JP2664333B2 - 超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法 - Google Patents

超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄損が極めて低い方向
性電磁鋼板の製造法に関するものである。特にその表面
にフォルステライト(以下、グラスという)被膜を形成
させずに二次再結晶工程(仕上焼鈍工程)を完了させ、
その後、磁区細分化、張力コーティング等の処理を行
い、鉄損特性の改善を図る方向性電磁鋼板の製造法であ
る。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、電気機器の磁気鉄芯
として多用され、エネルギーロスを少なくすべく、改善
が繰り返されてきた。方向性電磁鋼板の鉄損を低減する
手段として、仕上焼鈍後の材料表面にレーザービームを
照射し局部歪を与え、それによって磁区を細分化して鉄
損を低下させる方法が例えば特開昭58−26405号
公報に開示されている。また、応力除去焼鈍しても磁区
細分化効果が消失しない手段が、例えば特開昭62−8
617号公報に開示されている。これらの技術により鉄
損レベルは極めて良好なものとなってきたが、さらに鉄
損値の低減を図るためには鋼板表面近傍の磁区の動きを
阻害する地鉄表面の凹凸を取り除くこと(平滑化)が重
要であるとの認識が生まれてきた。しかしながら、珪素
鋼板を通常の製造工程で処理した場合、仕上焼鈍後の鋼
板表面にはグラス被膜が生成されており、表面平滑化の
ためにはグラス被膜を除去する必要がある。
【0003】グラス被膜を除去する方法としては酸洗等
の技術が古くからあり、その後表面平滑化する方法とし
て特開昭64−83620号公報に開示されている化学
研磨、電解研磨等がある。平滑な表面を得るために、一
度生成されたグラス被膜を除去しさらに化学研磨・機械
研磨等を行うことは種々の困難を伴う。グラス被膜は地
鉄中にその根を深くおろしているため、酸洗によって除
去しなければならない量は鋼板板厚で1μm以上もあり
生産性が極めて悪い。さらに酸洗設備設置に伴い例えば
薬剤濃度管理、排水処理等の環境問題等もある。
【0004】一方、一度生成されたグラス被膜を除去す
るのでなく、仕上焼鈍時にグラス被膜を生成させない方
法として、U.S.Patent 3785882に開
示されるAl、特公昭56−3414号公報に開
示される含水珪酸塩鉱物粉末等、SiOと反応しない
焼鈍分離剤を用いる方法がある。この方法は、生成した
グラス被膜を酸洗除去する方法よりも優れている。しか
しながら、この方法においても脱炭焼鈍時に形成された
SiO等の酸化物が表面に残存するため、表面を平滑
化するために化学研磨・機械研磨等の処理が必要であ
る。化学的方法においては、前述の酸洗と同じく薬剤濃
度管理、排水処理等の環境問題があり、また機械研磨等
物理的方法においては工業的に大きな面積を持つ表面を
同一基準で平滑化することに困難がある。さらに特開昭
64−62417号、特開平2−228481号公報に
開示される、塩化物を焼鈍分離剤中に添加し仕上焼鈍時
にMgOとSiOとの反応を抑制する方法がある。こ
の方法は現在のところ最も工業的に優れているが、薄い
酸化膜が残存する点、得られる表面粗度が化学研磨を用
いた場合よりも粗い点が鉄損低減の妨げとなっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来法におけ
る上記問題を解消した、電磁鋼板の表面を平滑化し低鉄
損を得るための工業的手段を提供することを目的とす
る。本発明は、珪素鋼の仕上焼鈍において脱炭焼鈍時に
形成された酸化被膜を除去し、かつ鋼板表面を平滑化し
た後に張力被膜付与あるいは磁区細分化を施すことによ
り鉄損を極限まで低減した超低鉄損方向性電磁鋼板の製
造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の塩
素を含む化合物を焼鈍分離剤中に添加し、仕上焼鈍中の
鋼板表面の酸化膜が除去される過程を詳細に調査した。
その結果、添加される塩化物がBi(ビスマス)の塩化
物である場合に限って、かつ添加量が塩素重量部で0.
2部以上の場合に仕上焼鈍後の鋼板表面が鏡面のように
平滑化されることを見いだした。さらに発明者等は検討
を加えたところ、Biを含む化合物と金属の塩化物を焼
鈍分離剤に添加すれば同様の効果が得られることが分か
った。これらの方向性電磁鋼板の鉄損特性は酸洗してグ
ラス被膜を除去したもの、特開昭64−62417号、
特開平2−228481号公報に開示される塩化物を用
いて酸化膜を除去したものに比べて低くなることを見い
だし本発明を完成させた。
【0007】本発明の要旨とするところは、重量%で、
2〜7%のSiを含有する珪素鋼スラブを熱延し、必要
に応じて焼鈍を施し、1回の冷延または中間焼鈍を挟む
2回以上の冷延を行い、脱炭焼鈍後焼鈍分離剤を塗布、
乾燥し仕上焼鈍を行う方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、ビスマスの塩化物を焼鈍分離剤100重量部に対し
て、塩素重量部で0.2重量部以上15重量部以下を含
む焼鈍分離剤を用いて仕上焼鈍する、またはビスマス単
体あるいはビスマスの化合物及び金属の塩素化合物を含
む焼鈍分離剤を用いて仕上焼鈍するところにある。ビス
マスの化合物としては、酸化ビスマス、水酸化ビスマ
ス、硫化ビスマス、硫酸ビスマス、リン酸ビスマス、炭
酸ビスマス、硝酸ビスマス、有機酸ビスマス、ハロゲン
化ビスマスの1種あるいは2種以上の混合物が有効であ
る。
【0008】また、金属の塩素化合物としては沸点ある
いは昇華点が183℃以上である塩素化合物を用いる、
特に塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル等が有効であ
る。添加量は焼鈍分離剤100重量部に対して、塩素重
量部で0.2部以上15部以下含めることが必要であ
る。仕上焼鈍後、焼鈍分離剤を除去し、磁区細分化処理
及び張力被膜を付与することにより、鉄損は極小とな
る。この技術による仕上焼鈍後の鋼板表面は、グラス被
膜を酸洗除去しさらに化学研磨を行った鋼板表面と同等
の平滑度を示す。磁壁の移動に対して障害となるような
表面の凹凸がない、磁気的に理想的な表面になる。
【0009】ここでいう焼鈍分離剤とは、1200℃ま
での温度域で凝結せずかつ鉄とも焼き付かない公知の高
融点化合物、例えば酸化物、窒化物等を指す。中でもB
aO,CaO,MgO,SrO等アルカリ土類金属の酸
化物及びAlは、工業的に利用価値が高い。ま
た、ビスマスの塩化物とはBiCl,BiOCl,Bi
Cl等を指す。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。珪
素鋼中の珪素は極めて酸化されやすく、通常の仕上焼鈍
では鋼板表面にグラス被膜が形成される。発明者らは、
仕上焼鈍中にグラス被膜を形成させない方法の中でまず
特開昭64−62417号、特開平2−228481号
公報に開示される塩化物を焼鈍分離剤中に添加し仕上焼
鈍時にMgOとSiOとの反応を抑制する方法を検討
した。しかしながらこの技術は、鋼板表面のグラス被膜
除去による打抜性改善を目的としていたため、充分な表
面平滑度・鉄損が得られるものではなかった。
【0011】本発明者等は、種々の金属塩化物を焼鈍分
離剤中に添加し、仕上焼鈍中の鋼板表面を詳細に調査し
た。その結果、添加される物質がビスマスの塩化物で
ある場合、及びA群:ビスマス単体あるいはビスマス
の化合物及びB群:金属の塩素化合物とするときA群及
びB群両方を含む場合に限って、かつ添加量が塩素重量
部で0.2部以上の場合に、酸化膜はその根ごと除去さ
れること、引き続く高温焼鈍中に表面が平滑化されるこ
とを見いだした。
【0012】酸化膜が除去され、表面が鏡面状態になる
機構についてはまだ明らかではないが、我々は次のよう
に考えている。A群:ビスマス単体あるいはビスマスの
化合物及びB群:金属の塩素化合物とするときA群及び
B群両方を含む焼鈍分離剤では少なくとも183℃以上
でBiの塩化物:BiOClを形成する。このBiOC
lは仕上焼鈍の昇温中にBiClの蒸気を発生しつつ
分解する。BiClは平衡解離塩素分圧が高いので、
コイル板間で容易にClガスを発生する。Clガスは鋼
板表面の酸化層を拡散し、地鉄に達するとFe+2Cl
→FeClの反応に従ってFeClの蒸気を発生す
る。
【0013】酸化膜/地鉄界面である体積のFeCl
ガスが生成されると、酸化層と地鉄が剥離する。地鉄表
面は酸化層と分離するため、表面Fe原子の移動が容易
になり1000℃以上の高温で鏡面状態になるものと推
測している。Biの塩化物を用いるときも同様で、Bi
の塩化物を水と混合させ、乾燥するとBiOClを形成
する。以下、前記同様の反応により鏡面化すると推測し
ている。
【0014】B群:金属の塩素化合物に用いる金属の塩
化物は、沸点あるいは昇華点が183℃以上あることが
必要である。これは塩化第2スズ(SnCl)のよう
に低い沸点(114℃)ではA群と反応する以前にガス
化して体積が増大し消失してしまうからである。有効な
塩化物としては塩化鉄(FeCl,FeCl)、塩
化コバルト(CoCl,CoCl)、塩化ニッケル
(NiCl)、塩化アンチモン等があり、これらは混
合して用いても良い。なお、塩化アルミニウム(AlC
)昇華点:183℃、三塩化アンチモン(SbCl
)沸点:221℃、塩化ニッケル(NiCl)沸
点:993℃、塩化鉄(FeCl)沸点:1024
℃、塩化コバルト(CoCl)沸点:1049℃であ
り、鏡面化に有効である。
【0015】A群:ビスマス単体あるいはビスマスの化
合物は、Bi元素が含まれれば良く、特にビスマスの化
合物が、Bi粉末、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硫
化ビスマス、硫酸ビスマス、リン酸ビスマス、炭酸ビス
マス、硝酸ビスマス、有機酸ビスマス、ハロゲン化ビス
マスの1種あるいは2種以上の混合物が有効である。
【0016】添加物が塩素重量部で0.2部よりも少な
い場合には、コイル幅方向全域に渡って酸化膜を除去す
ることができない。添加量を多くしても板間に存在し得
るClガスの体積は一定であるので、余分に添加された
BiClはコイル板間より流出し、効果を持たない。
また、仕上焼鈍中に鋼板焼き付きが発生しないために
は、ビスマス塩化物が蒸発した後に分離剤がある程度残
存していることも必要である。従って、Bi塩化物の添
加量の上限は、塩素重量部で15部とした。
【0017】本発明により得られる鋼板表面は鏡のよう
な光沢を保ち、従来のアルカリ金属及びアルカリ土類金
属の塩化物を利用する技術に比べて、鋼板表面の平滑度
が良くなり鉄損が低減される。本発明は低鉄損を得るこ
とを目的とするものであるが、それ以外の目的で、例え
ば二次再結晶を安定化する等の目的でビスマスの塩化物
以外の化合物すなわち窒化物、硫化物等を添加しても良
い。分離剤の塗布方法は公知の方法で良く、特に限定し
ない。水へ添加・撹拌して塗っても、静電塗布しても良
い。
【0018】本発明に供される方向性電磁鋼板は、公知
の方法によって鋳造、熱延、冷延、焼鈍を施される電磁
鋼板である。低鉄損を得る目的でSiを2%以上7%以
下添加したスラブを用いる。上限は工業的に圧延が可能
なSi量であり、下限は鏡面化を生じさせ得る高温仕上
焼鈍で変態を生じさせないSi量である。仕上焼鈍まま
の状態では、鋼板表面は金属面が露出しているため、板
と板を積層したときの板間の絶縁を保つために公知の方
法により絶縁張力被膜を付与する。占積率を高めるため
にPVD,CVD,イオンプレーティング等の薄手高張
力被膜を形成する技術を用いても良い。
【0019】さらに鉄損を低減するために、張力被膜を
形成した後に公知の磁区細分化技術を併用する。この組
み合わせ技術により極めて低い鉄損を得ることができ
る。図1の(a)は従来法で酸洗した鋼板表面と、
(b)は本発明により得られる鋼板表面の写真(倍率×
1)である。本発明材の表面が黒く見えるのは、表面が
鏡のように平滑で光の反射率が高いためである。一方、
従来の酸洗では表面が荒れるため光が散乱し白く見えて
いる。本発明により得られる鋼板表面が、従来の酸洗技
術により得られる表面と全く異なることがわかる。
【0020】
【実施例】
(実施例1) C:0.04%、Si:3.25%、Mn:0.15
%、S:0.007%、Al:0.027%、N:0.
007%を含むスラブを、1150℃で加熱後熱延し、
1.8mmの熱延板とした。1120℃で熱延板を焼鈍
後0.16mmまで冷延し、830℃で脱炭焼鈍を行っ
た。表1に示す組成の焼鈍分離剤をスラリー状で塗布
し、1200℃で20時間の仕上焼鈍を行った。塩素化
合物の添加は、塩素重量部で、すべて1.5重量部であ
る。
【0021】焼鈍後鋼板表面を水洗し、グラス被膜が形
成されたものは硝酸によりこれを除去し歪取焼鈍後、単
板で磁気測定を行った。結果を表1に示す。本発明技術
によれば、仕上焼鈍後酸洗で酸化膜を除去するよりも低
い鉄損が得られることがわかる。これは前述したように
表面が平滑になったことによって、磁壁移動が容易にな
ったためと考えている。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)実施例1の素材に、リン酸ア
ルミニウムとコロイダルシリカを主成分とする溶液を塗
布・乾燥し、張力被膜を形成した。単板で磁気測定を行
った結果を表2に示す。張力被膜形成により鉄損が改善
されるが、本発明ではその到達鉄損値が最も低い。表面
が平滑化され磁壁移動が容易になった効果は、張力被膜
形成後も残っている。
【0024】
【表2】
【0025】(実施例3)実施例2の素材の圧延方向と
直角方向に、5mmの間隔でレーザー照射した。単板で
磁気測定を行った結果を表3に示す。張力被膜形成後の
レーザー照射により鉄損がさらに改善されるが、本発明
ではその到達鉄損値が最も低い。表面が平滑化され磁壁
移動が容易になった効果は、張力被膜形成・レーザー照
射による磁区細分化後も残っている。
【0026】
【表3】
【0027】(実施例4)実施例1中No.1と6につ
いて分離剤を水洗除去した後、エッチングにより鋼板圧
延方向と直角方向に4mm間隔で深さ7μmの溝を形成
した。引き続きリン酸アルミニウムとコロイダルシリカ
を主成分とする溶液を塗布・乾燥し、張力被膜を形成し
た素材について単板で磁気測定を行った。結果を表4に
示す。溝形成による磁区細分化後も、表面が平滑化され
磁壁移動が容易になった効果が残ることがわかる。
【0028】
【表4】
【0029】(実施例5)実施例1中No.1と6につ
いて分離剤を水洗除去した後、歯車型ロールにより板表
面に圧延方向と直角方向に破線状の凹部を形成した。引
き続きリン酸アルミニウムとコロイダルシリカを主成分
とする溶液を塗布・焼鈍した。焼鈍温度は800℃であ
る。単板磁気測定結果を表5に示す。凹部形成後の焼鈍
で導入された異方位微小粒による磁区細分化後も、表面
が平滑化され磁壁移動が容易になった効果が残ることが
わかる。
【0030】
【表5】 (実施例6)C:0.05%、Si:3.3%、Mn:
0.14%、S:0.007%、Al:0.028%、
N:0.008%を含むスラブを、1150℃で加熱後
熱延し、1.8mmの熱延板とした。1120℃で熱延
板を焼鈍後0.16mmまで冷延し、830℃で脱炭焼
鈍を行った。表6に示す組成の焼鈍分離剤をスラリー状
で塗布し、1200℃で20時間の仕上焼鈍を行った。
焼鈍分離剤はマグネシア(MgO):100重量部に対
して、Biの化合物:5重量部、金属の塩素化合物:5
重量部である。仕上焼鈍後の素材に、リン酸アルミニウ
ムとコロイダルシリカを主成分とする溶液を塗布・乾燥
し、張力被膜を形成した。
【0031】さらに圧延方向と直角方向に、5mmの間
隔でレーザー照射した。単板で磁気測定を行った結果を
表6に示す。本発明例ではその到達鉄損値が低い。表面
が平滑化され磁壁移動が容易になった効果は、張力被膜
形成・レーザー照射による磁区細分化後も残っている。
【0032】
【表6】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、一度生成されたグラス
被膜を酸洗する必要がなくかつグラス被膜を酸洗したも
のよりも優れた鉄損値が得られるので工業的価値は極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来法で酸洗した鋼板表面写真(倍率
×1)、(b)は本発明例により得られる鋼板表面の写
真(倍率×1)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 建一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 昭61−204314(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で2〜7%のSiを含有する珪素
    鋼スラブを熱延し、必要に応じて焼鈍を施し、1回の冷
    延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷延を行い、脱炭焼
    鈍後焼鈍分離剤を塗布、乾燥し仕上焼鈍を行う方向性電
    磁鋼板の製造方法において、焼鈍分離剤100重量部に
    対して、ビスマスの塩化物を、塩素重量部で0.2部以
    上15部以下含めることを特徴とする超低鉄損方向性電
    磁鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】 仕上焼鈍を施した後に、焼鈍分離剤を除
    去し、絶縁張力被膜を表面に形成することを特徴とする
    請求項1記載の超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  3. 【請求項3】 絶縁張力被膜形成後、鋼板表面にレーザ
    ービーム、電子ビーム、プラズマ放電から選んだ1種ま
    たは2種以上のビームを、コイル幅方向に線状または断
    続した線状に照射し磁区の細分化することを特徴とする
    請求項2記載の超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  4. 【請求項4】 仕上焼鈍を施した後に、焼鈍分離剤を除
    去し、次いで圧延方向を横切って延びる連続または断続
    した線状に鋼板表面の地鉄の一部を除去し、さらに鋼板
    表面に張力被膜を形成することを特徴とする請求項2記
    載の超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  5. 【請求項5】 仕上焼鈍を施した後に、焼鈍分離剤を除
    去し、次いで鋼板表面に圧延方向を横切って延びる連続
    または断続した線状の金属メッキを施した後、さらに鋼
    板表面に張力被膜を形成することを特徴とする請求項2
    記載の超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  6. 【請求項6】 仕上焼鈍後焼鈍分離剤を除去し、次いで
    鋼板表面に押圧により凹部を形成した後、張力被膜を7
    50℃以上の温度で形成することを特徴とする請求項2
    記載の超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  7. 【請求項7】 Si:2〜7重量%を含む珪素鋼スラブ
    を熱延後、必要に応じて焼鈍し、1回の冷延または中間
    焼鈍を挟む2回以上の冷延を行い、脱炭焼鈍後、焼鈍分
    離剤を塗布、乾燥して仕上焼鈍を行う方向性電磁鋼板の
    製造方法において、ビスマス単体あるいはビスマスの化
    合物及び金属の塩素化合物を含む焼鈍分離剤を用いるこ
    とを特徴とする超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  8. 【請求項8】 ビスマスの化合物としては、酸化ビスマ
    ス、水酸化ビスマス、硫化ビスマス、硫酸ビスマス、リ
    ン酸ビスマス、炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、有機酸ビ
    スマス、ハロゲン化ビスマスの1種あるいは2種以上の
    混合物を用いることを特徴とする請求項7記載の超低鉄
    損方向性電磁鋼板の製造法。
  9. 【請求項9】 沸点あるいは昇華点が183℃以上であ
    る金属の塩素化合物を用いることを特徴とする請求項7
    または8記載の超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  10. 【請求項10】 金属の塩素化合物として塩化鉄、塩化
    コバルト、塩化ニッケルの1種あるいは2種以上の混合
    物を用いることを特徴とする請求項7または8記載の超
    低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  11. 【請求項11】 仕上焼鈍後、焼鈍分離剤を除去し、張
    力被膜を付与することを特徴とする請求項7乃至10の
    いずれかに記載の超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  12. 【請求項12】 仕上焼鈍後、焼鈍分離剤を除去し、磁
    区細分化処理をすることを特徴とする請求項7乃至10
    のいずれかに記載の超低鉄損方向性電磁鋼板の製造法。
  13. 【請求項13】 仕上焼鈍後、焼鈍分離剤を除去し、磁
    区細分化処理及び張力被膜を付与することを特徴とする
    請求項7乃至10のいずれかに記載の超低鉄損方向性電
    磁鋼板の製造法。
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