JP2667870B2 - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

Info

Publication number
JP2667870B2
JP2667870B2 JP8564488A JP8564488A JP2667870B2 JP 2667870 B2 JP2667870 B2 JP 2667870B2 JP 8564488 A JP8564488 A JP 8564488A JP 8564488 A JP8564488 A JP 8564488A JP 2667870 B2 JP2667870 B2 JP 2667870B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
coil spring
clutch
torque transmission
engaging portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8564488A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01257673A (ja
Inventor
伸一 猪尾
穣 森岡
Original Assignee
株式会社ユニシアジェックス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ユニシアジェックス filed Critical 株式会社ユニシアジェックス
Priority to JP8564488A priority Critical patent/JP2667870B2/ja
Publication of JPH01257673A publication Critical patent/JPH01257673A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2667870B2 publication Critical patent/JP2667870B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動車等の車両の電動式パワーステアリング
等に適用されるクラッチ装置に関する。
(従来の技術) 従来の電動式パワーステアリング等に適用されたクラ
ッチ装置として、例えば、実開昭61−24372号公報に記
載されているようなものが知られている。
この従来の電動式パワーステアリング用クラッチ装置
は、電動機とステアリングシャフト(出力軸)との間に
駆動力伝達機構が設けられ、この駆動力伝達機構には、
所定の状態ではトルク伝達をし、他の場合にはトルク伝
達をしないワンウエイクラッチが設けられたものであっ
た。
そして、このワンウエイクラッチは、多角形のクラッ
チ用カムとローラと大円筒部とを備え、ローラがカムの
当接面の略中央(中立位置)に配置されているときには
トルク伝達されず、ローラがこのカムもしくは大円筒部
の回転に応じ摩擦力によって中立位置から離れたときに
トルク伝達状態となるものであった。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述の従来のクラッチ装置にあって
は、ローラを中立位置に戻すための構成を有していなか
ったために、ハンドルの切り返し操作を行った場合等に
は、ローラがクラッチ用カムと大円筒部との間に噛み込
んだ状態となって、トルク伝達状態を解除できなくなる
とういう恐れがあった。即ち、ローラがカムとの摩擦力
により中立位置から片側へ移動して、トルク伝達状態と
なるが、このときローラがカム及び大円筒部に圧着する
と、カムを逆方向へ回転させても、ローラは中立位置側
へ戻らないものである。
さらに、こうしてトルク伝達状態に保持されたままと
なると、電動機が作動していない場合は、この電動機が
負荷となってしまって、逆にハンドルの操作を妨げてし
まうという問題が生じる。
そこで、本発明は、クラッチ装置の締結及び締結解除
の作動が確実に成され、かつ、構成が簡単なクラッチ装
置を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明では、駆動軸と出
力軸との間のトルク伝達系に、トルク伝達状態と非伝達
状態を切り換えるべく設けられ、前記駆動軸からのトル
クが入力される駆動リングと、前記出力軸の外周に軸方
向に隣接された第1及び第2ワンウエイクラッチと、こ
れらワンウエイクラッチの外周に係合・離脱可能なコイ
ルスプリングと、該コイルスプリングと前記駆動リング
間に介在され、且つ、カバーに所定の摩擦力を有して嵌
合した中間リングとを備え、前記第1・第2ワンウエイ
クラッチとコイルスプリングと中間リングと駆動リング
とが、内側から順に重ねられた四重構造に形成して出力
軸の外周に設けられ、前記第1及び第2ワンウエイクラ
ッチは、軸方向に長さを有した円筒形状に形成されてい
るとともに、それぞれ外周から内周へのトルク伝達可能
な方向を異ならせて構成され、前記コイルスプリング
は、前記第1及び第2ワンウエイクラッチの外周に各ワ
ンウエイクラッチに対し所定の摩擦力を有して嵌合さ
れ、かつ、両端部に第1トルク伝達係合部及び第2トル
ク伝達係合部が形成され、両トルク伝達係合部に対して
コイルの巻き方向に入力があると、各ワンウエイクラッ
チに対する巻き付けが緩んで締結解除状態となり、その
反対方向に入力されると、巻き付けが強まり締結状態と
なるよう形成され、かつ、この締結状態となるときの入
力方向とその内側に配置されているワンウエイクラッチ
のトルク伝達可能な方向とを一致させて配置され、前記
中間リングは、コイルスプリングとの間に間隙を有して
設けられ、かつ、中間リングに対してコイルスプリング
が相対回転したときに、回転方向に応じて両トルク伝達
係合部のうちの一方に係合して、トルク伝達係合部から
の回転トルクの反力を巻き緩め方向に与ええ第1緩め側
係合部及び第2緩め側係合部が形成され、前記駆動リン
グは、コイルスプリングに対して駆動リングの方が速く
相対回転したときに、回転方向に応じて両トルク伝達係
合部のうちの一方に係合して、回転トルクを巻き締め方
向に与える第1締め側係合部及び第2締め側係合部が形
成されていることを特徴とする手段とした。
尚、前記駆動伝達系は、ギヤがベルトやチェーン等に
より構成される。
(作 用) 本発明のクラッチ装置の作動を説明する。
出力軸を回転操作させるのに、大きな操作トルクが必
要なく、駆動軸が回転されない場合には、以下のような
作動が成される。
出力軸が回転操作されると、この出力軸の外周の第1
及び第2ワンウエイクラッチに所定の摩擦力を有して嵌
合されているコイルスプリングも一緒に回転される。
そして、このとき駆動軸は駆動されないから、駆動軸
からトルク入力される駆動リングは停止されており、ま
た、カバーに所定の摩擦力を有して嵌合している中間リ
ングも停止している。
よって、上記コイルスプリングの回転により、出力軸
の回転方向に応じ、両トルク伝達係合部のうちの一方が
中間リングの両緩め側係合部の一方に係合されたり、他
方のトルク伝達係合部が他方の緩め側係合部に係合し、
回転トルクを中間リングに伝達すると共に、その反力が
コイルスプリングに対してその巻き方向に作用し、これ
によってコイルスプリングの巻き付け力が緩められる。
従って、コイルスプリングと出力軸の外周の両ワンウ
エイクラッチとの間の摩擦力が無くなり、コイルスプリ
ングの出力軸間ではトルク伝達されなくなり、クラッチ
装置は締結解除状態となる。
このように、駆動軸が回転されないとき(駆動軸の回
転による駆動リングの回転が出力軸の回転よりも遅い場
合を含む)クラッチ装置は締結解除状態となるので、出
力軸及び両ワンウエイクラッチが回転操作され、モータ
や駆動伝達系が出力軸の回転操作の負荷となることがな
い。
上記状態から、出力軸が逆方向に回転操作されると、
コイルスプリングは、出力軸と共に逆回転されて、中間
リングと逆方向の相対回転を行い、上記両トルク伝達係
合部の一方(他方)と両緩め側係合部の一方(他方)と
の係合が解除されると共に、今度は他方(一方)のトル
ク伝達係合部と緩め側係合部とが係合されて、やはり、
コイルスプリングの巻き付けが緩められ、クラッチ機構
が締結解除状態となる。
尚、コイルスプリングは、巻き付け力が緩められるこ
とにより、径が増大するような変形が生じるが、コイル
スプリングと中間リングとの間には間隙が設けられてい
て、このような変形が許容される。
次に、出力軸に補助トルクを与えるべく駆動軸が駆動
される場合について説明する。
この駆動軸の駆動により、駆動リングがコイルスプリ
ングよりも速く回転されて、コイルスプリングとの間に
相対回転が生じる。
そして、この駆動リングの回転方向に応じて、締め側
係合部の一方がトルク伝達係合部の一方と係合したり、
他方の締め側係合部がトルク伝達係合部の他方と係合し
たりする。
そして、この係合による駆動リングからのトルク伝達
によりコイルスプリングが出力軸の外周の両ワンウエイ
クラッチの一方に対して締め付けられることで、クラッ
チ装置は締結状態となり、駆動軸からのトルクが駆動リ
ング及びコイルスプリングからさらにコイルスプリング
の締結側の端部の内側に設けられているワンウエイクラ
ッチを介して出力軸に伝達される。
この場合、中間リングは、コイルスプリングにより引
きずり回転される。
また、出力軸を逆転操作させ、且つ、駆動軸を逆転さ
せると、駆動リングが逆転され、それによって、それま
での締め側係合部とトルク伝達係合部との係合が外れる
と共に、もう一方の締め係合部とトルク伝達係合部が係
合され、上記と同様にして、出力軸に補助トルクが与え
られる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
まず、実施例の構成について説明する。
第1図は、本発明一実施例のクラッチ装置が適用され
た電動式パワーステアリング装置を示す全体図であっ
て、図中1は、ステアリングシャフトを示す。このステ
アリングシャフト1の先端にはステアリングホイール1a
が設けられ、かつ、中間部と基端部は、車体に固定され
たカバー2に対してベアリング2b,2cを介して回転自在
に支持されている。そして、このステアリングシャフト
1の基端部の近傍位置には、ピニオン1bが形成されてい
てこのピニオン1bがステアリングラック3に噛合されて
いる。このステアリングラック3は、ピニオン1bの回転
により転舵可能に図外の車輪に連結されているものであ
る。
尚、前記カバー2は、上側部材21と下側部材22とに分
割されている。また、前記ステアリングラック3は、リ
テーナ3aにより支持されると共に、リテーナスプリング
3bにより噛合方向に付勢され、前記ピニオン1bと一緒に
ギヤケース4に収納されている。そして、リテーナ3aは
カバー3cで塞がれている。また、ベアリング2bの隣りに
示す、2dはワッシャである。
前記ステアリングシャフト1の中間部には、前記カバ
ー2に覆われて駆動伝達機構5が設けられ、この駆動伝
達機構5を介してモータ6に連結されている。
このモータ6は、前記カバー2に取り付けられてい
て、コントローラ7により駆動を制御される。即ち、こ
のコントローラ7には、前記ステアリングシャフト1に
設けられたトルクセンサ7aから、ステアリングシャフト
1に生じるトルクを示す信号tsが入力されると共に、車
速センサ7bから車速を示す信号ssが入力されている。そ
して、車速が所定速度未満で、かつ、発生トルクが所定
値以上であるときに、モータ6を駆動させる制御信号i
を出力する。そして、この制御信号iは、発生トルクの
方向と大きさに対応した駆動力でモータ6を駆動させる
べく出力される。
前記駆動伝達機構5は、ギヤにより常にトルク伝達状
態となっているギヤ機構部8と、トルク伝達状態と非伝
達状態とに切り換えるクラッチ機構部9とで構成されて
いる。即ち、このクラッチ機構部9が、本発明のクラッ
チ装置の一実施例である。
前記ギヤ機構部8は、前記モータ6の駆動軸6aに設け
られた駆動ピニオン8aと、この駆動ピニオン8aに噛合さ
れ、前記カバー2にベアリング8b,8cを介して支持され
ているカウンタギヤ8dと、該カウンタギヤ8dに噛合さ
れ、前記ステアリングシャフト1を間隙を介して囲むよ
うにしてステアリングシャフト1と同軸に設けられたア
シストギヤ8eとで構成されている。
尚、前記アシストギヤ8eは、本発明の駆動リングに相
当するもので、上端部の内周部がベアリング8fを介して
ステアリングシャフト1に回転可能に支持され、また、
下端部は、ブッシュ8gを介してケース2に回転可能に支
持されている。また、図中アシストギヤ8eの上端部位置
に示されている8hは抜け止め用の止めリングである。
前記クラッチ機構部9は、第1ワンウエイクラッチ91
と第2ワンウエイクラッチ92とコイルスプリング93と中
間リング94と前記アシストギヤ8eに形成された第1締め
側係合部95、第2締め側係合部96とで構成され、出力軸
としてのステアリングシャフト1の外周に設けられてい
る。
両ワンウエイクラッチ91,92は、第2〜6図に示すよ
うに、それぞれ、前記ステアリングシャフト1に当接さ
れているコマリング91a,92aと、このコマリング91a,92a
の外周に接して配設されると共に前記アシストギヤ8eの
内周に対して間隙を有して配設された外筒91b,92bとを
有している。そして、このコマリング91a,92aは、それ
ぞれ、ステアリングシャフト1と外筒91b,92bとの一方
への相対回転により摩擦力を生じてトルク伝達可能とな
り、他方への相対回転では摩擦力を生じずトルク伝達さ
れない構造となっている。
即ち、この実施例のものでは、前記第1ワンウエイク
ラッチ91は、前記ステアリングシャフト1の右方向(矢
印Rで示す)の回転もしくは外筒91bの左方向(矢印L
で示す)の回転により摩擦力が生じてトルク伝達可能と
なり、また、第2ワンウエイクラッチ92は、前記ステア
リングシャフト1の左方向Lの回転もしくは外筒92bの
右方向Rの回転により摩擦力が生じてトルク伝達可能と
なるものである。
また、第2ワンウエイクラッチ92の下側には位置決め
用カラー92cが設けられている。
前記コイルスプリング93は、両ワンウエイクラッチ9
1,92の外筒91b,92bに対して嵌合され、かつ、前記アシ
ストギヤ8eに対して間隙を有する状態で設けられてい
て、このコイルスプリング93の内径は、前記外筒91b,92
bの外径よりも僅かに小さく形成され、両者間には通常
の状態で回転方向に僅かな摩擦力が生じるようになって
いる。そして、このコイルスプリング93の両端は、第2
図及び第4図に示すように、半径方向に突設状態となる
ように折曲されて第1トルク伝達係合部931と第2トル
ク伝達係合部932が形成されている。
ここで、さらに説明を加えると、このコイルスプリン
グ93は両トルク伝達係合部931,932から巻き方向あるい
はその逆方向へ力を入力することで、コイルスプリング
93を緩めたり締めたりして両ワンウエイクラッチ91,92
の外筒91b,92bとの間の摩擦力及び締め付け力をコント
ロールし、それによって、両者間でトルク伝達可能な状
態と伝達不可能な状態とにコントロールすることができ
る。尚、本明細書では両トルク伝達係合部931,932から
コイルが延在される方向を巻き方向と称する。
即ち、例えば第1トルク伝達係合部931に対して、第
3図のように左方向L(巻き方向)に入力があると、コ
イルスプリング93は内径が大きくなるように変形して、
第1ワンウエイクラッチ91との間に間隙が生じ、両者間
の摩擦力が無くなってトルク伝達ができない状態とな
る。つまりクラッチ機構部9は締結解除状態となる。ま
た、逆に第5図のように右方向Rに入力があると、コイ
ルスプリング93は内径が小さくなるように変形して、外
筒91bとの間の摩擦力が大きくなって、外筒91bとコイル
スプリング93との間でトルク伝達が可能な状態となる。
つまりクラッチ機構部9は、締結状態となる。
一方、第4図は、第2トルク伝達係合部932を示して
いて、この係合部932に対して右方向(巻き方向)に入
力があると、コイルスプリング93が緩められて第2ワン
ウエイクラッチ92との間の摩擦力が減って、両者間でト
ルク伝達ができない状態となる。つまりクラッチ機構部
9は締結解除状態となる。また、係合部932に左方向L
に入力があると、コイルスプリング93が締められ、第2
ワンウエイクラッチ92との間でトルク伝達が可能な状態
となる。つまりクラッチ機構部9は、締結状態となるも
のである。
前記中間リング94は、円筒形状を成し、前記アシスト
ギヤ8eの内周に挿入され、かつ、内周は前記通常状態
(両トルク伝達係合部931,932に入力がない状態)のコ
イルスプリング93に対して間隙を有した状態で配設さ
れ、また、この中間リング94の下端部はフリクションリ
ング94aを介して前記ブッシュ8g(カバー2)に対して
所定の摩擦力で擦れ合いながら回転可能に支持されてい
る。尚、このフリクションリング94aとブッシュ8gとの
間の摩擦力は、前記コイルスプリング93とワンウエイク
ラッチ91,92との間のイニシアルの摩擦力よりも高く設
定されている。
そして、前記中間リング94には、第7図の斜視図に示
すように、長手方向に切欠溝94bが形成されている。こ
の切欠溝94bは、中間部で周方向にオフセットされて第
1緩め側係合部941と第2緩め側係合部942とが形成され
ると共に、両者には前記第1トルク伝達係合部931と第
2トルク伝達係合部932とが挿通状態で設けられてい
る。即ち、第3図に示すように、ステアリングシャフト
1を右方向Rに回転させた場合には、オフセットさせた
ことにより第1トルク伝達係合部931のみが第1緩め側
係合部941の端部94dが係合され、また、第4図に示すよ
うに、ステアリングシャフトを左方向Lに回転させた場
合には、オフセットさせたことにより第2トルク伝達係
合部932のみが第2緩め側係合部942の端面94eが係合さ
れる。そして、このように係合されると、ステアリング
シャフト1(コイルスプリング93)の回転により両トル
ク伝達係合部931,932が両緩め側係合部941,942を押圧す
ると共に、両トルク伝達部931,932は、この押圧力の反
力によってコイルスプリング93を緩める方向に押圧され
ることとなり、このコイルスプリング93はトルク伝達さ
れない締結解除状態となる。
尚、コイルスプリング93と両ワンウエイクラッチ91,9
2間の摩擦力よりも、中間リング94のフリクションリン
グ94aの摩擦力の方が大きく設定されているため、コイ
ルスプリング93がトルク伝達係合部931もしくは932で、
中間リング94の緩め側係合部941もしくは942を押圧した
際に、その押圧力によって中間リング94が回転されてし
まうこととはない。
次に、前記第1締め側係合部95及び第2締め側係合部
96は、それぞれ第2図に示すように、両トルク伝達係合
部931,932に対応する位置のアシストギヤ8eに形成され
ていて、両締め側係合部95,96は、第5図に示すよう
に、前記アシストギヤ8eが右方向Rに回転されたとき
に、第1トルク伝達係合部931に対して第1締め側係合
部95が係合され、また、第6図に示すように、アシスト
ギヤ8eが左方向Lに回転された場合には、第2トルク伝
達係合部932に対して第2締め側係合部96が係合される
ようにオフセットして形成されている。
即ち、第5図に示すように、アシストギヤ8eが右方向
Rに回転されて第1締め側係合部95と第1トルク伝達係
合部931とが係合された場合には、第1トルク伝達係合
部931はコイルスプリング93を締める方向に押圧され、
それによって、コイルスプリング93と第1ワンウエイク
ラッチ91間がトルク伝達状態となって、アシストギヤ8e
の回転トルクが第1ワンウエイクラッチ91を介してステ
アリングシャフト1へ伝達される。
また、第6図に示すように、アシストギヤ8eが左方向
Lに回転されて第2締め側係合部95と第2トルク伝達係
合部932とが係合された場合には、第2トルク伝達係合
部932はコイルスプリング93を締める方向に押圧され、
それによって、コイルスプリング93と第2ワンウエイク
ラッチ92とがトルク伝達状態となって、アシストギヤ8e
の回転トルクが第2ワンウエイクラッチ92を介してステ
アリングシャフト1に伝達される。
本実施例では、このようにコイルスプリング93からス
テアリングシャフト1へ直接ではなしにワンウエイクラ
ッチ91,92を介してトルク伝達されるようになってい
る。これによって、コイルスプリング93の締め付け力が
一定の分布となっていなくても、両ワンウエイクラッチ
91,92とステアリングシャフト1間では、常に一定した
トルク伝達特性が得られ、作動が安定しているという特
徴を有している。
また、本実施例では、クラッチ機構部9がステアリン
グシャフト1と同軸に三重構造となって設けられている
ため、設置スペースを小さくすることができるもので、
車載する上で、非常に有利であるという特徴を有してい
る。
次に、実施例の作用を説明する。
(イ)モータ非駆動時 コントローラ7では、車速とステアリングシャフト1
のトルクを常に入力して、ステアリングシャフト1に補
助トルクを与えるべきかどうかを判断している。
そして、高速走行時や、操舵角が小さいとき等のよう
にステアリングシャフト1を回転させるのに大きなトル
クが必要ないときには、モータ6は駆動されない。
このような状態において、ステアリングシャフト1が
回転されると、この回転に伴なってワンウエイクラッチ
91,92及びコイルスプリング93が回転され、上述したよ
うに、停止状態の中間リング94との間に相対回転が生
じ、コイルスプリング93の第1トルク伝達係合部931と
第1緩め側係合部941が係合されるか(第3図)、もし
くは、第2トルク伝達係合部932と第2緩め側係合部942
が係合されて(第4図)、コイルスプリング93の巻きが
緩められ、クラッチ機構部9は締結解除状態となり、ス
テアリングシャフト1は駆動伝達機構5のギヤ機構部8
が負荷となることなく円滑に回転される。
また、このようにクラッチ機構9は、直接ステアリン
グシャフト1に連結されていて、クラッチ機構9とステ
アリングシャフト1との間には、ギヤ機構部8のような
駆動伝達部材が介在されていないため、クラッチ機構部
9の締結解除状態において、これらの部材が負荷となる
ことがない。
一方、上記の状態から、ステアリングシャフト1を逆
方向に回転させた場合には、コイルスプリング93と中間
リング94との間に相対回転が生じて、第2図に示すよう
な上記係合が解除された状態に一旦なった後に、さらに
相対回転して、それまで係合していたのとは反対側のト
ルク伝達係合部931,932と緩め側係合部941,942の係合が
成されるもので、本実施例の装置は、中間リング94の両
緩め側係合部941,942により確実に締結が解除された状
態となる。
(ロ)モータ駆動時 車庫入れ等の低速で操舵量が多い場合等のように、大
きな回転トルクが必要な場合には、モータ6が駆動され
る。尚、このときのモータ6の回転速度は、必要な回転
トルクに応じて決定される。
このモータ6の回転トルクは、駆動伝達機構5のギヤ
機構部8によりアシストギヤ8eまで伝達され、このアシ
ストギヤ8eが回転される。
そして、このアシストギヤ8eの回転により、上述した
ように、アシストギヤ8eが右回転した場合には、第5図
のように第1締め側係合部95と第1トルク伝達係合部93
1とが係合され、また、アシストギヤ8eが左回転された
場合には、第6図のように、第2締め側係合部96と第2
トルク伝達係合部931とが係合され、これによって、コ
イルスプリング93の両ワンウエイクラッチ91,92への締
め付けが確実に成され、アシストギヤ8eの回転トルクは
クラッチ機構部9を介してステアリングシャフト1に伝
達されて回転補助が成される。
また、この状態でステアリングシャフト1をそれまで
とは逆方向に回転させると、一旦、第2図に示すように
係合が外れた状態となった後に、アシストギヤ8eとコイ
ルスプリング93との相対回転により、それまで係合して
いたのと反対側の締め側係合部95,96とトルク伝達係合
部931,932が係合して、補助トルクが与えられる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、例
えば、駆動伝達機構において、実施例では、ギヤのみに
より駆動伝達するものを示したが、ベルトやチェーン等
他の手段を用いて駆動伝達するようにしてもよい。
また、実施例では、両トルク伝達係合部をコイルスプ
リングの先端を折り曲げた突起とし、一方、両緩め側及
び両締め側係合部を溝で形成した例を示したが、例え
ば、両緩め側及び両締め側係合部を突起で形成し、トル
ク伝達係合部をコイルスプリングの端面やコイルスプリ
ングに形成した穴等で形成するようにしてもよい。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明のクラッチ装置で
は、クラッチ装置の締結解除が中間リングにより確実に
成されるという効果が得られると共に、これにより駆動
伝達系が出力軸の操作負荷となることがないという効果
が得られる。
また、本発明のクラッチ装置は、コイルスプリングと
中間リングと駆動リングで構成されているから構成が非
常に簡単であるという効果を有している。
また、本発明では、出力軸の外周に軸方向に第1ワン
ウエイクラッチと第2ワンウエイクラッチをと隣接し、
この外周にコイルスプリングを所定の摩擦力を有して嵌
合させた構成としたため、コイルスプリングの締結時に
第1・第2トルク伝達係合部が設けられている端部側ほ
ど強く締結し、それから離れるほど締結力が弱くなると
いうような不均一な締結力分布となっていても、出力軸
に対しては、各ワンウエイクラッチから一定の分布でト
ルク伝達が成され、トルク伝達特性に優れているおり、
しかも、コイルスプリングとの間の耐摩耗性を向上させ
る場合、出力軸全体を高硬度に形成することなしに各ワ
ンウエイクラッチを高硬度に形成するだけで済み、安価
に耐摩耗性を向上させることができるという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例のクラッチ装置を適用した電動式
パワーステアリング装置を示す断面図、第2図〜第6図
は実施例のクラッチ装置の作動を示す断面図であって、
第2,3,5,6図は第1図のA−A断面図、第4図は第1図
のB−B断面図、第7図は実施例装置の中間リングを示
す斜視図である。 1……ステアリングシャフト(出力軸) 6……モータ 8e……アシストギヤ(駆動リング) 9……クラッチ機構部(クラッチ装置) 93……コイルスプリング 94……中間リング 95……第1締め側係合部 96……第2締め側係合部 931……第1トルク伝達係合部 932……第2トルク伝達係合部 941……第1緩め側係合部 942……第2緩め側係合部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸と出力軸との間のトルク伝達系に、
    トルク伝達状態と非伝達状態を切り換えるべく設けら
    れ、前記駆動軸からのトルクが入力される駆動リング
    と、前記出力軸の外周に軸方向に隣接された第1及び第
    2ワンウエイクラッチと、これらワンウエイクラッチの
    外周に係合・離脱可能なコイルスプリングと、該コイル
    スプリングと前記駆動リング間に介在され、且つ、カバ
    ーに所定の摩擦力を有して嵌合した中間リングとを備
    え、 前記第1・第2ワンウエイクラッチとコイルスプリング
    と中間リングと駆動リングとが、内側から順に重ねられ
    た四重構造に形成して出力軸の外周に設けられ、 前記第1及び第2ワンウエイクラッチは、軸方向に長さ
    を有した円筒形状に形成されているとともに、それぞれ
    外周から内周へのトルク伝達可能な方向を異ならせて構
    成され、 前記コイルスプリングは、前記第1及び第2ワンウエイ
    クラッチの外周に各ワンウエイクラッチに対し所定の摩
    擦力を有して嵌合され、かつ、両端部に第1トルク伝達
    係合部及び第2トルク伝達係合部が形成され、両トルク
    伝達係合部に対してコイルの巻き方向に入力があると、
    各ワンウエイクラッチに対する巻き付けが緩んで締結解
    除状態となり、その反対方向に入力されると、巻き付け
    が強まり締結状態となるよう形成され、かつ、この締結
    状態となるときの入力方向とその内側に配置されている
    ワンウエイクラッチのトルク伝達可能な方向とを一致さ
    せて配置され、 前記中間リングは、コイルスプリングとの間に間隙を有
    して設けられ、かつ、中間リングに対してコイルスプリ
    ングが相対回転したときに、回転方向に応じて両トルク
    伝達係合部のうちの一方に係合して、トルク伝達係合部
    からの回転トルクの反力を巻き緩め方向に与える第1緩
    め側係合部及び第2緩め側係合部が形成され、 前記駆動リングは、コイルスプリングに対して駆動リン
    グの方が速く相対回転したときに、回転方向に応じて両
    トルク伝達係合部のうちの一方に係合して、回転トルク
    を巻き緩め方向に与える第1締め側係合部及び第2締め
    側係合部が形成されていることを特徴とするクラッチ装
    置。
JP8564488A 1988-04-07 1988-04-07 クラッチ装置 Expired - Lifetime JP2667870B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8564488A JP2667870B2 (ja) 1988-04-07 1988-04-07 クラッチ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8564488A JP2667870B2 (ja) 1988-04-07 1988-04-07 クラッチ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01257673A JPH01257673A (ja) 1989-10-13
JP2667870B2 true JP2667870B2 (ja) 1997-10-27

Family

ID=13864530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8564488A Expired - Lifetime JP2667870B2 (ja) 1988-04-07 1988-04-07 クラッチ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2667870B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4025697A1 (de) * 1990-08-14 1992-02-20 Danfoss As Lenkeinrichtung

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2533940A1 (de) * 1975-07-30 1977-02-17 Bosch Gmbh Robert Antriebsvorrichtung, insbesondere servolenkung fuer kraftfahrzeuge

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01257673A (ja) 1989-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2272744B1 (en) Internally geared hub for bycicle
US4230211A (en) Free wheel hub apparatus for vehicles
US20040221669A1 (en) Worm gear mechanism and electric power steering apparatus equipped with the worm gear mechanism
CN107054553B (zh) 自行车用驱动单元
US20070000348A1 (en) Unknown
JP2004514587A (ja) 自動車用四輪駆動トランスファ
US5573472A (en) Wrap spring downshift mechanism
EP0368526B1 (en) Clutch
JP5641872B2 (ja) 4輪駆動車用駆動力配分装置
US4296848A (en) Free wheel hub mechanism
JP2667870B2 (ja) クラッチ装置
JP2667869B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
EP0780281B1 (en) Motor for power steering and power steering device using the same
US20190084612A1 (en) Belt Drive and Steering System
US4267909A (en) Unilaterally alternating backlash torque lock
JPH0738742Y2 (ja) クラッチ
JP2661670B2 (ja) クラッチ装置
JPH0249411Y2 (ja)
JPS5821777Y2 (ja) フリ−ホイルハブ装置
JPH0529397Y2 (ja)
JPS6347537Y2 (ja)
JPH07761Y2 (ja) クラッチ部の軸ブレ−キ装置
JPS589859B2 (ja) 変速装置
JPH0538987Y2 (ja)
JPH0225951Y2 (ja)