JP2670335B2 - 液晶材料の配向方法 - Google Patents

液晶材料の配向方法

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JP2670335B2 JP2073989A JP2073989A JP2670335B2 JP 2670335 B2 JP2670335 B2 JP 2670335B2 JP 2073989 A JP2073989 A JP 2073989A JP 2073989 A JP2073989 A JP 2073989A JP 2670335 B2 JP2670335 B2 JP 2670335B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶表示装置、液晶記憶素子、液晶音響素子
等の液晶光学素子として用いられる液晶材料の配向方法
に関する。
〔従来の技術〕
配向された液晶を電極が配設された2枚の基板に挟持
してなる液晶光学素子を製造するためには、液晶材料を
高度に配向制御する必要があり、そのため各種の配向制
御方法が提案されている。
例えば、ラビング法、斜方蒸着法、電場や磁場を用い
る方法、ガラス基板に狭んで剪断を加える方法等が知ら
れているが、これらの方法は生産性に問題があった。高
分子液晶については低分子液晶よりは力学的配向が容易
であり、延伸や剪断により配向を行う方法がある。特開
昭63−109418号公報には高分子と液晶の複合材料からな
る液晶フイルムを延伸することによって配向処理する方
法が記載されている。しかしながら、この方法では液晶
材料を数μm以下の薄膜にしなければならず、延伸時の
条件設定が難しく、また延伸後に再加熱と冷却の仮定を
必要とする。さらに高分子そのものの配向が液晶の配向
方向と同じになるので、例えば強誘電性液晶の場合良好
な明暗表示ができないという問題がある。さらにまた、
高度な配向状態の液晶材料が得られないという問題もあ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記事情に基づいてなされたもので、前記
問題点を解消し、基板にポリマーコートやラビングなど
の前処理を行わなくても、簡単な操作で生産性良く液晶
材料を高度に配向させることができる液晶材料の配向方
法を提供することを目的とするものである。
本発明はまた液晶材料の配向と基板の積層を同時に行
うことができ、液晶光学素子を連続的に容易に製造する
ことができる液晶材料の配向方法を提供することを目的
とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、液晶材料を回転線速度の異なる加圧ローラ
ー間で剪断力により配向させるとにより、前記目的を達
成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明は少なくとも一対の回転線速度の異
なる加圧ローラー間に液晶材料を通し剪断力により一軸
配向させることを特徴とする液晶材料の配向方法を提供
するものである。
本発明によれば極めて簡単な操作により液晶材料を高
度に配向処理することができる。
本発明において配向処理を行う液晶材料としては、特
に制限されず、ネマチック相(N相)、コレステリック
相(Ch相)、スメクチック相(Sm)相などすべての液晶
相のうち何れかの相を示すものであればよい。これらは
低分子液晶、高分子液晶(共重合体を含む)、あるいは
これらの混合物の何れであってもよい。
高速応答性を示す液晶光学素子を得るためには、例え
ばカイラルスメクチックC相を示す低分子液晶、高分子
液晶(共重合体を含む)、あるいはこれらの混合物から
なる強誘電性液晶材料を用いるのが好ましい。
さらに、配向処理後の配向、膜形状安定性を向上させ
るためには液晶材料中に架橋性樹脂や熱可塑性樹脂など
の非液晶物質を混合させることができる。また、ゲスト
ホスト型の液晶光学素子とするために2色性色素などを
加えてもよいし、液晶温度域、応答性能を改善するため
に各種の添加材料を加えてもよい。
本発明の液晶材料として用いられる強誘電性高分子液
晶としては、例えばカイラルスメクチックC相をとる側
鎖型強誘電性高分子液晶が好適に使用される。
側鎖型強誘電性高分子液晶の具体例としては、例え
ば、以下の各々の一般式からなる繰り返し単位を有する
ポリマー、コポリマー又はこれらのブレンド物等を挙げ
ることができる。
〔1〕ポリアクリレート系 〔式中、kは1〜30までの整数であり、 であり、Xは−COO−又は−OCO−であり、R2は−COO
R3、−OCOR3、−OR3、又は−R3であり、ここでR3(式中、m及びnは、各々独立に、0〜9の整数であ
り、qは、0又は1であり、R4及びR5は、それぞれ−CH
3、ハロゲン原子又はCNであり、但し、R5が−CH3である
場合には、nは0ではなく、Cは不斉炭素原子を表
し、C(*)はn≠0の場合不斉炭素原子を意味す
る。)で表される基を表す。〕 このポリマーの数平均分子量は、好ましくは、1,000
〜400,000である。1,000未満であるとこのポリマーのフ
ィルム、塗膜としての成形性に支障を生じる場合があ
り、一方、400,000を超えると応答時間が長くなる等の
好ましくない結果の現れることがある。そして、数平均
分子量の特に好ましい範囲は、R1の種類、kの値、R3
光学純度等に依存するので一概に規定できないが1,000
から200,000である。
このポリマーの一般的な合成方法は、下式、 (ここで、k、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは前記の
ものである。) で示されるモノマーを公知の方法で重合することにより
得ることができる。
なお、ポリアクリレート系のうち、次式で示す液晶の
カイラルスメクチックC相を示す温度Tsc 、及び平均
分子量Mnの例を示すと、次の通りである。
(a) k=12,Mn=5300,Tsc :5〜12℃ (b) k=14,Mn=6500,Tsc :13〜31℃ 〔II〕ポリエーテル系 (式中、k、R1、R2、R3、R4、R5、m、n及びXは前記
〔I〕と同じである。) このポリマーの数平均分子量は、好ましくは、1,000
〜400,000である。1,000未満であるとこのポリマーのフ
ィルム、塗膜としての成形性に支障を生じる場合があ
り、一方400,000を超えると応答速度が遅くなる等の好
ましくない結果の現れることがある。そして、数平均分
子量の特に好ましい範囲は、R1の種類、kの値、R3の光
学純度等に依存するので一概に規定できないが、1,000
〜200,000である。
このポリマーの一般的な合成方法は、下記一般式 (ここで、k、R1、R2、R3、R4、R5、m、n及びXは前
記と同じである。) で示されるモノマーを公知の方法で重合することにより
得ることができる。
なお、ポリエーテル系のうち、次式で示す液晶のカイ
ラルスメクチックC相を示す温度Tsc 、及び平均分子
量Mnの例を示すと、次の通りである。
(a)k=8,Mn=2800,Tsc 24〜50℃ (b)k=10,Mn=2400,Tsc :19〜50℃ 〔III〕ポリシロキサン系 (式中、R6は低級アルキル基であり、k、R1、R2、R3
R4、R5、m、n及びXは前記と同じである。) このポリマーの数平均分子量は、特に限定されない
が、1,000〜400,000であることが好ましい。この数平均
分子量が1,000未満ではこのポリマーのフィルム塗膜と
しての成形性に支障を生じる場合があり、一方、400,00
0を超えると電解応答速度が遅い等の好ましくない結果
の現れることがある。数平均分子量の特に好ましい範囲
は、R1基の種類、k、m、nの値、R4基の光学純度等に
依存するので一概に規定できないが、通常、1,000〜20
0,000である。
このポリマーは例えば、下式、 (式中、R6は前記と同じ意味を有する。) で表される繰り返し単位からなるアルキルヒドロポリシ
ロキサンと下式 H2C=CH(CH2k-2−O−R1 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、k、m及びnは前記と同
じ意味を有する。) で表される液晶ユニット化合物とを一定条件で反応させ
ることにより合成することができる。
なお、ポリシロキサン系のうち次式で示す液晶カイラ
ルスメクチックC相を示す温度Tsc 及び平均分子量Mn
の例を示すと、次の通りである。
(a)k=6,Mn=16400,Tsc :70〜90℃ (b)k=8,Mn=15000,Tsc :39〜91℃ 〔IV〕ポリエステル系 〔式中のR7はH、CH3又はC2H5、sは1〜20の整数、A
はO(酸素)又は−COO−、tは0又は1、R1、R2
R3、R4、R5、k、m及びnは前記と同じ意味を有す
る。) 又は、 〔式中のs、A、t、R1、R2、R3、R4、R5、k、m及び
nは前記と同じ意味を有する。) これらのポリマーは、通常のポリエステルの縮重合反
応によって得られる。すなわち、上記構造の二塩基酸又
はこれらの酸コロライドと、二価アルコールの縮重合反
応によって得られる。
これらのポリマーの数平均分子量1,000〜40,000の範
囲にあることが好ましい。この分子量が1,000未満では
このポリマーのフィルムや塗膜としての成形性に支障が
生じる場合がり、一方、400,000を超えると応答速度が
遅い等の好ましくない結果の現れることがある。数平均
分子量の特に好ましい範囲は、R2の種類、kの値、R4
光学純度等に依存するので一概に限定できないが、通常
1,000〜200,000である。
〔V〕
前記〔I〕ポリアクリレート系、〔II〕ポリエーテル
系、〔III〕ポリシロキサン系及び〔IV〕ポリエステル
系の繰り返し単位を含む共重合体。
前記〔I〕〜〔IV〕の繰り返し単位を含む具体例とし
ては次のものがある。
〔I〕の繰り返し単位と、以下の繰り返し単位を含む
共重合体。
(式中R8は、H、CH3、Cl、F、Br、又はIであり、R9
はC110のアルキル又はアリールである。) この共重合体の数平均分子量Mnは1,000〜400,000であ
り、好ましくは1,000〜200,000である。
また、〔I〕の繰り返し単位の割合は、20〜90%が好
ましい。
〔I〕の繰り返し単位の前躯体単量体である と以下の単量体との重合によって得られる共重合体。
〔式中、R10はC120のアルキル又はアリールであ
る。〕 〔I〕の繰り返し単位と の繰り返し単位を含む共重合体。
(式中uは1〜30の整数であり、Ruは、 であり、X1は−COO−、−OCO−又は−CH=N−であり、
R12は−COOR13、−OCOR13、−OR13又は−R13であり、R
13はC110のアルキル、フルオロアルキル又はクロロア
ルキルである。) 本発明に用いられる強誘電性高分子液晶としては、ポ
リマー中の側鎖の末端部分に不斉炭素が1又は2存在す
るものに限定されるものではなく、側鎖の末端部分に不
斉炭素が3以上含まれるものも使用できる。
また、前記強誘電性高分子液晶にカイラルスメクチッ
クC相を有する低分子液晶を混合したものも使用でき
る。
さらに、強誘電性高分子液晶として、例えばプロトン
供与体及び/又はプロトン受容体をそれぞれに有するポ
リマーと強誘電性低分子化合物とのブレンド物等を挙げ
ることができる。
この強誘電性高分子液晶としては、例えば下記に示す
低分子液晶とポリビニルアセテートとが水素結合して高
分子状となっているものがある。
強誘電性低分子液晶としては、例えば、次のものがあ
る。
(ここで、zは3〜30の整数である。) 4−〔4′−(1,2−ジメチロールプロピオニルオ
キシドデシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕安息香酸2−
メチルブチルエステル 4−〔4′−(12−(2,2−ジアセトキシプロピオ
ニルオキシ)ドデシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕安息
香酸2−メチルブチルエステル 4′−(1,2−ジメチロールプロピオニルオキシド
デシルオキシ)ビフェニル−4−カルボン酸2−メチル
ブチルエステル 4′−〔12−(2,2−ジアセトキシプロピオニルオ
キシ)ドデシルオキシ〕ビフェニル−4−カルボン酸2
−メチルブチルエステル 4′−〔4″−(1,2−ジメチロールプロピオニル
オキシドデシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕ビフェニル
−4−カルボン酸2−メチルブチルエステル 4′−〔4″−(12−(2,2−ジアセトキシプロピ
オニルオキシ)ドデシルオキシ)ベンゾキシ〕ビフェニ
ル−4−カルボン酸2−メチルブチルエステル 4′−〔4″−(1,2−ジメチロ−ルプロピオニル
オキシ)ドデシルオキシビフェニル−4′−カルボキシ
オキシ〕安息香酸2−メチルブチルエステル 4−〔4″−(12−(2,2−ジアセトキシプロピオ
ニルオキシ)ドデシルオキシ)ビフェニル−4′−カル
ボニルオキシ〕安息香酸2−メチルブチルエステル さらに他のタイプの強誘電性高分子液晶としては、例
えば強誘電性低分子液晶と熱可塑性非晶質ポリマーとの
ブレンド物(特開昭61−47427号公報)等を挙げること
ができる。
この液晶は、熱可塑性非晶質ポリマー10〜80wt%と、
低分子液晶90〜20wt%とからなる液晶組成物であって、
本来は、自己形状保持能力がない低分子液晶に特定の非
晶質ポリマーを一定量加えることによって、この混合物
をフィルム等に形成することを可能にし、このフィルム
状等にすることにより自己形状保持能力を付与したもの
である。
この液晶組成物に用いられる熱可塑性非晶質ポリマー
としては、ポリスチレン、ポリカーボネート等の光学的
異方性を有しないものが用いられる。また、低分子液晶
としては、例えば DOBAMBC(p−デシロキシベンジリデン−アミノ−
2−メチルブチルシンナメート) 4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸
2−メチルブチルエステル 4−(4″−オクチルオキシビフェニル−4′−カ
ルボニルオキシ)安息香酸2−メチルブチルエステル 4−オクチルオキシ安息香酸4−(2−メチルブチ
ルオキシ)フェニルエステル 4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸
3−メチル−2−クロロペンチルエステル 3−メチル−2−クロロペンタン酸4′,4″−オク
チルオキシビフェニルエステル p−ヘキシルオキシベンジリデン−p′−アミノ−
2−クロロプロピルシンナメート 4−(2−メチルブチルベンジリデン)−4′−オ
クチルアニリン等のカイラルスメクチックC相を呈する
る強誘電性の液晶化合物が用いられる。
本発明の液晶材料には、本発明の目的に支障のない範
囲で、他の熱可塑性樹脂を好ましくは60重量%未満混合
することができる。熱可塑性樹脂としては、Tgが好まし
くは30℃以上のもの、さらに好ましくは70℃以上のもの
が用いられる。
具体的には、ポリ塩化ビニル、ボリ臭化ビニル、ポリ
フッ化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共
重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビ
ニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリテトラフルオロクロルエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン等のハロゲン化ビニル重合体又は共重合体; ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール、ポリ
ビニルエーテル、ポリアリルエーテル等の不飽和アルコ
ール若しくはエーテルの重合体又は共重合体; アクリル酸若しくはメタアクリル酸等不飽和カルボン
酸の重合体又は共重合体; ポリ酢酸ビニル等のポリビニルエステル、ポリフタル
酸等のポリアリルエステル等のアルコール残基中に不飽
和結合をもつものの重合体又は共重合体; ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、マレイン酸エステル若しくはフマル酸エステル重合
体等の酸残基又は酸残基とアルコール残基中に不飽和結
合をもつものの重合体或いは共重合体; アクリロニトリル若しくはメタアクリロニトリルの重
合体又は共重合体、ポリシアン化ビニリデン、マロノニ
トリル若しくはフマロニトリルの重合体又は共重合体等
の不飽和ニトリル重合体或いは共重合体; ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリp−メ
チルスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合
体、スチレン−p−メチルスチレン共重合体、ポリビニ
ルベンゼン、ポリハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル
化合物の重合体又は共重合体; ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリジン、
ポリ−N−ビニルピロリドン等の複素環式化合物の重合
体又は共重合体; ポリカーボネート等のポリエステル縮合物、ナイロン
6、ナイロン6,6等のポリアミド縮合物; 無水マレイン酸、無水フマール酸及びそのイミド化物
を含む重合体又は共重合体; ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミ
ド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリスルホン、ポリエーテルフルホン、ポリア
リレート等の耐熱性有機高分子等が挙げられる。
この熱可塑性樹脂は構造材料として用いるので液晶材
料との相溶性は大きくても、小さくてもいずれでもよ
い。
また、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、架橋
性のシリコーン樹脂などの架橋性樹脂を好ましくは70重
量%未満混合することもできる。強誘電性液晶と架橋性
樹脂との混合物を用いると液晶光学素子の機械強度を強
化でき、リタデーション値が小さく、着色や色むらが少
なく、双安定性に優れた液晶光学素子が得られる。
ここで架橋性樹脂にはエポキシ樹脂のアミン、酸無水
物等の硬化剤や不飽和ポリエステル樹脂のスチレン等の
硬化剤を含むものとする。架橋性樹脂を用いた場合は配
向処理した後に架橋処理を行う。
本発明において液晶材料を加圧ローラー間に通して剪
断力により一軸配向させるあたっては、液晶材料をあら
かじめ製膜しておいて配向させてもよいし、製膜と配向
を同時に行ってもよい。
前者の方法としては、可撓性基板上にマイクログラビ
アコート、ダイレクトグラビアコート、スピンコート、
キャスト、刷毛塗り法、蒸着等により液晶材料を塗布製
膜し、可撓性基板と液晶材料が積層された状態で液晶材
料を加圧ローラー間に通すことにより行われる。
第1図は上記方法を説明するための断面説明図であ
る。図に示すように、異なる回転線速度v1、v2で回転す
る加圧ローラー対(1、2)の間に液晶材料3を可撓性
基板4と液晶材料3とが積層された状態で通して剪断力
により液晶材料を配向させる。この場合対向基板のラミ
ネートは加圧ローラーを通す前に行っても後に行っても
何れでもよい。また、加圧ローラーは複数対用いてもよ
い。第2図は本発明の一実施態様を示す断面説明図で、
配向用の加圧ローラーを2対(1、2及び5、6)使用
し、2対の加圧ローラーの間にラミネートローラー対
(7、8)を設け対向基板9をラミネートするものであ
る。
製膜と配向を同時に行う後者の方法では、液晶材料を
配向ローラー対の圧力若しくはギャップによって0.5〜1
0μmの厚さの膜に製膜し、かつ配向ローラー対の速度
によって製膜と配向を同時に行う。第3図は本発明の一
実施態様を示す断面説明図で、可撓性基板4の上に液晶
材料3を供給し配向ローラー対(1、2)で製膜と配向
を同時に行い、その後ラミネートローラー(7、8)に
より対向基板9をラミネートしている。第4図は本発明
の他の実施態様を示す断面説明図であり、液晶材料3を
2枚可撓性基板(4、9)の間に供給し配向ローラー
(1、2)で製膜と配向と対向基板のラミネートとをす
べて一つのローラーで同時に行っている。このようにす
れば、液晶光学素子の配向装置の装置の簡略化を極めて
容易に行うことができる。
上記の方法において用いられる配向ローラーのロール
の直径は、通常5〜1000mm、好ましくは10〜300mmで、
ローラー対の圧力は、通常0.1〜10kg/cm、好ましくは0.
5〜5kg/cmとする。ローラー及びその周辺雰囲気の温度
は通常、液晶材料が液晶相を示す温度、又は等方相と液
晶相との混相を示す温度とし、ロールの回転線速度の差
により液晶材料に剪断力をかける。ローラーのライン速
度(流れ速度)vは通常0.01〜10m/min、好ましくは0.2
〜5m/minである。ここで、ロールの回転線速度v1、v
2は、|v1−v2|が通常10-6〜101m/min、好ましくは10-5
〜100m/minとなるように設定し、剪断力を発生させる。
剪断力を発生させるローラー対の回転方向としては順方
向のみではなく、逆方向であってもよい。また、v1、v2
の何れかはライン速度とほぼ同じとすることが好まし
い。ロールの材質はゴム、金属又はプラスチック等が用
いられ、特に限定されない。
液晶光学素子の製造に用いられる可撓性基板として
は、予め内側に電極が配設されているものが好ましい。
この可撓性基板としては、通常、生産性、汎用性、加工
性等の点から強度、耐熱性、透明性、耐久性などに優れ
たプラスチックからなる基板等が好適に使用される。
この可撓性を有するプラスチックの具体例としては、
例えば一軸又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレートな
どの結晶性ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホンなどの非結晶性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ナイロ
ン等のポリアミドなどを挙げることができる。
これらの中でも、特に一軸延伸ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエーテルスルホンなどが好ましい。
本発明において、前記2枚の基板は、互いに同じ材質
のものであってもよく、又は相違する材質のものであっ
てもよいが、通常、上記の2枚の基板のうち少なくとも
一方の基板を光学的に透明なものとし、透明な電極を設
けて使用する。
本発明において使用する前記基板の形状としては、特
に制限はなく、使用目的等に応じて各種の形状のものを
使用することができるが、通常、板状、シート状若しく
はフィルム状のものなどが好適に使用することができ、
特に、連続的生産方式に有利であることなどから、長尺
のフィルム状のものが好適に使用される。
基板の厚みは、基板の透明度、可撓性の程度、強度、
加工性などの材質、素子の使用目的などに応じて適宜選
定することができ、通常20〜1000μm程度の範囲内で設
定される。
本発明において、前記電極としては、通常用いられる
もの、例えば、金属膜、導電性酸化物膜などの導電性無
機膜、導電性有機膜など各種のものを使用することがで
きる。
本発明において、前記2枚の電極のうち少なくとも一
方の電極として、通常、光学的に透明若しくは半透明の
ものを使用することが望ましく、少なくとも1枚の透明
若しくは電極は、透明な基板側に設けることが望まし
い。
この透明若しくは半透明の電極の具体例としては、例
えば、NESA膜といわれる酸化錫膜、ITO膜といわれる酸
化錫を混入した酸化インジウム膜、酸化インジウム膜、
金やチタンなどの蒸着膜あるいは他の薄膜状の金属若し
くは合金などを挙げることができる。これらの電極は、
公知の手法などの各種の手法、例えば、蒸着法、印刷
法、塗布法、メッキ法、接着法など、あるいはこれらを
適宜組み合わせた手法を用いて、基板あるいは液晶層等
の所定の面上に設けることができる。
これらの電極の形状としては、特に制限はなく、基板
等の所定の面上の全面にわたるものであってもよく、ス
トライプ状のものであってもよく、又は他の所望の形状
のものであってもよい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 高分子結晶 Mn=5000 相転移挙動 (g:ガラス状態、N:ネマチック相、Iso:等方相) 上記高分子液晶を用いて第4図に示す方法により2本
の配向ローラーの間で、液晶材料の製膜、配向、及び可
撓性基板によるラミネートを同時に行った。このとき、
ローラーのライン速度v=3m/min、v1=3m/min、v2=3.
10m/min、2本のロールの温度T1=T2=100℃、ロール半
径 R1=R2=40mm、ロール間ギャップ=10μmとした。
その結果、液晶の厚みが約13μmの配向とした液晶セル
が得られた。これを約10cm角に切り取り、クロスニコル
下で消光比を測定したところ35という良好な配向状態が
得られていた。ここに消光比とは、直交する偏光板に液
晶セルを挟み、偏光板に対してセルを回転したときに生
ずる透過光強度の比をいう。
実施例2 強誘電性低分子液晶 相転移挙動 〔Cry:結晶相、SmC:カイラルスメクチックC相、Sm
A:スメクチックA相〕 ITO付PES基板(125μm厚)に、上記液晶材料のジク
ロルメタン溶液(10重量%)をマイクログラビアコータ
ーで塗布(ロール回転数100rpm、70メッシュ、ライン速
度2.5m/min)し、溶媒蒸発後の厚みが3μmの液晶膜を
得た。これに対向基板を25℃でラミネートした後、連続
的に第5図に示すような配向ローラーを用いて一軸配向
処理を行った。このとき、v1=2.55m/min、v2=2.5m/mi
n、T1=T2=51℃、R1=R2=40mm、ロール間ギャップ=
0μmのシリコンゴムロールを用いて1.5kg/cm2の空気
圧によって加圧した。その結果、40℃(SmA)の消光比
は30であった。また、室温でコントラスト比を測定した
ところ、±5Vの印加で24と実用上十分な値を得た。さら
に、電極上にラビング膜などを用いていないので良好な
双安定性が発現した。
実施例3 強誘電性高分子液晶 Mn=5300 相転移挙動 実施例2と同じ方法で製膜(膜厚2.2μm)、配向処
理を行った。このとき、v=v2=3m/min、v1=3.20m/mi
n、T1=T2=90℃、R1=R2=40mm、ロール間ギャップ=
約2μmとした。その結果、25℃でコントラストは±5V
の印加で40が得られた。また、温度T1=T2=80℃の時に
70℃における消光比は85、T1=T2=70℃でも消光比82が
得られ、またこれらの温度において、vを1〜5m/min、
v2=v、v1=v2+0.2m/minとしても70℃での消光比はす
べて70以上が得られ、本発明の配向方法が特に強誘電性
高分子液晶に好適であることが明らかになった。
実施例4 実施例3の液晶に油化シェルエポキシ社製エピコート
834とその硬化剤QX−11を重量比で100:60で混合したも
のを30重量%混入させ、その組成物のジクロルメタン溶
液(10重量%)を用いてマイクログラビアコーターで2.
5μmに製膜した。次いで、実施例2及び3で用いたの
と同じ装置を用いて、v=v2=3m/min、v1=3.20m/mi
n、T1=T2=93℃、R1=R2=40mmとした。その結果、25
℃コントラストは±5Vの印加で37が得られた。また、70
℃で消光比66が得られた。
実施例5 上記結晶A〜Dの混合物E(混合比A:B:C:D=45.6:3
0.4:4:20モル%)と日本ペルノックス(株)のエポキシ
樹脂(エポタックMG−150)と硬化剤の混合物Fとを重
量比3:1で混合し、その15重量%クロロホルム溶液を作
製した。ITO電極付一軸延伸PET基板上にダイレクトグラ
ビアコーターを用いて上記溶液を塗布し、溶媒乾燥後約
3μmの結晶膜を得た。
一対のラミネートロール(80mmφのゴムロールと金属
ロールからなる)を用いてこの液晶膜に同じPET基板を
ラミネートし、実施例2と同じ装置を用いて、v=v2
2m/min、v1=2.05m/min、T1=T2=80℃、R1=R2=40mm
としたところ、均一な本発明が連続して得られた。これ
を室温で1時間放置してエポキシ樹脂を硬化させた後、
5cm角を切り出してクロスニコル下で消光比を測定した
ところ、60℃で86が得られた。室温(25℃)でのコント
ラスト比を測定したところ、±9Vの印加で70が得られ、
良好な双安定性を示した。
実施例6 実施例5と同じ液晶組成物、基板を用いて、ラミネー
トと配向処理を同時に行ったところ(温度、温度の条件
は同じ)、消光比80(60℃)、コントラスト比65(25
℃)を得た。
〔発明の効果〕
本発明の配向方法によれば、液晶光学素子を製造する
際、基板にポリマーコートやラビングなどの前処理を行
わなくても、簡単な操作で生産性よく液晶材料を高度に
配向させることができる。
また本発明の配向方法によれば液晶材料の配向と基板
の積層を同時に行うことができ、液晶光学素子を連続的
に容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第5図は本発明の配向方法の実施態様を説明
するための断面説明図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一対の回転線速度の異なる加圧
    ローラー間に液晶材料を通し剪断力により一軸配向させ
    ることを特徴とする液晶材料の配向方法。
  2. 【請求項2】加圧ローラー間に液晶材料を少なくとも1
    枚の可撓性基板と積層された状態で通す請求項1記載の
    液晶材料の配向方法。
  3. 【請求項3】加圧ローラー間に液晶材料を通し一軸配向
    させる際に、同時に液晶材料を2枚の可撓性基板に挟持
    させる請求項1記載の液晶材料の配向方法。
  4. 【請求項4】液晶材料が強誘電性液晶である請求項1、
    2又は3記載の液晶材料の配向方法。
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