JP2670099B2 - 耐摩耗性圧縮焼結体及びその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性圧縮焼結体及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は、耐摩耗焼結体に関し、例えば、内燃機関の
バルブシートとして好適な耐摩耗焼結体に関する。
ロ.従来技術 内燃機関の出力増加や自動車用ガソリンの無鉛化に伴
い、バルブシートは一層の耐摩耗性を要求されるように
なり、特に近年は内燃機関の高出力化、高回転化或いは
過給機の利用等により熱的、機械的な負荷は一層増大す
る傾向にあり、これらの要求に対してバルブシートを熔
製材の代わりに焼結合金製として対処しようと試みられ
ている。
即ちバルブシートの耐摩耗性、高温強度、耐酸化性を
向上させる目的で鉄基焼結合金にクロム、ニッケル、コ
バルト、モリブデン等の合金元素を添加したり、硬質粒
子を分散させることによって材料の強化が行われてい
る。
しかしながら、内燃機関のように負荷の状態によって
温度条件が低温から高温までの広範囲にわたる場合に
は、すべての温度域で良好な耐摩耗性を持たせることは
困難であり、例えば低温度域では高温度域におけるよう
な酸化膜生成による潤滑効果は期待できず、その為、バ
ルブとバルブシートとが金属接触するようになる等、高
温度域における使用の場合に比して耐摩耗性が劣るのが
一般である。
本発明は、上記のごとき事情に鑑み、鉄基焼結合金の
空孔に着目し、この空孔に潤滑性物質を含浸させること
によって特に低温度域における耐摩耗性を改善した鉄基
焼結合金製のバルブシートを開発するに至った。
鉄基焼結合金の空孔にワックス等を含浸させて被削性
や耐摩耗性を改善することは公知であり、本出願人の一
人も焼結合金に有機化合物又は有機金属化合物を含浸さ
せた弁座(バルブシート)用焼結金属及びその製造方法
を提示している(特願昭54−118001号 内燃機関弁座用
焼結合金及びその製造方法)。
上記先願の発明における含浸物質は融点が120〜250℃
とし、バルブシートをシリンダヘッドに圧入する際に融
解せず、また内燃機関運転時のバルブシートの温度で融
解して焼結合金の空孔を回復し、運転中に空孔に生ずる
酸化被膜による見掛け硬度の上昇及び摩擦係数の減少に
よってバルブシートの耐摩耗性を向上させるようにした
ものである。この先願の発明に基づくバルブシートは、
優れた耐摩耗性を示すのであるが、本発明者が検討を重
ねた結果、加熱温度が特に高温になると、次のような問
題点がなお残されていることが判明した。
即ち、バルブシート(特に排気バルブシート)は、常
に高温のガスに曝されているので、バルブシートの平均
温度が有機含浸物質の融点以下であっても表面部は瞬間
的にかなりの高温になり、その結果有機含浸物質が蒸発
分解を起こし、含浸効果が無くなることがある。
またバルブシートの平均温度が有機含浸物質の融点以
上で、かつバルブシート母材が酸化被膜を生ずる温度よ
り低い温度範囲(およそ200〜350℃)では有機含浸物質
の潤滑効果或いは酸化被膜による摩擦係数の低減効果の
いずれも十分には期待出来ないという問題がある。
ハ.発明の目的 本発明は、使用時の加熱温度に関係なく、優れた耐摩
耗性を示す耐摩耗性圧縮焼結体及びその製造方法を提供
することを目的としている。
ニ.発明の構成 本発明は、重量基準で、0.5〜2重量%炭素、炭化物
生成元素のクロム、モリブデン、バナジウム、タングス
テンの一つ又は複数を合せて1〜25%及び残部鉄からな
る圧縮成形焼結体であって、空孔率5〜15容積%を有
し、空孔率とほぼ同一の容積%で圧縮焼結成形体の空孔
に含浸された潤滑性弗化物を含む耐摩耗性圧縮焼結体に
係る。また、本発明による耐摩耗性圧縮焼結体の製造方
法は、重量基準で、0.5〜2重量%炭素、炭化物生成元
素のクロム、モリブデン、バナジウム、タングステンの
一つ又は複数を合せて1〜25%及び残部鉄からなる混合
粉を準備する工程と、前記混合粉をプレス成形により成
形体に形成した後、成形体を焼結する工程と、空孔率5
〜15容積%の焼結した圧縮焼結成形体を潤滑性弗化物の
浴に浸漬して減圧する工程と、不活性ガスを用いて弗化
物の浴を加圧して弗化物を圧縮焼結成形体の空孔に前記
潤滑性弗化物を空孔率とほぼ同一の容積%で含浸する工
程とを含む。
耐摩耗焼結体を構成する焼結合金は、それ自体が或る
程度の耐摩耗性を有する鉄基焼結合金が好ましい。素地
への合金元素の添加、或いは必要に応じて硬質相粒子を
分散させることにより、鉄基焼結合金の化学組成は、0.
5〜2重量%炭素(以下、「重量%」を単に「%」で表
す。他の百分率についてはその旨を表示する。)、炭化
物生成元素のクロム、モリブデン、バナジウム、タング
ステンの一つ又は複数を合わせて1〜25%を含み、その
他必要によりニッケル、コバルト、珪素の1種又は2種
以上を合計で1〜15%含有させることができる。空孔率
は5〜15容積%とするのが良い。
炭素は、鉄に増加した高温強度を付与すると共に、ク
ロム、モリブデン、バナジウム、タングステンと化合し
て炭化物を生成し、耐摩耗性を改善する。従って炭素量
は焼結材中のこれらの元素の種類、量及び合金元素とし
て添加するか、硬質相粒子として添加するかにより適切
な量として必然的に定まり、上記の炭化物生成元素量の
範囲では0.5〜2%となる。炭素量が0.5%未満であると
炭化物生成量が十分ではなく、軟らかいフェライトの生
成によって硬さ及び耐摩耗性が低下して好ましくない。
他方、2%を超えると材料が硬くなり過ぎ、また脆くな
るため好ましくないので、炭素量は0.5〜2%とするの
がよい。
炭化物生成元素のクロム、モリブデン、バナジウム、
タングステンはいずれも炭素と結合して炭化物を生成す
ることにより耐摩耗性を改善する。この改善効果は程度
の差はあるが、上記の何れの元素にも共通しているの
で、どの元素を添加してもよく、また数種類組み合わせ
て添加してもよい。その量が1%未満では炭化物生成量
が十分でなく、軟らかいフェライトの生成によって耐摩
耗性が低下し、また25%を超えるようになると材料が硬
くなり過ぎると共に、コスト高になるので好ましくな
い。従って炭化物生成元素は合計で1〜25%とするのが
よい。
その他に強度の向上或いは組織安定の目的で必要に応
じてニッケル、コバルト、珪素の一つ又は二つ以上を合
計で1〜15%添加することもできる。その量が1%未満
では効果が十分でなく、また15%を超えて添加してもそ
の量に見合うだけの効果が得られなくなり、またコスト
高になって好ましくないので、これら元素を添加すると
きはその量は1〜15%とするのがよい。
含浸させる潤滑性物質としては潤滑性に優れていると
共に、耐摩耗焼結体、例えばバルブシートの使用条件、
特に排気バルブシートの場合には室温からおよそ350℃
の使用温度範囲及び一酸化炭素、二酸化炭素、水等を含
有する雰囲気中において潤滑特性が劣化することがな
く、また分解、蒸発などによって消失することのないも
のとする。
このような性質を有する含浸物質として例えば弗化リ
チウムがある。弗化リチウムの融点は842℃であり、バ
ルブシートの圧入温度より高いので圧入に際して融出す
ることはなく、また内燃機関の運転温度よりも高いので
熱劣化や分解或いは消失のおそれはない。
弗化リチウムの含浸量についていえば、含浸量は焼結
合金の空孔容積量にほぼ一致する。一般に焼結合金の空
孔は原材料粉末の成形圧力、焼結温度、焼結時間等によ
り数%から数十%まで変化させることができるが、本発
明では成形圧力と焼結温度をコントロールすることによ
って空孔の容積を5〜15%容積%になるようにするのが
好ましい。空孔容積、従って含浸量がこの範囲よりも少
なすぎると含浸の効果が顕著でなく、逆に多すぎると含
浸した焼結合金自体の強度が低下するので好ましくな
い。なお、弗化リチウムの純度は90%以上であることが
望ましい。
ホ.実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
150〜200メッシュにピークを持つ粒度分布の5%モリ
ブデン含有鉄粉に対し、325メッシュ篩下のカルボニル
ニッケル粉、金属モリブデン粉及び黒鉛粉並びに150〜2
00メッシュにピークを持つ粒度分布フェロモリブデン粉
を夫々10%、5%、1.2%、10%の割合(重量比)で配
合し、更に金型成形の際に型抜けを良くするための潤滑
材としてステアリン酸亜鉛を0.6%加えて混合した。こ
の混合粉を外径46mmφ、内径35mmφの円筒状の金型に充
填して、プレスで成形圧6.5トン/cm2を加えて成形し、
型抜き後650℃で1時間加熱して脱蝋して、次に1140℃
に1時間加熱焼結してバルブシート供試品素材を作製し
た。この供試品素材をNo.1とする。
150〜200メッシュにピークを持つ粒度分布の純鉄粉
と、同じ粒度分布の2%ニッケル、0.5%モリブデン、
0.2%マンガン、残部鉄の鉄基合金粉と、325メッシュ篩
下のニッケル粉と、同じく黒鉛粉と、150〜200メッシュ
にピークを持つ粒度分布の55%クロム、10%コバルト、
20%モリブデン、1.2%炭素、残部鉄の合金粉と、同じ
く63%モリブデンのフェロモリブデン粉と、同じく12.5
%クロム、残部鉄の鉄基合金粉と、潤滑材としてのステ
アリン酸亜鉛とを、この順に41.7%、41%、1%、1.3
%、5%、5%、0.5%の割合(重量比)で配合し、混
合した。この混合粉を使用し、前記No.1に於けると同様
にしてバルブシート供試品素材を作製した。この供試品
素材をNo.2とする。
上記供試品素材の分析値は、下記第1表に示す通りで
あった。
これら供試品素材を950℃に加熱熔融した弗化リチウ
ム(純度98%以上)の浴に浸漬し、1Torr30分間減圧脱
気した後、不活性ガスとしてアルゴンガスを用いて30分
間5kg/cm2に加圧し弗化リチウムを含浸させた。なお、
供試品素材の空孔率はいずれも9容積%であり、弗化リ
チウムの含浸量も空孔率と殆ど同じの9容積%である。
以上の含浸処理を施し所定寸法に加工して作製した試
験品と前記含浸前の供試品素材を所定寸法に加工して作
製した対比用試験品とを用いて、次のような単体摩耗試
験を行ってバルブシートとしての適否を評価し、含浸の
効果を調査した。
第1図は試験に供したバルブシートの拡大断面図で、
鉄基焼結合金1aの空孔に弗化リチウム1bが含浸されてバ
ルブシート1を構成している。図中、1cはバルブのバル
ブフェースとの当たり面である。
使用した単体摩耗試験機は自動車エンジンを模したも
ので、その概要を第4図に示す。
バルブシート1はシリンダヘッド2に設けられたバル
ブシート押さえ3に圧入され、バルブシート押さえ3を
介してシリンダヘッド2に固着される。シリンダヘッド
2の下方にはこれにバルブ駆動部本体4が固定されてい
て、バルブガイド5がバルブ駆動部本体4に取付けられ
ている。バルブ10は、バルブフェースがバルブシート1
の面取り面(第1図の1c)に当接するように、そのロッ
ド部(バルブステム)10aがバルブガイド5に上下動可
能に挿入される。バルブ駆動部本体4に設けられた軸受
8、8にはカム軸9が軸支される。カム軸9のカム駒9a
に圧接するタペット6Aにバルブステム10aの下端側部分
が収容され、バルブステム10a先端近くの段部にコッタ6
Bを保持され、コイルばね7A、7Bを受けて支持するリテ
ーナ6Cがコッタ6Bを囲むようにして両者が嵌合する。リ
テーナ6Cはコイルばね7A、7Bの付勢力によってコッタ6B
を介してバルブステム10aに固定される。また、バルブ
ステム10aの先端はコイルばね7A、7Bの付勢力によって
タペット6Aに圧接する。上記のタペット6Aとカム駒9aと
の圧接は、リテーナ6Cとバルブ駆動部本体4との間に位
置するコイルばね7A、7Bの付勢力によってなされる。
このような構造としてあるので、カム軸9を図示しな
い駆動装置によって回転させると、タペット6Aを介して
バルブ10が上下動し、そのバルブフェースがバルブシー
ト1の面取り面(第1図の1c)を衝撃的に繰り返し叩く
ようになる。この衝撃荷重は、コイルばね7A及び7Bの強
さ、カム駒9aの形状及びカム軸9の回転数を適宜選択す
ることによって定められる。
バルブ10の上方にはガスバーナ11が配してあり、バル
ブシート押さえ3に穿設された細孔に熱電対13の温接点
がバルブシート1に当接するように挿入されてバルブシ
ート1の温度が検知される。そして、図示しない制御回
路によってノズル14からシリンダヘッド2に吹き付ける
圧縮空気の風量を調節してバルブシート1を所定の温度
に保持するようにしてある。
また、バルブ10の表面温度は放射温度計12によって測
温され、図示しない制御回路によってガスバーナ11に供
給されるプロパンガスの供給量を調節してバルブ10の表
面温度を所定の温度に保持するようにしてある。
試験は排気バルブシートの使用条件を想定して下記第
2表に示す条件で行った。
また、バルブシートの摩耗量は、次のようにして求め
た。所定時間の試験が終了した時点でバルブを未使用の
新しいバルブ、即ち基準バルブと交換し、試験前のバル
ブの位置に対する基準バルブの位置の変化(沈み量)を
測定し、この測定値をバルブシートの摩耗量とした。か
くすることにより、試験によるバルブの摩耗量が測定値
に含まれることなく、バルブシートの摩耗量だけが求め
られる。
試験結果は第2図に示す通りであった。なお同図で
は、供試品素材番号に弗化リチウム含浸の有無によって
「LiF」、「ナシ」の符号を付して区別してある。
第2図から、バルブシートの摩耗量は、弗化リチウム
の含浸によって各温度共大幅に小さくなっていることが
解る。
次に、供試品素材No.2から作製した前記バルブシート
試験品No.2LiF、No.2ナシと、更に供試品素材No.2にス
テアリン酸亜鉛を含浸させて作製したバルブシート試験
品(No.2stZn)とについて、25時間迄の試験を行った。
バルブシート試験品No.2stZnは、前述の特願昭54−1180
01号の発明に基づく対比試験品である。使用した試験機
は第4図の試験機であって、バルブ表面温度550℃、バ
ルブシート温度250℃の条件とした。
試験結果は第3図に示す通りであった。第2図と同様
に、含浸による耐摩耗性改善の効果は明らかに認められ
る。バルブシート試験品No.2LiF(実施例)は、比較の
試験品No.2stZnに較べると、試験時間10時間迄は摩耗量
が僅か乍ら多い。然し、試験時間が10時間を越えると、
No.2stZnは摩耗量の増大が加速されている。これに対
し、No.2LiFでは摩耗量の増加が試験時間の経過に伴っ
て次第に小さくなり、試験時間10時間を越えると両者の
関係が逆転し、試験時間25時間ではNo.2stZnの略1/2で
ある。更に試験時間を長くすれば、両者の摩耗量の差は
更に大きくなっていくものと考えられる。
第3図の結果から、鉄基焼結合金に弗化リチウムを含
浸させたバルブシートは、苛酷な温度条件下で長時間の
使用に耐え、耐久性が著しく改善されていることが理解
できる。なお、供試品素材No.1についての同様の試験で
は、各試験品の摩耗量の絶対値が小さいだけで、上記と
同様の傾向を示す結果が得られている。
上記の実施例のほか、本発明の技術思想に基づいて種
々の変形が可能である。例えば、鉄基焼結合金の化学組
成は、耐摩耗性、機械的強度を損なわない(或いは向上
させる)適宜の化学組成として良い。また、含浸材も、
弗化リチウムのほかに、潤滑性が良好で、かつ融点が満
足できる程度に高いものがアルカリ金属又はアルカリ土
金属の弗化物のうちにある。例えば、弗化ナトリウム
(融点992℃)、弗化カルシウム(融点1360℃)と弗化
バリウム(融点1280℃、1000℃付近から分解を始め
る。)との38:62の混合物等が使用できる。上記の実施
例は、内燃機関のバルブシートについての例であるが、
そのほか、例えば高負荷で使用される軸受等の摺動部材
にも本発明が適用可能である。この場合、焼結合金に
は、鉄基焼結合金以外に、軸受材として使用される銅基
焼結合金を使用できる。
ヘ.発明の効果 本発明に基づく耐摩耗焼結体は、焼結合金の空孔が高
融点の潤滑性弗化物で含浸されており、この弗化物が有
する潤滑性に加えてその融点が高いので、その潤滑作用
が使用中に低下することがない。その結果、200〜350℃
又はそれ以下の低温域から高温域に至る広い温度域で優
れた耐摩耗性を示し、苛酷な使用条件で長時間の使用に
耐える。
【図面の簡単な説明】
図面はいずれも本発明の実施例を示すものであって、 第1図はバルブシートの拡大断面図、 第2図及び第3図は摩耗試験の結果を示すグラフ、 第4図は単体摩耗試験機の断面図 である。 なお、図面に示された符号に於いて、 1……バルブシート 1a……鉄基焼結合金 1b……弗化リチウム 1c……面取り面(バルブとの当たり面) 6A……タペット 7A、7B……コイルばね 9……カム軸 9a……カム駒 10……バルブ 10a……バルブステム 11……ガスバーナ 12……放射温度計 13……熱電対 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保田 芳輝 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−91909(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量基準で、0.5〜2重量%炭素、炭化物
    生成元素のクロム、モリブデン、バナジウム、タングス
    テンの一つ又は複数を合せて1〜25%及び残部鉄からな
    る圧縮成形焼結体であって、空孔率5〜15容積%を有
    し、空孔率とほぼ同一の容積%で圧縮焼結成形体の空孔
    に含浸された潤滑性弗化物を含むことを特徴とする耐摩
    耗性圧縮焼結体。
  2. 【請求項2】重量基準で、0.5〜2重量%炭素、炭化物
    生成元素のクロム、モリブデン、バナジウム、タングス
    テンの一つ又は複数を合せて1〜25%及び残部鉄からな
    る混合粉を準備する工程と、 前記混合物をプレス成形により成形体に形成した後、成
    形体を焼結する工程と、 空孔率5〜15容積%の焼結した圧縮焼結成形体を潤滑性
    弗化物の浴に浸漬して減圧する工程と、 不活性ガスを用いて弗化物の浴を加圧して弗化物を圧縮
    焼結成形体の空孔に前記潤滑性弗化物を空孔率とほぼ同
    一の容積%で含浸する工程とを含むことを特徴とする耐
    摩耗性圧縮焼結体の製造方法。
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