JP2667297B2 - 表面処理装置 - Google Patents

表面処理装置

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JP2667297B2
JP2667297B2 JP3004068A JP406891A JP2667297B2 JP 2667297 B2 JP2667297 B2 JP 2667297B2 JP 3004068 A JP3004068 A JP 3004068A JP 406891 A JP406891 A JP 406891A JP 2667297 B2 JP2667297 B2 JP 2667297B2
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周治 小川
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被処理物の表面を薬
液で処理したのち洗浄水で洗浄する表面処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、薬液タンクに貯えられた薬液を使
用して被処理物の表面を処理する表面処理ゾーンの後段
に、表面処理済の被処理物を洗浄水で洗浄する洗浄ゾー
ンを備えた装置において、洗浄ゾーンで生じた排水を直
接系外に排出せずに水蒸気の形で大気中に排出するよう
にした表面処理装置がある。排水は、金属イオン等の有
害物質を含むことが多く、そのまま排出してしまうと公
害問題が起きたりするために、排水を直接排出しないよ
うにするのである。
【0003】以下、従来の表面処理装置を、もう少し具
体的に説明する。表面処理ゾーンでは薬液タンクに貯え
られた薬液を使用して被処理物の表面を処理する。薬液
タンクの薬液は、ヒータ(加熱手段)で暖められてお
り、送液ポンプでゾーン内に配設されたスプレー手段に
送られ、ゾーン内に移って来た被処理物にスプレー手段
から降りかけられた後、薬液タンクに還流する。表面処
理の終わった被処理物は洗浄ゾーンに送られる。
【0004】洗浄ゾーンでは、洗浄水タンクに貯えられ
た洗浄水を使用して表面処理済の被処理物を洗浄する。
洗浄水は、送液ポンプを介してゾーン内に配設されたス
プレー手段に送られ、ゾーン内に移動してきた被処理物
にスプレー手段から降りかけられた後、洗浄水タンク内
に還流する。洗浄処理においては、被処理物の表面に付
着した薬液は洗浄水で洗い流されて洗浄水タンクに入
る。洗浄水の薬液比率(汚染度)が高くなると洗浄機能
が失われてしまうので、洗浄ゾーンでは、新鮮水を供給
し洗浄水の薬液比率が高くならないようにしている。し
かし、新鮮水の供給に伴い洗浄水タンクは溢れてくる。
この溢れた分は排水となる。そして、この排水は表面処
理ゾーンの薬液タンクに流れ込むようになっている。
【0005】流れ込んだ排水により、薬液タンクには余
剰水が生じるため、そのままでは薬液タンクが溢れてし
まう。しかし、以下のように、余剰水は水蒸気の形で排
出され薬液タンクが溢れることはない。 薬液は暖めら
れて表面処理ゾーン内に噴出しており、そのため、表面
処理ゾーン内はある程度高い温度(例えば、40〜50
℃)で多湿(湿度100%)状態となっている。一方、
この表面処理ゾーン内は排気されており、高温・多湿の
空気がゾーン内から排出されている。この高温・多湿の
排出空気は水分を多量に含んでおり、その結果、余剰水
が水蒸気の形で排出されることになる。つまり、薬液タ
ンクに流れ込んだ排水は表面処理ゾーン内の空気中に水
蒸気として含まれ大気中に排出されるため、排水を直接
排出せずにすむのである。表面処理ゾーン内を高温・多
湿雰囲気とするのは、薬効を高めるためもある(特公昭
57−7320号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
表面処理装置は、熱エネルギー消費量が多いという問題
があり、省エネルギー化の点で、これを低減化すること
が求められている。この発明は、上記事情に鑑み、熱エ
ネルギー消費量の低減化を達成できる表面処理装置を提
供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、発明者は、様々な方向から検討を行った。その結
果、2つの解決策を見出すことが出来た。まず、第1の
解決策を説明する。従来は、表面処理ゾーンから排出す
る際の排気量の設定が年間を通して基本的に同じくして
いたのであるが、これを可変にすることで、熱エネルギ
ーの低減が図れるというものである。
【0008】新鮮水の必要供給量(単位時間当たりの供
給量)は、普通、単位時間当たりの被処理面積量に応じ
て決められる略一定の量であり、新鮮水の供給に伴って
生ずる薬液タンクの余剰水も新鮮水供給量に略等しい一
定量である。余剰水に見合う水量が、丁度、蒸気になっ
て排出されていれば、薬液タンクの液位が一定に保たれ
て系全体にバランスのとれた状態となる。
【0009】しかし、実際は新鮮水供給量は常に一定量
ではない。ゾーン内に新たに流入する空気は夏場の方が
冬場よりも水分を多く含んでいる。そのため、従来、排
気量は、夏場に合わせて年間を通じ一定に保っていたの
であるが、一方、冬場の空気は水分量が少なくて単位体
積当たりの排出空気に含まれる水量が多く、その結果、
冬場は余剰水量を超えた水量を排出することになり、そ
のままでは、薬液タンクの液位が下がってしまうので、
新鮮水の供給量を増やし、薬液タンクの液位の低下を防
いで全体のバランスをとるようにしていたのである。そ
こで、発明者は、様々な方向から検討をした結果、余剰
水量を超えて過剰に水を薬液タンクから排出しなけれ
ば、薬液タンクの液位の低下を防げるとともに余分なエ
ネルギーを消費せずにすむということに着眼するに至っ
たのである。
【0010】発明者らは、さらに、検討を続け、排気量
は、薬液タンクの液位に連動させれば良いことに気付い
た。すなわち、液位が下がるようであれば、放出水量が
多過ぎる状態であるために排気量を抑えるようにし、液
位が上がるようであれば、放出水量が少な過ぎる状態で
あるため排気量を増やすようにすれば良いことを見出し
たのである。これらの知見に基づき、請求項1記載の発
明を完成させることができたのである。
【0011】したがって、請求項1記載の発明にかかる
表面処理装置では、表面処理ゾーンの排気部には排気量
可変手段が、表面処理用の薬液を貯める薬液タンクには
液位を検出する液位検出手段がそれぞれ設けられている
とともに、この検出手段の検出液位に応じた制御出力を
排気量可変手段に出力する制御手段が設けられていて、
この制御出力により、薬液タンクの液位が略所定液位と
なるように排気部の排気量を自動的に変化させるように
している。
【0012】続いて、第2の解決策を説明する。薬液タ
ンクの余剰水を排出するのに多大の熱エネルギーを要す
るが、余剰水の量が減れば、その分だけ熱エネルギーが
少なくなる。第2の解決策は、余剰水の量そのものを減
らすことで熱エネルギーの低減を図るというものであ
る。発明者らは、様々な方向から検討した結果、表面処
理済の被処理物が洗浄ゾーンに持ち込まれる際に付着し
ている薬液量が少なくなれば、新鮮水の供給量が少なく
なり、それに従い、排水量、つまり薬液タンクの余剰水
が減り、熱エネルギーを減らすことができるということ
に着眼した。
【0013】そして、さらに、検討を続け、表面処理直
後の被処理物に前段で新鮮水を霧化して与えるようにす
れば、その後に続く洗浄ゾーンへの持ち込み薬液量の適
切な低減化が図れることを見出したのである。新鮮水を
霧化して与える場合、極く僅かな新鮮水でも霧状に広い
範囲に放出して被処理物表面全体に新鮮水を付着させら
れる。その結果、表面全体から薬液(および新鮮水)が
滴り落ちて被処理物が洗浄ゾーンに持ち込む薬液量が非
常に少なくなり、洗浄ゾーンでの新鮮水供給量が激減す
ることとなる。この持ち込み薬液量低減のために必要な
新鮮水の霧化供給は水量が僅かですみ、持ち込み薬液量
低減に伴う洗浄ゾーンでの新鮮水供給量の低減量の方が
遥かに多く、全体としての新鮮水供給量が大幅に減り
(半分近くに減らすことも不可能ではない)、これに従
い十分な熱エネルギーの節約が図れるようになるという
わけである。これらの知見に基づき、請求項2記載の発
明を完成させることができたのである。
【0014】したがって、請求項2記載の発明にかかる
表面処理装置では、洗浄ゾーンの前段には、表面処理直
後の被処理物に新鮮水を霧化して与える新鮮水霧化供給
手段を備えるようにしている。さらに、先の第1の解決
策をも適用する。すなわち、表面処理ゾーンの排気部に
は排気量可変手段が、表面処理用の薬液を貯める薬液タ
ンクには液位を検出する液位検出手段がそれぞれ設けら
れているとともに、この検出手段の検出液位に応じた制
御出力を排気量可変手段に出力する制御手段が設けられ
ていて、この制御出力により、薬液タンクの液位が略所
定液位となるように排気部の排気量を自動的に変化させ
るようになっている。
【0015】以下、この発明にかかる表面処理装置をよ
り具体的に説明する。図1および図2は、この発明にか
かる表面処理装置の要部構成例を示す概略図であり、図
1は装置前半部を、図2は装置後半部を一部が重複する
ようにしてそれぞれあらわしている。この表面処理装置
1は、表面処理ゾーン2の後に3段構えで洗浄ゾーン3
a、3b、3cを備えるとともに、洗浄ゾーン3aの前
段に霧化新鮮水供給ゾーン7aを備えており、表面処理
ゾーン2で被処理物15を表面処理した後、霧化新鮮水
供給ゾーン2aで持ち込み薬液量の低減を行ってから、
洗浄ゾーン3aで1回目の洗浄処理行い、ついで、洗浄
ゾーン3bで2回目の洗浄処理を行い、最後に洗浄ゾー
ン3cで3回目の洗浄処理を行うようになっている。被
処理物15の移動は搬送用のコンベア16で行う。
【0016】各ゾーン2、2a、3a、3b、3cは、
1個の大きなスプレー室12内を目的に応じた大きさに
区画することにより設けられている。表面処理ゾーン2
では薬液タンク21に貯えられた薬液を使用して被処理
物15の表面を処理する。薬液は、ヒータ26で所定の
温度に暖められており、送液ポンプ22を介してスプレ
ー手段23に送られ、ゾーン内に移って来た被処理物1
5にスプレー手段23から与えられた後、薬液タンク2
1内に還流する。このようにして、薬液は繰り返し使わ
れ、系外に直接排出されることはない。
【0017】暖められた薬液がスプレー手段23から噴
出されることでゾーン2内は高温(40〜50℃程度)
・多湿(湿度100%)の雰囲気になる。霧化新鮮水供
給ゾーン2aでは、表面処理済の被処理物に対し霧化新
鮮水を与えて付着薬液量を減らすようにする。この霧化
新鮮水供給ゾーン2a内では、ミストスプレー手段4か
ら霧化新鮮浄水が噴射され、濃霧が立ち込めたような状
態になっていて、ゾーン2a内に移って来た被処理物1
5の表面に霧化新鮮水が付着するに伴い付着薬液の一部
が滴り落ちるような恰好で洗浄ゾーンへの持ち込み薬液
量が減少する。ミストスプレー手段4は、例えば、二流
体(新鮮水および空気)混合ノズルあるいは超音波ノズ
ルを備え、霧化新鮮水をゾーン2a内に噴射するが、新
鮮水であるためノズルを詰まらせずに支障なく霧化新鮮
水を噴出し続けることができる。滴り落ちた薬液は、図
1にみるように、薬液タンク21に流入する。ミストス
プレー手段4が降りかける新鮮水の量は、通常、被処理
物15が表面処理ゾーン2から持ち出す薬液量と同量以
下、好ましくは持ち出す薬液量の1/2程度である。
【0018】また、霧化新鮮水の供給は被処理物の部分
乾燥を抑えるため、洗浄ムラが防止できるという利点も
ある。一方、洗浄ゾーン3a、3b、3cでは、洗浄水
タンク31a、31b、31cに貯えられた洗浄水を使
用して表面処理済の被処理物15を洗浄する。洗浄水
は、送液ポンプ32a、32b、32cを介してスプレ
ー手段33a、33b、33cに送られ、ゾーン内に移
動してきた被処理物15にスプレー手段33a、33
b、33cから与えられた後、洗浄水タンク31a、3
1b、31c内へ還流する。このようにして、洗浄水は
繰り返し使われ、系外に直接排出されることはない。
【0019】この表面処理装置1では、新鮮水を被処理
物15にも降りかかるようにしてスプレー手段5から洗
浄水タンク31cへ供給する。新鮮水の供給が被処理物
15に対する最終洗浄を兼ねるようにしているのであ
る。洗浄水タンク31cから溢れた分はオーバーフロー
パイプ35cを通して前段の洗浄水タンク31bに送ら
れる。洗浄水タンク31bから溢れる分はオーバーフロ
ーパイプ35bを通して前段の洗浄水タンク31aに送
られる。オーバーフローした洗浄水は後段側のものであ
って汚染度が低いため、前段側の洗浄水タンクの洗浄水
の汚染を抑える働きを十分にする。
【0020】新鮮水の供給量は、洗浄水の許容薬液比
率、洗浄ゾーン段数等の必要なライン条件が定まれば、
後は単位時間当たりの処理面積に応じて決まる一定量で
ある。勿論、洗浄ゾーンの段数が多いほど新鮮水の供給
量は少なくなる。新鮮水は連続供給の場合もあるし間歇
供給の場合もある。洗浄水タンク31aから溢れた分
(排水)はオーバーフローパイプ35aを通して前の薬
液タンク21に送られる。なお、オーバーフローパイプ
35b、35cを設ける代わりに、図2に一点鎖線で図
示するスプレー手段39a、39bを設け、前段の洗浄
水タンクにオーバーフローする洗浄水を送るようにして
もよい。
【0021】薬液タンク21に排水が流れ込むことで余
剰水が生じるが、これは、水蒸気のかたちで排気部7で
排出される空気に含まれて排出される。排気部7は、排
気ファン7aの他に回転数可変モータ(例えば、インバ
ータモータ)7bを備えていて、排気ファン7aの回転
数を変えることで排気量が変えられるようになってい
る。つまり、回転数可変モータ7aが排気量可変手段と
なっているのである。排気量可変手段として、自動ダン
パ等を用いてもよい。これは、排気流路の有効断面積径
を変えて排気量を変えるというものである。排気された
分、送気ダクト8から新たな空気がゾーン2内に入って
くる。
【0022】一方、薬液タンク21には液位検出センサ
(液位検出手段)28が配設されており、タンク内の液
位が検出される。液位検出センサ28の検出液位信号
は、排気制御部(制御手段)9に送られる。この排気制
御部9は、検出液位に応じた制御出力を回転数可変モー
タ7bに送り、薬液タンク21の液位が略所定液位とな
るように排気部7の排気量を自動的に調節する。
【0023】液位検出センサ28で使われる液位測定方
式としては、例えば、電極式液位測定方式、差圧式液位
測定方式、ダイアフラム式液位測定方式、静電容量式液
位測定方式など、通常用いられている方式であれば使用
可能である。制御の具体的態様には、例えば、以下のよ
うなものが挙げられる。 態様 検出液位が基準液位L以上の場合は排気量Aで
排気し、検出液位が基準液位L以下の場合は排気量Bで
排気する。但し、排気量A>排気量Bである。
【0024】態様 ふたつの基準液位L1、L2(基
準液位L1>基準液位L2)があって、検出液位が基準
液位L1以上の場合は排気量Gで排気し、検出液位が基
準液位L2〜基準液位L1の場合は排気量Hで排気し、
検出液位が基準液位L2以下の場合は排気量Iで排気す
る。但し、排気量G>排気量H>排気量Iである。 態様 検出液位と基準液位Lの差に応じた排気量にす
る。つまり、基準液位Lより高くなるほど排気量が連続
的に増加し基準液位Lより低くなるほど排気量が連続的
に減少するようにする。
【0025】排気制御部9は検出液位信号を信号処理
し、上記態様〜の関係が成立するような制御出力を
排気部7の回転数可変モータ7bに送るのである。表面
処理装置1の場合、図1における部分拡大図にみるよう
に、液位検出センサ28は電極式液位測定方式のセンサ
である。センサ28は5つの電極A〜Eを備えており、
各電極A〜Dの先端の位置が液位a〜dに対応してい
る。維持液位は液位b〜cである。
【0026】 電極Aと共通電極Eは導通:検出液位
は液位a以上:排気量a 電極Aと共通電極Eは非導通:電極Bと共通電極E
は導通:検出液位は液位a〜b:排気量b 電極Bと共通電極Eは非導通:電極Cと共通電極E
は導通:検出液位は液位b〜c:排気量c 電極Cと共通電極Eは非導通:電極Dと共通電極E
は導通:検出液位は液位c〜d:排気量d 電極Dと共通電極Eは非導通:検出液位は液位d以
下:排気量e 但し、排気量a>排気量b>排気量c>排気量d>排気
量e>であって、液位b〜cの略一定液位に維持するよ
うな排気量にコントロールする制御出力が排気制御部9
から出力されるのである。
【0027】以上の説明から分かるように、図1、2は
請求項記載の発明にかかる表面処理装置の要部構成例
をあらわしている。この発明にかかる表面処理装置の構
成は図示のものに限らない。図1、2においてミストス
プレー4の無いものが、請求項1記載の発明にかかる表
面処理装置の要部構成例をあらわすものとして挙げられ
【0028】洗浄ゾーンの段数は、図1、2では3段で
あるが、これに限らない。また、洗浄ゾーンにおける洗
浄処理が被処理物を洗浄水に漬けるディップ方式であっ
てもよい。また、この発明の表面処理装置を複数直列に
並べた装置も他の構成例として挙げられる。この場合、
それぞれに洗浄ゾーンの段数が異なるようであってもよ
い。例えば、表面脱脂処理ゾーンの後に洗浄ゾーンを備
えた装置にリン酸塩化成剤による表面処理ゾーンの後に
洗浄ゾーンを備えた装置を結合した表面処理装置が挙げ
られる。
【0029】
【作用】請求項1記載の表面処理装置では、薬液タンク
の検出液位に応じて表面処理ゾーンの排気量を変えてお
り、薬液タンクから必要以上に水分を排出せずに済むた
め、熱エネルギー消費量の節約が実現できる。請求項2
記載の表面処理装置では、新鮮水供給量、すなわち薬液
タンクに流れ込む排水量が大幅に少なくなるため、排水
量の減った分だけ熱エネルギー消費量が少なくなる。
【0030】しかも、請求項1の発明と同様に薬液タン
クから必要以上に水分を排出せずに済むことによる熱エ
ネルギーの節約と、排水量が減ることによる熱エネルギ
ーの節約の両方が実現できる。
【0031】
【実施例】以下、より具体的な実施例について説明す
る。 −実施例1− 実施例1の表面処理装置は、請求項1記載の発明にかか
る装置であって、ミストスプレー手段は備えていない。
【0032】この実施例1の装置は、表面脱脂処理ゾー
ンの後に洗浄ゾーン3段を備えた装置にリン酸塩化成剤
による表面処理ゾーンの後に4段の洗浄ゾーンを備えた
装置を結合した表面処理装置である。この表面処理装置
で、1平方メートル当たりの持出薬液量:0.2リット
ルの被処理物を処理面積:430平方メートル/時間で
処理する。1時間当たりの総持出薬液量は0.2×43
0=86リットルである。
【0033】この場合、脱脂処理用の装置の新鮮水供給
量V1は以下のようになる。 V1=4.3×86=370リットル/時間 〔但し、最終洗浄ゾーンの洗浄タンクの許容薬液濃度は
薬液タンクの薬液濃度の1/100(希釈倍率)以下と
なるように希釈するものとする。〕〔4.3(=k)は
洗浄ゾーン段数によって異なる定数(希釈係数)〕であ
る。
【0034】化成処理用の装置の新鮮水供給量V2は以
下のようになる。 V2=6.0×86=516リットル/時間 〔但し、最終洗浄ゾーンの洗浄タンクの許容薬液濃度は
薬液タンクの薬液濃度の1/1500(希釈倍率)以下
となるように希釈するものとする。〕〔6.0(=k)
は洗浄ゾーン段数によって異なる定数(希釈係数)〕で
ある。
【0035】上記条件で表面処理装置を運転したとこ
ろ、平均消費エネルギーは654000kcal/時間
であった。これに対し、従来の表面処理装置で同じ処理
を行った場合の平均消費エネルギーは772000kc
al/時間であった。したがって、約10%程度の消費
エネルギーの節約が図れたことになる。もともとの熱エ
ネルギー量が多いから10%の熱エネルギーの節約は大
きな効果である。
【0036】−実施例2− 実施例2の表面処理装置は、請求項2記載の発明の参考
技術を示し、請求項2記載の発明にかかる装置におい
、ミストスプレー手段は備えているが、表面処理ゾー
ンの排気量は一定とし、過剰排気で液位が下がり過ぎた
場合には洗浄ゾーンの新鮮水供給量を増やす構成のもの
である。したがって、実施例2の装置は、本発明の技術
範囲には含まれない。
【0037】この実施例2の装置も、表面脱脂処理ゾー
ンの後に洗浄ゾーン3段を備えた装置にリン酸塩化成剤
による表面処理ゾーンの後に4段の洗浄ゾーンを備えた
装置を結合した表面処理装置である。この表面処理装置
で、1平方メートル当たりの持出薬液量:0.2リット
ルlの被処理物を処理面積:430平方メートル/時間
で処理する。1時間当たりの総持出薬液量は0.2×4
30=86リットルである。
【0038】ミストスプレー手段の霧化新鮮水供給量
は、脱脂処理用の装置、化成処理用の装置ともに持ち出
し量の半分、すなわち、43リットル/時間とした。こ
れで、脱脂処理用の装置の場合、従来は上記実施例1で
みたように新鮮水供給量V1が370リットル/時間で
あったものが、約半分の190リットル/時間になっ
た。全新鮮水供給量は、(190+43=233リット
ル/時間)と大幅に減少した。
【0039】また、化成処理用の装置の場合、従来は上
記実施例1でみたように新鮮水供給量V1が516リッ
トル/時間であったものが、約半分の270リットル/
時間になった。全新鮮水供給量は、(270+43=3
13リットル/時間)と大幅に減少した。新鮮水供給量
(つまり排水量)の大幅な減少に見合って消費エネルギ
ーの十分な節約が図れた。
【0040】−実施例3− 実施例3の表面処理装置は、請求項記載の発明にかか
る装置であって、第1図に示す構成のものである。この
実施例3の装置も、表面脱脂処理ゾーンの後に洗浄ゾー
ン3段を備えた装置にリン酸塩化成剤による表面処理ゾ
ーンの後に4段の洗浄ゾーンを備えた装置を結合した表
面処理装置である。
【0041】上記実施例1、2と同じ条件で運転してみ
たところ、節約できたエネルギーは、実施例1、2の
装置を上回った。
【0042】
【発明の効果】以上に述べたように、請求項1記載の表
面処理装置では、薬液タンクの検出液位に応じて表面処
理ゾーンの排気量を変えており、薬液タンクから必要以
上に水分を排出せずに済むため、熱エネルギー消費量の
低減化が図れる。また、請求項2記載の表面処理装置で
は、新鮮水供給量、すなわち薬液タンクに流れ込む排水
量が大幅に少なくなるため、排水量の減った分だけ熱エ
ネルギー消費量が少なくなる。
【0043】しかも、薬液タンクから必要以上に水分を
排出せずに済むことによる熱エネルギー消費量の低減化
と、排水量が減ることによる熱エネルギー消費量の低減
化の両方が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の表面処理装置の要部構成例の前半部
をあらわす概略図である。
【図2】この発明の表面処理装置の要部構成例の後半部
をあらわす概略図である。
【符合の説明】 1…表面処理装置 2a…霧化新鮮水供給ゾーン 2…表面処理ゾーン 3a、3b、3c…洗浄ゾーン 4…ミストスプレー手段 7…排気部 9…排気制御部 15…被処理物 21…薬液タンク 26…ヒータ(薬液加熱手段) 28…液位検出液位センサ 31a、31b、31c…洗浄水タンク
フロントページの続き (72)発明者 野部 一夫 大阪府寝屋川市池田中町19番17号日本ペ イント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−12884(JP,A) 特開 平1−259187(JP,A) 特公 昭57−7230(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液タンクに貯えられた薬液を使用して
    被処理物の表面を処理する表面処理ゾーンと、洗浄水タ
    ンクに貯えられた洗浄水を使用して表面処理済の被処理
    物を洗浄する洗浄ゾーンと、前記薬液を加熱する加熱手
    段と、前記表面処理ゾーン内を排気する排気部とを備
    え、前記洗浄水タンクには新鮮水を供給し、洗浄ゾーン
    での排水は前記薬液タンクに送り、薬液タンクの余剰水
    は水蒸気として空気に含ませて排出するようにする表面
    処理装置において、前記排気部には排気量可変手段が、
    前記薬液タンクには液位を検出する液位検出手段がそれ
    ぞれ設けられているとともに、この検出手段の検出液位
    に応じた制御出力を排気量可変手段に出力する制御手段
    が設けられていて、この制御出力により、薬液タンクの
    液位が略所定液位となるように排気部の排気量を自動的
    に変化させることを特徴とする表面処理装置。
  2. 【請求項2】 薬液タンクに貯えられた薬液を使用して
    被処理物の表面を処理する表面処理ゾーンと、洗浄水タ
    ンクに貯えられた洗浄水を使用して表面処理済の被処理
    物を洗浄する洗浄ゾーンと、前記薬液を加熱する加熱手
    段と、前記表面処理ゾーン内を排気する排気部とを備
    え、前記洗浄水タンクには新鮮水を供給し、洗浄ゾーン
    での排水は前記薬液タンクに送り、薬液タンクの余剰水
    は水蒸気として空気に含ませて排出するようにする表面
    処理装置において、前記洗浄ゾーンの前段には、前記表
    面処理直後の被処理物に新鮮水を霧化して与える新鮮水
    霧化供給手段を備えており、前記排気部には排気量可変
    手段が、前記薬液タンクには液位を検出する液位検出手
    段がそれぞれ設けられているとともに、この検出手段の
    検出液位に応じた制御出力を排気量可変手段に出力する
    制御手段が設けられていて、この制御出力により、薬液
    タンクの液位が略所定液位となるように排気部の排気量
    を自動的に変化させることを特徴とする表面処理装置。
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