処理装置の斜視図であり、図2は該処
理装置の原理図である。
【0062】処理装置10はすべての構成部品をケース
12内に備え、該ケース12は持ち運びが容易なように
把手14を備えており、また、開閉扉16を備えており
内部を容易に露出させることができる。処理装置10は
処理液としての発色現像液、漂白定着液、水洗水をそれ
ぞれ充填された処理液タンク18、20、22と、処理
後の処理廃液を収容する廃液タンク24を備えている。
露光済フィルム26は図3に示すように、長手方向の両
端に沿って円錐状の突出部28を有し、図4に示すよう
にロール状に巻回されてカプセル30内に収容されてい
る。フィルム26はエンボス加工等による突出部28を
有するので、ロール状に巻回したときに乳剤面と支持体
面との間に適切な間隙が形成されて重畳される。カプセ
ル30は処理液の入口と出口とを有し、処理液の供給・
排出手段であるピストン・シリンダユニット32、34
の間にシリンダ36、38と連通するように装填され
る。そして、該カプセル30内に各処理液を順次充填し
て発色現像処理を行うようになっている。なお、処理液
タンク18、20、22から廃液タンク24までの流路
は実質的に気密かつ液密に構成されている。各シリンダ
36、38の容積はカプセル30の容積より大きくなっ
ている。
【0063】カプセル30は遮光機能を有することが好
ましく、これにより明室での装填及び処理が可能にな
る。ピストン40、42はモータ44、46によりクラ
ンク機構を介して往復駆動され、各ユニット32、34
内のピストン40、42の往復運動によりカプセル30
内を処理液が移動するようになっている。なお、処理液
の新液はカプセル30の下方にあるピストン・シリンダ
ユニット32に供給され、処理後の廃液はカプセル30
の上方にあるピストン・シリンダユニット34から排出
される。
【0064】下方のピストン・シリンダユニット32
は、3つの弁48、50、52を介して各処理液タンク
18、20、22と連結されており、これらの弁48、
50、52の2つ以上が同時に開かないように制御装置
56により作動を制御されており、シリンダ36内には
処理液が1種類ずつ供給されるようになっている。ま
た、上方のピストン・シリンダユニット34は弁54を
介して廃液タンク24と連結されており、フィルム処理
後の廃液を廃液タンク24内に収容できるようになって
いる。前記モータ44、46及び弁48、50、52、
54は操作ボタン58等を備えた制御装置56により、
処理手順に従って作動を制御される。
【0065】次に、図2を参照してフィルム処理方法に
ついて説明する。フィルム26を収容したカプセル30
を装置に装填してから、処理開始スイッチを操作するこ
とにより処理が開始される。処理開始前に各ピストン4
0、42は最もカプセル寄りに位置している。まず、処
理開始信号により現像液供給用の弁48のみが開かれ、
下方のモータ44の駆動によりピストン40が下降し、
タンク18内の現像液が弁48を通って下方のシリンダ
36内に吸引される。このときピストン40による吸引
速度は、泡の発生を防止するために、現像液流路に負圧
が生じない流速となるように制御される。負圧が生じな
い流速にするためには、流路の最も狭い部分でのレイノ
ルズ数Reが、10-2≦Re≦100、好ましくは10
-2≦Re≦50、更に好ましくは10-1≦Re≦15で
ある。
【0066】レイノルズ数が上記範囲になるようにする
ことにより泡の発生を防止でき、泡によるフィルム26
の処理ムラを防止することができる。ピストン40が最
下部まで下降した後、開いていた弁48が閉じられる。
次いで、ピストン40が上昇を開始し、シリンダ36内
の現像液をカプセル30内に供給する。このとき、カプ
セル30内にはまだ空気が入っているので、この空気を
カプセル30から廃液タンク24へ排出するために廃液
用の弁54を一時開いておく。そして、カプセル30内
の空気がすべて排出されて現像液がこの弁54に達した
ところで弁54を閉じる。同時に、上方のピストン42
を上昇させてカプセル30内の現像液を上方のシリンダ
38内に吸入する。なお、廃液タンク24内の空気を適
宜排出できるように、廃液タンク24には空気抜孔等を
設けておくことが好ましい。
【0067】下方のピストン40が最高位置に上昇した
ときは、カプセル30及び上方のシリンダ38の一部に
現像液が満たされている。そして、上方のピストン42
と下方のピストン40とを同期して上下動させて、カプ
セル30内で現像液を上下に往復移動させる。このよう
な現像液の往復移動により現像液が攪拌される。このと
きの現像液の流速uは、カプセル30内における処理時
のフィルム表面の接触角CAとの関係が u≧α(CA)2 +β (α、βは定数) であることが好ましい。後に実施例で説明するように、
フィルム26の接触角CAと現像液の流速uとを種々設
定して処理したところ、表2〜表4及び図11に示す結
果が得られ、接触角CAと流速uとは上式に示す関係
にあることが帰納された。ここで、接触角CAが40
°、50°のときに泡が発生しなかった流速uを実験的
に求めた結果、CA=40°のときはu=3cm/秒、
CA=50°のときはu=17cm/秒であった。これ
らの値から、α=0.016、β=−22が算出され
る。したがって、上式は u≧0.016(CA)2 −22 となる。なお、上式はフィルム26の接触角CAが3
8°以上のときの好ましい流速uであり、更に好ましい
流速は u≧0.020(CA)2 −22 である。なお、接触角CAが38°より小さいときは、
流速u>0であればよい。
【0068】カプセル30内での処理時に、残留してい
た空気が気泡となることがあるが、流速uがフィルム2
6の接触角CAと上記関係にあれば、気泡がフィルム2
6の表面に付着しないことがわかった。したがって、上
記関係となるように接触角CA及び流速uを調整すれ
ば、気泡の影響で現像ムラが生じることはない。
【0069】現像液をカプセル30内で上下動させる攪
拌時に、上方への移動と下方への移動との間に現像液の
一時停止期間を設けることが好ましい。カプセル30内
に巻回されているフィルム26は図3に示す円錐状の突
出部28により間隙が形成されているから、現像液を上
下方向に連続して移動させているだけでは、突出部28
の背後(液流の下流側)で現像液が滞留して現像液が良
好に交換されない。液流方向が連続して交互に変わるだ
けでは、突出部28の背後で液は実質的に移動しない状
態となる。そこで、液流の反転時にしばらくの間液に駆
動力を与えずに液を停止させることにより、突出部28
の背後で液流の勢いにより乱流が生じ、滞留しがちな所
にも液が回り込むことができる。したがって、液流反転
時に液の一時停止期間をおくことにより、突出部28の
背後における現像液の滞留を防止でき、突出部28の背
後にスジ状の現像ムラが発生することはない。
【0070】設定された時間の攪拌が行われると、排出
用の弁54が開かれ両ピストン40、42の上下動で処
理後の現像液が排出される。このとき、カプセル30内
の現像液は排出されないが、次に供給される漂白定着液
により押し出されて排出される。
【0071】上下シリンダ38、36内の現像液が排出
されると、次いでタンク30内の漂白定着液が現像液と
同様に供給される。廃液用の弁54を閉じた状態で下方
のピストン40を上端から下端まで下げると、漂白定着
液がシリンダ36内に吸入される。その後、廃液用の弁
54を開いてから下ピストン40を上昇させることによ
り、カプセル30内の現像液が漂白定着液に押し出され
るように排出され、カプセル30内は漂白定着液で満た
される。現像液がすべて排出されたころに、廃液用の弁
54は閉じられる。
【0072】カプセル30内のフィルム26は上述の現
像処理と同様に漂白定着液により漂白定着処理され、更
に、漂白定着処理が終了すると、水洗水がカプセル30
内に供給されてカプセル30内のフィルム26は水洗処
理される。漂白定着液及び水洗水の供給、排出動作は現
像液のそれと同じである(ただし、処理時間は処理工程
に応じて異なる)ので、これらの処理に係る各手段の動
作ついては説明を省略する。現像、漂白定着、水洗につ
いて所定時間の処理が終了すると、カプセル30は装置
10から外される。次いで、カプセル30内からフィル
ム26が取り出され、このフィルム26は公知の乾燥手
段により乾燥される。
【0073】図4は上記装置に用いるカプセル30の一
部切欠斜視図であり、図2に示すフィルム26がロール
状に巻回されて装填される。カプセル30の内部には軸
58が設けられ、露光後のフィルム26は先端を軸58
に固定されて巻回され、フィルム26間には間隙が形成
される。軸58にはフィルム26が動かないように枠6
0が設けられている。このカプセル30はパトローネと
兼用させてカメラに内蔵することができる。
【0074】なお、突出部28のないフィルムであって
も、図3に示すフィルム26と同様の突出部28を有す
る長尺可撓性スペーサーをフィルムに重畳して軸58に
共に巻き付けることもできる。また、図4に示すカプセ
ル30は長尺のフィルム26を巻回して収容する構成で
あるが、カプセル30はシート状のフィルムを間隙を形
成しながら重畳して収容する構成であってもよい。
【0075】図5は他のカプセル62の一部切欠斜視図
であり、突出部28を有するシート状フィルム64を横
に重畳して上下方向から枠66で固定してカプセル62
内に収めてある。
【0076】図6(a)は更に他のカプセル68の一部
切欠斜視図であり、突出部28を有しないシート状フィ
ルム70を収容するものである。図6(b)に拡大して
示すようにカプセル68の内部左右端には溝72が形成
されており、フィルム70の端部を該溝72に挿入する
ことによりフィルム70は湾曲して支持され、更に枠7
4によりフィルム70は上下方向に固定されている。支
持されたフィルム70の間には間隙が形成され、該間隙
に処理液を流動させることによりフィルム70を処理す
ることができる。
【0077】図5及び図6に示すカプセル62、68も
図1に示す装置に装填することができ、同じ方式で内部
のフィルムを処理することができる。次に、本発明の第
2実施態様であるフィルム処理装置について図7を参照
して説明する。この実施態様は、フィルムが少し動く例
を示したもので、処理容器に嵌合されたフィルムを上下
に動かして実質的に同様な効果が得られる。このような
例では、ピストンの駆動装置がいらず処理機の設計上好
ましい。
【0078】図7はフィルム処理装置80の内部を表し
た斜視図である。想像線で示すハウジング82内には、
基台84上に2つのピストン86、88が上下方向に位
置を固定されている。露光済のフィルム90は中空円筒
状の容器92内に巻回されて収容されており、容器92
の上下部が各ピストン86、88に嵌合している。そし
て、容器92の内部の上下ピストン86、88の間がフ
ィルム90の処理部となる。容器92は駆動手段94に
より矢印で示すように上下に往復移動可能である。フィ
ルム90の収納及び容器92のセットは暗室下で行われ
る。
【0079】容器92の側方には、各処理液を収容した
処理液タンク98、100、102、104、106が
支持板96上に積層して載置されている。この支持板9
6は上下駆動手段108により上下方向に移動される。
処理液タンク98、100、102、104、106の
上方には上ピストン86を貫いて容器92内に連通した
給液パイプ110が選択を下方に向けて設けられてい
る。給液パイプ110の先端部112は鋭利に形成され
ており、またこの先端部112と対向する処理液タンク
98、100、102、104、106の部分は先端部
112により破裂可能に形成されている。そして、駆動
手段108により処理液タンク98、100、102、
104、106を上方へ移動させることにより処理液タ
ンク98、100、102、104、106は給液パイ
プ110の先端部112により順次上面を破裂され、給
液パイプ110の先端部112が処理液中に達する。給
液パイプ110にはポンプ114が設けられており、こ
のポンプ114を作動させることにより容器92内に処
理液が供給される。
【0080】基台84は廃液を収容することができるよ
うに廃液タンクを兼ねており、下シリンダ88を貫いて
設けられている排液パイプ116が容器92内の使用済
処理液を基台(廃液タンク)84内に排出できるように
なっている。処理液タンク98、100、102、10
4、106は上から順に処理工程に応じた処理液を収容
しており、本実施態様の場合、上から順に現像液、漂白
液、定着液、水洗水、安定液が収容されている。容器9
2内にまず現像液が供給されると、容器92は駆動手段
94により上下に往復移動され、フィルム90の間隙を
現像液が流動して処理が行われる。1つの処理が終わる
ごとに処理液タンク98、100、102、104、1
06は上方へ移動され、次の処理液タンク100が同様
に給液パイプ110の先端部112により破裂される。
そして、順次処理液が容器92内に供給されてフィルム
90が処理される。
【0081】また、上ピストン86を貫いてダクト11
8が設けられており、該ダクト118の端部に設けた温
風ファン120により容器92の内部に温風を供給する
ことができるようになっている。すべての処理液による
処理が終了した後に、容器92内に温風を供給すること
により、湿式処理後のフィルム90が乾燥される。な
お、各処理を行うときに容器92と各ピストン86、8
8との間は液密かつ気密にする必要があり、このため
に、給液パイプ110、排液パイプ116、ダクト11
8の容器92内への開口部には開閉制御が可能な弁(図
示せず)が設けられている。これらの弁を適宜開閉する
ことにより、処理液の交換及び温風の流入が可能とな
る。
【0082】このフィルム処理装置80においても、第
1実施態様と同じく、容器92内に処理液が流入すると
きは負圧が生じないように流速を制御され、レイノルズ
数が上記値に設定される。また、処理液の往復移動時の
流速uとフィルム90の接触角CAとの関係も第1実施
態様と同じに設定される。
【0083】次に本発明の第3の実施態様を説明する。
図8は本発明の第3の実施態様である連続式フィルム処
理装置130の斜視図であり、図9はその断面図であ
る。
【0084】フィルム132は図3に示すと同様のカプ
セル134に収容されており、多数のカプセル134は
移送容器136に直線状に装填されている。装置130
の上部には各処理液を収容した処理液タンク138、1
40、142、144が装填されており、処理液タンク
138、140、142、144の下方には移送容器1
36の通路138が形成されており、各カプセル134
が各処理液タンク138、140、142、144の下
方を順次移動できるようになっている。各処理液タンク
138、140、142、144は蛇腹状に形成されて
おり、各処理液タンク138、140、142、144
を上から押圧することによりタンク138、140、1
42、144内の処理液は給液パイプ146、148、
150、152を通ってカプセル134内に供給され
る。カプセル134の下方には排液パイプ154、15
6、158、160が設けられており、排液パイプ15
4、156、158、160がカプセル134の内部と
連通することにより、下部に設けられている排液タンク
162内に使用後の処理液が排出される。
【0085】カプセル134と処理液タンク138、1
40、142、144とは液密かつ気密に連結されてお
り、処理液タンク138、140、142、144を間
欠的に押圧することにより、カプセル134内の処理液
が上下動して攪拌される。カプセル134内のフィルム
132は間隙をもって重畳されており、処理液が間隙中
を上下移動することによりフィルム132の処理が行わ
れる。
【0086】装置本体は移送容器136の通路138部
分を境に上下に分割されており、これら上下ユニット1
64、166は移送ユニット136の移動時に上下に離
間される。すなわち、カプセル134内のフィルム13
2が現像処理されると、上下ユニット164、166は
離間して移送容器136が移動可能となり、手動又は駆
動手段により移送容器136は1カプセル分前方(図8
及び図9において左方)へ移動される。すると、現像処
理の終了したカプセル134は次の漂白定着液を収容し
たタンク140の下方に位置決めされ、現像処理と同様
にカプセル134内に漂白液が供給されて、フィルム1
32は漂白処理される。以降同様に、カプセル134は
1カプセル分ずつ前方へ移動して、タンク142内の定
着液、タンク144内の水洗水により、フィルム132
は定着処理、水洗処理が行われる。水洗処理の終了した
カプセル134は更に前方へ移動され、温風供給ファン
170の下方に位置決めされ、カプセル134内に温風
を供給されてフィルム132が乾燥される。
【0087】この連続式フィルム処理装置130におい
ても、第1実施態様と同じく、カプセル134内に処理
液が流入するときは負圧が生じないように流速を制御さ
れ、レイノルズ数が上記値に設定される。また、処理液
の往復移動時の流速uとフィルム132の接触角CAと
の関係も第1実施態様と同じに設定される。
【0088】図12(a)はエンボス加工装置の斜視図
であり、(b)はエンボス加工部の要部断面図である。
加工装置は3組の搬送ローラ対180を備えており、隣
接する搬送ローラ対180の間にエンボス加工手段とし
ての(b)に示すスプロケット182が配設されてい
る。エンボス加工部184はフィルム幅とほぼ等しい幅
の一対のドラム186、188を備えており、フィルム
190は入口192から挿入され上下ドラム186、1
88の間を搬送されることによりエンボス加工される。
下ドラム188の両端にはエンボス加工用の突起を備え
たスプロケット182が備えられている。更に、下ドラ
ム188の下方には、下ドラム188を介して両スプロ
ケット182を加熱するためのヒータ191が配置され
ている。また、上ドラム186には下ドラム188の両
スプロケット182が入り込む溝192が形成されてい
る。
【0089】上下ドラム186、188の間はフィルム
190の厚みより大きな間隙が形成されており、上下ド
ラム186、188の間をフィルム190が通過すると
きに、加熱された下ドラム186とフィルム190が接
しないようになっている。ヒータ191によりスプロケ
ット182を加熱することにより、フィルム190は機
械的変形と同時に熱変形も起こすので、エンボス加工が
極めて容易である。特に、エンボス加工により形成され
る突起の高さが高いときの加工が容易である。
【0090】上下ドラム186、188はボルト194
を回すことによりニップ圧力を調整されるようになって
いる。また、温度センサ196によりヒータ191の発
熱温度を検出して、温調器196によりヒータ191の
温度調整を行うようになっている。
【0091】搬送ローラ180及び上下ドラム186、
188は、モータに連結したプーリ198、伝動ベルト
200、ウォーム軸用プーリ202、伝動軸204、ウ
ォームギア206等により共に駆動される。フィルム1
90の搬送速度は、制御盤208によりモータの回転数
を変えることにより調整できる。なお、エンボス加工部
184は手前側と奥側に2基設けられているが、両エン
ボス手段184はスプロケット182の取付間隔が異な
っており、2種類の間隔の突起を形成することができ
る。例えば、フィルム190の場合では、パーフォレー
ションの外側にも内側にも突起を形成できる。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、負圧を生じないように
感光材料処理部に処理液を供給することにより、泡の発
生を防止することができ、感光材料処理時に感光材料表
面に泡が付着しないので泡による感光材料の処理ムラを
防止することができる。更に、感光材料を重畳したとき
の間隙が上下方向に沿うようにして処理液を下方から上
方に向けて供給することにより、泡が発生したとしても
泡が上昇しやすく、感光材料の表面に泡が滞留すること
はない。
【0093】また、処理中の処理液の移動速度uと感光
材料の接触角CAがu≧α(CA)2 +β (α、βは
定数)の関係にあることにより、感光材料表面で処理液
が良好に交換されるので、処理ムラを防止することがで
きる。更に、処理液を往復移動させる際に、往動と復動
との間に処理液を一時的に停止させることにより、間隙
形成用の突出部の背後で処理液が滞留することはなく処
理液が良好に交換されるので、往復方向に沿ったスジ状
の処理ムラを防止することができる。
【0094】
【実施例】
実施例1 1.エンボス付きスペーサの作成 スペーサに用いるベースを下記6種に加工した。 (1)表面未処理TACベース(常法により流延し、下
塗りなどの表面処理を施さないもの) (2)ゼラチン下塗り(ホルマリンで硬膜、下塗りの厚
さ0.5μm)TACベース (3)ゼラチン下塗り(未硬膜、下塗りの厚さ0.5μ
m)TACベース (4)表面未処理PETベース(常法により流延し、下
塗りなどの表面処理を施さないもの) (5)ゼラチン下塗り(ホルマリンで硬膜、下塗りの厚
さ0.5μm)PETベース (6)ゼラチン下塗り(未硬膜、下塗りの厚さ0.5μ
m)PETベース
【0095】エンボスの形状は円錐であり、高さ250
μm、高さの1/2における直径600μmである。ス
ペーサの形状は、厚み約120μm、幅35mmであ
り、エンボスの位置はベースの短尺幅方向端から3mm
である。 エンボス加工条件:図12に示す加工機を用い、使用ス
ペーサの下塗面に有するエンボスを75℃で加圧加熱成
形して設けた。
【0096】2.使用撮影用カラーネガフイルム (1)富士写真フイルム(株)製スーパーHG100 (2)同 スーパーHG400 (3)イーストマン・コダック社製Gold100 (4)同 Gold400 (5)コニカ(株)製スーパーDD100 (6)同 スーパーDD400 (以上何れも商品名)
【0097】3.上記6種のエンボス付きスペーサと6
種の感光材料を組み合わせて、エンボスの凸部を感光材
料の乳剤面側にして共巻きして図4に示す処理容器に重
畳フイルム間の間隙が230μmとなるように収容し、
図1に示す処理装置で以下に示す処理液を用いて下記工
程に示す処理を行った。但し、水洗工程以降はカプセル
を装置から外し、次いで、カプセル内から感光材料が取
り出され、この感光材料は公知の水洗、乾燥手段により
処理された。この場合、図4に示す容器中で、発色現像
工程は表1に示す条件で攪拌させ、漂白工程以降は一時
停止を設けずに1ストロークの平均流速15cm/sで
各処理液を攪拌させながら処理した。その結果を表2〜
表4及び図11に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【0100】なお、本工程に用いた処理液の組成は次の
通りである。 (発色現像液) (g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.3mg ヒドロキシアミン 2.4 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ) 4.5 −2−メチルアニリン硫酸塩 水を加えて 1リットル pH 10.00
【0101】 (漂白液) (g) 臭化アンモニウム 100 エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム塩 120 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 硝酸アンモニウム 10.0 下記の漂白促進剤 2.0 (H3 C)2 N−(CH2 2 −S−S−(CH2 2 −N(CH3 2 アンモニア水 17.0ml 水を加えて 1リットル pH 6.5
【0102】 (漂白定着剤) (g) 臭化アンモニウム 50.0 エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム塩 50.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 5.0 硝酸アンモニウム 5.0 亜硫酸ナトリウム 12.0 チオ硫酸アンモニア水溶液(70%) 240ml アンモニア水 10.0ml 水を加えて 1リットル pH 7.3
【0103】 (安定液) (g) ホルマリン(37%w/v) 2.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニル 0.3 フェニルエーテル(平均重合度10) 水を加えて 1リットル
【0104】 水洗水:下記水質の水道水 pH 7.1 カルシウムイオン 23mg/l マグネシウムイオン 8mg/l
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
【表4】
【0108】表中 ×は泡によるムラが発生(24コマ
中10コマ程度以上) △は泡によるムラが部分的に発生(24コマ中5コマ程
度) ○は泡によるムラがごく一部に発生(24コマ中1〜2
コマ程度) ◎は泡によるムラが全く発生しない ◆はスジ状のムラが発生(24コマ中のエンボスの5割
程度以上) ■はスジ状のムラが部分的に発生(24コマ中のエンボ
スの3〜4割程度) ●はスジ状のムラが発生しない(24コマ中のエンボス
の2割程度以下) *4 下塗り面と発色現像液との直後(2秒後)におけ
る接触角
【0109】表2〜表4及び図11に示すように感光材
料の種類を問わず同じ結果が得られ、この結果から明ら
かなように、処理液が流入するときは負圧が生じないよ
うに流速を制御し、処理液の往復移動時の流速uと感光
材料の乳剤面に対向する側のスペーサ表面の接触角CA
とが (1)CA<38°の時 u>0 (2)CA≧38°の時 u≧0.016(CA)2 −22 より好ましくは (1)CA<34°の時 u>0 (2)CA≧34°の時 u≧0.020(CA)2 −22 にした場合、泡によると考えられる現像ムラが改良され
たとみなすことができる。
【0110】また、発色現像液の攪拌条件、即ち現像液
の往動と復動との間に現像液の停止状態を設けることに
よって、エンボス表面から流れがはがれ、エンボスの後
方で流れが渦巻きまたは流速が低下するために発生する
スジ状のムラによると考えられる現像ムラが改良され、
良好な処理が行われたとみなすことができる。
【0111】実施例2 1.エンボス付き感光材料の作成 使用撮影用カラーネガフイルム: (1)富士写真フイルム(株)製スーパーHG100 (2)同 スーパーHG400 (以上何れも商品名) 上記2種の感光材料の裏面(乳剤面と反対側の面)にゼ
ラチンを塗布(ホルマリンで硬膜、下塗りの厚さ0.5
μm)し、感光材料を35mm幅1mに裁断し、両端に
パーフォレーションを穿孔せずに代わりに、下記のエン
ボス加工を行った。
【0112】エンボスの形状は円錐であり、高さ250
μm、高さの1/2における直径は600μmである。
エンボスの位置はフイルムの幅方向両端から3mmであ
る。 エンボス加工条件:図11に示す加工機を用い、室温で
加圧成形して、使用感光材料の下塗面にエンボスが有す
るように加工した。 2.上記2種の感光材料を、エンボスの凸部を感光材料
の乳剤面側にして共巻きして図4に示す処理容器に重畳
フイルム間の間隙が230μmとなるように収容し、前
記処理工程に従い実施例1と同様に処理した。その結果
を表5に示す。
【0113】
【表5】
【0114】表中 ×は泡によるムラが発生(24コマ
中10コマ程度以上) △は泡によるムラが部分的に発生(24コマ中5コマ程
度) ○は泡によるムラがごく一部に発生(24コマ中1〜2
コマ程度) ◎は泡によるムラが全く発生しない ◆はスジ状のムラが発生(24コマ中のエンボスの5割
程度以上) ■はスジ状のムラが部分的に発生(24コマ中のエンボ
スの3〜4割程度) ●はスジ状のムラが発生しない(24コマ中のエンボス
の2割程度以下) *5 下塗り面と発色現像液との直後(2秒後)におけ
る接触角
【0115】表5に示す結果から明らかなように、実施
例1と同様、発色現像液の攪拌条件、即ち現像液の往動
と復動との間に現像液の停止状態を設けることによっ
て、エンボス表面から流れがはがれ、エンボスの後方で
流れが渦巻きまた流速が低下するために発生するスジ状
のムラによると考えられる現像ムラが改良され、良好な
処理が行われたとみなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施態様であるフィルム処
理装置の斜視図である。
【図2】図2はこのフィルム処理装置の作動原理図であ
る。
【図3】図3はフィルムの斜視図である。
【図4】図4はカプセルの一部切欠斜視図である。
【図5】図5はカプセルの変形例の一部切欠斜視図であ
る。
【図6】図6はカプセルの他の変形例の一部切欠斜視図
である。
【図7】図7は本発明の第2実施態様であるフィルム処
理装置の内部斜視図である。
【図8】図8は本発明の第3実施態様である連続式フィ
ルム処理装置の斜視図である。
【図9】図9は連続式フィルム処理装置の断面図であ
る。
【図10】図10は処理液との接触角を示す説明図であ
る。
【図11】図11は接触角と流速との関係を表すグラフ
である。
【図12】図12(a)はエンボス加工装置の斜視図で
あり、(b)は加工装置の要部断面図である。
【符号の説明】
10 処理装置 12 ケース 16 蓋 18、20、22 処理液タンク 24 廃液タンク 26 フィルム 28 突出部 30、62、68 カプセル 32、34 ピストン・シリンダユニット 36、38 シリンダ 40、42 ピストン 44、46 モータ 48、50、52、54 弁 72 溝 80 処理装置 84 基台(廃液タンク) 86、88 ピストン 90 フィルム 92 容器 94、108 駆動装置 96 支持板 98、100、102、104、106 処理液タンク 110 給液パイプ 114 ポンプ 116 排液パイプ 118 ダクト 120 温風ファン 130 処理装置 132 フィルム 134 カプセル 136 移動容器 138、140、142、144 処理液タンク 146、148、150、152 給液パイプ 154、156、158、160 排液パイプ 162 廃液タンク 164 上ユニット 166 下ユニット 170 温風ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 登 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−37845(JP,A) 特開 平4−46339(JP,A) 特開 平4−156539(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少くとも一層のハロゲン化銀
    乳剤層を有する写真感光材料を、処理液が通過できる間
    隙をもって重畳してカプセル内に装填し、該カプセル内
    に処理液タンクから処理液を供給して処理する感光材料
    処理装置において、 前記処理液タンクから前記カプセル内に負圧を生じさせ
    ない液速度で処理液を供給する処理液供給手段を備えた
    ことを特徴とする感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 支持体上に少くとも一層のハロゲン化銀
    乳剤層を有する写真感光材料を、処理液が通過できる間
    隙をもって重畳し、該間隙に処理液を供給して処理する
    感光材料処理装置において、 処理時の感光材料表面の接触角CAと前記間隙を通過す
    る処理液の流速uとが、 u≧α(CA)2 +β (α、βは定数) であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料処理
    装置。
  3. 【請求項3】 支持体上に少くとも一層のハロゲン化銀
    乳剤層を有する写真感光材料を、処理液が通過できる間
    隙をもって重畳し、該間隙に処理液を往復供給して処理
    する感光材料処理装置において、 前記処理液の往動と復動との間に処理液停止状態を設定
    する手段を備えたことを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料処理装置。
  4. 【請求項4】 支持体上に少くとも一層のハロゲン化銀
    乳剤層を有する写真感光材料を、処理液が通過できるよ
    うな間隙をもって重畳し、該間隙に処理液を供給して処
    理する感光材料処理装置において、 前記間隙内に下方から上方に向けて処理液を供給する手
    段を備えたことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
    処理装置。
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