JP2667067B2 - ニュートラル・フィルター層付カラー陰極線管 - Google Patents

ニュートラル・フィルター層付カラー陰極線管

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JP2667067B2
JP2667067B2 JP3119977A JP11997791A JP2667067B2 JP 2667067 B2 JP2667067 B2 JP 2667067B2 JP 3119977 A JP3119977 A JP 3119977A JP 11997791 A JP11997791 A JP 11997791A JP 2667067 B2 JP2667067 B2 JP 2667067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はフェース・プレート内
面にニュートラル・フィルター層を設けるとともに、外
表面には帯電防止膜や低反射膜等の機能膜を施したニュ
ートラル・フィルター層付カラー陰極線管に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年のカラー陰極線管の大型化及び輝度
性能やフォーカス性能の改善にともないカラー陰極線管
の蛍光面に印加する電圧、即ち電子ビームの加速電圧が
高くなってきている。最近の30型以上のカラー陰極線
管ではその蛍光面に30〜34kVもの高圧が印加され
る。
【0003】そのため、特にカラー・テレビジョン受像
機の電源のON−OFF時にカラー陰極線管のフェース
・プレート部の外表面がチャージアップしてフェース・
プレート部の外表面に空気中の細かいゴミが付着して、
汚れが目立ちやすくなり、結果としてカラー陰極線管の
輝度性能を劣化させる原因になっている。又、チャージ
アップしたフェース・プレート部の外表面に観視者が近
づいた時に放電現象が起こり、観視者に不快感を与える
不都合もある。
【0004】このようなカラー陰極線管のフェース・プ
レート部の外表面のチャージアップ現象をなくすため
に、カラー陰極線管のフェース・プレート部の外表面に
平滑な透明導電膜即ち帯電防止処理型の機能膜を形成し
てチャージをアースへ逃がすようにした帯電防止処理型
の機能膜付カラー陰極線管が最近一般に使用されるよう
になってきた。
【0005】図5は上記した帯電防止処理型の機能膜付
カラー陰極線管の帯電防止の原理を説明する図であり、
同図において(6)はネック部で、電子銃(図示を省
略)を内蔵している。(7)は偏向ヨーク、(13)は
ファンネル部、(4)はフェース・プレート部、(5)
は高圧ボタンで、上記偏向ヨーク(7)はリード線(7
a)を介して偏向電源に、かつ電子銃はリード線(6
a)を介して駆動電源に、又、高圧ボタン(5)はリー
ド線(5a)を介して高圧電源にそれぞれ接続されてい
る。上記構成のカラー陰極線管においてネック部(6)
に内蔵した電子銃から発した電子線を偏向ヨーク(7)
によりカラー陰極線管の外部から電磁的に偏向する一
方、高圧ボタン(5)を介してフェース・プレート部
(4)の内面に設けられた蛍光面に高圧を印加する。こ
れにより、上記電子線を加速してそのエネルギーにより
蛍光面を励起発光して光出力を取り出す。このフェース
・プレート部(4)の内面の蛍光面に印加する高圧の影
響で、上述したように、フェース・プレート部(4)の
外表面の電位が変化してゴミの付着等の弊害が生じる。
【0006】そこでこのような弊害をなくす対策として
図5で示すように、フェース・プレート部(4)の外表
面に平滑な透明導電膜即ち帯電防止処理型の機能膜
(1)を形成しこの帯電防止処理型の機能膜(1)を導
電性テープ(12)から金属性防爆バンド(8)及びこ
れに溶接された取り付け耳(9)を介してアース線(1
0)によりアース(10A)に接合してチャージを常に
アースへ逃がしてチャージアップを防ぐようにしたのが
帯電防止処理型の機能膜付カラー陰極線管(3)であ
る。
【0007】上記フェース・プレート部(4)の外表面
に形成する平滑な透明導電膜即ち帯電防止処理型の機能
膜(1)は膜の強度即ちある程度の硬さと接着性を要求
されるので一般にシリカ(SiO2 )系の膜を形成す
る。
【0008】従来、このシリカ(SiO2 )系の平滑な
透明導電即ち帯電防止処理型の機能膜(1)を形成する
方法の一つとしては、官能基として−OH基、−OR基
を有するシリコン(Si)アルコキシドのアルコール溶
液をカラー陰極線管のフェース・プレート部(4)の外
表面にスピンコート法等で均一かつ平滑に塗布した後、
比較的低温、例えば100℃以下で焼付け処理を行う方
法がとられていた。
【0009】図6はこのような方法でフェース・プレー
ト部(4)の外表面に形成された多孔質のシリカ(Si
2 )系の膜19による帯電防止処理型の機能膜(1)
とフェース・プレート部(4)の内面に形成された黒色
光吸収層(14)、BGR3色蛍光体層(15)、メタ
ルバック層(16)から成る従来の蛍光面を説明するた
めの拡大断面概念図である。
【0010】上記のように形成されたシリカ(Si
2 )系の膜19は多孔質であるとともに、シラノール
基(≒Si−OH)を有しているので、空気中の水分を
吸着して表面抵抗を下げることができる。しかしなが
ら、このような多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(1
9)では乾燥した環境下で長く使用すると多孔質中に取
り込んでいた水分がぬけてしまい表面抵抗値が経的に
上昇するという問題がある。この問題を根本的に解決で
きるもう一つの方法として上記シリコン(Si)のアル
コキシドのアルコール溶液中に導電性のフィラーとして
酸化スズ(SnO2)や酸化インジウム(In2 3
等の微粒子を添加、混合分散させるとともに半導体的性
質を付与するために微量のP(リン)又はSb(アンチ
モン)を添加した塗液を用いてカラー陰極線管のフェー
ス・プレート部(4)の外表面に従来と同様に、スピン
コート法等で均一かつ平滑に塗布して比較的高い温度
(例えば100℃〜200℃)で焼付け処理を行う方法
がある。
【0011】図7はこのような方法で形成した帯電防止
処理型の機能膜(1)を説明するための蛍光面の拡大断
面概念図であり、フェース・プレート(4)の外表面に
形成された多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(19)
の中に導電性フィラー粒子(17)が存在するので、ど
のような環境下でも抵抗値が経的に変化しない安定な
帯電防止処理型の機能膜(1)を得ることができる。
【0012】従来このような方法によりカラー陰極線管
の帯電防止処理が行われていたが、最近のカラー・テレ
ビジョンの高画質化への強い要求とともに、このシリカ
(SiO2 )系の膜(19)の光透過率を制御してカラ
ー陰極線管のコントラストの改善を行うことが提案され
一部実用化され始めた。
【0013】即ち従来の帯電防止処理型の機能膜(1)
を得るための塗液をベース塗料としてこの中に無機系又
は有機系の顔料又は染料粒子を混合して光均一吸収塗液
を作り従来と同様のスピンコート法によりカラー陰極線
管のフェース・プレート部(4)外表面に塗布・成膜し
て帯電防止機能と光均一吸収機能を合わせ持った帯電防
止・光均一吸収型の機能膜付カラー陰極線管ができ上
る。
【0014】図8はこのような帯電防止・光均一吸収型
の機能膜(1)を説明するための蛍光面の拡大断面概念
図である。多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(19)
の中に従来の導電性フィラー粒子(17)に加えて無機
系又は有機系の顔料又は染料粒子(18)が分散混合さ
れている。
【0015】図1はこのような帯電防止・光均一吸収
型の機能膜(1)の光学特性を説明するための図であ
る。図中(B)はカラー陰極線管の蛍光面の青色発光の
相対発光強度のスペクトル分布を示し約450nmに主
スペクトル波長を有する。同様に(G)(R)は各々緑
色発光及び赤色発光の相対発光強度のスペクトル分布を
示し、各々535nm及び625nmに主スペクトル波
長を有する。又(II)及び(III)はカラー陰極線
管の蛍光面が形成されているフェース・プレート部
(4)の分光透過率分布を示すもので(II)は可視光
領域の分光透過率が約85%のクリアー・タイプの(I
II)は約50%のティント・タイプのものを示す。
【0016】フェース・プレート部(4)の分光透過率
は低いほどカラー陰極線管の蛍光面の輝度性能としては
不利になることは(B),(G),(R)蛍光面の相対
発光強度のスペクトル分布との関係より明らかである
が、カラー陰極線管の蛍光面に入射する外光が有効に除
去できるのでコントラスト性能上は有利になり、最近の
カラー・テレビジョンの画質重視の傾向とともに、現在
はティント・タイプのフェース・プレート部(4)が多
く使用されている。
【0017】このようなフェース・プレート部(4)の
分光透過率分布の制御はフェース・プレート部(4)を
形成するガラス生地への着色元素の添加量をコントロー
ルすることによって行われる。カラー陰極線管のフェー
ス・プレートの生産は大量生産方式で行われており、ガ
ラス生地の溶解も非常に大きな溶解炉によりなされるの
でガラス生地の種類としては、非常に限られており任意
の透過率のフェース・プレートを得ることは事実上困難
といえる。
【0018】一方フェース・プレート部(4)のガラス
の厚みは、真空容器で構成されているカラー陰極線管の
機械的強度を得るため、大型のカラー陰極線管ほど厚く
構成される。したがって同じガラス生地を使用してもカ
ラー陰極線管のサイズによりフェース・プレート部の透
過率が異なってしまう。
【0019】このように同じガラス生地を使用してもカ
ラー陰極線管のサイズが異なるとフェース・プレート部
の透過率が違ってくるとカラー・テレビジョン受像機を
シリーズ化して売り出す時にサイズごとにフェース・プ
レート部の黒さが異なり店頭等の比較展示の際に違和感
を生じることがある。
【0020】又カラー陰極線管の輝度性能の点からは陰
極線管のサイズが大くなるほど苦しくなる。従ってフェ
ース・プレート部(4)の透過率は陰極線管のサイズが
大きくなるほど高くする方が輝度性能の点からは好まし
い。実際には輝度性能とコントラスト性能を最適化する
ようにフェース・プレート部(4)の透過率を選定でき
ればカラー・テレビジョン受像機の画質性能上一番好ま
しいといえる。
【0021】カラー陰極線管のサイズごとに任意のガラ
ス生地を選ぶことができれば上記の問題点は解消できる
が、前述したような理由によりそれは困難である。この
問題点の解決のためにカラー陰極線管の帯電防止処理等
のためにフェース・プレート部(4)の外表面に設けた
多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(19)の光透過率
を無機系又は有機系の顔料又は染料粒子(18)を加え
ることにより制御する方法が前述した通り一部実用化さ
れるようになってきた。図11の(I)はこのような目
的のためにフェース・プレート部(4)の外表面に形成
された帯電防止・光均一吸収型の機能膜(1)の分光透
過率分布を示す。この機能膜(1)の透過率は添加する
無機系又は有機系の顔料又は染料粒子(18)の量をコ
ントロールすることにより任意の値に選ぶことが可能で
ある。従って従来の決められた一定の透過率を有するフ
ェース・プレート部(4)にこの機能膜(1)を設ける
ことにより機能膜(1)とフェース・プレート部(4)
とを総合した蛍光面全体の透過率を任意に選ぶことが可
能となり、前述したような色々な問題点が解消できる。
帯電防止・光均一吸収型の機能膜(1)の光学特性に
関しては無機系又は有機系の顔料又は染料の選定が非常
に重要であり、可視光領域全体にわたって均一な吸収を
持った光学特性を出すために2種類以上の顔料や染料を
混合することも行われる。
【0022】最近のカラー・テレビジョンの高画質化に
対する強い要求とともに、コントラスト性能の向上を前
述したような色々な方法ではかって行くためにフェース
・プレート部(4)の光透過率を下げれば下げるほど、
又更にフェース・プレート部(4)の外表面に帯電防止
・光均一吸収型の機能膜(1)を設けて光透過率を下げ
れば下げるほど、フェース・プレート部(4)の表面外
光反射が目立つようになり、この映り込みのために観視
者が映像を見づらくなったり、観視者に目の疲労を生じ
たりする等の問題が生じてきた。
【0023】この映り込みの対策としてフェース・プレ
ート部(4)の外表面に設けた帯電防止・光均一吸収型
の機能膜(1)に更に追加の機能を持たせて帯電防止・
光均一吸収・低反射型の機能膜(1)が提案されてい
る。
【0024】図9はこのような帯電防止・光均一吸収・
低反射型の機能膜(1)の構成を説明するための蛍光面
の拡大断面概念図である。この場合官能基として−OH
基、−OR基を有するシリコン(Si)アルコキシドの
アルコール溶液をベース塗料として、このベース塗料に
従来と同様に導電線を付与するための導電性フィラー粒
子と透過率を制御するための無機系又は有機系の顔料又
は染料粒子を加えるとともに、塗膜を低屈折率化するた
めの1000Å以下の平均粒径を有する超微粒子弗化マ
グネシウム(MgF2 )を分散混合した低屈折率ベース
塗料として従来と同様のスピンコート法等によりカラー
陰極線管のフェース・プレート部(4)の外表面に一定
膜厚で塗布・成膜して低屈折率層(21)を形成する。
この低屈折率層(21)は従来の多孔質のシリカ(Si
2 )系の膜(19)の中に導電性フィラー粒子(1
7)、無機系又は有機系の顔料又は染料粒子(18)を
加えて膜の屈折率を下げるための超微粒子弗化マグネシ
ウム(MgF2 )(20)が分散混合された構造になっ
ている。
【0025】この低屈折率層(21)の一層膜により構
成された光学的単層式帯電防止・光均一吸収・低反射型
の機能膜(1)は低屈折率層の屈折率と膜厚のコントロ
ールが望ましい低反射特性を得るためには重要である。
図12の(イ)は帯電防止・光均一吸収型の機能膜
(1)の表面分光反射率を示すものであり可視光領域で
約4%の表面反射率を有している。これに対して低屈折
率層(21)の屈折率と膜厚を一定にコントロールして
得た光学的単層式帯電防止・光均一吸収・低反射型の機
能膜(1)の表面分光反射率を(ロ)に示す。この場合
可視光領域での表面反射率を約1.5%にまで減らすこ
とができる。
【0026】図10は帯電防止・光均一吸収・低反射型
の機能膜(1)の他の構成例を説明するための蛍光面の
拡大概念図である。この場合定められた屈折率と膜厚の
高屈折率層(22)と低屈折率層(21)との2層の組
み合わせにより光学的多層式帯電防止・光均一吸収・低
反射型の機能膜(1)を構成している。
【0027】高屈折率層(22)は多孔質のシリカ(S
iO2 )系の膜(19)の中に導電性フィラー粒子(1
7)、無機系又は有機系の顔料又は染料粒子(18)に
加えて屈折率を上げるための超微粒子高屈折材料(1
1)が添加され分散混合が行われている。この超微粒子
高屈折材料としては平均粒径が1000Å以下の酸化チ
タン(TiO2 )や酸化タンタル(Ta25 )や酸化
ジルコニウム(ZrO2 )や硫化亜鉛(ZnS)等が使
用される。低屈折率層(21)は前述した光学的単層式
帯電防止・光均一吸収・低反射型の機能膜(1)を構成
する低屈折率層(21)と構成は同じなので説明は省略
する。
【0028】この高屈折率層(22)と低屈折率層(2
1)との組み合わせにより構成された光学的多層式帯電
防止・光均一吸収・低反射型の機能膜(1)は高低両屈
折率層の屈折率と膜厚のコントロールが望ましい低反射
特性を得るためには重要である。図12の(ハ)はこの
光学的多層式帯電防止・光均一吸収・低反射型の機能膜
(1)の表面分光反射率を示す。高低両屈折率層の屈折
率と膜厚をうまくコントロールすることにより可視光領
域での表面反射率を約1.0%にまで減らすことができ
る。
【0029】この高低両屈折率層の組み合わせから成る
光学的多層式低反射膜の場合、層数を多くすればする
程、低い表面反射率が実現できるが、このようなスピン
コート法による塗布・成膜の場合は膜厚の微妙なコント
ロールやバラツキをおさえることが難しいので2乃至4
層が層数の限界と考えられる。
【0030】以上述べたようなカラー陰極線管のフェー
ス・プレート部(4)の外表面に設けられた機能膜
(1)の場合、帯電防止機能、光均一吸収機能、低反射
機能と機能を追加するたびにベースとなる多孔質のシリ
カ(SiO2 )系の膜(19)の中に添加される異種材
料の種類と量が増加する。この異種材料は機能膜(1)
に新らしい機能を追加するためには必須であるが、シリ
カ(SiO2 )に比べて硬さ及びガラスへの接着性とも
に劣るものが多く、これらの異種材料の機能膜(1)へ
の添加量の増大は機能膜(1)の膜の強度という点から
は非常に大きな問題を有している。
【0031】このようなカラー陰極線管のフェース・プ
レート部(4)の外表面に設けた機能膜(1)の膜の強
度の評価方法としては、鉛筆硬度測定と消しゴム・テス
トがある。鉛筆硬度測定は種々の硬さの鉛筆の芯を一定
荷重で機能膜面に押しあてて線を引いた時に膜面に傷が
残るかどうかにより膜の硬さを評価するものである。鉛
筆硬度5Hとは5Hの硬さの鉛筆では傷がつかないが、
6Hの硬さの鉛筆では傷がつくことを表わす。又消しゴ
ム・テストは一定の弾力性と摩擦係数を持ったプラスチ
ック・消しゴム一定荷重で機能膜面に押しあててくり
返しこすった時に膜面に傷が入る迄の回数により膜の接
着性や耐摩耗性を評価するものである。消しゴム・テス
ト50回とは所定のプラスチック・消しゴムによりこす
っても50回までは膜面に傷が入らないことを表わす。
【0032】図1はカラー陰極線管のフェース・プレー
ト部(4)の外表面に設けた種々の機能膜の膜強度の評
価結果を示す。図中乃至は前述した種々の従来の機
能膜の膜強度を示す。
【0033】は図7で示したような多孔質のシリカ
(SiO2 )系の膜(19)中に導電性フィラー粒子
(17)を分散混合させた帯電防止処理型の機能膜
(1)の膜強度を示し9H−70回である。9Hについ
てはこれよりも硬い鉛筆が存在しないため、同じ9Hで
も実際の硬さには差を生じる場合があるが、鉛筆硬度で
9H以上あれば、カラー陰極線管の実使用条件下では全
く問題を生じないといえる。
【0034】は図8で示したような多孔質のシリカ
(SiO2 )系の膜(19)中に導電性フィラー粒子
(17)と無機系又は有機系の顔料又は染料粒子(1
8)を分散混合させた帯電防止・光均一吸収型の機能膜
(1)の膜強度を示し8H−40回であり、に対して
無機系又は有機系の顔料又は染料粒子(18)を加えた
分だけ膜強度としては弱くなる。
【0035】は図9で示したような多孔質のシリカ
(SiO2 )系の膜(19)中に導電性フィラー粒子
(17)と無機系又は有機系の顔料又は染料粒子(1
8)に加えて超微粒子弗化マグネシウム(MgF2
(20)を分散混合させた光学的単層式帯電防止・光均
一吸収・低反射型の機能膜(1)の膜強度を示し6H−
15回でありかなりの低下を示す。これは前記に対し
て更に超微粒子弗化マグネシウム(MgF2 )(20)
を加えた分だけ更に膜強度が低下するためである。
【0036】は図10で示したような多孔質のシリカ
(SiO2 )系の膜(19)中に導電性フィラー粒子
(17)と無機系又は有機系の顔料又は染料粒子(1
8)に加えて屈折率を上げるための超微粒子高屈折材料
11)を分散混合して一定膜厚として形成した高屈折
率層(22)と同じく多孔質のシリカ(SiO2 )系
の膜(19)中に導電性フィラー粒子(17)と無機系
又は有機系の顔料又は染料粒子(18)に加えて超微粒
子弗化マグネシウム(MgF2 )(20)を分散混合し
て一定膜厚として形成した低屈折率層(21)との2層
の組み合わせにより構成した光学的多層式帯電防止・光
均一吸収・低反射型の機能膜(1)の膜強度を示し更に
大巾に低下して4H−5回に迄下がってしまう。これは
前記に加えて更に光屈折率層(22)が増えて全体膜
厚が増えて膜強度上不利な上に高屈折率層(22)その
ものも多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(19)に色
々な異種材料が添加されているため、膜強度として弱い
こと等に起因している。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来
のカラー陰極線管ではフェース・プレート部(4)の外
表面に設けた機能膜に、帯電防止、光均一吸収、更には
低反射等の機能を付加すればするほどベースとなる多孔
質のシリカ(SiO2 )系の膜(19)の中に添加され
る異種材料の種類及び量が増加し、この結果機能膜
(1)の膜強度が大巾に低下してしまい、カラー・テレ
ビジョン受像機を使用中にカラー陰極線管のフェース・
プレート部(4)の外表面に設けた機能膜(1)に傷が
入ったり、機能膜(1)が剥離してきたりして、外観を
損ねるばかりではなく、映像品位にも影響を与える等の
問題点があった。
【0038】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、カラー陰極線管のフェース
・プレート部に光均一吸収機能を含む種々の機能を持っ
た機能膜を設ける際に生じる機能膜の膜強度の低下の問
題を、膜機能を低下させること無く暖和させ、カラー・
テレビジョン受像機を使用中にカラー陰極線管のフェー
ス・プレート部の外表面に設けた機能膜に傷が入った
り、機能膜が剥離したりして外観を損ねたり、映像品位
に影響を与えたりする等の問題生じにくいカラー陰極
線管を提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】この発明に係るカラー陰
極線管は、フェース・プレート部の内面とその内面に形
成された3色蛍光体層との間にこれら3色蛍光体層の発
光に対して均一の透過率制御を行う、バインダーに無機
系又は有機系の顔料又は染料粒子を分散混合した塗液を
塗布・成膜することにより構成されたニュートラル・フ
ィルター層けられている
【0040】これにより、フェース・プレート部の外表
面に設けていた機能膜の機能の内光均一吸収機能を、フ
ェース・プレート部の内面において上記ニュートラル・
フィルター層にもたせ、膜機能の分担を図ったものであ
る。
【0041】請求項は、ニュートラル・フィルター層
が2種類以上の無機系又は有機系の顔料または染料粒子
を分散混合して構成されたことを特徴とする。
【0042】請求項は、無機系又は有機系の顔料又は
染料粒子の平均粒径が1.0μm以下であることを特徴
とする。
【0043】請求項は、無機系の顔料がグラファイト
またはカーボン粒子であることを特徴とする。
【0044】請求項は、フェース・プレート外表面に
シリカ(SiO2 )系の透明膜又はこのシリカ(SiO
2 )系の透明膜に酸化スズ(SnO2 )や酸化インジウ
ム(In2 O3 )等の導電性微粒子を分散混合した帯電
防止膜を形成したことを特徴とする。
【0045】請求項は、フェース・プレート外表面に
低屈折率ベース塗料をスピンコート法により一定膜厚に
塗布・成膜した光学単層式低反射膜を設けたことを特
徴とする。
【0046】請求項7は、フェース・プレート外表面に
高屈折率ベース塗料及び低屈折率ベース塗料をスピンコ
ート法により一定膜厚で交互に塗布・成膜して2層以上
4層以下の多層光学干渉膜による光学的多層式低反射膜
を設けたことを特徴とする。請求項は、低反射膜中に
酸化スズ(SnO2 )や酸化インジウム(In2 O3 )
等の導電性微粒子を混合したことを特徴とする。
【0047】
【作用】従来フェース・プレート部の外表面に設けた機
能膜にもたせていた諸機能の内、帯電防止機能と低反射
機能についてはその特性上その場所でしか機能を発揮で
きないものであり他の場所へは動かしがたいが、光均一
吸収機能については、フェース・プレート部の外表面に
必ずしもこだわる必要は無く、同等の光学特性を持った
ニュートラル・フィルター層をフェース・プレート部の
内面とその内面に形成された3色蛍光体層との間に設け
ることによりフェース・プレート部の外表面に設けた場
合と同等の光学的効果を得ることが可能である。
【0048】このようなフェース・プレート部の内面に
設けるニュートラル・フィルター層に使用する無機系又
は有機系の顔料又は染料粒子としては、カラー陰極線管
の製造工程中で受ける400℃〜450℃の熱処理温度
に対する安定性に加えカラー陰極線管動作中に受ける電
子線やX線に対する安定性等が要求される。このような
無機系又は有機系の顔料又は染料粒子をバインダーに分
散混合させた塗液をスピンコート法で塗布・成膜して、
ニュートラル・フィルター層を形成する。
【0049】この発明によればカラー陰極線管のフェー
ス・プレート部の外表面に設ける機能膜の諸機能のう
ち、光均一吸収機能をフェース・プレート部の内面とそ
の内面に形成された3色蛍光体層との間に設けたニュー
トラル・フィルター層により持たせるようにすることに
より、外表面に設ける機能膜に添加する異種材料の種類
及び量を減らすことが可能となり、カラー陰極線管のフ
ェース・プレート部に種々の機能を持った機能膜を設け
る際に生じる、機能膜の膜強度の低下の問題を、膜機能
を低下させることなく緩和でき、カラー・テレビジョン
受像機を使用中にカラー陰極線管のフェース・プレート
部の外表面に設けた機能膜に傷が入ったり、機能膜が剥
離したりすることを防止できる。
【0050】
【実施例】実施例1 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図2
は従来の帯電防止・光均一吸収型の機能膜と同等の機能
を有する本発明による蛍光面の拡大断面概念図である。
フェース・プレート部(4)の外表面には多孔質のシリ
カ(SiO2)系の膜(19)の中に導電性フィラー粒
子(17)が分散混合された帯電防止処理型の機能膜
(1)が形成されている。又一方、フェース・プレート
部(4)の内面には従来の蛍光面と同様に黒吸光吸収層
(14)、BGR3色蛍光体層(15)及びメタルバッ
ク層(16)等が設けられているが本発明の場合、フェ
ース・プレート部(4)の内面とその内面に設けられた
BGR3色蛍光体層(15)との間にこれらBGR3色
蛍光体層(15)の発光に対して均一に透過率制御を行
うニュートラル・フィルター層(2)を設けるようにな
した点が従来とは異なる。
【0051】このニュートラル・フィルター層(2)は
光学特性としては図11の()の分光透過率分布で示
したものと同様な可視光領域で均一な分光透過率を有す
るように材料等の選定が行われる。
【0052】このニュートラル・フィルター層(2)を
形成する方法としては、フェース・プレート部(4)の
内面に従来と同様な写真製版方式により黒色光吸収層
(14)が形成された後この上からバインダーに無機系
又は有機系の顔料又は染料粒子(18)を分散混合した
塗液を塗布・成膜することにより行われる。バインダー
としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)の
水溶液等が使用可能である。このニューラル・フィルタ
ー層(2)の厚みに関してはコントラスト向上の点から
0.1μm以上必要なことが実験的に確かめられてお
り、0.1μmより厚みが小さくなるとコントラスト向
上効果が著しく小さくなる。これは厚みが小さくなると
外光の吸収作用が体積的な吸収から面的な吸収になるた
めと考えられる。
【0053】上記のような所望の光学特性を得るために
は、バインダーに加える無機系又は有機系の顔料又は染
料粒子(18)は1種類のみでは困難な場合には2〜4
種類が混合して使用される。又均一な膜から成るニュー
トラル・フィルター層(2)を形成するためには、バイ
ンダーに加える無機系又は有機系の顔料又は染料粒子
(18)の平均粒径は1.0μm以下にすることが望ま
しい。
【0054】このようにしてフェース・プレート部
(4)の内面にニュートラル・フィルター層(2)を形
成した後に、従来と同様の方法によりニュートラル・フ
ィルター層(2)上にBGR3色蛍光体層(15)及び
メタルバック層(16)が設けられる。従ってこのニュ
ートラル・フィルター層(2)は光学特性としてはBG
R3色蛍光体層(15)の発光に対して均一な透過率制
御を行う。
【0055】図1のは実施例1による本発明の場合の
フェース・プレート部(4)の外表面の機能膜の膜強度
を示し、9H−70回であった。この場合の蛍光面全体
の機能としては従来のの場合の帯電防止・光均一吸収
型の機能膜(1)に相等するのでこの場合のフェース・
プレート部(4)の外表面の機能膜の膜強度8H−40
回に対して大巾な改善がなされている。
【0056】実施例2 図3は従来の光学的単層式帯電防止・光均一吸収・低反
射型の機能膜と同等の機能を有する本発明による蛍光面
の拡大断面概念図である。フェース・プレート部(4)
の外表面には多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(1
9)の中に帯電防止機能を付与するための導電性のフィ
ラー粒子(17)と膜の屈折率を下げるための超微粒子
弗化マグネシウム(MgF2 )(20)を分散混合し
て、一定の膜屈折率と膜厚で構成した低屈折率層(2
1)が設けられている。この低屈折率層(21)は帯電
防止・低反射型の機能膜(1)として機能する。又一方
フェース・プレート部(4)の内面には実施例1の場合
と同様に、フェース・プレート部(4)の内面とその内
面に設けられたBGR3色蛍光体(15)との間にこれ
らBGR3色蛍光体層(15)の発光に対して均一に透
過率制御を行うニュートラル・フィルター層(2)が設
けられている。
【0057】このニュートラル・フィルター層(2)の
光学特性、形成方法等は実施例1の場合と全く同じであ
る。本発明による実施例2の蛍光面の場合はフェース・
プレート部(4)の外表面で帯電防止機能と光学的単層
式低反射機能を持たせ内面で光均一吸収機能を持たせる
ようにして総合的に従来の光学的単層式帯電防止・光均
一吸収・低反射型の機能膜と同等の機能を得るようにし
たものである。
【0058】図1のは実施例2による本発明の場合の
フェース・プレート部(4)の外表面の膜強度を示し、
8H−40回であった。この場合の蛍光面全体の機能と
しては従来のの場合の光学的単層式帯電防止・光均一
吸収・低反射型の機能膜(1)に相等するので、この場
合のフェース・プレート部(4)の外表面の機能膜の膜
強度6H−15回に対して大巾な改善がなされている。
家庭でカラー・テレビジョン受像機を使用する場合の実
用上の観点からいえば鉛筆硬度としては7H、消しゴム
・テストとしては30回以上あればほぼ問題無いといえ
るので実施例2の場合は実用上十分な膜の強度を有して
いるといえる。
【0059】実施例3 図4は従来の光学的多層式帯電防止・光均一吸収・低反
射型の機能膜と同等の機能を有する本発明による蛍光面
の拡大断面概念図である。フェース・プレート部(4)
の外表面には一定の屈折率と膜厚の高屈折率層(22)
と低屈折率層(21)との2層の組み合わせから成る光
学的多層式帯電防止・低反射型の機能膜(1)が設けら
れている。
【0060】この場合高屈折率層(22)は多孔質のシ
リカ(SiO2 )系の膜(19)の中に導電性フィラー
粒子(17)と屈折率を上げるための超微粒子高屈折材
料(11)を分散混合して一定の膜屈折率と膜厚で形成
されている。この超微粒子高屈折材料(11)としては
従来と同様に平均粒径が1000以下の酸化チタン
(TiO2 )や酸化タンタル(Ta2 5 )や酸化ジル
コニウム(ZrO2 )や硫化亜鉛(ZnS)等が使用さ
れる。又低屈折率層(21)は実施例2で述べた帯電防
止・低反射型の機能膜(1)を構成する低屈折率層(2
1)と構成は同じなので説明は省略する。
【0061】又一方、フェース・プレート部(4)の内
面には実施例1及び2の場合と同様に、フェース・プレ
ート部(4)の内面とその内面に設けられたBGR3色
蛍光体層(15)との間にこれらBGR3色蛍光体層
(15)の発光に対して均一に透過率制御を行うニュー
トラル・フィルター層(2)が設けられている。このニ
ュートラル・フィルター層(2)の光学特性、形成方法
等は実施例1及び2の場合と全く同じである。本発明に
よる実施例3の蛍光面の場合はフェース・プレート部
(4)の外表面で帯電防止機能と光学的多層式低反射機
能を持たせ内面で光均一吸収機能を持たせるようにして
総合的に従来の光学的多層式帯電防止・光均一吸収・低
反射型の機能膜と同等の機能を得るようにしたものであ
る。この高低両屈折率層の組み合わせから成る光学的多
層式低反射膜の場合も従来の場合と同様に層数を多くす
ればする程、低い表面反射率が実現できるが、このよう
なスピンコート法による塗布・成膜の場合は膜厚の微妙
なコントロールやバラツキをおさえることが難しいので
2乃至4層が層数の限界といえる。
【0062】図1のは実施例3による本発明の場合の
フェース・プレート部(4)の外表面の膜強度を示し、
7H−30回であった。この場合の蛍光面全体の機能と
しては従来のの場合の光学的多層式帯電防止・光均一
吸収・低反射型の機能膜(1)に相当するので、この場
合のフェース・プレート部(4)の外表面の機能膜の
強度4H−5回に対して大巾な改善がなされている。前
述した如く、家庭で使用されるカラー・テレビジョン受
像機の場合実用的には7H−30回以上あれば問題無い
といえるので実施例3の場合は実用上十分な膜強度を有
しているといえる。
【0063】なお上記実施例1〜3では帯電防止機能と
しては多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(19)の中
に導電性フィラー粒子(17)を分散混合させて付与す
る例をあげたが本発明はこれに限らず、導電性フィラー
粒子(17)を添加せずに多孔質シリカ(SiO2 )系
の膜(19)中に含有する水分及び空気中の水分をこの
多孔質の膜中にとり込んで導電性を付与する場合にも同
様に適用できる。
【0064】
【発明の効果】以上のようにこの発明によればカラー陰
極線管のフェース・プレート部の外表面に設ける機能の
内、光均一吸収機能をフェース・プレート部の内面とそ
の内面に形成された3色蛍光体層との間に設けたニュー
トラル・フィルター層により持たせるようにすることに
より、外表面に設ける機能膜に添加する異種材料の種類
及び量を減らすことが可能となり、カラー陰極線管のフ
ェース・プレート部に種々の機能を持った機能膜を設け
る際に生じる機能膜の膜強度の低下の問題を膜機能を低
下させることなく緩和でき、カラー・テレビジョン受像
機を使用中にカラー陰極線管のフェース・プレート部の
外表面に設けた機能膜に傷が入ったり、機能膜が剥離し
たりして外観を損ねたり、映像品位に影響を与えたりす
る等の問題を生じにくい高品質のカラー陰極線管を得る
ことができる。
【0065】また、このニュートラル・フィルター層に
は、後の工程で3色蛍光体層を形成する際の下地改善の
効果があり、3色蛍光体層の接着強度の改善を行うこと
ができる。このため、3色蛍光体層の品質を向上でき、
あわせてカラー陰極線管の歩留も向上できる。なお、無
機系の顔料をニュートラル・フィルター層の材料に選定
した場合は、このニュートラル・フィルター層が電子線
に対するバリヤーとして機能するので、3色蛍光体層を
通過した電子線が直接フェース・プレートガラスを叩く
ことを防止できる。このため、フェース・プレートガラ
スの電子線による焼け(ブラウニング)を防止できる。
【0066】請求項によれば、ニュートラル・フィル
ター層を2種類以上の無機系又は有機系の顔料又は染料
粒子の混合物で構成するようにしたため、一種の無機系
又は有機系の顔料又は染料粒子によっては実現困難な光
学特性を得ることができる。請求項によれば、無機系
又は有機系の顔料又は染料粒子の平均粒径を1.0μm
以下としたため、ニュートラル・フィルター層を均一な
膜とすることができる。
【0067】請求項によれば、無機系の顔料がグラフ
ァイト又はカーボン粒子にしたため、可視領域内で分光
透過率のほぼ均一なカラー陰極線管を容易に実現するこ
とができる。
【0068】請求項によれば、フェース・プレート外
表面に帯電防止膜を形成するようにしたため、人間が近
接した場合における放電に伴う不具合を防止することが
できる。
【0069】請求項によれば、フェース・プレート外
表面に光学的単層式低反射膜を設けるようにしたため、
光均一吸収機能と合せ、より高機能なカラー陰極線管を
実現することができる。
【0070】請求項によれば、フェース・プレート外
表面に2層以上4層以下の多層光学干渉膜による光学的
多層式低反射膜を設けるようにしたため、光均一吸収機
能に加え、光学的多層式低反射機能を有するより高機能
なカラー陰極線管を実現することができる。
【0071】請求項によれば、低反射膜中に導電性微
粒子を混合させるようにしたため、許請求項又は
より実現される機能に加え、帯電防止機能が合せて実現
され、より高機能なカラー陰極線管を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェース・プレート外表面に設けた機能膜の膜
強度を示す図。
【図2】帯電防止機能を持った本発明による蛍光面の拡
大断面概念図。
【図3】光学的単層式低反射機能を持った本発明による
蛍光面の拡大断面概念図。
【図4】光学的多層式低反射機能を持つ本発明による蛍
光面の拡大断面概念図。
【図5】帯電防止処理型の機能膜付カラー陰極線管の帯
電防止の原理を説明するための図。
【図6】帯電防止処理型の機能膜を説明するための蛍光
面の拡大断面概念図。
【図7】他の帯電防止処理型の機能膜を説明するための
蛍光面の拡大断面概念図。
【図8】帯電防止・光均一吸収型の機能膜を説明するた
めの蛍光面の拡大断面概念図。
【図9】帯電防止・光均一吸収・低反射型の機能膜の構
成例を示す蛍光面の拡大断面概念図。
【図10】帯電防止・光均一吸収・低反射型の機能膜の
他の構成例を示す蛍光面の拡大断面概念図。
【図11】帯電防止・光均一吸収型の機能膜の光学特性
を示す図。
【図12】機能膜やフェース・プレートの表面分光反射
率を示す図。
【符号の説明】
(1) 機能膜 (2) ニュートラル・フィルター層 (3) 帯電防止処理型の機能膜付カラー陰極線管 (4) フェース・プレート部 (5) 高圧ボタン (6) ネック部 (7) 偏向ヨーク (8) 金属性防爆バンド (9) 取り付け耳 (10) アース線 (11) 超微粒子高屈折材料 (12) 導電性テープ (13) ファンネル部 (14) 黒色光吸収層 (15) BGR3色蛍光体層 (16) メタルバック層 (17) 導電性フィラー粒子 (18) 無機系又は有機系の顔料又は染料粒子 (19) 多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜 (20) 超微粒子弗化マグネシウム(MgF2 ) (21) 低屈折率層 (22) 高屈折率層

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー陰極線管のフェース・プレートの
    外表面に形成された機能膜と、上記フェース・プレート
    の内面に設けられた3色蛍光体層と、上記フェース・プ
    レート内面と3色蛍光体層との間に設けられ、上記
    光体層の発光に対して均一に透過率制御を行う、バ
    インダーに無機系又は有機系の顔料又は染料粒子を分散
    混合した塗液を塗布・成膜することにより構成された
    ュートラル・フィルター層を備えたことを特徴とするニ
    ュートラル・フィルター層付カラー陰極線管。
  2. 【請求項2】 ニュートラル・フィルター層が2種類以
    上の無機系又は有機系の顔料又は染料粒子を分散混合し
    構成されたことを特徴とする請求項1記載のニュート
    ラル・フィルター層付カラー陰極線管。
  3. 【請求項3】 無機系又は有機系の顔料又は染料粒子の
    平均粒径が1.0μm以下であることを特徴とする請求
    1または2記載のニュートラル・フィルター層付カラ
    ー陰極線管。
  4. 【請求項4】 無機系の顔料がグラファイト又はカーボ
    ン粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のニュートラル・フィルター層付カラー陰極線
    管。
  5. 【請求項5】 フェース・プレート外表面に形成された
    機能膜は、シリカ(SiO 2 )系の透明膜又はこのシリ
    カ(SiO 2 )系の透明膜に酸化スズ(SnO 2 )や酸
    化インジウム(In 2 3 )等の導電性微粒子を分散混
    合した帯電防止膜であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載のニュートラル・フィルター層付カ
    ラー陰極線管。
  6. 【請求項6】 フェース・プレート外表面に形成された
    機能膜は、低屈折率ベース塗料をスピンコート法により
    一定膜厚に塗布・成膜した光学的単層式低反射膜である
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のニ
    ュートラル・フィルター層付カラー陰極線管。
  7. 【請求項7】 フェース・プレート外表面に形成された
    機能膜は、高屈折率ベース塗料及び低屈折率ベース塗料
    をスピンコート法により一定膜厚で交互に塗布・成膜し
    て2層以上4層以下の多層光学干渉膜による光学的単層
    式低反射膜で あることを特徴とする請求項1乃至のい
    ずれかに記載のニュートラル・フィルター層付カラー陰
    極線管。
  8. 【請求項8】 低反射膜中に酸化スズ(SnO 2 )や酸
    化インジウム(In 2 3 )等の導電性微粒子を混合し
    ことを特徴とする請求項6または7記載のニュートラ
    ル・フィルター層付カラー陰極線管。
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