JP2665952B2 - 自動プルテスト装置 - Google Patents

自動プルテスト装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ワイヤボンディングによって組み立てら
れたIC等で構成されるワークに対して、ワイヤのボンデ
ィング強度を試験するにあたり、プルテスト工程によっ
て付加される時間を短縮し、ワーク上のICチップやボン
ディングワイヤ等の障害によるプルテストピン動作の制
限を縮小し、ワイヤの高さに関係なく引張力や引張速
度、引張保持時間を任意に設定する事ができる、自動プ
ルテスト装置に関する。
(従来の技術) 従来は、ワイヤのループ中央部をボンディング面の法
線方向−以後Z方向という−に引張り、ワイヤの破断位
置、破断荷重、接合部のはがれの状態等を観察して、ボ
ンド後の接合強度を評価してきた。この方法は比較的簡
単なのでボンディング条件の設定にも利用されるが、破
断試験であるためワーク全数についての評価ができなか
った。
近年、半導体製品を利用する産業分野が拡大し、その
需要の増加と共に、半導体製品個々の信頼性の向上が強
く要望されるようなった。そこで、ワイヤの一本一本を
接合強度の評価として、ループを形成したワイヤの中央
下部にプルテストピンを挿入し、ワイヤの母材引張強度
よりも低い荷重でZ方向に引張り、ループ高さの変位量
や、接合部のはがれの検出をもって行うプルテスト方法
が、非破壊による信頼性試験のひとつとして利用される
ようになった。
その中にひとつに、ボンディング工程の後にプルテス
ト専用工程として設けた第1図に示す装置がある。図に
おいてaはリードフレーム、基板などのワーク基板、b
は半導体素子、さらにcはワイヤをそれぞれ示す。この
装置は、アーム1が支点3を中心にカム2によって揺動
運動するもので、第2のアーム4の先に固定されたプル
テストピン5によって引張力がワイヤに印加され、その
反力によって生ずるアーム1に対する第2のアーム4の
角度変化から引張力をテンションゲージ6によって検出
するものである。また第2図は、2ヶのプルテストピン
7、7′を用意することによって、同時に2本のワイア
をプルテストする装置を示している。この場合、プルテ
ストピン7、7′の方向は、それぞれワイヤC、C′の
ループ面にほぼ直角あらかじめ固定されている。またプ
ルテストピン7、7′は、ワイヤC、C′のループの中
央下に挿入され、それぞれZ方向に引上げられる。
次に、ボンディングとプルテストを同一工程で行う従
来公知の方法を第3図に示す。ボンディングツール8の
付近にプルテストピン9を待機させておき(同図a)、
第1ボンド終了後ボンディングツール8の上昇と後退に
あわせてプルテストピン9が移動し、第1ボンディング
点と第2ボンディング点の間に進入する(同図b)。第
2ボンドが終了すると、ボンディングツール8と共にプ
ルテストピン8が上昇してプルテストを行う(同図
c)。このようにしてボンディング動作と連動してプル
テストを行う方法も行われている。
(発明が解決しようとする問題点) はじめに、第1図に示す装置の場合、アーム1が支点
3を中心に揺動運動するためプルテストピン5によって
印加される力の方向がボンディング面の法線方向に一致
しないので正確なプルテスト荷重がかからなかった。本
発明が解決しようとする第1の問題点は、ボンディング
面の法線方向つまりZ方向に常に平行にプルテスト荷重
を加える機構を実現することである。
次に、第2図に示す装置は、1ワイヤあたり1本の独
立したプルテストピンが必要となり、プルテスト装置の
機構の占める空間による制限をうけたり、1枚のワーク
上に多数のワイヤがある場合でも、プルテストピンの方
向が固定されてしまうので1回にプルテストできる本数
に制限があるなどの問題があった。また、隣接するワイ
ヤ間の距離が狭い場合やワーク上の素子とワイヤが近接
している場合、プルテストピンの動きに大きな制限をう
ける。これらのことは、特にハイブリッドICのワークに
おいて顕著にいえることである。さらに第3図に示す装
置は、1ワイヤにおけるボンディング時間にプルテスト
時間が付加されることで、消費時間の面において生産性
に劣るところがあった。また待機しているプルテストピ
ンの位置によって、ワーク上の素子やワイヤがプルテス
トピンの動きの障害になる場合があった。
(問題を解決するための手段) 以上のような問題を解決するために、この発明におい
ては、Θ回転およびZ移動が可能なプルテストピンと、
上記プルテストピンにプルテスト荷重を与える変位−力
変換器と上記変位−力変換器の変位を検知するセンサと
を、それぞれ上記Z移動とは独立にZ移動可能なプルテ
ストヘッドに組み込むものとする。
つぎに実施例の1つを第4図に示す。プルテストヘッ
ド駆動モータ10とガイドレール11によってZ軸方向に直
線運動するプルテストヘッド12にアーム13が取付けられ
ており、アーム13の先にプルテストピン14が取付けられ
ている。プルテストピン14は先端に引掛部15を有し、プ
ルテストピン回転モータ16によってZ方向に平行な軸の
周りに回転ができるようになっている。この回転をΘと
名付ける。アーム13は、プルテストピン14と共にプルテ
ストヘッド12に対してZ方向にスライドできるようにガ
イドレール17が設けられている。そして、プルテストヘ
ッド12に対するアーム13のZ方向の変位を力に変換する
要素としてバネ18が、また、その変位を検出するセンサ
19が、それぞれ取付けられている。
その動作順序を第5図に示す。はじめに、プルテスト
ヘッド12をある高さの所で待機させておく。図において
簡単のため、プルテストピン14のΘ回転機構の図示を省
略してある。プルテストピン14の引掛部15の向きをワイ
ヤと平行になるようにしておき、ボンディング済みのワ
ークを載せた、X−Y移動およびΘ回転可能なワーク台
をプルテストに最適な場所に移動させる(同図a)。プ
ルテストヘッド12がプルテストピン14と共に降下し、プ
ルテストピン14の引掛部15がワイヤのループ中央横にき
たところで停止する(同図b)。プルテストピン14がΘ
回転し、ワイヤのループの下に引掛部15が入り込む(同
図c)。プルテストヘッド12がプルテストピン14と共に
上昇し(同図d)、プルテストピン14の引掛部15がワイ
ヤに引掛かるとガイドレール17に従ってアーム13がスラ
イドし、バネ18に張力が生じる(同図e)。プルテスト
ヘッド12が更に上昇するとあらかじめ設定したおいたプ
ルテスト荷重に達したところで、センサ19が働いて停止
する(同図f)。その状態であらかじめ設定しておいた
時間静止し、その間にワイヤの破断、接合部のはがれ、
ループ高さの異常変位等が生じると、バネ18の引張力に
よりアーム13が上に持ち上り、センサ19がはずれ、プル
テスト不合格と判断する。またそれらの現象が起こらず
に一定時間過ぎると、プルテスト合格と判断する。いず
れかの判断をした後、プルテストヘッド12がプルテスト
ピン14と共に下降し(同図g)、引掛部15がワイヤから
はずれやすい位置で停止する。プルテストピン14が回転
し引掛部15がワイヤからはずれ、ワーク台が退避し(同
図h)、プルテストヘッド12がプルテストピン14と共に
上昇し、最初の待機場所で停止する(同図i)。
(発明の効果) この発明は、プルテストヘッドがZ移動を行い、プル
テストピンも独立してZ移動するのに加えてΘ回転する
構成になっている。そのため、プルテストピンの引掛部
をワイヤと平行に向けて下降させた後、プルテストピン
を回転させて引掛部をワイヤループの下にもぐりこませ
ることができる。したがって、ワイヤが密集していて
も、ワイヤ同志の間隔がプルテストピンの引掛部の径よ
り広ければ、ワイヤを押し広げることなく引掛部をワイ
ヤループの下に進めることができる。また、プルテスト
ピンの引掛部をワイヤの両サイドどちらからでも進入さ
せることができるので、隣接するワイヤの間隔が狭い場
合や、ワーク上の素子等によって1方向からの進入が妨
げられる場合でも、ある方向からの接近スペースがあれ
ばその方向から容易にプルテストピンを位置付けること
ができる。また、プルテストピンの動きが、ある支点を
中心とする回転運動ではなくZ軸方向に厳正な直線運動
をするので、ワイヤを引張る力の方向が常にZ軸方向に
働く。そのため、ICチップの高さやワイヤのループ高さ
等に関係なく、常に正確なプルテスト荷重をかけること
ができる。また、プルテスト荷重は変位−力変換器を調
整することによって任意に設定でき、荷重をかけている
時間も任意に設定することができるので幅広い条件でプ
ルテストを行うことができる。上述した効果は、プルテ
ストをボンディング工程の中に組み込み、形成されるワ
イヤループ1本ごとにプルテストする場合にも、またプ
ルテスト工程をボンディング工程の後に分けて別にする
場合にも等しく享受できる。さらに、前工程のワイヤボ
ンディングに引き続きプルテスト工程を連結する場合に
は、ワイヤボンダから転送されたデータに基づき、任意
の位置にボンディングされたワイヤのプルテストを自動
的に行うことができ、またワイヤボンディングの動作に
割り込むことなくそれと同時に並行してプルテスト作業
を行うので、プルテスト工程によって付加される時間を
大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は従来のプルテスト装置の機構を表
す側面図の動作説明図であり、第4図および第5図は本
発明によるプルテスト装置を説明する側面断面図および
各部分斜視図である。 1,4……アーム、2……カム、3……支点、5……プル
テストピン、6……テンションゲージ、7,7′……プル
テストピン、8……ボンディングツール、9……プルテ
ストピン、10,16……モータ、11,17……ガイドレール、
12……プルテストヘッド、13……アーム、14……プルテ
ストピン、15……引掛部、18……バネ、19……センサ、
a……ワーク基板、b……ICチップ、c……ボンディン
グワイヤ、A……ボンディングツールY移動方向、B…
…プルテストピンZ移動方向、C……ボンディングツー
ルZ移動方向、D,M……ワークX−Y移動方向、E,H,J,
K,N……プルテストヘッドZ移動方向、F,I,L,O……プル
テストピンZ移動方向、G,P……プルテストピンΘ回転
方向。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−168235(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Θ回転およびZ移動が可能なプルテストピ
    ンと、上記プルテストピンにプルテスト荷重を与える変
    位−力変換器と、上記変位−力変換器の変位を検知する
    センサとを、それぞれ上記Z移動とは独立にZ移動可能
    なプルテストヘッドに組み込んだ自動プルテスト装置。
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JP2595171B2 (ja) * 1992-08-19 1997-03-26 鹿島建設株式会社 地中連続壁掘削機用位置計測装置の共振防止装置
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ATE344445T1 (de) * 2002-02-01 2006-11-15 F & K Delvotec Bondtech Gmbh Testvorrichtung zur ausführung eines pulltests
CN105033387B (zh) * 2015-08-26 2017-06-23 桂林电子科技大学 一种焊接拔针的制作方法
CN118549335A (zh) * 2024-07-25 2024-08-27 深圳德康威尔科技有限公司 焊线质检装置、焊线质检系统及焊线质检方法

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