JP2663950B2 - 記録紙搬送機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 電子写真画像記録装置の記録紙搬送機構に関し、 簡単な構造で、転写ムラの無い高品質な画像を得るこ
とを目的とし、 グリッパに記録紙の先端部を把持して搬送する記録紙
搬送機構において、グリッパの取りつけ周期に等しい周
長であり、グリッパと干渉しない大きさの凹部を設けた
記録紙搬送ベルトにより、記録紙をトナー像形成媒体に
接触する高さに支持し、該凹部とグリッパの位置を同期
させて回転させるように構成する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は電子写真画像記録装置の記録紙搬送機構に関
する。

〔従来の技術〕

第２図は４つの感光ドラムを用いたカラー画像装置の
一例を示すもので、１は記録紙カセット、２は繰り出し
ローラ、３はレジストローラ、４はグリッパ、５はグリ
ッパを搬送するベルト、６はベルト５の駆動プーリであ
る。記録プロセスはそれぞれ同一の部材で構成されてお
り、10は感光ドラム、11は帯電器、12は露光系、13は現
像機、14は転写器、15はクリーナである。これらは４組
（Ｉ〜IV）並置され、右から順にYMCKのカラートナー像
を形成、記録紙16に重ね転写することによりカラー記録
を行う。この後、記録紙は定着装置20へ送られ、定着ロ
ーラ21、加圧ローラ22から与えられる熱と圧力によって
トナー像は記録紙上に定着される。

このようなマルチドラム型カラー記録装置では、記録
速度を速くすることが容易である反面、記録紙上での各
色のトナー像の転写位置を合わせる事が困難であり、記
録紙を精度良く安定に搬送することが大きな課題となっ
ている。

マルチドラム型カラー画像記録装置の記録紙搬送機構
には、第３図のように記録紙の搬送方向に回転移動する
ベルト５を記録紙16の幅方向両側に配置し、これらのベ
ルト５の間にまたがって取りつけられたグリッパ４で記
録紙16の先端をつかんで保持し搬送をおこなう機構があ
る。従来のこのような機構では、記録紙16の先端はグリ
ッパ４によって感光ドラム面に設する高さに支持され、
また、記録紙16の後端はグリッパ搬送ベルト間に張り渡
された絶縁性ワイヤ17によって、垂れ下がらないように
支持されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、このようなワイヤ付きベルトは形状が
複雑で製造性が悪く、ベルト間にワイヤをたるみなく張
って回転させるのは非常に困難である。記録紙が各感光
ドラム間でたるむと、記録紙へのトナー像の転写位置が
安定せず、各色の重ね合わせがずれ、良好なカラー画像
が得られない。

また、トナー像を転写する記録紙の裏側にワイヤが接
触するところと接触しないところとで、転写電界の加わ
り方が不均一になり、転写ムラを生じて画質の低下を招
く。

また、感光ドラムへの現像幅よりも幅のせまい記録紙
を用いたり、紙づまり等によって記録紙が停止したりし
て、ワイヤと感光ドラムの間に記録紙が存在しないとき
に転写電界が加わった場合、感光ドラム上のトナーがワ
イヤに転写されてワイヤが汚れる。ワイヤの汚れは後に
搬送する記録紙の裏側を汚す。これを防止するため、ワ
イヤを毎回清掃するクリーニング手段が必要となり、装
置が複雑になるという問題があった。

本発明は上記従来の問題点に鑑み、簡単な構造で、転
写ムラの無い高品質な画像を得ることができる記録紙搬
送機構を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明の記録紙搬送機構
は、グリッパ４に記録紙16の先端部を把持して搬送する
記録紙搬送機構において、グリッパ４の取り付け周期に
等しい周長であり、グリッパ４と干渉しない大きさの凹
部30aを設けた記録紙搬送ベルト30により記録紙16をト
ナー像形成媒体（感光ドラム）10に接触する高さに支持
し、該凹部30aとグリッパ４の位置を同期させて回転さ
せることを特徴とする。

〔作 用〕

グリッパ４と同期して回転し、該グリッパ４が収まる
凹部30aを有する記録紙搬送ベルト30により記録紙16を
支持することにより、記録紙16を適正な位置に支持し精
度よく安定に搬送することができる。また転写部では記
録紙と転写器との間に介在するものがないので、転写電
界を均一に加えることができ、高品質な画像が得られ
る。また、記録紙搬送ベルト30は感光ドラム10に接触し
ないので、トナー汚れ防止のためのベルトのクリーナー
は必要なく、装置を簡単な構成で小型にすることが可能
である。

〔実施例〕

第１図は本発明の実施例を示す図であり、（ａ）は電
子写真画像記録装置に組込まれた状態を示す図、（ｂ）
はａ図の要部拡大図である。

本実施例は同図に示すように、YMCKのカラートナー像
を形成する各感光ドラム10に沿ってプーリ6,6間にグリ
ッパ搬送ベルト５が掛け渡され、該グリッパ搬送ベルト
５には複数個のグリッパ４が一定の間隔で取り付けられ
ている。このグリッパ搬送ベルト５は歯付きのタイミン
グベルトで構成されており、記録紙搬送方向に対して左
右両側に設けられ、グリッパ４の両端を支持して搬送し
ている。また、グリッパ４の取りつけ間隔は各グリッパ
間に記録紙16の全長を収容出来る距離が必要であり、記
録装置の使用する記録紙の最大長に応じて決定されてい
る。記録紙16は転写時に感光ドラム10に接触する必要が
あり、グリッパ４は感光ドラム10との干渉を避けねばな
らない。このため、記録紙16はグリッパ４の上面にほぼ
一致する位置に把持される。

30は記録紙搬送ベルトで、その周長はグリッパ４の取
りつけ間隔の長さに等しくなっている。記録紙搬送ベル
ト30は歯付きのタイミングベルトの背面に低硬度のゴム
スポンジを張り合わせることにより、肉厚を増してい
る。記録紙搬送ベルト30の一部には、ゴムスポンジの無
い、外周が凹んだ部分30aがある。この凹部30aはグリッ
パ４が長さ、厚さ、共に収まる大きさになっている。記
録紙搬送ベルト30は、各感光ドラム10に対応する転写器
14の間に設けられ、上側に平面をつくるよう、プーリ31
で張られている。

グリッパ搬送ベルト５と記録紙搬送ベルト30は等しい
速度で回転する。ベルト30が直線で搬送される部分は、
ベルトの肉厚に関係なく、駆動プーリ31のピッチ円半径
と回転速度によって決まるため、グリッパ搬送ベルト５
と記録紙搬送ベルト30の速度は各ベルトの駆動軸を、駆
動プーリの歯数に応じて一定の速度比で回転させれば容
易に一致させることができる。記録紙搬送ベルト30の上
面は、先端をグリッピ４で把持された記録紙16の後部が
垂れ下がらないよう支持する高さに調整されている。グ
リッパ４は記録紙搬送ベルト30の凹部30aに丁度合う位
置にあり、両者は同じ周期で搬送されるため、干渉する
ことはない。

転写部では、記録紙16を下側から支持するものはな
く、転写電界が一様に加わるため、転写ムラのない高品
質の画像が得られる。転写部で、記録紙搬送ベルト30に
よって下側から支持されない部分は充分短く、また記録
紙30が存在する時にはつねに転写電界が加わるため、記
録紙30は感光ドラム10に静電吸着し、垂れ下がることは
ない。

また、記録紙搬送ベルト30は各転写部の間にあり、感
光ドラム10に接していないため、トナーが転写して汚れ
ることがなく、ベルトのクリーニングは不要である。

〔発明の効果〕

以上説明した様に、本発明によれば、グリッパ搬送ベ
ルトに同調して回転し、且つグリッパが収まる大きさの
凹部を有する記録紙搬送ベルトを設けたことにより、記
録紙の搬送を精度よく安定させることができ、印字ずれ
や転写むらのない高品質の画像が得られる。

またトナー汚れ防止のためのベルトのクリーナを必要
としないため装置を簡単な構成で小型化することが可能
となる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の実施例を示す図、 第２図は従来のカラー記録装置を示す図、 第３図は従来の記録紙搬送機構を示す図である。 図において、 １は記録紙カセット、 ２は繰り出しローラ、 ３はレジストローラ、 ４はグリッパ、 ５はグリッパ搬送ベルト、 ６はプーリ、 10は感光ドラム（トナー像形成媒体）、 11は帯電器、 12は露光系、 13は現像機、 14は転写器、 15はクリーナ、 16は記録紙、 20は定着装置、 30は記録紙搬送ベルト、 30aは凹部、 31はプーリ を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】グリッパ（４）に記録紙（16）の先端部を
   把持して搬送する記録紙搬送機構において、 グリッパ（４）の取りつけ周期に等しい周長であり、グ
   リッパ（４）と干渉しない大きさの凹部（30a）を設け
   た記録紙搬送ベルト（30）により記録紙（16）をトナー
   像形成媒体（10）に接触する高さに支持し、該凹部（30
   a）とグリッパ（４）の位置を同調させて回転させるこ
   とを特徴とする記録紙搬送機構。