JP2670669B2 - 自動車用ギヤ油組成物 - Google Patents

自動車用ギヤ油組成物

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JP2670669B2 JP61205348A JP20534886A JP2670669B2 JP 2670669 B2 JP2670669 B2 JP 2670669B2 JP 61205348 A JP61205348 A JP 61205348A JP 20534886 A JP20534886 A JP 20534886A JP 2670669 B2 JP2670669 B2 JP 2670669B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車の変速機ギヤ、センターデファレンシ
ャルギヤ、ハイポイドギヤなどを共通潤滑するためのギ
ヤ油組成物に関するものである。 特に、本発明は、例えば、四輪駆動自動車の変速機ギ
ヤ装置の潤滑及びシンクロナイザーリングとギャコーン
との摩擦摩耗特性を従来の硫黄−燐系ギヤ油に比べ、著
しく改善し、同時にセンターデファレンシャルギヤ装置
及びリヤアクスルハイポイドギヤ装置の極圧性を保持し
得る駆動系の潤滑油組成物に関するものである。 従来技術 近年、自動車の走行安定性を向上させるために四輪駆
動自動車が急速に普及しているが、例えば、変速機部
分、フロントデファレンシャル部分、トランスファー部
分、センターデファレンシャル部分、リヤアクスルデフ
ァレンシャル部分などの駆動系部分は各々別個のギヤ油
で潤滑されてきた。例えば、変速機部分はマイルドな硫
黄−燐系極圧剤を含有する極圧レベルがGL−3ないしGL
−4のマルチグレードギヤ油、センターデファレンシャ
ル部分には同様にマイルドな硫黄−燐系極圧剤を含有す
る極圧レベルがGL−3ないしGL−4のギヤ油、また、ハ
イポイドギヤが使用されているリヤアクスルデファレン
シャル部分やハイポイドギヤが使用されることもあるト
ランスファー部分には、極圧要求性能が高いために活性
の高い硫黄−燐系極圧剤を含有した極圧レベルがGL−5
レベル相当以上のギヤ油が使用されてきた。しかしGL−
5レベルの極圧性能の高いギヤ油を変速機部分に使用し
た場合、シンクロナイザーリングとギヤコーン部分の摩
擦、摩耗特性が著しく阻害され、早期に同期不良を起こ
すことがある。また1台の自動車の駆動系の各部分を別
個のギヤ油で潤滑することは潤滑管理上においても問題
がある。このように極圧性能が異なる前記の各駆動系部
分を共通潤滑することは難しかった。特に変速機、フロ
ントデファレンシャル、トランスファー、センターデフ
ァレンシャルなどを適宜一体化した四輪駆動自動車の場
合には、従来の概念のギヤ油で共通潤滑することは難し
かった。 発明が解決しようとする問題点 一般に変速機油とハイポイドギヤ油については硫黄−
燐系極圧剤の添加量を極圧レベルによって変えたり、変
速機油の場合は活性の低い硫黄−燐系極圧剤を使用する
などの適用が行われる。従って、変速機油をハイポイド
ギヤに適用すると極圧性能が不足して焼き付きや摩耗が
起こり、或いは逆にハイポイドギヤ油を変速機に適用す
ると活性な極圧剤が金属表面に反応皮膜を作り摩擦係数
を極端に低下させて所定の同期効果が得られなくなった
り、腐食摩耗が急激に進行するなどの問題があった。 問題点を解決するための手段 本発明は、前記のような問題を解決するためになされ
たものであり、基油100重量部に対して、 (a)硫化オレフィンを硫黄分として0.5〜4重量部、 (b)アルキルもしくはアリール酸性燐酸エステルのア
ミン塩、又は、アルキルチオ燐酸エステル、アルキルジ
チオ燐酸エステル及びこれらのアミン塩からなる群から
選ばれた少なくとも1種の燐酸エステル化合物を燐分と
して0.02〜0.2重量部、 (c)スルホネート、フェネート、サリチレート及びホ
スホネートのそれぞれの金属塩から選ばれ少なくとも1
種の金属塩からなる金属系清浄剤を金属分として0.01〜
0.5重量部 並びに (d)ジアルキルジチオ燐酸亜鉛を亜鉛分として0.01〜
0.6重量部 含み、自動車の駆動系部分における、GL−5相当以上の
極圧性能を要求するギヤを含む部分と、該ギヤを含まな
い部分とを共通に潤滑し得ることを特徴とする自動車用
ギヤ油組成物である。 本発明の自動車用ギヤ油組成物は、自動車の変速機ギ
ヤ、センターデファレンシャルギヤ、ハイポイドギヤな
どを共通潤滑するために好適であり、特に、変速機、フ
ロントデファレンシャル、センターデファレンシャルな
どを一体化した四輪駆動自動車の変速機油として良好な
極圧性を有し、シンクロナイザーリングとしてギヤコー
ン部分で高い摩擦係数を実現し、更にその摩擦係数を維
持する耐久性能を有し、それと同時にハイポイドギヤ部
分の極圧性能としてGL−5を保持し得るものである。 本発明では活性の比較的高い硫黄−燐系極圧剤を基本
とするが、更に金属系清浄剤とジチオ燐酸亜鉛とを配合
することによってシンクロナイザーリングとギヤコーン
部分との摩擦係数を高く維持し、同時に極圧レベルをGL
−5相当に保ち得ることが特徴である。 本発明において使用される基油は、溶剤精製或いは水
素化処理などにより精製された鉱油ないしは以下に述べ
る合成油であって、適当な粘度を有するものであればよ
い。例えば、合成油としては、ポリアルファオレフィン
類、ポリブテン類、ジエステル類、ポリエチレンプロピ
レン類、ポリグライコール類、ヒンダードエステル類な
どを挙げることができる。添加剤の溶解性を考慮すれ
ば、鉱油に類似したポリアルファオレフィン類、ポリブ
テン類、ポリエチレンプロピレン類が好ましい。一般に
自動車用変速機ギヤ油は、その低温時の流動性を考慮し
て75W、80W、90番、140番などのシングルグレードタイ
プに、また、75W/90W、75W/85、80W/90、80W/140、85W/
140などのマルチグレードタイプに調合して使用される
が、通常、100℃において4〜20センチストークスの基
油が使用される。更に必要に応じて、増粘効果と流動点
効果を得るためにポリメタクリレート系の高分子化合物
あるいはポリエチレンプロピレン、ポリブテンなどの高
分子化合物とポリメタクリレート系高分子化合物とが組
み合わせて使用される。 本発明においては、GL−5レベルの極圧性能を保持す
るため、硫黄化合物である(a)硫化オレフィンと、燐
化合物である(b)燐酸エステル化合物とを併用するも
のである。 本発明で用いられる(a)成分である硫化オレフィン
としては、次の一般式 R1−Sx−R2 (式中、R1及びR2はそれぞれ同一又は異なってC4〜C12
のアルキル基又はC4〜C12のアルケニル基であり、Xは
1〜8の整数を表わす) で示される化合物であって、硫黄含有率が40〜50重量%
のインブチレンの重合体を硫化処理して得られる硫化オ
レフィンを含有するものが用いられる。その代表例とし
て、ANGLAMOL 33(ルーブリゾール[Lubrizol]社の製
品)を挙げることができる。この他、硫化処理された硫
化油脂又は硫化エステルを更に混合したものを使用する
こともできる。これらは、従来、ギヤ油の極圧剤として
単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてきたもの
である。一般には、基油100重量部に対して自動車用ギ
ヤ油として硫黄分が0.5〜4重量部の範囲で配合される
が、好ましくは、0.5〜3重量部である。0.5重量部より
少ない場合には、極圧性が不足し、他方、4重量部より
多い場合には、潤滑油として活性が強くなり過ぎる。 本発明で用いられる(b)成分である燐酸エステル化
合物は、アルキルもしくはアリール酸性燐酸エステルの
アミン塩、又は、アルキルチオ燐酸エステル、アルキル
ジチオ燐酸エステル及びこれらのアミン塩からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の燐酸エステル化合物からな
るものである。アルキルチオ燐酸エステルとしては、炭
酸数1〜18のアルキル基を有するアルキルチオホスフェ
ート、酸性チオ燐酸エステルなどを挙げることができ
る。アルキルジチオ燐酸エステルとしては、炭素数1〜
18のアルキル基を有するアルキルジチオホスフェート、
酸性ジチオ燐酸エステルなどのアルキルジチオ燐酸エス
テル、並びに、炭素数1〜18のアルキル基2個を有する
酸性ジチオ燐酸エステルなどのジアルキルジチオ燐酸エ
ステルなどを挙げることができる。これらのアルキルチ
オ燐酸エステル及びアルキルジチオ燐酸エステルのそれ
ぞれは、アルキルアミン完全中和塩又は部分中和塩など
のアミン塩として用いることもできる。これらの燐酸エ
ステル化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。前記の燐酸エステル化合
物はその1種を使用するか又は2種以上を組み合わせて
使用するが、その配合量は、基油100重量部に対して燐
分として0.02〜0.2重量部が好ましい。これらの燐酸エ
ステル化合物は、これらのうちの数種を組み合わせ、か
つ、硫化オレフィンと組み合わせて使用することによ
り、燐酸エステル化合物の1種のみを単独で使用した場
合に比して、耐摩耗性、耐焼き付き性を向上させること
もできる。なお、これらの燐酸エステル化合物自体は、
ギヤ油の極圧剤として従来使用されており、前記の硫化
オレフィンと組み合わせて商品として市販されている。
その代表例として、ANGLAMOL 99及び98A(いずれもルー
ブリゾール[Lubrizol]社の商品)、HITEC E−333及び
M6311(いずれもクーバー社の商品)などを挙げること
ができる。 本発明で用いられる(c)成分である金属系清浄剤
は、一般に、エンジンなどの高温運転時にエンジン内部
に発生した沈積物及びその前駆物質などを取り除き、エ
ンジン内部を清浄にする機能がある。金属系清浄剤とし
て、例えば、スルホネート、フェネート、サリチレート
及びホスホネートのそれぞれのカルシウム、マグネシウ
ム、バリウムなどの金属の塩が用いられる。また、前記
の金属塩のそれぞれに、これらの金属の水酸化物又は炭
酸塩を過剰に含有させた過塩基性清浄剤を用いることも
できる。 本発明において、基油100重量部に対して金属分とし
て0.01〜0.5重量部の前記の金属系清浄剤を配合するこ
とにより、これらの従来の基本的機能である清浄性、酸
中和性以外に、新たにシンクロナイザーリングとギヤコ
ーンとの摩擦摩耗特性を大幅に改善することができる。
なお、金属系清浄剤において、その金属の種類及び例え
ばスルホネート、フェネートなどの有機部分のそれぞれ
における相違により、シンクロナイザーリングとギヤコ
ーンとの摩擦摩耗特性に若干の相違があるが、何れにせ
よ摩擦係数を上げる効果がある。特に高い摩擦係数を必
要とする場合には、この金属系清浄剤の配合量を増量す
ればよい。 しかしながら、0.5重量部よりも多く配合すると、摩
擦係数が大きくなり過ぎるので、自動車用ギヤ油として
は好ましくない。また、0.01重量部よりも少なく配合す
る場合には、高い摩擦係数を得ることができないだけで
はなく、前記の洗浄、酸中和効果などの諸効果が得られ
なくなる。 本発明で用いられる(d)成分であるジアルキルジチ
オ燐酸亜鉛は、従来、エンジン油、油圧作動油などにお
いて、酸化防止剤又は耐摩耗剤として使用されているも
のであり、次の一般式 (式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって炭素数
3〜10のアルキル基を表わす)で示される化合物であ
る。 この一般式における炭化水素基R1〜R4のそれぞれを変
えることによりジアルキルジチオ燐酸亜鉛の熱分解温度
が変化し、それにより潤滑特性も当然に変化すると言わ
れている。炭素数の違い及びアルキル基の枝分れの有無
によって、シンクロナイザーリングとギヤコーンとの摩
擦摩耗特性が僅かに異なるが、これに伴って配合量を適
宜加減することにより、所望の良好な摩擦摩耗特性を得
ることができる。本発明においてジアルキルジチオ燐酸
亜鉛の配合量は、基油100重量部に対して、亜鉛分とし
て0.01〜0.6重量部が好ましい。この範囲外では、耐摩
耗性及び極圧性の向上は期待することはできない。 また、本発明において、前記の(a)成分、(b)成
分、(c)成分及び(d)成分の配合量を前記の範囲内
にすることにより、各成分の性能を損なうことなく充分
に発揮させることができる。前記の如く、本発明の組成
物において、基油に対して配合される各成分の物質は、
それ自体、潤滑油の添加剤として知られ、また、使用さ
れているものであるが、これらを組み合わせて使用する
ことにより、自動車用ギヤ油の極圧性能と、銅合金を主
成分とする材料で製造された同期噛合機構装置の高い摩
擦係数とを維持する性能とを両立させることができる。
これは各成分の相乗効果によるものである。 これに対して、従来の硫黄−燐系ギヤ油では、GL−5
の極圧性能を保持させれば、同期噛合機構装置特性の耐
久性能が短時間に低下する。他方、同期噛合機構装置の
耐久性能を保持しようとすればGL−5の極圧性能が得ら
れない。このようにGL−5の極圧性能と同期噛合機構装
置特性の耐久性能との両者を同時に保持させることはで
きなかった。 本発明によって、例えば、変速機、フロントデファレ
ンシャル、センターデファレンシャルなどを一体化した
四輪駆動自動車の共通潤滑油として最適な性能を発揮す
ることができる自動車用ギヤ油組成物を提供することが
できる。 本発明の組成物の成分のうち、金属系清浄剤とジアル
キルジチオ燐酸亜鉛とを配合しない場合には、前記の両
性能を同時に満足させることはできなくなる。 実施例 次に実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 基油100重量部に対して、イソブチレンを硫化処理し
た硫化オレフィン(ANGLAMOL 33、ルーブリゾール社の
商品の商品名)を硫黄分として2.5重量部、ジヘキシル
チオ燐酸基の1個又は2個で置換した燐酸エステルの炭
素数18のアルキルアミン塩及びジヘキシルプロピルジチ
オ燐酸基の1個又は2個で置換した燐酸エステルの前記
アルキルアミン塩の混合物を燐分として0.15重量部、カ
ルシウムスルホネート(カルシウム含有率3重量%)を
1.0重量部及びジアミルジチオ燐酸亜鉛(亜鉛含有率8.7
重量%)を2.0重量部配合してギヤ油1を得た。 実施例2 モノアルキル酸性燐酸エステル及びジアルキル酸性燐
酸エステルのそれぞれの炭素数8〜12の長鎖アルキルア
ミン塩を燐分として0.03重量部、アルキル酸性燐酸エス
テル(2−エチルヘキシル燐酸エステル)のアミン塩を
主成分とする燐化合物を燐分として0.12重量部に変更し
た以外は実施例1と同様にしてギヤ油2を得た。 実施例3 カルシウムスルホネートの代わりにマグネシウムスル
ホネート(マグネシウム含有率9.5重量%)を1.0重量部
配合した以外は実施例1と同様にしてギヤ油3を得た。 実施例4 カルシウムスルホネートの代わりに過塩基性カルシウ
ムスルホネート(カルシウム含有率12.5重量%)を1.0
重量部配合した以外は実施例1と同様にしてギヤ油4を
得た。 実施例5 カルシウムスルホネートの代わりにカルシウムサリチ
レート(カルシウム含有率6.0重量%)を1.0重量部配合
した以外は実施例1と同様にしてギヤ油5を得た。 実施例6 カルシウムスルホネートの代わりにバリウムスルホネ
ート(バリウム含有率14.2重量%)を1.0重量部配合し
た以外は実施例1と同様にしてギヤ油6を得た。 実施例7 ジアミルジチオ燐酸亜鉛の代わりにジイソオクチルジ
チオ燐酸亜鉛を1.5重量部配合した以外は実施例1と同
様にしてギヤ油7を得た。 実施例8 ジアミルジチオ燐酸亜鉛の代わりにジブチルジチオ燐
酸亜鉛及びジヘキシルジチオ燐酸亜鉛をそれぞれ1.0重
量部ずつ配合した以外は実施例1と同様にしてギヤ油8
を得た。 比較例1 市販GL−3変速機ギヤ油(75W/90)をギヤ油9とし
た。 比較例2 GL−5市販ハイポイドギヤ油(90番)をギヤ油10とし
た。 比較例3 カルシウムスルホネート及びギアミルジチオ燐酸亜鉛
を配合しなかった以外は実施例1と同様にしてギヤ油11
を得た。 比較例4 カルシウムスルホネートを配合しなかった以外は実施
例1と同様にしてギヤ油12を得た。 比較例5 ジアミルジチオ燐酸亜鉛を配合しなかった以外は実施
例1と同様にしてギヤ油13を得た。 実施例及び比較例の各ギヤ油の性状を表−1に示す。 実施例1〜8のギヤ油(1〜8)及び比較例1〜5の
ギヤ油(9〜13)について、自動車の変速機からシンク
ロナイザーリングとギヤコーンとを取り出して、ギヤコ
ーンを1200rpmで回転させ、シンクロナイザーリングを4
0kgfの荷重で、一定の時間ギヤコーンに押し付け、その
後、一定の時間切り離す−例えば、0.5秒間押し付け、
0.5秒間切り離す−試験パターン5000回繰り返してギヤ
油の摩擦、摩耗特性を試験した。その結果を表−1に示
す。 比較例のギヤ油10及び11では、それぞれ摩擦係数は急
激に低下して同期時間が長くなり、同時にシンクロナイ
ザーリングの摩耗が徐々に進行した。しかしながら、実
施例1〜8の各ギヤ油は、市販硫黄−燐系ギヤ油に比
べ、摩擦係数が高く、シンクロナイザーリングの摩耗が
少なく、変速機の同期噛合機構装置の潤滑に好適である
ことが表−1の結果から明白である。 本発明の組成物におけるジアルキルジチオ燐酸亜鉛
は、例えば、実施例1のギヤ油と比較例5のギヤ油13と
の結果の比較から明らかなように、シンクロナイザーリ
ングの摩耗を大幅に減少させる効果がある。 また、例えば、実施例1のギヤ油1と比較例4のギヤ
油12とを比較することにより、本発明の組成物において
は、金属系清浄剤の配合により摩擦係数を高く維持でき
ることが判る。 更に、本発明の組成物においては、金属系清浄剤とジ
アルキルジチオ燐酸亜鉛とを同時に配合することによ
り、実施例1のギヤ油1が示すように高い摩擦係数を維
持し、同時にシンクロナイザーリングの摩耗量を減少さ
せることができる。 次に、本発明のギヤ油がシンクロナイザーリングとギ
ヤコーンとの摩擦特性を向上させる以外に極圧性能にお
いても優れていることを説明する。すなわち、極圧性能
試験は米国のCRC L−42に相当する試験方法及び過酷
度で、国産の1600CC自動車に搭載されるハイポイドギヤ
を使用して行われた。なお、ハイポイドギヤは表面処理
を施していないものを試験に供した。この試験結果を表
−1に示す。また、極圧性能試験の条件を表−2に示
す。 表−1中の数字はリングギヤとドライブピニオンギヤ
のスコーリング発生面積を示すもので、例えば、GL−5
の極圧性能を有する比較例2のギヤ油10を各実施例のギ
ヤ油と比較すれば、スコーリング発生面積はいずれも比
較例2のギヤ油10と同等かそれ以上であり、明らかにGL
−5の極圧性能を有すると言える。 他方、比較例1のギヤ油9の変速機油はスコーリング
発生面積もかなり大きく、極圧性能はGL−5より小さ
く、従って、同期噛合機構装置の潤滑に適用することが
できても、高い極圧性能が要求されるハイポイドギヤの
潤滑には到底適用することはできない。 なお、本発明において極圧性能に及ぼす金属系清浄剤
の効果については、実施例1のギヤ油1と比較例4のギ
ヤ油12との比較から明らかなように、金属系清浄剤を配
合すると極圧性能は僅かに低下する。他方、ジアルキル
ジチオ燐酸亜鉛は比較例3のギヤ油11と比較例4のギヤ
油12との比較、又は、実施例1のギヤ油1と比較例5の
ギヤ油13との比較から明らかなように、極圧性能を阻害
せず、若干向上させる効果を有する。 更に、本発明におけるように、硫黄−燐系極圧剤と、
金属系清浄剤及びジアルキルジチオ燐酸亜鉛とを共存さ
せても、硫黄−燐系極圧剤の極圧性を低下させることは
なく、むしろ、向上させる。 発明の効果 以上に記したように、本発明のギヤ油組成物は、従来
の硫黄−燐系極圧剤に、金属系清浄剤とジアルキルジチ
オ燐酸亜鉛とを組み合わせることにより、従来型のギヤ
油のように単に極圧性能を満足するだけでなく、自動車
の変速機、フロントデファレンシャル、センターデファ
レンシャル、トランスファー、リヤアクスルデファレン
シャルなどの駆動系部分における、GL−5相当以上の極
圧性能を要求するギヤを含む部分と、該ギヤを含まない
部分とを共通に潤滑し得る、同期噛合機構装置の良好な
摩擦、摩耗特性を兼ね備えたギヤ油組成物である。
【図面の簡単な説明】 添付図面1は、実施例1のギヤ油1と、比較例のギヤ油
9及びギヤ油10のシンクロナイザーリングとギヤコーン
部分との繰り返し摩擦試験での摩擦係数を、押し付け繰
り返し回数毎にプロットしたグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 137:10) C10N 10:04 30:04 30:06 30:10 40:04 (72)発明者 富塚 康次 東京都千代田区丸の内2丁目7番3号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 村川 忠司 東京都千代田区丸の内2丁目7番3号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 谷川 正峰 豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株 式会社内 (72)発明者 吉岡 達夫 豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−156016(JP,A) 特開 昭58−96697(JP,A) 特公 昭49−45769(JP,B2) 桜井俊男著 「石油製品添加剤」、幸 書房、昭和49年8月10日再版発行、P P.196−197

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.基油100重量部に対して、 (a)硫化オレフィンを硫黄分として0.5〜4重量部、 (b)アルキルもしくはアリール酸性燐酸エステルのア
    ミン塩、又は、アルキルチオ燐酸エステル、アルキルジ
    チオ燐酸エステル及びこれらのアミン塩からなる群から
    選ばれた少なくとも1種の燐酸エステル化合物を燐分と
    して0.02〜0.2重量部、 (c)スルホネート、フェネート、サリチレート及びホ
    スホネートのそれぞれの金属塩から選ばれた少なくとも
    1種の金属塩からなる金属系清浄剤を金属分として0.01
    〜0.5重量部 並びに (d)ジアルキルジチオ燐酸亜鉛を亜鉛分として0.01〜
    0.6重量部 含み、自動車の駆動系部分における、GL−5相当以上の
    極圧性能を要求するギヤを含む部分と、該ギヤを含まな
    い部分とを共通に潤滑し得ることを特徴とする自動車用
    ギヤ油組成物。
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