JP2665350B2 - 自動車のスリップ制御装置 - Google Patents

自動車のスリップ制御装置

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JP2665350B2
JP2665350B2 JP63191341A JP19134188A JP2665350B2 JP 2665350 B2 JP2665350 B2 JP 2665350B2 JP 63191341 A JP63191341 A JP 63191341A JP 19134188 A JP19134188 A JP 19134188A JP 2665350 B2 JP2665350 B2 JP 2665350B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両の駆動輪のスリップを抑制,防止して
走行安定性の向上を図るようにした自動車のスリップ制
御装置の改良に関する。
(従来の技術) 本出願人は、この種の自動車のスリップ制御装置とし
て、先に特開昭63−31859号公報に開示されるように、
車両の駆動輪の路面に対するスリップ状態を検出し、こ
の駆動輪のスリップ値が目標スリップ値になるように、
駆動輪に作用する駆動トルクを減少制御して、駆動輪の
スリップを抑制すると共に、車両のコーナリング時には
直進時に比べてスリップし易いことから、上記駆動輪の
目標スリップ値を直進走行時よりも小値に補正して、コ
ーナリング時でのスリップの発生を有効に防止するよう
にしたものを提案している。
(発明が解決しようとする課題) しかるに、その場合に、コーナリング走行を終了すべ
く運転者がステアリングを戻し操作した時、ステアリン
グ舵角の減少中に駆動輪の目標スリップ値を既に先に向
かって増大復帰させると、運転者は未だアクセルペダル
を踏込み操作しないにも拘らず、車両の駆動トルクが強
制的に増大制御されて、車両は加速ないしスリップし易
くなり、運転者に不安定感を与えることになる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その
目的は、車両のコーナリング走行時に駆動輪の目標スリ
ップ値を小値側に補正する場合、ステアリング舵角の減
少中は駆動輪の目標スリップ値をステアリング戻し操作
直前の値に保持することにより、車両が加速ないしスリ
ップし易くなることによる不安定感を解消して、走行フ
ィーリングを向上させることにある。
(課題を解決するための手段) 以上の目的を達成するため、本発明では、ステアリン
グ舵角の減少中は、目標スリップ値を復帰させずにステ
アリング戻し操作直前の値に保持することにより、車輪
の駆動トルクを小さいものとしている。
つまり、具体的に、請求項1の発明の解決手段は、第
1図に示すように、駆動輪6に作用する駆動トルクを制
御して駆動輪6の路面に対するスリップ値が過大になる
のを防止するようにした自動車のスリップ制御装置を対
象とする。そして、駆動輪6に付加する駆動トルクを調
整する駆動トルク調整手段22と、駆動輪6の路面に対す
るスリップ値が目標スリップ値になるよう上記駆動トル
ク調整手段22を制御するトルク制御手段23とを設けると
共に、ステアリング舵角を検出する舵角検出手段15と、
該舵角検出手段15の出力を受け、ステアリング舵角の増
加時には上記トルク制御手段23の目標スリップ値を直進
走行時に比べて小さく補正すると共に、ステアリング舵
角の減少時には目標スリップ値をステアリング戻し操作
直前の目標スリップ値に保持する目標スリップ値補正手
段24とを設ける構成としている。
そして、請求項2の発明では、上記目標スリップ値補
正手段24は、直進走行状態に復帰したときに目標スリッ
プ値の補正を解除するものとする。さらに、請求項3の
発明では、上記目標スリップ値補正手段24は、ステアリ
ング舵角が略零に復帰しかつ加速走行に移行したときに
目標スリップ値の補正を解除するものとする。
(作用) 以上の構成により、請求項1〜3の発明では、車両の
コーナリング走行時、ステアリング舵角の増大時には、
駆動輪の目標スリップ値が目標スリップ値補正手段24に
より直進走行時よりも小さく補正されるので、駆動輪6
に作用する駆動トルクがトルク制御手段23で減少側に制
御され、このことにより車輪の横力が増大して、スリッ
プの発生が有効に防止されることになる。
そして、コーナリングの終了に際し、ステアリングが
戻し操作されて、その舵角が減少しても、駆動輪の目標
スリップ率は目標スリップ値補正手段24によりステアリ
ング戻し操作直前の目標スリップ値に保持されるので、
車輪の駆動トルクは変化せず元の小さい値に保持され
て、運転者のアクセルペダル開度の保持動作と一致し
て、車両は加速ないしスリップせず、運転者に不安定感
を与えることが防止されている。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項1〜3の発明の自動車の
スリップ制御装置によれば、車両のコーナリング時に駆
動輪の目標スリップ値を直進走行時よりも小値に補正す
る場合、ステアリング舵角の減少中も目標スリップ値を
ステアリング戻し操作直前の値に保持して、駆動輪に付
加する駆動トルクを小さく保持したので、運転者の意思
に拘らず駆動トルクが増大することに起因する走行不安
定感を解消し、走行安定性の確保と共に走行フィーリン
グの向上を図ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を第2図以下の図面に基いて説
明する。
第2図は本発明に係る自動車のスリップ制御装置の全
体概略構成を示し、1はエンジン、2は例えば前進4
段、後退1段の自動変速機であって、該自動変速機2で
変速されたエンジン動力は、変速機2の公報に配置した
推進軸3、差動装置4及び後車軸5を介して左右の後輪
6,6に伝達され、該後輪6を駆動輪とし、左右の前輪7,7
を従動輪としている。
また、上記エンジン1の吸気通路1aには、吸入空気量
を制御してエンジン出力を調整するスロットル弁10が配
置されている。該スロットル弁10は、アクセルペダル11
とは機械的な連動関係がなく、ステップモータ等で構成
されたスロットルアクチュエータ12により電気的に開度
制御される。
さらに、前後左右の車輪6,7近傍には、各々、車輪の
回転速度を検出する車輪速度センサ13,13…が設けられ
ていると共に、アクセルペダル11の開度を検出する開度
センサ143、ステアリング舵角を検出する舵角検出手段
としての舵角センサ15、車両の加速度を検出する加速度
センサ16が設けられている。而して、以上の各センサ13
〜16の検出信号は、CPU等を有するコントローラ(制御
装置)20に入力されていて、該コントローラ20により、
スロットルアクチュエータ12でもってスロットル弁10を
開度制御してエンジン出力を制御し、後輪(駆動輪)6
のスリップを制御,防止するようにしている。
さらに、上記コントローラ20には、左右の駆動輪(後
輪)6,6に作用するブレーキ油圧を調整するブレーキア
クチュエータ21が接続され、後輪6の大きなホイルスピ
ン(スリップ)時には、エンジン出力の制御に加えてブ
レーキ油圧をも制御して、そのスリップを制御するよう
にしている。
よって、上記スロットルアクチュエータ12及びブレー
キアクチュエータ21により、スロットル弁開度(つまり
エンジン出力)と駆動輪6に作用するブレーキ力とを調
整して、駆動輪6に作用する駆動トルクを調整するよう
にした駆動トルク調整手段22を構成している。
次に、コントローラ20によるスリップ制御を第3図〜
第14図に基いて説明する。
先ず、第3図のメインフローから説明するに、ステッ
プSM1でイニシャライズした後、ステップSM2で各種デー
タの計測タイミングの場合に限りステップSM3で上記各
センサからの検出信号を入力すると共に、ステップSM4
で駆動輪のホイルスピンを第4図のスピン判定フローに
基いて判定し、ステップSM5でこのスピンの状態を第5
図の状態判定フローに基いて判定する。
その後、ステップSM6でトラクションフラグTRCFの値
でトラクション制御(スリップ制御)中か否かを判別
し、TRCF=0のスリップ制御中でない場合には、ステッ
プSM7でアクセルペダル11の開度に対応した目標スロッ
トル弁開度ATAGを求め、ステップSM8でその値ATAGをス
ロットルアクチュエータへの出力値THRとする。
一方、スリップ制御中の場合には、ステップSM9及びS
M10でホイルスピンの状態をその状態フラグJFの値(JF
=1でスピン発生直後、JF=2でスピン収束直後)で判
別し、スピン発生直後(JF=1)の場合には、ステップ
SM11で路面の摩擦係数(以下路面のμという)を第6図
の路面μ推定フローに基いて判定し、ステップSM12でス
リップ制御開始後の初回スピン時(初回フラグMF=0)
の場合に限りステップSM13でスロットル弁開度を即座に
大きく減少制御すべく、スリップ制御における目標スロ
ットル弁開度TAGETnを所定の小開度値SMに設定する。一
方、スピンが初回でない(初回フラグMF=1)の場合に
は、スロットル弁開度をフィードバック制御すべく、ス
テップSM14及びSM15で目標スリップ率を第7図の目標ス
リップ率決定フローに基いて演算すると共に、この目標
スリップ率に応じた目標スロットル弁開度TAGETnを第8
図の目標スロットル開度算出フローに基いて算出する。
一方、JF=2のスピン収束直後では、ステップSM16
スロットル弁開度を瞬時に大きく復帰させるべく、今回
の目標スロットル弁開度TAGETnを、前回値TAGETn−1と
所定のリカバリー開度値FTAG(第6図のステップS
C2(後述)で算出される値)との加算値とする。
その後は、ステップSM17でスピン発生時での駆動トル
クの過大をブレーキ制御により抑えるべく、第10図のブ
レーキ制御フローに基いてブレーキ制御量TBを算出する
と共に、ステップSM18で第11図のトラクション制御終了
判定フローに基いてスリップ制御を終了するか否かを判
定することとする。
而して、実際にスロットル弁10及び駆動輪6に作用す
るブレーキ油圧を制御すべく、ステップSM19で制御信号
の出力タイミングになった時点で、ステップSM20でスロ
ットル弁開度制御量THRをスロットルアクチュエータ12
に出力すると共に、ステップSM21でブレーキ制御量TB
ブレーキアクチュエータ21に出力し、ステップSM22でス
ピン状態フラグJFをJF=0に、初回フラグMFをMF=1に
各々戻した後に、ステップSM2に戻ることを繰返す。
次に、第4図のスピン判定フローを説明する。先ず、
ステップSA1で右輪及び左輪の前輪速度WFR,WFLの平均速
度WFNを求めると共に、右輪及び左輪の後輪速度WRR,WRL
の平均速度WRNを求め、ステップSA2〜SA4で平均前輪速
度WFNに対する右後輪及び左後輪の速度WRR,WRLのスリッ
プ率を最大値(S=1.25)近傍のスピン判定値S1(例え
ばS1=1.125)と比較し、双方共にS1以下の場合にはス
ピンは発生していない良好時であるので、ステップSA5
でスピンフラグSF=0に設定し、右後輪のみがスピンの
場合にはステップSA6でSF=1に、左後輪のみがスピン
の場合にはステップSA7でSF=2に、両後輪がスピンの
場合にはステップSA8でSF=3に各々設定し、スピンフ
ラグSF=1,2,3の各々の場合には各々ステップSA9〜SA11
でトラクションフラグTRCF=1(スピン発生時)に設定
して、リターンする。
続いて、第5図の状態判定フローを説明する。ステッ
プSB1〜SB3で各々前回及び今回のスピンフラグSFO,SFの
値を判別し、SFO=0且つSF≠0(スピン発生直後)の
場合にはステップSB4で状態フラグJF=1に設定し、SFO
≠0且つSF=0(スピン収束直後)の場合にはステップ
SB5で状態フラグJF=2に設定する。
そして、ステップSB6で今回のスピンフラグの値SFを
前回値SFOとした後、ステップSB7で車両がスタック中か
否かを判定し、スタック中でない場合にはステップSB8
でスタックフラグSTF=0に、スタック中ではステップS
B9でSTF=1に設定する。また、ステップSB10で左右輪
の片側のみにブレーキが作用している(スプリット路の
場合)か否かを判別し、スプリット路でない場合にはス
テップSB11でスプリットフラグSPF=0に、スプリット
路の場合にはステップSB12でSPF=1に各々設定して、
リターンする。
第6図の路面μ推定フローでは、ステップSC1でスリ
ップ発生直後の車両の前後加速度Gの最大値Gmaxを加速
度センサ16の出力に基いて把握し、その後、この最大加
速度Gmaxに基いてステップSC2で路面μに応じた3つの
ゾーンZN1(OG≦Gmax<0.05G)、ZN2(0.05G≦Gmax<0.
15G)、ZN3(0.15G≦Gmax<0.25G(Gは重力の加速
度))に分け、対応するゾーンでのリカバリー開度FTAG
(スピン収束直後の開度増大分)、エンジンの出力制御
における駆動輪の基本目標スリップ率STAO、ブレーキ制
御における駆動輪の基本目標スリップ率STBO、スロット
ル弁開度の増大制御時での開度増大分(バックアップ開
度)BUF、初回スピン発生直後での強制戻し開度SMを、
各々同ステップSC2中でFUZZY制御(あいまい制御)によ
り算出すると共に、スロットル弁開度のフィードバック
制御での比例定数KP、積分定数KIをゾーンに応じた値に
設定して、リターンする。
次に、第7図の目標スリップ率決定フローでは、上記
第6図の路面μ推定フローに基いて算出したエンジンの
出力制御における基本目標スリップ率STAO及びブレーキ
制御における基本目標スリップ率STBOを補正することと
し、ステップSD1でアクセルペダル開度ACCに応じて基準
値(=1)から増大するアクセルペダル補正ゲインACG
を算出し、ステップSD2で車速(従動輪速度WFN)に応じ
て基準値(=1)から減少する車速補正ゲインVGを算出
する。また、ステップSD3では第8図のステアリング舵
角による目標スリップ率の補正フローに基いて基本的に
ステアリング舵角ANGに応じて基準値(=1)から減少
する舵角補正ゲインSTGを算出する。
そして、ステップSD4で上記各補正ゲインに基いて各
基本目標スリップ率STAO、STBOを乗算補正し、その演算
結果を各々STA、STBとし、リターンする。
次に、第8図のステアリング舵角による目標スリップ
率の補正フローを説明する。先ずステップSJ1でアクセ
ルペダル11の踏込み速度△ACCをその開度の変化率から
算出すると共に、ステップSJ2でステアリングの操作方
向を判別すべく第9図の舵角変化速度算出フローに基い
てステアリング舵角ANGの変化速度△ANGを算出し、更に
ステップSJ3でステアリングの戻し操作時を判別すべく
第10図の舵角戻しフラグ(ANGF)のセットフローに基い
て舵角戻しラグ(ANGF)をセットすることとする。
しかる後、ステップSJ4でステアリング舵角ANGの値を
判別し、ANG≠0のコーナリング時には、更にステップS
J5で舵角戻しフラグANGFの値を判別し、ANGF≠−1(ス
テアリングの戻し操作時でない場合)には、ステップS
J6で舵角ANG=0の時には舵角対応補正ゲインSTGOを基
準値(=1)に設定し(STGO=1)、ステアリング舵角
ANGの絶対値の増大(|ANG|>0)に応じて漸次基準値か
ら減少するよう算出する。そして、ステップSJ7及びSJ8
でこの舵角対応補正ゲインSTGOをその最小値STGminとす
ると共にこの最小値STGminを実際の舵角補正ゲインSTG
とする。従って、舵角の増大に伴い舵角補正ゲインSTG
(=STGmin)は次第に減少する。
而して、ステアリングが逆に戻し操作されANGF=−1
となると、駆動輪6の目標スリップ率STAをステアリン
グ戻し直前の目標スリップ率に保持すべく、ステップS
J9でこの戻し操作中の間は舵角補正ゲインSTGを最小値S
TGminに固定する。
その後、舵角ANGが約ANG=0となり直進走行(加速走
行)に移行し始めると、ステップSJ10でアクセルペダル
の踏込み速度ΔACCを把握し、所定値未満の場合(ΔA
CC≦)には、ステップSJ11で最小値STGminへの固定を
保持し、ΔACC>の加速走行に移行する場合には、ス
テップSJ12で始めて舵角補正ゲインSTGを直進走行時に
相当するSTG=1に戻して、リターンする。
また、第9図の舵角変化速度算出フローは、ステップ
SK1でステアリング舵角ANGの絶対値|ANG|を今回の舵角
値ANGnとした後、ステップSK2で前回と今回との舵角値
の差、つまり舵角変化速度ΔANG(ANGn−ANGn−1)を
算出し、ステップSK3で今回の舵角値ANGnを前回値とし
てリターンする。
更に、第10図の舵角戻しフラグのセットフローは、ス
テップSL1及びSL2で舵角変化速度ΔANGをステアリング
操作中に相当する設定値A,−Aと各々比較し、ΔANG>
Aの場合には、ステップSL3で舵角戻しフラグANGFをANG
F=1(舵角増大時)に設定し、ΔANG<−Aの場合に
は、ステップL4でANGF=−1(舵角減少時)に設定し、
A<ΔANG<−Aの場合にはステップSL5でANGF=0(非
操作時)に設定する。
続いて、第11図の目標スロットル弁開度演算フローを
説明する。先ず、ステップSE1〜SE3で左右の駆動輪速度
WRR,WRLのうち高い側の速度を制御対象としての駆動輪
速度SEnとする。
その後、ステップSE4及びSE5で駆動輪速度SEnの車速W
FNに対するスリップ率Sを所定スリップ率S3(例えばS3
=1.02),S4(例えばS4=1.01)と比較し、S>1.02の
場合には、ステップSE6で開度フィードバック制御(PI
−PD制御)によってスロットル操作量(増分)ΔTAGET
を算出する。一方、1.01>Sの場合には、スロットル弁
開度を所定値BUFづつ漸次強制的に増大制御(バックア
ップ制御)すべく、ステップSE7で第6図の路面μ推定
フローにて求めた所定値BUFをスロットル操作量ΔTAGET
として算出する。さらに、1.02≧S>1.01の場合には、
上記バックアップ制御からフィードバック制御への移行
をスムーズに行わせる制御(緩衝制御)を行うよう、ス
テップSE8でスロットル操作量ΔTAGETを算出する。
そして、ステップSE9で今回の目標スロットル弁開度T
AGETnを、前回の目標スロットル弁開度TAGETn−1と、
上記スロットル操作量ΔTAGETとの加算値として算出し
て、リターンする。
また、第12図のエンジン・フィードバック制御フロー
では、ステップSF1でエンジン制御での目標スリップ率S
TAに車速WFNを乗算して目標駆動輪速度STnを算出すると
共に、ステップSF2でこの目標駆動輪速度STnから現在の
駆動輪速度SEnを減算して、制御偏差ENnを算出する。
しかる後、比例定数KP,FP、積分定数KI、微分定数FD
によりステップSF3の如くPI−PD制御によってスロット
ル操作量ΔTAGETを算出して、リターンする。
次に、第13図のブレーキ制御フローに基いて説明する
に、ステップSG1で先ずブレーキ圧の急増圧、急減圧に
起因するショックを防止すべくブレーキ制御量の上限値
BLMを設定する。
しかる後、左右のブレーキ圧のうち、右ブレーキ圧を
制御すべく、右側駆動輪のスリップ率S(=WRR/WFN)
を所定値S5(例えばS5=1.0625)と比較し、S<1.0625
の小スリップ時には、ブレーキ制御を停止することと
し、ステップSG3で右駆動輪のブレーキ制御量TBRを開放
(零値)に設定して、ステップSG4で右ブレーキフラグB
FRをBFR=3(開放時)に設定する。
一方、S≧1.0625の大スリップ時には、ステップSG5
でフィードバック制御(PI−PD制御)によって右側駆動
輪へのブレーキ制御量TBRを算出し、その後、ステップS
G6でこのブレーキ制御量TBRがTBR>0の場合にはブレー
キ増圧時(特にTBR=0では保圧時)と判断し、ステッ
プSG7及びSG8でこの制御量TBRが上限値BLMを越える場合
にはこの上限値(変化幅の最大値)BLMに制限して、ス
テップSG9で右ブレーキフラグBFRをBFR=1(増圧時)
に設定する。一方、ブレーキ制御量TBRがTBR<0の場合
にはブレーキ減圧時と判断し、ステップSG10及びSG11
このブレーキ制御量TBRが下限値−BLMを越える場合には
下限値−BLMに制限して、ステップSG12で右ブレーキフ
ラグBFRをBFR=2(減圧時)に設定する。
そして、その後は、上記と同様にして左側駆動輪のブ
レーキ制御量TBLを算出して、リターンする。
最後に、第14図のトラクション制御終了判定フローを
説明する。
先ずステップSH1でアクセルペダル開度ACCに応じた目
標スロットル弁開度ATAGを求める。
しかる後、ステップSH2でこの目標スロットル弁開度A
TAGの値を判別し、約ATAG=0の場合には、トラクショ
ン制御を終了することとし、ステップSH3〜SH5で各フラ
グをリセットし、スロットルアクチュエータ12への出力
THRを零値とし、これを制御目標値TAGETnとする。
一方、ATAG≠0の場合には、更にステップSH6でアク
セルペダル開度に応じた目標スロットル弁開度ATAGを、
スリップ制御における目標スロットル弁開度TAGETnと大
小比較し、ATAG>TAGETnの場合にはスリップ制御を続行
することとし、ステップSH7及びSH8でこのスリップ制御
における目標スロットル弁開度TAGETnが制御下限値(初
回スピン発生直後での強制低下開度値SM)未満の場合に
は、この下限値SMに制限した後に、ステップSH9でこの
目標スロットル弁開度TAGETnをスロットルアクチュエー
タ12への出力値THRとする。
一方、ATAG≦TAGETnの場合には、アクセルペダル開度
に応じた目標開度値ATAGでスロットル弁10を制御すべ
く、ステップSH10でこの値ATAGを出力値THRとして、こ
れを制御目標値TAGETnとする。
そして、ステップSH12において今回の制御目標値TAGE
Tnを前回の制御目標値TAGETn−1として、リターンす
る。
よって、第3図の制御フローにおいて、ステップSM6,
SM11,SM14,SM15,SM19,SM20により、先ず推定路面μのゾ
ーンに応じて目標スリップ値(目標スリップ率STA,ST
B)を算出し、駆動輪6の路面に対するスリップ値(ス
リップ率S)がこの目標スリップ率STA,STBになるよう
目標スロットル弁開度TAGETn及びブレーキ制御量TBを演
算し、これら値になるようスロットルアクチュエータ12
及びブレーキアクチュエータ21を制御してエンジン出力
を調整して、駆動輪6に作用する駆動トルクを制御する
ようにしたトルク制御手段23を構成している。
また、第8図〜第10図のフローにより、舵角センサ15
の出力を受け、ステアリング舵角ANGの増加時には、基
本目標スリップ率STAOに対する舵角補正ゲインSTGを基
準値(=1)未満に小さくして、上記トルク制御手段23
の目標スリップ率STA(=STAO×STG)を直進走行時に比
べて小さく補正すると共に、ステアリング舵角ANGの減
少時にはステアリング舵角ANGの最大時(ステアリング
の戻し操作直前)における目標スリップ値STGminに保持
してその時の目標スリップ率STAを小値に保持するよう
にした目標スリップ値補正手段24を構成している。
次に、上記実施例の基本的な作動を説明する。第15図
に示す如く、駆動輪6の回転速度が上昇し記号Aで示す
如くそのスリップ率Sがスピン判定値S1以上になって駆
動輪6にスリップが生じると、スロットル弁開度10の開
度が小開度値SMにまで大きく低下制御され、それに伴い
S<S1に戻るとリカバリー開度値FTAGだけ瞬時に復帰制
御された後、駆動輪6のフィードバック制御(PI−PD制
御)が行われる。そして、駆動輪のスリップ率Sが目標
値未満に大きく低下するのを抑制すべく、緩衝制御、バ
ックアップ制御が順次行われ、駆動輪の回転速度が上昇
し始めると、それ以後は緩衝制御を経てフィードバック
制御(PI−PD制御)が行なわれ、その結果、駆動輪6の
スリップ率Sは目標スリップ率STAに良好に収束する。
そして、アクセルペダル踏込み開度が減少し、同図に
記号Bで示す如くアクセルペダル対応の目標スロットル
弁開度ATAGnがスリップ制御の目標スロットル弁開度TAG
ETn以下(ATAGn≦TAGETn)の状況になって、スロットル
弁開度がアクセルペダル対応の目標スロットル弁開度AT
AGに制御された後、アクセルペダル11が全閉にされた時
点で、駆動輪6のスリップ制御が停止される。
次に、本発明の特徴的な作動を説明する。今、図中記
号Dで示す時点で車両がコーナリング走行を開始すべく
ステアリングが回し操作されて、ステアリング舵角(絶
対値|ANG|)が増加し始めると、このステアリング舵角|
ANG|の増加に伴い舵角補正ゲインSTGが次第に小値にな
って目標スリップ率STAが小値になる。このことによ
り、スロットル弁開度が図中破線で示す如く減少し、そ
れに伴い駆動輪6の駆動トルクも減少して駆動輪6のス
リップ率Sがその漸次減少中の目標スリップ率STAに制
御される。
そして、図中記号Eで示す時点で、運転者がアクセル
ペダル11の踏込み開度を保持したままステアリングを戻
し操作して、ステアリング舵角|ANG|が減少し始める
と、舵角補正ゲインSTGがステアリング舵角最大時での
(ステアリングの戻し操作直前の)舵角補正ゲインSTGm
inに固定され、それに伴い目標スリップ率STAもステア
リング舵角最大時での目標スリップ率STAに固定される
ので、スロットル弁開度は変化せず、駆動輪6に作用す
る駆動トルクもそのまま保持された状態で車両はコーナ
リングを終了する。よって、従来の如くステアリング戻
し操作時に目標スリップ率STAが直進走行時の値に復帰
することに起因するスロットル弁開度の増大及び駆動輪
6の回転速度の上昇(各々図中一点鎖線で示す)を防止
して、運転者の意思に拘らず車両が加速又は駆動輪6に
スリップが生じることを防止して、コーナリング終了時
での不安定感を解消し、運転者に与える走行フィーリン
グの向上を図ることができる。
上記コーナリング時で減少補正いた目標スリップ率ST
Aの復帰は、車両がコーナリングを終了してステアリン
グ舵角ANGがANG=0となり、且つ運転者がアクセルペダ
ル11を踏込んだ加速要求時である。
尚、上記実施例では、ステアリング舵角の増加時に目
標スリップ率STAを舵角の増大に応じて減少補正した
が、その他、舵角増大時に目標スリップ率STAを直進走
行時の値よりも小値に固定するものに対しても同様に適
用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック図である。第2図
〜第15図は本発明の実施例を示し、第2図は全体概略構
成図、第3図〜第14図はそれぞれコントローラによる駆
動輪のスリップ制御を示すフローチャート図、第15図は
作動説明図である。 1……エンジン、6……駆動輪、10……スロットル弁、
11……アクセルペダル、12……スロットルアクチュエー
タ、15……舵角センサ(舵角検出手段)、20……コント
ローラ(制御装置)、21……ブレーキアクチュエータ、
22……駆動トルク調整手段、23……トルク制御手段、24
……目標スリップ値補正手段。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪に作用する駆動トルクを制御して駆
    動輪の路面に対するスリップ値が過大になるのを防止す
    るようにした自動車のスリップ制御装置であって、 駆動輪に付加する駆動トルクを調整する駆動トルク調整
    手段と、 駆動輪の路面に対するスリップ値が目標スリップ値にな
    るよう上記駆動トルク調整手段を制御するトルク制御手
    段と、 ステアリング舵角を検出する舵角検出手段と、 該舵角検出手段の出力を受け、ステアリング舵角の増加
    時には上記トルク制御手段の目標スリップ値を直進走行
    時に比べて小さく補正すると共に、ステアリング舵角の
    減少時には目標スリップ値をステアリング戻し操作直前
    の目標スリップ値に保持する目標スリップ値補正手段と を備えたことを特徴とする自動車のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】上記目標スリップ値補正手段は、直進走行
    状態に復帰したときに目標スリップ値の補正を解除する
    ものである請求項1記載の自動車のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】上記目標スリップ値補正手段は、ステアリ
    ング舵角が略零に復帰しかつ加速走行に移行したときに
    目標スリップ値の補正を解除するものである請求項1記
    載の自動車のスリップ制御装置。
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