JP2838472B2 - 金属成型物および金属成型物の処理方法 - Google Patents

金属成型物および金属成型物の処理方法

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JP2838472B2
JP2838472B2 JP5203609A JP20360993A JP2838472B2 JP 2838472 B2 JP2838472 B2 JP 2838472B2 JP 5203609 A JP5203609 A JP 5203609A JP 20360993 A JP20360993 A JP 20360993A JP 2838472 B2 JP2838472 B2 JP 2838472B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に長期的な潤滑
性、防錆性を有する金属成型物、金属成型物の処理方法
および金属成型物の製造方法に関する。具体的には、刃
具、パンチ、ダイス、ベアリング、加工治具、摩擦面を
有する機械部品などの摩擦部を有する金属成型物の表面
に長期的な潤滑性を付与した金属成型物およびその処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、使用時に他の金属、樹脂成型
物と摺接する摺接部(摩擦部)を有する金属成型物の表
面に耐摩耗性、耐熱性、耐腐食性、潤滑性などを付与す
るために、種々の表面処理が行われている。表面処理法
としては、大きく分けて、化学的処理と物理的処理に区
分される。化学的処理としては、金属メッキ、イオン窒
化(プラズマ窒化)、軟窒化などの窒化、浸硫、酸化、
金属中のCと結合してVCやTiCを形成させる金属セ
メンテーション(浸透処理)、PVD法、CVD法を用
いてTiC、TiNをコーティングする蒸着処理などが
ある。また、物理的処理方法としては、加熱、レーザ、
高周波などを用いた焼き入れがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法は、
金属成型物の表面物性を変え、特に、表面硬度を向上さ
せることにより、耐摩耗性、潤滑性などを付与してい
る。このため、変更された表面物性は、金属成型物の表
面またはごく浅い表面部でしか行われていない。さら
に、硬度が向上されたとはいえ、使用時には、他の成型
物と接触する摺接部位には摩擦を生じ、この摩擦力によ
り表面が研磨され、改質された表面物性の持続性が悪
い。また、使用時には、摺接部位には潤滑油が使用され
るが、両者が接触している状態の摺接部位の金属表面間
への潤滑油の流入は完全ではなく、正確な潤滑油による
境界面を形成しにくく、金属成型物が直接接触する部分
が形成される。この部分では、かなり高い摩擦が生じ
る。また、上記のような表面処理では、部分的に物性を
変化させているため、表面処理された部分とされていな
い部分での境界部にて物性が変化するため、その部分に
金属的ストレスが蓄積することがある。また、表面処理
物、例えば、蒸着した金属が剥離することがあり、この
剥離物が、異物となり、摺接部位の金属成型物の表面に
傷をつけることもある。
【0004】このため、刃具、パンチ、ダイス、ベアリ
ング、加工治具、摩擦面を有する機械部品などでは、摩
擦により部分的に金属成型物が削り取られ、使用できな
くなること、また摩擦力により、金属疲労が生じ破損す
ること、表面処理物の剥離物に起因した金属成型物の表
面傷により使用できなくなることがある。これらは、す
べて、金属成型物の摺接部位での摩擦に原因がある。ま
た、従来より、金属成型物には、錆により劣化を防ぐた
めに、オイルの塗布が行われている。具体的には、ボル
ト、ナットなどには、油が塗布された状態にて提供され
る場合が多い。しかし、この油は、単に表面に塗布され
ているのすぎないため、長期的な防錆機能はない。そこ
で、本発明では、長期的な防錆性のある金属成型物、そ
の処理方法およびその製造方法さらに、上記のような特
別な表面改質を行うことなく、使用時の摺接部位での摩
擦力が極めて低く、寿命の長い金属成型物、およびその
処理方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、ハイス鋼、超高張力鋼、サーメット、機械構造用
鋼、工具鋼、ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金鋼、超硬
合金のいずれかからなり、1μm以下の微細孔を有し、
さらに、使用時に他の成型物と接触する接触部を有する
金属成形物であって、該金属成形物の表面層内には、ベ
ース油と極圧剤と該ベース油より粘度が低い流動点降下
を少なくとも含有する表面層処理剤が表面より200
μm以上の深さまで含浸されており、さらに、該金属成
型物の表面層中の表面層処理剤は、少なくとも金属成型
物の使用時には流動性を持ち、該金属成型物の表面に移
行可能である金属成型物である。そして、前記表面層処
理剤は、該金属成形物の表面より500μm以上の深さ
まで含浸されていることが好ましい。さらに、前記金属
成型物は、刃具、パンチ、ダイス、ベアリング、加工治
具およびリニアガイドであることが好ましい。そして、
前記金属成型物は、前記表面層処理剤により表面が長期
的な潤滑性を有していることが好ましい。さらに、前記
表面層内に含浸している表面層処理剤は、前記金属成型
物使用時に、該金属成型物が加温されることにより金属
成型物表面に滲出するものである好ましい。前記表面層
処理剤は、40℃における粘度が9〜36cstである
ことが好ましい。さらに、前記表面層処理剤は、温度の
上昇により、粘度が低下するものであることが好まし
い。また、前記金属成型物は、刃具もしくはパンチであ
り、該刃具もしくはパンチが使用時の摩擦により加温さ
れたときに、前記金属成型物の表面層中の表面層処理剤
は、該金属成型物の表面に滲出するものであってもよ
い。
【0006】また、上記目的を達成するものは、ハイス
鋼、超高張力鋼、サーメット、機械構造用鋼、工具鋼、
ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金鋼、超硬合金のいずれ
かからなり、1μm以下の微細孔を有し、さらに、使用
時に他の成型物と接触する接触部を有する金属成型物の
表面層処理方法であり、該金属成型物にベース油と極圧
剤と該ベース油より粘度が低い流動点降下剤とを少なく
とも含有する表面層処理剤を接触させた状態で、表面層
処理剤の分解温度以下に、表面層処理剤とともに前記金
属成型物を加温し、前記金属成型物の表面層に表面層処
理剤を含浸させる金属成型物の処理方法である。また、
上記目的を達成するものは、ハイス鋼、超高張力鋼、サ
ーメット、機械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、鍛
鋼、鋳鋼、合金鋼、超硬合金のいずれかからなり、1μ
m以下の微細孔を有し、さらに、使用時に他の成型物と
接触する接触部を有する金属成型物の表面層処理方法で
あり、該金属成形物にベース油と極圧剤と該ベース油よ
り粘度が低い流動点降下剤とを少なくとも含有する表面
層処理剤を該金属成型物と接触させた状態で、該表面層
処理剤の分解温度以下に、表面層処理剤とともに前記金
属成型物を加温しかつ加圧し、前記金属成型物の表面層
内に表面層処理剤を含浸させる金属成型物の処理方法で
ある。また、上記目的を達成するものは、ハイス鋼、超
高張力鋼、サーメット、機械構造用鋼、工具鋼、ステン
レス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金鋼、超硬合金のいずれかから
なり、1μm以下の微細孔を有し、さらに、使用時に他
の成型物と接触する接触部を有する金属成型物の表面層
処理方法であり、該金属成型物にベース油と極圧剤と該
ベース油より粘度が低い流動点降下剤とを少なくとも含
有する表面層処理剤の浴槽内に、前記金属成型物を浸漬
した後に、前記表面層処理剤を表面層処理剤の分解温度
以下加温するとともに熱伝導により金属成型物を加温
し、前記金属成型物の表面層に表面層処理剤を含浸させ
る金属成型物の処理方法である。また、上記目的を達成
するものは、ハイス鋼、超高張力鋼、サーメット、機械
構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金
鋼、超硬合金のいずれかからなり、1μm以下の微細孔
を有し、さらに、使用時に他の成型物と接触する接触部
を有する金属成型物の表面層処理方法であり、該金属成
形物にベース油と極 圧剤と該ベース油より粘度が低い流
動点降下剤とを少なくとも含有する表面層処理剤の浴槽
内に、前記金属成型物を浸漬した後に、該浴槽を密封
し、浴槽内を不活性ガス雰囲気中とした後、前記表面層
処理剤を表面層処理剤の分解温度以下に加温し熱伝導に
より金属成型物を加温させるとともに浴槽内を加圧し、
前記金属成型物の表面層内に表面層処理剤を含浸させる
金属成型物の処理方法である。また、上記目的を達成す
るものは、金属成型物を成形した後、上記のいずれかの
金属成型物の処理方法を行うことを特徴とする金属成型
物の製造方法である。
【0007】
【作用】そこで、図面を用いて本発明の金属成型物の実
施例を説明する。本発明の金属成型物1は、表面層5内
に、ベース油と極圧剤と流動点降下剤とを少なくとも含
有する表面層処理剤6が含浸している。このため金属成
型物は、表面層処理剤により表面が長期的な潤滑性、防
錆性を有しており、表面に単に潤滑油を塗布したものに
比べ、長期的に潤滑性、防錆性を呈する。さらに、上記
の表面層処理剤は、金属成型物の表面層中に浸透してい
るため、使用時に他の成型物と接触したとき、両者間に
表面層処理剤の極め薄い境界層を形成し、両者の実質的
な直接接触を減少させ、摩擦抵抗を低下させる。表面層
内に含浸している表面層処理剤は、常温にて液体である
ので、表面付近の表面層処理剤が消失すると、浸透して
いる表面層処理剤が表面に移行するため、長期的な潤滑
性を呈する。さらに、金属成型物使用時に、金属成型物
が加温されることにより金属成型物表面により確実に滲
出する。そして、金属成型物の物性を何ら変化させてい
ないため、表面処理に基づく物性変化部位がなく、その
部分にストレスが蓄積するもなく、表面処理物が剥離し
て、異物となり、金属成型物の表面に傷をつけることも
ない。このため、本発明の金属成型物は、使用時の摺接
部位での摩擦力が極めて低く、寿命が長い。
【0008】金属成型物1としては、どのようなもので
もよく、特に、使用時に他の成型物と接触する摺接部位
を有するものに有効である。そのようなものとしては、
種々のものが考えられる。例えば、刃具、パンチ、ダイ
ス、ベアリング、加工治具、機械器具のスライド面、例
えば、内燃機関およびその部品、例えば、リニアガイ
ド、エンジン、ピストン、ピストンリング、モータおよ
びその部品、例えば、モータシャフト、各種レール、例
えば、鉄道用レール、リニアガイド、カーテンレール、
各種ワイヤーなどが考えられる。刃具としては、バイ
ト、フライス、サイドカッタ、ガンドリル、リーマ、チ
ップ、エンドミル、タップ、ホブカッター、メタルソ
ー、ドリル、カッター、バール、バイト、バンドソーな
どが考えられる。パンチとしては、ニードルパンチ、穴
あけパンチ、締パンチ、三角パンチ、トリミングパンチ
などが考えられる。
【0009】ダイスとしては、シングルダイス、プログ
レッシープダイス、コンパランドダイス、ロールダイ
ス、引抜きダイス、締ダイスなどが考えられる。ベアリ
ングとしては、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、自動調
心玉軸受、複列アンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、自動
調心ころ軸受、スラスト玉軸受、スラスト自動調心ころ
軸受、ガイド、ベアリングの玉、ボールネジ、ロットエ
ンド、リングボール、球面ジョイント、シリンダーなど
が考えられる。加工治具としては、打抜き治具、穴あけ
治具、せん断治具、駆動ロール、金型などが考えられ
る。機械器具のスライド面または摺動部としては、例え
ば、リニアガイド、特に、リニアガイドのレール、リニ
アボールベアリング、ローラパック、カムフォロア、ロ
ーラフォロア、チルタンク、チルコト、チルローラ、ギ
ヤー類、軸などが考えられる。また、金属成型物として
は、金属成型物を組み合わせて形成されたもの、例え
ば、金属チェーン(具体的には、金属製ローラをリンク
プレート及びピンで連結してエンドレスローラとしたも
の)、オムギヤー、減速機、ポンプの羽、タービン、リ
リーフ弁、ターボ、シリンダーなどが考えられる。これ
ら使用時に他の成型物と接触する摺接部位を有するもの
では、摩擦抵抗が減少するため、寿命が延びると共に、
摩擦に起因する音、摩擦に起因する微粉末の発生も減少
し、作業環境も向上する。また、使用時に他の成型物と
接触する摺接部位を持たないもの、例えば、ボルト、ナ
ット、各種基材などに応用した場合長期的な防錆性を発
揮する。
【0010】また、金属成型物を形成する金属として
は、どのようなものでもよく、例えば、鉄、合金などが
あり、具体的には、刃具に使用されるハイス鋼、超高張
力鋼、サーメット、さらには、機械構造用鋼、工具鋼、
ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金鋼(実施例1)、超硬
合金(実施例2)など種々のものが使用できる。そし
て、これら金属成型物は、表面から内部に連通する微細
孔を有している。この微細孔は、いわゆる格子欠損とい
った分子的なものではなく、金属を用いて成型する段階
に形成される物理的な微細孔、いわゆるピンホールであ
る。このような微細孔は、極めて微細であるため通常の
使用では何ら問題とされるものではなく、また、これら
微細孔が全くない金属成型物を成型することも実際には
困難である。金属としては、微細孔の大きさが1μm以
下のものが特に有効である。さらに、金属形成物は、種
々の合金および複合材料により形成されており、主成分
金属と添加物質を含有している。そして、主成分金属と
添加物質(他の金属、セラミックなど)とは、熱膨張率
などが相違するため、微細な隙間を生じる。
【0011】そして、本発明の金属成型物1では、表面
層のこれら微細孔および隙間内に、表面層処理剤6が浸
透している。言い換えれば、金属成型物の微細孔または
隙間内に、表面層処理剤6が取り込まれた状態にて存在
している。浸透深さとしては、深いほど好ましいが、表
面より200μm以上の深さであることが好適であり、
特に、500μm以上が好ましい。このように表面層処
理剤が浸透していれば、使用時に十分な潤滑性を呈する
とともに、表面部位付近の表面層処理剤が消失しても、
内部に表面層処理剤が十分な量保有されているため、表
面に表面層処理剤が滲出してくるため、長期かつ十分な
潤滑性を呈する。さらに、金属成型物の表面層中の上述
の微細孔および隙間は、金属成型物が使用時に加温(例
えば、摩擦による加熱)されると、金属成型物自体の熱
膨張、物質の熱膨張率の差とともに拡大し、より表面層
処理剤を放出しやすくなる。このため、摩擦抵抗の高い
ところ、いいかえれば他の成型物より強く接触する部位
ほど、表面層処理剤が表面に滲出するため、必要性の高
いところほど、潤滑性を向上させるように機能する。
【0012】表面層処理剤6は、ベース油と極圧剤とを
少なくとも含有している。表面層処理剤は、ベース油の
みでなく、極圧剤を含有することにより、高い効果を発
揮する。この表面層処理剤6は、ベース油とともに極圧
剤も金属成形物の使用時に金属成形物相互の摩擦面に移
行し、潤滑性を付与する。表面層処理剤6としては、表
面層に浸透した状態で永久に固化するものでなく、少な
くとも金属成型物の使用時にはある程度の流動性をもっ
て、金属成型物の表面に移行可能なものが用いられる。
表面層処理剤としては、金属成型物の種類、金属材料に
より適宜好適なものが選択されるが、常温にて液体であ
り、概ね40℃における粘度が9〜36cstの範囲の
ものが好適である。この範囲内であれば、表面層処理剤
の金属成型物の表面層への浸透も容易であり、また使用
時の表面層処理剤の金属成型物の表面への移行も可能で
ある。ベース油としては、鉱油、動植物油、合成油それ
らの混合油などが使用でき、具体的には、スリンドル
油、マシン油、タービン油、シリンダー油などの鉱油、
牛脂、豚脂、ナタネ油、ヒマシ油、ヌカ油、パーム油、
ヤシ油などの動植物油、二塩基性ジエステル油、ネオペ
ンチルポリオールエステル油、αオレフィン油、フロロ
エステル油、シリコートエステル油、ポリグリコール
油、シリコン油、ポリフェニルエーテル油、ポリブテン
油、ポリオキシアルキレングリコールエステル、ヒンダ
ードエステル、ポリエーテルなどの単独または混合物が
好適に使用される。これら油は、使用する金属成型物の
金属材料により適宜好適なものが選択される。そして、
使用するベース油の性状も、金属成型物の種類、金属材
料により適宜好適なものが選択されるが、概ね40℃に
おける粘度が1〜500cstの範囲が好ましい。
【0013】金属成形物の使用時に、荷重が拡大する
と、金属間凸部同士が吸着膜を突き破って接触し合い、
表面温度が上昇すると、吸着油膜は破壊され焼き付き、
スカッフィングを起こすことになる。このような条件
で、出来る限り摩擦を低減し、潤滑不能にならないよう
にするために、極圧剤が用いられる。極圧剤は、金属成
形物表面を容易に酸化し、酸化層を形成し、摩擦を減少
させる。表面に形成された金属酸化層の主成分となるF
34は、著しく摩擦を減少させる。この酸化層は、金
属成形物の表面に多孔質状の結晶を形成し潤滑油の機能
を発揮する。極圧剤は、表面層処理剤中に15〜40重
量%程度添加されている。極圧剤としては、一般的に使
用されているものが使用でき、例えば、リン系極圧剤、
硫黄系極圧剤、塩素系極圧剤などが使用できる。具体的
には、リン系極圧剤としては、トリフェニルホスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリイオ
ソクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイ
ト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリステアリ
ルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリラウ
リルトリチオホスファイトなどの3級ホスファイト類、
また、ジ−2−エチルヘキシルハイドロジェンホスファ
イト、ジオレイルハイドロジェンホスファイト、ジラウ
リルハイドロジェンホスファイトなどの2級ホスファイ
ト類などの亜リン酸エステル、また、トリメチルホスフ
ェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、オクチルジフェニ
ルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トルステ
アリルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチ
ルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、トリク
ロロエチルホスフェート、メチルアシドホスフェート、
イソプロピルアシドホスフェート、ブチルアシドホスフ
ェート、2−エチルヘキシルアシドホスフェート、ラウ
リルアシドホスフェート、ステアリルアシドホスフェー
ト、オレイルアシドホスフェートなどのリン酸エステ
ル、ピロリン酸、ポリリン酸などの縮合リン酸が使用で
きる。
【0014】硫黄系極圧剤としては、硫化油脂、硫化ジ
ベンジルサルファイド、ポリサルファイド、ジ・ターシ
ャリーブチルサルファイド、ジ・nブチルサルファイ
ド、ポリオキシエチレンポリサルファイドなどが使用で
きる。塩素系極圧剤としては、塩素化パラフィン、塩素
化油脂、五塩化脂肪酸エステルなどが使用できる。さら
に、表面層処理剤6は、ある程度の粘度指数を持つもの
であってもよい。つまり、表面層処理剤6は、温度の上
昇により、粘度が低下するものであってもよい。このよ
うな性質を有することにより、加温により粘度が低下す
るため金属成型物の表面層への浸透も容易となり、ま
た、使用時の加熱により粘度が低下するため、浸透した
表面層処理剤の金属成型物の表面への移行も容易とな
る。粘度指数としては、60〜150程度が好適であ
る。また、表面層処理剤6としては、一定してある程度
の流動性をもって安定した粘度指数の高いもの(すなわ
ち、粘度の温度依存性が小さいもの)であってもよい。
【0015】さらに、表面層処理剤6は、流動点降下剤
を含有している。この流動点降下剤を含有することによ
り、表面層処理剤6としては、流動点が降下するため、
流動が容易になり、金属成型物の表面層への浸透、また
表面への移行も容易となる。この流動点降下剤として
は、表面層処理剤6に使用されるベース油より粘度の低
いものが使用される。また、十分に粘度の低いベース油
を用いた場合は、この流動点降下剤を添加しなくてもよ
い。流動点降下剤としては、概ね40℃における粘度が
1〜150cstの範囲が好ましい。流動点降下剤とし
ては、塩素化パラフィン、αオレフィンなどの流動パラ
フィン、ナフタレンまたはフェノールの縮合物、ポリア
ルキルアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテ
ン、ポリアルキルスチレン、ポリ酢酸ビニル、サントボ
アー、アクリロイド、ポリアクリルアミド、ビニルエス
テル、オレフィンポリマー、アルキルポリスチレンなど
がある。
【0016】さらに、表面層処理剤に、アルキルコハク
酸、アルケニルコハク酸およびそのエステルなどに代表
されるカルボン酸またはカルボン酸エステル、スルホン
酸カルシウム、スルホン酸バリウムなどのスルホン酸塩
などの防錆剤(0.05〜2重量%)、チオリン酸亜
鉛、ジオクチルジフェニルアミンなどのアミン系酸化防
止剤、フェノール系酸化防止剤などの酸化防止剤(0.
3〜5重量%)、シリコンオイル、金属セッケンなどの
消泡剤(0.0005〜0.02重量%)、ジアルキル
ジチオリン酸塩、脂肪族アミン類などの腐食防止剤
(0.01〜3重量%)、こはく酸アミドなどの分散剤
(0.0005〜0.02重量%)、オレイン酸、ステ
アリン酸などの長鎖脂肪酸またはその塩などの油性向上
剤(0.01〜3重量%)などを添加してもよい。
【0017】次に、本発明の金属成型物の製造方法およ
び金属成型物の処理方法について説明する。本発明の金
属成型物の製造方法は、金属成型物を形成した後、金属
成型物の表面層内に表面層処理剤を含浸させる処理工程
有している。金属成型物の処理方法(処理工程)は、
ベース油と極圧剤とを少なくとも含有する表面層処理剤
を金属成型物に接触させた状態で、金属成型物を表面層
処理剤の分解温度以下にて加温することにより、金属成
型物の表面層内に表面層処理剤を含浸させることにより
行われる。具体的には、ベース油と極圧剤とを少なくと
も含有する表面層処理剤中に、金属成型物を浸漬し、金
属成型物を表面層処理剤の分解温度以下にて、表面層処
理剤とともに加温することにより行われる。
【0018】また、金属成型物の処理方法(処理工程)
は、ベース油と極圧剤とを少なくとも含有する表面層処
理剤を金属成型物に接触させた状態で、金属成型物を表
面層処理剤とともに、加圧することにより行うこともで
きる。具体的には、ベース油と極圧剤とを少なくとも含
有する表面層処理剤中に、金属成型物を浸漬し、金属成
型物を表面層処理剤とともに加圧することにより行われ
る。また、金属成型物の処理方法(処理工程)は、ベー
ス油と極圧剤とを少なくとも含有する表面層処理剤を該
金属成型物と接触させた状態で、表面層処理剤の分解温
度以下にて加温するとともに加圧することにより行って
もよい。金属成型物としては、上述したものが好適であ
り、金属成型物の製造方法では、この金属成型物の形成
工程を有している。また、処理方法では、金属成型物の
形成工程を有しておらず、金属成型物の製作所にて製造
され、使用されていない金属成型物またはすでに使用し
た金属成型物のいずれにでも適用できる。そして、本発
明の製造方法および処理方法に使用される表面層処理剤
としては、上述したものが好適に使用される。
【0019】そこで、表面層処理剤を金属成型物の表面
層に浸透させる処理工程について説明する。まず、最初
に金属成型物および表面層処理剤を準備する。そして、
表面層処理剤中に、金属成型物が使用時に他の成型物と
接触する接触部を有する場合は、その接触部全体が表面
層処理剤と接触するように、金属成型物を浸漬する。こ
の浸漬は、金属成型物の全体が、表面層処理剤中に浸漬
されるように行うことが好ましいが、少なくとも使用時
に他の成型物と接触する接触部のみ接触するように浸漬
させてもよい。そして、金属成型物を表面層処理剤とと
もに、表面層処理剤の分解温度以下にて加温する。この
加温工程および浸漬工程は、例えば、あらかじめ表面層
処理剤の分解温度以下に加温された表面層処理剤液浴槽
内に、金属成型物を浸漬し、表面層処理剤により金属成
型物を加温する方法により同時に行うこともできる。
【0020】また、表面層処理剤浴槽内に、金属成型物
を浸漬した後に、表面層処理剤を加温し、熱伝導により
金属成型物を加温する方法、また、表面層処理剤浴槽内
に、金属成型物を浸漬した状態にて、金属成型物を直
接、ヒータ、また通電、誘導または誘電加熱により加温
する方法などにより行うことができる。作業の安全性よ
り、表面層処理剤浴槽内に、金属成型物を浸漬し、浸漬
した状態にて、表面層処理剤を加温し、熱伝導により金
属成型物を加温する方法が好適である。また、この方法
では、金属成形物が急激に温度上昇しないため、ひず
み、ゆがみを生じにくく好ましい。
【0021】そして、上述したように、金属成型物は、
表面から内部に連通する微細孔および隙間を有してい
る。金属成型物の微細孔および隙間は、金属成型物が加
温工程により加温されることにより、金属成型物自体の
熱膨張とともに拡大する。このため金属成型物の表面が
接触している表面層処理剤が、この微細孔および隙間内
に流入するいわゆる浸透が生じる。つまり、常温で、金
属成型物に表面層処理剤を塗布、または金属成型物を表
面層処理剤に浸漬しても、ほとんど表面層内に表面層処
理剤が浸透することはない。しかし、上述のように、表
面層処理剤と接触している状態で金属成型物を加温する
ことにより、微細孔および隙間の拡大とその内部への
面層処理剤浸透が生ずる。表面層処理剤および金属成
型物の加温温度は、表面層処理剤の分解点以下(耐熱温
度以下)にて、行われる。分解点は、基本的には、表面
層処理剤中の主成分となるベース油の分解点となる。好
ましくは、表面層処理剤中に有効成分として存在してい
る化合物の最も分解点が低いものを基準とすることが好
ましい。なお、表面層処理剤としては、添加剤を考慮し
て、130〜1000℃程度が分解点と考えられるた
め、上記の加温温度は、120〜1000℃以下にて行
うことが好ましい。また、加温時間としては、加温方
法、対象となる金属成型物により相違し、一律なもので
はないが、50〜400分程度、好ましくは、240〜
300分間程度行うことが好ましい。特に、金属成型物
が加温設定温度付近に到達したときより、50〜120
分間程度行うことが好ましい。なお、表面層処理剤は、
可燃性であるため、加温工程は、安全のため不活性ガス
雰囲気中に行うことが好ましい。
【0022】そして、上記の浸漬および加温工程が終了
すると、表面層処理剤浴槽より金属成型物が引き上げら
れる。この引き上げ工程は、加温工程終了後、金属成型
物が十分に冷却した後に行うことが好ましい。冷却した
状態にて行うことにより、作業も容易でありまた安全で
ある。冷却は、加温作業(例えば、ヒーターによる表面
層処理剤の加温)を停止した後、自然放置することによ
り行われる。そして、表面層処理剤浴槽より引き上げら
た金属成型物は、表面に付着している過剰の表面層処理
剤を吹きとることにより表面層処理工程が終了する。金
属成型物は、上述のように加温されることにより、表面
および内部に連通する微細孔が拡大するため、予想以上
の深さまでその内部に表面層処理剤が浸透する。そし
て、再び通常温度にもどることにより、微細孔内に浸透
した表面層処理剤を取り込んだ状態にて、微細孔が収縮
する。このため多少の表面層処理剤は、微細孔の収縮に
より押し出されることもあるが、表面層処理剤の大部分
は、微細孔内に取り込まれる。そして、表面層処理剤
は、常温にて液状であるので、金属成型物の表面付近の
表面層処理剤が、使用時に消失すると、微細孔内の表面
層処理剤が徐々に表面に滲出する。このためこの金属成
型物は、長期的な潤滑性、防錆性を有するものとなる。
【0023】また、金属成型物の処理方法(処理工程)
は、ベース油と極圧剤とを少なくとも含有する表面層処
理剤を金属成型物に接触させた状態で、金属成型物を表
面層処理剤とともに、加圧することにより行うことがで
きる。具体的には、ベース油と極圧剤とを少なくとも含
有する表面層処理剤中に、金属成型物を浸漬し、加圧す
ることにより行ってもよい。この方法と上述した方法と
の相違は、加温と加圧の相違であり、その他の点につい
ては同じである。加圧方法は、例えば、加圧機能を有す
る浴槽中に、ベース油と極圧剤とを少なくとも含有する
表面層処理剤を入れ、金属成型物をこの表面層処理剤に
浸漬し、浴槽を密封し、浴槽内を加圧することにより行
なわれる。加温と同様に、加圧により、金属成型物の微
細孔および隙間は多少拡大され、流体である表面層処理
剤は微細孔内に圧力により強制流入される。このため金
属成型物の表面が接触している表面層処理剤が、この微
細孔内に流入するいわゆる浸透が生じる。つまり、常圧
で、金属成型物に表面層処理剤を塗布、または金属成型
物を表面層処理剤に浸漬しても、ほとんど表面層内に表
面層処理剤が浸透することはない。しかし、上述のよう
に、表面層処理剤と接触している状態で金属成型物を加
圧することにより、微細孔内への表面層処理剤の浸透が
生じる。加圧の程度としては、1〜5気圧を付加するこ
とが好ましい。また、加圧時間は、金属成型物の種類、
形状などにより相違するが、60〜300分間程度が好
適である。
【0024】そして、金属成型物の処理方法(処理工
程)は、ベース油と極圧剤とを少なくとも含有する表面
層処理剤を該金属成型物と接触させた状態で、表面層処
理剤の分解温度以下にて加温するとともに加圧すること
により行ってもよく、この方法が、より金属成型物の微
細孔および隙間内に表面層処理剤を深く浸透させること
ができる。 この加圧および加温方法は、例えば、加圧
機能および加温機能を有する浴槽中に、ベース油と極圧
剤とを少なくとも含有する表面層処理剤を入れ、金属成
型物をこの表面層処理剤に浸漬し、浴槽を密封し、表面
層処理剤を加温するとともに、浴槽内を加圧することに
より行なわれる。加温条件、加圧条件については、上述
した通りである。なお、表面層処理剤は、可燃性である
ため、加温、加圧工程は、安全のため不活性ガス雰囲気
中にて行うことが好ましい。不活性ガスとしては、チッ
ソ、ヘリウムなどが考えられる。
【0025】そして、このような加温機能および加圧機
能を有する金属成型物の処理装置としては、図2に示す
ものが好適に使用できる。この処理装置20は、図2に
示すように、大きく区分して、加温、加圧タンク22、
タンク22に表面層処理剤を供給するための表面層処理
剤供給回路24、タンク22内の加圧およびタンク22
の蓋の開閉のための昇降機構40を駆動するための空圧
回路26、タンク22内の空気を不活性ガスと置換する
ための不活性ガス注入回路28、上記のタンクおよび回
路の必要部位が電気的に接続された制御回路29により
構成されている。タンク22は、本体と蓋により形成さ
れており、本体の側面には加温機能であるヒーター3
6、内部には温度センサ37、圧力トランスミッター5
1が設けられており、それらは、制御回路29の制御パ
ネル30に接続されている。表面層処理剤供給回路20
は、表面層処理剤タンク31と、この表面層処理剤タン
ク31と加温タンク22とを接続する表面層処理剤ライ
ンと、このラインに設けられた循環ポンプ32、表面層
処理剤中の不純物を除去するためのカートリッジフィル
ター56を有している。この供給回路では、表面層処理
剤タンク31中の表面層処理剤は、循環ポンプ32によ
り押し出され、フィルター56を通過した後、流入口3
3より、加温タンク22内に流入する。そして、表面層
処理工程終了後、使用された表面層処理剤は、流出口2
4を通り、表面層処理剤タンク31内に流入する。な
お、PGは、圧力計である。
【0026】空圧回路26は、タンク22内を加圧する
ための加圧ライン26aと、タンク22の蓋の開閉のた
めの昇降機構40を駆動するための加圧ライン26b
と、昇降機構40に設けられたフック41と、加圧ライ
ンに空圧を付加するためのコンプレッサー43およびエ
アーストレージタンク44を有している。昇降機構40
の駆動によりフック41は下降し、タンク22の蓋のル
ープ42に係合し、再びフック41が上昇することによ
りタンク22の蓋を開放する。不活性ガス注入回路28
は、不活性ガス(窒素ボンベ)38と、タンク22内を
減圧する真空ポンプを有している。この装置を用いるこ
とにより、タンク22内にて、金属成型物の表面層処理
を容易に行うことができる。特に、加圧、加温の単独、
また併用、さらにそれらを不活性ガス雰囲気下にて行う
ことができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)表面層処理剤としては、ベース油、極圧剤
および流動点降下剤を含有し、粘度28cst(40
℃)、分解点150℃のものを作成した。ベース油は、
粘度32cst(40℃)の鉱油を用い、極圧剤は、塩
素系極圧剤を用い、ベース油100重量部に対して30
部添加し、流動点降下剤は、流動パラフィン(15cs
t、40℃)を用い、ベース油100重量部に対して3
5部添加した。合金鋼で形成された2刃エンドミルを1
0本準備した。そして、図2に示すような、処理装置を
用いて、表面層処理剤タンク内に、エンドミルを10本
入れ、そして、タンク内に、表面層処理剤を注入し、エ
ンドミルを表面層処理剤中に完全に浸漬した。そして、
タンクの加温装置を駆動させ、表面層処理剤が約130
℃となるように加温し、その状態にて90分放置した
後、加温をやめ、表面層処理剤が約50℃となるまで自
然放置した後、表面層処理剤中より、エンドミルを取り
出した。このようにして表面層処理を行い、本発明の金
属成型物(実施例1)を作成した。
【0028】(実施例2)表面層処理剤としては、ベー
ス油および極圧剤を含有し、粘度45cst(40
℃)、分解点150℃のものを作成した。ベース油は、
粘度 15cst(40℃)の鉱油を用い、極圧剤は、
イオン系極圧剤(粘度 68cst、40℃)を用い、
ベース油100重量部に対して極圧剤を15部添加し
て、表面層処理剤を作成した。超硬合金製ガンドリルを
10本準備した。そして、図2に示すような、処理装置
を用いて、表面層処理剤タンク内に、ガンドリルを10
本入れ、そして、タンク内に、表面層処理剤を注入し、
ガンドリルを表面層処理剤中に完全に浸漬した。そし
て、タンクの加温装置を駆動させ、表面層処理剤が約1
30℃となるように加温し、その状態にて180分放置
した後、加温をやめ、表面層処理剤が約50℃となるま
で自然放置した後、表面層処理剤中より、ガンドリルを
取り出した。このようにして表面層処理を行い、本発明
の金属成型物(実施例2)を作成した。
【0029】(実施例3)表面層処理剤としては、ベー
ス油、極圧剤および流動点降下剤を含有し、粘度25c
st(40℃)、分解点150℃のものを作成した。ベ
ース油は、粘度32cst(40℃)の鉱油を用い、極
圧剤は、粉末塩素系極圧剤を用い、流動パラフィン(粘
度15cst)100重量部に対して30部添加した混
合物を、ベース油100重量部に対して35部添加し、
表面層処理剤を作成した。超硬合金鋼で形成された仕上
面用高速エンドミルを10本準備した。そして、図2に
示すような、処理装置を用いて、表面層処理剤タンク内
に、エンドミルを10本入れ、そして、タンク内に、表
面層処理剤を注入し、エンドミルを表面層処理剤中に完
全に浸漬した。そして、タンクの加温装置を駆動させ、
表面層処理剤が約130℃となるように加温し、その状
態にて90分放置した後、加温をやめ、表面層処理剤が
約50℃となるまで自然放置した後、表面層処理剤中よ
り、エンドミルを取り出した。このようにして表面層処
理を行い、本発明の金属成型物(実施例3)を作成し
た。
【0030】(実施例4)表面層処理剤としては、実施
例1に用いたものと同じものを使用した。ハイス鋼(S
KH51、硬度60)のトリミングパンチを10本準備
した。そして、図2に示すような、処理装置を用いて、
実施例1と同様に表面層処理を行い、本発明の金属成型
物(実施例4)を作成した。
【0031】(実施例5)表面層処理剤としては、実施
例1に用いたものと同じものを使用した。ハイス鋼(H
SS9、硬度60)のパンチを10本準備した。そし
て、図2に示すような、処理装置を用いて、実施例1と
同様に表面層処理を行い、本発明の金属成型物(実施例
5)を作成した。
【0032】(実施例6)表面層処理剤としては、実施
例1に用いたものと同じものを使用した。リニアガイド
+600Lを準備し、リニアガイドのベアリングを図2
に示すような、処理装置を用いて、実施例1と同様に表
面層処理を行い、本発明の金属成型物(実施例6)を作
成した。
【0033】(実施例7)表面層処理剤としては、実施
例3に用いたものと同じものを使用した。超硬合金製
鋼)の丸チップ(東芝タンガロイ株式会社製)を10本
準備した。そして、図2に示すような、処理装置を用い
て、実施例3と同様に表面層処理を行い、本発明の金属
成型物(実施例7)を作成した。
【0034】[実験] (実験1) サーメットを用いて、直径約10mm、長さ約50mm
の棒状体を形成し、棒状体の長手方向の中央部付近を幅
約10mm、深さ約5mm研磨し、環状の溝を有する金
属成型物を作成した。表面層処理剤としては、実施例1
に用いたものと同じものを使用した。そして、容器内に
上記の表面層処理剤を十分な量入れ、棒状金属成型物を
表面層処理剤中に完全に浸漬し、加温タンクを用いて、
表面層処理剤が約130℃となるように加温し、その状
態にて90分間放置した後、加温をやめ、表面層処理剤
が約50℃となるまで自然放置した後、表面層処理剤中
より、金属成型物を取り出し表面に付着した処理剤を
拭き取った。外観的には、上記の処理前と処理後におい
て、金属成型物の変化はなかった。そして、金属成型物
のを環状溝部分でハンマーで割り、その直後破断面の電
子顕微鏡写真を撮影した。その結果は、図3に示す通り
であった。この図面より明らかなように、金属成型物に
は、表面より約2mmの深さまで表面層処理剤が浸透し
ており、特に、1mmの深さまでは、かなりの量の表面
層処理剤が浸透していることが確認できた。また、金属
成型物の形成材料として、超硬合金、ハイス(SKH9
合金)を用いたものを作成し、上述と同様に表面層処理
剤の浸透処理を行ったところ、上記とほぼ同様の結果が
得られた。
【0035】(実験2)実施例1で得られた表面層処理
を行ったエンドミル(実施例1)と、表面層処理を行っ
ていない以外は、同じエンドミル(比較例1)を用いて
以下の実験を行った。上記実施例1および比較例1のエ
ンドミルをそれぞれ同じ機種の研磨装置(商品名マシニ
ング、三井精機株式会社製)に取付け、合金鋼にて形成
されたSKD11(以下、ワークという)の表面研磨を
行った。そして、それぞれのワークの仕上面粗度を三次
元計測装置(商品名マイクロコード、株式会社ミツトヨ
製)を用いて計測した。計測した結果は表1および表2
に示す通りであった。
【0036】
【表1】
【0037】なお、Rmは、十点平均粗さであり、Rz
は、中心線平均粗さであり、Raは、区分値および基準
長さである。そして、図4に、上記Rm、Rz、Raの
数値を回帰直線とともに示した。 なお、Rmの 回帰式は、y=0.054x+10.84 相関係数は、0.86 Rzの 回帰式は、y=0.052x+8.938 相関係数は、0.887 Raの 回帰式は、y=0.006x+1.92 相関係数は、0.771 であった。 また、110分経過時の、エンドミルの最大フランク
(二番逃げ面)摩耗量は、0.25mmであった。
【0038】
【表2】
【0039】そして、図5に、Rm、Rz、Raの数値
を回帰直線とともに示した。 なお、Rmの 回帰式は、y=0.332x+11.49
8 相関係数は、0.990 Rzの 回帰式は、y=0.262x+9.652 相関係数は、0.992 Raの 回帰式は、y=0.051x+1.997 相関係数は、0.979 であった。 また、80分経過時の、エンドミルの最大フランク(二
番逃げ面)摩耗量は、0.63mmであった。上記の結
果より、実施例1のエンドミルでは、比較例1のエンド
ミルに比べて、使用時間が経過しても、ワークの仕上面
粗度が低く、より精度の高い表面仕上げが行えていた。
また、エンドミルの摩耗量も比較例1のエンドミルに比
べて、小さかった。これは、実施例1のエンドミルが、
表面層処理により潤滑性が高いことに起因していると思
われる。
【0040】(実験3)表面層処理剤された実施例4の
ハイス鋼製トリミングパンチと、表面層処理を行ってい
ない以外は同じハイス鋼製トリミングパンチ(比較例
2)を用いて以下の実験を行った。トリミングパンチ
を、パーツフォーマー(阪村機械株式会社製)に取付
け、毎分約20lの潤滑油を流しながら、S12相当の
炭素鋼を1分間に80個トリミングし、それぞれの寿命
を比較した。それぞれ3回行いその平均は、比較例2の
トリミングパンチでは、約37000個であったのに対
し、実施例4のトリミングパンチでは、約98500個
であった。
【0041】(実験4)表面層処理剤された実施例5の
ハイス鋼製パンチと、表面層処理を行っていない以外は
同じハイス鋼製パンチ(比較例3)を用いて以下の実験
を行った。パンチを、ヘッダー(松下電器械株式会社
製)に取付け、毎分約20lの潤滑油を流しながら、S
12相当の炭素鋼を1分間に120個穴抜きし、それぞ
れの寿命を比較した。それぞれ3回行いその平均は、比
較例3のパンチでは、約72000個であったのに対
し、実施例5のパンチでは、約189000個であっ
た。
【0042】(実験5)表面層処理剤された実施例6の
ベアリングを取り付けたリニアガイドと、表面層処理を
行っていないベアリングを取り付けた以外は同じリニア
ガイド(比較例4)を用いて以下の実験を行った。速度
30m/min、ストローク350mmで、表3に示す
荷重を架け、破損するまでの走行距離を測定したとこ
ろ、その結果は、表3に示す通りであった。
【0043】
【表3】
【0044】(実験7)表面層処理剤された実施例7の
丸チップと、表面層処理を行っていない以外は同じ丸チ
ップ(比較例5)を用いて以下の実験を行った。丸チッ
プを、加工機(VP−5、三井精機株式会社製)に取付
け、表4に示す切込み量、回転速度および送りで、ステ
ンレス(15−5PH)を切削加工し、加工面の面粗さ
を測定したところ、表4に示す通りであった。
【0045】
【表4】
【0046】
【発明の効果】本発明の金属成型物は、金属成形物であ
って、該金属成形物の表面層内に、ベース油と極圧剤と
該ベース油より粘度が低い流動点降下剤を少なくとも含
有する表面層処理剤が含浸しているので、表面層処理剤
により表面が長期的な潤滑性、防錆性を有する。さら
に、上記の表面層処理剤は、金属成型物の表面層中に浸
透されているため、使用時に他の成型物と接触しても、
両者間に表面層処理剤の極め薄い境界層を形成するた
め、両者の実質的な直接接触を減少させ、摩擦抵抗を低
下させる。さらに、表面層内に含浸している表面層処理
剤は、常温にて液体であるので、表面付近の表面層処理
剤が消失すると、浸透している表面層処理剤が表面に移
行して来るため、長期的な潤滑性を有する。さらに、金
属成型物使用時に、金属成型物が加温されることにより
金属成型物表面により確実に移行する。このため、本発
明の金属成型物は、使用時の摺接部位での摩擦力が極め
て低く、寿命が長い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の金属成型物を説明するための
説明図である。
【図2】図2は、本発明の金属成型物の処理方法に使用
される処理装置の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の実施例の金属成型物を用いて
行った実験結果を示す図面代用写真である。
【図4】図4は、本発明の実施例のエンドミルを用いて
行った実験結果を示す図である。
【図5】図5は、本発明の比較例のエンドミルを用いて
行った実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 金属成型物 5 表面層 6 表面層処理剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 40:02 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 169/04 C10N 30:02 C10N 30:06 C10N 40:02

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイス鋼、超高張力鋼、サーメット、機
    械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金
    鋼、超硬合金のいずれかからなり、1μm以下の微細孔
    を有し、さらに、使用時に他の成型物と接触する接触部
    を有する金属成形物であって、該金属成形物の表面層内
    には、ベース油と極圧剤と該ベース油より粘度が低い流
    動点降下剤を少なくとも含有する表面層処理剤が表面よ
    り200μm以上の深さまで含浸されており、さらに、
    該金属成型物の表面層中の表面層処理剤は、少なくとも
    金属成型物の使用時には流動性を持ち、該金属成型物の
    表面に移行可能であることを特徴とする金属成型物。
  2. 【請求項2】 前記表面層処理剤は、該金属成形物の表
    面より500μm以上の深さまで含浸されている請求項
    1に記載の金属成型物。
  3. 【請求項3】 前記金属成型物は、刃具、パンチ、ダイ
    ス、ベアリング、リニアガイドまたは加工治具である請
    求項1または2に記載の金属成型物。
  4. 【請求項4】 前記表面層処理剤は、40℃における粘
    度が9〜36cstである請求項1ないし3のいずれか
    に記載の金属成型物。
  5. 【請求項5】 前記表面層処理剤は、温度の上昇によ
    り、粘度が低下するものである請求項1ないし4のいず
    れかに記載の金属成型物。
  6. 【請求項6】 前記金属成型物は、刃具もしくはパンチ
    であり、該刃具もしくはパンチが使用時の摩擦により加
    温されたときに、前記金属成型物の表面層中の表面層処
    理剤は、該金属成型物の表面に滲出するものである請求
    項1ないし5のいずれかに記載の金属成型物。
  7. 【請求項7】 ハイス鋼、超高張力鋼、サーメット、機
    械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金
    鋼、超硬合金のいずれかからなり、1μm以下の微細孔
    を有し、さらに、使用時に他の成型物と接触する接触部
    を有する金属成型物の表面層処理方法であり、該金属成
    型物にベース油と極圧剤と該ベース油より粘度が低い流
    動点降下剤とを少なくとも含有する表面層処理剤を接触
    させた状態で、表面層処理剤の分解温度以下に、表面層
    処理剤とともに前記金属成型物を加温し、前記金属成型
    物の表面層に表面層処理剤を含浸させることを特徴とす
    る金属成型物の処理方法。
  8. 【請求項8】 ハイス鋼、超高張力鋼、サーメット、機
    械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金
    鋼、超硬合金のいずれかからなり、1μm以下の微細孔
    を有し、さらに、使用時に他の成型物と接触する接触部
    を有する金属成型物の表面層処理方法であり、該金属成
    形物にベース油と極圧剤と該ベース油より粘度が低い流
    動点降下剤とを少なくとも含有する表面層処理剤を該金
    属成型物と接触させた状態で、該表面層処理剤の分解温
    度以下に、表面層処理剤とともに前記金属成型物を加温
    しかつ加圧し、前記金属成型物の表面層内に表面層処理
    剤を含浸させることを特徴とする金属成型物の処理方
    法。
  9. 【請求項9】 ハイス鋼、超高張力鋼、サーメット、機
    械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合金
    鋼、超硬合金のいずれかからなり、1μm以下の微細孔
    を有し、さらに、使用時に他の成型物と接触する接触部
    を有する金属成型物の表面層処理方法であり、該金属成
    型物にベース油と極圧剤と該ベース油より粘度が低い流
    動点降下剤とを少なくとも含有する表面層処理剤の浴槽
    内に、前記金属成型物を浸漬した後に、前記表面層処理
    剤を表面層処理剤の分解温度以下加温するとともに熱伝
    導により金属成型物を加温し、前記金属成型物の表面層
    に表面層処理剤を含浸させることを特徴とする金属成型
    物の処理方法。
  10. 【請求項10】 ハイス鋼、超高張力鋼、サーメット、
    機械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、鍛鋼、鋳鋼、合
    金鋼、超硬合金のいずれかからなり、1μm以下の微細
    孔を有し、さらに、使用時に他の成型物と接触する接触
    部を有する金属成型物の表面層処理方法であり、該金属
    成形物にベース油と極圧剤と該ベース油より粘度が低い
    流動点降下剤とを少なくとも含有する表面層処理剤の浴
    槽内に、前記金属成型物を浸漬した後に、該浴槽を密封
    し、浴槽内を不活性ガス雰囲気中とした後、前記表面層
    処理剤を表面層処理剤の分解温度以下に加温し熱伝導に
    より金属成型物を加温させるとともに浴槽内を加圧し、
    前記金属成型物の表面層内に表面層処理剤を含浸させる
    ことを特徴とする金属成型物の処理方法。
  11. 【請求項11】 前記金属成型物は、刃具、パンチ、ダ
    イス、ベアリング、リニアガイドまたは加工治具である
    請求項7ないし10のいずれかに記載の金属成型物の処
    理方法。
  12. 【請求項12】 前記表面層処理剤は、40℃における
    粘度が9〜36cs tである請求項7ないし11のいず
    れかに記載の金属成型物の処理方法。
  13. 【請求項13】 前記表面層処理剤は、温度の上昇によ
    り、粘度が低下するものである請求項7ないし12のい
    ずれかに記載の金属成型物の処理方法。
  14. 【請求項14】 金属成型物を成形した後、請求項7な
    いし13のいずれかに記載の金属成型物の処理方法を行
    うことを特徴とする金属成型物の製造方法。
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