JPS6119818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は移送中の壜、缶等に温水を散布する散
布装置の改良に関するものである。

移送中の壜や缶等の物品に順次所定温度の温水
を浴びせて加熱冷却し、この間に物品を殺菌処理
するパストライザ等においては、温水を物品に浴
びせるため散布装置が用いられているが、従来用
いられ、あるいは考案されている散布装置には、
第１図に示すシヤワー・パン式（多孔板式）のも
の、第２図および第３図に示すスプレイ・ノズル
式のもの、第４図および第５図に示すノズルバツ
フルプレート式のもの等がある。

まずシヤワ・パン式を第１図について説明す
る。キヤリヤ１上に載置されて、図示直角方向に
移送される壜２の上部には温水槽３が、ドーム４
に設置されており、ポンプ５により温水槽３に汲
み上げられた温水は温水槽３の底部６に設けた多
数の小孔７から落下させるよう構成されている。

シヤワー・パン式は大量の温水を利用するた
め、負荷変動に対して精度の良い温度制御が得ら
れ、均一な殺菌効果を得ることができる特長があ
る反面、大量の温水を扱うため大容量の水槽が必
要で、フレーム構造を強固にする必要があり、ま
た大容量の温水循環用ポンプを必要とし、更に
は、圧力損失を小さくして電力消費量を少なくす
るため、径の大きな温水循環用パイプを用いる必
要がある等で、装置が大型化すると共に高温とな
る欠点があつた。

一方前記した温水槽３にかえてスプレイ・ノズ
ル８を設け、高圧温水として散布するように構成
したスプレイ・ノズル式のものが第２図および第
３図に示されている。このスプレイ・ノズル式は
上記したシヤワー・パン式の欠点を補うことがで
きる反面、ノズル部で異物による目詰りが発生し
易く、また目詰まりした際の掃除が非常に困難
で、かつ温水パイプ９の入口側のスプレイ・ノズ
ル８からの散水量は、温水パイプ９の末端側のス
プレイ・ノズル８からの散水量より少なく、従つ
てドーム４の幅方向に散水量のアンバランスが生
じるという欠点があつた。

他方、前記したスプレイ・ノズル式の温水パイ
プ９とスプレイ・ノズル８にかえて、温水パイプ
１０と、温水パイプに多数穿設されたノズル噴口
１１及び、ノズル噴口に対向する位置に温水パイ
プと一体に固着されたブラケツト１３上にボルト
締めされたバツフル・プレート１２を設け、温水
散布するように構成したノズル・バツフルプレー
ト式のものが第４図および第５図に示されてい
る。

このノズル・バツフルプレート式は、上記した
シヤワ・パン式の欠点を補い、さらに、スプレ
イ・ノズル式の欠点のうち、ノズルの目詰りに関
しての欠点を補うことが出来るという長所を持
ち、しかもシヤワ・パン式及び、スプレイノズル
式より安価な装置を得ることが出来るが、散水量
の均一化については、シヤワ・パン式より劣ると
いう問題を有していた。

第６図は、第４図に示す温水パイプ１０のバツ
フル・プレート１２を取除いた状態での噴口１１
からの噴出量９及び噴出角度θの分布の傾向を示
す概念図である。第６図に示す如く、温水パイプ
１０に穿設したノズル噴口１１から噴出する水量
が温水パイプ長手方向に勾配を持ち、しかも噴出
角度が長手方向で変化するため、特に温水パイプ
入口側で散布量の少ない領域が発生し、パイプの
長手方向に沿う散水量を均一にすることはできな
かつた。

本考案は上記した点に対処するため提案された
もので、温水パイプの長さ方向に沿つて同温水パ
イプの周側水平位置に穿設した噴口から温水を水
平方向に噴出させ、これを同噴口下方の温水パイ
プ周面に水平方向より上方に傾斜して設けたバツ
フル・プレートで拡散して移送中の物品に散布す
るようにした散布装置において、前記温水パイプ
全長の約1/5〜1/10の範囲の入口側領域における
噴口穿設ピツチを小さくすると共に、この領域に
おける前記バツフル・プレートに温水噴出方向矯
正用の案内羽根を設けたことを特徴とし、その目
的とするところは、散水量のアンバランスの少な
いノズル・バツフルプレート式の散布装置を提供
しようとするものである。

本考案は上記したように構成されているため温
水パイプの上記入口側領域における散水量を増加
させることができると共に同領域におけるバツフ
ル・プレートに案内羽根を設けて噴口より噴出さ
れる流体の方向を、パイプ入口側で、散水量が少
なくなる領域へ向けるようにしているので、散水
量をパイプの長さ方向全域にわたつて均一にする
ことができる。

以下、本考案を第７図に示す図示実施例に基い
て説明する。

１０は、温水パイプ、１１は温水パイプに穿設
されたノズル噴口で、穿設されたノズル噴口のピ
ツチは温水パイプ入口側領域Ａで小さく、その他
の領域Ｂでは、領域Ａにくらべ大きく取つてい
る。

本実施例の場合領域Ａのノズル噴口ピツチは、
領域Ｂのピツチの約1/2とし、領域Ａの長さ
（lA）は、温水パイプの全有効領域（ｌ）の約1/
５〜1/10としている。

温水パイプ１０に固着されたプラケツト１３上
には、前記噴口１１に対向するような位置にバツ
フル・プレート１２がボルト締めされている。

１４は、バツフル・プレート１２に固着した案
内羽根で、前記領域Ａにのみ、ノズル噴口ピツチ
で配設されている。

温水等の圧力流体は、領域Ｂに於ては、温水パ
イプ１０の管軸に対し、ほぼ直角方向に噴出し、
温水パイプ１０に隣接して配設されたバツフル・
プレート１２に衝突し、水流はバツフル・プレー
ト１２に沿つて、左右に拡散しながら上昇する
（第５図参照） 一方領域Ａに於てノズル噴口１１から噴出した
圧力流体は温水パイプ管軸に対し、温水パイプ１
０内の流体の流れ方向に角度をもつて噴出し、前
記バツフル・プレート１２に衝突し、案内羽根１
４により強制的に方向を変えながら拡散上昇す
る。

領域Ａにおける１噴口当り噴出量は、領域Ｂに
おけるより少ないが、噴口ピツチを小さくしたこ
とにより、総量を補い、さらにノズル噴口１１か
らの噴出水の噴出角度を案内羽根１４で矯正する
ことにより、温水パイプ１０入口部での散水量の
過疎化を防止することができる。

拡散上昇した水流は、バツフル・プレート１２
のない場合より、はるかに早い時間で上昇速度を
失ない、グラビテイにより下方へ落下する。

このようにして、壜、缶等の移送通路には均一
に拡散された温水の粒子が充満され、壜、缶等に
浴びせられる。

なお温水パイプ１０の下方では、隣接するパイ
の噴口からの温水拡散粒子が重なり、壜、缶は、
散水域全域で均一な温水散布粒子を浴びることに
なる。

よつて、散水量アンバランスの少ない均一な散
布装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシヤワー・パン式散布装置の構
成図、第２図は従来のスプレイ・ノズル式散布装
置の構成図、第３図は第２図の−矢視図、第
４図は従来のノズル・バツフルプレート式散布装
置の構成図、第５図は第４図の−矢視図、第
６図は第４図及び第５図に示すものの温水の噴出
流量及び噴出角分布を示すもので、ａはその分布
線図、ｂは平面状態図、第７図は本考案の一実施
例を示す斜視図である。 １０：温水パイプ、１１：ノズル噴口、１２：
バツフル・プレート、１４：案内羽根、Ａ：パイ
プ入口側領域。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 温水パイプの長さ方向に沿つて同温水パイプの
   周側水平位置に穿設した噴口から温水を水平方向
   に噴出させ、これを同噴口下方の温水パイプ周面
   に水平方向より上方に傾斜して設けたバツフル・
   プレートで拡散して移送中の物品に散布するよう
   にした散布装置において、前記温水パイプ全長の
   約1/5〜1/10の範囲の入口側領域における噴口穿
   設ピツチを小さくすると共に、この領域における
   前記バツフル・プレートに温水噴出方向矯正用の
   案内羽根を設けたことを特徴とする散布装置。