JP2668246B2 - エキスパンジョイント型枠および工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、建物におけるエキスパンジョイント用型枠
および工法に関する。

［従来の技術］ 一般に、建物の規模、構造、形状あるいは地盤基礎状
態等により、建物の揺れ方が異なり、その対策の１つと
して建物等の構造体を分離してその破壊を防止するエキ
スパンジョイント構造がある。

ところで、建物のエキスパンジョイント部分は特に間
隙が狭いため、両側の躯体を同時にコンクリート打設し
たり、既設の建物に接近して打設する場合には、断熱材
等の介在物を入れて埋め殺していた。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記介在物の挿入や埋殺しは、介在物
の再利用を不可能とし、材料費が高くつくばかりでな
く、介在物がエキスパンジョイント部で有害になる等の
問題点があった。

本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、狭隘な壁面間にお
いても、型枠を確実かつ安定して保持することができ、
資材を確実に回収して再使用することができるエキスパ
ンジョイント型枠および工法を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明のエキスパンジョイント型枠は、型枠パネルの
外側に、鋼棒の端部オネジと螺合するメネジを有する金
物を取付けた２組のエキスパンジョイント型枠を建物の
エキスパンジョイント部に背合せ状にセットして、左右
の金物を所定長さを有する鎖またはワイヤー等の可撓連
結材で連結すると共に、左右の型枠間にチューブを膨張
させた状態で挟設して構成したことを特徴とする。

また、本発明のエキスパンジョイント工法は、２組の
型枠パネルを建物のエキスパンジョイント部に建込み、
各組の型枠パネルに取り付けた鋼棒の端部オネジを金物
のメネジに螺着して型枠をセットすると共に、２組の型
枠間にチューブを挟設して膨張させ、コンクリートを打
設して硬化後、上記チューブを窄ませて上記鋼棒を金物
から離脱し、脱型することを特徴とする。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
説明する。

第１図は隣接する建物間の狭隘空間部分に壁用型枠を
組立た状態を示すもので、１は外側型枠パネル、２は内
側型枠パネルである。両型枠パネル１、２はセパレート
パイプ３により、所定の壁厚に隔てられている。

第３図からも明らかなように、上記セパレートパイプ
３内には鋼棒４が挿設されている。該鋼棒４の両端部
は、それぞれ上記型枠パネル１および２を貫通して取り
付けられている。

上記外側型枠パネル１の外側面には、第３図からも明
らかなように、金物５がネジ６により取付け固定されて
いる。該金物５の中央部内側には、メネジが形成されて
いて、上記鋼棒４の端部に形成されている端部オネジが
螺合するようになっている。

また、上記金物５の外側には、鎖７が取付けられてい
て、両側の外側型枠パネル1,1に取付けられている金物
５、５を相互に連結している。尚、両側の金物５の位
置、即ち鋼棒４のセット位置を符号させると共に、上記
鎖７の長さを所定の長さに設定しておくことにより、左
右の壁面の間隙を一定に保つことができる。

第２図からも明らかなように、両外側型枠パネル１、
１の間にはチューブ８を挿設しておき、この中に空気を
圧入して膨らませることにより、型枠パネル１を確実か
つ強固に保持させることができる。

以上のように組立てられた型枠にコンクリートを打設
し、硬化後、脱型する。

脱型に際しては、第４図に示す状態から、まず上記チ
ューブ８から空気を抜いて、第５図に示すように、窄ま
せる。

続いて、第６図に示すように、鋼棒４を回転させてそ
の端部オネジを金物５のメネジから螺脱して、該鋼棒４
を引抜くと、第７図に示すように、外側型枠パネル１は
容易に脱型できる。その後、チューブ８および外側型枠
パネル１を引抜いて、回収する。

［発明の効果］ 人間が入れないところは無論のこと、やっと入れるよ
うな狭隘な壁面間においても、型枠を確実かつ安定して
保持することができ、資材を確実に回収して再使用する
ことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による型枠の組立状態を示す縦断面図、
第２図は第１図II−II線に沿った横断面図、第３図は金
物の斜視図、第４〜７図は脱型手順を示す説明図であ
る。 １……外側型枠パネル、２……内側型枠パネル、３……
セパレートパイプ、４……鋼棒、５……金物、６……ネ
ジ、７……鎖、８……チューブ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】型枠パネルの外側に、鋼棒の端部オネジと
   螺合するメネジを有する金物を取付けた２組のエキスパ
   ンジョイント型枠を建物のエキスパンジョイント部に背
   合せ状にセットして、左右の金物を所定長さを有する鎖
   またはワイヤー等の可撓連結材で連結すると共に、左右
   の型枠間にチューブを膨張させた状態で挟設して構成し
   たことを特徴とするエキスパンジョイント型枠。
2. 【請求項２】２組の型枠パネルを建物のエキスパンジョ
   イント部に建込み、各組の型枠パネルに取り付けた鋼棒
   の端部オネジに金物のメネジに螺着して型枠をセットす
   ると共に、２組の型枠間にチューブを挟設して膨張さ
   せ、コンクリートを打設して硬化後、上記チューブを窄
   ませて上記鋼棒を金物から螺脱し、脱型することを特徴
   とするエキスパンジョイント工法。