JPH10316987A - ギヤ油組成物 - Google Patents

ギヤ油組成物

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JPH10316987A
JPH10316987A JP9127565A JP12756597A JPH10316987A JP H10316987 A JPH10316987 A JP H10316987A JP 9127565 A JP9127565 A JP 9127565A JP 12756597 A JP12756597 A JP 12756597A JP H10316987 A JPH10316987 A JP H10316987A
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JP
Japan
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mass
oils
sulfur
component
oil
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JP9127565A
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Inventor
Kenji Hayashi
健司 林
Toshio Kunugi
俊夫 功刀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の手動変速機と終減速機とに共通に使
用できる潤滑剤であって、すぐれた極圧性および耐熱性
を有するなるギヤ油組成物を提供する。 【解決手段】 100℃における粘度が2〜50mm2
s、流動点が−15℃以下、イオウ分が0.7質量%以
下である、鉱油および合成油の中から選ばれた1種単独
または2種の混合物である基油(A成分)に対して、炭
化硫化水素硫化物、硫化テルペンおよび油脂とイオウと
の反応物である硫化油脂から選ばれた1種または2種以
上のイオウ化合物(B成分)を基油の0.05〜8質量
%、および、炭素数8以上のアルキル基を有するアルコ
ールの酸性リン酸エステルおよびそのアルキルアミン塩
から選ばれた1種または2種以上のリン化合物(C成
分)を基油の0.1〜6質量%添加してなるギヤ油組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ギヤ油組成物に関
し、詳しくは、すぐれた極圧性、耐熱性を示すととも
に、手動変速機に装着されている樹脂材料製のシンクロ
ナイザーリング(以下、「SNR」ということもある)
とギヤコーン(以下、「GC」ということもある)との
間の摩擦特性を大幅に改善し、手動変速機と終減速機と
を共通に潤滑することのできる、自動車用の、兼用ギヤ
油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のギヤは、高速かつ高負荷の条件
で使用されるため、これに用いるギヤ油は、焼き付き防
止性、耐摩耗性にすぐれたものでなければならない。
そこで従来、自動車用のギヤ油は、焼き付き防止性を高
めるために硫化オレフィンや硫化油脂を代表とするイオ
ウ系の添加剤を添加し、耐摩耗性を高めるためにリン酸
エステルまたはリン酸エステルのアミン塩のようなリン
系添加剤を添加して使用している。
【0003】近年、高速道路の発達や、宅配便のような
高速輸送需要が急増するなどの理由で、自動車を高速で
運転する機会が増えるとともに、エンジンの高出力化や
空力特性の改善の面からギヤ部を遮蔽することが多くな
り、また燃費向上の面からギヤユニットを小型化するこ
とが行なわれ、その結果、手動変速機および終減速機の
ギヤ油の使用温度が、高くなる傾向にある。 さらに、
手動変速機のシンクロ機構においては、ダブルコーンシ
ンクロ等の新機構の出現やSNRの材料として合成樹脂
を採用するようになった結果として、シフトレバーを操
作をする際に、ひっかかりが生じること、つまり、シフ
トチェンジに当たってシフトが入りにくくなる可能性が
ある。 シフトチェンジする際に、SNRとGC間の動
摩擦係数が小さいほど、また、静摩擦係数が大きいほ
ど、シフトのギアが入れにくくなる現象がみられる。
とくに大型車用のシンクロ機構においては、耐久性の向
上を目的に、シンクロナイザーリング材として、従来の
黄銅材に代わって樹脂(フェノール硬化性樹脂)材を使
用する割合が多くなってきている。 このような状況の
もとで、樹脂材を使用したシンクロ機構に対して、すぐ
れた性能を発揮するギヤ油の開発が望まれている。
【0004】一方で昨今は、メンテナンスフリー化、オ
イル管理の合理化への要望が強く、一種類のギヤ油で手
動変速機も終減速機も潤滑できるものが求められる。
【0005】発明者らは、このような要望に答えること
を意図して研究を重ねた結果、特定の基油とイオウ化合
物とに、リン系極圧剤の中でもとくに炭素数8以上のア
ルキル基を有する酸性リン酸エステルまたはそのアルキ
ルアミン塩を組み合わせることにより、他のリン系極圧
剤を組み合わせた場合に比べて、シフト操作においてギ
ヤが入りやすいことを見出した。 さらに、このイオウ
化合物として炭化硫化水素硫化物を選び、リン系極圧剤
として炭素数12以上のアルキル基を有する酸性リン酸
エステルおよび炭素数8以上のアルキル基を有する酸性
リン酸エステルのアルキルアミン塩から選ばれる1種ま
たは2種以上のリン化合物を選ぶことにより、シフト操
作性、耐熱性とともに、極圧性がさらに向上することを
も見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したような技術の現状にかんがみて、発明者らが得た上
記の新しい知見を活用し、すぐれた極圧性と耐熱性を有
するとともに、樹脂材を用いたシンクロナイザーリング
とギヤコーンとの摩擦特性を大幅に改善した、手動変速
機と終減速機とを共通に潤滑できる自動車用兼用ギヤ油
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明のギヤ油組成物は、基本的には、下記の基油である
A成分に、イオウ化合物であるB成分およびリン化合物
であるC成分を添加してなる: (A)100℃における粘度が2〜50mm2/s、流動点
が−15℃以下、イオウ分が0.7質量%以下である、
鉱油および合成油の中から選ばれた1種単独または2種
の混合物である基油、(B)炭化硫化水素硫化物、硫化
テルペンおよび油脂とイオウとの反応物である硫化油脂
から選ばれた1種または2種以上のイオウ化合物を、基
油の0.05〜8質量%、および(C)炭素数8以上の
アルキル基を有するアルコールの酸性リン酸エステルお
よびそのアルキルアミン塩から選ばれた1種または2種
以上のリン化合物を、基油の0.1〜6質量%。
【0008】本発明のギヤ油組成物の好ましい態様にお
いては、B成分として炭化硫化水素硫化物の中から選ば
れた1種または2種以上のイオウ化合物を使用し、基油
に対し0.05〜8質量%を添加し、C成分として炭素
数12以上のアルキル基を有する酸性リン酸エステルお
よび炭素数8以上のアルキル基を有する酸性リン酸エス
テルのアルキルアミン塩から選ばれた1種または2種以
上のリン化合物を使用し、基油の0.1〜6質量%を添
加する。
【0009】上記した組成物である本発明のギヤ油は、
手動変速機油および終減速機油として第一に具備すべき
条件、すなわち、1)極圧性にすぐれ、かつ、2)耐熱
性にすぐれるという性能を有する。 その上で、とくに
手動変速機油に対して要求される、3)シンクロナイザ
ーリングとギヤコーン部分において適切な摩擦係数を有
する、という条件を満たす。 こうして本発明のギヤ油
は、手動変速機と終減速機とを共通に潤滑することがで
きる。
【0010】本発明の組成物のA成分である基油を構成
する鉱油としては、高度に精製されたパラフィン系鉱
油、たとえば水素化精製基油、触媒異性化基油を用いる
ことが望ましい。 A成分としての鉱油は、上記のよう
に、100℃における粘度が2〜50mm2/sの範囲にな
ければならない。 好ましい粘度は、2〜40mm2/sで
あり、さらに好ましくは2〜30mm2/s、とくに好まし
くは5〜20mm2/sである。
【0011】この鉱油は、イオウ分がなるべく少ないこ
とが望ましい。 許容されるイオウ分の含有量は、0.
7質量%までである。 イオウ分が0.7質量%を超え
て存在すると、高温で使用されたときにスラッジの生成
が促進されるからである。好ましくは、イオウ分0.6
質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以下で
ある。 可能であれば0.3質量%以下にしたい。
【0012】鉱油の流動点は、−15℃以下であること
を要する。 流動点が−15℃より高くなると、低温粘
度特性が悪くなる傾向が見られる。 −17.5℃以下
であることが好ましく、−35℃以下であることがとく
に好ましい。
【0013】上記A成分である基油に添加するB成分
は、下記の一般式Iで表される炭化水素硫化物、
【0014】
【化1】
【0015】[式中、R1 およびR3 は同一または異な
る一価の炭化水素基であり、R2 は二価の炭化水素基で
ある。 xは1以上の整数であり、好ましくは1〜8で
ある。繰り返し単位中において、それぞれのxは同一ま
たは異なる数であり得る。 nは、0または1以上の整
数である。] 硫化テルペンおよび油脂とイオウとの反応生成物である
硫化油脂から選んだ1種または2種以上のイオウ化合物
である。
【0016】一般式Iで表される炭化水素硫化物におい
て、R1 またはR3 としては、炭素数2〜20の直鎖ま
たは分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基すな
わちアルキル基およびアルケニル基、ならびに炭素数6
〜26の芳香族炭化水素基を挙げることができる。 具
体的には、エチル基、プロピル基、ブチル基、ノニル
基、ドデシル基、プロペニル基、ブテニル基、ベンジル
基、フェニル基、トリル基およびヘキシルフェニル基な
どである。
【0017】R2 としては、炭素数2〜20の直鎖また
は分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基および
炭素数6〜26の芳香族炭化水素基を挙げることができ
る。具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン
基およびフェニレン基などである。
【0018】A成分の炭化水素硫化物の、いまひとつの
代表的なグループとして、硫化オレフィンおよび一般式
II
【0019】
【化2】
【0020】[式中、xは2以上の整数]で表されるポ
リサルファイド化合物が挙げられる。 具体的には、ジ
イソブチルジサルファイド、ジオクチルポリサルファイ
ド、ジ-tert-ノニルポリサルファイド、ジ-tert-ブチル
ポリサルファイド、ジ-tert-ベンジルポリサルファイ
ド、そしてポリイソブチレンやテルペン類などのオレフ
ィン類をイオウその他の硫化剤で硫化して得た硫化オレ
フィン類などである。
【0021】油脂とイオウとの反応生成物である硫化油
脂は、油脂としてラード、牛脂、鯨油、パーム油、ヤシ
油、ナタネ油などの動植物油脂を使用しこれに硫化反応
を行なって得たものである。 この反応生成物は単一の
ものではなく、種々の物質の混合物であり、化学構造そ
のものは明確ではない。
【0022】B成分としては、上に挙げた各種のイオウ
化合物の中でも、とくに硫化オレフィンおよびポリサル
ファイド化合物が好ましい。
【0023】B成分である硫黄化合物は、A成分である
基油の量を基準として0.05〜8質量%を添加する。
添加量が0.05質量%より少ないと極圧性が悪く、
8質量%より多くなると耐熱性が悪くなる。 好適な添
加量は0.1〜6質量%であり、さらに好ましくは2〜
5質量%、とくに好ましくは2.0〜4.0質量%であ
る。
【0024】本発明のギヤ油組成物のいま一つの成分と
して、B成分とともに添加する、特定のリン系極圧剤で
あるC成分は、下記の一般式III で示される酸性リン酸
エステル、酸性亜リン酸エステル、酸性チオリン酸エス
テル、酸性ジチオリン酸エステル、ならびにそれらのア
ルキルアミン塩である。
【0025】
【化3】
【0026】[式中、R4 は水素原子、炭化水素基また
はイオウ原子含有炭化水素基をあらわし、aは1または
2である。] R4 の実例としては、炭素数8〜20の直鎖または分枝
鎖の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基すなわちアル
キル基およびアルケニル基、炭素数8〜26の芳香族炭
化水素基、シクロアルキル基が挙げられる。 炭素数が
8以下でも26以上でも、シンクロ特性が満足できる値
とならない。
【0027】アミン塩を構成する酸性エステルの具体例
としては、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、
オクチルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホス
フェート、オレイルアシッドホスフェート等が挙げられ
る。 これらを中和して塩をつくるアルキルアミンは、
一般式IV
【0028】
【化4】
【0029】[式中、R5、R6およびR7 は一価の炭化
水素基または水素原子であり、そのうち少なくとも1個
は炭化水素基である。] で表される。 そのようなアルキルアミンの具体例は、
ジブチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、
ラウリルアミン、ジラウリルアミン、ココナッツアミ
ン、牛脂アミンなどである。
【0030】C成分である上記リン化合物の炭素数は、
8以上でなければならず、好ましくは8〜20である。
炭素数が8未満であると、シンクロ特性が悪い。
【0031】C成分の中で好ましいリン化合物は、炭素
数12以上のアルキル基を有する酸性リン酸エステルの
アミン塩、および炭素数8以上のアルキル基を有する酸
性リン酸エステルのアミン塩である。 とくに好ましい
リン化合物は、炭素数12〜20のアルキル基を有する
酸性リン酸エステルのアミン塩、および炭素数8〜20
のアルキル基を有する酸性リン酸エステルのアミン塩で
ある。
【0032】C成分であるリン化合物は、A成分である
基油を基準として、0.1〜6質量%添加する。 添加
量が0.1質量%より少ないと、静摩擦係数が高くなっ
て、SNRとGCが同期する際のトルク波形にルースタ
ーテールが発生し、シフトが入りにくくなる。 6質量
%を超えると、動摩擦係数が低くなり、その結果として
同期時間が長くなり、やはりシフトが入りにくくなる。
添加量は0.1〜6質量%の範囲から選ぶ。 好まし
くは0.2〜5質量%、より好ましくは0.3〜3質量
%、とくに好ましくは0.5〜1.5質量%である。
【0033】本発明のギヤ油において好ましい組成物
は、A成分である基油として、100℃における粘度が
2〜50mm2/s、流動点が−15℃以下、イオウ分が
0.7質量%以下である鉱油を使用し、これに下記の表
1に示すB成分およびC成分を組み合わせて添加したも
のである。
【0034】 表 1 No. B 成 分 C 成 分 1 硫化オレフィン 2−エチルヘキシルアシッドホスフェート のオレイルアミン塩 2 硫化オレフィン オクチルアシッドホスフェート 3 硫化オレフィン ラウリルアシッドホスフェート 4 硫化オレフィン オレイルアシッドホスフェート 5 ポリサルファイド化合物 2−エチルヘキシルアシッドホスフェート のオレイルアミン塩 6 ポリサルファイド化合物 オクチルアシッドホスフェート 7 ポリサルファイド化合物 ラウリルアシッドホスフェート 8 ポリサルファイド化合物 オレイルアシッドホスフェート 以上説明したA〜C成分から成る本発明のギヤ油組成物
は、各成分の作用により、耐熱性および極圧性が優れる
とともに、シンクロナイザーリングとギヤコーンとの摩
擦特性が向上したものである。
【0035】本発明のギヤ油組成物には、必要に応じ
て、種々の添加剤、たとえば摩耗防止剤、無灰型分散
剤、金属型清浄剤、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化
剤、粘度指数向上剤および消泡剤などを添加してもよ
い。 具体例を挙げれば、摩耗防止剤としてはジアルキ
ルジチオリン酸亜鉛等が、無灰型分散剤としてはアルケ
ニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル、長
鎖脂肪酸とポリアミンのアミド(アミノアミド型)等
が、金属型清浄剤としてはアルカリ土類金属スルホネー
ト、アルカリ土類金属フェネート等が、酸化防止剤とし
てはアミン系、フェノール系の酸化防止剤等が、金属不
活性化剤としてはベンゾトリアゾール、チアジアゾール
が、防錆剤としてはアルケニルコハク酸エステル等が、
流動点降下剤としてはポリメタクリレート等が、また消
泡剤としてはシリコン化合物等である。
【0036】本発明ギヤ油組成物は、自動車等の車両用
のギヤ油として一般的に用いることができるが、自動車
の手動変速機用と終減速機用とを兼ねたギヤ油として用
いることができ、この点でとくに有用である。 好まし
い適用場面は、SNRに樹脂材を用いた手動変速機と終
減速機の兼用ギヤ油である。 SNRが樹脂材である手
動変速機用のギヤ油として使用したとき、本発明のギヤ
油組成物は、最もよくその効果を発揮する。
【0037】
【実施例】表3〜5に掲げた各種の基油および添加剤
を、それぞれ表に示す割合で配合して、本発明の実施例
および比較例のギヤ油組成物を調製した。 これらのギ
ヤ油組成物について、次の性能試験を行なった。 その
結果を表3〜5に示す。
【0038】(シンクロ特性評価試験)シンクロナイザ
ーリングとギヤコーンとを台上に設置し、ギヤコーンを
回転させるモーターの回転数を600rpm に維持する。
次いで、21.5N・cm・s2で慣性力を発生させたシンク
ロナイザーリングを、1200Nの荷重でギヤコーンに
押しつける。 このとき、押しつけ開始からギヤコーン
の回転数が0rpm になるまでの時間を、同期時間とし
た。 同期時間が短いほど、シフトが入りやすいことを
示す。 さらに、このときのシンクロナイザーリングと
ギヤコーンとの間のトルク波形において、ルースターテ
ールが生じるか否かを調べた。 ルースターテールが無
ければ、シフトは入りやすい。 試験温度は40℃およ
び80℃である。
【0039】それぞれの合格基準としては、次の条件を
採用した: 同期時間: 0.3秒以下 ルースターテール: 無いこと。
【0040】(極圧性試験)表2に示す条件で、IAE
ギヤ試験を行なった。 この試験は、IP法(イギリス
石油協会規定)のIP166/68に従って行ない、焼
き付き限界荷重を測定した。
【0041】表 2ギヤ試験の試験条件 小歯車回転数: 6000rpm 給油温度: 110℃ 給油方法: 強制給油 給油量: 0.56リットル/分 運転方法: 5分間毎のステップ荷重増加法 (10ポンドの荷重で運転を開始し、5分間毎に5ポン
ドづつ荷重を増加させた。) 合格基準: 焼き付き荷重150ポンド以上。
【0042】(酸化安定性試験)内燃機関用潤滑油安定
度試験法(JIS K 2514)に準拠し、135℃、
96hrの条件で行なった。 評価は、全酸価増加および
スラッジの有無により行ない、全酸価増加は3.0 mgK
OH/g以下、スラッジは無いことを、合格基準とした。
【0043】表3ないし表5に掲げた各成分および特性
の記号は、それぞれ下記の意味を有する: A−1:パラフィン系鉱物油 (100℃における粘度
が12mm2/s、流動点は−17.5℃、イオウ分含有量
が0.3質量%) A−2:パラフィン系鉱物油 (100℃における粘度
が12mm2/s、流動点は−17.5℃、イオウ分含有量
が0.9質量%) B−1:硫化オレフィン B−2:ポリサルファイド B−3:硫化油脂 C−1:ブチルアシッドホスフェート C−2:ラウリルアシッドホスフェート C−3:2−エチルヘキシルアシッドホスフェートのオ
レイルアミン塩 C−4:トリイソオクチルホスファイト C−5:ジ−2−エチルヘキシルハイドロゼンホスファ
イト L.T.:ルースターテール 表3〜表5に示したA成分、B成分およびC成分の配合
量は、基油を100質量%とした外数である。 実施例
および比較例を通じて、調製したギヤ油には、無灰型分
散剤および粘度指数向上剤を、合計で2.0質量%添加
した。
【0044】 表 3 実施例 No. 1 2 3 4 A成分 A−1 100 100 100 100 A−2 − − − − B成分 B−1 3.0 − 3.0 − B−2 − 3.0 − 3.0 C成分 C−2 1.0 − 0.5 − C−3 − 1.0 − 5.0 シンクロ特性(40℃) 同期時間(秒) 0.28 0.27 0.26 0.29 L.T. なし なし なし なし シンクロ特性(80℃) 同期時間(秒) 0.28 0.27 0.26 0.29 L.T.(N・m) なし なし なし なし 極圧性 合格荷重(lb) 150以上 150以上 150以上 150以上 酸化安定性 全酸価増加(mgKOH/g) 1.6 1.4 1.5 1.7 スラッジの有無 なし なし なし なし
【0045】 表 4 比較例 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 A成分 A−1 − 100 100 100 100 100 100 100 A−2 100 − − − − − − − B成分 B−1 3.0 − − 3.0 10.0 − − 3.0 B−2 − − 3.0 − − 3.0 − − B−3 − − − − − − 3.0 − C成分 C−1 − − 1.0 − − − − − C−2 1.0 − − − 1.0 − − − C−3 − 1.0 − − − 7.0 − − C−4 − − − − − − 1.0 − C−5 − − − − − − − 1.0 シンクロ特性(40℃) 同期時間 0.27 0.27 0.24 0.21 0.24 0.31 0.24 0.24 L.T. なし なし あり あり なし なし あり あり シンクロ特性(80℃) 同期時間 0.27 0.29 0.24 0.20 0.24 0.35 0.26 0.26 L.T. なし なし あり あり なし なし あり あり 極圧性 合格荷重 150以上 80 150以上 150以上 150以上 150以上 110 150以上 酸化安定性 全酸価増加 3.1 1.0 1.4 1.2 4.7 2.4 1.2 1.3 スラッジ あり なし なし なし あり なし なし なし 特性値の単位は表3と同じ。
【0046】
【発明の効果】本発明のギヤ油組成物は、すぐれた極圧
性および耐熱性を有するとともに、大型車には主流とな
ってきた樹脂材シンクロナイザーリングとギヤコーンと
の摩擦特性を向上させることができる。 従って本発明
のギヤ油組成物は、手動変速機と終減速機とに共通の潤
滑剤となるギヤ油として使用できる。 このことは、製
造および流通に有利であるのみならず、需要者にとって
も、オイル交換のインターバルを長くした、いわゆるロ
ングドレン化を実現することができ、かつオイルの在庫
管理が簡易になることによる省力化その他の利益が得ら
れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 137:08) C10N 20:00 20:02 30:06 30:08 40:04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の、基油であるA成分に、イオウ化
    合物であるB成分およびリン化合物であるC成分を添加
    してなるギヤ油組成物: (A)100℃における粘度が2〜50mm2/s、流動点
    が−15℃以下、イオウ分が0.7質量%以下である、
    鉱油および合成油の中から選ばれた1種単独または2種
    の混合物である基油、(B)炭化硫化水素硫化物、硫化
    テルペンおよび油脂とイオウとの反応物である硫化油脂
    から選ばれた1種または2種以上のイオウ化合物を、基
    油の0.05〜8質量%、および(C)炭素数8以上の
    アルキル基を有するアルコールの酸性リン酸エステルお
    よびそのアルキルアミン塩から選ばれた1種または2種
    以上のリン化合物を、基油の0.1〜6質量%。
  2. 【請求項2】 B成分として、炭化硫化水素硫化物の中
    から選ばれた1種または2種以上のイオウ化合物を0.
    05〜8質量%、C成分として、炭素数12以上のアル
    キル基を有する酸性リン酸エステルおよび炭素数8以上
    のアルキル基を有する酸性リン酸エステルのアルキルア
    ミン塩から選ばれた1種または2種以上のリン化合物を
    0.1〜6質量%配合した請求項1のギヤ油組成物。
JP9127565A 1997-05-16 1997-05-16 ギヤ油組成物 Pending JPH10316987A (ja)

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