JP2669140B2 - 撮像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は複数の検知素子により構成されたアレイ型検
知器等を備え各検知素子間の感度バラツキを補正するこ
とができる撮像装置に関する。

［従来の技術］ 撮像装置は、複数の検知素子により構成されたアレイ
型検知器、水平及び垂直方向にシーンをラスター走査す
る２次元スキャナー並びに前記検知器からの信号をビデ
オ信号へ変換する走査変換回路等により構成されてい
る。

従来、アレイ型検知器を備えた撮像装置においては、
検知器を構成する複数の検知素子毎に感度が異なるた
め、各素子に対応した走査線毎に出力レベルが異なる。
このため、画像上には走査線毎に不自然な輝度変化が生
じ、各素子毎の感度の差が画質を劣化させる原因になっ
ている。従来、このような画質の劣化を回避するために
は、黒体熱源を使用して検知素子毎の感度の差を補正し
ている。

第２図は従来の撮像装置の感度補正方法を示す模式図
である。

撮像装置は、垂直スキャナー13及び水平スキャナー14
からなる２次元スキャナー、このスキャナーからの光を
集光するレンズ15、複数の検知素子により構成されたア
レイ型検知器16並びにこの検知器16の各検知素子に個別
的に接続された複数のアンプ17等により構成されてい
る。

この撮像装置の感度を補正する場合は、撮像装置の前
方に黒体熱源19を配置する。この黒体熱源19は温度制御
されており、所定の温度に維持されている。この黒体熱
源19から放出された光は、垂直スキャナー13及び水平ス
キャナー14により垂直方向及び水平方向に走査され、レ
ンズ15を通過して検知器16の各検知素子に入射する。こ
の場合に、各アンプ17からの出力が一致するように、ア
ンプ17のゲイン及びオフセットを手動又は自動で調整す
る。これにより、撮像装置の感度補正が完了する。

また、温度制御された小型の黒体熱源を内蔵した撮像
装置もある。この装置においては、内蔵した黒体熱源を
基準にして、アレイ型検知器を構成する各検知素子に接
続されたアンプのゲイン及びオフセットを調整する。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、従来の撮像装置においては、校正用の
黒体熱源19を用意する必要があり、煩雑であるという欠
点がある。また、検知器16の感度は撮像するシーンによ
って応答特性が微妙に異なるため、黒体熱源19による校
正だけでは十分でないことがある。更に、アンプ17のゲ
イン及びオフセット特性が時間及び環境条件により変化
してしまうので、１回限りの補正では実際に装置を使用
する時点において補正が適正でない場合もある。

また、黒体熱源を内蔵した撮像装置の場合は、装置を
使用する時点における補正ができるという利点がある反
面、装置が大型であると共に装置コストが高いという欠
点がある。

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであっ
て、黒体熱源を使用せずにアレイ型検知器を構成する各
検知素子の感度を補正をすることができ、小型で装置コ
ストが低く、実際の使用状況に応じて各検知素子の感度
のバラツキを補正することはできる撮像装置を提供する
ことを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係る撮像装置は、複数の検知素子により構成
されたアレイ型検知器を備えた撮像装置において、前記
複数の検知素子のうちの特定の検知素子から出力された
信号の交流分の振幅を測定しその結果に基づいて基準振
幅信号を発生する基準振幅レベル測定手段と、前記特定
の検知素子から出力された信号の有効シーンの平均レベ
ルを測定しその結果に基づいて基準平均レベル信号を発
生する基準平均レベル測定手段と、前記特定の検知素子
を除く他の検知素子から出力された信号の交流分の振幅
を測定してその結果を出力する振幅レベル測定手段と、
この振幅レベル測定手段の出力と前記基準振幅信号とを
比較し両者が一致するように前記他の検知素子からの信
号の振幅を制御する振幅制御手段と、前記他の検知素子
から出力された信号の有効シーンの平均レベルを測定し
てその結果を出力する平均レベル測定手段と、この平均
レベル測定手段の出力と前記基準平均レベル信号とを比
較し両者が一致するように前記他の検知素子からの信号
の平均レベルを制御する平均レベル制御手段とを有する
ことを特徴とする。

［作用］ 本発明装置においては、基準振幅レベル測定手段及び
基準平均レベル測定手段により、アレイ型検知器を構成
する複数の検知素子のうちの特定の検知素子から出力さ
れた信号の交流分の振幅及び有効シーンの平均レベルを
測定し、この測定結果を基準振幅信号及び基準平均レベ
ル信号とする。また、振幅レベル測定手段及び平均レベ
ル測定手段により、他の検知素子から出力された信号の
振幅及び平均レベルを測定する。そして、振幅制御手段
は、前記振幅レベル測定手段の出力と前記基準振幅信号
とを比較して、両者が一致するように前記他の検知素子
から出力された信号の振幅を制御する。また、平均レベ
ル制御手段は、平均レベル測定手段の出力と前記基準平
均レベル信号とを比較して、両者が一致するように前記
他の検知素子から出力された信号の平均レベル（直流レ
ベル）を制御する。これにより、本発明に係る撮像装置
は、黒体熱源を使用しなくても各検知素子の感度を補正
することができ、従来の黒体熱源を内蔵した撮像装置に
比して装置を小型化及び低コスト化できると共に、使用
状況に応じて感度補正を実施することができる。

［実施例］ 次に、本発明の実施例について添付の図面を参照して
説明する。

第１図は本発明の実施例に係る撮像装置の感度補正回
路部分を示す回路図である。

この補正回路には１つのマスタ信号入力端子2a及び複
数のスレーブ信号入力端子2bが設けられている。入力端
子2aには、アレイ型検知器を構成する複数の検知素子の
うちの特定の素子から信号（マスタ信号Ａ）が与えられ
るようになっている。また、他の検知素子からの信号
（スレーブ信号Ｂ）は、各入力端子2bに個別的に与えら
れるようになっている。

入力端子2aに入力されたマスタ信号Ａは、アンプ１を
介して出力端子5aに出力されると共に、振幅レベル測定
回路３及び平均レベル測定回路４に入力されるようにな
っている。振幅レベル測定回路３はマスタ信号Ａの交流
分の振幅を測定して、基準振幅レベル信号Ｃを発生す
る。なお、マスタ信号Ａの振幅の測定は、マスタ信号Ａ
の実効値、平均値又は２乗平均値等の測定により実施さ
れる。一方、平均レベル測定回路４は、マスタ信号Ａの
有効シーン区間の平均レベルを測定して、基準振幅レベ
ル信号Ｄを発生する。

入力端子2bに入力されたスレーブ信号Ｂは可変利得ア
ンプ７及びオフセット加算器20を介して出力端子5bに出
力されると共に、振幅レベル測定回路９及び平均レベル
測定回路10に入力されるようになっている。振幅レベル
測定回路９はスレーブ信号Ｂを入力し、この信号Ｂの交
流分の振幅を測定して、振幅レベル信号を出力する。比
較器11はこの振幅レベル信号及び基準振幅レベル信号Ｃ
を比較して、その結果を振幅レベルエラー信号として出
力する。この振幅レベルエラー信号は可変利得アンプ７
にフィードバックされ、可変利得アンプ７はこの振幅レ
ベルエラー信号によりその利得が決定されるようになっ
ている。

一方、平均レベル測定回路10は、スレーブ信号Ｂの平
均レベルを測定し、その結果を出力する。比較器12は、
この平均レベル測定回路10の出力と基準平均レベル信号
Ｄとを比較し、その結果を平均レベルエラー信号として
出力する。この平均レベルエラー信号はオフセット加算
器20にフィードバックされ、オフセット加算器20はこの
平均レベルエラー信号によりオフセットが決定されるよ
うになっている。

次に、本実施例の撮像装置の動作について説明する。

入力端子2aに入力されたマスタ信号Ａはアンプ１を介
して出力端子5aに出力されると共に、振幅レベル測定回
路３及び平均レベル測定回路４に入力される。この振幅
レベル測定回路３及び平均レベル測定回路４は、夫々基
準振幅レベル信号Ｃ及び基準平均レベル信号Ｄを出力す
る。

一方、入力端子2bに入力されたスレーブ信号Ｂは可変
利得アンプ７及び加算器20を介して出力端子5bに出力さ
れると共に、振幅レベル測定回路９及び平均レベル測定
回路10に入力される。この振幅レベル測定回路９及び平
均レベル測定回路10は、夫々振幅レベル信号及び平均レ
ベル信号を出力する。

比較器11は基準振幅レベル信号Ｃと振幅レベル測定回
路９の出力である振幅レベル信号とを比較し、両者が一
致するように振幅レベルエラー信号を出力して、可変利
得アンプ７の利得を制御する。また、比較器12は基準平
均レベル信号Ｄと平均レベル測定回路10の出力である平
均レベル信号とを比較し、両者が一致するように平均レ
ベルエラー信号を出力して、オフセット加算器20のオフ
セットを制御する。これにより、各出力端子5bの出力
は、いずれも出力端子5aの出力と一致する。

本実施例においては、このように特定の検知素子の出
力を基準にして検知素子間の感度のバラツキを相対的に
補正する。従って、黒体熱源が不要であり、従来の黒体
熱源を内蔵した撮像装置に比して装置を小型化及び低コ
スト化することができると共に、使用状況に応じた補正
が可能である。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明装置によれば、アレイ型
検知器を構成する複数の検知素子のうちの特定の素子か
ら出力された信号を基に基準振幅レベル信号及び基準平
均レベル信号を発生し、の基準振幅レベル信号及び基準
平均レベル信号に基づいて他の検知素子から出力された
信号の振幅及び平均レベルを制御するから、黒体熱源を
使用しないで各検知素子の感度のバラツキを補正するこ
とができる。従って、従来の黒体熱源を内蔵した撮像装
置に比して装置を小型化及び低コスト化することができ
る。また、本発明装置は、使用状況に応じた補正が可能
であるため、常に最適な画像を得ることができるという
効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る撮像装置の感度補正回路
部分を示す回路図、第２図は従来の撮像装置を示す模式
図である。 1,7,17;アンプ、2a,2b;入力端子、3,9;振幅レベル測定
回路、4,10;平均レベル測定回路、5a,5b;出力端子、11,
12;比較器、13;垂直スキャナー、14;水平スキャナー、1
5;レンズ、16;アレイ型検知器、19;基準熱源、20;加算
器

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の検知素子により構成されたアレイ型
   検知器を備えた撮像装置において、前記複数の検知素子
   のうちの特定の検知素子から出力された信号の交流分の
   振幅を測定しその結果に基づいて基準振幅信号を発生す
   る基準振幅レベル測定手段と、前記特定の検知素子から
   出力された信号の有効シーンの平均レベルを測定しその
   結果に基づいて基準平均レベル信号を発生する基準平均
   レベル測定手段と、前記特定の検知素子を除く他の検知
   素子から出力された信号の交流分の振幅を測定してその
   結果を出力する振幅レベル測定手段と、この振幅レベル
   測定手段の出力と前記基準振幅信号とを比較し両者が一
   致するように前記他の検知素子からの信号の振幅を制御
   する振幅制御手段と、前記他の検知素子から出力された
   信号の有効シーンの平均レベルを測定してその結果を出
   力する平均レベル測定手段と、この平均レベル測定手段
   の出力と前記基準平均レベル信号とを比較し両者が一致
   するように前記他の検知素子からの信号の平均レベルを
   制御する平均レベル制御手段とを有することを特徴とす
   る撮像装置。