JP2663368B2

JP2663368B2 - 荷役装置におけるマスト装置

Info

Publication number: JP2663368B2
Application number: JP3252750A
Authority: JP
Inventors: 哲雄上野山
Original assignee: KOMATSU FUOOKURIFUTO KK
Current assignee: KOMATSU FUOOKURIFUTO KK
Priority date: 1991-09-05
Filing date: 1991-09-05
Publication date: 1997-10-15
Anticipated expiration: 2012-10-15
Also published as: JPH0570092A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フォークリフトトラッ
ク等に装備される荷役装置におけるマスト装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、フォークリフトトラックのマスト
装置は、車体の前部に左右一対のアウターマストが立設
され、左右のアウターマストの間に左右一対のインナー
マスト１がアウターマストに案内されて上下移動自在に
なるように設けられている。そして、図４（ａ）、図４
（ｂ）に示すように、インナーマスト１に上下移動自在
に昇降体３が取り付けられており、この昇降体３は左右
一対の縦部材４と、縦部材４に固着するフィンガバー７
と、フィンガバー７に取り付けられるフォークとによっ
て構成されている。このように構成されたマスト装置に
おいて、インナーマスト１への昇降体３の取り付けは、
断面コ字形のインナーマスト１の内側に設けられた前方
と後方のレール部５を昇降体３の縦部材４に取り付けら
れた上部ローラ６ａと下部ローラ６ｂとが転動すること
でインナーマスト１に沿って昇降体３が上下移動自在と
なっている。そして、上部ローラ６ａと下部ローラ６ｂ
とをスムーズに転動させると共に、昇降体３の前後、左
右のガタを無くすため、この部分においては、例えば、
インナーマスト１の内側前方角部に突起部２が設けら
れ、この突起部２に上部ローラ６ａの側面が当接しなが
ら、上部ローラ６ａはインナーマスト１の内側前方レー
ル部５ａを転動し、また、下部ローラ６ｂはフランジ付
きローラで、フランジ部がインナーマスト１の後方の先
端面に当接しながら、後方レール部５ｂを転動するよう
になっている。また他には、図５（ａ）、図５（ｂ）に
示すように、縦部材４の下部ローラ６ｂの近傍にインナ
ーマスト１の中央部を転動するサイドローラ９を設けた
ものや、図６に示すように、インナーマスト１の内側の
レール部５に傾斜をつけると共に、上部ローラ６ａと下
部ローラ６ｂもそれぞれのレール部５を転動するように
軸を傾けたものがある。

【０００３】このため、従来のインナーマスト１への昇
降体３の取り付け部分において、図４に示した構造であ
ると、インナーマスト１と左右のインナーマスト１を接
続するステー１０とを溶接する際、下部ローラ６ｂのフ
ランジ部と溶接部との接触を避けるため、溶接領域を減
らさなければならないので、溶接強度が低下してしまう
という問題があった。また、マスト装置の小型化を行う
ため、図７に示すように、インナーマスト１の後方の先
端面とステー１０の端面とを突き合わせて溶接しようと
しても、下部ローラ６ｂのフランジ部が邪魔となり、こ
のような構造を採用することができなかった。また、他
の例として、図５に示した構造であると、サイドローラ
９を使用するため、その分価格が増すと共に、組み付け
が難しく生産性の低下が生じてしまうという問題があっ
た。さらに、図６に示した構造であると、上部ローラ６
ａと下部ローラ６ｂとが傾いているので、昇降体３に働
く力によって、常に上部ローラ６ａ、下部ローラ６ｂに
スラスト力が働き、ローラ６自身の寿命を低下させてし
まうと共に、マスト装置が振動した際、ローラ６のレー
ル部５転動側の反対において、ローラ６の角とレール部
５とが衝突し、ローラ６、レール部５それぞれに破損を
生じさせてしまうという問題があった。また、この場合
にも組み付けが難しく生産性の低下が生じてしまうとい
う問題があった。

【０００４】そこで、図８に示すように、荷役装置にお
けるマスト装置において、マスト装置を構成している断
面コ字形のインナーマスト１に、コ字形の内側それぞれ
の角部に突起高さが異なる突起部２ａ，２ｂを設ける。
そして、マスト装置を構成している昇降体３の一対の縦
部材４に装着され、かつインナーマスト１の内側の前後
のレール部５ａ，５ｂを転動する上部ローラ６ａと下部
ローラ６ｂとにおいて、上部ローラ６ａを一方のレール
部５ａと他方の突起部２ｂとの間隔より若干小さい径の
ローラとし、下部ローラ６ｂを両方のレール部５ａ，５
ｂの間隔より若干小さい径のローラとしたものが知られ
ていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の構造であ
ると、上部ローラ６ａと他方の突起部２ｂとの当たる部
分が僅かしかなく、マスト装置における前傾、後傾動
作、あるいは悪路を走行する際、上部ローラ６ａと他方
の突起部２ｂとが頻繁に当たるので上部ローラ６ａや他
方の突起部２ｂがすぐに摩耗してしまうという問題があ
り、このためここでの隙間が大きくなることで昇降体３
とインナーマスト１とにおいて大きな前後方向のガタが
発生するという問題があった。本発明は、これらの問題
を解消することを、その課題としている。

【０００６】

【課題を解決するたの手段】本発明は、荷役装置におけ
るマスト装置において、マスト装置を構成している断面
コ字形のインナーマストに、コ字形の内側それぞれの角
部に突起部を、突起高さが異なるように設けると共に、
マスト装置を構成している昇降体の一対の縦部材に装着
され、かつインナーマストの内側の前後のレール部を転
動する上部と下部とのローラとにおいて、一方のローラ
を一方のレール部と他方の突起部との間隔より若干小さ
い径のローラとし、他方のローラを両方のレール部の間
隔より若干小さい径のローラとすると共に、マスト装置
を構成している昇降体のフィンガバーの後面に、マスト
装置揺動時にローラとインナーマストとの衝突を防止す
る支持部材を固着することで、これらの衝突を防止して
ローラ６やインナーマスト１の突起部２ｂがすぐに摩耗
するのを防止し、昇降体３とインナーマスト１との前後
方向のガタを減少させる。

【０００７】

【実施例】本発明による一実施例について、図１、図
２、図３（ａ）、図３（ｂ）を用いて説明する。従来と
同様のフォークリフトトラックのマスト装置において、
マスト装置を構成している断面が概略コ字形のインナー
マスト１に、コ字形の内側の前方側の角部に前側突起部
２ａを、後方側の角部に後側突起部２ｂを設け、前側突
起部２ａは突起高さを低くし、後側突起部２ｂは突起高
さを高くなるように設ける。そして、マスト装置を構成
している昇降体３の縦部材４に装着され、インナーマス
ト１の内側に設けられたレール部５を転動する上部と下
部とのローラ６とにおいて上部ローラ６ａは前方レール
部５ａと後側突起部２ｂとの間におさまるように、その
間隔より若干小さい径のローラとし、通常前方レール部
５ａを転動すると共に、上部ローラ６ａの側面が前側突
起部２ａの先端面に当接するようにする。また、下部ロ
ーラ６ｂは前方レール部５ａと後方レール部５ｂとの間
におさまるように、その間隔より若干小さい径のローラ
とし、通常後方レール部５ｂを転動すると共に、下部ロ
ーラ６ｂの側面が後側突起部２ｂの先端面に当接するよ
うにする。

【０００８】そして、インナーマスト１に沿って昇降体
３が上下移動する際は、上部ローラ６ａが前方レール部
５ａを転動しながら前側突起部２ａに当接されると共
に、下部ローラ６ｂが後方レール部５ｂを転動しながら
後側突起部２ｂに当接されることで、上部ローラ６ａと
下部ローラ６ｂとがそれぞれの突起部２に支持され、上
下移動の際に昇降体３の左右方向のガタがなくすことが
できる。

【０００９】そして、このようになるものにおいて、上
部ローラ６ａと他方の突起部２ｂとの当たる部分が僅か
しかなく、マスト装置における前傾、後傾動作、あるい
は悪路を走行する際、上部ローラ６ａと他方の突起部２
ｂとが頻繁に当たるので上部ローラ６ａや他方の突起部
２ｂがすぐに摩耗してしまうという問題があり、このた
めこれらが摩耗してしますと、上部ローラ６ａが小さい
径であるため、上部ローラ６ａと後方レール部５ｂとの
間のやや大きな隙間となることで、マスト装置揺動時、
上部ローラ６ａとインナーマスト１との衝突が大きくな
り、衝突音発生等の可能性が増す、あるいは昇降体３と
インナーマスト１とにおいて大きな前後方向のガタが発
生するという問題があったので、これを防止するため
に、上部ローラ６ａが装着された部分付近のフィンガバ
ー７の後面に、揺動時インナーマスト１の外側前面に当
接する支持部材８を固着することで、上部ローラ６ａと
他方の突起部２ｂとの当たりを減少して、これらが摩耗
するのを大幅に低減することにより上部ローラ６ａとイ
ンナーマスト１との衝突を防止する。なお、この支持部
材８が消音材等によって形成されることで、昇降体３の
上下移動の際の騒音の発生を減少させる。

【００１０】

【発明の効果】本発明は、インナーマスト１に沿って昇
降体３がスムーズに上下移動しつつ、マスト装置のイン
ナーマスト１とステー１０との溶接部において、従来と
比べて溶接領域を大きくとることができるので溶接強度
を増して安全性の向上を行うことができると共に、図７
に示すようなインナーマスト１の後方の先端面とステー
１０の端面との突き合わせ溶接が可能となり、マスト装
置の小型化が行え、また、従来のサイドローラ９を設け
たり、ローラ６を傾けたりする必要がなく、構造を簡単
にすることで、組み付けの作業も容易に行えるようにな
ると共に、これを安価に提供することができるという作
用効果を奏し、特に、昇降体３のフィンガバー７の後面
に、マスト装置揺動時にローラ６とインナーマスト１と
の衝突を防止する支持部材８を固着したことで、これら
の衝突を防止してローラ６やインナーマスト１の突起部
２ｂがすぐに摩耗するのを防止し、昇降体３とインナー
マスト１との前後方向のガタを減少させることができ、
よりスムーズに昇降体３の上下移動を行うことができる
という作用効果も奏するようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による一実施例のマスト装置の上面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】（ａ）図１のＡ−Ａ断面図。（ｂ）図１のＢ−Ｂ断面図。

【図４】（ａ）従来のマスト装置の上面図。（ｂ）同側面図。

【図５】（ａ）従来の他のマスト装置の上面図。（ｂ）同側面図。

【図６】従来の他のマスト装置の上面図。

【図７】マスト装置におけるインナーマストとステーと
の溶接部の構造説明図。

【図８】従来の他のマスト装置の上面図。

【符号の説明】

１…インナーマスト、２…突起部、２ａ…前側突起部、
２ｂ…後側突起部、３…昇降体、４…縦部材、５…レー
ル部、５ａ…前方レール部、５ｂ…後方レール部、６…
ローラ、６ａ…上部ローラ、６ｂ…下部ローラ、７…フ
ィンガバー、８…支持部材、９…サイドローラ、１０…
ステー。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】荷役装置におけるマスト装置において、
マスト装置を構成している断面コ字形のインナーマスト
１に、コ字形の内側それぞれの角部に突起部２を、突起
高さが異なるように設けると共に、マスト装置を構成し
ている昇降体３の一対の縦部材４に装着され、かつイン
ナーマスト１の内側の前後のレール部５を転動する上部
と下部とのローラ６とにおいて、一方のローラ６を一方
のレール部５と他方の突起部２との間隔より若干小さい
径のローラ６とし、他方のローラ６を両方のレール部５
の間隔より若干小さい径のローラ６とすると共に、マス
ト装置を構成している昇降体３のフィンガバー７の後面
に、マスト装置揺動時にローラ６とインナーマスト１と
の衝突を防止する支持部材８を固着したことを特徴とす
る荷役装置におけるマスト装置。