JP2670392B2 - 半導体集積回路装置 - Google Patents

半導体集積回路装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、半導体集積回路装置の組
立構造、特に高密度化乃至薄型化を実現することが可能
な半導体集積回路装置の組立構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路装置を組み立て
る際に使用するリードフレームは、タブと呼ばれる部分
を持っており、同部分に半導体チップを載置して固定す
るのが普通である。タブとインナーリード(電極接続用
の内部配線部分)及びバスバー(電源接続用の母線部
分)との間には、若干の隙間が形成されており、半導体
チップの電極端子(ボンディングパット)とインナーリ
ード及びバスバーとの間の結線は、その隙間を跨いでボ
ンディングワイヤを用いて行う。このため、当該隙間の
分だけ、リードフレームに空間的な余裕を設ける必要が
あるが、最近のように半導体チップの寸法が大きくなる
と、この種の隙間を形成する余裕がなくなるか、或は、
樹脂封入に必要な長さをインナーリードの部分に確保す
ることができないという問題があった。
【0003】以上の理由から、タブを省略し、インナー
リード及びバスバーに半導体チップを直接固定しよう
する試みが提案されている(例えば特開昭59−925
56号公報及び特開昭61−241959号公報参
照)。図4及び図5にその二つの従来例を示す。同図に
示す如く、リードフレーム1のインナーリード2及びバ
スバー3は、半導体チップ4の上まで延長して設けら
れ、当該延長部分に適当な絶縁層5を介して半導体チッ
プ4を固定する。半導体チップ4の電極端子7とインナ
ーリード2及びバスバー3との間の結線は、従前と同
様、ボンディングワイヤ8を用いて行う。
【0004】しかし、この種の半導体集積回路装置は、
装置構成の必要上、バスバー3をインナーリード2の前
方(半導体チップ側)に配設せざるを得ないため、イン
ナーリード2と電極端子7との間を結線するボンディン
グワイヤ8は、バスバーとの接触(短絡)を避けて大
きなループ状に配線する必要がある。この結果、ボンデ
ィングワイヤが長大化して製造コストの増加を招くほ
か、ボンディングワイヤをループさせる分だけ、半導体
装置の薄型化が困難になるという問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の従来技術の問題を解決し、半導体集積回路装置のより
高密度化及び薄型化を工業的に有利に実現することが出
来る新規な組立構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、ボンディ
グワイヤとの接触を防止するための絶縁部材をディスペ
ンサによる塗工によってバスバーの表面に形成すること
によって解決することが出来る。絶縁部材は、絶縁塗料
を組成とするものであり、この絶縁塗料の代わりに絶縁
性の接着剤又は粘着剤を使用することも可能である。
【0007】絶縁部材は、ボンディグワイヤに対して
も接着性又は粘着性を有するものであることが望まし
い。このような絶縁部材を使用した場合は、ボンディン
グワイヤを当該絶縁材料に接着又は粘着させて固定し、
ワイヤ同志の接触を防止することが出来るからである。
【0008】更に、インナーリード及びバスバーと半導
体チップとの間を絶縁するための絶縁層と、バスバーと
ボンディグワイヤとの接触を防止するための上記絶縁
部材とを一つの材料をもって纏めて構成することも技術
的に充分可能であり、その場合は、半導体装置の組立作
業を簡略化することが出来る。
【0009】
【実施例】図1は、本発明に係る半導体集積回路装置の
一つの実施例を示す斜視図である。なお、図4及び図5
と同一の符号は、同一又は類似の部品を表すものとす
る。この実施例において使用するリードフレーム1は、
図4及び図5に例示した従来の半導体集積回路装置の場
合と同様、いずれもタブを持たない形式のものである。
その代わり、インナーリード2及びバスバー3が半導体
チップ4の上まで延長して設けられ、当該延長部分に絶
縁層5を介して半導体チップ4を固定する。バスバー3
は、半導体チップ4の電極端子7とインナーリード2と
の間の隙間を埋める形で細長く存在し、かつ、ボンディ
ングワイヤ8は、当該バスバーを跨く形でインナーリー
ド2と電極端子7との間を結線する。
【0010】図1の実施例では、絶縁性接着剤の塗布層
からなる所定の厚さの絶縁被膜10がバスバー3の表面に
形成され、当該被膜によってボンディングワイヤ8とバ
スバー3との相互接触を防いでいる。絶縁被膜10は、バ
スバー3に接着剤をディスペンサで塗工することによっ
て形成され、その際、ボンディングワイヤ8を接着剤で
包み込んで固定することも可能である。ディスペンサに
よる塗工は、注射器のような吐出器具を用いて注射器の
針に相当するニードルの先端から絶縁塗料を吐出し、該
絶縁塗料を被塗工対象物の任意の位置に塗布する方法と
して一般に知ら れているものである。吐出器具はXYZ
3軸制御ロボットによって高度に位置制御され、絶縁塗
料の膜厚や塗布位置のコントロールは、吐出器具の位置
制御と共に吐出圧力やニードルの孔径などを調節するこ
とによって行う。
【0011】図2の半導体集積回路装置では、図1の実
施例における絶縁被膜10の代わりに、絶縁フィルム貼付
層11が設けられ、当該貼付層によってボンディングワイ
ヤ8とバスバー3との相互接触を防いでいる。なお、本
構造では、バスバー3の一部を串型に形成して符号3’
で示すようにインナーリード2側に突出させ、この突出
部をバスバー3の配線用端子として使用する。また、図
3の半導体集積回路装置は、絶縁フィルム貼付層11を設
けた点で図2の構造と同じであるが、貼付層11の適当な
場所に開口部12を設けた点が同構造と異なる。当該開口
部分に露出したバスバー3の部分は、バスバー配線用の
端子として使用する。
【0012】以上、いずれの半導体集積回路装置も、バ
スバー3とボンディングワイヤ8との間が絶縁部材(絶
縁被膜10又は絶縁フィルム貼付層11)によって絶縁され
ているため、バスバーに接触することなく、かつ、低
い高さのループでボンディングワイヤ8を配線すること
が出来る。
【0013】半導体集積回路装置の組立は、先ず、接着
剤又は粘着剤を両面に塗布した絶縁板(絶縁層5)の一
面をインナーリード2及びバスバー3の裏側に接着し、
他面に半導体チップ4を接着して相互に固定する。次
に、バスバー3の表面にディスペンサによる塗工によっ
接着剤を塗布して絶縁被膜10(図1参照)を形成
る。最後に、インナーリード2及びバスバー3と半導体
チップ4の電極端子7及び7’とをボンディングワイヤ
8を用いて結線した後、必要な樹脂封入を行う。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、半導体チップ上の狭い
領域内においてインナーリードと共に高密度かつ微細に
配線されたバスバーとボンディングワイヤとの間の接続
(短絡)を、バスバーの表面にディスペンサによる塗工
によって絶縁被膜を形成すると いう極めて簡単に構造
採用によって容易に防止することができ、しかもこの場
合ディスペンサによる塗工によって絶縁被膜を形成する
ためにスクリーン印刷法などと比較して絶縁被膜形成に
高い位置精度が得られると共に任意の場所への塗布が容
易であり、高密度化を目指したこの種の構造の半導体集
積回路装置を工業的に容易に製造可能とし、これにより
ボンディングワイヤを短尺化して半導体集積回路装置の
高密度化及び薄型化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体集積回路装置の一実施例
示す斜視図。
【図2】半導体集積回路装置の構造例を示す斜視図。
【図3】半導体集積回路装置の構造例を示す斜視図。
【図4】従来構造の半導体集積回路装置の一例を示す断
面図。
【図5】従来構造の半導体集積回路装置の別の一例を示
す斜視図。
【符号の説明】
1…リードフレーム、2…インナーリード、3…バスバ
ー、4…半導体チップ、5…絶縁層、7…電極端子、8
…ボンディングワイヤ、10…絶縁被膜、11…絶縁フィル
ム。
フロントページの続き (72)発明者 川村 敏雄 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 金属研究所内 (72)発明者 高坂 博之 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 金属研究所内 (72)発明者 鈴村 隆志 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 金属研究所内 (72)発明者 坂東 良則 茨城県日立市助川町3丁目1番1号 日 立電線株式会社 電線工場内 (72)発明者 安生 一郎 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株式会社日立製作所 武蔵工場内 (72)発明者 岩谷 昭彦 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株式会社日立製作所 武蔵工場内 (72)発明者 有田 順一 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株式会社日立製作所 武蔵工場内 (72)発明者 松沢 朝夫 東京都小平市上水本町五丁目22番1号 株式会社日立マイコンシステム内 (72)発明者 一谷 昌弘 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株式会社日立製作所 武蔵工場内 (72)発明者 井村 健一 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株式会社日立製作所 武蔵工場内 (56)参考文献 実開 昭64−16636(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体チップ上まで延長するインナーリー
    ドと当該インナーリードよりも更に半導体チップ側に配
    設されたバスバーを有するタブ無し構造のリードフレー
    ムを使用し、インナーリードの先端及びバスバーに絶縁
    層を介して固定した半導体チップの電極端子と当該イン
    ナーリード及びバスバーとの間をボンディグワイヤを
    もって結線する構造の集積回路装置において、ボンディ
    グワイヤとバスバーとの接触を防止するための絶縁部
    をディスペンサによる塗工によって当該バスバーの表
    面に形成してなることを特徴とする半導体集積回路装
    置。
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