JP2612045B2 - 自動車のスリップ制御装置 - Google Patents

自動車のスリップ制御装置

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JP2612045B2
JP2612045B2 JP63191339A JP19133988A JP2612045B2 JP 2612045 B2 JP2612045 B2 JP 2612045B2 JP 63191339 A JP63191339 A JP 63191339A JP 19133988 A JP19133988 A JP 19133988A JP 2612045 B2 JP2612045 B2 JP 2612045B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両の駆動輪のスリップを抑制,防止して
走行安定性の向上を図るようにした自動車のスリップ制
御装置の改良に関する。
(従来の技術) 従来より、この種の自動車のスリップ制御装置とし
て、例えば特開昭60−197434号公報に開示されるよう
に、車両の駆動輪速度と従動輪速度とを検出し、この両
者に基いて駆動輪のスリップ状態を判定して、この駆動
輪のスリップ時に駆動輪に作用する駆動トルクを減少制
御して、駆動輪のスリップを抑制するようにしたものが
知られている。而して、上記従来のものでは、駆動輪の
スリップ状態の判定時に従動輪の加速度から路面の摩擦
係数(以下、路面μという)を推定し、この推定路面μ
に応じて駆動トルクの減少量を設定して、駆動トルクの
制御目標を変更設定するようにしている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来のものでは、駆動輪のスリッ
プ発生時に路面μを推定し、この推定路面μにて駆動ト
ルクの減少量を設定している関係上、推定路面μが正確
でなく誤推定の場合、特に高く(滑り難い側に)誤推定
された場合には駆動トルクの減少量は少なく、このため
スリップが収束した後も駆動トルクは大きくて再スリッ
プし易い不安定な状態にあって、走行安定性の向上が要
請される。この場合に、再スリップが生じた時には駆動
トルクの減少制御により収束し、その再スリップ時に再
び路面μが推定されるが、この路面μが同様に誤推定さ
れる可能性もあり、再スリップを繰返すハンチングが生
じることもある。
そこで、例えば路面μを常時推定することが考えられ
るが、推定値が正確な場合には不必要な推定動作とな
り、望ましくない。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、駆動
輪のスリップ発生時に路面μを推定した後は、駆動輪の
回転状態に応じてその推定路面μの値を補正することに
より、一旦スリップを抑制した後は駆動輪に作用する駆
動トルクを適切値にして、駆動輪の回転状態を安定さ
せ、駆動輪の再スリップを有効に防止することにある。
(課題を解決するための手段) 以上の目的を達成するため、本発明では、駆動輪のス
リップ値を検出し、スリップの収束後もこのスリップ値
が比較的大きな状況となる場合には、この状況を再スリ
ップし易い状況、つまり推定路面μを高く(高μ路側)
に誤推定された状況と判断して、駆動輪に作用する駆動
トルクを小さく補正することとしている。
つまり、本発明の具体的な構成は、第1図に示すよう
に、駆動輪6に作用する駆動トルクを制御して駆動輪6
の路面に対するスリップ値が過大になるのを防止するよ
うにした自動車のスリップ制御装置を前提とする。そし
て、駆動輪6の路面に対するスリップ値を検出するスリ
ップ検出手段22と、路面の滑り易さの度合を検出する路
面状態検出手段23と、該両検出手段22,23の出力を受
け、駆動輪6のスリップ値が設定値以上となる駆動輪の
スリップ時に、路面の滑り易さの度合に応じて駆動輪の
路面に対するスリップ値の目標値を路面が滑り難いほど
大きく設定する目標スリップ値設定手段24と、該目標ス
リップ値設定手段24及び上記スリップ検出手段22の出力
を受け、駆動輪のスリップ値が目標スリップ値になるよ
う駆動輪の駆動トルクを制御するトルク制御手段25を設
ける。更に、上記スリップ検出手段22及び目標スリップ
値設定手段24の出力を受け、駆動輪のスリップ値が目標
スリップ値よりも大きな限界スリップ値を越えるとき、
又は設定時間での駆動輪のスリップ値の積分値が設定限
界値を越えるとき、上記目標スリップ値設定手段24で設
定した目標スリップ値を低く補正する目標スリップ値補
正手段26を設ける構成としている。
(作用) 以上の構成により、本発明では、駆動輪のスリップ時
には、先ずその時の路面の滑り易さの度合が路面状態検
出手段23で検出され、この路面の滑り易さに応じて駆動
輪の目標スリップ値が目標スリップ値設定手段24で設定
され、高μ路では大値に、低μ路では小値に設定され
る。そして、この目標スリップ値になるよう駆動輪の駆
動トルクがトルク制御手段25で制御されるので、駆動輪
のスリップが有効に抑制される。
今、路面状態検出手段23で検出した路面の滑り易さの
度合が正確でなく、高μ路側の場合には、目標スリップ
値が大きく設定される関係上、駆動輪6に作用する駆動
トルクはスリップ収束後も大きく再スリップし易い不安
定な状況である。しかし、この不安定時では、駆動輪の
スリップ値が限界スリップ値を越えると、上記設定した
目標スリップ値が目標スリップ値補正手段26で低く(低
μ路側に)補正されるので、駆動輪6の駆動トルクがト
ルク制御手段25で小さく制御されて安定し、その再スリ
ップが有効に防止されることになる。
また、路面μの誤推定の場合に、誤推定値と実際値と
の偏差が小さい場合には、駆動輪6の回転速度が漸次上
昇し、そのスリップ値が次第に増大する状況となる場合
がある。しかし、この場合には、駆動輪6のスリップ値
が積分され、その設定時間内の積分値が誤推定時に相当
する設定積算値を越えると、上記と同様に目標スリップ
値がその補正手段26により低く(低μ路側に)補正され
るので、駆動輪に作用する駆動トルクが小さく制御され
て安定し、その再スリップが有効に防止されることにな
る。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の自動車のスリップ制御
装置によれば、駆動輪のスリップ発生時に路面μを推定
し、この推定路面μに応じた目標スリップ値になるよう
駆動輪のスリップ値を駆動トルクの調整により制御する
場合、上記推定路面μが高μ路側に誤推定された再スリ
ップし易い不安定時には、上記駆動輪の目標スリップ値
を低く補正したので、駆動輪に作用する駆動トルクを小
さく調整して、駆動輪の再スリップ、及び再スリップを
繰返すハンチングを有効に防止することができるもので
ある。
(実施例) 以下、本発明の実施例を第2図以下の図面に基いて説
明する。
第2図は本発明に係る自動車のスリップ制御装置の全
体概略構成を示す、1はエンジン、2は例えば前進4
段、後退1段の自動変速機であって、該自動変速機2で
変速されたエンジン動力は、変速機2後方に配置した推
進軸3、差動装置4及び後車軸5を介して左右の後輪6,
6に伝達され、該後輪6を駆動輪とし、左右の前輪7,7を
従動輪として構成している。
また、上記エンジン1の吸気通路1aには、吸入空気量
を制御してエンジン出力を調整するスロットル弁10が配
置されている。該スロットル弁10は、アクセルペダル11
とは機械的な連動関係がなく、ステップモータ等で構成
されたスロットルアクチュエータ12により電気的に開度
制御される。
さらに、前後左右の車輪6,7近傍には、各々、車輪の
回転速度を検出する車輪速度センサ13,13…が設けられ
ていると共に、アクセルペダル11の開度を検出する開度
センサ14、ステアリング舵角を検出する舵角センサ15、
車両の加速度を検出する加速度センサ16が設けられてい
る。而して、以上の各センサ13〜16の検出信号は、CPU
等を有するコントローラ(制御装置)20に入力されてい
て、該コントローラ20により、スロットルアクチュエー
タ12でもってスロットル弁10を開度制御してエンジン出
力を制御し、後輪(駆動輪)6のスリップを抑制,防止
するようにしている。
さらに、上記コントローラ20には、左右の駆動輪(後
車輪)6,6に作用するブレーキ油圧を調整するブレーキ
アクチュエータ21が接続され、後車輪6の大きなホイル
スピン(スリップ)時には、エンジン出力の制御に加え
てブレーキ油圧をも制御して、そのスリップを抑制する
ようにしている。
次に、コントローラ20によるスリップ制御を第3図な
いし第13図に基いて説明する。
先ず、第3図のメインフローから説明するに、ステッ
プSM1でイニシャライズした後、ステップSM2で各種デー
タの計測タイミングの場合に限りステップSM3で上記各
センサからの検出信号を入力すると共に、ステップSM4
で駆動輪のホイルスピンを第4図のスピン判定フローに
基いて判定し、ステップSM5でこのスピンの状態を第5
図の状態判定フローに基いて判定する。
その後、ステップSM6でトラクションフラグTRCFの値
でトラクション制御(スリップ制御)中か否かを判別
し、TRCF=0のスリップ制御中でない場合には、ステッ
プSM7でアクセルペダル11の開度に対応した目標スロッ
トル弁開度ATAGを求め、ステップSM8でその値ATAGをス
ロットルアクチュエータへの出力値THRとする。
一方、スリップ制御中の場合には、ステップSM9及びS
M10でホイルスピンの状態をその状態フラグJFの値(JF
=1でスピン発生直後、JF=2でスピン収束直後)で判
別し、スピン発生直後(JF=1)の場合には、ステップ
SM11で路面の摩擦係数μを第6図の路面μ推定フローに
基いて判定し、ステップSM12でスリップ制御開始後の初
回スピン時(初回フラグMF=0)の場合に限りステップ
SM13でスロットル弁開度を即座に大きく減少制御すべ
く、スリップ制御の目標スロットル弁開度TAGETnを所定
の小開度値SMに設定する。一方、スピンが初回でない
(初回フラグMF=1)の場合には、スロットル弁開度を
フィードバック制御すべく、ステップSM14及びSM15で目
標スリップ率を第7図の目標スリップ率決定フローに基
いて演算すると共に、この目標スリップ率に応じた目標
スロットル弁開度TAGETnを第8図の目標スロットル開度
算出フローに基いて算出する。
一方、JF=2のスピン収束直後では、ステップSM16
スロットル弁開度を瞬時に大きく復帰させるべく、今回
の目標スロットル弁開度TAGETnを、前回値TAGETn−1と
所定のリカバリー開度値FTAG(第6図のステップS
C2(後述)で算出される値)との加算値とする。
また、JF≠1,JF≠2の場合には、ステップSMMで上記
第6図で推定した路面μを誤推定の場合を考慮して補正
することとする。
その後は、ステップSM17でスピン発生時での駆動トル
クの過大をブレーキ制御により抑えるべく、第12図のブ
レーキ制御フローに基いてブレーキ制御量TBを算出する
と共に、ステップSM18で第13図のトラクション制御終了
判定フローに基いてスリップ制御を終了するか否かを判
定することとする。
而して、実際にスロットル弁10及び駆動輪6に作用す
るブレーキ油圧を制御すべく、ステップSM19で制御信号
の出力タイミングになった時点で、ステップSM20でスロ
ットル弁開度制御量THRをスロットルアクチュエータ12
に出力すると共に、ステップSM21でブレーキ制御量TB
ブレーキアクチュエータ21に出力し、ステップSM22でス
ピン状態フラグJFをJF=0に、初回フラグMFをMF=1に
各々設定した後に、ステップSM2に戻ることを繰返す。
次に、第4図のスピン判定フローを説明する。先ず、
ステップSA1で右輪及び左輪の前輪速度WFR,WFLの平均速
度WFNを求めると共に、右輪及び左輪の後輪速度WRR,WRL
の平均速度WRNを求め、ステップSA2〜SA4で平均前輪速
度WFNに対する右後輪及び左後輪の速度WRR,WRLのスリッ
プ率Sを最大値(S=1.25)近傍のスピン判定値S1(例
えばS1=1.125)と比較し、双方共にS1以下の場合には
スピンは発生していない良好時であるので、ステップS
A5でスピンフラグSF=0に設定し、右後輪のみがスピン
の場合にはステップSA6でSF=1に、左後輪のみがスピ
ンの場合にはステップSA7でSF=2に、両後輪がスピン
の場合にはステップSA8でSF=3に各々設定し、スピン
フラグSF=1,2,3の各場合には各々ステップSA9〜SA11
トラクションフラグTRCF=1(スピン発生時)に設定し
て、リターンする。
続いて、第5図の状態判定フローを説明する。ステッ
プSB1〜SB3で各々前回及び今回のスピンフラグSFo,SFの
値を判別し、SFo=0且つSF≠0(スピン発生直後)の
場合にはステップSB4で状態フラグJF=1に設定し、SFO
≠0且つSF=0(スピン収束直後)の場合にはステップ
SB5で状態フラグJF=2に設定する。
そして、ステップSB6で今回のスピンフラグの値SFを
前回値SFoとした後、ステップSB7で車両がスタック中か
否かを判定し、スタック中でない場合にはステップSB8
でスタックフラグSTF=0に、スタック中ではステップS
B9でSTF=1に設定する。また、ステップSB10で左右輪
の片側のみにブレーキが作用している(スプリット路の
場合)か否かを判別し、スプリット路でない場合にはス
テップSB11でスプリットフラグSPF=0に、スプリット
路の場合にはステップSB12でSPF=1に各々設定して、
リターンする。
第6図の路面μ推定フローでは、ステップSC1でスリ
ップ発生直後の車両の前後加速度Gの最大値Gmaxを加速
度センサ16の出力に基いて把握し、その後、この最大加
速度Gmaxに基いてステップSC2で路面μに応じた3つの
ゾーンZN1(0G≦Gmax<0.05G)、ZN2(0.05G≦Gmax<0.
15G)、ZN3(0.15G≦Gmax<0.25G(Gは重力の加速
度))に分け、対応するゾーンでのリカバリー開度FTAG
(スピン収束直後の開度増大分)、エンジンの出力制御
における駆動輪の基本目標スリップ率STAO、ブレーキ制
御における駆動輪の基本目標スリップ率STBO、スロット
ル弁開度の増大制御時での開度増大分(バックアップ開
度)BUF、初回スピン発生直後での強制戻し開度SMを、
各々同ステップSC2中でFUZZY制御(あいまい制御)によ
り算出すると共に、スロットル弁開度のフィードバック
制御での比例定数KP、積分定数KIをゾーンに応じた値に
設定して、リターンする。
次に、第7図の推定路面μ補正フローを説明する。ス
テップSJ1でスピンフラグSFの値を判別し、SF≠0(ス
ピン発生時)には路面μの推定時であるから、直ちにリ
ターンする。
また、SF=0(スピン非発生時)には、ステップSJ2
で右側及び左側の駆動輪6,6の各スリップ率SR(=WRR/W
FN),SL(=WRL/WFN)を算出した後、ステップSJ3及びS
J4でこの各スリップ率SR,SLを目標スリップ値STAよりも
大きな限界スリップ値Sμと大小比較し、SR>Sμの場
合、及びSL>Sμの場合には、駆動輪6の不安定時で路
面推定μの誤推定時と判定して、これを補正すべく先ず
ステップSJ5で車両の前後加速度の最大値Gmaxを所定値
Gμだけ減算補正し、その後ステップSJ6で第6図の路
面μ推定フローに進んでこの補正最大加速度Gmaxに応じ
て路面μを再推定して、リターンする。
次に、第8図の推定路面μ補正フローを説明する。先
ずステップSK1でスピンフラグSF≠0(スピン発生時)
の路面μの推定時には、ステップSK2でスリップ率の積
分時間(後述)TZをTZ=0に初期設定してリターンす
る。
また、SF=0(スピン非発生時)には、推定路面μの
補正を行うこととし、ステップSK3及びSK4で右側及び左
側の駆動輪6,6の各スリップ率SR,SLを算出し、この各ス
リップ率SR,SLを各々加算,積分する。
而して、ステップSK5でその積分の続行時間Tzを設定
時間Tsと比較し、Tz<Tsの積分続行時間内の場合にはス
テップSK6でその時間計測を行ってリターンし、Tz=Ts
になると、ステップSK7で積分続行時間TzをTz=0に戻
した後、ステップSK8及びSK9で左右輪のスリップ率の積
分値ΣSR,ΣSLを各々、推定μを補正すべき設定限界積
分値S′μと比較し、ΣSR≦S′μ及びΣSL≦S′μの
場合には、推定路面μは正確であると判断して、ステッ
プSK10でその各積分値ΣSR,ΣSLを零値に戻して、リタ
ーンする。一方、ΣSR>S′μ,ΣSL>S′μの場合に
は、推定路面μの補正の必要時と判断して、ステップS
K11で車両の前後加速度の最大値Gmaxを所定値Gμだけ
減算補正し、ステップSK12で第6図の路面μ推定フロー
に進んでこの補正最大加速度Gmaxに応じて路面μを再推
定して、リターンする。
次に、第9図の目標スリップ率決定フローでは、上記
第6図の路面μ推定フローに基いて算出したエンジンの
出力制御における基本目標スリップ率STAO及びブレーキ
制御における基本目標スリップ率STBOを補正することと
し、ステップSD1でアクセルペダル開度ACCに応じて基準
値(=1)から増大するアクセルペダル補正ゲインACG
を算出し、ステップSD2で車速(従動輪速度WFN)に応じ
て基準値(=1)から減少する車速補正ゲインVGを算出
する。また、ステップSD3ではステアリングの操作量
(舵角)ANGに応じて基準値(=1)から減少する舵角
補正ゲインSTGを算出する。
そして、ステップSD4で上記補正ゲインに基いて各基
本目標スリップ率STAO、STBOを乗算補正し、その演算結
果を各々STA、STBとし、リターンする。
続いて、第10図の目標スロットル弁開度演算フローを
説明する。先ず、ステップSE1〜SE3で左右の駆動輪速度
WRR,WRLのうち高い側の速度を制御対象としての駆動輪
速度SEnとする。
その後、ステップSE4及びSE5で駆動輪速度SEnの車速W
FNに対するスリップ率Sを所定スリップ率S3(例えばS3
=1.02),S4(例えばS4=1.01)と比較し、S>1.02の
場合には、ステップSE6で開度フィードバック制御(PI
−PD制御)によってスロットル操作量(増分)ΔTAGET
を算出する。一方、1.01>Sの場合には、スロットル弁
開度を所定値BUFづつ漸次強制的に増大制御(バックア
ップ制御)すべく、ステップSE7で第6図の路面μ推定
フローにて求めた所定値BUFをスロットル操作量ΔTAGET
として算出する。さらに、1.02≧S>1.01の場合には、
上記バックアップ制御からフィードバック制御への移行
をスムーズに行わせる制御(緩衝制御)を行うよう、ス
テップSE8でスロットル操作量ΔTAGETを算出する。
そして、ステップSE9で今回の目標スロットル弁開度T
AGETnを、前回の目標スロットル弁開度TAGETn−1と、
上記スロットル操作量ΔTAGETとの加算値として算出し
て、リターンする。
また、第11図のエンジン・フィードバック制御フロー
では、ステップSF1でエンジン制御での目標スリップ率S
TAに車速WFNを乗算して目標駆動輪速度STnを算出すると
共に、ステップSF2でこの目標駆動輪速度STnから現在の
駆動輪速度SEnを減算して、制御偏差ENnを算出する。
しかる後、比例定数KP,FP、積分定数KI、微分定数FD
によりステップSF3の如くPI−PD制御によってスロット
ル操作量ΔTAGETを算出して、リターンする。
次に、第12図のブレーキ制御フローに基いて説明する
に、ステップSG1で先ずブレーキ圧の急増圧、急減圧に
起因するショックを防止すべくブレーキ制御量の上限値
(変化幅の最大値)LMを設定する。
しかる後、左右のブレーキ圧のうち、右ブレーキ圧を
制御すべく、右側駆動輪のスリップ率S(=WRR/WFN)
を所定値S5(例えばS5=1.0625)と比較し、S<1.0625
の小スリップ時には、ブレーキ制御を停止することと
し、ステップSG3で右駆動輪のブレーキ制御量TBRを開放
(零値)に設定して、ステップSG4で右ブレーキフラグB
FRをBFR=3(開放時)に設定する。
一方、S≧1.0625の大スリップ時には、ステップSG5
でフィードバック制御(PI−PD制御)によって右側駆動
輪へのブレーキ制御量TBRを算出し、その後、ステップS
G6でこのブレーキ制御量TBRがTBR>0の場合にはブレー
キ増圧時(特にTBR=0では保圧時)と判断し、ステッ
プSG7及びSG8でこの制御量TBRが上限値BLMを越える場合
には上限値BLMに制限して、ステップSG9で右ブレーキフ
ラグBFRをBFR=1(増圧時)に設定する。一方、ブレー
キ制御量TBRがTBR<0の場合にはブレーキ減圧時と判断
し、ステップSG10及びSG11でこの制御量TBRが下限値−B
LMを越える場合には下限−BLMに制限して、ステップS
G12で右ブレーキフラグBFRをBFR=2(減圧時)に設定
する。
そして、その後は、上記と同様にして左側駆動輪のブ
レーキ制御量TBLを算出して、リターンする。
最後に、第13図のトラクション制御終了判定フローを
説明する。
先ずステップSH1でアクセルペダル開度ACCに応じた目
標スロットル弁開度ATAGを求める。
しかる後、ステップSH2でこの目標スロットル弁開度A
TAGの値を判別し、約ATAG=0の場合には、トラクショ
ン制御を終了することとし、ステップSH3〜SH5で各フラ
グをリセットし、スロットルアクチュエータ12への出力
THRを零値とし、これを制御目標値TAGETnとする。
一方、ATAG≠0の場合には、更にステップSH6でアク
セルペダル開度に応じた目標スロットル弁開度ATAGを、
スリップ制御における目標スロットル弁開度TAGETnと大
小比較し、ATAG>TAGETnの場合にはスリップ制御を続行
することとし、ステップSH7及びSH8でこのスリップ制御
における目標スロットル弁開度TAGETnが制御下限値(初
回スピン発生直後での強制低下開度値SM)未満の場合に
は、この下限値SMに制限した後に、ステップSH9でこの
目標スロットル弁開度TAGETnをスロットルアクチュエー
タ12への出力値THRとする。
一方、ATAG≦TAGETnの場合には、アクセルペダル開度
に応じた目標開度値ATAGでスロットル弁10を制御すべ
く、ステップSH10でこの値ATAGを出力値THRとして、こ
れを制御目標値TAGETnとする。
そして、ステップSH12で今回の制御目標値TAGETnを前
回の制御目標値TAGETn−1として、リターンする。
よって、第4図のスピン判定フローにおいて、ステッ
プSA1及びSA2により、車速WFN(路面に対する車両の速
度)を検出し、この車速WFNに対する左右の駆動輪6,6の
スリップ値(スリップ率S)を検出するようにしたスリ
ップ検出手段22を構成している。また、第6図の路面μ
推定フローにより、スリップ発生時の車両の前後加速度
最大値Gmaxに基いて路面μのゾーンZN1〜ZN3を判別し
て、路面の滑り易さの度合を検出する路面状態検出手段
23を構成している。
また、第3図の制御フローのステップSM9,SM11、第4
図のスピン判定フロー、第5図の状態判定フロー、第6
図の路面μ推定フローでの基本目標目標スリップ率STAO
の算出、及び第7図の目標スリップ率決定フローによ
り、上記スリップ検出手段22及び路面状態検出手段23の
出力を受け、駆動輪6のスリップ率(スリップ値)Sが
スリップ判定値S1に対しS>S1となるスリップ発生時
に、そのスリップ発生直後での路面μのゾーン(路面の
滑り易さの度合)毎にスリップ発生時の最大前後加速度
Gmaxに応じて、基本目標スリップ率STAO(目標値)を、
路面が滑り難いほど最大値STAO=1.20に向けて大きく設
定し、路面が滑り易いほど最小値STAO=1.03に向けて小
さく設定するようにした目標スリップ値設定手段24を構
成している。
さらに、第3図の制御フローにおいて、ステップSM6,
SM15,SM19,SM20により、上記目標スリップ値設定手段22
及び上記スリップ検出手段23の出力を受け、TRCF=1
(駆動輪のスリップ率S>スピン判定値S1)のスリップ
時には、駆動輪6のスリップ値(スリップ率S)が目標
値(目標スリップ率STA)になるよう、先ず目標スロッ
トル弁開度TAGETnを演算し、スロットル弁10の開度を該
目標スロットル弁開度ΔTAGETnに調整するよう制御して
エンジン出力を調整して、駆動輪6に作用する駆動トル
クを制御するようにしたトルク制御手段25を構成してい
る。
加えて、第7図及び第8図の推定路面μ補正フローに
より、上記スリップ検出手段22及び目標スリップ値設定
手段24の出力を受け、駆動輪6のスリップ率S(スリッ
プ値)が目標スリップ値STAよりも大きな限界スリップ
値Sμを越えるとき、又は設定時間Ts内での左右の駆動
輪のスリップ率SR,SLの積算値ΣSR,ΣSLが設定限界値
S′μを越えるとき、スリップ発生時の最大前後加速度
Gmaxを減算補正し、この補正後の加速度Gmaxに基いて第
6図の路面μの推定を再び行って、上記目標スリップ値
設定手段24で設定した目標スリップ値STAを低く補正す
るようにした目標スリップ値補正手段26を構成してい
る。
したがって、上記実施例においては、駆動輪6のスリ
ップ制御中では、第14図に示す如く、駆動輪6の回転速
度が上昇し記号Aで示す如くそのスリップ率Sがスピン
判定値S1以上になって駆動輪6にスリップが生じると、
スロットル弁10の開度が小開度値SMにまで大きく低下制
御され、それに伴いS<S1に戻るとリカバリー開度値FT
AGだけ瞬時に復帰制御された後、駆動輪6のフィードバ
ック制御(PI−PD制御)が行われる。そして、駆動輪の
スリップ率Sが目標値未満に大きく低下するのを抑制す
べく、緩衝制御、バックアップ制御が順次行われ、駆動
輪の回転速度が上昇し始めると、それ以後は緩衝制御を
経てフィードバック制御(PI−PD制御)が行なわれ、そ
の結果、駆動輪6のスリップ率Sは目標スリップ率STA
に良好に収束する。
そして、アクセルペダル踏込み開度が減少し、同図に
記号Bで示す如くアクセルペダル対応の目標スロットル
弁開度ATAGnがスリップ制御の目標スロットル弁開度TAG
ETn以下(ATAGn≦TAGETn)の状況になって、スロットル
弁開度がアクセルペダル対応の目標スロットル弁開度AT
AGに制御された後、アクセルペダル11が全閉にされた時
点で、駆動輪6のスリップ制御が停止される。以上が本
実施例での駆動輪6のスリップ制御の基本動作である。
次に、本発明の特徴的な作動を説明する。今、スロッ
トル弁開度によるスリップ制御中において、推定路面μ
が高μ路側に誤推定されている場合には、第15図に破線
で示す如く、駆動輪6の回転速度は変動してスリップし
易く、遂には記号Dで示す時点でスピン判定値S1を越え
て再スリップが発生することを繰返すハンチングが生じ
ることになる。しかし、本発明では、駆動輪6のスリッ
プ率Sが限界スリップ値Sμ(Sμ<S1)を越えた時点
(記号Eで示す時点)で、最大加速度Gmaxが減少補正さ
れて路面μの推定が再度行われ、これに伴い基本目標ス
リップ率STAOが小さく補正されて、目標スリップ率STA
が小さく変更されるので、目標スロットル弁開度TAGETn
もその分だけ小開度値になってエンジン出力が低下し、
駆動輪6に作用する駆動トルクが減少し、その結果、駆
動輪6の回転速度は図中実線で示す如く安定して、その
再スリップ、及びその再スリップを繰返すハンチングが
有効に防止されることになる。しかも、上記最大加速度
Gmaxの減少補正に伴い、スロットル弁開度のフィードバ
ック制御における比例定数KP,積分定数KIも小値に変更
されて(第6図参照)、スロットル弁開度の変化がより
微細になるので、駆動トルクの変化が一層滑かになっ
て、再スリップの発生が一層防止される。
また、上記の如き路面μの誤推定状態において、路面
μの実際値との偏差が微細な場合には、第16図に示す如
く駆動輪6の回転速度が漸次上昇してそのスリップ率S
が次第に大きくなる。この場合には、設定時間TS間での
左右の駆動輪6,6のスリップ率SR,SLが積分され、その値
ΣSR,ΣSL(同図で斜線で囲む面積)が設定積分値S′
μを越えた時点で、上記と同様に最大加速度Gmaxが減少
補正されて目標スリップ率STAの設定が補正,変更され
るので、駆動輪6に作用する駆動トルクが減少し、駆動
輪6の回転状態が安定して、その再スリップが有効に抑
制されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック図である。第2図
ないし第16図は本発明の実施例を示し、第2図は全体概
略構成図、第3図ないし第13図はコントローラによる駆
動輪のスリップ制御を示すフローチャート図、第14図な
いし第16図は作動説明図である。 1……エンジン、6……駆動輪、10……スロットル弁、
11……アクセルペダル、12……スロットルアクチュエー
タ、20……コントローラ(制御装置)、22……スリップ
検出手段、23……路面状態検出手段、24……目標スリッ
プ率設定手段、25……トルク制御手段、26……目標スリ
ップ値補正手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪に作用する駆動トルクを制御して駆
    動輪の路面に対するスリップ値が最大になるのを防止す
    るようにした自動車のスリップ制御装置であって、駆動
    輪の路面に対するスリップ値を検出するスリップ検出手
    段と、路面の滑り易さの度合を検出する路面状態検出手
    段と、該両検出手段の出力を受け、駆動輪のスリップ値
    が設定値以上となる駆動輪のスリップ時に、路面の滑り
    易さの度合に応じて駆動輪の路面に対するスリップ値の
    目標値を路面が滑り難いほど大きく設定する目標スリッ
    プ値設定手段と、該目標スリップ値設定手段及び上記ス
    リップ検出手段の出力を受け、駆動輪のスリップ値が目
    標スリップ値になるよう駆動輪の駆動トルクを制御する
    トルク制御手段と、上記スリップ検出手段及び目標スリ
    ップ値設定手段の出力を受け、駆動輪のスリップ値が目
    標スリップ値よりも大きな限界スリップ値を越えると
    き、又は設定時間での駆動輪のスリップ値の積分値が設
    定限界値を越えるとき、上記目標スリップ値設定手段で
    設定した目標スリップ値を低く補正する目標スリップ値
    補正手段とを備えたことを特徴とする自動車のスリップ
    制御装置。
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